Home > News > Die Unbekannten, Shark Vegas - ——ポスト・パンク時代の、マンチェスターとベルリンを繋ぐ超貴重音源が再発

あとから考えてみると、あの時代、イギリス人がドイツに移住することは、政治的な意味でもかなりの冒険だった。戦後という時代のなかで、イギリスには強固な嫌日本、そして嫌ドイツの感情がくすぶっていたからだ。昨年、マーク・リーダーに話を訊いたとき、彼がいじめられっ子で、クラスメートからいじめられる際に「このドイツ人」と言われたことが、ドイツへの愛情が芽生えていったきっかけだったと彼は言った。この逸話は、パンクの逆張りがイギリスの嫌うモノを賞揚したしたことを思えば、なるほど興味深い。
リーダーがドイツのベルリンに移住したことで、〈ファクトリー〉はベルリンとの回路を作った。そして、UKポスト・パンクとベルリンの交流ははじまった。(リーダーが女性パンク・バンド〈マラリア!〉のマネジメントをしたことも重要である。バンドのリーダー、グドルン・グートはいまやフェミニスト・パンクの始祖のひとりとして、ルクレシア・ダルトのように恩人に思っている女性アーティストは少なくない。また、90年代には、リーダーのレーベル〈MFS〉から電気グルーヴのドイツ・デビュー盤「虹」がリリースされたことは、周知の通りである)
ディー・ウンベカンテン(Die Unbekannten)、そしてシャーク・ヴェガス(Shark Vegas)とは、リーダーが1980年代初頭の西ベルリンではじめた伝説的バンド。これらのバンドの作品は長いこと絶版で、いちぶのマニアのみが聴ける状況だった。今回、日本の〈Suezan〉レーベルがこれらのバンドの従来の作品に、貴重な未発表音源を追加した決定的なリイシュー盤をリリースする。ちなみにシャーク・ヴェガスはコニー・プランクのプロデュース作。またディー・ウンベカンテンのほうには、マーク・リーダーによる自叙伝が付いている。なんとも魅力的な当時の写真とともに、リーダーが見た1980年代初頭のベルリンのシーンや彼の半生が描かれている(日本語訳です)。このブックレットだけでもそうとうに価値があるでしょう。詳しくはレーベルのホームページをどうぞ。
ともに12月19日発売です。

Die Unbekannten (ディー・ウンベカンテン)
Don’t Tell Me Stories+書籍

Shark Vegas (シャーク・ヴェガス)
You Hurt Me