「Low」と一致するもの

Sons of Kemet - ele-king

 とき来れり。『Your Queen Is A Reptile』の衝撃から3年。UKジャズの最重要サックス奏者、シャバカ・ハッチングス率いるサンズ・オブ・ケメットのニュー・アルバムが登場する。タイトルは『Black To The Future』。メッセージは明白だ。
 今回のリリースに寄せられたエッセイのなかでシャバカ・ハッチングスは、新作について「力、記憶、癒しを呼び起こす音の詩」と表現している。いわく、「“フィールド・ニーガス” および “ブラック” という、詩人ジョシュア・アイデヘンのことば、その外へと開かれた眼差しにはじまって終わるこのアルバムは、ジョージ・フロイドの死とそれにつづくBLMの抗議から沸き上がってきた怒りや失望、ものの見方を表現している」。このように2020年の画期を受けてつくられた新作は、後ろ(過去)を振り返ることと前(未来)を視ること、その双方に意味を与える作品になっているようだ。
 ゲストも確認しておこう。くだんの詩人ジョシュア・アイデヘンのほかに、コジェイ・ラディカルやD・ダブル・EといったUKのラッパー、シカゴのクラリネット奏者にしてピアニストのエンジェル・バット・ダヴィド、そしてなんとムーア・マザーが参加している! メッセージは明白だ。発売は5日14日。心して待て。

聴く者を圧倒するダイナミックなブラック・パワー。
怒り、戸惑い、そして希望がUK ジャズのカリスマを突き動かす。彼が思い描く未来とは―─。

●サックス奏者、ソングライター、哲学者、作家として活躍するUKジャズの最高峰アーティスト、シャバカ・ ハッチングスがイギリスとアイルランドで最も優れた音楽作品に対して贈られるマーキュリー賞にノミネートされたユニット、サンズ・オブ・ケメットでインパルスから2枚目となるアルバム『ブラック・トゥ・ザ・フューチャー』をリリースする。

●前作『ユア・クイーン・イズ・ア・レプタイル』と同様、テナー・サックス~ベース~ツイン・ドラムという珍しい編成は変わらずだが、UKの次世代ラッパー、コジェイ・ラディカル、シカゴを拠点にするバンドリーダー兼ヴォーカリスト、エンジェル・バット・ダヴィド、アメリカの詩人、ムーア・マザー、彼らの前作にも参加したジョシュア・アイデヘン、イギリスの伝説的なグライムMC、D Double E などの著名なヴォーカリストを迎えたダイナミックな作品に仕上がった。

●昨年、シャバカ・アンド・ジ・アンセスターズとしてリリースした『ウィー・アー・セント・ヒア・バイ・ヒストリー』にも見られるように、ここ数年、シャバカがリリースする作品には、忘れられた神話を発掘し、過去の音を解き明かし、未来へのテーゼを提示する共通のテーマが内在していた。ジョージ・フロイドの死とそれに続くBLMの抗議活動を受けて、シャバカが感じた怒りとフラストレーションを外に向かって表現した政治的に痛烈なパワフルな歌詞と音楽で始まる本作もその例外ではない。メッセージを確かな音楽テクニックと豊かな音色が支え、アート作品として絶妙なバランスを保っている。歌詞までしっかり読みこみたい作品だ。

Sons of Kemet / Black To The Future
サンズ・オブ・ケメット『ブラック・トゥ・ザ・フューチャー』

リリース日:2021年5月14日
品番:UCCI-1049 (SHM CD)
価格:2,600円+TAX

[パーソネル]
シャバカ・ハッチングス(ts, woodwinds)
テオン・クロス(tuba)
トム・スキナー(ds)
エディ・ヒック(ds)

[収録曲]
01. フィールド・ニーガス / Field Negus
02. ピック・アップ・ユア・バーニング・クロス / Pick Up Your Burning Cross
03. シンク・オブ・ホーム / Think Of Home
04. ハッスル / Hustle
05. フォー・ザ・カルチャー / For The Culture
06. トゥ・ネヴァー・フォーゲット・ザ・ソース / To Never Forget The Source
07. イン・リメンブランス・オブ・ゾーズ・フォーレン / In Remembrance Of Those Fallen
08. レット・ザ・サ ークル・ビー・アンブロークン / Let The Circle Be Unbroken
09. エンヴィジョン・ユアセルフ・レヴィテーティング / Envision Yourself Levitating
10. スルーアウト・ザ・マッドネス、ステイ・ストロング / Throughout The Madness, Stay Strong
11. ブラック / Black

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susumu yokota - ele-king

 数が多ければいいというわけではないが、しかし、試しにスポティファイで彼の名を呼び出してみたまえ。横には250万、180万、150万といった大きな数字が並んでいる。彼の音楽は世界じゅうで聴かれ、愛されている。
 日本を代表する電子音楽家がベートーヴェンやチャイコフスキー、サン=サーンスなどのクラシック音楽をサンプリングしたエレクトロニカ作品、2004年に発表された横田進の後期代表作『symbol』がリマスターされ、CDとLPでリイシューされる。
 その大胆なカットアップとビートとの組み合わせ方はいま聴いても斬新で、モダン・クラシカルの観点から見ても特異な、類まれなる作品といえよう。CDは6月2日、LPは8月18日に発売。美しき音の世界へ。

孤高の電子音楽家、横田進が追い求めた美の世界! 自らが主宰したレーベル〈skintone〉名盤リイシューシリーズ第一弾として後期代表作『シンボル』最新リマスタリングCD再発&初LP化!

「楽しみながら作品を作ったことはない、ぶっ飛んで作るか、涙を流しながら作るかだ」と、1997年暮れの池尻での取材で横田はぼくに語っている。『symbol』が涙を流しながら作った作品であることは、何度か彼を取材した人間として言わせてもらえれば、間違いない。 ──野田努(ele-king) * ライナーノーツより

かつて海外メディアから、日本人はなぜレディオヘッドを評価してススム・ヨコタを評価しないのかと言われたように、海外ではロンドンで回顧展が開催されるほどに評価されている横田進。彼の短い人生のなかで作られた、美しい電子音楽の傑作がここにリイシューされる。通算30枚目のアルバム、彼のレーベル〈Skintone〉からは8枚目となる『symbol』は、2004年10月27日にリリースされている。「象徴主義ということを意識して作った」と当時の取材で彼は答えているが、ここには彼の美学が集約されていると言えるだろう。「思えば、僕がやってきたことは象徴主義的だった。精霊であったり、天使であったり、魂であったり、そういうものはつねの自分のなかのテーマとしてあった」、横田は当時こう語っている。クラシック音楽の断片をカットアップしながら、彼が追い求める美を描写した問題作──リマスタリングされて、いよいよその魅力が世界に放たれる!

[susumu yokota]

90年代初頭から音楽活動を開始、1993年にドイツのテクノレーベル〈Harthouse〉から発表した『Frankfurt Tokyo Connection』が国内外で話題となり注目を集めると翌94年には日本人として初めてベルリンのラヴ・パレードに出演、レイヴ・カルチャー黎明期の日本においてシーンを牽引するテクノ/ハウス/エレクトロニカのプロデューサーとして広く知られるようになる。90年代は主に〈Sublime Records〉、90年代末からは自身のレーベル〈skintone〉、さらにはロンドンの〈Lo Recordings〉などインディペンデント・レーベルを拠点に活動を続けていたが、2006年にはハリウッド映画『バベル』に楽曲を提供するなどメジャーなフィールドでも活躍している。長らく続いていた闘病生活の末2015年に永眠、約22年間の活動中に35枚以上のアルバムと30枚以上のシングルをリリースし2012年に発表した『Dreamer』が遺作となったが、没後もシーンの評価が揺らぐことはなく未発表音源のリリースやリイシューなどはコンスタントに行われ、2019年にはロンドンでメモリアル・イベントが開催されるなど今なお世界中のリスナーから愛されているアーティストである。

[アルバム情報]

アーティスト:susumu yokota
タイトル:symbol
レーベル:P-VINE
-CD-
品番:PCD-25324
定価:¥2,750(税抜¥2,500)
発売日:2021年6月2日(水)
-LP-
品番:PLP-7156
定価:¥3,850(税抜¥3,500)
発売日:2021年8月18日(水)

[収録曲]
01. long long silk bridge
02. purple rose minuet
03. traveler in the wonderland
04. song of the sleeping forest
05. the plateau which the zephyr of flora occupies
06. fairy dance of twinkle and shadow
07. flaming love and destiny
08. the dying black swan
09. blue sky and yellow sunflower
10. capriccio and the innovative composer
11. i close the door upon myself.
12. symbol of life, love, and aesthetics
13. music from the lake surface
* LP SIDE A: M1-M6 / SIDE B: M7-M13

Bobby Gillespie & Jehnny Beth - ele-king

 昨年は BO NINGEN の新作に客演、今年の秋には自伝『Tenement Kid』の出版を控えるボビー・ギレスピー。彼とサヴェージズのジェニー・べスによる共作がリリースされる。タイトルは『Utopian Ashes』で、7月2日発売。
 2015年のスーサイドの公演で知り合ったというふたりだが、同作にはアンドリュー・イネスやマーティン・ダフィといったプライマル・スクリームの面々に加え、ベスの長年のコラボレイターであるジョニー・ホスタイルも参加しているとのこと。
 古典的なカントリー・ソウルのデュエットからインスパイアされたという同作について、ベスは「小説の登場人物を創造するように、キャラクターをつくったんだ」と発言している。「そしてそこに自分を置いてみる。人間の現状を理解するためにね。だから歌はオーセンティックじゃなきゃいけなかった」。他方ギレスピーは「曲を書くときは虚構の人物と結婚して、アートをつくるんだ」とつけ加えている。「音楽に痛みを取り戻したかったんだ」「最近のロックじゃ聴けないからね」とも。
 現在、同作より “愛し合っていたころを覚えてる(Remember We Were Lovers)” が公開中。うーん、しみます。


Lost Girls - ele-king

 つい先日、ジェニー・ヴァルが地元オスロの音楽家ホーヴァル・ヴォルデンと組んだ新プロジェクト、ロスト・ガールズのアルバムが発表された。これが期待以上の出来で、ヴァルのこれまでの素晴らしいソロ作品とも違っている。
 アルバム・タイトルはノルウェー語で「人間の集団」、以前のreviewで書いたようにヴァルは言葉の表現者(実際に彼女は小説家)でもあるので、できれば歌詞をすべて知ったうえで紹介すべきなのだろうけれど、「何を歌っているのかまったくわからないけど素晴らしい」と感嘆している海外のフィシュマンズのリスナーを見習って、サウンドに集中しながら紹介しよう。なにせアルバムは次のような言葉からはじまっているのだから。「最初に言葉なし、私もなし/最初にサウンドあり(In the beginning, there was no word and no I / In the beginning, there is sound)」

 そう、最初にサウンドあり。「最初に私たちは私たちの口を作る。誰がどんな音を出すか知っていますか?」12分のタイトルトラックはこうしてはじまる。電子音はただ広がり、ヴァルの呟くような声は抑揚なく続く。
 「最初にサウンドあり/最初に声あり……」「最初に暗闇あり/最初にサウンドあり……」
 やがてゆったりとしたリズムが導入される。呟くような声はいつかしか歌声へと劇的に変わる。実験音楽家のロバート・アシュレーによる有名な『Automatic Writing』を彷彿させるとの海外評が散見されるが、ヴァルがアシュレーを知らないはずもないだろうから、少しは意識したのかもしれない。だとしても、後半の盛り上がりはアシュレーにはないし、うねりを上げる電子のファンクとヴァルの声はまさにひとつの「サウンド」と一体化している。ビートが入ってからは、テクノのダンストラックとしても充分に通用するだろう。

 ダビーなエレクトロにはじまる2曲目の“Losing Something”もずばぬけている。「鉄よりも、鉛よりも、ゴールドよりも、私には電気が必要」。ヴァルはここでも呟くように言葉を並べ、ゆらりゆらりと蛇行しながら、気がつくとまた歌っている。「私には電気が必要。ラム、ポーク、レタス、キュウリよりも必要、私の夢のために」
 ああ、なんてことだ、ヴァルはこのロボティックな空間で、ナンセンスを弄んでいる! いや、本当のところはRacterなる2人の科学者が80年代に開発したコンピュータ・プログラムによるシューレアリスティックな散文詩の一節ということだが、ヴァルが朗読するそれは、ベーシック・チャンネルとモデル500が異次元で結合したかのようなサウンドのなかにエーテル状に溶け込んでいる。
 で、この曲もまた後半になると異様に盛り上がっているわけだが、クライマックスでは次のように、ゴスペル調のアップリフティングなコーラスとの掛け合いが繰り返されている。「何かを失ってしまったのではないだろうか(Isn’t it that I’ve been losing something)」「わからない(I don't know)」
 わからない! その余韻を引き継いで、妖しいハウスのビートではじまる3曲目“Carried by Invisible Bodies”へとスムーズに展開する。シンセの洪水が押し寄せるこの容赦なくドリーミーな空間のなか、またしてもヴァルは半ば気まぐれな風を装って言葉を呟き続けているのであるが、ラテン・ハウスの金字塔スエーニョ・ラティーノをクラウトロックの音職人コニー・プランクがプロデュースしたらこうなるのではないかと。さもなければ、これはそびえ立つ大聖堂に響くアンビエント・ハウスである。

 ミニマルな電子のパーカッションからはじまる“Love, lovers”はアルバム中もっとも長い曲で15分もあるが、おそらくもっとも人気が出そうな曲だ。クラウトロックとデトロイトのディープ・ハウスとのあいだの溝を進むようなリズム──最初は淡々と進みながら途中で音の断片やギターがミックスされる。いつの間にか宇宙は膨張し、そして得も知れないところへとリスナーは連れていかれるという案配だ。この曲でもヴァルのパフォーマンスは効いていて、そのトランシーで妖艶な響きは、本当に近い将来ダンスフロアを支配するんじゃないだろうか。

 最後の曲“Real Life”は、まるでジョイ・ディヴィジョンとニュー・オーダーとの中間の領域にあるサウンドだ。ここでは、ヴォルデンのときにはザ・ドルッティ・コラムめいた暗い光沢を見せ、ときには騒々しく音を鳴らすギターがメリハリの利いた見事な表現力を披露している。ローリー・アンダーソンの作品を楽しむのにあらかじめ歌詞を知る必要がないように、ロスト・ガールズの出色のデビュー・アルバムにこれ以上の説明はいらないだろう。夢中になって聴いてぶっ飛んで欲しい。ジャケットのアーワークも良い!
 
 

My Bloody Valentine - ele-king

 これまでなかったのか。そう、これまでなかったのだ。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが残した3枚のオリジナル・アルバムとEP集、計4タイトルが、ついにストリーミングにて解禁される。さらに5月21日には、同4タイトルがCDとLPで再発される!
 マイ・ブラッディ・ヴァレンタインといえば、今年で30周年を迎える『ラヴレス』が出た当時、かのブライアン・イーノが「アンビエント」と呼んで絶賛したほどで、後のロックにおける音響実験に多大なる影響を与えたバンドだ。初めて聴く方にはまたとない絶好のチャンス、長年のファンもこれを機にあらためて彼らの音を浴びてみよう。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
超待望のサブスク/デジタル解禁
至福の轟音が一挙リリース!
5月21日には新装盤CDとLPの再発売も決定!
数量限定のTシャツセットや各種特典も見逃せない!

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインが、〈DOMINO〉との電撃契約を発表し、本日より、1988年の1stアルバム『Isn’t Anything』、1991年の2ndアルバム『loveless』、2013年の3rdアルバム『m b v』、そして4枚のEP作品とレアトラックをまとめた『ep’s 1988-1991 and rare tracks』の4作すべてがストリーミング配信およびダウンロード販売が初解禁! さらに、音源からパッケージに至るまで、バンドのこだわりが詰まった新装盤のCDとLPフォーマットで5月21日に待望の発売も決定! 国内盤CDは、高音質UHQCD仕様 (全てのCDプレーヤーで再生可能)となる。それぞれ数量限定のTシャツセットや、レコードショップ別の特典など、すべての音楽ファンにとって見逃せないアイテム満載の再発キャンペーンがスタートする。

LISTEN TO MY BLOODY VALENTINE ON SPOTIFY HERE >>>
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過去40年の音楽史において、最も革新的かつ影響力の大きいバンドの一つとして君臨し、音楽作品の素晴らしさはもちろん、大音量で演奏する轟音ライヴ、世代を超えたカルチャーへの影響などから、多大なる尊敬を集めるマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン。ビリンダ・ブッチャー、ケヴィン・シールズ、デビー・グッギ、コルム・オコーサクが生み出した独創的なサウンドは、同時代のギター・バンドとは、一線を画しただけでなく、それまでの常識を根底から覆し、未来を予感させるものだった。

1988年にリリースされたデビュー・アルバム『Isn’t Anything』によって、彼らはオルタナティブ・ミュージックに革命を起こし、その後のギター・ミュージックに新しいアプローチをもたらした。そのサウンドは、数多のサブジャンルの雛形となり、ギター・ミュージックとスタジオ制作における画期的手法を提示した。同声域で歌うことで完璧に溶け合うジェンダーレスなケヴィン・シールズとビリンダ・ブッチャーのヴォーカルは、シールズのギターが奏でる眩暈がするような強烈な音を補完するもう一つのメロディックなレイヤーとして機能している。このアルバムは、激しく推進的なものから静かで不穏なものまで、収録曲の多くに存在する不気味な空間感覚によって特徴付けられている。

1991年の2ndアルバム『loveless』は、まず音楽的に、当時発表されたどの作品よりも先進的で予想を超えるものだった。ケヴィン・シールズとバンドは、純粋な感覚に基づくサウンドを徹底的に追い求め、聴く者の五感を圧倒する作品を完成させた。1990年を代表する本作は、スタジオ録音の可能性を極限まで追求した完全無欠の傑作として評価され、ザ・ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』やマイルス・デイヴィスの『In A Silent Way』、スティーヴィー・ワンダーの『Innervisions』とも肩を並べる金字塔として賞賛されている。

バンドは、1988年のデビュー・アルバム『Isn’t Anything』がリリースされる前に、『You Made Me Realise』と『Feed Me With Your Kiss』という2枚のEP作品を連続して発表しており、『Isn’t Anything』 と1991年発売の2ndアルバム『loveless』の間にも、同じくEP作品の『Glider』と『Tremolo』の2枚をリリースしている。それら、熱心なリスナーに愛される4枚のEP作品とレア楽曲を一つにまとめた『ep’s 1988-1991 and rare tracks』は、名曲がたくさん詰まったファン必携盤だ。

20年間の潜伏期間を経て、2013年に突如発表された3rdアルバム『m b v』は、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインにとって最も実験的であると同時に、最もメロディックで即効性のある作品であり、改革に対する彼らの飽くなき意欲を証明したものだった。音楽とジャンルの概念をさらに押し広げた驚異的な作品として高く評価され、これまでにはなかったタイプの楽曲も収録されている。別世界の音のようであり、親しみやすくもあり、直感的に聴くこともできる本作は、それまで知られていたMBVの代名詞的サウンドが、驚くほど美しく変貌を遂げた新時代の傑作である。アルバムの最後に収録されている “Wonder 2” は、その証明であり、シールズの催眠的なギター・サウンドとドラムンベースが混ざり合ったサウンドは、多くを驚嘆させた。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの新装盤CDとLPは5月21日に世界同時リリース!
各作品の発売形態は以下の通り。

Isn't Anything
・国内盤CD(高音質UHQCD仕様/解説書付/リマスター音源)輸入盤CD
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/解説書付/オリジナル1/4インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/オリジナル1/4インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・スタンダード・エディションLP
・国内盤CD+TシャツセットのTシャツ・デザインには『Feed Me With Your Kiss』EPのアートワークを採用(『m b v』のTシャツセットのデザインとは異なります)

loveless
・国内盤2枚組CD(高音質UHQCD仕様/解説書付/CD1にリマスター音源、CD2には1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録)
・輸入盤2枚組CD
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/解説書付/1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・スタンダード・エディションLP
・国内盤CD+TシャツセットのTシャツ・デザインには、アルバムのアートワークを採用

m b v
・国内盤CD(高音質UHQCD仕様/解説書付)
・輸入盤CD
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/解説書付/オリジナル1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・デラックス・エディションLP(高品質チップオン・ジャケット式ゲートフォールド・スリーヴ仕様/オリジナル1/2インチ・アナログ・テープからマスタリングされた音源を収録/180g重量盤)
・スタンダード・エディションLP
・国内盤CD+Tシャツセット用のTシャツ・デザインには『Feed Me With Your Kiss』EPのアートワークを採用(『Isn't Anything』のTシャツセットのデザインとは異なります)
・日本語帯付盤デラックス・エディションLP+Tシャツセット用のTシャツ・デザインには『Glider』EPのアートワークを採用

ep’s 1988-1991 and rare tracks
・国内盤2枚組CD(高音質UHQCD仕様/解説書付/リマスター音源)
・輸入盤2枚組CD
・国内盤CD+TシャツセットのTシャツ・デザインには『You Made Me Realise』EPのアートワークを採用

UHQCD (Ultimate High Quality CD):
CD規格に準拠しており、既存のプレーヤーで再生可能。
新しく開発された製法により、従来の高音質ディスクよりさらに原盤に忠実な音を再現。


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: Isn't Anything
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-666 ¥2,300+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-666T ¥6,800+税

帯付き盤デラックスエディションLP (解説書付き)
BRDWGLP158X
帯付き盤デラックスエディションLP+Tシャツセット
BRDWGLP158XT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11779


Tシャツセット


帯付きデラックスエディションLP

[CD TRACKLISTING]
01. Soft As Snow (But Warm Inside)
02. Lose My Breath
03. Cupid Come
04. (When You Wake) You’re Still In A Dream
05. No More Sorry
06. All I Need
07. Feed Me With Your Kiss
08. Sueisfine
09. Several Girls Galore
10. You Never Should
11. Nothing Much To Lose
12. I Can See It (But I Can’t Feel It)

[LP TRACKLISTING]
SIDE ONE
01. Soft As Snow (But Warm Inside)
02. Lose My Breath
03. Cupid Come
04. (When You Wake) You’re Still In A Dream
05. No More Sorry
06. All I Need
SIDE TWO
01. Feed Me With Your Kiss
02. Sueisfine
03. Several Girls Galore
04. You Never Should
05. Nothing Much To Lose
06. I Can See It (But I Can’t Feel It)


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: Loveless
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤2CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-667 ¥2,500+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-667T ¥7,000+税

帯付き盤デラックスエディションLP (解説書付き)
BRDWGLP159X
帯付き盤デラックスエディションLP+Tシャツセット
BRDWGLP159XT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11780


Tシャツセット


帯付きデラックスエディションLP

[CD TRACKLISTING]
CD 1: remastered from original 1630 tape
01. Only Shallow
02. Loomer
03. Touched
04. To Here Knows When
05. When You Sleep
06. I Only Said
07. Come in Alone
08. Sometimes
09. Blown a Wish
10. What You Want
11. Soon
CD 2: mastered from original 1/2 inch analogue tapes
01. Only Shallow
02. Loomer
03. Touched
04. To Here Knows When
05. When You Sleep
06. I Only Said
07. Come in Alone
08. Sometimes
09. Blown a Wish
10. What You Want
11. Soon

[LP TRACKLISTING]
A Side
01. Only Shallow
02. Loomer
03. Touched
04. To Here Knows When
05. When You Sleep
06. I Only Said
B side
01. Come in Alone
02. Sometimes
03. Blown a Wish
04. What You Want
05. Soon


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: m b v
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-668 ¥2,300+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-668T ¥6,800+税

帯付き盤デラックスエディションLP (解説書付き)
BRDWGLP160X
帯付き盤デラックスエディションLP+Tシャツセット
BRDWGLP160XT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11781


CD Tシャツセット


LP Tシャツセット


帯付きデラックスエディションLP

[CD TRACKLISTING]
01. she found now
02. only tomorrow
03. who sees you
04. is this and yes
05. if i am
06. new you
07. in another way
08. nothing is
09. wonder 2

[LP TRACKLISTING]
side a
01. she found now
02. only tomorrow
03. who sees you
04. is this and yes
side b
01. if i am
02. new you
03. in another way
04. nothing is
05. wonder 2


label: BEAT RECORDS / DOMINO
artist: My Bloody Valentine
title: ep's 1988-1991 and rare tracks
release date: 2021/05/21 FRI ON SALE

国内盤2CD (高音質UHQ仕様 / 帯解説書付き / リマスター音源)
BRC-669 ¥2,500+税
国内盤CD+Tシャツセット:BRC-669T ¥7,000+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11782


Tシャツセット

[CD TRACKLISTING]
CD 1
01. you made me realise
02. slow
03. thorn
04. cigarette in your bed
05. drive it all over me
06. feed me with your kiss
07. i believe
08. emptiness inside
09. i need no trust
10. soon
11. glider
12. don’t ask why
13. off your face

CD 2
01. to here knows when
02. swallow
03. honey power
04. moon song
05. instrumental no. 2
06. instrumental no. 1
07. glider (full length version)
08. sugar
09. angel
10. good for you
11. how do you do it

Masahiro Takahashi & UNKNOWN ME - ele-king

 サン・アロウポカホーンティッドピーキング・ライツなどのリリースで知られるLAのレーベル〈Not Not Fun〉から、日本人アーティスト2組の新作がリリースされる。
 1組目はカナダ在住の Masahiro Takahashi によるカセット作品。さまざまな音楽や映画などからインスパイアされたアンビエント・ポップが奏でられている。
 もう1組は、やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHI、大澤悠太からなるアンビエント・メディテーション・プロジェクト、UNKNOWN ME の初のLPで、食品まつりやジム・オルークも参加している。
 どちらもチェックしておきましょう。

アメリカの〈Not Not Fun Records〉から4月30日に同時発売される、日本人アーティスト2組

◆Masahiro Takahashi / Flowering Tree, Distant Moon

カナダ在住のマルチインストゥルメンタリスト Masahiro Takahashi が、パンデミック中のトロントで1人で制作した作品『Flowering Tree, Distant Moon』を、USの老舗〈Not Not Fun レコード〉からカセットでリリース。

窓から見える花ひらく林檎の木、雅楽、移民のノスタルジア、郷愁、ジョナス・メカス『リトアニアへの旅の追憶』、アンソニー・ムーア、小泉文夫、多和田葉子などからインスパイアされた、静かでみずみずしいアンビエント・ポップ。ソフトウェアシンセサイザー、グラニュラーサンプラー、プラグインエフェクター、iPad、MIDIコントローラーとシュルティ・ボックスにより制作。空想と子守唄の間で、音楽は揺れ、輝く弧を描いて解きはなたれる。枯れた林檎の木が白く開花するまでの時間。「部屋の外の世界を夢想し、記憶の中のメロディーをたどりました」。

Japanese multi-instrumentalist Masahiro Takahashi's latest album is a meditation on seasons and distance, recorded in isolation at his temporary home studio in Toronto. Following “the coldest winter I have ever experienced,” he began crafting hushed, lush vignettes of color wheel electronics with an array of software synthesizers, granular samplers,plug-in FX, MIDI controllers, and a shruti box.

The songs sway, shimmer, and unspool in sparkling arcs, between reverie and lullaby, inspired variously by blooming apple trees, gagaku music, the “nostalgia of immigrants,” and longing for home. Flowering Tree, Distant Moon moves from soothing to surreal, a swirl of quiet melody and imagined landscapes, as transportive for its listeners as its maker: “I dreamt of places outside my room and traced the music from my memories.”

Title: Flowering Tree, Distant Moon
Artist:Masahiro Takahashi
Label: Not Not Fun
Format : Cassette Tape
Catalogue No.: NNF371
Release Date: 2021/4/30

Masahiro Takahashi マサヒロ・タカハシ

マルチインストゥルメンタリスト。ギターや鍵盤、ソフトウェアを使い、音響的なアプローチと、メロディのある音楽をつくる。2021年、アメリカのテープシーンを牽引してきた〈Not Not Fun Records〉からカセットアルバム『Flowering Tree, Distant Moon』をリリース。これまでにベルギーの〈Jj Funhouse〉をはじめ、カナダやドイツ、UK、ロシアなど海外のインディーレーベルにて作品を発表している。2019年には Takao (エムレコード)のライブメンバーとして、ララージの東京公演オープニングをつとめた。カナダ在住。
https://masahirotakahashi.bandcamp.com/


◆UNKNOWN ME / BISHINTAI

やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHI の作曲担当3人と、グラフィック・デザインおよび映像担当の大澤悠大によって構成される4人組アンビエント・ユニット「UNKNOWN ME」が、4作目となる待望の1st LP『BISHINTAI』を、米LAの老舗インディー・レーベル〈Not Not Fun〉からリリース。

都市生活者のための環境音楽であり、心と体の未知の美しさを探求する、多彩な曲調のアンビエント・メディテーション。食品まつり、ジム・オルーク、MC.sirafu、中川理沙、がゲスト参加。

The inaugural LP by Tokyo Metropolis electronica entity UNKNOWN ME, Bishintai, is a sublime synthetic suite of cosmic wellness transmissions exploring “the unknown beauty of your mind and body,” appropriately named for a kanji compound meaning “beauty, mind, body.” Crafted with software,synthesizer, steel drum, rhythm boxes, and robotic voice by the core quartet of Yakenohara, P-RUFF, H. Takahashi, and Osawa Yudai, the album unfolds like a holographic guided meditation, soothing but cybernetic,framed by subways and sky malls. Latticework electronics flicker with texture, glitch, wobble, and mirage, themed around sensory perception and body parts.

A diverse cast of collaborators assist in actualizing the collection's uniquely urban expression of new age ambient, from psychedelic footwork riddler foodman to multi-instrumentalist institution Jim O'Rourke to Japanese underground shape-shifters MC.Sirafu and Lisa Nakagawa. Although the group cites a therapeutic muse (“made for the maintenance of the minds of city dwellers”), Bishintai shimmers with an alien strangeness, too, like decentralized relaxation systems obeying sentient circuits. This is music of utopia and nowhere, channeling worlds within worlds, birthed from a sonic ethos as simple as it is sacred: “in pursuit of beautiful tones.”

Title:BISHINTAI
Artist:UNKNOWN ME
Label: Not Not Fun
Format : Record, Digital & Streaming
Catalogue No.: NNF360
Release Date: 2021/4/30

UNKNOWN ME

やけのはら、P-RUFF、H.TAKAHASHIの作曲担当3人と、グラフィック・デザインおよび映像担当の大澤悠太によって構成される4人組アンビエント・ユニット。“誰でもない誰かの心象風景を建築する” をコンセプトに、イマジネーションを使って時間や場所を自在に行き来しながら、アンビエント、ニューエイジ、バレアリックといった音楽性で様々な感情や情景を描き出す。2016年7月にデビュー・カセット「SUNDAY VOID」をリリース。2016年11月には、7インチ「AWA EP」を、2017年2月には米LAの老舗インディー・レーベル〈Not Not Fun〉より亜熱帯をテーマにした「subtropics」を、2018年12月には同じく〈Not Not Fun〉より20世紀の宇宙事業をテーマにした「ASTRONAUTS」をリリース。「subtropics」は、英国「FACT Magazine」の注目作に選ばれ、アンビエント・リバイバルのキー・パーソン「ジジ・マシン」の来日公演や、電子音楽×デジタルアートの世界的な祭典「MUTEK」などでライブを行った。2021年4月、都市生活者のための環境音楽であり、心と体の未知の美しさをテーマにした待望の1st LP『BISHINTAI』をリリース。

black midi - ele-king

 いまUKでは若手のインディ・ロック勢が活気づいている。『WIRE』が「近年において最もエキサイティングなギター・バンドのひとつ」と評した〈4AD〉のドライ・クリーニング、『ガーディアン』が「2021年のベスト・アルバム」と讃辞を贈った〈Ninja Tune〉のブラック・カントリー・ニュー・ロード、ワイアーのオープニング・アクトを務めた〈Warp〉のスクイッド、などなど。なかでも頭ひとつ抜き出ている感があるのが、〈Rough Trade〉のブラック・ミディだ。
 2019年の前作の時点ですでに圧倒的なサウンドを轟かせていた彼らが、きたる5月28日、セカンド・アルバム『Cavalcade』をリリースする。ロックダウン中に制作が進められたという新作は、彼らの特徴でもあった「即興の神話から離れ」てつくられたそうで、新たな次元に到達している模様。これは楽しみです。

black midi
無尽蔵の音楽隊列が戦慄の速度で駆け抜ける。
ブラック・ミディ衝撃のセカンド・アルバム完成。

Cavalcadeの制作中に、曲を配列する時に意識 していたのは、 とにかくドラマチックでエキサイティングな音楽を作ることだった。 ──ジョーディ・グリープ(black midi)

プログレ、ポスト・パンク大国であるUKロック・シーンにおいて、 デビュー・アルバム1枚でその最前線へと躍り出たウィンドミルの怪物にして次世代のカリスマ、ブラック・ミ ディが待望のセカンド・アルバム『Cavalcade』を2021年5月28日(金)に世界同時リリースすることを発表した。同作より、まるで『Discipline』期のキング・クリムゾンを彷彿とさせる衝撃の先行シングル「John L」が解禁。ギャスパー・ノエの映画『Climax クライマックス』やリアーナ「Sledgehammer」で有名なコレオグラファー、ニナ・マクリーニーが監督を務めたMVも同時公開された。

Black midi - John L
https://youtu.be/GT0nSp8lUws

「2019年最もエキサイティングなバンド」と評され、世界各国で 年間ベスト・アルバムに軒並みリスティング、マーキュリー・プライズにもノミネートされたデビュー・アルバム『Schlagenheim』リリース後にも次々と曲が生まれ、その年の秋には今回の作品の楽曲の原型がほぼ出来上がっていたという本作。しかし、バンドはここから従来のジャム・セッションで練り上げる作曲方法ではなく、ロックダウン期間中にメンバーそれぞれが自宅で作曲を行い、レコーディングのタイミングで素材を持ち寄ることで即興の神話から離れ、セッションでは上手くいかなかったアイデアの可能性を追求して行った。また既報の通り、オリジナル・メンバーであるギタリスト/ヴォーカリストのマット・ケルヴィンが精神衛生のケアを理由に、一時的にバンドから離れたことでツアー・メンバーであったサックス奏者カイディ・アキンニビとキーボード奏者のセス・エヴァンスをレコーディング・メンバーに加え、さらにバンドの表現を増幅させることに成功。ロックやジャズに留まらず、ヒップホップ、エレクトロニック・ミュージック、クラシック、アンビエント、プログレ、エクスペリメンタルなど無尽蔵の音楽遺伝子の「隊列=Cavalcade」は戦慄の速度で駆け抜け、既に収めた初期からの高尚な実績を基盤に上昇し伸び続け、美しくも新たな高みに到達している。

2021年5月28日(金)に世界同時発売される本作の日本盤CDおよびTシャツ付限定盤には解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラック「Despair」 「Cruising」を追加収録。日本のみアナログ盤はアルバム・アートワークを手がけたデヴィッド・ラドニックによる特殊帯がついた初回生産限定盤に加え、数量限定のピクチャー・ディスク、 Beatink.com限定でTシャツ付アナログ盤が同時リリース。また、日本盤CD購入者先着特典として メンバーによるミックス音源(CDR)、LP購入者先着特典として世界中のファンによって投票が行われるブラック・ミディによるカバー曲が収録されるソノシートがプレゼントされる。


label: BEAT RECORDS / ROUGH TRADE
artist: black midi
title: Cavalcade
release date: 2021/05/28 FRI ON SALE

CD 国内盤
RT0212CDJP(特典Mix CDR付)
¥2,200+tax

CD 輸入盤
RT0212CD
¥1,850+tax

LP 限定盤
RT0212LPE(Picture Disc/特典ソノシート付)
¥2,850+tax

LP輸入盤
RT0212LP(初回帯付仕様/特典ソノシート付)
¥2,460+tax
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11766

各種Tシャツ・LPセット
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11767


Tシャツ・バンドル


ピクチャー・ヴァイナル


LP購入者先着特典・ソノシート


日本盤CD購入者先着特典・ミックス音源(CDR)

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interview with Gilles Peterson (STR4TA) - ele-king

いろんなDJセットを聴いていると、ブリティッシュ・ファンクがたくさん使われていることに気づいて、「ファッション」になりはじめている気がした。だから、その流れにのったレコードを作ろうということになったんだ。

 1970年代後半から1980年代前半にかけ、イギリスから多くのファンクやジャズ・ファンク、フュージョン・バンドが生まれた。シャカタクやレヴェル42を筆頭に、モリシー=ミューレン、セントラル・ライン、ハイ・テンション、ライト・オブ・ザ・ワールド、アトモスフィア、フリーズなどで、彼らの多くは俗にブリット・ファンクやブリット・ジャズ・ファンクと呼ばれていた。当時はポストパンクからニューウェイヴを経て、カルチャー・クラブやデュラン・デュランに代表されるニュー・ロマンティックがムーヴメントとなっていた時期で、イギリス音楽界の世界的進出(第二次ブリティッシュ・インヴェイジョン)の一角も担っていたのがブリット・ファンクだった。
 ライト・オブ・ザ・ワールドから派生したインコグニートもそうしたアーティストのひとつで、そのリーダーでギタリストがブルーイことジャン・ポール・マウニックである。インコグニートはその後1991年、DJのジャイルス・ピーターソンが主宰する〈トーキン・ラウド〉から再始動し、アシッド・ジャズの人気アーティストへと登りつめた。ブリット・ファンクの時代からアシッド・ジャズ期、そして現在までトップ・ミュージシャンとして走り続けるブルーイだが、久しぶりにジャイルスと手を組んで新たなプロジェクトを立ち上げた。

 STR4TA(ストラータ)というこのバンドは、ブリット・ファンクやアシッド・ジャズの世界で活躍してきた辣腕ミュージシャンたちが参加し、ブルーイの指揮のもとでジャイルス・ピーターソンのアイデアを具現化していくものである。先行シングルの「アスペクツ」が話題を呼び、いよいよアルバム『アスペクツ』で全貌を明らかにするストラータだが、ジャイルスのアイデアとはズバリ、ブリット・ファンクである。
 ブリット・ファンクはかれこれ40年ほど昔の音楽ムーヴメントで、いまとなってはジョーイ・ネグロ(2020年のジョージ・フロイド事件以降はデイヴ・リー名義で活動)のコンピ『バックストリート・ブリット・ファンク』などで耳にする程度しかできないが、過去から現在に至る音楽シーンに与えた影響は多大であり、そうした影響を口にするアーティストも出はじめている。ここ数年、そんなブリット・ファンク・リヴァイヴァルの予兆を感じてきたジャイルスだが、彼にとってブリット・ファンクは若き日に夢中になった音楽でもある。ストラータのアルバム・リリースを控えたジャイルスに、かつての思い出なども振り返りつつ、どのようにストラータは生まれ、そしていまの時代にあってどこを目指していくのかなどを尋ねた。

金よりも最高の音楽を生み出すことを考えているアーティストがブルーイ。だから彼のことは心から尊敬しているし、そんな彼と再び作業ができて本当に光栄だったよ。

ストラータはどのようにしてスタートしたのですか? ブルーイとの会話などから生まれたのでしょうか?

ジャイルス・ピーターソン(以下、GP):レコードを作りはじめたのは大体一年前、そうロック・ダウンがはじまるちょうど前だね。そのとき持っていたアイデアは、40年来の友人、ブルーイと一緒に何か作品を作ることだった。僕たちは一緒にレコードを作ろうとずっと話していたんだが、2~3年前にやっと本格的に話をはじめたんだ。最初は日本でレコードを作ろうという話をしていた。僕らは二人とも頻繁に日本に行くし、日本の1970年代のジャズ・ファンクやフュージョンに影響を受けているからね。だから、その時代の日本のレジェンドたちをフィーチャーしたレコードを日本で作ったら最高だろうな、と話していたんだ。それが数年前に思いついたアイデアだった。で、その話が少し後回しになってしまっていたんだが、ブリティッシュ・ファンクがリヴァイヴァルしてきているなと感じたことをきっかけに、1年前にまたブルーイと話しはじめたんだ。いろんなDJセットを聴いていると、ブリティッシュ・ファンクがたくさん使われていることに気づいて、「ファッション」になりはじめている気がした。だから、その流れにのったレコードを作ろうということになったんだ。でも、僕がちゃんとプロデュースをして、サウンドがクリーンになりすぎることを避けることは絶対だった。DIYっぽいレコードを作りたくてね。結果として、それっぽい作品を作ることができた。レコーディングの期間は短くて、多分2週間くらいだったと思う。そのあとロック・ダウンに入り、ミックス作業をはじめたんだ。ブルーイは彼のスタジオ、僕は自分のスタジオに入って、毎日リモートで作業したんだよ。

あなたが〈トーキン・ラウド〉を興したアシッド・ジャズの頃からブルーイとは長い付き合いですが、実は一緒に仕事をするのは10年以上ぶりとのことです。久しぶりにジョイントしてみていかがでしたか?

GP:ブルーイは僕が出会ったなかでももっともマジカルな存在のひとりだね。イギリスのなかでもっとも音楽的に影響を受けたアーティストのひとりなんだ。黒人のイギリス人ミュージシャンとして先頭を歩き、彼以降の若い黒人のイギリス人たちの世代にメンタル的にも大きな影響を与えてきた。だから、彼はイギリスの音楽の発展において大きな役割を果たしてきたんだ。彼はまたハードワーカーとしても知られていて、彼が演奏してきた全てのグループに全身全霊を捧げて貢献してきた。金よりも最高の音楽を生み出すことを考えているアーティストがブルーイ。だから彼のことは心から尊敬しているし、そんな彼と再び作業ができて本当に光栄だったよ。

ストラータは1970年代後半から1980年代初頭におけるブリット・ファンクにインスパイアされているそうですね。ブルーイのインコグニート及びその前身であるライト・オブ・ザ・ワールドもそうしたブリット・ファンクの代表格だったわけですが、やはりそんなブルーイがあってこそのストラータとうわけでしょうか?

GP:そうだね、そういった音楽を作りたいとはずっと思っていた。僕が実現したいサウンドを彼がプレイできることはわかっていたし、彼と一緒にそれを実現させることは前からずっとやりたいと思っていた。そしてストラータで最初に12インチを出して、レコードへの良いリアクションにふたりとも驚いているんだ。ここまでの良い評価が得られるとは思っていなかったからね。すごく嬉しく思っているよ。

ジョーイ・ネグロ(現デイヴ・リー)は『バックストリート・ブリット・ファンク』というコンピ・シリーズを出していて、まさにブリット・ファンクのDJを聴いて育った世代だと思うのですが、あなたもそんなひとりですよね?

GP:もちろん。僕は当時16~17歳だった。その時期に聴いていた音楽、見にいっていたDJのほとんどがブリット・ファンクのDJたちだったね。バンドとDJの両方が盛り上がっていた時期だったから、僕はラッキーだったと思う。あれが僕にとってリスナーやファンとしての音楽の世界への入り口だったとも言える。ギグを見にいったり、バンドをフォローしたり、プロモ盤をプレイしているDJを追っかけたり、音楽にそこまでハマりはじめたのはその頃。ジョーイ・ネグロは多分僕よりも深くそういった音楽にもっとハマっていたと思う(笑)。今回のアルバムのなかに “アフター・ザ・レイン” というトラックがあるんだが、あのトラックのリエディットを彼がやってくれたんだ。それももうじきリリースされる予定だ。

当時のあなたはDJをする前夜でしたが、こうしたブリット・ファンクで好きだったバンド、影響を受けたアーティストがいたら教えてください。

GP:レヴェル42はつねに観にいってたな。僕は彼らの大ファンだったんだ。レコードにサインをもらうために出待ちまでしていたくらいさ(笑)。それくらいスーパー・ファンだったんだ。18歳になるまでに多分10回はライヴを見たと思う。彼らを見るために南ロンドンを回ってた。3、4年前にBBCでラジオ番組をやっていたんだが、僕の番組の前のショウがリズ・カーショウの番組で、ある日そのゲストがレヴェル 42のマーク・キングだったんだ。それで「僕の長年音信不通だった兄弟がここにいる!」と思って、彼がスタジオを出てくるのを待ってハグしたんだ(笑)。彼は僕のラジオ番組を気に入っていると言ってくれて、あれはすごく嬉しかった。レヴェル42の他はハイ・テンション、ライト・オブ・ザ・ワールド、アトモスフィアが僕のお気に入りのグループだったね。

当時のブリット・ファンクをプレイしていたDJではどんな人から影響を受けましたか? たとえばボブ・ジョーンズ、クリス・ヒル、コリン・カーティスとか。当時のクラブやラジオではどんな感じでブリット・ファンクはプレイされていたのでしょうか?

GP:ラジオからは海賊放送も含めたくさん影響を受けた。ボブ・ジョーンズやクリス・ヒルもそうだし、ラジオ・インヴィクタのスティーヴ・デヴォン、BBCのロビー・ヴィンセント、キャピタル・ラジオのグレッグ・エドワーズも好きだったよ。当時は女性DJはゼロで、見事に全員が男性だった(笑)。その頃ラジオでブリット・ファンクが流れていたのはほとんどが夜だったね。昼間に流れることはあまりなかったな。スペシャリストたちのラジオ番組でだけ流れてた。あとは、パブでもクラブでも流れてたし、僕は16とか17歳だったけど聴きにいっていたよ(笑)。角に座って隠れながら、皆がそれに合わせて踊っているのをずっと見てた。僕は童顔で、一際幼く見えて未成年ということがバレバレだったからね(笑)。ノートを持ってクラブやパブに言って、DJに曲名を聞いたりしていた。当時はシャザムなんてなかったから(笑)。

2014年に発表したブラジリアン・プロジェクトのソンゼイラの『ブラジル・バン・バン・バン』というアルバムでは、フリーズの代表曲 “サザン・フリーズ” をカヴァーしていましたね。フリーズもブリット・ファンクのアーティストのひとつで、“サザン・フリーズ” はほかのコンピやDJミックスでも取り上げたりするなどあなたにとっても重要な曲のひとつかと思いますが、そうしたインスピレイションもストラータに繋がってきているのですか?

GP:もちろん。まず、フリーズは『サザン・フリーズ』というベスト・レコードを作った。あれ僕のお気に入り。あのレコードはパンクっぽい姿勢をもっていて、アートワークもパンクっぽくて、イギリスのDIY感がすごく出ているところが好きなんだ。あとブルーイはあのバンドの初期メンバーのひとりだから、そこでも繋がっている。“サザン・フリーズ” という曲は、あのムーヴメントのなかでも特に重要な作品だと思っているんだ。ソンゼイラのアルバムをブラジルでレコーディングしているとき、あの曲のソフトなサンバ・ヴァージョンみたいなカヴァーを作ったら面白いと思った。それであの作品をカヴァーすることにしたのさ。

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このレコードでのカギは、僕がいかに自分の頭のなかにあるサウンドをブルーイに演奏させるかだった。だから、ニューウェイヴやパンクも関わっていて、僕はそれを全てとりあげた音楽を作りたかったんだ。同時にDJがプレイしたいと思うような音楽を作りたくもあった。

ストラータは具体的にブリット・ファンクのどのような音楽性を参照していて、そうした中からどのような部分で現代性を表現していると言えるでしょうか?

GP:現代性が今風という意味なら、それはほとんどといっていいほどない(笑)。僕はこのプロジェクトをライヴ・プロジェクトにして、短い期間でレコーディングしたかったんだ。スリリングで緊張感をもった作品にしたかった。たとえミスが起こっても、それを全て受け入れたかったんだ。だから、もしベース・プレイヤーの演奏がいけてないパートができたとしても、僕はそれをそのままにした。それは熟練のミュージシャンたちにとっては慣れないことだったけどね。誰でも自分が失敗した箇所なんて使いたくないだろうから(笑)。でも僕はその失敗がむしろ好きなんだ。このレコードのアイデアはミスを受け入れることだった。それが僕の役割だったんだよ。プロデューサーとして、僕はこのレコードを滑らかでクリーンなものにはしたくなかった。派手に着飾るのでなく、できるだけありのままの生の状態で保つことが僕にとっては大切だったんだ。

ブリット・ファンクと言ってもいろいろなタイプのアーティストがいたわけですが、たとえば先行シングル・カットされた “アスペクツ” はアトモスフィアあたりを連想させる曲です。アトモスフィアはニューウェイヴやディスコ、ダブなどとも結びついていたグループですが、ストラータは全体的にそうしたポストパンク~ニューウェイヴ的なベクトルも内包しているのではと感じます。そのあたりの方向性についていかがでしょうか?

GP:そういったジャンルの音楽を参照にはしているよ。とても興味深いムーヴメントだったし、あのムーヴメントにはパンク、ニューウェイヴ、ニュー・ロマンティックス全てが存在していた。このレコードでのカギは、僕がいかに自分の頭のなかにあるサウンドをブルーイに演奏させるかだった。だから、ニューウェイヴやパンクも関わっていて、僕はそれを全てとりあげた音楽を作りたかったんだ。同時にDJがプレイしたいと思うような音楽を作りたくもあった。“アスペクツ” のような曲はもちろんライヴ演奏だけれども、DJたちがミックスしたりクラブでかけられる曲でもある。だからストラータも、ディスコやハウス、ジャズ・ファンクが織り混ざっているんだよ。

いまおっしゃったように、レコーディングについて、あまり洗練され過ぎたサウンドにならないように、できるだけラフにということを心がけたと聞きます。これは1980年代であればシャカタクのようなメジャーなサウンド、そしてある意味で現在のインコグニートのスムースなプロダクションとは真逆のアプローチであり、アトモスフィアやフリーズのようなアンダーグラウンドなバンドが持っていた初期衝動やニューウェイヴ的感覚に近いものではないかと思いますが、いかがでしょう?

GP:そうだね。僕が目指していたサウンドの方向は同じだからね。それがちゃんと実現できたかどうかは実際のところわからない(笑)。うまくはできたと思うけど(笑)。次のレコードも作る予定だから、それまでにはよりよくなるんじゃないかな(笑)。どう進化するか僕自身楽しみだし、ショウでも音は変わっていくと思う。多分最初のショウはロンドンで8月に開催される音楽フェスティヴァルになると思うんだが、そのときまでにバンド・メンバーを集めて、彼らの演奏を僕がステージ上でミックスして少しエフェクトを加える、という形のショウにしたいと思っているんだ。だから、そこでモダンな質感が入ってくることになるかもしれない。アレンジだったり、エフェクトやギミックを入れる程度によって、いろいろ変化が加わることになると思うから。でも基本はライヴ・バンドの演奏。ヴォーカルはもちろんブルーイ。

“ギヴ・イン・トゥ・ワット・イズ・リアル” や “リズム・イン・ユア・マインド” は比較的ストレートなブギー・ファンクで、ライト・オブ・ザ・ワールドやそこから枝分かれしたベガー・アンド・カンパニーあたりのラインのナンバーと言えます。彼らのようなサウンドは現在のブギーやディスコ・リヴァイヴァルにも繋がるところがあるわけですが、いかがでしょうか?

GP:僕にとってはブラン・ニュー・ヘヴィーズも思い起こさせる。つまりはアシッド・ジャズ。ブリット・ファンクとアシッド・ジャズ、ブギーやディスコの間には線があるけど、繋がってもいる。それらの音楽の間にはコンビネイションが見えてくるんだ。あの時代に活躍していたブルーイはそれらを繋げるのが得意で、そこにイギリスの質感を落とし込むんだ。

“ヴィジョン・ナイン” はアルバムのなかでは異色のブラジリアン・フュージョン調のナンバーで、アイアート、エルメート・パスコアル、ルイス・エサなどに通じるところもあります。さきほど話をしたソンゼイラにも繋がりますが、この曲を収録した意図は何ですか?

GP:僕が聴いていたころのブリット・ファンクは、アフリカ音楽の要素やラテン音楽の要素、ブラジル音楽の要素なんかが入っていた。僕にとっては、それがブリット・ファンクだったんだ。そういった要素の音楽を初めて聴いたのは、全てブリット・ファンクを通してだったんだよね。“ヴィジョン・ナイン” にはそのヴァイブがあり、終盤にかけて少しラテンっぽくなっていく。それを表現したもうひとつのトラックが “キンシャサ・FC”。あれはもっとアフリカ音楽っぽくて、マヌ・ディバンゴやそういったアーティストたちの音楽、1970年代のアフロ・ファンクやアフロ・ディスコに影響を受けている。このレコードには、僕が昔ブリット・ファンクのなかで聴いていたアフリカやラテン音楽の要素も取り入れたかったんだ。

セックス・ピストルズ、ゲイリー・ニューマン、ザ・フォール、ジョイ・ディヴィジョンについての記事はそこら中にあるし、彼らがレジェンドたちであることもわかっているけれど、ライト・オブ・ザ・ワールドやインコグニートについて書かれた記事はほとんどない。僕にとってそれは行方不明の歴史なんだ。

“キンシャサ・FC” はコンゴのフットボール・チームを指しているかと思いますが、これは実在のチームですか? どうしてこのタイトルを付けたのでしょうか?

GP:いや、あれは想像のチーム。ははは(笑)。とにかくアフリカっぽいタイトルにしたくて(笑)。サッカー・チームの名前っぽくしたら面白いと思ったし、全く深い意味はないんだよ(笑)。

先に名を挙げたアトモスフィアでいくと、当時のキーボード奏者だったピーター・ハインズがストラータでも演奏しています。彼はほかにもライト・オブ・ザ・ワールドやそこから枝分かれしたインコグニート、ブルーイが一時結成していたザ・ウォリアーズでも演奏していました。ブルーイと非常に近いところにいたミュージシャンですが、今回は彼のアイデアで参加したのですか?

GP:あれは僕のアイデアだったけど、彼の電話番号を持っていたのはブルーイだった(笑)。このプロジェクトには数名のレジェンドに参加してほしいと思ったんだ。レジェンドというのは、僕自身が大好きで何度も曲を聴いていたアーティストたちのこと。ピーターのローズ・ピアノのうまさは知っていたし、彼に参加してもらうことになったんだ。スタジオに来てもらって、アルバムに収録されている2曲をレコーディングした。あともうひとり紹介したいのは、ベースのランディ・ホープ・テイラー。彼も昔コングレスという素晴らしいブリット・ファンク・バンドにいたんだ。そのふたりは僕にとってレジェンドだね。あとは若いミュージシャンたちに参加してもらった。音楽やリズムにはエネルギーも必要だからね。

ピーター・ハインズは最近も〈エクスパンション〉によるザ・ブリット・ファンク・アソシエイションというリヴァイヴァル的なプロジェクトに参加していますが、あちらとストラータを比べた場合、ストラータの方がよりカッティング・エッジで、インスト演奏などジャズ的インプロヴィゼイションにも重きを置いているなと思います。ピーター自身はそうしたプロジェクトの違いなど意識はしているのでしょうか?

GP:それは僕にはわからない。ピーターがスタジオに来たとき、曲はタイトルさえ決まっていなかったし、自分たちも明確なアイデアは持っていなかった。でも、彼は何をすべきかわかっていたんじゃないかな。ザ・ブリット・ファンク・アソシエイションは昔の曲を演奏するプロジェクトだけど、ストラータは全て新しく作られた曲のプロジェクト。だから、新しいフィーリングをもたらすということは意識していたかもしれないね。

ほかのメンバーもマット・クーパー、スキ・オークンフル、フランセスコ・メンドリア、リチャード・ブルなどインコグニートに関わってきた人が集まっています。特にアウトサイドのマット、Kクリエイティヴのスキが集まっているのは、アシッド・ジャズ時代からのファンとしても相当嬉しいのではないかと思います。今回のミュージシャンの人選はどのようにおこないましたか?

GP:とにかく演奏がうまいアーティストたちを集めた。去年、ブルーイを祝福するために僕の家の地下室でインコグニートとセッションをやったんだが、そのためにブルーイがミュージシャンたちを連れて僕の家にきたんだ。そのなかにはマット・クーパーやフランシス・ハイルトンといったミュージシャンたちがいた。彼らのことは僕もよく知っていたし、彼らも僕が何を求めているかをしっかりと理解していた。彼ら、僕の美意識を普段から理解してくれているからね。だから彼らとセッションをしたら心地よくて楽しいに違いないと思って、それが自然とバンドになったんだ。

“アスペクツ” の12インチはモーゼス・ボイドやフランソワ・Kなど様々なDJやアーティストの間でも話題となりました。フランソワはリアル・タイムでブリット・ファンクを体験してプレイしてきたDJですが、そうした人から認められるのはストラータがより本物のブリット・ファンクを表わしていると言えませんか?

GP:そう呼ばれるよう努力はしている(笑)。僕はあの時代、1970年代後半から1980年代前半のまだきちんと取り上げられていないUKのムーヴメントを祝福したいんだ。僕にとってあの時代は多様性に満ちて、当時のUKの全ての世代のミュージシャンたちに勇気を与えたという面ですごく重要だ。ところがメディア、新聞、ラジオはこのムーヴメントに対してすごく否定的だったと思う。セックス・ピストルズ、ゲイリー・ニューマン、ザ・フォール、ジョイ・ディヴィジョンについての記事はそこら中にあるし、彼らがレジェンドたちであることもわかっているけれど、ライト・オブ・ザ・ワールドやインコグニートについて書かれた記事はほとんどない。僕にとってそれは行方不明の歴史なんだ。だからこのプロジェクトを通して、多様性を備えた、素晴らしく重要な音楽が存在していたこと、軽視されていたことを伝えたい。彼らの音楽を祝福するのは、僕にとって非常に大切なことなんだ。

以前サンダーキャットにインタヴューした際に、レヴェル42のマイク・リンダップからの影響を述べていましたし、タイラー・ザ・クリエイターは2020年のブリット・アワードの受賞式で、1980年代のブリティッシュ・ファンクから影響を受けたとスピーチしました。このようにイギリス人ではないアメリカ人、しかもリアル・タイムではブリット・ファンク全盛期を知らないアーティストがこうした発言をしているのをどう思いますか? それを踏まえてストラータがこうしたアルバムを作った意味について教えてください。

GP:最初に言い忘れたけど、このプロジェクトをはじめようと思ったもうひとつの理由は、そしてそれをいまやろうと思った理由は、タイラー・ザ・クリエイターのそのスピーチを見たからなんだ。彼はミュージシャンとしてもっとも影響を受けているのはブリット・ファンクだと言っていた。そのとき、ついにイギリス国外の重要なミュージシャンのひとりがブリット・ファンクの魅力に気づいてくれた! と思って、「レコードを作ろうぜ!」とブルーイに言ったんだ。実はタイラーにもコンタクトをとっていて、次のレコードで歌ってもらいたいと思っている。サンダーキャットは僕の友人だから、彼も参加してくれることを願っている。あともちろん、日本のミュージシャンにもね! 普段だったら年に二度は日本に行くんだけど、いまはこんな状況だからね。前回は京都の伊根という街にいったんだけど、すごくよかった。日本が恋しいよ。早く来日したい。ではまた!

Overmono - ele-king

 2013年の「Hackney Parrot」や「Nancy’s Pantry」で大きなインパクトを残し、近年は〈Whities〉(現在は〈AD 93〉に改名)からもリリースしているテッセラ(Tessela)ことエド・ラッセル。
 その彼と、トラス(Truss)名義で活動するトム・ラッセルから成る兄弟デュオがオーヴァーモノだ。昨秋のEP「Everything You Need」も良かった彼らだが、去る3月24日に最新シングル “Pieces Of 8” がリリースされている。

 どうです、かっこいいでしょう。これまで彼らのライヴで披露されてきたこの曲は、4月9日に発売される12インチ「Pieces Of 8 / Echo Rush」のA面に収録予定。B面も楽しみだ。

Alan Vega - ele-king

 2016年7月に他界した、NYノーウェイヴの始祖スーサイドのヴォーカリストだったアラン・ヴェガ。彼が1995年から1996年にかけてニューヨークで録音した未発表作品が『Mutator』というタイトルで〈Sacred Bones〉から4月23日にリリースされることが先日アナウンスされた。そのリリースに先駆けて、アルバムから“Fist”なる曲が公開されている。Liz Lamereによればこの曲は「人びとが力を集め、いっしょになってひとつの国を作るための強力な行動の呼びかけ」だという。
 なお、〈Sacred Bones〉にはほかにもヴェガの未発表音源のアーカイヴがあり、『Mutator』以降も発表する予定だ。

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