「pan sonic」と一致するもの

Flying Lotus, Thundercat, George Clinton & P-Funk - ele-king

 こ、これはすごい。一昨年、ジョージ・クリントンとの契約が大きなニュースとなった〈ブレインフィーダー〉だけれど、その後しばらく音沙汰がなかったので、いったいどうなったのかとやきもきしていたファンも多いだろう。それがここへ来てとんでもないアナウンスである。今夏8月17日、SONICMANIAに〈ブレインフィーダー〉ステージが出現、フライング・ロータス、サンダーキャット、ジョージ・クリントン&Pファンクのビッグ3が一堂に会する――そう、ここ日本で。まるで夢のような話じゃないか。これはもう行く/行かないを迷うような次元の話ではない。これから半年間、首を長く長~くして待っていよう。

SONICMANIAに〈BRAINFEEDER〉ステージが登場!

フライング・ロータス、サンダーキャット、そして
ジョージ・クリントン&パーラメント・ファンカデリックが出演決定!

‘Brainfeeder Night In SONICMANIA’
featuring
FLYING LOTUS
THUNDERCAT
GEORGE CLINTON
...and more!!

ナイン・インチ・ネイルズ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、マシュメロという、SUMMER SONICに引けを取らない強力な出演陣が発表され、大きな話題となっているSONICMANIA。今回第2弾アーティストが発表され、フライング・ロータス主宰レーベル〈Brainfeeder〉ステージが登場することが明らかに!

昨年は自ら手がけた映画『KUSO』の公開や、短編アニメーション『ブレードランナー ブラックアウト2022』の音楽を手がけたことも記憶に新しいフライング・ロータス、最新作『Drunk』をリリースし、2017年の音楽シーンを象徴する存在と言っても過言ではない活躍を見せたサンダーキャット、そして言わずと知れたファンクの神様、かねてより〈Brainfeeder〉への参加が噂されていたジョージ・クリントンがジョージ・クリントン&パーラメント・ファンカデリックとして出演決定!

SONICMANIA 2018
2018.8.17
www.sonicmania.jp

2017年11月にMVと共に公開されたフライング・ロータスの最新曲“Post Requisite”
Flying Lotus - Post Requisite
>>> https://youtu.be/2XY0EHSXyk0

フライング・ロータスの長編デビュー映画『KUSO』の公式トレーラー
Flying Lotus - Kuso (Official Trailer)
>>> https://youtu.be/PDRYASntddo

映画『ブレードランナー2049』と、前作『ブレードランナー』の間を繋ぐストーリーとして渡辺信一郎が監督した短編アニメーション
「ブレードランナー ブラックアウト 2022」
>>> https://youtu.be/MKFREpMeao0

80年代を代表する黄金コンビ、マイケル・マクドナルドとケニー・ロギンス参加のリードシングル
Thundercat - Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)
>>> https://youtu.be/Z-zdIGxOJ4M

東京で撮影されたMVも話題となったアルバム収録曲
Thundercat - Tokyo
>>> https://youtu.be/QNcUPK87MnM

フライング・ロータス、サンダーキャット、シャバズ・パラセズによるプロジェクト、WOKEの1stシングル。ジョージ・クリントンが参加!
WOKE (Flying Lotus, Shabazz Palaces, Thundercat) feat. George Clinton - The Lavishments of Light Looking
>>> https://soundcloud.com/adultswimsingles/woke


label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: FLYING LOTUS - フライング・ロータス
title: YOU'RE DEAD - ユーアー・デッド
release date: NOW ON SALE
cat no.: BRC-438
国内盤特典: ボーナス・トラック追加収録

本日リリース!
label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: Drank
release date: 2018/02/02 FRI ON SALE
国内初回生産盤:スリーヴケース付
歌詞対訳/説書封入
BRC-568 ¥1,800+税

label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: Drunk
release date: NOW ON SALE
国内盤特典:
ボーナス・トラック追加収録/歌詞対訳/解説書封入
BRC-542 ¥2,200+税

φonon - ele-king

 その特異な音楽性とDIYな活動で80年代に大きな足跡を残した伝説のユニット、EP-4。その中心人物・佐藤薫が新たにレーベルを始動する。その名も〈φonon(フォノン)〉。まずは2月18日に EP-4 [fn.ψ] と Radio ensembles Aiida のCD作品2タイトルがリリースされる。EP-4 [fn.ψ] は EP-4 の別働ユニットで、佐藤薫と家口成樹のふたりから成る。Radio ensembles Aiida は A.Mizuki のソロ・ユニットで、今回発売されるのは昨秋リリースされた初作品集の続編にあたるもの。かつて EP-4 はサウンドだけでなくその発信の方法に関しても独自の実践をおこなっていただけに、今後この新レーベルがどのような動きを見せていくのか目が離せない。

φonon (フォノン) について

新レーベル〈φonon (フォノン)〉は、EP-4の佐藤薫が80年代に立ち上げたインディー・レーベル〈SKATING PEARS〉のサブレーベルとして始動する。〈SKATING PEARS〉は当初カセットテープ・メディアを中心に多彩な作品をリリースしてきたが、φononは佐藤薫のディレクションによって主にエレクトリック/ノイズ系の作品を中心にリリースする尖鋭的なレーベルだ。

EP-4 [fn.ψ]
OBLIQUES

作品概要
EP-4 の別動ユニット EP-4 [fn.ψ] の初CDとなる『OBLIQUES』。EP-4 の佐藤薫と PARA や EP-4 のサポートなどマルチに活動する家口成樹の2人によって2015年に組まれたユニット EP-4 [fn.ψ]。ラップトップ・ガジェット、シンセサイザー、エフェクターなどが織りなす即興的音の立体空間は、ノイズでありアンビエントでもあるという対語的多面的要素を見事に融合した音のアマルガムを構成する。
本作は2017年6月大阪で行われたライヴの演奏を収録した作品だ。フィールド録音の変調や現実音を切り取って即興編集される佐藤のソニックスコープと純正律チューニングを自在に操る家口の重畳的シンセサイザーが、ときにストリームのように、ときにはフィルミーに立体的な音空間を織りなす。安易なリズムやビートを徹底して排除したかのような音の洪水が空間を切り裂く、約60分間のシームレスなライヴ録音となっている。※ [fn.ψ] = [ファンクション サイ]

アーティスト:EP-4 [fn.ψ]
アルバム・タイトル:OBLIQUES
発売日:2018年2月18日(日)
定価:¥2,000+税
品番:SPF-001
JAN:4562293382516
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATING PEARS
流通:p*dis / 株式会社インパートメント
Tel: 03-5467-7277・Fax: 03-5467-3207

〈トラックリスト〉
01. Panmagic
02. Enantiomorphs
03. Sonic Agglomeration
04. Pluralism
05. Pogo Beans
06. Hyperbola
07. Diagonal
08. Flyby Observations
09. Plural (outro)

Radio ensembles Aiida (ラヂオ Ensembles アイーダ)
From ASIA (Radio of the Day #2)

作品概要
A.Mizuki のソロ・ユニットであるラヂオ Ensembles アイーダ『From ASIA (Radio of the Day #2)』。2017年11月に発表された初作品集『IN A ROOM (Radio of the Day #1)』の続編であり、Radio of the Day シリーズの第2作となる。複数のBCLラジオが偶然織り成す一期一会の受信音と、リレースイッチの電流制御などによって生まれるビート/グルーヴをコンダクトし、類のないサウンドスケープ的な音世界を紡ぐ。前作では自室の音風景を切りとり繊細かつ大胆な不思議空間を表現していたが、本作ではタイトルどおり、BCLチューナーを抱えて訪れたアジアの街角でのフィールド・レコーディングで構成された不思議空間を創出している。つまりその不思議が、待ち受け開放から本来の開放を求める不品行な能動へとシフトしたのがこの作品集だ。彼女とラヂオの出会う世界をひとはラヂオデリアと喚ぶ!


アーティスト:Radio ensembles Aiida(ラヂオ Ensembles アイーダ)
アルバム・タイトル:From ASIA (Radio of the Day #2)
発売日:2018年2月18日(日)
定価:¥2,000+税
品番:SPF-002
JAN:4562293382523
発売元:φonon (フォノン) div. of SKATINGPEARS
流通:p*dis / 株式会社インパートメント
Tel: 03-5467-7277・Fax: 03-5467-3207

〈トラックリスト〉
01. Secret SW - Singapore
02. Market - Singapore
03. Restaurant - Singapore
04. Square - Singapore
05. Changi Airport - Singapore
06. Secret MW - Japan
07. Revolve! - Japan
08. Specter × Festival - Japan
09. Radio TUK-TUK - Thailand
10. Squall - Thailand
11. T-Rap announcer - Thailand
12. Radio Free Bangkok - Thailand


Shuta Hasunuma - ele-king

 蓮沼執太が12月14日(木)に最新シングル「the unseen」を配信限定でリリースする。この曲は昨年「Panasonic Beauty」のCMに起用された楽曲のフル・ヴァージョンで、来年初頭発売のアルバム『windandwindows』にも収録される予定となっている。同曲には、彼と縁の深い石塚周太やゴンドウトモヒコ(METAFIVE 他)、千住宗臣が参加。ミックスを担当しているのは蓮沼執太フィルのメンバーであり、トクマルシューゴやスカートも手掛ける葛西敏彦で、マスタリングはROVOやDUB SQUADとしても活躍する益子樹が務めている。今回のリリースに合わせて特設ページもオープンしているので、そちらもチェック。なお蓮沼は1月に『東京ジャクスタ』の公演を控え、また2月にはニューヨークで個展も開催する予定となっており、2018年は彼にとってアクティヴな1年となりそうだ。

蓮沼執太による、2012年から2017年の約5年間に作曲した未発表音源をセレクトしたアルバム『ウインドアンドウインドウズ』が来年2018年初頭に発売決定。このアルバムは、2012年リリースの未発表音源集『CC OO|シーシーウー』の続編的とも呼べるような、映画音楽からダンス、舞台、広告やプロデュース作品などの様々なジャンルの作品のために書かれた膨大な楽曲を収録した作品集になる予定です。

そして、アルバムの内容を少しずつ紐解いていくように、配信シングルを毎月リリースすることが決定しました。

第1弾シングルは、昨年の「Panasonic Beauty」のCMに起用された“the unseen”のフル・ヴァージョンになります。ソロ・アルバム『メロディーズ』以降の流れにある蓮沼執太の歌モノ・サイドを突き進めたような、気品のあるメロディアスな楽曲。CM放映当時、数多くの音源化希望があった楽曲が待望のリリースです。

アーティスト:蓮沼執太
タイトル:the unseen(ジ・アンシーン)
フォーマット:Digital only
商品番号:windandwindows 03 / HEADZ 223
価格:250 円
発売日:2017 年12 月14 日(木)
レーベル:windandwindows / HEADZ

iTunes MS(Mastered for iTunes)、Amazon MP3にて販売。
タイアップ:「Panasonic Beauty 2016年CM曲」

参加メンバー:石塚周太(Guitar)、ゴンドウトモヒコ(Flugelhorn)、千住宗臣(Drums)
ミックス:葛西敏彦
マスタリング:益子樹(FLOAT)
ジャケット・デザイン:佐々木暁

『windandwindows | ウインドアンドウインドウズ』特設ページ:
https://www.shutahasunuma.com/windandwindows/

■蓮沼執太(はすぬま・しゅうた)
1983年、東京都生まれ。音楽作品のリリース、蓮沼執太フィルを組織し国内外でのコンサート公演、映画、演劇、ダンス、音楽プロデュースなどでの制作多数。作曲という手法を様々なメディアに応用し、映像、サウンド、立体、インスタレーションを発表し、個展形式での展覧会やプロジェクトを活発に行っている。12月14日にシングル「the unseen」を配信リリース、未発表音源集『windandwindows』を準備中。来年2018年2月にニューヨーク・ブルックリンにあるPioneer Worksにて個展開催予定。

C:Shuta Hasunuma / windandwindows
P:Shuta Hasunuma / windandwindows / HEADZ

Andrés Japan Tour 2017 - ele-king

 日本だとみんなJディラ、Jディラっていうんだけど、デトロイトだとスラム・ヴィレッジなんだよね。それだけスラム・ヴィレッジという存在がでかかってことなんだろうけど、DJ Dezとしてその楽曲制作やツアーDJとしても関わり、また、Andrés(アンドレス)としてムーディーマン率いるMahogani Music所属する男、アンドレスが通算4枚目となるアルバム『Andrés Ⅳ』のリリースを間近に控え、来日が決定! 
 日本各地のフライヤーとともに紹介しましょー。

■ツアー日程

Andrés Japan Tour 2017

11.22(水) 東京 @Contact
11.24(金) 岡山 @YEBISU YA PRO
11.25(土) 小倉 @HIVE
11.26(日) 大阪 @SOCORE FACTORY
12.1(金) 金沢 @MANIER
12.2(土) 名古屋 @Club Mago

■Andrés (aka DJ DEZ / Mahogani Music, LA VIDA) from Detroit
Andrés(アンドレス)は、Moodymann主宰のレーベル、KDJ Recordsから1997年デビュー。
ムーディーマン率いるMahogani Musicに所属し、マホガニー・ミュージックからアルバム『Andrés』(2003年)、『Andrés Ⅱ 』(2009年)、『Andrés Ⅲ』(2011年) を発表している。DJ Dezという名前でも活動し、デトロイトのHip Hopチーム、Slum Villageのアルバム『Trinity』や『Dirty District』ではスクラッチを担当し、Slum VillageのツアーDJとしても活動歴あり。Underground Resistance傘下のレーベル、Hipnotechからも作品を発表しており、その才能は今だ未知数である。
2012年、 Andrés自身のレーベル、LA VIDAを始動。レーベル第1弾リリース『New For U』は、Resident Advisor Top 50 tracks of 2012の第1位に選ばれた。
2014年、DJ Butterとのアルバム、DJ Dez & DJ Butter‎ 『A Piece Of The Action』をリリース。
パーカッショニストである父、Humberto ”Nengue” Hernandezからアフロキューバンリズムを継承し、Moodymann Live Bandツアーに参加したり、Erykah Baduの “Didn’t Cha Know”(produced by Jay Dilla)ではパーカッションで参加している。
Red Bull Radioにてマンスリーレギュラー『Andrés presents New For U』を2017年10月からスタート。
通算4枚目となるアルバム『Andrés Ⅳ』のリリースを間近に控えたAndrésの来日が決定!

■ツアー詳細
Andrés Japan Tour 2017


11.22(水) 東京 @Contact

Studio: - Soultry -
Andrés (aka DJ DEZ | Mahogani Music | LA VIDA | Detroit)
DJ Kensei
DJ MAS aka SENJU-FRESH! (EDMATIC)

Contact: -Soul Matters-
Guest: KZA (FORCE OF NATURE)
Shima, JINI, kent niszw, kurozumi

OPEN 22:00 BEFORE 11PM ¥1000 UNDER 23 ¥2000 GH S MEMBER ¥2500 W/F ¥3000 DOOR ¥3500

Info: Contact https://www.contacttokyo.com
東京都渋谷区道玄坂2-10-12 新大宗ビル4号館B2F TEL 03-6427-8107
You must be 20 and over with ID.

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11.24(金) 岡山 @YEBISU YA PRO
- Supported by BANANA SKIT -

Guest DJ: Andrés

Support DJ: DJ JUN, TETSUO, TANSHO, Duty.sf, KODAI, DJ YORK (ETERNITY)

BANANA GALS: AIMI, MAIKA, MOMOKA, ASUKA

Open 22:00
ADV 3000yen DOOR 4000yen ※ドリンク代別途要
L-code 61430

Info: Yebisu Ya Pro https://yebisuyapro.jp

岡山市北区中山下1丁目10番30号 福武ジョリービルB2F TEL 086-222-1015

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11.25(土) 小倉 @HIVE
- Wonder X Wonder -

Special Guest: Andrés

Special Unit: DIRTY FINGERS MUSIC MACHINE

Wonder DJ’s: MAMORU (POUR), KENTA (MONTAGE)

Flyer Designed by. 描生 @byouki_artworks.jp

Open 22:00
ADV. 3000yen
With Flyer 3500yen
Door 4000yen

Info: HIVE https://djbarhivekokura.tumblr.com
北九州市小倉北区古船場町2-10 ターウィンビル205

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11.26(日) 大阪 @SOCORE FACTORY
Andrés Japan Tour 2017 in Osaka - AHB Production & HOOFIT present -

Special Guest DJ: Andrés

Guest DJ: DJ TOSHIBO (KOKURA Pro.)

DJs:
KAZIKIYO (HOOFIT/ROOT DOWN)
QUESTA (HOOFIT/BMS)
KJ
MAMORU (ROOT DOWN)

VJ: catchpulse

FOOD & COFFEE: COFFEEBIKE EDENICO, INC & SONS

Open 17:00 - Close 24:00
ADV : 2500yen with 1Drink
ADM : 3000yen with 1Drink

Info: SOCORE FACTORY https://socorefactory.com
大阪市西区南堀江2-13-26 TEL 06-6567-9852

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12.1(金) 金沢 @MANIER
- new town feat Andrés -

GUEST DJ: Andrés

DJ: Yoshimitsu, PPTV, RINA, J-ONE, PANDY

BEAT LIVE: highwest collective

Open 21:00
with Flyer 30000yen (No Drink)
Door 3500yen (No Drink)

Info: MANIER https://www.manier.co.jp
金沢市片町1-6-10 ブラザービル4F TEL 076-263-3913
Mail:manier[@]mairo.com

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12.2(土) 名古屋 @Club Mago
- audi. feat Andrés -

Guest DJ: Andrés
DJ: SONIC WEAPON. JAGUAR P.
LIGHTING: KATOKEN.

Open 21:00
ADV 2500yen
Door 3000yen

Info: Club Mago https://club-mago.co.jp
名古屋市中区新栄2-1-9 雲竜フレックスビル西館B2F TEL 052-243-1818

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interview with Subarashika - ele-king

 はっぴいえんどに端を発する日本語ロックの遺伝子を受け継いだ音楽。すばらしかのファーストEP「灰になろう」をはじめて聴いた時、まず思ったのはそんなことだ。洗練されたシティ・ポップのエッセンスと泥臭いグルーヴが共存する音楽は、never young beachやYogee New Wavesらと共振しながら、ひとつのムーヴメントの新たな旗手となり得ることを予感させた。


すばらしか - 灰になろう
Pヴァイン

Indie Rock

Amazon Tower HMV iTunes

 すばらしかは2015年末に結成されたバンドだ。都内を中心にライヴ活動を続け、2017年2月に自主製作盤「灰になろう」を発売すると、プレスされた200枚はたちまちソールド・アウト。このたびその音源に再度マスタリングを施し、カヴァー曲やライヴ音源の新曲を加えたものがリリースされる。

 それにともない、今回はメンバーの福田喜充、加藤寛之、中嶋優樹の3人と、サポートの林祐輔にインタヴューをおこなった。結成の経緯やこれまでの音楽遍歴を聞く中で見えてきたのは、シャイネスと大胆さが共存する彼らの人間性、そして冒頭に記したような感想は必ずしも当たりではない、ということだ。

 彼らの音楽を形作ったのは日本語ロックとの邂逅ではなく、ローリング・ストーンズやザ・バンドといったレジェンドからの影響を、自分たちにもっとも身近な日本語で消化しようとしたことだった。つまり、彼らは「日本語ロック」を経由することなくして、その潮流があるインディ・ロック・シーンの前線へと躍り出たのだ。

 こうした背景があるからこそ、ベースの加藤はシーンに目を配りながらも「はっぴいえんどに影響を受けたバンドには興味がない」と、カテゴライズされることから距離を置く。自分たちのオリジナリティを「本当の意味で日本語ロックができていること」と胸を張れる。迎合しないスタイルに、時代の方が味方している。

 このインタヴューはバンド史上初のインタヴューとなった。高い演奏技術、卓抜したソング・ライティング、角度をつけながらも突き刺さる歌詞。すばらしかは往年のロック・ファンを魅了しながら、若い音楽ファンも取り込んでいくだろう。はじめて語られる言葉を、ぜひ新作を聴きながら読んでみてほしい。

日本のインディ・シーンに興味がないんですよ。対バンやって見ることになったバンドでも、本当に意味わかんないバンドが多い。 (加藤)

プロフィールには2015年末に結成とありますが、バンドのなりたちを詳しく教えてください。

加藤寛之(以下、加藤):15年の11月にはじめてスタジオに入って、12月に初ライヴをしたんですよ。21日か、22日だったかな。当時サポートで入ってくれていた、ガースー(菅澤捷太郎)がやっているBullsxxtというバンドの企画でライヴをしたのが最初です。その時はキーボードの林を抜いた3人体制でした。

福田喜充(以下、福田):自分はそれより前から今とは別のメンバーで音楽はずっとやってて。大学のジャズ研究会の先輩と組んで、その時から今ある曲も演奏してたんですけど、ドラムの人がロサンゼルスに行くことになったんで、またバンドを組み直して……。すばらしかになるまでに10回くらいバンドを組み直してます。

ふたりが出会ったのはいつでしょう?

加藤:僕と喜充は大学の同級生なんです。お互いの共通の知り合いとしてまずガースーがいて、彼は喜充のいたジャズ研と、僕が所属していた現代音楽研究会のどっちにも入っていたので、それでつないでくれた。ある日大学の中庭にガースーや何人かの人が集まってたから、近寄ったらその中に喜充もいて、ギターを弾いてたんですよ。そこではじめて話したんだったかな。そこから交流がはじまって、色々と話す中で喜充が曲を作ってることを知った。その時に“灰になろう”を歌ってくれたんだけど、冒頭30秒聴いただけで「これすごくいい曲だな」と思った。

福田:その頃は違う人とバンドやってたんですけどね。ヴォーカルは別の人で、自分はギターだけ弾いていたけど、たまたまその日は自分で歌ってた。

加藤:その時からライヴはやってたんだっけ?

福田:いや、ライヴ活動はしてなかったな。で、それから自分がまた新しいバンドを組もうと思った時に加藤の存在を思い出して。加藤を誘って、なかじ(中嶋優樹)を誘ってはじまりました。

中嶋さんはどういう経緯でバンドに加入したんですか?

加藤:「ドラムはなかじがいい」って喜充が言ったんだよね。

福田:なかじとは幼馴染なんですよ。小学校の時から一緒で、高校ではバンドもやってました。

高校の時はどんな音楽をやってたんですか?

福田:この前久しぶりに高校の時の音源聴いたよね。車の中で。

中嶋優樹(以下、中嶋):まあ……ロックンロールって感じですね。

(一同笑)

中嶋:今より全然ロックンロール。

演奏していた曲はオリジナルですか?

中嶋:オリジナルとカヴァーで半々くらいかな。

福田:カヴァーは村八分とか、ローリング・ストーンズの“ミッドナイト・ランブラー”とか。村八分がけっこう多かったよね。

中嶋:新宿JAMでね。

サポートの林さんはどういった経緯でバンドを手伝うようになったのでしょう。

福田:林とは、自分が何度もバンドを組み直していたうちのひとつで一緒にやっているんです。

林祐輔(以下、林):そうだね。

加藤:喜充が「やっぱりキーボード入れたい」って言って、最初はWanna-Gonnaってバンドの古口くんが手伝ってくれていたんですよ。でも、古口くんは自分のバンドや他のバンドのサポートもあってなかなか忙しい。でも、林は暇そうだったので……(笑)

林:それでスタジオ入って、なんだかんだ定着してますね。

福田さんはバンドを何度も組み直していたそうですが、その間に音楽性も変わっていったんですか?

福田:基本的には変わっていないです。でも、前はもっとごりごりのブルースばかりやってましたね。すばらしかになったあたりからいろんなタイプの曲をやるようになりました。

加藤:すばらしかを組む前からある曲も多いよね。

福田:“灰になろう”と“嘘と言え”は2015年くらいに作ったかな。“地獄が待っている”はそのもう少しあと。でも特に人前で演奏することはほとんどなかったです。

意味を込めずにそれっぽいことを言うというか。デヴィッド・ボウイが何かで「適当なことを言っておけば意味は聴く人が考えてくれる」と言っていて。自分はその考えでやってます。 (福田)

皆さんどんな音楽を聴いてきたんでしょうか?

福田:親が音楽好きで、小さい頃から家や車の中でビートルズやスティーヴィー・ワンダー、YMOとかがよく流れていました。その中でもずっと聴いているのはストーンズとボブ・マーリー。それとは別に自分からはじめて好きになったバンドはTHE BLUE HEARTS。小2の時、MTVで“夢”って曲のライヴ映像が流れてて、それでハマりました。そこから色々とロックを聴くようになって、ちょっとしたらギターをはじめて。だからロックとブルースが自分のルーツにあると思います。

加藤:僕も親が音楽好きで、スティーヴィー・ワンダーとかザ・ビーチ・ボーイズとかは家でずっと流れてました。あと、母親がちょっと変わってて、アート・リンゼイとか、彼がやってるジャズ・グループのラウンジ・リザーズをよく流してました。それはめっちゃ覚えてます。

ポップな曲と前衛的な音楽と、両方が身近にあったんですね。

加藤:でも小さい頃はポップな曲ばっかり好きでした。ザ・ビーチ・ボーイズの“Wouldn't It Be Nice”って有名な曲あるじゃないですか。超ポップでめっちゃいい曲だなと思って、小学校の時よく聴いてたんですけど、後半のコーラス・パートはなんか気持ち悪くて嫌いだったんですよ。だから前半だけ聴いて、途中で切ってました(笑)。それから中学・高校生の頃から色々な音楽を聴くようになるんですが、渋谷系にハマっていた時期にたまたまこの曲を聴き返したら、あんなに気持ち悪かったコーラス・パートがすごく良く聴こえて。それからソフトロックとかも聴くようになりました。

中嶋さんはどうでしょう?

中嶋:喜充が持ってきたTHE BLUE HEARTSのカセットテープかな。

福田:俺が貸したんだっけ?

中嶋:いや、学校に持ってきた。で、置いてあったラジカセでそれを聴いてハマって。一緒にTHE HIGH-LOWSのライヴ行ったんだよね。

福田:そうだ!(笑) なかじがTHE HIGH-LOWSのチケット取ってて、それで一緒に行くことになって。初めて見たライヴがそれでしたね。その時まだ小学5年生で、ふたりとも親同伴で(笑)。

中嶋:それからハードロックを聴いたり、一通りのジャンルは聴きましたね。ルーツになってるのはハイロウズと、あとはザ・フーかな。

ドラムをやりはじめたのはいつからですか?

中嶋:小5の時ですね。家の倉庫に父親が買ったゴミみたいなドラムがあったんで、それを叩いてました。

福田:TAMA(星野楽器)から出てるYOSHIKIモデルだっけ。

中嶋:いや、高橋幸宏モデルらしい。

なるほど(笑)。ということは親も音楽好き?

中嶋:なんかYMOしか流れてなかったですね。ずっとYMOしか流さないんで、気持ち悪かった。ぴこぴこしてるなー、みたいな。

林さんはどんな音楽を聴いてきました?

林:僕は母親が元プロで、バンドをやっていて。バンド名が「SCANDAL」って言うんですけど(笑)。

加藤:メジャー・デビューもしたんだよね。

林:クリエイションの竹田和夫さんのプロデュースでメジャー・デビューしたんですが、売れなかった(笑)。だから小さい頃から家ではよく音楽が流れてました。キャロル・キングとか、ビリー・プレストンとか。中学の時はL'Arc~en~Cielとか、当時の学生が聴いてるようなものを聴いていて、高校くらいでビートルズを聴きはじめました。そこからドアーズ、ザ・バンドあたりを聴くのと並行して、友達の影響でウルフルズにハマって、サム・クックとかの黒人系アーティストも聴くようになっていきました。

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はっぴいえんどは好きですけど、そこから影響を受けたバンドとかは、別に興味がないんですよね。 (加藤)

全員の話を聞くと、洋楽のレジェンド的なアーティストからの影響が強いんですね。

加藤:はっぴいえんどとかも聴いてましたよ。だけどあくまで数ある音楽の一部で、超好きってわけではないです。

福田:洋楽のほうが影響を受けてますね。世界広いじゃないですか。

加藤:そのうちの日本の、格好良い音楽って感じです。

日本とか海外とか、そこにボーダーはないってことですね。じゃあ、自分たちの音楽をやる上で一番強く影響を受けたバンドを挙げるなら?

加藤:なんだろう……ザ・バンド?

福田:いや、これといったのはないと思う。僕のその日の気分でやりたい内容がまったく変わってくるので。ザ・バンドの気分だったらそれっぽくやりたくなるけど、次の日はファンカデリック、その次はレゲエとか、ころころ変わるんですよ。

中嶋:こっちも色々やらされるから疲れるよね。

(笑)。作曲は福田さんですよね。そこにも気分が反映される?

福田:というか、気分しかないって感じです。

作詞はどうですか? 誰か影響を受けた人とか。

福田:一番はハイロウズかなあ。ヒロトとマーシーの詞には影響を受けてますね。

ああ、わかる気がします。現実主義的だけど、熱さもあるというか。

福田:でも意味よりは雰囲気的なノリ、面白さを重視してます。意味を込めずにそれっぽいことを言うというか。デヴィッド・ボウイが何かで「適当なことを言っておけば意味は聴く人が考えてくれる」と言っていて。自分はその考えでやってます。

加藤:適当ばっかりじゃなくて、意図的に狙ってる部分もけっこうあると思うけどね。僕は今回のアルバムについてはどの曲の歌詞もすごく好きですね。

アレンジはどうしているんでしょう。

加藤:喜充は曲作る時にオケも浮かんでることが多いんでしょ。

福田:リズムありきで考えたりとか、外側から作っていくことが多いんですよ。

加藤:そのイメージをまず喜充から聞いて、それをスタジオで実際に試してみて、という進め方。アレンジが変わらないこともあれば、大きく変わることもあります。

今回、アレンジが大きく変わった曲はありました?

福田:1曲目の“大雨のメロディ”は最初シャッフルビートだったんですよ。それこそビーチ・ボーイズの“Wouldn't It Be Nice”に、ザ・ロネッツのメロディを乗せて、軽快なポップ・ナンバーにしたいと思っていたんですけど、途中からオアシスの“Supersonic”みたいにしようってなって。それでああなりました。

加藤:逆に“紗のかかった白黒”とか“嘘と言え”、“灰になろう”は最初のイメージ通りの曲かな。

今回リリースされる「灰になろう」の全国流通盤にはショーケンこと萩原健一の“お元気ですか”のカヴァーも入っています。これは誰の発案なんでしょう?


すばらしか - 灰になろう
Pヴァイン

Indie Rock

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福田:それは僕ですね。親の影響もあるんですけど、ショーケンは昔からずっと聴いていて。“お元気ですか”は最近知った曲なんですけど、バンドでやったらハマりそうだなと思いながら半年くらいやろうと言えずにいたので、このタイミングでやってみようと思って、今に至ります。

すばらしかの楽曲と並んでも違和感がなくて、馴染んでますよね。だけど同時に、オリジナルの曲とは違う時代の空気感があったりもして。あの曲があることですばらしかが2010年代のバンドなんだってことがくっきり浮かび上がる気がしました。同世代のアーティストでは、どんな音楽を聴いてますか?

福田:ツイン・ピークスとか、レモン・ツイッグスとか。あと同世代ではないけど、同じ時代のバンドとしてはアラバマ・シェイクスも。日本だとよく対バンするバンドのみんなの音源ですかね。

加藤:よく対バンしているCar10とかJAPPERS、suueat.とかは聴きますね。あと、SaToAもすごく好きです。

福田:でも、あんまりインディ界隈ですごく聴いてるバンドっていないかなあ。

中嶋:俺は最近、海外だとレモン・ツイッグスとか聴くかなー。国内だとSaToAとか、加藤や喜充が教えてくれた友達のバンドが好きです。

加藤:あんまり共感できるバンドはいないかもしれない。日本のインディ・シーンに興味がないんですよ。対バンやって見ることになったバンドでも、本当に意味わかんないバンドが多い。きっと音楽の趣味やルーツも違うんだろうなって思うんですよ。

中嶋:でも話してみると意外と同じ音楽聴いてることあるよね。

加藤:そのパターンね(笑)。すっごい不思議だよね。

すばらしかの音楽って、もちろんストーンズとかのエッセンスもあるけど、日本語ロックの流れを汲んでるように聴こえると思うんですよ。最近ははっぴいえんどからの影響を感じさせるバンドも多いけど、彼らの音楽についてはどう思いますか?

加藤:ジャンルとして括られる分にはそうなのかなと思うんですけど、やっぱりはっぴいえんどやシュガーベイブは多々ある聴いているものの中の一部でしかなくて。はっぴいえんどは好きですけど、そこから影響を受けたバンドとかは、別に興味がないんですよね。この前思ったのは、僕ははっぴいえんどのメンバーと趣味が似てるんじゃないかな、ということ。彼らと同時代にいたら仲良くなれたんじゃないかと思うけど、そのはっぴいえんどから影響を受けた人たち、には別に興味が湧かないです。

「わざわざこいつら聴く?」みたいなバンドがすごく多いと思うんですよ。完全に同じことやってるだけで、それやってて面白いのかなって。 (福田)

同時代の音楽について言うと、加藤さんは自身のTumblrで「無駄な音の広がりと変な低音の作り込みで綺麗に見せかけた、最近のやたらキラキラした音のバンドばかり聴いていても、人生において何の発展性もないと思います」と書いています。同時代のバンドにあまり興味がないのは、そのこととも繋がっている?

加藤:僕、音質がきらきらしたハイファイな今の音楽って聴けないんですよね。iPhoneで流したり、YouTubeで聞き流す分にはいいんですけど、イヤホンでじっくり聴くことができないんです。あれは単純にそういう意味で言ったんですけど、まあ深夜に書いたってこともあるので、そういうものだと思ってもらえれば。

福田:もともと「灰になろう」の自主盤は大学のスタジオに機材を持ち込んで録音して、自分でミックスしたんですよ。あれはそこから派生しての発言でもあるよね。自分も録音には慣れてなかったから、いわゆる良い音で録れているわけではなくて。

加藤:でも全員が納得する出来になったと思います。Tumblrにも書いてますけど、綺麗な音だけが良い音じゃないんで。

録音のローファイな質感は、バンドの方向性を補強する良い結果になったと思います。でも、加藤さんの文章からは音質の話以上に今の音楽に対する批評性というか、反骨心が宿ってると感じましたが。

加藤:うーん、僕は自分たちの音楽にはオリジナリティがあると思っているし、やるからにはオリジナリティがないと意味がないと思うんですよね。でも、今のバンドって誰かがやったことの模倣やいいとこ取りばっかりで、それが感じられないものも多い。そういうの、めっちゃつまんないなって思うんですよ。反骨心っていうか、僕はただ自分の音楽がそうならなくて良かったなって思ってます。価値観はなかなか変わらないから、一度ダサい感じで音楽をやっちゃうと、一生ダサいまま生きていかないといけない。僕はそうならなくてラッキーだなと思います。

福田:加藤がいちばん今の音楽シーンに対してもいろんなことを思ってると思います。俺はそこまで思ってないですよ。

加藤:(笑)。喜充は優しいんだよね。

じゃあ、自分たちのオリジナリティってなんだと思いますか?

加藤:本当の意味で、日本語でロックができてることですかね。オリジナリティって言葉にできないものだと思うけど、客観的に見たらこういうバンドっていないと思いますよ。

福田:なるべくいろんなタイプの曲をやりたいとは思ってます。僕が好きなタイプの曲は全部やりたい。それを自分たちの日本語で、オリジナルとして出すことが個性なのかなと思います。日本語で歌うことには林も相当こだわって、オリジナリティを重視してるよね。

林:そうだね。こだわってるというか、英語でやる意味がよくわからない。母国語でやるほうがしっかり表現ができると思うから。

加藤:いわゆるザ・日本語ロックンロール・バンドみたいな人たちいるじゃないですか。個人的にはチバユウスケと浅井健一が生み出してしまった功罪だと思ってるんですけど(笑)。そういう人ってロックであろうとするんですよね。ファンク・バンドの人たちもアティテュードからファンク・バンドをやろうとする。そういうのって真面目だなっていうか、誰かにやれって言われてるみたいだなと思う。

福田:「わざわざこいつら聴く?」みたいなバンドがすごく多いと思うんですよ。完全に同じことやってるだけで、それやってて面白いのかなって。でも、自分はどうしてもどこかふざけたい、スパイスを加えたいと思うところがあるから、それが個性に繋がってるんじゃないかとは思いますね。

バンドっていうスタイル自体がなかなか新しいものを生み出しにくい段階に来ているんじゃないかと思うこともあるんですが、すばらしかはそうは思わない?

福田:バンドに限らず音楽自体ネタは尽きてるんじゃないですかね。今から完全に新しいことができるとは思わないけど、才能次第でブレンドすることはできる。それで面白い音楽がやれたらいいなと思います。

今の自分たちにはその音楽ができていると思う?

福田:思います。これからも、そういう風に自分のやりたい音楽ができていればなんでもいいです。

CDがリリースされて、これからどうしたいという展望はありますか?

加藤:まず、素直に大勢の人に聴いてほしいですね。

中嶋:俺は今後については何も考えてない。やりたいことがなくなったらやめるだろうし。

福田:このバンドがいつまであるかも全然わからないです。だからやりたいことができるようにこれからも頑張って続けていきたいですね。今、音楽以外でやりたいこともないんで。

行松陽介 - ele-king

ZONE UNKNOWN List

interview with !!! (Nic Offer) - ele-king

もし世界中の人が己の恐怖にチャレンジして、立ち向かっていたら、この世界はより良い世界になる。


!!! (Chk Chk Chk)
Shake The Shudder

Warp / ビート

Indie RockFunkDisco

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 なぜいまディスコなのか。
 いやもちろん、!!!(チック・チック・チック)はその活動の初期からディスコやハウスに触発されてきたし、というか、それらアンダーグラウンドなダンス・ミュージックとパンクとの結合こそがかれらの音楽のシンギュラリティだったわけだけれど、7枚目のアルバムとなる新作『Shake The Shudder』は、チック史上かつてないほどにディスコ色が強まっている。ディスコ、と言ってもかれらが取り入れているのは快楽至上主義の薄っぺらいそれではない。本作にはムーディマンからインスパイアされたトラックが収録されているが、チックが参照しているのは、そういう黒いグルーヴに支えられたディスコやハウスである。かつて『リミックス』誌で、チックのようなサウンドを鳴らすアーティストは一見ほかにもたくさんいるように見えるが、いざ探してみるとぜんぜん見当たらない、強いて近いものを挙げるなら、スコット・グルーヴスがジョージ・クリントンほかPファンクの面々をフィーチャーしてリメイクした“Mothership Connection”の、さらにそのダフト・パンクによるリミックスだろうか、というようなことを三田さんが書いていて、言い得て妙だと思った覚えがあるけれど、そういうデトロイトなどのファンク~ハウスとパンクとの特異な合成こそがチックの音楽のエスプリなのである。
 でも、じゃあなぜ「いま」かれらはこれほどディスコに接近しているのか。あれこれその理由を考えてはみたけれど、やっぱり昨年の政治的・社会的な出来事がきっかけになっているとしか思えない。アルバム・タイトルに込められた「恐れを振り払え」というメッセージもそうだ。チックはもともとポリティカルな事柄に意識的なバンドだったから(そもそもかれらが大きな注目を集めるきっかけとなったのは、ジュリアーニを批判する“Me And Giuliani Down By The School Yard (A True Story)”だった)、そういう捉え方をしてもまったく不適切ではないし、じっさい本作には“Five Companies”や“Things Get Hard”といった曲も収められている。けれどもチックは、けっしてシュプレヒコールをあげたりはしない。かれらは音楽が政治の道具なんかじゃないことをよくわかっている。だからチックはスローガンを叫ぶかわりに、最高にホットなグルーヴを編み出して僕たちを踊らせる。ダンスこそがこの暗澹たる時代に対する最高のリヴェンジなんだぜ、とでも言わんばかりに。
 そしてそのグルーヴの上を駈け抜けるのは、これまた最高にロマンティックなリリシズムだ。「空の上には成層圏がある/そこに君を連れて行きたいんだ」(“Throw Yourself In The River”)。この小っ恥ずかしいまでに素直な願望こそがこのアルバムの動機であり、チック・チック・チックというバンドの本懐でもある。

そしていつか全ては過去になる
だから忘れずに彼らを笑わせておこう
(“Dancing Is The Best Revenge”)

 最高のグルーヴは、そして、最高の感傷を引き連れる。いつかすべては過去になる。だからこそ僕たちは「いま」踊ることをやめられないのだ。

俺が「ファックだ!」と言ってもそれは答えにはならない。解決策ではない。まだ議論は続いていて、戦いは続いている。本当は、俺はそんなことはしたくない。人に反論したり反対したりするようなことはしたくない。だからこそ、やはり答えはエンターテインメントにあると思う。

アルバム・タイトル『Shake The Shudder』についてですが、資料によると「身震いを振り払え」ということで、ミュージシャンとしての経験を踏まえてのことのようですが、もっと広い意味でも捉えられるのではないかと思いました。昨年、アメリカでは大きな社会的出来事がありましたが、そんな時代だからこそ「恐れるな」、というニュアンスも含められているのでしょうか?

ニック・オファー(Nic Offer、以下NC):アーティストは、課題に立ち向かわないといけないから、ある意味、恵まれていると思う。俺の友人(でアーティストでない人)たちは、50%くらいのチャレンジしかしていない。チャレンジする必要がないから無難なところに収まりやすい。でも、アーティストはチャレンジするのが仕事みたいなところがある。もし世界中の人が己の恐怖にチャレンジして、立ち向かっていたら、この世界はより良い世界になる。そういう意味では、このタイトルは、幅広い人たちへのメッセージとして捉えられると思う。

ツイッターで拝見したのですが、当初は『Save The Bongos For Later』というタイトルの予定だったのですよね? 変更した理由をお聞かせください。

NC:あれは、ただの冗談だよ(笑)。俺たちは、いつもアルバムの偽タイトルを考えついて、ツイートしたりして遊んでるんだ。

3曲目の“Dancing Is The Best Revenge”は、昨年ライヴで先行公開された曲ですね。このタイトルもとても興味深く、アルバム・タイトルと同じように、こんな時代だからこそあえて「踊ろうぜ」と言っているように感じられました。チック・チック・チックというバンドのアティテュードが示された曲だと考えて良いのでしょうか?

NC:そうだね。バンドと俺たちのアティテュードをまとめてくれる曲になったと思う。また、なぜ俺たちがバンド活動を長く続けられているかという理由もこの曲に表れていると思う。俺たちは、ずっと踊り続け、前進し続けてきたからこそ、まだいまでも存続している。ダンス・ミュージック、エレクトロニック・ミュージック全般は、つねに進化していると思う。つねに新しく、新鮮なものでなければいけない。だから進化を繰り返している。その反面、ロック・ミュージックはあまり変わらずにいる。だから俺たちも前進し続けないといけない。この曲は、そういうアティテュードの表れだと思う。

チック・チック・チックというバンドがこのタイミングでアルバムを出すのは非常に興味深いことだと思います。あなたたちが最初に注目を浴びたのは、2003年の「Me And Giuliani Down By The School Yard (A True Story)」というシングルでした。トランプを支持していたジュリアーニは最終的には政権入りを辞退しましたが、当初は閣僚に就任するのではないかと見られていました。昨年の大統領選挙では、いろいろなミュージシャンが反トランプを掲げていましたが、かれらが声を上げれば上げるほど、貧しい人たちは反感を増幅させて、トランプ支持にまわったという話を聞いたことがあります。それについてはどう思いますか?

NC:質問の最後の部分は本当じゃないと思う。どんなセレブレティの声がトランプ支持に影響したのか、教えてくれ。

僕も聞いた話なので、パッと名前が出てこないのですが、えーっと……

通訳:かなりの大御所が出ていましたよね。例えばビヨンセとかJ-Loとかも出ていましたし。

ああ、そうですね。インディ・ロック系の人たちも各地でやっていて、そういう全体的な風潮が、いわゆる「優等生」的というか、そういうふうに捉えられて、本当に貧しい人たちは、「そんなこと言っても彼らはアーティストたちじゃないか」と。そういう話を聞いたことがあります。

NC:なるほど。だが、ドナルド・トランプだって貧しい人たちのことなんか何もわかっていないぜ。彼は黄金の便器でクソをするやつだ。ヴァンパイア・ウィークエンドの言うことには反論するが、黄金の便器でクソをするやつに投票する人なんて馬鹿げている。ヴァンパイア・ウィークエンドを聴くレッドネック(田舎者)なんていない。ヴァンパイア・ウィークエンドはバーニー・サンダースの支持を主張したバンドだ。つまり、ヴァンパイア・ウィークエンドを聴く人たちとレッドネックたちとの間には何の関連性も最初からなかった。ヴァンパイア・ウィークエンドが、あのような活動をしたのは重要だったと思う。ヒラリーとバーニーの間では、支持者が分かれていたから。似たような論議がハリウッドについてもあって興味深い。ハリウッドはリベラルとして有名だが、実際に映画というものはレッドネックに消費されている。ハリウッド・エリートたちがレッドネックたちを排除している、という意見もあるが、俺から言わせれば、ハリウッドがリベラルで偉大という意見は短絡的に考え過ぎている。俺が飛行機で、最新のハリウッド映画を見ると、いつもくだらないアクション映画ばかりやっている。銃でぶっぱなせ!みたいな感じ。それって、アメリカのカウボーイ的美意識が進歩しただけのことじゃないか。主人公は無茶なやつで、ルールを守らない、暴れん坊。これは、まさにドナルド・トランプだ。彼がハリウッド映画の主人公の典型的なステレオタイプだ。だから、ハリウッドは、保守派や共和党と戦えるような、素晴らしい映画をじゅうぶんに作っていないと思う。ハリウッドはもっと頑張らないといけないと思う。それから、「エンターテインメントに関わる人は政治に口を出すべきじゃない」と言っているやつらがいるが、リアリティ番組の司会を大統領に選んだのはどこのどいつだ? トランプだってエンターテイナーだ。そんなこと言うやつは、大バカの能無しだ。そんなやつらはファックだ!
 だが、俺が「ファックだ!」と言ってもそれは答えにはならない。解決策ではない。まだ議論は続いていて、戦いは続いている。本当は、俺はそんなことはしたくない。人に反論したり反対したりするようなことはしたくない。だからこそ、やはり答えはエンターテインメントにあると思う。良いエンターテインメントに接すると、人は自分の考えとは違ったものに触れ、驚きがある。そして考え方が変わったりする。自由で創造的な場所で、そういう方法で、 政治的概念を変えていくことができると思う。また、共通した感情が基盤となって、人が団結したりする。プリンスやデヴィッド・ボウイが死んだとき、人びとは一体となり、彼らの死を悲しんだ。プリンスやボウイは比較的リベラルなアーティストかもしれないけれど、たとえば、ポール・マッカートニーが死んだら、すべての人が悲しみ、みんなで悲しみという感情を共有することになる。そういう形でエンターテインメントが政治への手助けになるという可能性はあると思う。だが、エンターテイナーが感情を露わにしたことについて怒る人はどうかしている。それこそがエンターテイナーの仕事であり、エンターテイナーはそれをやって金をもらっているのだから。政治的なことや、そうでなくてもエンターテイナーには考えがあり、その考えを持つのは彼らの自由だ。そして、彼らの考えに耳を貸さないのも自由だ。

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エンターテイナーが感情を露わにしたことについて怒る人はどうかしている。それこそがエンターテイナーの仕事であり、エンターテイナーはそれをやって金をもらっているのだから。


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アルバムの話に入ります。これまでのチック・チック・チックにももちろんその要素はありましたが、今作はとりわけディスコ色が濃く出ていると思います。そのような雰囲気は意図的に作られたものなのでしょうか? それともジャムをしている間に自然とそうなっていったのでしょうか?

NC:自然にこうなっていった。俺たちがつねにアルバムを通して達成したいことというのがある。ディスコは俺たちが大好きなサウンドだから、そこにいろいろな方法を通して回帰することも多いし、そういうサウンドがバンドのベースとなっている。俺たちのアルバムは毎回違った作品で、毎回成長や学びがあり、新しいサウンドを発見している過程を表現するものであってほしい。だが、過去にタイムスリップして、昔の俺に、今回のアルバムを聴かせたら、「すげー! これ俺たちが作ったの?」と思ってもらえるような作品でもあってほしい。それが俺の願いだ。

7曲目の“Five Companies”は、「緊張した状況から生まれた政治的作品」とのことですが、「5社」というのは何を指しているのでしょうか?

NC:よく言われる「1%の~(上位1%の富裕層が世界の富の半分を握っている)」という話で、「この会社の親会社がこの会社で、その会社の親会社が……」というふうに、結局すべてはワーナー・ブラザーズが所有している、というような話。すべては5つの大企業が実権を握っているという意味。自分は自由を与えられていると思っていても、実際のところは、この金儲けをしている5社の傘下にいるということ。アメリカの政治的状況だってそうだ。ヒラリーも、結局のところワシントンの資産家たちから支持を得ていて、同じ大企業に操られていると非難されていた。下層階級の人びとはそういう文句を言っていた。そこには反論できない。でも、ドナルド・トランプが、大企業とは真逆の立場にいるという主張は、トランプ側のマーケティング作戦がうまかったとしか言いようがない。

9曲目の“Imaginary Interviews”や10曲目の“Our Love (Give It To Me)”はムーディマンを参考にされたそうで、たしかにその影響は感じられました。とはいえ、全体としてはしっかりチック・チック・チックの音楽になっていて、咀嚼のしかたが巧みだなと思いました。2013年のリミックス・アルバム『R!M!X!S』では、ロメアーが1曲リミックスを手がけていましたが、その彼もムーディマンが好きで、そういうアルバムを出しています。ムーディマンのすごいところはどこだと思いますか?

NC:チック・チック・チックが最初に出てきたとき、俺たちはパンクだったからエレクトロニック・ミュージックやドラムマシーンを使った音楽はあんまり聴いていなかった。ハウス・ミュージックを俺たちが知ったのは、ファンクとディスコの後だった。俺たちはずっとバンド活動をしていて、いまではけっこう上手なディスコ・バンドになったと思う。ムーディマンが作り出すハウスは俺たちが共感できるものだった。彼のハウスは、ファンクとディスコがベースになっていて、その時代のロマンスやグルーヴが感じられる。そこにハウス特有の恍惚感が加わっている。そういう点が俺たちにしっくりときて、特に彼の最新アルバムを聴いたときは「これだよ。俺たちがずっと出したいと思ってきたサウンドはこれなんだよ!」と思った。自分が音楽をやっていて、自分がやろうとしていたことを、他の誰かが達成したというのは、とてもエキサイティングだ。自分が音楽を作っているときは、世界でいちばん最高な音楽を作ろうとしている。そこに、他の人が同じ解釈で、自分がやろうとしているのと同じことをやってのけたときは「このアルバムだよ! こういうのが作りたかったんだよ!」って思うんだ。

彼(=ムーディマン)の最新アルバムを聴いたときは「これだよ。俺たちがずっと出したいと思ってきたサウンドはこれなんだよ!」と思った。自分が音楽をやっていて、自分がやろうとしていたことを、他の誰かが達成したというのは、とてもエキサイティングだ。

昨年はフランク・オーシャンやソランジュのアルバムがすごく話題になりました。Pファンク好きのニックさんとしては、最近のR&Bやソウル・ミュージックをどのように捉えていますか?

NC:ファンク音楽の要素などが最近の音楽に取り入れられているのはおもしろいと思う。俺たちが最初チックを始めたとき、ロック音楽の基盤が、まだブルーズ音楽で、それは興味深く感じられた。ブルーズ音楽ってすごく古くさい感じがしたから。「なぜ新しいロック音楽の基盤は、ファンクやディスコではないんだろう?」と思った。最近はその考えが普及してきたみたいで、インディ・ロックのベースとなっているのはフランク・オーシャンやソランジュのようなアーティストだ。それはエキサイティングな変化だと思うし、インディ・ロックの新章となると思う。

チック・チック・チック以外で、いまもっともファンキーな気持ちにさせてくれる音楽は何でしょう?

NC:アンダーソン・パークの新しいアルバムは良かった。ダーティ・プロジェクターズの新しいアルバムも良かった。彼はR&Bとヒップホップをインディ・ロック的にうまく融合させたと思う。(携帯に入っている、2016年ベストのプレイリストを確認中)バンドだけじゃなかったら、たくさんいるよ。フューチャー(Future)、ミゴス(Migos)、DVSN。

通訳:それらはダンス・ミュージックのアーティストですか?

NC:DVSNは90年代っぽいR&Bを作るアーティストで、ドレイクのプロデューサーをやったこともある。彼らが作る音楽は90年代のスロウジャムのようで、彼らのアルバムは良かった。マックスウェルの最近のアルバムも素晴らしいR&Bのアルバムで、最高な曲がいくつもあった。たくさんあるよ。携帯のプレイリストを見てくれよ。本当にたくさんある。良い音楽はたくさんあるよ!

(スマホを渡され、リストを確認中)すごい、いっぱい入ってる……

NC:俺は、年末にいろいろなメディアが出す音楽チャートをすべてチェックするんだ。その中から、俺が好きだったものを、このプレイリストに加えていく。すべて去年のリリースで、その中でも俺が知らなかった音楽。だからメジャーなやつは入っていないよ。

(リストを確認中)

NC:Spotifyがあるなら、リストを送れるけど?

Spotifyは無料のやつしか使ってないんですよ。

NC:まじかよ!? 1ヶ月10ドルだぜ?

最近、入ろうと思っています(笑)。

NC:一度入会したら、絶対手放せなくなるよ!

アーティストの政治的主張が何であれ、俺はそのアーティストが好きだったらその人の音楽を聴き続ける。それができないやつは、そいつの問題だ。そいつはかわいそうなやつだ。自分が好きな音楽を聴くことができないのだから。

今年1月にヤキ・リーベツァイトが亡くなりましたが、チック・チック・チックは2004年に“Dear Can”という曲を出しています。彼の功績や、彼に対してどのような考えをお持ちですか?

NC:ヤキ・リーベツァイトは、彼の音楽を聴くよりも先に、彼の存在について知る、というような人物だった。非常に伝説的なドラマーで、当時のロック・ドラマーよりも、ずっとファンキーなドラマーだったと思う。カンというバンドに非常にユニークなサウンドをもたらしてくれた。カンはドラマーに引率されたバンドだったということがわかる。ドラマーというのは多くの場合、バンドというマシーンを運転する役で、創造的力というリムジンの運転手的な存在だ。だが、ヤキ・リーベツァイトは絵描きのような存在だった。バンドは彼を中心として成り立っていた。ダンス・ミュージックはリズムが基盤となっている。彼は、他のロック・ミュージシャンよりも先にそのことを理解していたのだと思う。本当に偉大な力を持つ人だった。

以上です。

NC:もう一点、政治の話で、ヴァンパイア・ウェークエンドについて言及したい。ヴァンパイア・ウェークエンドが政治的な主張をしたのはすごく良いことだったと思う。当時、バーニーの考えは過激的で途方もないと考えられていた。民主党支持者たちは、ヒラリーとバーニーとの間で選択を迫られていた。だが、ヴァンパイア・ウェークエンドがバーニー支持を表明したことによって、バーニーの考えはクレイジーでもなく、普通だと気付いた人がたくさんいた。バーニーが求めているものは、過激でもなんでもなく、正当なことであり、自分たちはそういうことを求めるべきなんだ、と気付いた人がたくさんいたんだ。だから、あれはとてもパワフルな瞬間だったと思う。彼らがそういう主張をしてくれて俺は嬉しい。俺はずっとヒラリー支持者だったけれど、ヒラリーがルール内でしか動けなかったり、ワシントンの資本家としてしか活動できなかったことが、ヒラリーの敗因となってしまった。だからヴァンパイア・ウェークエンドがそういう活動をしたのはすごく良かったと思う。もし、そういう活動が、誰かの反感を買ったとしても、それがまた別の人のインスピレイションにつながるから良いと思う。いつだって、文句を言いたがるやつはいる。それはしかたがないことだ。でも、もともとヴァンパイア・ウェークエンドのファンだった人が、ヴァンパイア・ウェークエンドの活動を見て、がっかりしてしまったというのは信じがたい。でもそんな人たちは放っておけばいい。俺も、こないだガールフレンドと派手に喧嘩したことがあって、カニエ・ウェストがドナルド・トランプのもとを訪れたとき、彼女は俺にこう訊いた。「あなた、カニエの音楽を聴くのやめるの?」俺は「FUCK NO! (やめるわけねーだろ)」と答えたよ。俺はカニエのファンだし、彼の音楽が大好きだ。トランプに会いに行ったのは得策とは思えないし、後でカニエも後悔すると思う。けど、俺はカニエを聴き続けるぜ。彼が良い曲を作り続ける限り。そんなの関係ない! 逆に、ヴァンパイア・ウェークエンドが過激だと思われていた派を支持して、バーニーを正常化してくれたときは、俺でさえ「そうだ、バーニーの考えは実行可能だし、おかしくもなんともない」と思った。だから、俺は両方の観点から答えられる。アーティストの政治的主張が何であれ、俺はそのアーティストが好きだったらその人の音楽を聴き続ける。それができないやつは、そいつの問題だ。そいつはかわいそうなやつだ。自分が好きな音楽を聴くことができないのだから。それはやつの問題で俺の問題じゃない。俺はとにかくジャムをかけ続けるぜ(笑)!

SONIC MANIA 2017 出演決定!
2017.8.18(金)
OPEN 8:00PM / START 10:00PM
チケット情報
前売り¥11,500(税込)別途1ドリンク代¥500
https://www.sonicmania.jp/2017/

Juana Molina - ele-king

 先週、3年半ぶりとなる最新アルバム『ヘイロー』を日本先行でリリースしたばかりのフアナ・モリーナですが、このたび彼女の来日公演が発表されました。フアナは先日のインタヴューで「東京と京都に行きたい」と語っていましたが、見事にその夢が叶いましたね。8月19日にサマーソニックの東京会場に出演、翌8月20日には京都METROにて単独公演をおこないます。いったいどんなステージになるのでしょう。すでにチケットの受付が始まっていますので、早めにチェックしておきましょう。

フアナ・モリーナ、3年半振りのニュー・アルバムが日本先行発売!
サマーソニック出演&京都公演も決定!
“Lentísimo halo”のミュージック・ビデオが公開に!

先週金曜日に、約3年半ぶりとなるニュー・アルバム『ヘイロー』を海外に先駆け日本で発売したフアナ・モリーナが、この夏サマーソニックに出演することが決定した! 当日はEGO-WRAPPIN’の中納良恵を迎えたスペシャル・セットとなっており、8月19日(土)に東京GARDEN STAGEに出演する。また翌日には、京都METROにて単独公演をおこなうこともあわせて決定!! こちらの公演は5月2日(火)より早割チケット(¥3,500)の受付スタートとなっている。

好評発売中のニュー・アルバム『ヘイロー』は、フアナらしいエクスペリメンタルな方向性と独特の歌声は健在ながらも、さらなる高みを目指した12曲を収録。催眠作用のあるリズム、魔術、虫の知らせや夢といった隠喩を用いたミステリアスなリリック、感情やムードを体全体を使って表す様は、これまでに増してマジカルである。
そんななか、先日収録曲より“Lentísimo halo”のミュージック・ビデオが公開となった。

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“Lentísimo halo”のミュージック・ビデオはこちら:
https://youtu.be/--pC7g_eGgo
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これはけっして新たに発見されたマン・レイやハンス・リヒターが作る、1920年代のモノクロのエクスペリメンタルな超現実主義的映画ではない。アルゼンチン人映画監督マリアーノ・ラミスが制作した、フアナ・モリーナの新曲のミュージック・ビデオなのだ。
フアナとふたりでアイデアを出し合って完成したこのビデオは、同楽曲を書く際にフアナの脳裏に浮かんできたという“ひし形をしたヘイロー”に関する伝説がインスピレーションの元となっている。
「ヘイローっていうのは、灯りから発されるぼんやりした光や、聖人の頭の後ろに浮かんでいる後光のこと。それは聖なる光ではなくて、夜に野原を漂う緑色の邪悪な光なの。人を追いかけてくることもあって、200年ぐらい前の田舎に住む人びとは恐れていたらしい。現代になって、それは腐った骨から発せられる蛍光性の光だと判ったそうなの」とフアナは話す。

他にも、収録曲“Cosoco”やアルバムのティーザー音源も公開となっているので、あわせてチェックしよう!

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アルバムのティーザー音源試聴はこちら:
https://youtu.be/W6_Dzl712i8
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「Cosoco」の試聴はこちら:
https://soundcloud.com/crammed-discs/juana-molina-cosoco-1
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■来日公演情報

●サマーソニック2017
2017年8月19日(土)、20日(日)
※フアナ・モリーナは8月19日(土)に東京GARDEN STAGEに出演します。
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪会場:舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
サマーソニック公式サイト:https://www.summersonic.com/2017/

●晴れ豆インターナショナル presents JUANA MOLINA Japan Tour 2017 京都公演
@京都METRO
Open 19:00 / Start 19:30
チケット:5/13より一般発売開始
早割¥3,500 ドリンク代別途 [受付期間:5/2~5/12]
前売¥4,000 ドリンク代別途
当日¥4,500 ドリンク代別途

【限定早割】
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★期間限定:早割¥3,500 ドリンク代別途 [受付期間:5/2~5/12]
※『特別先行早割お申し込み方法』
→ タイトルを「8/20 フアナ・モリーナ 早割希望」として頂いて、
お名前と枚数を明記して 宛てでメールして下さい。
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【一般PG前売り】
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チケットぴあ (0570-02-9999、Pコード:332-717)
ローソンチケット (ローソンLoppi、Lコード:53857)
e+ (https://ur0.work/DfpZ)
にて5/13より発売開始
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詳細: https://www.metro.ne.jp/single-post/170820
お問い合わせ: 075-752-4765


■リリース情報
アーティスト:Juana Molina(フアナ・モリーナ)
タイトル:Halo(ヘイロー)
品番:HSE-6388
レーベル:Hostess Entertainment
定価:2,490円+税
発売日:発売中!(海外発売:5/5)
※日本盤は先行発売、ボーナス・トラック1曲、歌詞対訳、ライナーノーツ(石田昌隆) 付

【トラックリスト】
1.Paraguaya
2.Sin dones
3.Lentísimo halo
4.In the lassa
5.Cosoco
6.Cálculos y oráculos
7.Los pies helados
8.A00 B01
9.Cara de espejo
10.Andó
11.Estalacticas
12.Al oeste
13.Vagos lagos *
* 日本盤ボーナス・トラック

※新曲“Cosoco”iTunes配信スタート&アルバム予約受付中!
リンク:https://itunes.apple.com/jp/album/halo/id1205397001?app=itunes&ls=1&at=11lwRX


■ショート・バイオ
音楽ジャンルの壁を凌駕する唯一無二の独創的才能を持つアルゼンチンのアーティスト。1996年デビュー。'00年に発表した2ndアルバム『セグンド』によって人気に火がつき、徐々に世界にその名が知られ始める。3rdアルバム『トレス・コーサス』は、U2、ビョーク、カニエ・ウエスト、アニマル・コレクティヴなどのアルバムと並んで、『New York Times』の "The Best Pop Album of 2004" に選出される。'04年には元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンと全米をツアー。来日も多く、レイ・ハラカミ、勝井佑二(ROVO)、高橋幸宏、原田郁子(クラムボン)、相対性理論など日本のアーティストとの共演多数。中納良恵(EGO-WRAPPIN')からフィリップ・セルウェイ(ds. レディオヘッド)まで、様々なアーティストからフェイヴァリットに挙げられている。2013年11月、約5年ぶりとなる最新作『ウェッド21』をリリース。その後もほぼ毎年来日し公演をおこなっている。2017年4月、約3年半ぶりとなるニュー・アルバム『ヘイロー』を発売。8月にはサマーソニックへの出演が決定。

Eccy - ele-king

 Eccy復活のニュースが意外なところからやって来ました。2ndアルバム『Blood The Wave』以来7年ぶりのフルアルバム『NARRATIVE SOUND APPROACH』をリリースするようです。しかも元銀杏BOYZの安孫子真哉が主宰する〈KiliKiliVilla〉から。Eccyは以前から銀杏BOYZのリミックスやプロデュースをしていたから違和感こそないものの、このニュースには驚きましたね。〈KiliKiliVilla〉やるなあ。確実にこの2017年、目が離せないレーベルの一つです。
 今回のニューアルバムにはShing02、そして超久しぶりのあるぱちかぶといったメンツから、泉まくらやどついたるねんといった少し変化球な人たちも参加していて、特にどついたるねんが参加している「Sickness Unto Death」は、いい意味で「今これをやるか!」といったオールド・スクール・チューンで思わずニヤリとしてしまいますよ。
 アルバムのリリースに先駆けて、「Lonely Planet feat. あるぱちかぶと」の7インチもリリースされているようです。アルバム収録曲のMVが数曲公開されているので、お見逃しなく。


Eccy - Lonely Planet feat.あるぱちかぶと

アーティスト:Eccy
タイトル:『Narrative Sound Approach』
レーベル:KiliKiliVilla
発売日:2月22日
品番:KKV-039
価格:2,160円(税込)

TRACK LIST :
01. Splendor Solis
02. 天蓋のオリフィス feat. Shing02
03. After Midnight
04. Sickness Unto Death feat. どついたるねん
05. Modular Arithmetic
06. The Fool (Upright) feat. Candle,Meiso
07. Odd Eye
08. Blood feat. 泉まくら
09. Open Face Spread
10. Lonely Planet feat. あるぱちかぶと
11. あのころ僕らは

[ご予約はこちら]
AMAZON:https://www.amazon.co.jp/NARRATIVE-SOUND-APPROACH-ECCY/dp/B01MSYB1HF


Eccy/エクシー
1985年生まれ、東京育ち。2007年10月、Shing02をフィーチャーしたデビューシングル『Ultimate High』でHip Hopシーンに新しい感性で切り込み、デビューアルバム『Floating Like Incense』が新人としては異例のセールスをあげシーンにその地位を確立。その後、環ROYとのコラボレーションアルバム『more?』、toe柏倉やACOなどをフィーチャーした実験作『Narcotic Perfumer』、2ndアルバム『Blood The Wave』などをリリース。P-Vineから発売された『Loovia Mythos』収録曲はRas GのBTS radio mixでも使用された。Low End Theory Podcastでも曲が取り上げられるなど、活躍の場を世界に広げている。2011年にはSam Tiba & Myd(Club Cheval),Subeena(Planet Mu)をリミキサーに迎えた『Flavor Of Vice EP』を発売。Produceワーク多数。RemixワークもShing02から銀杏BOYZまで多岐に及ぶ。Fuji Rock Fes ’07,’08,’09,’12、Sonar Sound Tokyo’12、Outlook Fes Japan Launch Partyなどに出演。2014年にIRMA Recordsよりリリースされた「Into The Light / Dark Fruits Cake」はZomby(XL Recordings)などのアーティストから幅広い支持を得る。NIKEのランニング用アプリ「NIKE RUN TRACK」、Panasonic「Neymar Jr. Chant」に楽曲提供。米COMPLEX MAGによるThe Best Of Japanese Hip-Hop 25 Artistsに選出。2015年、銀杏BOYZ「Too Much Pain(The Blue Heartsカバー)」トラックプロデュース。2016年、銀杏BOYZ公式ライブ映像作品「愛地獄」OP、ED曲を楽曲提供。

AHAU - ele-king

作業中に聴いている音楽の中から

皆様こんにちは
1976年、神奈川生まれ東京在住。アーティスト活動をさせて頂いているAHAU(アハウ)といいます。
1996年から都内を始め関東周辺、最近では神戸や京都などで行われている音楽のチラシやフライヤー、グッズなどで関わらさせて頂いています。

現在、2月10日(金)から19日(日)まで神奈川県二宮町で行われている「第一回 湘南二宮 菜の花アートフェスティバル」に参加しています。
二宮駅北口徒歩1分にあるVRGI CAFEというカフェと保育室が一つになった素晴らしいお店でAHAU EXHIBITION「AHAU’S HEART」と題し作品展示を行っています。
額装作品、作品集、Tシャツ、マグカップ、ポストカードの販売も行っています。
お食事やコーヒー、お酒もありますので、ご休憩などに利用して頂けたら幸いです。
土日は11:00から17:00まで、平日は11:00からランチ終了まで営業しています。
最終日は1日在廊しています。参加を記念してイベントも用意させて頂きました。

入店された方全員もれなくオリジナルポストカードプレゼントいたします。
オーダー先着5名様に、オリジナルTシャツ、オリジナルマグカップ、作品集のどれでも一つプレゼントいたします。
オーダー100人目の方に、店内にある額装作品どれでも一つプレゼントいたします。
そのほか駅周辺の17カ所の会場では36組のアーティストの方々も趣向を凝らした様々な催し物を行っています。

ご来場の皆様に楽しんで頂けるようアーティストと地元商店街が一つになって盛り上げていきます。
二宮の美しい自然や風土、産物や歴史ある建造物も大変素晴らしいので、
東京駅から電車でも車でも1時間10分ほどなので、ぜひぜひ散歩やドライブに遊びに来てください。
よろしくお願いいたします。

AHAU

作品紹介:
https://www.instagram.com/explore/tags/ahaudesign/

展示:
2016.11「The Flyer 巡回展」BnA HOTEL Koenji(東京/高円寺)
2016.5「The Flyer」udo(東京/渋谷)
2015.9「ADVENTURE OF UNI」LIBRARY RECORDS(東京/東高円寺)
2015.3「ROOM」TERRAPIN STATION(東京/高円寺)
2012.11「ASSERTONESELF」THERME GALLERY(東京/都立大学)
2009.11「STROKE BOOK2」BE-WAVE(東京/新宿)
2008.2「STROKE BOOK」bonobo(東京/千駄ヶ谷)
2007.4「MUSIC VIEW」Cafe KING(現在Cafe FACTORY)(神奈川/鎌倉)

作品集:
2012.11「ASSERTONESELF」

湘南二宮町:
https://www.town.ninomiya.kanagawa.jp

場所:
VEGI CAFE & てんとう虫保育室
〒259-0123 神奈川県中郡二宮879-19
0463-68-0006

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