ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. R.I.P. Afrika Bambaataa 追悼:アフリカ・バンバータ
  2. Courtney Barnett - Creature of Habit | コートニー・バーネット
  3. Boards Of Canada ──ボーズ・オブ・カナダ、13年ぶりのアルバムがリリース
  4. Iration Steppas ──UKサウンドシステム文化のヴェテラン、アイレーション・ステッパーズが来日
  5. FESTIVAL FRUEZINHO 2026 ──気軽に行ける音楽フェスが今年も開催、マーク・リーボウ、〈Nyege Nyege〉のアーセナル・ミケベ、岡田拓郎が出演
  6. Columns 4月のジャズ Jazz in April 2026
  7. interview with Adrian Sherwood 愛とソウルと、そしてメロウなダブ・アルバム | エイドリアン・シャーウッド、インタヴュー
  8. ボカロが世界に与えた衝撃 一億回再生の意外な背景
  9. interview with Cameron Picton (My New Band Believe) 元ブラック・ミディのキャメロン・ピクトン、新バンドにかける想い | ──初のアルバムを送り出したマイ・ニュー・バンド・ビリーヴ
  10. KENNY DOPE JAPAN TOUR 2026 ——ケニー・ドープ、9年ぶりの来日決定です
  11. SIMI LAB ──シミラボのファーストとセカンドが初のアナログ化
  12. world's end girlfriend ──ニュー・シングル「Angelus Novus」をリリース
  13. Laurel Halo - Midnight Zone (Original Soundtrack to the Film by Julian Charrière) | ローレル・ヘイロー
  14. 別冊ele-king 音楽が世界を変える──プロテスト・ミュージック・スペシャル
  15. interview with Rafael Toral いま、美しさを取り戻すとき | ラファエル・トラル、来日直前インタヴュー
  16. 別冊ele-king J-PUNK/NEW WAVE-革命の記憶
  17. Moemiki - Amaharashi
  18. Mamas Gun - Dig! | ママズ・ガン
  19. DADDY G(MASSIVE ATTACK) & DON LETTS ——パンキー・レゲエ・パーティのレジェンド、ドン・レッツとマッシヴ・アタックのダディ・Gが揃って来日ツアー
  20. dublab.jp ──LA発ネット・ラジオの日本支局、公式サイトを全面リニューアル

Home >  Columns > R.I.P. Robert Ashley- ロバート・アシュリー(1930 - 2014)

Columns

R.I.P. Robert Ashley

R.I.P. Robert Ashley

ロバート・アシュリー(1930 - 2014)

野田努 Mar 07,2014 UP

 去る3月3日、現代音楽家であり、電子音楽の開拓者のひとり、ロバート・アシュリーが肝硬変のために他界した。
 1930年、ミシガン州アナーバーに生まれたロバート・アシュリーは、大学卒業後、ミシガン大学スピーチ研究所(音響心理学と文化的なスピーチ・パターン)に勤務しながら、1958年にゴードン・ムンマと電子音楽スタジオを共同創立。機材が市販される以前から、エレクトロニクスに作曲の可能性を見たふたりは、機材環境を自分たちの手で作りあげ、実験した。1969年にはサンフランシスコ・テープ・ミュージックセンターの責任者に就任、1970年代は現代音楽のためのミルズ・カレッジ・センターで教鞭をとっている。
 
 昨今、声を機械で変調することはごく普通におこなわれているが、ロバート・アシュリーは音声合成を試みた先駆者として知られている。無意識の言語と意識不明状態への関心を膨らませた彼が1979年に発表した『Autmatic Writing』は、もっとも有名な作品のひとつで、言葉と電子音が織りなす実に奇妙な音楽だ。無意識に呟かれる言葉、フランス語の朗読(トゥーレット障害に関する論文)、ムーグ・シンセサイザーの音、オルガン──これらのミックスは、極限的なフリースタイルだったと言えるかもしれない。リル・Bの催眠的ラップの青写真かもしれない。スティーヴ・ステイプルトン(ナース・ウィズ・ウーンド)がLSDを摂取してこの作品に感動した話は有名で、NHKコーヘイも大好きなアルバムとして『Autmatic Writing』を挙げているが、しかしロバート・アシュリーの実験が本当に再評価されるにはもう少し時間が必要なのだろう。合掌。(野田努)

COLUMNS