ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Moritz Von Oswald Trio - Dissent (review)
  2. Lucrecia Dalt & Aaron Dilloway - Lucy & Aaron (review)
  3. Autechre × Humanoid ──オウテカがヒューマノイドのレイヴ・アンセムをリミックス (news)
  4. interview with Lucy Railton 〈モダーン・ラヴ〉からデビューした革新的チェリストの現在 (interviews)
  5. Abstract Mindstate - Dreams Still Inspire (review)
  6. interview with Jeff Mills + Rafael Leafar 我らは駆け抜ける、ジャズとテクノの向こう側へ (interviews)
  7. Marisa Anderson / William Tyler - Lost Futures (review)
  8. There are many many alternatives. 道なら腐るほどある 第6回 笑う流浪者、あるいはルッキズムに抗うための破壊 (columns)
  9. Cleo Sol - Mother (review)
  10. 地点×空間現代 ——ゴーリキーやドストエフスキー、ブレヒトや太宰の作品を連続上映 (news)
  11. Tirzah - Colourgrade (review)
  12. Juan Atkins & Moritz von Oswald - Borderland / Moritz von Oswald Trio - Blue (review)
  13. interview with Joy Orbison ダンス・ミュージックは反エリート、万人のためにある (interviews)
  14. Lawrence English - Observation Of Breath (review)
  15. Moritz von Oswald & Ordo Sakhna - Moritz Von Oswald & Ordo Sakhna (review)
  16. House music - (review)
  17. P-VINE & PRKS9 Presents The Nexxxt ──ヒップホップの次世代を担う才能にフォーカスしたコンピがリリース (news)
  18. DJ TASAKA - KICK ON (review)
  19. Little Simz - Sometimes I Might Be Introvert (review)
  20. Nav Katze ──メジャー・デビュー30周年を迎えるナーヴ・カッツェ、全作品が配信開始 (news)

Home >  News >  RIP > R.I.P. Scott Asheton a.k.a. Rock Action - 追悼:スコット・アシュトン

RIP

R.I.P. Scott Asheton a.k.a. Rock Action

R.I.P. Scott Asheton a.k.a. Rock Action

追悼:スコット・アシュトン

大久保潤 Apr 01,2014 UP

 ストゥージズのドラマーとして知られるスコット・アシュトンが3月15日に亡くなった。

 結局、ストゥージズのオリジナル・メンバーで最後に生き残ったのがイギー・ポップだったことを驚いている人も多いだろう。とはいえスコットも、「PUNK」誌創設メンバーのひとりであるレッグス・マクニールをして「これまででもっとも偉大なサグ・ロッカー」と言わしめたくらいの人物ではある。

 そのレッグス・マクニールが中心となって膨大な関係者たちの発言を集めたUSパンク・オーラル・ヒストリーとも言うべき『プリーズ・キル・ミー』という本がある。あるも何もぼくが編集者として日本語版を出したのだが、手前味噌だけれどもはっきりいって名著である。残念ながら版権が切れてしまいましたけども。

 この本の中に出てくる“スコッティ”は登場して最初のページでハイスクールをドロップアウト、ウェイン・クレイマーから「あいつはとにかく喧嘩が強い」という称賛を受ける悪童ぶりだ。
 そもそもストゥージズはロンとスコットのアシュトン兄弟およびベースのデイヴ・アレキサンダーがイギーと出会う前に結成したザ・ダーティ・シェイムズがはじまりだ。そして、地元でナンバーワンドラマーとして活躍していたイギーがシカゴで本場のブルースを目の当たりにして挫折、ヴォーカルに転向して3人を誘ったことからザ・ストゥージズがはじまるのである。

 ストゥージズ解散後はMC5のフレッド・“ソニック”スミス率いるソニックス・ランデヴー・バンドやデストロイ・オール・モンスターズなどに参加しており、まぎれもなくデトロイト・ロックの中心的なドラマーだった。ロンがある時期からイギーに軽んじられていくのとは対照的にイギーとの関係も長く続き(『プリーズ・キル・ミー』にはイギーとスコットが一緒になってロンをコケにする場面が出てくる)、ストゥージズ解散後もたびたびイギーのソロにも参加している。

 2003年のストゥージズ再結成には兄弟揃って参加。フジロックでのカオスなステージが個人的には思い出深い。しかしロンが先に逝き、スコットも2011年に倒れたまま、ツアー生活への復帰はできなかった。

 彼が参加した最後の作品は昨年リリースされたイギー&ストゥージズのアルバムだと思うのだが、奇しくもそのタイトルは『レディ・トゥ・ダイ』だった。随所でロン・アシュトンの死が影を落としている作品だったのだが、この日が来ることもどこかで頭の中にあったのかもしれない。
 『プリーズ・キル・ミー』の終盤では次々に登場人物たちがこの世を去っていく。ジョニー・サンダースの死を嘆くジェリー・ノーランがやがて自分も寂しく死んでいく姿は何度読んでも涙を誘う。この本が出たときにはまだロンもスコットも健在だったのだが、この愛憎半ばする兄弟の最期はどのように描かれることになるのだろう。

大久保潤

RELATED

Iggy And The Stooges - Ready To Die Fat Possum Records/ホステス

Reviews Amazon iTunes

NEWS