「AY」と一致するもの

DJ HOLIDAY - ele-king

 今年アルバムを出したハードコア・バンド、ストラグル・フォー・プライドの今里といえば、ここ1~2年はDJ HOLIDAY名義で、かなり精力的にDJとして活動しています。もっぱらレゲエをよくプレイしているそうですが、そんな彼が、〈アリワ〉音源のミックスCDを出しました。
 〈アリワ〉はUKレゲエにおける重要レーベルのひとつで、その主宰者であるマッド・プロフェッサーは、UKダブにおける重鎮であると同時にラヴァーズ・ロックのプロデューサーの第一人者でもあります。
 で、ラヴァーズ・ロックというのは、UKにおいて生まれ80年代に発展した、文字通りラヴリーでメロウなレゲエのスタイル。恋人とのひとときのための音楽です。日本でもずっと人気ジャンルとして聴かれ続けています。もちろんele-kingも大好きです。
 そんな甘々なジャンルの音源をDJ HOLIDAYが選曲し、ミックスしたのが『ARIWA tunes from my girlfriend’s console stereo』。すごくいいですよ。オススメです!


DJ HOLIDAY
ARIWA's tunes from my girlfriend's console stereo.

ARIWA/OCTAVE-LAB
Amazon

Andy Stott - ele-king

 緊急速報です。デムダイク・ステアと並ぶ〈モダン・ラヴ〉の看板アーティスト、10年代のテクノ~インダストリアルの潮流を決定づけた異才、アンディ・ストットが2年半ぶりに来日、一夜限りのライヴ・セットを披露することが決定しました。前回はデムダイク・ステアのマイルズ・ウィテカーとのユニットであるミリー&アンドレアとしての来日でしたので、ソロ名義としては3年半ぶりの来日となります(最新作『Too Many Voices』発表後としては初の来日)。今回はいったいどんなサウンドをぶちかましてくれるのか。ブリストルからは実験的ベース・ミュージックを展開する〈Livity Sound〉のアススが、日本からは Ultrafog と Romy Mats が参加。8月24日はUNITに集結しましょう。

イギリス・マンチェスターを拠点とする超優良レーベル〈Modern Love〉の看板アーティスト、Andy Stott の約2年半振りの来日公演が決定!

伝説の Basic Channel を源流とするミニマル~ダブ・テクノの可能性を拡張させながら、インダストリアル~ドローンの荒野を開拓する唯一無二の存在として、圧倒的なクオリティーとポテンシャルの高いベース・ミュージックでクラブ・ミュージックの枠を越えたファンを獲得している。2012年に発表された『Luxuary Problems』は Pitchfork、Resident Advisor、Fact Magazine、Spin などのレヴューで軒並み高得点を獲得、続く2014年作の『Faith In Strangers』も Resident Advisor の年間ベスト・アルバムのトップに選出されたのを筆頭に、Fact Magazine やミュージック・マガジンでも年間アルバムにチャートイン、世界中で新たなファンを増殖させた。2016年にリリースされた通算4作目となる『Too Many Voices』では、前作で展開されたゴシック~ニューウェイヴ・テイストを継承しながら洗練されたフューチャリスティックな鋭利なグライム・ビートで未開の新境地へと到達している。

常にその特異なサウンドスケイプとプロダクションを進化・深化させながらトレンドをアップデートする稀有なアーティスト、Andy Stott の最新ライヴ・セットをご堪能あれ!

更にイギリス・ブリストル出身でダブステップの興隆と共にシーンに登場、あの〈Livity Sound〉の中核として知られる Asusu がDJとして参戦。〈solitude solutions〉や〈angoisse〉などの新興レーベルからのリリースで知られる音楽家 Ultrafog のライヴ・セット、Asusu、Bartellow、Imre Kiss、S Olbricht などの新鋭を招聘してきたパーティー《解体新書》のレジデントDJである Romy Mats というドープな布陣でカッティング・エッジなエレクトリック・ミュージックを縦横無尽に網羅する一夜になることでしょう!

UNIT / root & branch presets UBIK
8.24 fri @ 代官山 UNIT
live: Andy Stott (Modern Love, UK), Ultrafog
djs: Asusu (Impasse / Livity Sound, UK), Romy Mats (解体新書 / N.O.S.) and More to be announced!!

Open / Start 23:30
¥3,000 (Advance) plus 1 Drink Charged @Door
Ticket Outlets (Now on Sale): PIA (123-868), LAWSON (70299), e+ (eplus.jp), diskunion CLUB MUSIC SHOP (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, JET SET TOKYO, clubberia, RA Japan and UNIT
Information: 03-5459-8630 (UNIT)
www.unit-tokyo.com


■ Andy Stott (Modern Love, UK)

Basic Channel を源流とするミニマル~ダブ・テクノの無限の可能性を現在も拡張させ続けている超優良レーベル〈Modern Love〉を代表する最重要アーティストが Andy Stott である。〈Modern Love〉から2005年に「Ceramics」「Demon In The Attic EP」「Replace EP」の3作品をリリース。ハード・テクノをスクリューしたようなノイジーなドローン、ロウビート、圧倒的な音響感のエクスペリメンタル・ビーツは一躍シーンの寵児として注目された。2006年、ファースト・アルバム『Merciless』をリリース。2008年、これまでリリースされたEPをまとめたコンピレーション・アルバム『Unknown Exception』をリリース。2011年、12インチ2枚組『We Stay Together』『Passed Me By』の2作品をリリース、これら2作品をCDにまとめた『We Stay Together / Passed Me By』もリリース。これらの作品で展開されたオリジナリティーに溢れるアヴァンギャルドかつエクスペリメンタルなダブ・テクノ・サウンドは、数多の Basic Channel のフォロワーを明らかに凌駕する新しいサウンドの斬新さに溢れている。2012年、約1年振りとなるアルバム『Luxury Problems』をリリース。Pitchfork、Resident Advisor、FACT magazine、Rolling Stone、SPIN などレヴューでは軒並み高得点を獲得、現在最もポテンシャルの高いベース・ミュージックを奏でるアーティストとしてクラブ・ミュージックを越えたファンを獲得する事となった。2014年には Demdike Stare の Miles とのプロジェクト、Millie & Andrea 名義でアルバム『Drop The Vowels』をリリース、そして2年ぶりとなるアルバム『Faith In Strangers』を発表、この作品は Resident Advisor の年間アルバム・チャートで首位を獲得、Fact Magazine の年間アルバム・チャート4位、ミュージック・マガジン誌のテクノ/ハウス/ブレイクビーツ部門の年間ベスト・アルバム2位と世界各国で大きな注目を集め、幅広いリスナー層を増殖させ続けている。2016年、通算4作目となる『Too Many Voices』では、前作で展開されたゴシック~ニューウェイヴ・テイストを継承しながら洗練されたフューチャリスティックな鋭利なグライム・ビートで未開の新境地へと到達している。

■ Asusu (Impasse / Livity Sound)

本名、Craig Stennett。ダブステップの興隆とともにシーンに登場して以降、刺激に満ちたダンス・ミュージックの新たな在り方を提案し続けるプロデューサー。UKガラージ、ジャングル、ミニマル・テクノといった要素が混然一体となったカテゴリー不可能なサウンドを武器に、Peverelist と Kowton と共に〈Livity Sound〉の中心的存在として、2010年代のダンス・ミュージックに新たな地平を切り開いた。2011年に発表した「Velez」はスマッシュ・ヒットを記録。タメの効いたミニマルなジャングル・トラックがジャンルの垣根を超えて、多様なDJたちにプレイされることになった。2015年には自身のレーベル〈Impasse〉をスタート。第1弾として発表された「Serra」には、サウンドシステム映えのする強烈な重低音を備えたテクノ・トラックを収録。Asusu の音楽観を見事に体現してみせた。近年も〈Timedance〉や〈Dial〉といった尖ったレーベルにも楽曲を提供するなど、革新的なダンス・ミュージックの可能性を模索し続けている。2017年より東京を拠点に活動中。

■ Ultrafog

Kouhei Fukuzumi によるプロジェクト。
〈Solitude Solutions〉、〈Angoisse〉からカセットを発表。
今年1月に行ったNYCでのツアーでは DJ Python、Patricia、Bookworks などと共演、〈RVNG Intl.〉が運営する Commend でのライブも行った。
今年5月には Huerco S. の来日公演をサポート。

■ Romy Mats (解体新書 / N.O.S.)

1994年、東京生まれ。世界中のアンダーグラウンドから日本へと伝わるダンス・ミュージック/電子音楽を独自の視点で紹介するパーティー《解体新書》を主宰。2018年には東京のレーベル兼レイヴプラットフォーム〈N.O.S.〉の一員としても活動をしている。本名名義の Hiromi Matsubara(松原裕海)でフリーランスのライター/エディターとして活動し、2014年からは、国内では老舗のエレクトロニック・ミュージック・メディア『HigherFrequency』で編集長を務めている。ライターやジャーナリストとしてダンス・ミュージックに接している経験をDJとしてのトラック・セレクトにも活かし、伝統と革新、都市と楽園、調和と混沌などをテーマに、幅広い視野で文脈を超えたミックスに臨んでいる。

Okzharp & Ribane - ele-king

 ポール・トーマス・アンダーソン監督『ファントム・スレッド』(上映中)はなんともおそろしい映画で、これを最後に俳優業を引退して靴職人になるというダニエル・デイ=ルイスに三流職人の役をやらせただけでなく、三流の証として「他人の立てる音」に我慢できないという性格まで与えている(ダニエル・デイ=ルイスは何をやらされているのかわかっているのだろうか?)。他人といっても、それは妻であり、いわゆる生活音を敵視し、それはそのまま現代人が他人の立てる音を許容できない芸術家気取りのようなものになっているというカリカチュアへと跳ね上がっていく。この作品にスマホは出てこないけれど、スマホと一緒に持ち歩いている個人の空間がどのように他人の空間を侵食し、そのことが周囲に被害者意識を増大させていることか。このことが果てしなく誇張され、他人の領域に入ることの難しさ──それはまるでいまや芸術家同士の付き合いのようだとこの作品はからかい、ダニエル・デイ=ルイスもありふれたモラ夫にしか見えなくなってくる。これを見て自分のことだと思わない人の方が僕には恐ろしいし、ましてや男女の枠組みを描いた作品だと了解してしまう単純さにも呆れ返る。オーケーザープのデビュー・アルバムがどうして『近づいて・離れて(Closer Apart)』というタイトルになったかはわからないけれど、これが人と人との距離感を示すものであるとしたら、それこそ「Closer」と「Apart」を重要なキーワードとして使い分けたジョイ・ディヴィジョンの問題意識とも重ね合わせたくなるし、カーラ・ダル・フォーノなどインターネット時代にそれを試みているミュージシャンはやはりそれなりに注目を集めている時期ではある。“Why U in my Way”などという曲のタイトルはそうした邪推に拍車をかけてくれるというか。

 黒人が自分の顔に黒いインクを塗りたくるというクリス・サンダーズのヴィデオがインパクト大だった“Dear Ribane”(15)は当初、オーケーザープによるソロ名義の「Dumela 113 EP」としてリリースされたものの、ヴォーカルとダンスにフィーチャーされていたマンテ・リバンのイメージが強烈すぎたからか、2016年以降はオーケーザープ&リバン名義で「Tell Your Vision EP」へと続き、デビュー・アルバムもふたりの名義でリリースされることになった。ソウェト出身のマンテ・リバンは南アフリカを拠点とするファッション・モデルで、自身の体をキャンバスに見立てたデザイナー活動やダイ・アントワードのダンサーとして早くから注目を浴び、大胆なアフリカン・カラーをフィーチャーした彼女の衣装はそれこそグレース・ジョーンズやニッキー・ミナージュを思わせる。オーケーザープは元々、アフリカン・リズムとグライムを交錯させたLVから分かれたジェルヴァーズ・ゴードンによるソロ・プロジェクトで、アフリカン・ミュージックに対する興味はリバンと出会ったことで、より本格的になったと考えられる。音数が少ないのは元からで、どんなタイプのサウンドでもスネアがとにかく彼はいい。『クローサー・アパート』はそして、これまでのダンス・シングルに対してどちらかといえばチルアウト的なつくりとなり、冒頭から侘しい展開が続くなど前半はファティマ・アル・ケイディリのアフリカ・ヴァージョンといったものに。それはリバンが成長してジャズやクラシックを聴くようになり、“Maybe This” や“Fede”のように民衆を扇動するような歌詞から自称レディ・サイドと呼ぶ穏やかで幻想的なスタイルに改めたからだという(言葉遊びは前より巧みになっているとのことだけど、そこまではわからず)。中盤からはミドル・テンポが味を出しはじめ、ゴムやクンビアといったリズムがさりげなく入り混じる。“Dear Ribane”や“Teleported”に匹敵する曲がないのはちょっと残念だけど、それらに続編といえる“Dun”では陽気な側面も覗かせる。

 オーケーザープは早くに南アフリカを離れてしまったためにクワイトやゴムといった故郷のサウンドに少し距離を感じ、南アから離れようとしないマンテ・リバンは逆にシャンガーンやクワイトに揺るぎない誇りを持っているという。同じ土地に異なるパースペクティヴで突き刺さったふたりの持つずれがおそらくは南アという土地に向かいあう時に予期しない効果をサウンドに与えるのだろう。無理に離れるわけでもなく、あえて回帰的になるでもなく、ふたりの編み出すサウンドはいわゆるハイブリッドとも違った面白い着地点を見出したと思う。エンディングは意外にもインディー・バンド風のチルアウトだったりで、この先、どこに向かうかもわからない点も含めて期待はまだ続きそう。

 もしあなたが音楽好きだというなら、ブラジル音楽を聴かない手はないと思います。フットボール好きでブラジルのフットボールを見ない手はないのと同じように。
 ブラジルが音楽大国であり、その音楽文化もじっさいのところ素晴らしいことはなんとなくわかっていても、素人にはガイドラインとなるものが必要です。90年代は、クラブ世代が『ブラジリアン・ミュージック』や『ムジカ・ロコムンド』のような本を教科書とし、ひとつひとつのレヴューを読みながら自分の好みに目星を付けて、ほんと片っ端から聴いていたものです。長年に渡ってブラジル音楽を紹介している中原仁さん監修の『21世紀ブラジル音楽ガイド』はその現代版です。ブラジル音楽の新世代と現在進行形の決定版が600作以上紹介されています。
 イングランドで生まれたフットボールがブラジルで再定義されたように、音楽においても北半球には類を見ない強烈なる官能と感情、そして実験と伝統、愛と政治が混在しています。その音楽は、フットボールと同じようにあなたを夢中にさせます。ぜひ好きになってください。

【監修】 
中原仁

【執筆陣】
伊藤亮介、江利川侑介、KTa☆brasil、佐々木俊広、宿口豪、高木慶太、橋本徹、花田勝暁、堀内隆志、村田匠

CONTENTS

序文
本書の見方・表記について
ブラジル地図

◆CHAPTER 01
+2とリオのインディー・ポップ

+2(モレーノ、ドメニコ、カシン)
+2ファミリー
Los Hermanos とメンバーのソロ作
Rio-Bahia connection
+2周辺の次世代
+2の弟世代
女性
男性
男性、BAND

[コラム] 音楽の都リオ〜ドメニコ・ランセロッチに見る21世紀のリズムの継承と革新 KTa☆brasil(ケイタブラジル)

◆CHAPTER 02
ノヴォス・コンポジトーレスとサンパウロ・シーン

ダニ・グルジェルと周辺
シンコ・ア・セコとメンバーのソロ
ノヴォス・コンポジトーレス
タチアナ・パーハ
サンパウロ・シーン/女性
サンパウロ・シーン/男性
エクスペリ・サンバ

◆CHAPTER 03
ミナス新世代

アントニオ・ロウレイロ
ハファエル・マルチニ
男性
ヘシークロ・ジェラル世代
グラヴェオーラほか
女性
インストゥルメンタル
新世代の先輩

[コラム] クルビ・ダ・エスキーナ名曲集 中原仁

◆CHAPTER 04
MPB

アナ・カロリーナ
ヴァネッサ・ダ・マタ
マリア・ヒタ
ホベルタ・サー
女性
女性/モニカ・サルマーゾ
女性
男性
セルソ・フォンセカ
ボサノヴァ

[コラム] アントニオ・カルロス・ジョビン作品集 中原仁

◆CHAPTER 05
Samba Soul / Funky Groove / Urban

セウ・ジョルジ
セウ・ジョルジの仲間
リオ・グルーヴ
サンパウロ・グルーヴ
バンド、ユニット(サンパウロ)
バンド(サンパウロ、リオ、ミナス)
女性シンガー
アーバン

◆CHAPTER 06
Hip Hop / Funk / Drum'n Bass / Electro / Reggae / Street Beat

Hip Hop
Funk(ファンキ)
Drum'n Bass & Electronica
Reggae
Street Beat

[コラム] 21世紀のバツカーダに見る“ボサ・ノーヴァ”! KTa☆brasil(ケイタブラジル)

◆CHAPTER 07
Bahia(バイーア)

イヴェッチ・サンガーロ
Axé(アシェー)
Samba & Áfro Bahia
Áfro Bahia
Pagodão(パゴダォン)

[コラム] アフロ・ブラジレイロの新潮流とカエターノ・ヴェローゾ『Livro』の遺伝子 橋本徹

◆CHAPTER 08
Nordeste & Norte
ノルデスチ(北東部)とノルチ(北部)

Nordeste(北東部)
Norte(北部)

◆CHAPTER 09
Rock / Folk & Country

Rock
Folk & Country (Sertanejo)

◆CHAPTER 10
Samba

テレーザ・クチスチーナと Lapa 新世代
Samba Novo
Pagode(パゴーヂ)
Gafieira(ガフィエイラ)

◆CHAPTER 11
Instrumental

アンドレ・メマーリ
アミルトン・ヂ・オランダ
ヤマンドゥ・コスタ
Choro
Jazz
Jazz / New Age
New Age
Large Ensemble

◆CHAPTER 12
90's 世代

90's 世代
Collaboration

[コラム] ブラジル音楽のプロデューサーと、ブラジルで眠りについた2人の外国人 中原仁

◆CHAPTER 13
Maestro, Legend

MPB
Samba
Bahia, Nordeste, Norte
Instrumental etc.
Bossa Nova Age

◆CHAPTER 14
International

Argentina, Uruguay
Argentina, Cuba, USA
USA, Italia
Portugal, Spain
France, UK, Áftica
Nordeste International
Special Project
アート・リンゼイ

[コラム] NYの名門レーベル Adventure Music が示す21世紀ブラジル音楽の“粋” 橋本徹


食品まつり a.k.a Foodman - ele-king

 日本を代表するプロデューサーのひとりである食品まつりことフードマン。フットワークから影響を受けつつ、そこに留まらない数々の試みで多くのリスナーの支持を集めてきた彼が、なんとサン・アロウの主宰するレーベル〈Sun Ark〉と契約、9月21日にニュー・アルバム『ARU OTOKO NO DENSETSU』をリリースする。現在、“MIZU YOUKAN”と“SAUNA”の2曲が公開中。どちら素敵なトラックです。試聴はこちらから。

・世界中から注目を集めるトラックメイカー、食品まつり a.k.a foodman が9月にニューアルバムをリリース!
・新曲2曲をResident Advisorにて公開!

ダンス・ミュージックの定義を書き換える、他に類を見ない独自性溢れる音楽性で世界中から注目を集める名古屋出身トラックメイカー、食品まつり a.k.a foodman。国内での精力的な活動に留まらず、近年は全米・ヨーロッパツアーも成功させた彼が、最新アルバム『ARU OTOKO NO DENSETSU』を米レーベル〈Sun Ark〉から9月21日にLPおよびデジタル配信でリリースすることを発表した。

ドラムやベースを大胆に排除した楽曲も多く収録され、「ウワ音だけのダンス・ミュージック」をイメージして制作したという本作。シカゴのジューク/フットワークにインスピレーションを受けながら、既存のエレクトロニック・ミュージックの定石を覆し、誰も聞いたことのない音楽を生み出してきた姿勢はそのままに、今までよりエモーショナルでメロディックな表現を取り入れている。

さらにアルバムアナウンスに伴い、先行シングル第1弾となる「MIZU YOUKAN」と「SAUNA」が、Resident Advisor にて先行公開された。タイトル通り水菓子を思わせる涼しげなサウンドが夏にぴったりの「MIZU YOUKAN」と、無類のサウナ好きとしても知られる食品まつりのサウナ愛が情趣漂うメロディーから感じられる「SAUNA」の2曲を聴きながら、食品まつり a.k.a foodman によるこれまでの数多くのリリースの集大成とも言える本アルバムを心待ちにしたい。

■Resident Advisor でのプレミア公開記事はこちらから:
https://www.residentadvisor.net/news.aspx?id=42152

■各配信サービスにて新曲「MIZU YOUKAN」「SAUNA」配信&アルバム予約受付中!
アルバムDL購入には収録曲をイメージした本人手描きのドローイングによる全14ページにわたるブックレットPDF付き!
https://smarturl.it/2pq1mv

■リリース情報
アーティスト:食品まつり a.k.a foodman
タイトル:ARU OTOKO NO DENSETSU
リリース日:2018/9/21
※LP国内発売日未定

[トラックリスト]
01. KAKON
02. PERCUSSION
03. 337
04. AKARUI
05. FUE
06. BODY
07. MIZU YOUKAN
08. CLOCK feat. MACHINA
09. TATA
10. TABIJ2
11. SAUNA
12. MOZUKU feat. PILLOW PERSON

■バイオグラフィー

名古屋出身のトラックメイカー/絵描き。シカゴ発のダンス・ミュージック、ジューク/フットワークを独自に解釈した音楽でNYの〈Orange Milk〉よりデビュー。常識に囚われない独自性溢れる音楽性が注目を集め、七尾旅人、あっこゴリラなどとのコラボレーションのほか、Unsound、Boiler Room、Low End Theory出演、Diplo主宰の〈Mad Decent〉からのリリース、英国の人気ラジオ局NTSで番組を持つなど国内外で活躍。2016年に〈Orange Milk〉からリリースしたアルバム『Ez Minzoku』はPitchforkやFACT、日本のMUSIC MAGAZINE誌などで年間ベスト入りを果たした。2018年9月にニュー・アルバム『ARU OTOKO NO DENSETSU』をリリース予定。

Brandon Coleman - ele-king

 8月のソニックマニアをまえにし、俄然〈Brainfeeder〉が勢いづいております。ロス・フロム・フレンズ、ドリアン・コンセプトに続いて、ブランドン・コールマンが同レーベルと契約、9月14日に新作をリリースします。カマシ・ワシントンライアン・ポーターの作品でもおなじみの彼ですが、きたるリーダー作ではどんなサウンドを届けてくれるのか。先行公開された“Giant Feelings”を聴いて待っていましょう。

BRANDON COLEMAN
2018年型ファンク・オデッセイ!!!
LA新世代ジャズを牽引する鍵盤奏者が〈BRAINFEEDER〉と契約!
カマシ・ワシントンらLAジャズ集団WCGDメンバーも集結した
ブランドン・コールマン待望の最新アルバム
『Resistance』のリリースが決定!
リード・シングル「Giant Feelings」をMVと共に公開!

隠しディスクを含む3枚組CD(LPは5枚組)でリリースされたカマシ・ワシントンの超大作『Heaven & Earth』に続き、そのカマシ・ワシントン、サンダーキャットらと共にLA新世代ジャズ・シーンを牽引するメイン・プレイヤーにして、スティーヴィー・ワンダーやアース・ウィンド&ファイアといったレジェンドから、チャイルディッシュ・ガンビーノ、アリシア・キーズ、ベイビーフェイス、ケンドリック・ラマー、そしてもちろんフライング・ロータスまで、錚々たるアーティストに絶対不可欠なファンキー&グルーヴを注ぎ込む鍵盤奏者のブランドン・コールマンが、〈Brainfeeder〉と契約! カマシ・ワシントンやマイルス・モズレー、ライアン・ポーターらLAジャズ集団WCGD(ウェスト・コースト・ゲット・ダウン)のメンバーが集結した待望の最新アルバム『Resistance』を9月14日(金)に世界同時リリースする。アルバムの発表に合わせて、カマシ・ワシントンも参加したリード・シングル「Giant Feelings」がMVと共に公開された。本楽曲はもともと、カマシ、マイルス・モズレー、ロナルド・ブルーナー・ジュニア、サンダーキャットことスティーヴン・ブルーナーら、WCGDメンバーらとプレイすることを目的に書かれたという。

Brandon Coleman - Giant Feelings (feat. Patrice Quinn & Techdizzle)
https://www.youtube.com/watch?v=tgMHcBx_eKQ

本作『Resistance』では、パーラメント/ファンカデリックのジョージ・クリントンやザップから、ドクター・ドレー、DJクイック、デイム・ファンクにわたる、ファンク王朝の正統な後継作であると同時に、ブランドンにとってのヒーローたち、ハービー・ハンコック、ピーター・フランプトン、ロジャー・トラウトマンといった先駆者の自由と実験の精神を称え、ファンクの新時代の到来を高らかに告げる内容となっている。

カマシのバンド・メンバーでもあり、名作『The Epic』及び最新アルバム『Heaven & Earth』にも名を連ね、ほかにもフライング・ロータスの『You're Dead!』、ライアン・ポーターの『Spangle-Lang Lane』や『The Optimist』、クァンティック&ザ・ウェスタン・トランシエントの『A New Constellation』などLAジャズ周辺作品に参加する一方、ベイビーフェイス、アリシア・キーズなどR&B方面から、スタンリー・クラーク、マーカス・ミラー、ケニー・ギャレット、クリスチャン・マクブライド、ロイ・ハーグローヴら大物ジャズ・ミュージシャンに起用され、さらにスティーヴィー・ワンダー、アース・ウィンド&ファイアというレジェンダリーなアーティストとの共演も果たすなど、超一流のセッション・ミュージシャンとしての腕を磨いてきたブランドン。近年ではラッパー兼俳優のチャイルディッシュ・ガンビーノと共演し、グラミー賞授賞式のステージでバックを務めたことも話題を呼んだ。自身のソロ活動ではアルバム『Self Taught』を2013年にデシタル・リリース(2015年にCD化)している。

本作『Resistance』は、彼のマルチ・ミュージシャンぶりにさらに磨きをかけ、『Self Taught』での音楽性をより強固に、2018年の今にアップデート。主な録音メンバーには、カマシ・ワシントン(サックス)、ライアン・ポーター(トロンボーン)、ロバート・ミラー(ドラムス)、ミゲル・アトウッド・ファーガソン(ヴィオラ、ヴァイオリン)ほか、クリストファー・グレイ(トランペット)、ジーン・コイ(ドラムス)、オスカー・シートン(ドラムス)、ジェイムズ・アレン(パーカッション)、センミ・モウレイ・エルメーダウィ(ギター)らが参加。新たに新進女性ヴァイオリン奏者のイヴェット・ホルツヴァルトほか、コリー・メイソン(ドラムス)、ビリー・オドゥム(ギター)らセッション・ミュージシャンが脇を固め、カマシのバンドのリード・シンガーとして知られるパトリース・クイン、ゴスペルをルーツに持つネオ・ソウル系名シンガーのエンダンビほか、シーラ、ドミニック・シロー、トリシア・バッターニら多彩なヴォーカル陣が名を連ねている。

1980年代のブギー・ディスコ調のスタイルは、現代ならタキシードからデイム・ファンクなどに通じるもので、ジャズ以外の幅広い音楽ファンにもアピールする力を持っている。ハービー譲りのコズミックなメロウネス、スティーリー・ダン譲りのポップさも垣間見られる一方、LAの〈SOLARRecords〉、そしてPファンクやザップ、ロジャー・トラウトマンなどの流れも彷彿とさせる。ミディアム~スロー・ナンバーも秀逸だ。2017年を代表する名アルバムとなったサンダーキャットの『Drunk』と同じベクトルで、ジャズ、ファンク、ソウル、ブギー、AORなどのエッセンスをブレンドした現代のアーバン・ブラック・コンテンポラリー・サウンドが、ここに完成した。

ブランドン・コールマン待望の最新アルバム『Resistance』は9月14日(金)に世界同時リリース! 国内盤CDには、ボーナストラック“Dance with Me”が追加収録され、歌詞対訳と解説書、ステッカーが封入される。またiTunes Storeでアルバムを予約すると、公開された“Giant Feelings (feat. Patrice Quinn & Techdizzle)”がいち早くダウンロードできる。

label: BRAINFEEDER / BEAT RECORDS
artist: Brandon Coleman
title: Resistance

release date: 2018.09.14 FRI ON SALE

国内盤CD:BRC-573
ボーナストラック追加収録 / 解説書・歌詞対訳封入

[ご予約はこちら]
beatink.com: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9795
amazon: https://amzn.asia/2b5jAHm
Tower Records: https://bit.ly/2zLZQrl
HMV: https://bit.ly/2Lh9nuY

iTunes: https://apple.co/2NuAGPX
apple music: https://apple.co/2zQL8PD
Spotify: https://spoti.fi/2LsWI8t

[Tracklisting]
1. Live For Today
2. All Around The World
3. A Letter To My Buggers
4. Addiction (feat. Sheera)
5. Sexy
6. There’s No Turning Back
7. Resistance
8. Sundae (feat. N’Dambi)
9. Just Reach For The Stars
10. Love
11. Giant Feelings (feat. Patrice Quinn & Techdizzle)
12. Walk Free
13. Dance with Me (Bonus Track for Japan)

BRAINFEEDER XANNIVERSARY POP-UP SHOP
開催日程: 8/10 (金) - 8/12 (日)
場所: GALLERY X BY PARCO

フライング・ロータス主宰レーベル〈BRAINFEEDER〉の10周年を記念した日本初のポップアップ・ショップ開催決定!
8月10日~12日の三日間に渡って、渋谷スペイン坂のギャラリー X にて、日本初のポップアップ・ショップを開催! ここでしか手に入らない10周年記念グッズやレアな輸入グッ ズ、入手困難だった人気グッズの復刻、さらにアート作品の展示や〈BEAT RECOREDS〉のガレージセールなども同時開催! 初日にはDJイベントも!

詳細はこちら:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9778

SONICMANIAに〈BRAINFEEDER〉 ステージが登場!
今年設立10周年を迎えたフライング・ロータス主宰レーベル〈BRAINFEEDER〉。サマーソニックに引けを取らない強力な出演陣が大きな話題となっている今年のソニックマニアでは、フライン グ・ロータス、サンダーキャット、ジョージ・クリントン&パーラメント・ファンカデリックという最 高の布陣に加え、ドリアン・コンセプト、ジェームスズー、ロス・フロム・フレンズら、フライング・ ロータスが激推しする逸材が一挙集結!

SONICMANIA 2018
www.sonicmania.jp

Ben Khan - ele-king

 トム・ミシュジェイミー・アイザックにと、エレクトロニック・ソウルの新世代たちがつぎつぎに頭角を現している昨今。先日ご紹介したカラムもその新たな息吹のひとつですが、ここへ来てさらなるニュー・カマーの登場です。彼の名はベン・カーン。これまでいくつかのシングルをリリースし注目を集めてきたエレクトロニック・ファンクの新鋭が、この8月、ファースト・アルバムを発表します。プロデューサーはフラッド。同作収録曲のライヴ映像が公開されていますので、まずはそちらをチェックしておきましょう。

・近未来エレクトロニック・ファンク! UK新鋭プロデューサー、ベン・カーンがデビュー作から“a.t.w. (against the wall)”のライヴ映像を公開!
・日本盤は8月29日(水)に発売決定!

英ロンドンを拠点に活動するエレクトロニックR&Bプロデューサー、ベン・カーン。敏腕プロデューサー、フラッド(デペッシュ・モード、スマッシング・パンプキンズ他)を迎えて制作されたセルフ・タイトルのデビュー・アルバムより“a.t.w. (against the wall)”のライヴ映像が公開された。カーン自身とライティング・デザイナーのトバイアス・ライランダー(FKAツイッグス、ドレイク、バレンシアガ他)が本映像を手掛けている。暗闇の中飛び交う無数のレーザーが近未来的な世界を表現している。

新曲“a.t.w. (against the wall)”のライブ映像はこちら
https://youtu.be/1Fzr8nuBNxM

収録曲“Do It Right”のMVはこちら
https://youtu.be/1qfhFaA6dr8

収録曲“2000 Angels”のMVはこちら
https://youtu.be/Rt7TxeZNs9Q

さらに、デビュー・アルバムの日本盤が8月29日(水)に発売されることが決定した! ダウンロード・ボーナストラックに加えて、歌詞対訳とライナーノーツが封入予定。ライナーノーツにはカーンによる1言楽曲解説も記載されているので、ぜひ日本盤を手にとってほしい。


■リリース情報
アーティスト名:Ben Khan (ベン・カーン)
タイトル:Ben Khan (ベン・カーン)
発売日:2018年8月29日(水)
品番:HSE-6836
レーベル:Dirty Hit / Hostess
価格:2,100円+税

※初回仕様限定:ボーナストラック・ダウンロードコード付ステッカー封入(フォーマット:mp3 / 発売日から1年間有効)。ライナーノーツ、歌詞対訳(予定)

Amazon / Tower / HMV / iTunes

[トラックリスト]
01. 2000 angels
02. do it right
03. monsoon daydream
04. ruby
05. a.t.w (against the wall)
06. fool for you
07. the green
08. soul into the sun
09. our father
10. love faded
11. dntwanturluv...
12. merchant prince
13. ruby1strecording
14. waterfall
15. warriors rose

新曲“a.t.w (against the wall)”含む4曲配信開始&アルバム予約受付中!
リンク:smarturl.it/j4398l

■ショート・バイオ
英ロンドンを拠点に活動するエレクトロニックR&Bプロデューサー。2013年にファースト・シングル「Drive (Part 1)」を SoundCloud に公開。同年に発表したセカンド・シングル「Eden」が Pitchfork にて「Best New Track」を獲得し、早耳リスナーを中心に一挙に注目を集める。2014年に「1992 EP」、翌年には「1000 EP」を発表。2018年8月、待望のデビュー・アルバムをリリースする。

 NYではガバナーズボールやパノラマなどビッグなバンドが出演する音楽フェスティヴァルが絶賛開催中だが、今回はペンシルヴェニア州のスプリング・ヒルファームへ、手作りの素敵なミュージック・フェスティヴァルに行った。NYから車で約3時間、ここは Mirah の家族が所有するファームである。

 Mirah は、マイクロフォーンズなど多くのバンドとコラボレートし、〈Kレコーズ〉から何枚も作品を出しているシンガーソングライター。今回の出演アーティストは Mirah の友だちがほとんどで、Tara Jane O’Neil、Rebecca Gates (ex. The Spinanes, Decemberists)、Kimya Dawson (ex. the Moldy Peaches)、Fleabite (mem. Aya Neko)、Diane Cluck、Lonesome Leash (ex. Dark dark dark, Hurray for the riff riff)、Death Vessel、TubaFresh などなど計17バンド。
 広い牧場には馬、鶏、羊などがいて、池では泳ぐこともできる。数々の簡易トイレが設置され、夜はキャンプ・ファイアがあり、バンドもお客さんもそれぞれテントで寝る。40歳以上と子供が多く、若者はほとんどいなかった。200人ほどの参加なので、3日間いると自然に顔も覚えてしまった。



 ファームで取れた果物や野菜などを使った、健康的な食事も朝昼夜と提供される(キヌア、ビーツサラダ、タイカレー、パンケーキなど)。アルコールはコンブチャとアップルサイダーで、他は持ち込み。
 皆さん大人なので、アルコールを飲んで大騒ぎをする人もいない。
 料理担当、掃除担当の人もいて、みんなでお皿を洗ったり、なんだか合宿みたいだった。
 昼は池で泳いだり、ハンモックで読書したり、ヨガをしたり、かなりのリラックスぶり。このフェスでは財布を持たなくていい。

 ライヴはアコースティック・セットが多く、最近のトレンドの逆行をいくインディ音楽好きのものだった。演奏中も長いテーブルはそのままで。座って見てもいいし、前でかぶりついてみるのも良し。
 Mirah は、フェスに来たみんなにお礼を言った。そして、彼女のお父さんが音楽を聞かせてくれたおかげでいまの自分があると語った。
 最後の“Energy”と言う曲では、Tara、Chanell (TubaFresh)、Maia がステージに上がり、一緒に演奏した。それが泣いているように聞こえたでの、後で聞くと、彼女のお父さんが危篤状態だったそうだ。数日前に意識が戻り、彼女のステージを見にきたという。彼は車椅子に乗って、ブランケットに包まれ、Mirah を見ていた。
 8回も日本に行っている Tara Jane O’neil は、余裕にウィットに富んでいて、ギターだけなのに、とても安定感があった。Shondes というバンドの Eli と一緒に、REMの“You Are The Everything”をカヴァーした。今後はトータスのドラマー、John Herndon とツアーを回るそうだ。
 ブルックリンの Fleabite は、Aya Neko のメンバーが被っていて、パンクでファジーなロックンロールを奏でた。Death Vessel は、バンドで見るのは初めてで、コントラバス、キーボード、美しいハーモニーなどが加わり、インディ・ブルーグラス風の曲がより光っていた。知ってるバンドもあらためて見ると、また印象が変わる。周りの環境と Mirah の人徳が、このフェスをスペシャルなものにしていた。

 音楽と自然に包まれ、コマーシャル感のまったくないフェス。キャンプファイアを見ながら、大切な物を感じた夜だった。


Mirah & Todd (主催者)

Jamie Isaac - ele-king

 深夜のチルアウト。彼は午前1時過ぎの深い時間が大好き。ひとりで、ときには友人を誘って、ときには煙をくゆらせながら真夜中に音楽ばかり聴いている。自堕落かつロマンティックな時間帯。なんの生産性もないが幸せな時間帯。そんなときに似合う音楽とは、最近の例で言えば、Burialであり、ザ・XXであり、ジェイムス・ブレイクであり……、そしてジェイミー・アイザックの本作もそうだ。いま売れているトム・ミッシュと同じカテゴリー(南ロンドン出身/ソウル・ジャズ系SSW)にも括られる23歳の若者だが、不眠症に合うのは間違いなくこちら。孤独な音楽。午前4時30分の怠け者。この10年顕著なひとつの潮流=悲しみの男の子たち。

 とはいえ、カリフォルニアで書かれてロンドンで録音されたこのセカンド・アルバムは、ボサノヴァのリズムからはじまる。“Wings”という曲、これがなかなか洒脱で、ごくごく初期のエヴリシング・バット・ザ・ガールとジェイムス・ブレイク世代との出会いというか、じつにスタイリッシュにまとめられている。日本独自のサブジャンル「ネオアコ」的感性にも訴えそうだ。“Slurp”という曲にもブラジルからの影響が聞こえる。(その曲もぼくは気に入っている)
 ジャジーでポップな“Maybe”は、シャーデーとジョー・アーモン・ジョンズとの溝を埋めるかのようだが、しかし歌は終始一貫してか細く、クレッシェンドすることもない。ダブステップ以降のビート感、アトモスフィア、空間的音響、チルアウト、そして夜の世界に見事にマッチしている。それは夏の大三角形のはるか下の、ベッドルームで揺れる蝋燭の炎と共振するかのようだ。曲の主題は、表題曲は不眠症ともリンクしているそうだが、あらかたラヴ・ソングの体をとっている。
 
 猛暑の夜のメランコリー。地球温暖化と異常気象、地震への恐怖、腐敗した政治家たち、暗黒郷と化す街並み。豊かにならない生活……こんな時代でも、いやどんな時代でもか、深夜にひとり、好きな人のことを考えている時間帯は幸せなんだと。まあたしかにね。

PSYCHEDELIC FLOATERS - ele-king

 不肖柴崎の監修により新たなリイシュー・シリーズがスタートします。その名も「PSYCHEDELIC FLOATERS(サイケデリック・フローターズ)」。

 「サイケデリック」というと、その語自体が伝統的なロック・ミュージック観と分かちがたく結びいている故に、1967年のサマー・オブ・ラヴ、ヒッピー、LSD、ティモシー・リアリー、サイケデリック・アート、ジェファーソン・エアプレイン、……という連想を反射的に起こさせるものだったし、そういった理解がいまだ一般的なものだろう。ドラッグ・カルチャーと変革の時代が生んだ徒花的存在として、その徒花性が故に「あの時代を彷彿とさせる」アイコニックなカルチャーとしてその後も生きながらえてきた。70年代にはアンダーグラウンドに潜伏しながらもオーセンティックなサイケデリック・ロックを演奏するバンド群は根強く存在していたし、80年代にはオルタナティヴ・ロックの胚珠として「ペイズリー・アンダーグラウンド」なるリヴァイヴァルも勃興し、90年代以降も特定のテイストとして都度アーティストたちに取り入れられる一要素として「サイケデリック」という意匠は生き長らえてきた。

 しかし、本来この「サイケデリック」には、そうした単線的な視点・史観のみでは捉えきれない複層的な空間が広がっている。幻夢的な酩酊感、あるいは静的覚醒感。そういった、サイケデリックから抽出される特有の質感を「浮遊感=フロートする感覚」として捉え直すことで、大きく視野が切り拓かれることになる。快楽性とテクスチャーにフォーカスして音楽を捉え直すという感覚は、90年代に、かつてのソウル観に対する概念として「フリー・ソウル」というタームが出現したときのそれに近しいと言えるかも知れない。そう、ドアーズやエレクトリック・プルーンズ、ブルー・チアー(も素晴らしいけど)ではなく、後期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやカン、マニュエル・ゲッチング、ウェルドン・アーヴィン、ピーター・アイヴァース、ネッド・ドヒニー、ヨ・ラ・テンゴ、アンノウン・モータル・オーケストラフランク・オーシャン……。それらから共通して抽出されるタームこそを「サイケデリック・フローターズ」と呼びたい。

 そして、昨今のポスト・ヴェイパーウェイブ的趨勢の中、ニュー・エイジ、アンビエント、バレアリック、あるいはシティ・ポップやヨット・ロックが次々と注目・再発見されていく流れにあって、「サイケデリック・フローターズ」という切り口をそこに加えることで、いまこそ再び聴きたい(聴かれるべき)多くの隠れた名作が浮かび上がってくるのだった。これまで「サイケデリック」という文脈では一般的に語られることのなかった幅広いジャンルに存在する「無自覚なサイケデリック」とでも言うべき作品を発掘し、これまでのリイシュー・シリーズとは一線を画した視点で数々のタイトルを紹介していくつもりだ。

 では、今週7/18にリリースとなる第一弾の2作品を紹介しよう。

Jack Adkins / American Sunset

 米ウェストバージニア州出身のシンガー・ソングライターによる84年作の世界初CD化。
 少年期よりガレージ・ロック・バンドで演奏活動を始め、その後も全米サーキットで音楽活動を続けてきたジャック・アドキンス。80年代に入りマイアミに移住しその地の風景に心を打たれたことをきっかけに、北米各地の夕暮れ(Sunset)の風景を歌い綴ったアルバムを制作することにした。歌とギター、リンドラム、そしてシンセサイザー(ローランドジュピター8)を中心に、ほぼ全ての楽器を自身で演奏し録音されたこのレコードは、当時はごく少数のみプレスの超激レア作。
 まさに知る人ぞ知る存在だったこの盤の存在が知られるきっかけは、ダニー・マクレウィンとトム・コベニーというハードなディガーふたりによるユニット PSYCHEMAGIK が選曲を担当したヴァイナル・コンピレーション『PSYCHEMAGIK PRESENTS MAGIK SUNSET PART 1』(2015年)に、アルバム・タイトル曲が収録されたことだった。
 ジュピター8の独特の音色に80’s的風情を強く吹き込むリンドラムの響き、そしてジャック・アドキンス本人のマンダムな歌唱が融合した世界は、まるでルー・リードとアーサー・ラッセルが邂逅したかのような至高のニューエイジ・フォーク作となっている。キラキラと海を照らすオレンジ色の黄昏のような音楽に、バレアリックな哀切が掻きてられる。

Jack Adkins - American Sunset
Boink Records / Pヴァイン

Amazon Tower HMV


Chuck Senrick / Dreamin’

 米ミネソタ州出身のジャズ系シンガー・ソングライター、チャック・センリックによる唯一作(76年作)の世界初CD化。
 地元のバー・ピアニストとして演奏活動をおこなっていた彼が、愛する新妻との結婚生活を綴ろうと制作した作品で、自身のヴォーカルとフェンダー・ローズ、そしてKORG社製のリズムボックス「ドンカマチック」を伴い、友人宅のリヴィング・ルームでひっそりと録音されたものだ。マイケル・フランクスやケニー・ランキンといったヴォーカリストを思わせる切々としたクルーナー・ヴォイスに、透明感のあるローズの響き、そしてキッチュとも言えるドンカマのリズムが融合し、シンプルながらも不可思議な酩酊感を湛えた世界が(ささやかに)繰り広げられる。
 ヨット・ロックのブームを決定づけることになった米〈Numero〉からリリースされたコンピレーション『SEAFARING STRANGERS: PRIVATE YACHT』(2017年作)に、本作から“ドント・ビー・ソー・ナイス”が収録されたことでも一部ファンの注目を集めていた。そういったAOR再評価の最深部的作品としても実に味わい深いが、やはり注目すべきはその幸福な浮遊感に満ちたイノセントかつナイーヴな肌触りだろう。
 これぞまさしくアンコンシャス(無意識的)なサイケデリック・ミュージックの最良の例だと言えるだろう。

Chuck Senrick - Dreamin'
A Peach Production / Pヴァイン

Amazon Tower HMV


 「サイケデリック」についてあれやこれや考察するよりも、あるいは「いまっぽい」という視点ばかりに拘泥するよりも、何よりもまずはその浮揚するサウンドスケープに耳を委ねてみるのが良い。
皆さんのリスニング・ライフに少しの刺激と安らぎを与えてくれるであろう本シリーズ、今後も様々な知られざるレア作や埋もれた名作のリリースを予定していますので、是非ご愛顧のほど宜しくお願いします。

追記:
「サイケデリック・フローターズ」をより楽しんでいただけるように、Apple Music と Spotify 上にプレイリストを作成しました。是非併せてお楽しみください。

AppleMusic

Spotify

※配信曲有無の関係で、AppleMusic と Spotify で若干プレイリスト内容が異なります。

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