ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Seefeel - Sol.Hz | シーフィール
  2. Drive From 80s - @新宿ロフト
  3. 別冊ele-king 音楽が世界を変える──プロテスト・ミュージック・スペシャル
  4. Cornelius ──コーネリアスがさらなる新曲“Twisting & Glistening”を公開
  5. Visible Cloaks - Paradessence | ヴィジブル・クロークス
  6. R.I.P. Miru Shinoda 追悼:篠田ミル
  7. Beatrice M. - Sinking | ベアトリス・M
  8. 未来マニア──エレクトロニック・ミュージック・ガイド
  9. Columns #16:ワールドカップ2026 ──時代は変わった(日本代表のことではない)
  10. GEZAN - I KNOW HOW NOW
  11. interview with Mouse on Mars 僕たちはダブを、ジャンルではなく社会的なものとして捉えたい | ——リー・ペリーとの共作を発表したマウス・オン・マーズ、インタヴュー
  12. YHWH Nailgun - Magazine | ヤハウェ・ネイルガン
  13. Tadekui ──北海道出身の期待のバンド、タデクイのファースト・アルバムが全国流通開始&LPもリリース
  14. Columns Boards of Canada ボーズ・オブ・カナダの帰還  | ──その軌跡、その影響、そして13年ぶりの新作『Inferno』をめぐって
  15. MariMari ——佐藤伸治がプロデュースした女性シンガーの作品がストリーミング配信
  16. Cornelius ——コーネリアス、ニュー・アルバム『REFRACTIONS』の詳細を発表
  17. AMBIENT KYOTO - TOKYO ——坂本龍一と高谷史郎による「async - immersion」がついに東京で開催
  18. UKインディ・ロック入門──ポスト・パンク、ギター・ポップ、スカとダブ編
  19. Columns Introduction to P-VINE CLASSICS 50
  20. Ryo Isobe ——磯部涼の新著は『脱法』

Home >  Columns > R.I.P. Robert Ashley- ロバート・アシュリー(1930 - 2014)

Columns

R.I.P. Robert Ashley

R.I.P. Robert Ashley

ロバート・アシュリー(1930 - 2014)

野田努 Mar 07,2014 UP

 去る3月3日、現代音楽家であり、電子音楽の開拓者のひとり、ロバート・アシュリーが肝硬変のために他界した。
 1930年、ミシガン州アナーバーに生まれたロバート・アシュリーは、大学卒業後、ミシガン大学スピーチ研究所(音響心理学と文化的なスピーチ・パターン)に勤務しながら、1958年にゴードン・ムンマと電子音楽スタジオを共同創立。機材が市販される以前から、エレクトロニクスに作曲の可能性を見たふたりは、機材環境を自分たちの手で作りあげ、実験した。1969年にはサンフランシスコ・テープ・ミュージックセンターの責任者に就任、1970年代は現代音楽のためのミルズ・カレッジ・センターで教鞭をとっている。
 
 昨今、声を機械で変調することはごく普通におこなわれているが、ロバート・アシュリーは音声合成を試みた先駆者として知られている。無意識の言語と意識不明状態への関心を膨らませた彼が1979年に発表した『Autmatic Writing』は、もっとも有名な作品のひとつで、言葉と電子音が織りなす実に奇妙な音楽だ。無意識に呟かれる言葉、フランス語の朗読(トゥーレット障害に関する論文)、ムーグ・シンセサイザーの音、オルガン──これらのミックスは、極限的なフリースタイルだったと言えるかもしれない。リル・Bの催眠的ラップの青写真かもしれない。スティーヴ・ステイプルトン(ナース・ウィズ・ウーンド)がLSDを摂取してこの作品に感動した話は有名で、NHKコーヘイも大好きなアルバムとして『Autmatic Writing』を挙げているが、しかしロバート・アシュリーの実験が本当に再評価されるにはもう少し時間が必要なのだろう。合掌。(野田努)

COLUMNS