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interview with Blonde Redhead

interview with Blonde Redhead

記憶喪失みたいに新鮮

──ブロンド・レッドヘッド(カズ・マキノ)、インタヴュー

橋元優歩    Aug 27,2014 UP

あたしがもしいま音楽をはじめたばっかりだったとしても、おんなじことをやっていると思います。


Blonde Redhead
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マキノ:今回2年かかったんです。実際に残したものはいちばん最初のテイクだったりとかするんですけど、レコードについて考えた時間は2年間。曲を書いていながら、完成する前にやめてレコーディングに入ったりしたんですけど、それは時間がなくて終わらなかったからではなくて、終わらせないほうがいいって思ったからで──贅沢な話なんですけど、書きながら録音しようっていう意図とかはありました。そういうのは考え抜いて決めたことです。

ドリュー・ブラウンさんの起用はエレクトロニクスとバンド・サウンドをミックスするのに長けているから、というような理由ですか?

マキノ:いや、彼はとにかくものすごくセンスのいい人で、もちろんエレクトロニックへの理解もすごくあるんですけど、彼のいちばんの特徴はライヴ・レコーディングで──いまはもうないようなスタイルで、ライヴ録音できるっていうことなんです。

なるほど、同期じゃなくて、セッションを大事に考えていらっしゃるんですね。ブロンド・レッドヘッドは。

マキノ:そうですね。それに、80年代以降のシンセサイザーは使わないって。あっても80年代の初めくらいまでで、すべては70年代、60年代のものを使いました。ちょっと好きな新しいキーボードなんかがあっても、それは我慢して。あんまり誰にもわからないようなところなんですけど(笑)、そういうところに妙に気をつけて作ったものです。

なんというか、ニュアンスとしては「ヴィンテージ」というよりも、変わらないもの、古びないもの、というような感じですかね。

マキノ:そうですね。うん。

ブロンド・レッドヘッドのイメージに重なります。悪口じゃないんですけど、「吸血鬼か?」って感じに変わらないじゃないですか。老いないというか……

マキノ:あははは!

ははは! 年を重ねるということについてはどんなふうにお考えです?

マキノ:たしかにやっていることは昔から変わらないと思うんですけど、やっていることに対する重みみたいなものはあるんじゃないかと、ちょっとは感じてるんです。でも、あたしがもしいま音楽をはじめたばっかりだったとしても、おんなじことをやっていると思います。すごく難しいことをしているわけでもないと思いますし。
 まあ、いままでやりつづけてきた結果というのは、どうしても、もし欲しくなくても積もっていくものだから。

老いるのはいやですか?

マキノ:老いるのですか? いや、老いるのがいやというより、老いたということを自覚できないでいるのはいやだなって思います。いや、それもそれなりにすばらしいと思うんですけど、……そういう人ってたまにいるじゃないですか。

ははは! 老いた自覚のない人ですか。

マキノ:すごいアレなのに、まだ小学校に行くのと同じような恰好をしているっていうような。でも、自分もそのノリになっちゃったりするのかなって思うこともあるんですけどね……。といいつつ、老いるのが怖いわけではないです。

あと、海外の人からすれば、日本人の女の子ってふうに見られるわけじゃないですか──

マキノ:そうでもないよ。

あ、そうですか?

マキノ:うん、うん。

自分の言語(日本語)じゃない言語で表現するのって、すごく得っていうか、客観的に、自分のことじゃないみたいに自分のものを作れる。

なるほど、でも日本の人からすれば、マキノさんは日本でも海外でもない狭間に立つ人という感じがすると思うんですね。そういう狭間から見えるものがあるんじゃないかなって。

マキノ:自分の言語(日本語)じゃない言語で表現するのって、すごく得っていうか、客観的に、自分のことじゃないみたいに自分のものを作れる。日本語でやってたらここまでフランクに表現できないんじゃないかなあって。そこには妙な溝というかギャップがあって、それがあたしにとってはすごく便利っていうか、ちょうどいいっていうか。
 だからたまに「日本語で何かやらないの?」って訊かれるんですけど、ぜったいできない!

あ、やらないというよりできないという感じですか。

マキノ:急に恥ずかしくなって無理だと思います。それはある意味で得なことだと思います。

取材:橋元優歩(2014年8月27日)

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