サブジャンルの聖地、東京。この街は、2000年代後半にシカゴから世界へと噴出したフットワーク・シーンにとって、砂のなかに埋もれたダイヤモンドのような存在であり続けてきた。フットワークに対する熱狂の波は、地元のダンス・シーンに取り込まれた際、まさに津波のごとき勢いを見せた。それは単に新鮮なダンス・ミュージックであるにとどまらず、黒人ダンス・コミュニティとの深い文化的紐帯を持ち、かつメインストリームの外側にあることを切望するクラブ・カルチャーを体現していたのである。
しかしながら、世界的な紹介を経てからのここ7年ほど、フットワークはより派手で、あるいはより踊りやすい新たなジャンルとの競合を余儀なくされてきた。ダンス・ミュージックが誕生時よりもはるかに、はるかに、はるかに攻撃的になるにつれ、フットワークの血気盛んな人気は完全に衰えたわけではないにせよ、緩やかに霧散していった。他のジャンルと比較した際の「オフビートゆえの特異性」に対する不満は、近年のプレイリストにおける継続的な採用に影を落としている。「低音が弱く、シンク(同期)させるのが難しい」──かつてあるDJから投げつけられたその不平は、私の心を深く突き刺した。ひとりのDJによる泣き言だと思っていたものは、時を経て、多くのイベントにおけるフロアからの「沈黙の拒絶」へと進化してしまったかのように見えた。
本来、フットワークは必ずしも単体で鑑賞するためだけの音楽ではない(もちろん、そうすることに何ら問題はないが)。それはむしろ、フットワークを通じた観客の適切な参与とフィードバックを本能的に要求する音楽である。この目新しさは、メインストリームの無関心という壁を前に、コール・アンド・レスポンスを渇望する献身的なサポーターや観客のコミュニティを育んできた。
東京のフットワーク/ジュークの火を絶やさぬよう守り続けている中心的なDJのひとりが、Moemikiである。少なくとも2018年からDJシーンで活動し、フットワーク・シーンを支える強固な一翼を担ってきた彼女が、ついに初のオリジナル・トラック集『Amaharashi』を〈Usi Kuvo〉レーベルから発表した。ここは、むしろゴム(gqom)シーンのリリースで知られるレーベルである。Moemikiは1年以上にわたり、自身のDJセッションにおいて、それとは知らぬ聴衆を相手に自作曲をじらし、テストを繰り返してきた。より重要なのは、彼女がクラブの本格的なスピーカーでミキシングのダイナミクスを判断しながら、観客の反応を推し量るために作品を提示してきたことだ。自身の技術に対するこの執念は賞賛に値する。なぜなら、特定の種類の音楽が輝くためには、それがストリートとクラブの両方から生まれ、かつ両者によって承認されるべきであることを思い出させてくれるからだ。
全6曲からなるこのコレクションは、単にフロアにふさわしい良質な音楽としてだけでなく、テクノの4/4拍子の単純さに近い機能を持つ他の音楽に抗う、このジャンルの進化の指標として注目に値する。
オープニング・トラック “Tsurugidake ” の冒頭1分で、フットワーク特有の既視感が飛び出してくる。このジャンルの魔力は、しばしばオープンな空間と、最終的なダウンビートに向かってオフビートに小刻みに震える狂騒的な反復との往復にある。この曲を聴いていると、私は伝統的な畳の部屋に足を踏み入れたような感覚に陥る。一見、控えめな壁に囲まれているが、そこには深い精神の明晰さを得るために必要な「陰陽」を提示する、精緻な木彫りの装飾がアクセントとして施されているのだ。フットワーク由来のリズムに抗って弧を描くのは、体験全体を新鮮かつ流動的に保ついくつかのメロディックな変奏である。
彼女は『Amaharashi』において、決してフットワークの純粋主義者ではない。ここではフットワークがデフォルトのスタイルとなっているが、その柔軟性ゆえに、 “Tsurugidake ” の終盤で見せるゴルジェ(gorge)的なベース・ビートが、いかなる苛立ちを伴う緊張感もなく突如として立ち現れる。タイトル曲では、パンデミック以降のここ数年で台頭した激しいベース・シーンに適切な注意を払いながら、ジュークとゴルジェの収束を継続させている。
東京からしか生まれ得ないフットワークの姿は、 “Drone in the Fog ” において正当に表現されている。琴のサンプリングをメインメロディに据え、ロボットのような音声のノイズを配置することで、ダンサーがフロアで弾けるための絶妙な並置(ジャクスタポジション)を生み出している。確かなプロダクションに裏打ちされたこの曲は、それ自体が、フットワークの言語に精通したあらゆるダンサーを心酔させるに十分なうねり(エブ・アンド・フロー)を持っている。
後半の数曲はフットワークの道筋からわずかに逸れ、現在のクラブ・シーンの反映をより強く投影している。メロディに関して言えば、すべての楽曲がイメージのワンダーランドであり、もしこれらがより長い尺のトラックであったならどのような響きになっただろうかと思わずにはいられない。このEPは全6曲、合計22分に過ぎないが、一秒たりとも無駄な時間はない。わずか22分のなかに、あまりにも多くの事象が詰め込まれている。













