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Home >  Interviews > interview with Cosey Fanni Tutti - スロッビング・グリッスルを語る

interview with Cosey Fanni Tutti

interview with Cosey Fanni Tutti

スロッビング・グリッスルを語る

──コージー・ファニ・トゥッティ、2万5千字ロング・インタヴュー

質問:野田努+坂本麻里子    通訳:坂本麻里子   Nov 01,2017 UP

だから、わたしたちは何も、「ぞっとするような、残酷な人間になりましょう」と提唱していたわけではなかったしね。そうではなくて、「人間や日常にあるひどい現実にちゃんと目を向けて、それを良いものに変えていこう」と。


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■わかりました、質問を変えます。これまで長く活動してきていちばん辛かった時期はいつですか?

コージー:80年代半ばから後半にかけて、だったでしょうね。そう、あれはタフな時期だった。というのも、あの頃のわたしたちはものすごく貧乏だったし(苦笑)、わたしとクリスのふたりは一文無しで。その頃までにはわたしたちには子供も生まれていたし、その意味でもきつかった。

■なるほど。

コージー:そうは言っても、それは経済的に困難だったという意味であって、子供が生まれたことそのものがきつかったわけではないけどね。息子は素晴らしい子供だったし……だから、(辛い時期だったと同時に)あれはわたしの人生でもっとも幸せな時期でもあった。というのも、わたしたちはロンドンから田舎(※ノーフォーク)に移って、とにかく自分たちのやりたいことを思った通りにやり、そうやって色んなことに取り組んでいたわけで。だから、あの時期でもっとも苦しかったのは、経済的な面においてだった、ということ。クリエイティヴな面に関して言えば、それが問題になったという経験は、わたしには一切なかったわ。どういうわけか、自分はそれらのクリエーションを生み出すことができてきたんだし。

■はい。

コージー:それに、お金がないと、逆にクリエイティヴにもなる、何か自分でつくったりするでしょう? ありがたいことに、クリスは機材を自作できる人だし(笑)、だから彼は安物の機材を買ってきて彼なりに手を加えていったし、その結果として新しい響きのサウンドが出てきたり。だって、他に同じ機材を使っている人はいなかったわけだしね。だから、辛く貧乏な時期でも、そこにはまた良い面、ポジティヴな面も備わるものだ、と。

■お話を聞いていると、あなたはこう、ネガティヴな状況のなかにあっても、そこで文句を言ってダラダラしているよりも、物事のポジな面を常に探していく、そういう人のように感じますね。

コージー:っていうか、そうするしかないから。でしょう?

■Gazelle Twinのアルバムに参加したり、Nik Colk Voidと一緒にCarter Tutti Voidとしてアルバムを出したり、 下の世代との交流も見せていますが、彼女以外にもほかに共感する若い世代のミュージシャンがいたら男女問わずに教えて下さい。

コージー:あー、誰かしら? その質問って、ほんと苦手なのよね。

■(笑)。

コージー:苦手。急にそう訊かれても、こっちはとっさに「この人」と思い浮かばないから。わたしはただ、他の人びとの音楽を聴いているだけだし……まあ、わたしたちはああやってGazelle Twinのリミックスを手がけたんだし、そうね、いまだったら彼女、ということになるかしら。彼女は素晴らしいなと思ってる。

■Gazelle Twinのどんなところをあなたは評価しますか? 

コージー:彼女の音楽がジェンダーレスに感じられるところ、わたしはそこが好きね。だから彼女の音楽がとても好きなんだし、とても力強い音楽で。ええ、あれはとてもパワフルな音楽だし、内面の奥深いところから出てきたもので……だから、前情報なしに音楽だけ聴いたら、それをつくったのは男性、あるいは女性なのか、わたしには聞き分けられなかったでしょうね。

■ここ何年かはCTIやChris & Coseyでの活動も最近はしていませんが、 あなた個人が活発的に見えます。あなた自身の活動で言うと、なにか新しいプロジェクトを考えているんでしょか?

コージー:ええ。というか、Chris&Coseyではなく、わたしたちはいまはCarter/Tutti名義で活動しているわけだし。そのCarter/Tutti名義で出したいちばん新しいアルバムはリミックスだったし、それにCarter Tutti Void作品にしても、あれは進行中のCarter/Tutti作品の一部であって……だから、プロジェクトを進めていくなかで、わたしたちは「他の誰かとコラボレーションをやろう」と思い立ったわけ。で、ニックとやってみたところ、それが上手くいってしまい、アルバムにまで発展した(苦笑)、と。だから、あれもまたとくに期待してやったことではなかったし、その意味で『セカンド・アニュアル・リポート』にちょっと似ているわね。思いもしないところから出てきた、という。

■そうなんですね。

コージー:でも、それとは別に、Carter/Tuttiとしてのマテリアルはかなり別にしてキープしてある。わたしとクリスのふたりだけでつくってきた音源がね。ただ、わたしたちにはやらなくちゃならないプロジェクトが他にまだいくつかあるし、それらのC/T音源に取り組めるのはその後、ということになるでしょうね。できれば、来年には取りかかりたいと思っているけれども。

■最後に、ぜひ日本でライヴやって欲しいです。

コージー:アハハハッ!

■(笑)え? 日本はそんなに意外ですか?

コージー:(笑)だって、わたしにはあまりにも遠い国だから。

■そんなぁ、たかが12時間のフライトですよ!

コージー:12時間? いや、わたしは心臓に持病があるから……

■ああ、そうなんですか。それは残念です……

コージー:そうなのよ。だから、別に日本に行きたくない、というわけじゃないのよ。

■うーん、でも、たとえばどこかの国で乗り換えて、フライト時間を分割するとか、無理ですかね?

コージー:そうやって、立ち寄った経由国で合間にホリデーも楽しんだり?(笑) 

■(笑)。

コージー:でも、わからないわよね? もしかしたら実現するかもしれないんだし。

(了)

★TGのバックカタログが来年もリイシュー決定!

2018年1月26日
『D.o.A. The Third And Final Report』
『Heathen Earth』
『Part Two: Endless Not』

2018年4月27日
『Mission Of Dead Souls』
『Greatest Hits』
『Journey Through A Body』
『In The Shadow Of The Sun』

質問:野田努+坂本麻里子(2017年11月01日)

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