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Charlemagne Palestine
Jan 19,2012 UP

Charlemagne Palestine

シャルルマーニュ・パレスタイン来日公演+α

Photo courtesy of Charlemagne Palestine

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Photo courtesy of Charlemagne Palestine

 よもやシャルルマーニュ・パレスタインのパフォーマンスを日本で体験できる日が来るとは、と考えられないわけではないが、あまり現実味のある話とも思えず、ほとんど考えたことはなかった。なぜならパレスタインは、ラ・モンテ、ライリー、ライヒ、グラスのミニマル四天王がそろって戦前(1930年代なかば)うまれなのに対して、戦後派(1945年うまれ)であり、問題意識をゆるやかに共有しながら作家性のベクトルをうまく差異化できたオリジナル・ミニマリストたちの影で仕方なく鬼才あつかいされてきた節がなくもないからだ。パレスタイン自身、70年代なかばから80年代にかけて、かねてから表現方法のいちぶであった動物の剥製やヌイグルミによるインスタレーション(彫刻)を使ったミクストメディア活動に軸足を移したことで、作品は音楽からサウンドアートへ、つまり複製メディア(レコード、CD)を媒介にした聴取から展示(大規模なものもふくむ)による体験型へスライドし、海のこちら側のファンはいよいよ全貌をとらえがたくなった。幼少期にユダヤ教会の聖歌隊員だったパレスタインの神秘主義的な傾向もそれに拍車をかけていたと、いまにして思うのだけれど、あらゆる音楽を再定義した90年代をある種の境に、エレクトロ・アコースティック~ミニマルにも再評価の波がおよんだのと同じく、パレスタインもまた、過去の作品がCD化され、現行のパフォーマンスが形になり、何世代も下のリスナーに「発見」されいった。最初はカルトなミニマリストとして。しだいにミニマルの枠を超えたサウンド・アーティストとして。
 パレスタインの曲の多くはたしかに長時間の反復を基調にしている。ところがそれは基本的にはパターンのくりかえしでも、音と音の間を極端にひきのばす時間操作でもない。たとえば、ピアノの両手によるトレモロ/トリルでわずかな音程差の音が微少なズレで間断なく重なることで、音の残像が倍音をうみだす代表作『Strumming Music』(74年)のタイトルにもなっている手法「ストラミング」は、私は彼なりのフェイズ、ドローン解釈とも思うのだが、延々とつづく音響の連続体をひと皮剥くとデュオニソス的な熱量――が宗教性のせいかどうか、即断はしかねるが――が張りつめていて、ミニマルという最小単位がゴシックに、つまり過剰に反転するチャンスをうかがっているようすがある。この両義性が本人いうところの「マキシマル」ミュージックなのか。ラ・モンテほどヒプノティックすぎず、ヘルマン・ニッチのように儀式偏重でもない、ブランカとも通底するメカニカルな倍音へのアプローチでありながら、舞台の上ではカジュアルなどこかひとを喰った雰囲気のシャルルマーニュ・パレスタインの音楽を理解するには、体験するがいちばんてっとりばやい。いずれの音楽でも、音楽でなくてもそれは何よりものをいうのだろうが、パレスタインの場合、私は強迫的にそう思うのである。(松村正人)

――という原稿を書きあげたのですが、渋谷WWWのライヴはすでに定員に達した模様で......。追加チケットが、もしかしたら出るかもしれないということなので、ひきつづき、下記サイトをチェックしてください。
 また、北九州でパレスタインと共演したジム・オルーク、オーレン・アンバーチ、灰野敬二のライヴも西麻布SuperDeluxで近日行われますので、こちらもぜひ!

1/19(木)北九州市・北九州芸術劇場 小劇場
シャルルマーニュ・パレスタイン(ピアノソロ)、オーレン・アンバーチ/灰野敬二/ジム・オルーク
http://cca-kitakyushu.org/jp/index.html

1/25(水)東京・渋谷 WWW
シャルルマーニュ・パレスタイン(ピアノソロ)
http://www-shibuya.jp/schedule/1201/001382.html

1/26(木)東京・西麻布 SuperDeluxe
オーレン・アンバーチ/ジム・オルーク DUO、クリス・コール/秋山徹次 DUO
https://www.super-deluxe.com/room/125/

1/30(月)東京・西麻布 SuperDeluxe
オーレン・アンバーチ/灰野敬二/ジム・オルーク
https://www.super-deluxe.com/room/126/