「W K」と一致するもの

BlankFor.ms - ele-king

 インスタグラムのサジェスト欄になにが表示されるかは十人十色だろうが、電子音楽やシンセサイザーに興味を持つ人のもとにはハードウェア・シンセやモジュラー・シンセ、ペダル・エフェクターなどを駆使した60秒未満の演奏動画がたびたび流れてくることだろう。

 そうした世界に出自を持つニューヨークはブルックリンの電子音楽家、BlankFor.msことタイラー・ギルモアが初のジャパン・ツアーを開催。兵庫の〈Tobira Records〉と〈space eauuu〉の2会場での公演ほか、実験音楽やバンド・サウンド、果てはハイパーポップまでを広く受け入れる東京・下北沢のクラブ〈SPREAD〉の3会場を巡るそうだ。

 兵庫公演にはBlankFor.ms のほかLullatone、Tatsuro Murakami、Nekomachi、Molderが出演。〈space eauuu〉での投げ銭制でのライヴにはヴィジュアル・アーティストのKeiji Matsuokaが映像演出として参加。

 東京公演は〈PLANCHA〉サポートのもと開催。ローカル・アクトに、20年代デジコア・シーンでのポエトリー・ラップから大きく飛び出し、4台の中古iPhoneで即興演奏を実施する唯一無二のスタイルへと移行した音楽家・vqが出演。DJには〈悪魔の沼〉でもおなじみの名手、COMPUMAが参加。

 新旧さまざまな価値観が融和し、異なるフィールドから生まれたオブスキュアな感性、そして美しい電子音の調べが堪能できる公演となることでしょう。以下詳細。

BlankFor.ms Japan Tour 2025

10月25日(土) 兵庫 加西・Tobira Records
10月26日(日) 兵庫 神戸・space eauuu
10月28日(火) 東京 下北沢・SPREAD

兵庫公演①
日程:2025年10月25日(土)
会場:兵庫 加西 Tobira Records
時間:TBA
料金:3,000円 (学生2,000円)
チケット:TBA

出演:
BlankFor.ms
Lullatone
Tatsuro Murakami
Nekomachi

兵庫公演②
日程:2025年10月26日(日)
会場:兵庫 神戸 space eauuu
時間:開場17:30 / 開演18:00
料金:Donation + 1 drink order

出演:
BlankFor.ms
Lullatone
Tatsuro Murakami
Molder

Visual:
Keiji Matsuoka

東京公演
BlankFor.ms “After The Town Was Swept Away”
Release Party in Tokyo

日程:2025年10月28日(火)
会場:東京 下北沢 SPREAD
時間:開場19:00 / 開演19:30
料金:前売3,300円 / 当日3,800円 ※共に別途1ドリンク代
チケット: https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/news/blankfor-ms-japan-tour-2025/

出演:
BlankFor.ms
vq

DJ:
COMPUMA


BlankFor.ms

タイラー・ギルモア(Tyler Gilmore)、別名BlankFor.msは、ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するアーティスト。劣化したテープ、アナログ・シンセサイザー、そしてスピネット・ピアノを用いて、豊かでテクスチャー感のある音楽を制作している。
これまでにソロ名義で2019年にPuremagnetikからデビュー・アルバム『Works For Tape And Piano』をリリースし、2023年には、ラスベガスを拠点とするアンビエント・レーベル、Mystery Circlesより『In Part』を発表、そして同年ECMのプロデューサー、Sun Chungが設立したレーベル、Red Hook RecordsからJason Moran、Marcus Gilmoreとのコラボレーション・プロジェクト『Refract』をリリース。アナログとデジタルを交差させた繊細で美しい音響作品として高い評価を受ける中、今年9月5日にMatthewdavid主宰のLAの名門Leaving Recordsから最新アルバム『After The Town Was Swept Away』をリリースしたばかりだ。
ギルモアは映画やビデオゲームの音楽も手がけており、アカデミー賞作品賞にノミネートされた映画『Nickel Boys』にも楽曲を提供。また、The Cinematic Orchestra、Arthur Moon、Para Oneといったアーティストのリミックスも行っている。さらにSpitfire Audioとの共同開発により、テープ録音の質感を取り入れたソフトウェア音源「Tape Synths」をリリース。
インスタグラムでは10万人近いフォロワーを有し、SNSを通じて世界中のリスナーと繋がりながら、BlankFor.msは独自の音楽言語でグローバルな存在感を高め続けている。
https://www.instagram.com/blankfor.ms/


Lullatone(兵庫公演に出演)

15枚のアルバムリリースと1億回以上のストリーミングの他、Each Story等の国内アンビエント主要フェスへの出演、また数々の映画やテレビ番組、アート作品のために作曲を手がける音楽家。日々起こる小さいけれど大切にしたい、そんなものごとへのサウンドトラックとして楽曲を制作している。Lullatoneのライブは、いくつもの小型シンセサイザーとロボットドラムを使用し、多彩な音を再現するための小さな実験室のようであると言われる。多くのインタラクティブな要素が組み合わさり、遊び心のあるライブでリスナーを魅了し続けている。


Tatsuro Murakami(兵庫公演に出演)

東京生まれ、ギタリスト・プロデューサー。高校卒業後にブラジルへ渡り、日本人として初めてサンパウロ州立タトゥイ音楽院ショーロ科をクラシックギター専攻で卒業。現地でサウンドトラック制作も学び作曲家としての活動を開始し、現在までにアンビエント系の海外レーベルより5枚のアルバムをリリースしている。約7年間のブラジル滞在の後帰国し、帰国後は国内のブラジル盤リリースや通訳、興行企画等にも携わる。タージ・マハル旅行団(現Stone Music)ギタリスト、USレーベルMystery Circlesの日本支部代表。2025年に最新作”Mita Koyama-cho”をLPリリース。


vq(東京公演に出演)

vqはネカフェやコインランドリー、スーパー銭湯、友達の家を拠点に活動するアーティスト。アニメ『タコピーの原罪』エンディングの公式リミックス、BALMUNG 2025 S/Sでの音楽制作およびモデル出演、ゆるふわギャング主催の「PURE RAVE」や、中国・広州にて開催された626company主催イベント「无题一」など、多様なフィールドで表現の幅を広げている。
最近は先月からハマってしまった雑炊を、作っては食べる日々を送っている。


COMPUMA(東京公演に出演)

ADS(アステロイド・デザート・ソングス)、スマーフ男組での活動を経て、DJとしては国内外の数多くのアーチストDJ達との共演やサポートを経ながら、日本全国の個性溢れる様々な場所で日々フレッシュでユニークなジャンルを横断したイマジナリーな音楽世界を探求している。自身のプロジェクトSOMETHING ABOUTよりMIXCDの新たな提案を試みたミックス「SOMETHING IN THE AIR」シリーズをはじめ、コレクティヴ「悪魔の沼」での活動でのDJや、楽曲制作、リミックスなど意欲的に活動。2022年には初ソロ名義アルバム「A View」2024年には「horizons」をリリース。Berlin Atonal 2017、Meakusma Festival 2018への出演、ヨーロッパ・ラジオ局へのDJミックス提供など国外での活動の場も広げる。一方で、長年にわたるレコードCDバイヤーとして培った経験から、コンピレーションCD 「Soup Stock Tokyoの音楽」の他、BGM選曲を中心にアート・ファッション、音と音楽にまつわる様々な空間で幅広く活動している。Newtone Records、El Sur Records所属。

ROB Smith - ele-king

 6年ぶりに戻ってくるBS0ナンバーシリーズ、そしてRSD a.k.a. ROB Smith (Bristol,UK)の東京公演のフルラインナップ公開! 
 24日より前売りチケット発売開始。eastaudioサウンドシステム搭載で渋谷Midnight East @midnight_east (O-East 3F & Azumaya)にて開催します。

 BS0──それは存在しないはずのブリストルのZIPコード、転じてかの街のサウンドを日本へと持ち込み、サウンドシステムとのコンビネーションでまさにライヴ&ダイレクトで届けるコレクティヴの名前である。ジャングル/ ドラムンベース・シーンからSoi(Dx & Osam Green Giant)、レゲエ / ダブ・シーンから1TA(Bim One Production / Riddim Chango)、そして下北沢の地で、まさにブリストルと日本のシーンをつなげてきたDisc Shop Zeroの故・飯島直樹によって運営され、2015年7月にスタートし、6回ほど開催されている。2020年の中心人物の飯島の急逝、そしてコロナ禍を経て2019年以来、6年ぶりの開催にして、新たなBS0スタートを告げるリブートな「0」の開催となる。
 そんなBS0は、やはり彼以外のラインナップはないだろう。ロブ・スミス──1980年代末からスミス&マイティとして活動を開始し、マッシヴ・アタックのデビューにもかかわり、その作品群はいわゆる“ブリストル・サウンド”を定義するものでもある。そして現在においても進化・深化させてきた最重要アーティストだ。スミス&マイティではレイヴ以降のUKダンス・ミュージックにダブの要素を大きく持ち込み、ピーター・Dとのモア・ロッカーズではジャングルを、そして2000年代後半より、ダブステップへとフォーカスしたソロ名義RSDで、そのサウンドの刷新を行ってきた。ブリストル・サウンドにおけるベース・ミュージック・サイドは彼なしではその歴史は語れないと言っていいだろう。
今回はMidnight Eastでの開催となるが、これまで通りeastaudioによる現代ベース・ミュージックに最適化されたサウンドシステムでそのサウンドの魅力をフィジカルにおいても余すことなく伝える。故・飯島のレーベル〈Angel’s Egg〉からのリリースでのリミックスなど、長く親交のあるG.Rinaをはじめ、ブリストル〈Livity Sound〉でのリリースもあるDayzero、BS0xtraレジデント、ykah、そしてBS0gangらがプレイ。また2F東間屋エリアでは、ロンドン、そして国内各地のアーティスト、DJ、コレクティヴがクロスボーダーなベース・サウンドをお届けする。- 文: 麻芝拓

- Rob Smith Japan Tour 2025 in Tokyo -

BS00RS

2025.11.01 SAT Open 22:00
At Midnight East (O-EAST 3F & AZUMAYA)

- 3F Soundsystem Arena
RSD a.k.a. Rob Smith (Bristol, UK)
G.Rina
Dayzero
ykah
BS0gang (1TA, Dx and OGG)

Soundsystem by eastaudio

Shops :
Glocal Records (tribute to DSZ)
BS0 coffee
Shinjuku Duusraa (Food)

- 2F AZUMAYA
Dubrunner (menace, UK)
B-Lines Delight (DJ END & Sivarider)
SAKANA & PAKIN
GROW THE CULTURE TAKEOVER (maidable & Midnight Runner)
Chikichikirambo (Bungo,Ceriseboy,zenzenheiki)
Reggae shop Nat Kazu
Qrmr

Advance Ticket ¥2,500
Entrance ¥3,500
U-23 ¥2,000

Flyer Design by @agoxlntz

Ticket Info
Zaiko
RA
Glocal Records *Physical Ticket


※U23チケットは当日券のみの販売になります。(要顔写真付き身分証明書)
※20歳未満入場不可。(要顔写真付き身分証明書)
※出演者は予告なく変更になる場合がございますので、予めご了承ください。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開されることがあります。

Cecil Taylor/Tony Oxley - ele-king

 予感。沈黙の縁にぶら下がりながら、同じ旅路を託したその相手がいつ応答するのかを思いめぐらす。セックスよりも自発的に。私はセシル・テイラー(1929年生 – 2018年没)をいちどしか見たことがないが、彼の最大のパートナーが沈黙と予感であることを知っている。セシルは、1956年以来、フリー・ジャズ、あるいはファイア・ミュージック、あるいはファー・アウト・ミュージック——呼び名が何であれ——の背後にある比類なき自然の力であり、ピアノを携えて、またバンド・リーダーとして、セシル・テイラー・ユニット名義や数多くのソロ演奏によってアブストラクト・ジャズの急進的な運動を先導した。セシルの人となりは豪快で知られている。彼のピアノ演奏もまたそうで、旋律と不協和のまったく独自の言語を作り上げた。その強度において彼に比肩しうるのは、サン・ラーの音楽だけである。

 このアーカイヴ音源でのトニー・オクスレイ(1938年生 – 2023年没)は、セシルと息を合わせる共演者、あるいは乗客である。なぜなら、1988年に録音されたこのデュオ作品『Flashing Spirits』においては、未知の領域を切り拓いていくべく舵を取っているのはセシルだからだ。『Flashing Spirits』は今年の7月にひっそりとリリースされたため、一見すると大きな出来事には見えないかもしれない。しかしジャズの連続体のなかで捉えれば、その意義は間違いなく重大であった。1988年は、トニー・オクスレイとセシルの長きにわたる友情と音楽的パートナーシップのはじまりを示す年なのだ。
 このふたりは、すでにそれぞれの国においては高く評価される革新者だった。セシルが1960年代初頭にアヴァンギャルドのピアニストへと変貌した一方で、イギリスではトニーがデレク・ベイリーや、多くの仲間たちとともに「Company」録音やその他の作品に参加し、〈インカス・レコード〉からリリースされた(たとえば1975年に発表された彼自身の名を冠した素晴らしいアルバムのような)数々の作品によって進化を遂げていた。テイラーと同じく、トニーも数多くの輝かしい録音を生み出している。したがって、両者がステージを共有することが、活動開始から20年以上も経ってからであったという事実は、きわめて注目すべきことなのだ。

 1988年の夏、セシルはベルリン市の要請を受けて、ドイツ・ベルリンで1か月にわたる連続コンサートに参加した。そしてトニーと組まされたことで、花火が打ち上げられた。7月17日、彼らは初めて演奏し、その最初の魔法は『Leaf Palm Hand』として解き放たれた。『Flashing Spirits』はそれからわずか2か月後のことである。その事実だけで、彼らの相乗作用がいかなるものであったかを示すに十分であろう。なぜなら「ときおり共演する」という音楽上のパターンは、しばしば物事を新鮮に保とうとする前衛的音楽家たちの選択肢だからだ。
 ゼロから出発し、ゆっくりと構築していく——形が現れはじめるとともに予感の障壁を取り払っていく。その「ことが動き出す」までには、およそ2分半を要する。しかしこの文脈において「動き出す」という言葉は理解しにくい。というのも、そこには激しい綱引きがあり、一定したダウンビートが存在しないからである。

 この録音は単なるドキュメントにすぎない。そしてこれは、はじまりがわかっていて終わりに酔いしれるクラシック音楽でもヘヴィメタル音楽でもない。これは運動体としての、本当に生きた音楽なのだ。そして聴き手は、セシル・テイラーの両手が鍵盤を駆け抜け、明確な旋律がいくつもの音域でピンポンのように反響するのを見ながら、椅子の端に腰掛けて右へ左へと視線を走らせる子どもにならねばならない。セシルは座っているが、完全に座っているわけではない。なぜなら、どんな新しいアイディアも彼を飛び上がらせるかもしれないからだ。彼はトニーに盗み見るような視線を送るが、トニーの方がむしろセシルに注意を払っているだろう。というのも、彼は「このマザーファッカーはクレイジーだ」とわかっていて、セシルがいつ気を変えるかわからないからである。

 あなたがこの音楽にピンこないのないのなら、私は無理に好きになれとは言わない。だが、もしこれがあなたにとって日常の糧であるならば、クール・ジャズのレコードとこれとの違いを、心の奥底ではすでにわかっているはずだ。ひとつは、煙草を吸い、特別な香りのワインを手に恋人とともにくつろぎ、あるいは笑い合いながら楽しむためのもの。だが『Flashing Spirits』のような録音は、まったく別の物語だ。それは、普通の人間が入り込むことのできない場所への入門である。まさにそのために、私は『Flashing Spirits』のようなジャズをひとつのコード(暗号)だと感じる。最初は判読不能だが、集中(そしておそらく多少の献身)をもってはじめて理解することができる。プログラミング言語や宗教的なイニシエーション(入門儀礼)と同じように。入門を果たした者たちは、この録音を持っていることの幸運を知るだろう。そしてなんてことだ、この音の素晴らしさ! ドラムとピアノは驚くほど明瞭で、まるで自分が彼らの目の前に座っているかのように感じられる。私はセシルのレコードを山ほど聴いてきたが、これは間違いなく自分のトップ10に入る作品だ。

 少しのあいだ、私の脳は問いかけていた——なぜだ? なぜこれは良いのか? なぜ私は惹きつけられているのか? いったいなぜ? そして私は再び聴きはじめた。深いリスニングを。特製のノイズキャンセリング・ヘッドフォンをつけ、街を歩きながらフレーズを拾い上げると、セシルの後継者たちを気取る新しいピアニストと、セシル自身との違いを聴き分けることができた。セシルは旋律に囲まれて育ったのだ。ゴスペル、ブルース、クラシック、その他いろいろ。旋律の中心から、セシルはカコフォニー(不協和音の奔流)を抱きしめ、そしてそれを抱きしめたとき、彼は自身に刻み込まれた旋律を一緒に連れていった。これはノイズではない。彼は若き日のすべての旋律をリミックスして、新たなチョコレートケーキへと仕立て上げ、旋律を刻んでは歪めているのだ。だから、あの狂騒と混沌を通しても、私は旋律の断片を次々と、かたまりごとに聴き取ることができる。私の母には決して聴き取れないだろうが、それでまったく構わない。

 これは録音されたのは1988年、英国での〈Outside in Festival〉、そのときセシルは58歳か59歳だった。その事実をもういちどよく考えてほしい。私は、39歳で膝や背中の痛みを口にする人びとを知っている。トニーは少し若く、およそ50歳だった。だが私は、30歳で階段を上るのにも苦労する若者を知っている。このアルバムは、その鮮烈さや旋律的な気迫や激烈さ、あるいは「ジャズ的時代精神」の体現として——ファイア・ミュージックの誕生から20年を経た後で演奏されたにもかかわらず——十分に鼓舞的であるはずだ。仮にあなたを鼓舞しないとしても、より深いリスニングと、そして何より「身体を動かすこと」の大切さを思い出させてくれるだろう。


Anticipation. Hanging on the edge of silence wondering when the person you have entrusted to go on the same journey with you will respond. More spontaneous than sex. I have only seen Cecil Taylor (b. 1929 - d.2018) once but I know that his greatest partner is silence and anticipation. Cecil, the preeminent force of nature behind free jazz or fire music or far out music or whatever you may choose to call it since 1956, spearheaded the radical movement with the piano and as band leader in abstract jazz with numerous releases under his Cecil Taylor Unit and solo performances. Cecil`s personality is known to be brash and so is his dominance on the piano making a totally unique language of melody and dissonance that is only rivaled by Sun Ra`s in its intensity.
For this particular recording, Tony Oxley (b. 1938 - d. 2023) is his focused co-partner or passenger since it is Cecil who is navigating very extraterrestrial terrain here in this 1998 duo recording titled “Flashing Spirits” (Burning Ambulance Music) released this past July. “Flashing Spirits” with its quiet release, doesn’t seem monumental but in the jazz continuum, it was. 1988 marked the beginning of Tony Oxley and Cecil’s long friendship and partnership in music. This despite each of them being highly respected innovators in their respective countries. While Cecil transformed into THE avant gardist pianist in the early 1960`s, over in the UK, Tony was evolving with the likes of Derek Bailey and many others who participated in the Company recordings and other releases put out on Incus Records (like his brilliant self named record put out in 1975) in the late 60`s onward. Like Taylor, Tony created numerous brilliant recordings so it is quite remarkable that neither shared the stage til 20 plus years after they began.

It was the summer of 1988 that Cecil took part in a month long series of concerts in Berlin, Germany at the request of the city and in being matched with Tony, fireworks were set off. On July 17th, they first performed and that initial magic was released as “Leaf Palm Hand.” “Flashing Spirits” was only 2 months later. That alone should illustrate their synergy as the pattern in music of “occasionally collaborating” is often the chosen course for left field musicians aiming to keep things fresh.
Starting from zero and slowly constructing, taking away the barriers of anticipation as the forms begin to appear, it takes nearly 2 and a half minutes before things are “going.” But “going” is a difficult word to understand in this context because there is a vicious tug of war and no consistent downbeat.
This recording is just a document and this is not classical music or heavy metal music where you know the beginning and revel in the end. This is kinetic really live music and you have be the kid sitting on the edge of his seat looking back and forth at Cecil Taylor as his hands wiz past keys and clear melodies ring ping ponging on numerous registers. Cecil is sitting but not exactly, because any new idea might make him jump. He will sneak glances at Tony but Tony is more likely to be paying attention to Cecil cause he knows “this motherfucker is crazy” and may change his mind at any minute.
If you don`t like this music then I can`t convince you. But if this is your bread and butter, then you should already know at heart the difference between a cool jazz record and this. One is for smoking and getting chill or giggly with a significant other over wine with a special scent. Recordings like “Flashing Spirits,” are a totally different story. They are initiations into places the average person cannot enter. It is because of this that I feel jazz like “Flashing Spirits” is a code. Illegible at first, it takes concentration (and maybe a little dedication) to be able to comprehend. Similar to any coding language or religious initiation. Those initiated will know they are lucky to have this recording and damn, the sound for this is gorgeous. The drums and piano are pretty freaking clear and it feels like I am sitting right in front of them. I have listened to a bunch of Cecil records but this is definitely going in my top 10.
My brain for a minute was even was asking why? Why is this good? Why am I engaged? Freaking why? And then I started re- listening. Deep listening. Walking down the street with my special noice-cancelling headphones on picking up on the phrases and I could hear the difference between new pianists that try to sit on the mantle of Cecil and Cecil himself. See Cecil grew up surrounded by melody. Gospel, blues, classical and what not. From the center of melody Cecil embraced cacophony and when he did, he took his engrained melodies with him. This isn`t noise. He is remixing all the melodies of his youth into a new chocolate cake with melodies chopped and screwed. So through the frenzy and the chaos, I still hear chunks and chunks of melodies. I am sure my mother wouldn`t but that`s just fine.
When this was recorded in 1988 at the Outside In Festival in the UK, Cecil was 58 or 59. Please read that sentence again cause I know people who are 39, talking about pains in their knees and backs. Tony was a little younger at 50 approximately. Still I know kids who have difficultly walking up stairs at 30. If this record isn`t inspiring for its vibrancy or melodic swagger or intenseness or jazz zeitgeist nature despite being performed 20 years past the birth of fire music, then it should be an inspiration to practice more deep listening and most importantly, to exercise!

downt - ele-king

 新曲“AWAKE”が映画『YOUNG&FINE』主題歌に起用されて話題のdowntだが、彼らの自主企画公演が京都で開催されることになった。これまでつづけられてきた自主企画“WASTE THE MOMENTS”の第4回目にあたるもので、京都では初の開催となる。10月13日(月・祝)、チケットは発売中です。詳細は下記より。

downt自主企画”WASTE THE MOMENT"、初の京都で10月開催決定!

2023年1月よりスタートした不定期開催の自主企画イベント”WASTE THE MOMENTS”の第四回目を、10/13(月・祝)京都にて開催。
同企画としては約2年4ヶ月ぶりの開催となり、会場は京都UrBANGUILDにて行われる。
これまでのゲストアクトには、明日の叙景(第一回)、Subway Daydream(第二回)、DENIMS(第三回)と様々なアーティストを迎え2マンで開催し、チケットは毎回SOLD OUTとなっている。
そして第四回目、今回のゲストアクトには、Qoodow、House Of The Blood Choirの2組をお迎えしての3マンでの開催となります。

【公演情報】
公演名:downt presents “WASTE THE MOMENTS 4”
公演日時:10/13(月・祝)
開場/開演:18:00/18:30
会場:京都UrBANGUILD
出演:downt / Qoodow / House Of The Blood Choir
Ticket:3,000円 (+1Drink)

<Ticket Info>
発売日:9/19(金)20:00〜
TIGET:https://tiget.net/events/430443

downt official link:https://linktr.ee/downtjapan

【リリース情報】
映画『YOUNG&FINE』主題歌シングル『AWAKE』
8cm短冊CDシングル
Release Date:2025.06.27 <完売>
DIGITAL
Release Data:2025.04.23
【AWAKE - Streaming / Download】
https://p-vine.lnk.to/OfwRyN
【「AWAKE」リリックビデオ】
https://youtu.be/jgiel7ppcpY

『ビリーバーズ』のカリスマ漫画家・山本直樹の傑作青春漫画を、新原泰佑主演で奇跡の実写化!!
映画『YOUNG&FINE』
原作:山本直樹
脚本:城定秀夫
監督:小南敏也
出演:新原泰佑、向里祐香、新帆ゆき他
主題歌:downt「AWAKE」(P-VINE RECORDS)
2025年6月27日(金)新宿武蔵野館他より全国順次公開中
©2025 KLOCKWORX・LEONE

【downt profile】
2021年結成。富樫ユイ(Gt&Vo)、河合崇晶(Ba)、Tener Ken Robert(Dr)の3人編成。東京を中心に活動開始。
同年10月1st『downt』(ungulates)リリースを受け、一躍ライブハウスシーンにて注目を集める存在に。翌年『SAKANA e.p.』(ungulates)リリース、FUJI ROCK FESTIVAL’22“ROOKIE A GO-GO”への出演等、その名を各所に響かせた。2023年6月、バンドとしての新機軸となった8分を超える大作「13月」を含むSg『III』を6月リリース、今年3月待望の1stFULL AL『Underlight & Aftertime』をリリース。リリース後、東名阪(沖縄)ツアー、初の海外公演となる中国ツアー、そして9月には台湾公演も成功におさめる。各地野外フェス、大型サーキットフェスへの出演、US、UKはじめ中国、台湾、インドネシア、タイ、フィリピンなどアジア各国の海外アーティストとも数多く共演。もはやカテゴライズはいらない存在感でジャンルの境界線を風通しよく越え快進撃中!
昨年3月、1stフルアルバム『Underlight & Aftertime』(P-VINE)をリリース。東京・名古谷・大阪+沖縄リリースツアー、そして初の海外公演となる中国ツアーを4月、9月に台湾公演を開催、さらに二度目の中国ツアーを11&12月上海・深圳・広州の3箇所で開催し全公演SOLD OUTに!
今年1月東京(渋谷duo MUSIC EXCHANGE)、2月大阪(心斎橋Music Club JANUS)にてANORAK!xdowntxくだらない1日にて開催した3マンはそれぞれのアーティストの現在地をまざまざと示した。
6/27〜新宿武蔵野館を含む全国30館を超える劇場にて公開の映画『YOUNG&FINE』の主題歌をdowntが担当。映画の公開に先駆けて主題歌シングル『AWAKE』を4月23日に配信リリース、そして公開に合わせ新宿・横浜・梅田の上演館3館のみ限定にて8cm短冊CDシングルを販売し瞬く間に完売。
4月26日渋谷WWWにて開催した初のワンマン公演は、チケットは発売早々にSOLD OUTし満員御礼の公演となり、バンドとしての未来を大きく示す一夜となった。

downt:
https://linktr.ee/downtjapan

Qoodow:
https://linktr.ee/qoodow_

House Of The Blood Choir:
https://www.instagram.com/houseofthebloodchoir
https://x.com/Hthebloodchoir

Dijon - ele-king

 このアルバムを繰り返し聴きながら、僕は誰かのことを「ベイビー」と呼ぶときの熱についてずっと考えている。再生ボタンを押すと、ざらついた音色に囲まれながらもスウィートなムードを持った1曲目 “Baby!” でディジョン・デュエナスが甘美な思い出について歌う――「ベイビー、きみのお母さんとぼくは踊ったんだよ/彼女の名前を知る前にね」。この歌は自分の子どもに向けて、沸きあがる愛おしさを表現したものなのだ(ベイビーは彼の子どもに実際につけられた名前でもある)。「ベイビー」との呼びかけはそこで終わらない。続くプリンス風の “Another Baby!” では、エロティックな言葉とともに「次の赤ちゃん!/準備はできているよ/赤ちゃんを作ろうよ」と反出生主義をものともせずに新しい生命に希望と喜びを見出そうとする。この殺伐とした時代に、どうやったらこんなにエネルギッシュに愛を歌えるんだろう? いくつかの曲につけられた!マークがこのアルバムの勢いをよく表している。それはただの浮ついた誘惑の言葉ではない。ベイビー! いま、どのような態度で生きるかの宣言のようだ。

 ジェイムス・ブレイクの登場以降でもっとも刺激的なニューカマー、フランク・オーシャンの不在を埋める存在、ディアンジェロの後継者などなど、すでにものすごい絶賛のされ方をしているボルチモア出身のシンガーソングライター、プロデューサー、そして俳優のディジョンだが、僕が本当に彼の音楽に魅了されたのはファースト・アルバム『Absolutely』(2021)を音源で聴いたときよりも、そのセッションをライヴで再現した映像(https://youtu.be/FEkOYs6aWIg?si=k8xOp0YuDiX7HOor)を観たときだったと思う。盟友のMk. Geeらバンド仲間とひとつの部屋に集まって、親密な空間のなかからどうやって爆発的なエネルギーを生み出せるかの挑戦がそこでは繰り広げられていたからだ。何よりもディジョンそのひとの、身体の内側から感情が溢れだして仕方がないというような落ち着きのない様。そして、それを小さな部屋でやってしまうのがディジョンのアティチュードだ。最近ではジャスティン・ビーバーの『SWAG』への参加が話題になった彼だが、そんなメインストリームでの華々しい脚光で真価が証明されるわけではもちろんない。ディジョン自身の音楽としては、ごくパーソナルな場所からどれだけ活気に満ちた音を鳴らせるかが重要になる。
 2作めの『Baby』は、ディジョンのエモーショナルなソウル、R&Bを前作以上に作品としてパッケージ化することに成功している。それを実現したのはプロダクションだ。意図的に濁りや汚れや割れを音色に混ぜこみ、さらにはコラージュ的な要素を持ちこみ、甘い歌とサウンドの混沌が衝突する瞬間を動力へと変換するのだ。2010年代なかば頃のオルタナティヴR&Bにおけるサウンドの冒険をあらためて推し進めているとも言えるし、それこそMk. Geeらとともに近年トレンドになっている80年代風の甘ったるい音をどうやってロウに響かせるかのモダンな実験とも取れる。ボン・イヴェールの新作にも参加していたディジョンだが、たしかに『22, A Million』辺りのあり方と共鳴する大胆な折衷性もある。ただ、なかでもディジョンの音はそのワイルドさにおいて際立っている。温かいコーラスがざりざりとした鳴りのリズムとまぐわるような “HIGHER!” はどうだろう。IDMとノイズの隙間からシンセ・ファンクを強引に出現させるような “FIRE!” は? スローなバラード “my man” では、柔らかいシンセの和音の代わりにディジョンの歌が叫びとなって生々しさを立ちあげる。そしてこれほどダイナミックな飛躍に満ちた本作もまた、彼の自宅で制作されていることに驚嘆せずにはいられない。

 ときに耳障りな音を強調することで言葉が聞き取りにくくなる瞬間もある『Baby』だが、それでもこれは新しいR&Bとして真っ向から愛を主題とする作品だ。そして自分は、いま愛を語るならばそこに混沌や混乱がつきものであるというようなサウンド・デザインに直感的に共感するところがある。無邪気にラヴ&ピースを掲げられるときではないからだ。ディジョンはアルバムを通じて家庭生活を巡る「love」を繰り返し歌い、繊細さと野性味を思い切りぶつけ合わせながら、カオスのなかから純粋な喜びが訪れる一瞬を捕まえようとする。
 アルバムではもっともスムースでソフトなバラード “Kindalove” でディジョンが「きみの愛でぼくを震わせてくれ!」と懇願すると、また「ベイビー!」とのサンプリングが挿入されてアルバムは終わる。だから僕はつい再生ボタンをもう一度押す。再び愛の歌が始まる――「Baby! What a beautiful thing!」

WWW 15th Anniversary - ele-king

 2010年の誕生以来、数えきれぬほど多くのライヴ/パーティを創出してきた渋谷・スペイン坂のヴェニュー、WWW。みなさんもいろんな思い出があることでしょう。オープン15周年を記念し、スペシャルなシリーズの開催が決定しています。9月25日のSuchmosとLEXのツーマンを皮切りに、11月に怒濤の6公演、ハーバート&モモコ、D.A.N.とElijah Foxのツーマン、折坂悠太とCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、ceroPeterparker69と長谷川白紙の組み合わせ、そしてコーチェラへの出演が話題となった¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U。各公演の詳細は下記より。

WWW 15th Anniversary

09月25日(木) WWW X Suchmos / LEX
11月04日(火) WWW X Herbert & Momoko and more
11月12日(水) WWW X D.A.N. / Elijah Fox
11月18日(火) WWW  折坂悠太とりを(+ハラナツコ+宮坂洋生)/ CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN
11月19日(水) WWW  cero
11月20日(木) WWW X Peterparker69 / 長谷川白紙
11月22日(土) WWW X ¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U and more

and more

主催・企画制作:WWW
詳細:https://www-shibuya.jp/feature/019231.php

Photography: トキ
Design: Ryu Nishiyama

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WWW 15th Anniversary「Suchmos × LEX」

SuchmosとLEXによる特別ツーマンライブ開催決定。生き様を通じてリスナーに強烈な影響を与えてきた二組が交わり、世代やジャンルを超え新たな景色を描く一夜に。

出演:Suchmos / LEX
日程:2025年9月25日(木)
会場:渋谷 WWW X
時間:OPEN 18:30 / START 19:30
料金:ADV.¥8,800(税込 / ドリンク代別) ※SOLD OUT
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019175.php

SuchmosとLEXそれぞれの公式YouTubeチャンネルにて、同内容を同時生中継
Suchmos : https://youtube.com/live/AqfuUoap2Sc
LEX : https://www.youtube.com/live/MMtCcV0-qAU

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WWW 15th Anniversary “PERSONAL CLUβ -Herbert & Momoko-”

革新的な実験性で鬼才の敬称に最も相応しい電子レジェンドの一人Matthew HerbertがMomoko Gillとの最新アルバム『Clay』を携えた6年ぶりとなるジャパン・ツアー。東京公演は最新作を軸にハーバートの名曲も交えたドラムとボーカルありのデュオ・ライブを披露、前回のJan Jelinekに続くmelting bot主宰の電子音楽イベント・シリーズPERSONAL CLUβにて開催。追加アクトは後日発表。数量限定の早割とU25が即時販売。

出演:Herbert & Momoko LIVE and more
日程:2025年11月04日(火)
会場:渋谷 WWW X
時間:OPEN 18:00 / START 18:00
料金:早割/U25 ¥4,000(税込 / ドリンク代別) *数量限定
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019224.php

チケット:
・早割/U25発売:9月18日(木)19:00
 https://t.livepocket.jp/e/20251104wwwx

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WWW 15th Anniversary “D.A.N. x Elijah Fox”

キャリア初のワンマンや、Mndsgn、Jamie Isaac、Erika de Casierを招聘した共催企画「Timeless」など、幾つもの記憶に残る時間をWWWで刻み、今年約2年の休止期間を経て活動を再開した「D.A.N.」と、SZA、Childish Gambino、Yussef Dayesなどのレコーディングやプロデュース、ライブに参加し、その精力的なソロワークスとライブが各国で高い評価を集める「Elijah Fox」による特別な2マン。「Elijah Fox」は本邦初となるバンドセットでの出演となる。電気信号と温度、都市生活者の心象までを包摂した環境音としてのアンビエントに身を委ねる一晩。

出演:D.A.N. / Elijah Fox
日程:2025年11月12日(水)
会場:渋谷 WWW X
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:ADV ¥6,300(税込 / ドリンク代別)
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019226.php

チケット:
・先行予約(抽選)
 受付期間:9月18日(木)19:00〜9月21日(日)23:59
 受付URL:https://eplus.jp/dan-elijahfox/

・一般発売:9月27日(土)10:00
 e+ https://eplus.jp/dan-elijahfox/
 Zaiko https://wwwwwwx.zaiko.io/e/dan-elijahfox

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WWW 15th Anniversary “折坂悠太×CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN”

10周年公演をはじめこれまでも節目のタイミングでWWWに出演、いつになっても色褪せない、祈りにも似た静謐さと普遍的な音楽の素晴らしさを我々に感じさせる折坂悠太と、世界の様々な土地やルーツを思い起こさせる、豊かで神秘的なサウンドで祝祭の空間へと導くCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN。

折坂悠太は今回、ハラナツコ(Sax.)と宮坂洋生(Cb.)を迎えた初編成の『折坂悠太とりを』にて出演。
会場はWWW、音楽の手触りを感じる二組の魅力をたっぷりお楽しみください。

出演:折坂悠太とりを(+ハラナツコ+宮坂洋生)/ CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN
日程:2025年11月18日(火)
会場:渋谷 WWW
時間:OPEN 18:30 / START 19:30
料金:ADV.¥5,500(税込 / ドリンク代別)
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019222.php

チケット:
・先行予約(抽選)
 受付期間:9月18日(木)19:00〜9月28日(日)23:59
 受付URL:https://eplus.jp/orisakayuta-chocopa-co/
・一般発売:10月4日(土)10:00

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WWW 15th Anniversary cero live "Obscure Adventures"

『Obscure Ride』から10年、WWWオープンから15年
現在と過去を融合させながらceroはその先を目指す

出演:cero
日程:2025年11月19日(水)
会場:渋谷 WWW
時間:OPEN 18:30 / START 19:30
料金:ADV.¥5,300(税込 / ドリンク代別)
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019230.php

チケット:
・先行予約(抽選)
 受付期間:9月18日(木) 19:00〜9月24日(水) 23:59
 受付URL:https://eplus.jp/cerolive1119/
・一般発売:10月4日(土)10:00

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WWW 15th Anniversary “Peterparker69×長谷川白紙”

インターネット的な文脈から独自のポップサウンドを生み出し、国内外問わず幅広い世代からも強い支持を集める、Peterparker69と長谷川白紙によるこれからのシーンを予感させる一夜

出演:Peterparker69 / 長谷川白紙
日程:2025年11月20日(木)
会場:渋谷 WWW X
時間:OPEN 18:30 / START 19:30
料金:ADV ¥4,500 / U25 ¥2,500 (税込 / ドリンク代別)
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019233.php

チケット情報:近日発表

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WWW 15th Anniversary ”¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U presents Zone Unknown”

Coachellaへの出演決定、破竹の勢いで世界を揺らすDJ ¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U主宰のイベント・シリーズZone Unknown、初の東京編がWWW Xにてデイ開催。本シリーズは2016年に大阪で始動、Shapednoise、Imaginary Forces、Kamixlo、Aïsha Devi、Palmistry、Endgame、Equiknoxx、Rabit等を招き、しばらくの休止を経て本年ベルリンにて復活を遂げる。長年のDJ活動で鍛え上げられたミキシングや選曲の節々に現れる¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uの根源を物語る実験性に基づきキュレーションされたラインナップと共に未知なるゾーンへと突入する。東京編の詳細は後日発表。数量限定の早割とU23が即時販売。

出演:¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U and more
日程:2025年11月22日(土)
会場:渋谷 WWW X
時間:OPEN 16:30 / START 16:30
料金:早割/U23 ¥3,000(税込 / ドリンク代別)*数量限定
詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/019225.php

チケット:
・早割/U23発売:9月18日(木)19:00
 https://t.livepocket.jp/e/20251122wwwx

KING GIDDRA - ele-king

 日本のヒップホップに大きな影響を残したキング・ギドラ。Kダブシャイン、Zeebra、DJ OASISから成る彼らのデビュー・アルバム『空からの力』(1995年)がついに30周年ということで、リマスタリングされアナログ化されることになった。重量盤2枚組のオビ付き仕様。さらにカセットテープでもリリースされるとのこと。完全限定プレスとのことなので、お早めに。

伝説的なグループ、キング・ギドラのデビュー30周年を記念して1995年に発表した名盤デビュー・アルバム『空からの力』のリマスタリング盤が180g重量盤/2枚組/帯付き仕様で待望のアナログ化!同時にカセットテープでもリリース!

 ジャパニーズ・ヒップホップ・シーンのみならず幅広く音楽シーンに多大なる影響を与えたKダブシャイン、Zeebra、DJ OASISによる伝説的なグループ、キング・ギドラ。1995年にリリースされたデビュー・アルバム『空からの力』は当時の日本語でのヒップホップの概念を根底から覆すライミングやフロウ、トラックメイキング、思想、姿勢でシーンに大きなインパクトを与え、現在ではジャンルの枠を越えた日本の音楽史に残る名盤として語り継がれている。リリース20周年となる2015年にはボーナストラックも収録し、故トム・コインが全曲をリマスタリングした20周年記念盤をリリースしたことも大きな話題に。
 そしてリリース30周年となる2025年12月10日、前述のリマスタリング盤が『空からの力:30周年記念エディション』として待望のアナログ化!巨匠トム・コインの手により新たにアップデートされた『空からの力』のサウンドをダイナミックに再現すべく180g重量盤/2枚組/帯付き仕様でリリース!同時にカセットテープでのリリースも決定!
 デビュー30周年にあたる2025年末~2026年に三本の首が再び集結する。
※TOWER RECORDSやHMV、P-VINE SHOPではポスターやステッカーなど各ショップごとのオリジナル特典が付く予定です。

<アルバム情報>
アーティスト: キング・ギドラ
タイトル: 空からの力:30周年記念エディション
レーベル: P-VINE, Inc.
仕様: TAPE | LP(180g重量盤/帯付き2枚組仕様/完全限定プレス)
発売日: 2025年12月10日(水)
品番: TAPE / PCT-74 LP / PLP-8282/3
定価: TAPE / 3,080円(税抜2,800円)LP / 7,150円(税抜6,500円)
*P-VINE SHOPにて予約受付中!
https://anywherestore.p-vine.jp/collections/king-giddra

interview with Ami Taf Ra - ele-king

 アミ・タフ・ラという新しいシンガーのアルバムが届いた。北アフリカのモロッコ生まれで、幼い頃からアラブ音楽に囲まれて過ごし、オランダからトルコ、中東諸国など世界中を転々とするなかでシンガーとしての道を見出し、現在はロサンゼルスを拠点とする彼女は、カマシ・ワシントンの妻でもある。世界のさまざまな国で活動するなかでカマシとのツアーもおこない、幾多のフェスにも参加してきた。また、ヨルダンの難民キャンプとコミュニケーションを取り、音楽や絵画のワークショップを開くなど、芸術を通じた社会活動もしている。そんなアミ・タフ・ラのファースト・アルバムが『The Prophet and The Madman』である。

 『The Prophet and The Madman』というタイトルは、レバノン生まれの詩人・画家であるハリール・ジブラーンの著書『The Prophet(預言者)』と『The Madman(狂人)』から名づけられたもので、歌詞にもそれらからの引用が多く見受けられる。パンデミックの最中、アミはカマシとの娘であるアシャを妊娠しており、そうしたなかでアミとカマシが『The Prophet』と『The Madman』を読み、そこからインスピレーションを受けてアルバムの構想が生まれたそうだ。特に1923年に刊行された『The Prophet』は、アメリカにおいては1950年代のビート・ジェネレーションから1960年代のヒッピー・ムーヴメントにも影響を与えた。ジャズで言えばジョン・コルトレーンファラオ・サンダースアリス・コルトレーンらのスピリチュアル・ジャズの世界観や神秘主義にも通じる書物でもあるから、アミやカマシが大きなインスピレーションを受けたというのも頷ける。

 アルバムにはライアン・ポーター、マイルス・モズレー、ブランドン・コールマン、トニー・オースティン、テイラー・グレイヴス、キャメロン・グレイヴス、ロナルド・ブルーナー・ジュニア、アラコイ・ピート、カリル・カミングスなど、カマシのアルバムやツアーでお馴染みのバンド・メンバーが参加し、カマシがプロデュースとアレンジをおこなっている。従って、アミのソロ・アルバムであると同時にアミとカマシの共同作品という色彩も強い。スピリチュアル・ジャズからモロッコのグナワ音楽、ゴスペル、アラブ音楽など、アミが世界を旅するなかで培ってきたいろいろな土地の音楽の融合も見られる。そして、彼女の歌声には世界を旅するジプシーやボヘミアンが持つ独特の個性が感じられる。そんな『The Prophet and The Madman』を生み出したアミ・タフ・ラに迫った。

音楽はモロッコの家庭ではとても重要で。どの家庭でも音楽をかけている。私はモロッコで祖母と一緒に暮らしていたけど、リビングルームでは伝統的なアラビア音楽が一日中かかっていた。だから私は、至って自然に音楽に惹かれていった。

まず、あなたの経歴から伺います。モロッコ生まれで、その後オランダで育ち、再びモロッコに戻ってきたそうですね。あなたはどんなファミリーの中で育ち、ルーツとなるモロッコはどんな国ですか?

アミ・タフ・ラ(以下ATR):モロッコは文化や伝統が豊かな国。心の温かい人たちがいる。モロッコ社会では手厚いもてなしがとても大切だから、モロッコを訪れると歓迎されていることをすぐに感じるはず。到着してから最初の1時間でわかる。豊かな国で、歴史や伝統があって。各都市に独自の伝統や食べ物がある。モロッコの主要言語はアラビア語だけど、アマジグ語というモロッコの先住民語もある。アマジグ語には5種類の方言があるんじゃないかな。アマジグとは自由の民 (people of the free)という意味なの。アマジグ文化はモロッコ北部から南部まで広がっていて、美しい。とても魅了されるし、心がこめられている。
 いまは早くまたモロッコに戻りたいと思っているの。2ヶ月前に行ったばかりだけど(笑)。親戚を訪ねたけど、今度は娘のアシャにモロッコをもっと見せてあげたい。彼女にとってもモロッコはルーツだから。彼女にはモロッコの言語も教えているの。2ヶ月前、アシャと私は1ヶ月間モロッコに滞在したけど、おじさんやおばさんの言っていることを聞いて、結構言葉を覚えていたわ。来月5歳になるけれど、覚えが早いの。ヨーロッパをツアーしたときも、アシャはフランス語の言葉を覚えて、「ボンジュール」「オル ヴォワール」と言っていた。
 私も子どもの頃はよく旅していたけど、彼女には同じ体験をもっとさせている。彼女はたくさんの国を見て来たけど、音楽を通じて旅をしている。私たちが旅をしているとき、彼女は素晴らしい音楽をたくさん聴いているし、素晴らしい人たちと会っているのね。両親である私たちが、娘にそういった体験をさせてあげられるのは素敵なこと。

あなたの母親はアラビア音楽のファンで、幼少期はそうしたものを聴いて育ったそうですね。アラビア音楽は独特のメロディやリズムがありますが、どんなところがあなたを魅了したのでしょう?また、音楽はどのように始めたのでしょうか?

ATR:小さい頃の私はほとんどモロッコで過ごしていたけど、音楽はモロッコの家庭ではとても重要で。どの家庭でも音楽をかけている。私はモロッコで祖母と一緒に暮らしていたけど、リビングルームでは伝統的なアラビア音楽が一日中かかっていた。だから私は、至って自然に音楽に惹かれていった。私が覚えた最初のアラビア語の曲は、シリア人の詩人ニザール・カバニが作ったものだったの。何ていう人が歌っていたのかしら? 彼女の名前を忘れてしまった(笑)。美しいレバノン人のシンガーだった。カセット・レコーダーと一緒に眠って、自分があの曲を歌っているところを想像していた。ヘアブラシを持って鏡の前に立って、その曲を歌っていた。というわけで、私は自然とアラビア音楽に惹かれた。ジャンルは様々で、アラビアのポップスやアラビアのクラシック音楽だった。とても自然だった。

その後オランダに移住して、アムステルダムの音楽学校で本格的に学び、メトロポール・オーケストラなどと共演してプロの道に進むようになったそうですが、どういった経緯でそのようになったのですか?

ATR:11歳のときにオランダに戻って、アムステルダムの音楽学校に通った。私はゴスペル・クワイアーの一員で、そこでハーモニーを歌うことを覚えて。あと私はカヴァー・バンドのメンバーでもあって、このバンドは毎週学校で有名な曲をプレイしていた。こうして、アムステルダムで子どもだった私の音楽生活が始まって。私の継父が学校の送り迎えをしてくれた。
 私はマイケル・ジャクソンの大ファンだった。マイケルはヒストリー・ワールド・ツアーの一環でオランダにやって来て、しかも私の誕生日にライヴを行なった。それで、母親がお誕生日のプレゼントに彼のコンサート・チケットを買ってくれて。詳しい話をさせてもらうと、彼はアムステルダムのグランド・ホテルに2週間宿泊していた。それで私は学校をサボってホテルに通って。彼の部屋は2階だったんで、そんなに高いところじゃなかった。だから彼は、私たちファンを見ることができた。初日は何千というファンがいて。ところが、2日目、3日目になると数がどんどん減っていったんで、ホテルの前にはもう20人くらいしかいなかった。私はそこでいろんな曲を歌った。私の声はすごく大きかったんで、周りのファンに「あなたが歌って! あなたが歌えば、彼が出て来るから!」と言われたの。それで私は超大きな声で歌ったのよ。“We are the world, we are the children”って。そうすると、彼が出て来たの! カーテンの向こう側に来て、親指を立てていいねという態度を示してくれたの。「よくやった、よかったよ!」って。それで私は家に帰ると、「ママ! 私、有名になる! シンガーになるの! 私の声は美しいってマイケル・ジャクソンが言ってくれたんですもの!」と母親に言ったの。私はいつかシンガーになるという想像を彼が掻き立ててくれたのよ。
 実は、YouTubeでビデオを見つけたの! 私はマイケルのファンクラブの会員だったんで、彼がアムステルダムに到着したとき、私たちファンクラブはバスを貸し切って空港に行って彼を迎えに行った。彼の後ろを走ったのね。もちろん、彼にはセキュリティがいて、自家用車があったけど、私たちファンはその後ろにいたのよ。そのビデオでは、空港にいる私が飛び跳ねているのが観られる。学校のリュックを背負っている、13歳の少女がね。すごくおかしかったけど、YouTubeのおかげで自分の姿を見ることができた。

photo by Sol Washington

私はトルコ音楽も聴いて育った。継父はトルコ人だったし、弟と妹はトルコとのハーフだったから。だから、家ではトルコ音楽もよく聴いていた。そしてトルコでライヴをやることになって、そのまま7年間そこで暮らしていた(笑)。

あなたがマイケル・ジャクソンの大ファンだということはわかりましたが、お母さんの影響でエジプトのウンム・クルスーム、アスマハーン、アブドゥル・ハリム・ハーフェズ、アルジェリアのワルダ、レバノンのファイルーズといったアラブのシンガーもよく聴いていたそうですね。彼らからの影響は大きいのですか?

ATR:別に二重生活を送っていたわけではないけど、家では母緒が一日中アラビア音楽をかけていた。でも学校に行くと、これはアムステルダムでの話だけど、みんなMTVを観ていたのよ。当時はMTVがすごく流行っていた。90年代だったから。R&Bやヒップホップやロックもよく聴いていた。でも18歳の頃、西洋の曲をよく歌っていたけど、何かが欠けている気がして。私は毎週歌っていた。音楽学校に行って、英語の曲を歌っていた。そして家に帰るとアラビア音楽を聴いていたけど、アムステルダムでアラビア音楽をやっている人なんて知らなかった。でも、なんとかわたりをつけて、荷物をまとめて、「エジプトに行くから」と母親に言って。当時のエジプトはアラビア音楽ビジネスの中心で、ハリウッドのようなところだったから、アラビア音楽でキャリアを築こうと思ったら、みんなカイロに行ったの。テレビ局や大手ラジオ局がすべてカイロにあったから。
 というわけで、18歳の私はそこで大勢のエジプトのミュージシャンやソングライターと出会って、曲のレコーディングを始めた。アブドゥル・ハリム・ハーフェズがレコーディングしたスタジオでレコーディングして! 〈サウト・エル・ホブ〉というレーベルもやっているスタジオ。いまは別の名前になっているかもしれないけど、私がそこにいると、ウンム・クルスームやアブドゥル・ハリム・ハーフェズもそこでレコーディングしたって言われた。
 当時の私は、アラビア語で歌うと訛りがすごく強かったんで、すごく練習した。中東の大物シンガーたちの真似をして、彼らと同じように言葉を発音しようとした。耳で聴いて練習すると、まるでそっちで暮らしていたように歌えるようになった。私がアラビア語をしゃべると、オランダ訛りだということがわかる。「君はアラビア語をしゃべるけど、こっちの出身じゃないよね」って言われる。だから私はそれを隠して歌わないといけなかった。何年もかかったけど、やらないといけなかった。

プロのシンガーとなってからはトルコを拠点にレバノン、ヨルダンなど中東諸国でもライヴを行い、世界中を旅してきたそうですね。定住を好まず、ジプシーのような生活を送ってきたそうですが、そうした旅の生活が性に合っていたのですか?

ATR:そう。生まれてからというもの、私はずっとそういう生活を送ってきた。モロッコに2年、オランダに2年いて、それから継父がポルトガルで仕事をしていたんで、私も1年間ポルトガルにいた。それからまたモロッコに2年。しょっちゅう旅することは私のDNAに既に組み込まれていたんで、もちろん18歳になると荷物をまとめて、「ママ、エジプトに行く」と母親に言って。母親は許してくれた。私は既にヤングアダルトだったから。
 私は母親を助けて、まだ小さかった3人の妹と弟を育てていた。特に継父が亡くなってからはね。私はトルコ音楽も聴いて育った。継父はトルコ人だったし、弟と妹はトルコとのハーフだったから。だから、家ではトルコ音楽もよく聴いていた。そしてトルコでライヴをやることになって、そのまま7年間そこで暮らしていた(笑)。トルコの文化や言語にも馴染みがあったし、音楽にも馴染みがあったんで、トルコにいた頃はトルコのミュージシャンと一緒によくライヴをやっていた。特にジプシー・ミュージシャンとね。彼らは本当に素晴らしかった。
 そしてスーツケースを持って、トルコからそこここを旅した。私は各国をふるさとにできる。特にいまでは夫と娘がいるから、どの国に住んでいるかなんて関係ない。彼らが一緒にいさえすれば、そこが私にとってのふるさとになる。

その後、ニューヨークを経由して、2021年にロサンゼルスに移住したんですよね?

ATR:ニューヨークで暮らしたことはなくて。ニューヨークでカマシ(・ワシントン)と出会った。私は休暇でニューヨークに2週間滞在していて。そしてそのときカマシと出会ったの。ニューヨークに住んでいたことはない。アメリカで最初に住んだのはロサンゼルスよ。

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アニメ『LAZARUS(ラザロ)』の音楽を依頼されたとき、彼(=カマシ・ワシントン)はすごくハッピーだった。子どもの頃から彼はアニメの大ファンだったから。彼が作った最高の音楽のうちのひとつが『LAZARUS』だった。

カマシとはどのように出会い、またパートナーとなったのですか?

ATR:カマシとはジャズ・クラブで出会った。ありきたりな話よ。オープン・ナイトでジャム・セッションがおこなわれていて、そこで彼と出会って音楽の話をした。そして私たちは友だちになった。最初は友だちで、それが私たちの関係の始まりだった(笑)。それから恋に落ちて、結婚して、いまでは娘がいる!

あなたと彼との関係を見ると、1970年代に〈ブラック・ジャズ〉から諸作を発表したジーン・カーンとダグ・カーンの関係性を思い起こさせるのですが、意識するところなどありますか?

ATR:そうね。彼らも結婚して、一緒に音楽を作っていたわね。その後離婚はしたけど。彼らの曲は大好き。“Infant Eyes” だったかしら? ジーンが夫と一緒に歌った美しい曲だった。とても興味深い。でも実は脅威。私の夫は天才ミュージシャンだから。カマシは本当にすごいの! みんなは彼がリリースするものしか耳にしないけど、彼と一緒に暮らしていると、彼はほかの音楽にも取り組んでいて。常にピアノの前に座って、オーケストラの楽曲に取り組んでいる。「すごい!」って思う。彼がやっていることを、みんなに知ってもらえたらと思う。脅威的よ! 彼は歩く音楽の天才なんだから。彼はつねに音楽のことを考えている。映画を観ている最中でも頭の中では音楽を作曲し、アレンジしている。
 日本のアニメ『LAZARUS(ラザロ)』の音楽を依頼されたとき、彼はすごくハッピーだった。子どもの頃から彼はアニメの大ファンだったから。彼が作った最高の音楽のうちのひとつが『LAZARUS』だった。すごい! 彼の映画やアニメとのつながりはとても深い。脅威的よ! 「なんてこと! あなた、本当に素晴らしい!」って(笑)。たまに、こっちはちょっと不安になってしまうけど。しかも、相手は自分の夫。だから、私たちが話すときは遠慮がない。他人と仕事をするときは、ちょっとは気を遣ってコミュニケーションを図るでしょう? でも、夫と妻が一緒に仕事をすると、考えていることを率直に言ってしまう。だからたまにピリピリするけど、結果は常に素晴らしいものになる。あまりにも素晴らしいんで、私も夫と一緒にやっていける。そしてそれを娘に引き継いでもらう。アシャは両親の音楽を受け継ぐことになる。彼女が早く成長して、自分が赤ちゃんだった頃に私たちが生み出したものを振り返ってくれるのが待ち遠しい。

カマシのツアーで共演する中で、ファースト・アルバムの『The Prophet and The Madman』の制作が始まったそうですね。実際のところ、パンデミックの中でアシャを妊娠しているときに構想が始まり、レバノンの詩人で画家のハリール・ジブラーンの著書『The Prophet』と『The Madman』を読んだことがきっかけと聞きます。どんなところにインスピレーションを受けたのでしょうか?

ATR:私が初めてハリール・ジブラーンの名前を聞いたのは……。私は小説家としてではなく、音楽を通じて彼の作品を知って。ファイルーズが歌ったものすごく美しい曲に “Aateny El Nay We Ghanny” があるけど、その歌詞はハリール・ジブラーンが書いたもの。あと、私が仕事をしたミュージシャンが私に歌詞をつけて欲しいと言ったんで、私は『The Prophet』の “Children” からの言葉を引用してアラビア語で歌った。パンデミックの最中、私たちは人生や詩や映画についての話をしていて、たまたまハリール・ジブラーンの『The Prophet』の話になって、私が妊娠中にふたりでこの本を読み上げた。これを読み終えると、次は『The Madman』を読んで。これを読み終えると、「なんてこと! The MadmanはThe Prophetだったのね!」ということに気がついた。ハリール・ジブラーンが書いたこの2冊に登場する架空の人物には似通ったところがあることがわかったんで、「この2冊の本を元に音楽プロジェクトをやりましょう」ということになった。そうして『The Prophet and The Madman』のアルバム作りが始まった。

アルバムのプロデューサーはカマシが務め、作曲はカマシ、作詞はあなたが行っています。

ATR:プロデューサーは間違いなくカマシだったけど、音楽はふたりで作った。曲のアレンジとプロデュースは全て彼が手掛けたけど、例えば “Speak To Us” のメロディは私が考えた。そして、そのメロディと私が書いた歌詞を中心に彼が全体をアレンジしていった。というわけで、基本的にはコラボレーションだったけど、プロデュースとアレンジは全てカマシが手掛けている。

制作にあたってカマシはどんなアドバイスをしてくれましたか?

ATR:アドバイスというよりは、洞察ね。例えば私が “Speak To Us” をやったとき、私はこの曲を歌って自分のスマホに録音して、彼に聴いてもらった。彼はそれをより高いレベルに引き上げてくれた。“Children” をレコーディングしたとき、彼はそこに壮大なオーケストラ・アレンジを施して。私たちはその編成をすべてレコーディングした。でも聴き返してみると、「カマシ、この曲にはこんなにいろんなものは必要ないと思う。必要なのはギターだけじゃないかしら」と思ったんで、あの曲から全ての楽器を取り除いてギターだけを残した。少ないほうが効果的ってこともあるから。曲をビッグにするために、ビッグなサウンドにする必要はなくて。というわけで、彼は私の言うことを聞いてくれるし、私も彼のアドバイスを受け入れる。お互い様よ。“Children” に関しては彼が同意してくれた。

“Children”の話が出たところで、これはジブラーンからの引用ですが、あなたとカマシの娘であるアシャへの想いも込められているのでしょうか?

ATR:そういうことではないわ。もっと概念的なものね。母親になってからこの歌詞を読んだら、ちょっと恐れを感じた。自分の子どもは自分の子どもじゃないって言っているんだから。最初の文章がそうなのよ。「自分の子どもが自分の子どもじゃないなんて、どういうこと?」って思った。子どもは自分を通して生まれて来るけど、自分からではないんだって。あれは教訓よ。「子どもたちには自分の考えを持たせること」。「新しい世代から学ぶこと」。私はジブラーンからそれを学んだ。自分の考えや経験を子どもに押しつけてしまうことってあるでしょう? でも、子どもたちには自分の考えや意見がないといけない。だから、子どもたちから学べる。子どもたちについて行かないといけないこともある。

あなたから見てカマシはどんなプロデューサーでしたか?

ATR:彼との仕事はいつだって楽しい。プロデューサーとしての彼は、アーティストの言うことに耳を傾ける。彼は私のバックグラウンドを知っている。私は彼と一緒にアラビア音楽をよく聴いていた。彼は私のスタイルを知っている。彼はベストを尽くして彼の世界と私の世界というふたつの世界をうまく引き出して、このアルバムに取り込もうとした。特にモロッコのグナワ音楽とか。彼は間違いなく、音楽を通してアーティスト本来の姿を大事にしてくれる人。素晴らしいプロデューサーね。

photo by Sol Washington

私の音楽は間違いなく、流浪の民のものだと思う。人間は環境によって形成されるもので、私も間違いなく私が訪れた国々や私が暮らした国々で出会った人びとによって形成された。

グナワの話が出ましたが、“Gnawa”はモロッコのグナワ音楽をベースにしています。グナワ音楽特有のリズムとジャズを融合した作品ですが、あなたの作品にはジャズとアフリカ音楽、中東音楽など異文化が融合したものがいろいろ見られます。あなたのルーツもそうですが、世界をいろいろ旅してきたことがそこに影響していると言えますか?

ATR:もちろん! 私の音楽は間違いなく、流浪の民のものだと思う。人間は環境によって形成されるもので、私も間違いなく私が訪れた国々や私が暮らした国々で出会った人びとによって形成された。私が歌えば、それが聞こえて来る。本物だし自然。私の音楽は、私という人間を如実に表わしていて。だからもちろん、モロッコやヨーロッパからの影響が多々ある。オランダやトルコで育ったから、私の中にはトルコの文化も根付いている。レバノンもそう。あともちろん、アメリカもそう。アメリカの音楽は、ヨーロッパでもとても強力な存在感がある。こういった様々なものがミックスされているのが、私の音楽を聞けばわかるはず。あと私は、文化や音楽を通じて橋渡しができるというのが大好きで。境界なんてない。私は境界が好きじゃない。音楽は万国共通語。だから私の音楽を聴けば、私が境界を信じていないことがわかるはず。

“Children”の歌詞ではハリール・ジブラーンの詩を引用したとのことですが、ジブラーンの世界観とあなたのメッセージをどのように同化させていったのですか?

ATR:アルバムに収録された4〜5曲は本から引用したもの。そのほかの4〜5曲はカマシと私が作ったものね。ジブラーンへのトリビュートとして私が作ったもので。“Gnawa” と “Khalil(ハリール)” は私が作った。私が妊娠8ヶ月のときに曲作りを始めたけど、それが “Khalil” だった。ハリール・ジブラーンも境界を信じていなかった。“Khalil” で私がアラビア語で歌っているところは、ユダヤ教だろうがイスラム教だろうがキリスト教だろうが、みんなが祈れば同じときに同じ場所で出会うということ。つまり、境界なんかないと言っているのね。私たちはひとつ。結束している。ハリール・ジブラーンは自らの作品を通じてそのメッセージを打ち出した。

参加ミュージシャンはカマシのバンド・メンバーが中心となっていますが、アラコイ・ピートやカリル・カミングスなどはあなた同様にアフリカがルーツのミュージシャンでしょうか?

ATR:ええ、バンド・メンバーの大半はアフロ・アメリカンだと思う。カマシがライヴをやっているとき、楽屋にいるほかのメンバーはありとあらゆる音楽を聴いていて。影響された音楽や聴く音楽に制約なんてない。彼らはアフロ・アメリカンだけど、世界中の音楽の知識が豊富で。だから、彼らとはとてもやりやすかった。

そうしてみると、『The Prophet and The Madman』はアフロ・ディアスポラによるアルバムと言えるのですが、いかがですか?

ATR:そうね。アフロ・アメリカンは、アフリカのどの国の出身なのか知らない。私はアフリカ生まれだけど、冗談まじりに「あなたの祖先って、もしかしたらモロッコ人かもしれないよ!」ってカマシに言っている。彼は自分がアフリカのどの国の出身か知らないんだから。悲しい話だけど、これが全アフロ・アメリカンの現実で。だから、音楽で私がカマシとコラボするのは、再び互いに交わるようなこと。彼の祖先は、私の音楽を通じて彼に会いに来ている。だから、これってとても詩的だと思う(笑)。私たちは、またつながったわけ。私が西アフリカ出身であることは間違いないし、もちろん私の父親は黒人のモロッコ人よ。だから私のルーツには、マリとかナイジェリアも入っているはず。一巡しているようなもの。私たちの祖先も旅人だった。私たちは、祖先を引き合わせている!

あなたはヨルダンの難民キャンプとコミュニケーションを取り、音楽や絵画のワークショップを開くなどの社会活動もしているそうですが、『The Prophet and The Madman』にはそうした活動と繋がる部分も見えます。特にあなたと縁の深い中東はずっと紛争や戦争が絶えないのですが、そうした国際情勢に対して何かメッセージを込めたところはありますか?

ATR:アーティストや作家、ヴィジュアル・アーティストでもいいけど、何かを生み出すときは、特定の国や宗教の集団のためにそうするわけではなくて。アートを生み出すとき、そのアートはみんなが体験するためのもの。さっきも言ったように、私の音楽には境界がない。ヨルダンやシリアの難民キャンプに行ったとき、そこでワークショップをやったし、私は彼らにカンバスをあげて絵を描くように言った。子どもたちには、世界と共有したいメッセージを描くようにと言った。私は境界を信じていない。音楽は万国共通語だから。音楽はみんなをひとつにできる唯一の表現手段だと思う。どんな宗教かなんて関係ない。国籍や性別も関係ない。音楽は差別のない唯一の表現手段。私はそれを信じている。

最後に『The Prophet and The Madman』について、リスナーへのメッセージをお願いします。

ATR:私のアルバムによって、リスナーがじっくり考える時間を設けられたら嬉しい。彼らが人生に答を見いだしたいと思っているのだとしたら、私の音楽がそれを促したり、その道標になればと思っている。私の曲をストリーミングで聴いたり、アルバムを買ったりしてね(笑)! アーティストをサポートしてちょうだい(笑)! とにかく、私の音楽がみんなの探索の助けになればと思っている。立ち止まって、人生を振り返って欲しい。

Buoy - ele-king

 一風変わったこの名前、「浮(ぶい)」とはシンガー・ソングライターの米山ミサによるプロジェクトだ。これまで『三度見る』(2019)、『あかるいくらい』(2022)とすでに2枚のアルバムを送り出している彼女だけれど、このたび初のライヴ盤がリリースされることとなった。『草蔭(くさかげ)』と題されたそれは、京都のレーベル〈disk sibasi〉より11月26日に発売。先行配信中の沖縄民謡 “てぃんさぐぬ花” をはじめ、彼女の代表曲 “あかるいくらい”、高田渡のカヴァー “おなじみの短い手紙” などが収録されている。まだまだ残暑が厳しい今日このころ、風にそよぐ草を思い浮かべながら聴きましょう。


浮、京都のカルチャースペース<しばし>での自身初のライブ盤『草蔭』を11月に発売!
先行シングル「てぃんさぐぬ花」の配信を開始!

米山ミサによるソロ・プロジェクト 浮(ぶい)は、自身初となるライブ盤『草蔭』(くさかげ)を京都の音楽レーベル disk sibasi より11月26日(水)に発売する。本作は、2024年の年末、京都の築100年の町屋を改装したカルチャースペースの<しばし>にて、山内弘太をゲストギタリストとして迎え、レコーディングが行われた。竹林が風で揺れる庭を背景に構えた陰翳の畳の部屋でのライブ盤は、彼女の現在の姿をより感じられる選曲となっている。
収録曲の中から早速、先行シングル「てぃんさぐぬ花」の配信が開始された。

■[Pre-order + Listen]
http://lnk.to/buoy_sibasi


Photo by Hitomi Ogawa

先行シングルとして配信が始まった、沖縄代表する民謡「てぃんさぐぬ花」は、ホウセンカの赤い花が爪先を染めるように、いつの時代も心に染みる親の教えとその大切さが歌われている。これまで、うたのはじまりを意識しながら制作、ライブ活動を重ねてきた彼女にとって、民謡とは生活の中から生まれ、常に日常と地続きのものであるという。
本作は、彼女の代表曲のひとつ「あかるいくらい」、高田渡のカバー曲「おなじみの短い手紙」、沖縄で滞在した経験からインスピレーションを受けた曲「つきひ」、さらにアルバム未収録の「石」などを収録しており、まさにベストな選曲のしばし録音盤と言えるだろう。

■商品概要

アーティスト:浮(ぶい)
タイトル:草蔭(くさかげ)
発売日:2025年11月26日(水)
品番:sibasi-2 / JAN: 4571260595262
定価:2,727円(税抜)
1枚組CD
Label : disk sibasi

■Tracklist
1. つきひ
2. てぃんさぐぬ花
3. 愛が生まれる
4. 石の浜
5. 湯気
6. 風はながれて
7. 海へ
8. 石
9. あかるいくらい
10. おなじみの短い手紙(cover)

[Pre-order + Listen]
http://lnk.to/buoy_sibasi

山内弘太 参加曲(エレキギター):Trk-2. 7. 9. 10

■プロフィール
浮(ぶい)
米山ミサのソロプロジェクト。
2018年頃より、ガットギターの弾き語りで活動を開始。
2020年、1stアルバム『三度見る』をリリース。
2021年、コントラバス奏者の服部将典、ドラマー藤巻鉄郎とトリオ“浮と港“を結成。同メンバーにゲストを迎え、2022年に2ndアルバム『あかるいくらい』を発売。
2025年11月、ライブ・アルバム『草蔭』を発売。
https://sandmiru.my.canva.site/
https://www.instagram.com/buoy_live/
https://www.instagram.com/yoneyama.m/?hl=ja
https://x.com/buoy_japan

■しばし
しばしは、音楽レーベルTrafficが運営するレコード喫茶・カルチャースペースであり、disk sibasiは、しばしの音楽部門。京都の岡崎に店を構え、喫茶のみならず、ライブ、展覧会、作品の発売などを通して、さまざまなカルチャーがクロスオーバーし、発信する場となっている。
https://sibasi.jp/
https://www.instagram.com/sibasikyoto/
https://x.com/sibasikyoto/

Tyler, The Creator - ele-king

 2017年に行われた最後の来日公演から8年、タイラー・ザ・クリエイターが東京に降り立った。今回はお台場・有明アリーナで二夜連続(9月9日、10日)という大舞台。かつて恵比寿リキッドルームでの一夜限りの公演を観た人なら、その規模の違いはまさに天と地ほどだと実感するだろう。タイラーは紛れもなく人気者であり、世界で最も優れ、最も影響力を持つラッパーのひとりだ。そして本人も認めるように、タイラー自身は疲れを覚えている。
 OFWGKTA(Odd Future Wolfgang Kill Them All)がまだTumblrを拠点にし、その思想と広告戦略がまさにそこに刻まれていたローファイなデジタル時代から彼らを追いかけてきた私だが、残念ながらこれまで一度もタイラーをステージで観ることは叶わなかった。YouTubeを通じて彼と一緒にステージダイブをする自分を想像したり、彼の最初の3枚のアルバムに合わせて跳ね回る自分を思い描くしかなかった。そして有明アリーナをほぼ満員にした二夜の観客の8割は、おそらく私と同じ状況だったに違いない。
 オープニングを任されたのはバンドのParis Texas。タイラーの熱量とフロウをなぞるように、観客を温める役割を見事に果たしてみせた。彼らの演奏の前後には、二公演目にして最後となる日本公演を待ちわびる熱気がホールを満たし、人びとは席を探しながら廊下を駆け抜けていた。その光景に自然と頬が緩む。日々のメディア過剰時代にあっても、こうした切実な「待ち遠しさ」や「胸の高鳴り」がまだ健在であることに、私は心から安堵する。

 照明が落ち、巨大スクリーンが一斉に光を放つと、新作『Don’t Tap the Glass』の映像が流れはじめ、観客の熱気は一気に高まった。そしてそのまま、タイラーは“Big Poe”でアリーナ全体を揺らしにかかった。残念ながら私は三階席に追いやられてしまったが、周囲の観客の一部は、これがダンス・ミュージックであることを忘れてしまったかのように静かで、その分アリーナのフロアは熱狂的に応えていた。
 ステージに現れたタイラーは真っ赤なレザーパンツに白いTシャツ、そして赤のレザージャケットという装い。観客の多くが30歳未満であることを考えると、この色彩の組み合わせがマイケル・ジャクソンの『Bad』や『Thriller』を想起させるものだと気づいた人は少なかったのではないだろうか。タイラーが披露した数々のムーンウォークを見れば、その内輪的なジョークは明らかだったはずだ。
 『Don’t Tap the Glass』の鮮やかな色彩から、次の曲群では『Chromakopia』の緑を基調とした演出へと移行した。だが、ここで違和感を覚えた。タイラーの責任ではないが、ヴィジュアル・チームはスクリーンの光演出に偏りすぎており、ステージ上のタイラー自身は闇に包まれてしまっていたのだ。曲がひとつふたつと続くあいだも、彼の姿がほとんど見えない時間があり、観客としては落ち着かない体験となった。

 音楽自体は素晴らしく、タイラーは純粋なポジティヴ・エナジーの塊として、心を込めてラップを届けてくれた。もっと多くのラッパーがこうした愛情をもってパフォーマンスをすれば、と願わずにはいられなかった。しかし、それでもなお舞台演出には混乱の影が残った。これまでの公演映像を見返してきた私は、今年7月までのツアーでもタイラーが『Chromakopia』のプロモーションに集中し、仮面、アフリカ風のヘアスタイル、そして緑のスーツを纏っていたことを知っている。だが、新作『Don’t Tap the Glass』が突如リリースされたことで、そうした演出はすべて覆され、東京の観客はその世界観を体験できなかった。過去の公演映像で見た華麗な舞台美術を心から楽しみにしていたが、有明アリーナの舞台装置は巨大スクリーンがあるだけで、それ以上は何もなかった。この特別な東京公演における演出の物足りなさは、まさに痛手だった。仕事を休んでまで足を運んだ観客にとってはなおさらだ。
 それでも、知っている曲では声の限りに歌い、馴染みのない曲では耳を傾け続け、一度も座ることはなかった。だがタイラーは座った。三度も。そしてそのうち一度は、床に仰向けに寝そべってしまったのだった。

 “Take Your Mask off”で彼が吐き出した深い心の傷——それはたしかに私の胸にも響いた。本物の誠実さがそこにあった。だが同時に、彼は何度も「暑い」とこぼした。真っ赤なレザージャケットを着たまま、一度も脱がずに。さらに彼は、「しばらく日本には戻ってこないだろう」と、観客の心を射抜くような言葉を投げかけた。思い返せば、前回の東京公演は2017年、ほぼ10年近く前のことだ。そして彼は繰り返し「疲れた」とも語った。私は3〜4時間にわたる長丁場のステージをこなすバンドを見てきたが、この日のタイラーの公演はわずか1時間20分だった。

 もちろん私はライヴを楽しんだ。謎めいた存在であるタイラーを間近に感じられたことは大きな昂揚をもたらした。しかし、ステージ上で「疲れている」と訴える姿には苛立ちも覚えた。時差ボケ、過剰に熱狂的なファン、日々絶え間なく求められる発言、仲間に囲まれない孤独——そうした重荷を背負う彼に共感しないわけではない。だがそれは、毎朝4時に起き、夜8時まで働きづめだった父の労働や、複数の子どもを出産し、7〜9時間立ち仕事をしてから家に帰って夕食を用意した母の姿から聞こえる、「疲れた」と同じではない。
 彼はたしかに観客に感謝していた。しかし、舞台演出の乏しさや、人気曲を断片的に繋いだメドレー形式——それぞれが一節で切られてしまう構成には、「完全なパッケージ」を体験できなかった物足りなさが残った。
 もし今回の東京公演を観た人がいるなら、ぜひ7月にニューヨーク・ブルックリンのバークレイズ・センターで行われたパフォーマンスを観て比較してほしい。


8 long years since his last show in Japan in 2017, Tyler the Creator touched down in Tokyo for 2 nights at the Ariake Arena in Odaiba (Sept 9th and 10th). Unlike his one show at Liquid Room in Ebisu before, packing two dates at Ariake are like day and night. Tyler is hands down popular, one of the best and one of the most influential rappers around the world. And by his own admission, Tyler is tired.
Despite following OFWGKTA from their Tumblr days when literally their ethos and advertising was prominent there (the good old low-fi digital days), I have unfortunately never seen him on stage. Only through YouTube was I able to imagine myself stage diving with him or bouncing to his first 3 albums. And I am sure 80 percent of the audience over the 2 almost sold out nights were in the same boat.
Tyler brought the band Paris, Texas to warm up the crowd and they didn`t fail in their mission to make as best an impression as possible emulating Tyler`s energy and flow. Before and after they took the stage, the anticipation for Tyler for this second and last show in Japan, was very palpable with people running in the hallways anxious to find their seats. This energy brought a smile to my face. Despite daily media oversaturation, I`m glad that anticipation and excitement are still alive.

Once the lights came down, the jumbo screens lit up and images from the new release “Don`t Tap the Glass” appeared gassing everyone up and just like that Tyler started the arena moving to “Big Poe.” Unfortunately relegated to the third floor, it did seem some audience members near me forgot it was dance music but the floor didn`t.
Tyler was out from the beginning dressed totally in red leather pants, white T and a red leather jacket. With a significant segment of the audience under 30, I fear they didn`t get the Michael Jackson reference with the color coordination reflecting “Bad” and “Thriller.” The inside joke should have been obvious with many of the moon walk dance moves Tyler pulled off.
From the bright colors of “Don`t Tap the Glass” the stage changed with the next songs to the green of “Chromakopia” and it`s here where I felt things became a bit off-kilter. I don`t blame Tyler for this but his visual team focused too much on creating nice lights for the jumbo screens while Tyler on stage was almost surrounded in darkness. For more than one song. It was disorientating.
The good music flowed and Tyler, just a ball of pure positive energy, rapped with the heart and love I wish more rappers did. But still there was bits of disorientation. Having watched earlier shows, even up til July of this year, Tyler had focused largely on promoting and performing “Chromakopia” and wore the outfit and hairstyle that he created for it on stage. Mask, African hairstyle and green suit. With “Don`t Tap the Glass” suddenly released though, it seems he threw all of that under the bus so Tokyo audiences didn`t get to experience any of it. Having also seen video of past years of great performances, I REALLY looked forward to a gorgeous set design. The Ariake Area set design unfortunately were literally just jumbo screens and nothing more. The lack of effort for such special show for Tokyo hit me bad. Like I look time off of work to see this show.
I sang my heart out at songs I knew and listened intently to songs I wasn`t so familiar with and I never sat down. But Tyler did. Three times to be exact. Once even lying flat on the ground.

Yes, he was spitting out deep emotional trauma with “Take Your Mask Off” and I fell that. It hit me. All that sincerity. But more than once he complained that it was hot despite wearing a leather jacket he never took off. He sent out arrows to pierce everyone`s heart saying he wouldn`t be back any time soon (keep in mind he hasn't been to Tokyo since 2017 - that`s almost a decade) and complained that he was tired. I`ve seen bands play 3 to 4 hour shows and Tyler`s show was just an hour and 20 minutes.
I enjoyed all of the concert. Being close to the enigma that is Tyler left me high but Tyler complaining on stage about being tired irked me. Though I have empathy for anyone combatting jet lag or having obsessive fans or tons of people asking your opinion every day or the loneliness of not having a crew around to mentally protect you, it still isn`t the same as my father who woke up at 4am to drive to work and stay til 8pm 5 times a week. Or my mother who gave birth to several children and then went back to work standing on her feet for 7 to 9 hours before going back home to cook dinner. I understand he was grateful for everyone coming to the show but with the set design, medleys of his most popular songs - each song cut down to one verse, it felt like we didn`t get the full package.
For anyone who saw the show, I encourage you to watch his performance in New York City this July at Barclays to compare.

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