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interview with Soggy Cheerios

interview with Soggy Cheerios

生まれ直すロック

――ソギー・チェリオス、インタヴュー

松村正人    Jul 19,2013 UP

バンドつくったつもりだったけど、途中でバンドになった、というかね。(鈴木)


ソギー・チェリオス
1959

Pヴァイン

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■おふたりにとってバンドというのはどういうものですか?

鈴木:それはすごくいい質問だ。いい質問すぎて答えようがないくらい(笑)。

直枝:バンドっていうのは運命的なことなんですよ。ひとが集まって音楽をやるってことは。だからそれは、やるとなった以上、ひととしてやらなきゃならないことなんです。適当なことはできない。捨て曲もあってはならないし、そんな気持ちではできない。

鈴木:僕よく思うんだけど、仕事をいっしょにしながら、これが友だちだったら最高だなと思うときがあるの。普通に学生のころの友だちでいっしょに音楽はつくっていないじゃないですか。友だちで仕事をいっしょにするなんて、最高なわけよ。ジョンとポールがやり合いながら最後まで信頼関係が壊れなかったのをみると、それが友だち、それがバンドなんだって思う。けれど、ザ・バンドでは、ロビー・ロバートソンとリヴォン・ヘルムはけっして仲良くはなかった。でもそれがよい緊張感を生んでいいアルバムにつながっていった。

直枝:バンドそれぞれに育ち方もあるんだけどね。たまたま俺は余計な、考えなくてもいいことを考えてきたタイプなのかもしれないですけど。

■直枝さんはバンドマンだという意識は強いですか?

直枝:その言葉は重くてイヤなこともあるんだけど、それが運命だと思えば、受け入れるという意味でバンドマンかもしれない。セッションに呼ばれて、このように弾いてくださいって、僕はあまり頼まれないということを考えると、もしかして僕はバンドのなかで成り立つ音楽をやっているのかもしれない。でも僕を必要としてくれるひとはどこかにいると思うから、一所懸命やるしかない。それしかないんだよね。

■ソギー・チェリオスはこれからどうしたいというのはあるんですか?

鈴木:まずはライヴやんなきゃいけない。インストア・イヴェントとか。先々のことを含めると、まだまだ続けたいですね。でもこのひと忙しいからね。

直枝:惣一朗くんだってそうじゃない。

鈴木:曲づくりはちょうど乗ってきたとこなんですよ。『1959』はフォーマットをつくった、最初の一枚だとも思っているので。あと僕にとっては別の命題として歌を歌うというのがあるからね。いままでやってこなかったことが直枝くんとならやっていけると思うんだよ。

■惣一朗さんのヴォーカルは味がありますよね。

鈴木:ありがとうございます(笑)。直枝くんは褒めてくれるんですよ。「名人芸だ」っていわれたことがあった。

■どこのパートですか?

直枝:(モノマネ入りで)「時間は薄切りの~」("きみがいない")ってとこですよ(笑)。

■たしかに印象に残りますね。惣一朗さんはヴォーカリストとして参照にしたひとはいましたか?

鈴木:70年代の拓郎さんとかをよく聴いていたんですよ。

直枝:好きだよね、俺ら。

鈴木:はっぴいえんどとかはちみつぱいはもちろん入っているけど、吉田拓郎さんのことをここ近年考えていたんですよ。大病されたりしたじゃないですか、そういうこともあって、直枝くんにも『つま恋』のCDが出たねって話をしていたんですよ。ようするに、これだけ洋楽を聴いてきた上でドメスティックなフォークをどういうふうに消化するというとなんだけどね。

直枝:その意味でも完全に中学生だったんだよ。だから俺はたまにいったの。それあまりにもドメスティックすぎるんじゃないかなあ......って(笑)。

鈴木:"曇天 夕闇 フェリー"とかね。

直枝:あれはコードを一回解体してつくり直したんですよ。

■もうちょっとフォーキーだったんですね。

鈴木:フォーキーだったらジェシー・ハリスみたいなもんだけど、フォークだったの(笑)。

直枝:ライ・クーダーがとりあげるトラディショナル・フォークだったらまだいいんだけど、「どフォーク」だったんだよ(笑)。どうしようと思ったんだけど、いいムードのメロディだから現場で解体して、シンプルに重くしたんですよね。でも彼に重くしたいっていうと、進んで弾いてくれるんだよ。「じゃあこうしたらいいのかな」って。「ああ、それいい」って、コードを弾いたら「それ繰り返せばいいじゃん」ってそういうこっち側のジャッジの仕方でやっていくと、惣一朗くんは無意識をいじられるからすごくイヤなんだろうね。

鈴木:分析されてるなあ(笑)。

直枝:でもバンド組むってことはそのイヤがる部分をなくすことなんだよ。それがイヤなのは、プロデューサーで俯瞰した視点で指示ばっかりしていたからだよ(笑)。

鈴木:すごいプロデュースされた気がするんだよね。

直枝:でもそこに乗ってくれたじゃない。乗ってくれて「いい」っていうんだけど、後で落ちこむんだよこの人(笑)。

■さっき惣一朗さんがはっぴいえんどとかはちみつぱいとおっしゃいましたが、最後の"とんかつの唄"に細野さんと鈴木慶一さんが参加しているのは、おふたりの来歴を考えてのことですか?

直枝:そうだし、半年前から俺らはミーティングを重ねてきたんだけど、惣一朗くんのなかには細野さんと慶一さんに歌ってもらうというアイデアは最初からあったんだよね。

鈴木:最初は僕らのオリジナルで歌ってもらって、僕らが後ろでニヤニヤしているっていうのを考えたんだけど、結局カヴァーになったね。

直枝:でも惣一朗くんはきっと曲はつくれなかったと思うよ、気を遣っちゃって。

鈴木:"夏なんです"みたいな曲書いたりしてね。

直枝:こういうひとだから。怒られるようなことしないから。それにじっさい怒られたらよくないわけで。

鈴木:その通り。

直枝:惣一朗くんは制作ノートをつけていて、そこにいつもメモしているんですよ。「お餅」「お麩」とか、54歳と54歳で足したら108歳とかね。そのころには彼はもう、このプロジェクトのことで、細野さんにお伺いを立てていたんですよ、個人的に。

■細野さんに、直枝さんとやると伝えたんですね。

鈴木:それで直枝くんには、細野さんを気にし過ぎても仕方ない、といわれて、ああこれは卒業式でもあり入学式でもあるんだな、と思った。細野さんと慶一さんにはオマージュとかリスペクトはいくらでもあるけど、そうしたアルバムをつくってもふたりとも満足しないのはわかりきっていますから。吹っ切っていこうと(笑)。そのくらいの勢いで行こうと直枝くんにいわれたとき、身震いするくらい「そうだな」って思ったんです。

取材:松村正人(2013年7月19日)

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