「Low」と一致するもの

Overmono - ele-king

 10月に来日公演が決定しているオーヴァーモノ。昨日、新曲 “Gem Lingo (ovr now)” がリリースされています。彼らが2月にフレッド・アゲイン‥&リル・ヨッティとともにNYのラジオ「The Lot Radio」に出演した際に初公開されていた曲で、相変わらずカッコいいです。これを聴きながら3か月後を楽しみに待っておきましょう。

OVERMONO
時代の寵児、オーヴァーモノ、待望の単独公演は10月!
来日への期待高まる中、新曲「Gem Lingo (ovr now)」を公開!

UKベースやブレイクビーツ、テクノの最前線に立つテセラことエド・ラッセルとトラスことトム・ラッセルの兄弟による時代の寵児、オーヴァーモノ。昨年待望のデビューアルバム『Good Lies』を〈XL Recordings〉よりリリースし、フジロックフェスティバル '23のレッドマーキー・ステージでのライブセットでも会場を最高潮に沸かせ、東京と大阪にて単独公演が決定したこのデュオ。今、最も勢いに乗っているアーティストと言っても過言ではない彼らが、〈Paul Institute〉をジェイ・ポールと創設したラスヴェン(Ruthven)をフィーチャーした新曲「Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven」をリリースした。

Overmono - Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven
配信リンク >>> https://overmono.x-l.co/gemlingo

フレッド・アゲイン...とリル・ヨッティとのコラボ・シングル「stayinit」のリリースを記念したオーヴァーモノの@TheLotRadioのセット@TheLotRadio setで初めてプレイされて以来、このニューシングル「Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven」はファンを虜にした。YouTubeや SoundCloudにアップされたこの曲の再生回数は30万回を超えた。オーヴァーモノはこの夏をアクティブに活動を続けている。先月のパリ・ファッション・ウィークでは、人気デザイナーのマシュー・ウィリアムズとともに、1017 ALYX 9SMのローンチをキュレーションし、昨年のGivenchyの秋冬ショー2023 Givenchy Fall/Winter show以来2度目のコラボレーションを果たした。

彼らは大阪、東京の他にも、ブルックリン、トロント、ロンドンで最大のヘッドライン公演を行う「2024 Pure Devotion World Tour」の一環として、Pure Devotion BristolとマンチェスターのWarehouse Projectという2つのオール・デイ・イベントを発表し、即完売させた。その一方で、世界中のトップ・フェスティバルでのパフォーマンスも続けている。大絶賛を浴びたデビュー・アルバム『Good Lies』から1年、オーヴァーモノは期待を打ち砕き続け、エレクトロニック・ミュージックの景観を再構築し続け、「UKの次なる大物ダンス・デュオ」という地位を確固たるものにしている。

【OVERMONO Japan Tour 2024】

2024.10.16 (WED)
梅田 CLUB QUATTRO
OPEN : 18:00 / START : 19:00
お問い合わせ:SMASH WEST (TEL:06-6535-5569)

2024.10.18 (FRI)
渋谷 Spotify O-EAST
OPEN : 18:00 / START : 19:00
お問い合わせ:SMASH (TEL:03-3444-6751)

【TICKETS】
前売 ¥7,800(税込/オールスタンディング) ※別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可
●イープラス [https://eplus.jp/overmono/]
●チケットぴあ [https://w.pia.jp/t/overmono/]
●ローソンチケット [https://l-tike.com/overmono/]

主催 SMASH
SMASH INFO:https://www.smash-jpn.com/

label: XL Recordings / Beat Records
artist: Overmono
title: Good Lies
release date: Now On Sale

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13234

tracklist
01. Feelings Plain
02. Arla Fearn
03. Good Lies
04. Walk Thru Water
05. Cold Blooded
06. Skulled
07. Sugarrushhh
08. Calon
09. Is U
10. Vermonly
11. So U Kno
12. Calling Out
13. Dampha *Bonus Track For Japan

Actress - ele-king

 アクトレスの新譜『Statik』は、彼のこれまでのアルバムにあったディストピア=人間以降の世界観をより深化させたようなアルバムだった。廃墟に鳴るエレクトロニック・ミュージックとでもいうべきか。
 リリースは2014年の『Ghettoville』から2023年の『LXXXVIII』まで続いた〈Ninja Tune〉ではなく、ノルウェイ・オスロのレーベル〈Smalltown Supersound〉からである。〈Smalltownx Supersound〉は、すでに「老舗」といっても過言ではないレーベルだが、そのフレッシュなキュレーション・センスは常に健在であり、近年もケリー・リー・オーウェンス 、カルメン・ヴィラン、ベンディク・ギスケなどの印象深いアルバムを連発している。

 そんな〈Smalltown Supersound〉からアクトレスのアルバムが出ると知ったときは少々意外に感じたものだが、同時に実験的なエレクトロニック・ミュージックという側面からどこか共通項を感じたものだ。加えて何か新しい「変化」もあるのだろうかとも思った。実際、『Statik』は、これまでのアクトレスとはどこか異質なアルバムに仕上がっていたのである。
 では今までのアクトレスのサウンドと比べて、どこが違うのか。アクトレスの作品の中でも、もっともアンビエント色の強いアルバムだが、ときにビートもあるし、インダストリアルな音を組み合わせるサウンドのプロダクションも健在である。その意味で大きな差異はないといってもいい。鉄屑に雨が降り注ぐような、人間以降の世界を思わせるSF /ディストピアなムードも中期以降のアクトレスと大きく変化はない。が、「何か」が遠い。音が遠いのか。それとも感情が遠いのか。もしくは世界が遠いのか。何か世界から乖離されていくような感覚があるのだ。

 1曲目“Hell”からして環境音、かすかなノイズ、音楽のループ、断片的なビートなど、アンビエントともインダストリアルでもない複数の音の連鎖が、どこか「遠い」感覚を生成している。2曲目“Static”では不安定な持続音=ドローンが流れ始め、アンビエント色が強くなるが、しかし近年のアンビエントのようにエモーショナルになるわけでもなく、過度に静謐になるわけでもなく、フラットな音のまま終わる。
 最初の2曲はいわばアルバムのオープニングだろう。3曲目“My Ways”以降はミニマルな音楽性とビートによるトラックが展開されていく。盛り上がるわけでもなく、過剰に静謐になるわけでもなく、淡々としたエレクトロニック・ミュージックが展開されていくのだ。そのどこかフラットな感覚が心地よい。マシンの音とヒトの音の「中間状態」に鳴っているような音でも称すべきか。
 4曲目“Rainlines”では、チリチリとしたノイズに4つ打ちのキックとシンセリフが重なり、オーセンティックなテクノ・トラックかと思いきや、そのキックはすぐに途切れる。雨のようなノイズのみが続き、またキックが流れる。盛り上がりをあえて断絶するような構成でありながら、一定の感覚の音の持続=ノイズがあるおかけで、アンビエントとしても聴ける曲である。
 5曲目“Ray”では深海に潜るようなシンセのアルペジオが鳴り、そこにまた微かなノイズがレイヤーされる。遠くの方にベースラインが微かに聴こえる。やがてハイハットやヴォイス・サンプルも鳴るが、やはり盛り上がるというよりは一定のトーンが持続したまま曲は進行する。脱構築されたテクノとでも言いたくなるほどの不思議な曲だ。
 6曲目“Six”でも同じようなムードが継続する。控えめなビートに、空気のように微かなノイズがレイヤーされていく。7曲目“Cafe del Mars”は6分48秒ある曲で、アルバム中もっとも長い曲である。淡いシンセ鳴り、2分ほどしたところでハイハットやキック、ベースがなり始める。それらはやはり曖昧な空気を纏っており、強烈な音で踊らせるというよりは、感覚にゆっくりと浸透していくように鳴り続ける。
 8曲目“Dolphin Spray”でもミニマルなアルペジオにキック・スネアが絡むというシンプルなトラックだが、しかしそのムードもどこか曖昧で遠い。こんな感覚をエレクトロニック・ミュージックで感じるのは稀な事態だと思う。
 その「曖昧」で「遠い」ムードは9曲目“System Verse”でも持続する。YMO、もしくは70年末期のTVゲームの爆発音のような音にダブなムードのキックが折り重なるだけの曲だが、しかし、その音すべてを「地味」に「遠く」していることで、不可思議な感覚を生成しているように思えた。
 10曲目“Doves Over Atlantis”の酸性雨(古い表現だがどうもこういういい方がしっくりくる)が降り注ぐようなアンビエント/ドローンはまさに本作のクライマックスに相応しいといえる。スタティックなクライマックスとでいうべきかラストの11曲目“Mellow Checx”はサウンドにほんの少しの明るさ、微かに光がさしてくるような質感のアンビエントを展開する。いわばエンディング曲といえよう。ここでも少しずつ遠ざかっていくような感覚が広がっていく。いずれにせよこのアルバムの音には「心」が「無」になっていくような感覚がある。だがそれが不思議と心地よい。

 全11曲。それぞれの曲としてはヴァリエーションに富んでいるが、アルバム全体としてはどこか薄暗いトーンで統一されている。かといって過度にダークというわけでもなく、何か単純に一言で言い表せない曖昧なムードが横溢する。それが冒頭に記した「遠い」という感覚に結びつくのかもしれない。
 いってみればかつて「人」がいた場所、つまりは「廃墟」に対する安らぎに近いとでもいうべきか。希望も絶望もない時間として廃墟。われわれはそのような時間にどこか安らぎを覚えてしまう。アクトレスの『Statik』は、そんな感覚を思い出せてくれるアルバムなのだ(繰り返すが音自体は聴きやすいエレクトロニック・ミュージックである。決して極度に難解な音楽ではないことを何度も書いておきたい)。

 2020年の『Karma & Desire』と2023年の『LXXXVIII』は、どこか21世紀のディストピア的な観光地に鳴るサウンドトラックのように聴こえたが、本作『Statik』は、その世界を反転させたような場所に鳴る音に感じられた。
 言葉を変えれば『Statik』は「失われた未来を希求したヴェイパーウェイヴの失われた未来」のようなサウンドのようにも感じられたのである。出発点は同じだが終着点が違うヴェイパーウェイヴとでもいうべきか。煌びやかな仮想のビジュアルを剥いだ後に見える現実の廃墟に鳴るサウンドトラック。
 本作を聴き終わったあとに『Hazyville』(2008)や『Splazsh』(2010)を聴くと、随分と「遠い」場所に来てしまったような気がする。無にして美。美にして無。いわば「鉄屑」に満ちた廃墟世界への慈愛のような音楽が鳴っている。
 だがそれは間違いなく今ここ、この現在地点の音なのだ。2012年に『R.I.P』というアルバムを発表してからアクトレスは、いわば世界を漂うエーテルのように、その不定形な姿を変化し続けている。本作はそんな彼による世界の現在報告書のようなアルバムなのかもしれない。

Mighty Ryeders - ele-king

 レアグルーヴ史の頂点に輝くとも言われるのがマイアミの8人組ファンク・バンド、マイティ・ライダースのアルバム『Help Us Spread The Message』(1978)だ。同作収録曲 “Let There Be Peace” にはアルバムとは異なるシングル・ヴァージョンが存在するのだけれど、その貴重なヴァージョンが最新リマスタリングを経てオリジナル7インチとして蘇ることになった。7月24日発売、B面にはデ・ラ・ソウルにサンプリングされたことでも知られる “Evil Vibrations” の、MUROによるエディットが収録される。
 またこのリリースを記念し、Tシャツも発売されることが決定。完全受注生産とのことなので、早めにチェックしておきましょう。

レア・グルーヴ“究極”の1枚として燦然と輝くMIGHTY RYEDERS『Help Us Spread The Message』からさらなる謎が解き明かされる! アルバム未収録の「Let There Be Peace」シングル・ヴァージョンが奇跡の再発!

アルバム同様にプレミア化している7インチシングル「Let There Be Peace」が実はアルバムとは異なるヴァージョンでカットされていたことが判明! そのシングル・ヴァージョンをそのままに最新リマスタリングを施したオリジナル7インチ以外ではこの盤でしか聴くことができない奇跡の再発!
さらに楽曲の素晴らしさはもちろんのことDe La Soul「A Roller Skating Jam Named“Saturdays”」でサンプリングされたことでも有名なスーパーキラー「Evil Vibrations」を、日本が世界に誇るKing Of Diggin'ことMUROが新たなグルーヴを注ぎ込んだ最新キラー・エディットも収録!
完全初回限定生産! 即完・プレミア化必至のダブル・サイダー!!

MIGHTY RYEDERS
Let There Be Peace(Single Version) / Evil Vibrations(MURO edit)

2024/07/24
7inch
P7-6613
¥2,420(税抜¥2,200)
★初回完全限定生産 ★ペラジャケット仕様 ★最新リマスタリング


MIGHTY RYEDERSの7インチの発売を記念してTシャツを2種類販売!

レア・グルーヴ史上、最高峰の完成度を誇るアルバム『Help Us Spread The Message』を1枚だけ残してそのまま謎に包まれたマイアミ出身のバンドMIGHTY RYEDERS。

彼らの幻のシングル、「Let There Be Peace」と日本が誇るDJ、MUROによってエディットされた「Evil Vibrations」のカップリング7インチの発売を記念してTシャツを販売します。

Type Aの「Let There Be Peace」ヴァージョンは今回の7インチを元にしたデザイン、Type Bの「Evil Vibrations」ヴァージョンは『Help Us Spread The Message』のジャケットをベースにしたデザインです。
今回も完全受注生産になりますのでお早めにどうぞ。
https://vga.p-vine.jp/exclusive/vga-1043/


Mighty Ryeders
Official T-Shirts

Type A (VGA-1043)
Black / White / Dark Chocolate / Stone Blue / Cornsilk
S/M/L/XL/2XL
¥4,500 (With Tax ¥4,950)


Mighty Ryeders
Official T-Shirts

Type B (VGA-1044)
Black / White / Olive / Mint Green / Sport Gray
S/M/L/XL/2XL
¥4,500 (With Tax ¥4,950)

※1万円以上のお買い上げで日本国内は送料が無料になります。
※商品の発送は 2024年8月下旬ごろを予定しています。
※Tシャツのボディはギルダン 2000 6.0オンス ウルトラコットン Tシャツになります。
※期間限定受注生産(〜2024年8月4日まで)
※限定品につき無くなり次第終了となりますのでご了承ください。

Lusine - ele-king

 近年ではロレイン・ジェイムズがフェイヴァリットにあげていたことを憶えているだろうか。そうした新しい世代にも影響を与えているエレクトロニカのヴェテラン、〈Ghostly International〉からリリースを重ねるルシーンの来日公演がアナウンスされた。2013年以来とのことなので、じつに11年ぶり。今回はドラマーを従えての公演で、迫力あるパフォーマンスが期待できそうだ。8/30(金)@CIRCUS Tokyo、8/31(土)@落合Soup、9/1(日)@CIRCUS Osakaの3公演、詳しくは下記をご確認あれ(なお落合Soup公演はソロでのパフォーマンスです)。

LUSINE JAPAN TOUR 2024 | エレクトロニカの重鎮11年ぶりにして、初のサポート・ドラマーを率いての来日決定!

昨年6年ぶりのニュー・アルバム『Long Light』をリリースしたエレクトロニカの重鎮LUSINEの、2013年の『EMAF TOKYO 2013』以来となる、およそ11年ぶりの来日公演が決定致しました。

今回はサポート・ドラマーのTrent Moormanを率いての初来日。エレクトロニクスとライヴ・ドラミングを組みわせてダイナミックなパフォーマンスが展開されます。(落合Soup公演はドラマー無しのソロ・エレクトロニック・セットです)
貴重な機会を是非お観逃しなく!

Ghostly International 25th Anniversary in Japan vol.2
LUSINE JAPAN TOUR 2024

LUSINE 東京公演①
feat. live drumming
日程:8/30(金)
会場:CIRCUS Tokyo
時間:OPEN 19:00 / START 20:00
料金:ADV ¥4,800 / DOOR ¥5,300 *別途1ドリンク代金700円必要

出演:
LUSINE (feat. live drumming)
and more…

前売りチケットのご購入はこちらから:
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/shop/?p=3165


LUSINE 東京公演②
solo set

日程:8/31(土)
会場:Ochiai Soup
時間:OPEN 18:30 START 19:00
料金:ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000

出演:
LUSINE (solo set)
and more…

前売りチケットのご購入はこちらから:
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/shop/?p=3165


LUSINE 大阪公演
feat. live drumming

日程:9/1(日)
会場:CIRCUS Osaka
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000 *別途1ドリンク代金700円必要

出演:
LUSINE (feat. live drumming)
and more…

前売りチケットのご購入はこちらから:
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/shop/?p=3165


Lusine - Full Performance (Live on KEXP)

LUSINE:
テキサス出身のJeff McIlwainによるソロ・プロジェクト。L’usineやLusine Iclなどの名義でも活動を続してきた。デトロイト・テクノと初期IDMの影響を受けて制作を始め、メランコリックでメロディックなダウンビート・テクノとでも呼ぶべき独自のサウンドを生みだしたエレクトロニック・ミュージック界の才人のひとり。1998年よりカリフォルニア芸術大学で20世紀エレクトロニック・ミュージックとサウンド・デザイン、映画を専行、そこでShad Scottと出会い、1999年にL’usine名義でファースト・アルバム『L’usine』をIsophlux Recordsよりリリース。新人アーティストの作品としては異例なほど高い支持を受ける。2002年には、URB誌恒例のNext 100にも選出され、アメリカのエレクトロニック・ミュージックの今後を担う重要アーティストと位置づけられた。その後2002年後半からシアトルに移り現在に至るまで拠点にしている。様々なレーベルを股にかけ活動し、『A Pseudo Steady State』、『Coalition 2000』(U-Cover)、『Condensed』、『Language Barrier』(Hymen)、『Serial Hodgepodge』、『Podgelism』、『A Certain Distance』、『The Waiting Room』、『Sensorimotor』(Ghostly International)などのアルバム、数々の12インチ・シングル、EPなどをリリース。また、Funckarma、 Marumari、Lawrence、School of Seven Bells、Tycho、Max Cooper、Loraine Jamesなどのリミックス、McIlwainは、Mute、!K7、Kompakt、Asthmatic Kitty、Shitkatapultなど様々なコンピレーション、さらにはフィルム・プロジェクトのスコア制作など、多岐にわたる活動を展開。シアトルに移ってからはエレクトロニック・ミュージックの優良レーベルGhostly Internationalを母体にリリースをしており、
2023年にはおよそ6年ぶりとなるアルバム『Long Light』をGhostlyから発表。2017年の『Sensorimotor』で確立したインテリジェント且つエレガントなスタイルをさらにアップデートしたサウンドをみせた。また、Loraine Jamesなど、エレクトロニック・ミュージックの新世代からもリスペクトされている存在だ。

Mica Levi - ele-king

 去る7月10日、ミカチュー名義でも知られる音楽家、ミカ・リーヴィが12分ある新曲 “slob air” をリリースしている。これまで自身の作品はむろんのこと、ティルザなどのプロデュース、種々のサウンドトラック制作など幅広く活躍、UKのアンガーグラウンド・ミュージックを支えてきたキイパースンのひとりが20周年を迎えた〈Hyperdub〉と契約を交わしたことは、ちょっとした事件といえよう。続報に注目です。

interview with salute - ele-king

 レイヴ・リヴァイヴァル、ダンス・ミュージックの復権は止まらない。パンデミックによる自制、あるいは社会的抑制からの開放。サルートのアルバム『True Magic』はこの動きと重なる一枚であり、ひとりの音楽家が正面突破を図り境界を越えようとする試みである。彼のキャリアを簡単になぞると、ナイジェリアから移住した両親のもとにオーストリア・ウィーンで生を受け、18歳でUKのブライトンに移り住み、後に現在の拠点であるマンチェスターに移住。UKに移住した動機は兄やゲームをきっかけとしてダンス・ミュージックと出会い自ら制作をはじめたからという根っからのプロデューサー気質。UKに移ってからは、様々な人たちと出会いつつ、ダンス・ミュージック、クラブ・ミュージックのセンスに磨きをかけていった。いくつかのEPを発表した後に最初に大きく注目されることになったのが2018年~’19年にかけてリリースされたミックステープ『Condition』。それまではオルタナティヴなR&Bやダブステップといったスタイルでトラックメイキングをおこなっていて、いわゆる4つ打ち成分は控えめだったが、『Condition』で大きくUKガラージやハウスを取り込みダンスフロアに大きく接近。初期作品ですでに感じられた郷愁的なメロディとクラブで磨かれたビート・メイキングにシーンのフォーカスが集まるのはあっという間だった。そんなタイミングで訪れたパンデミック。勢いにブレーキがかかると思いきや、チャーリー・XCXやリナ・サワヤマのプロデュースもおこなう傍ら、ジェニファー・コネリーによる80年代のテクニクスCM曲 “愛のモノローグ” をサンプリングした “Jennifer”、“Want U There”、そしてパンデミックにおけるアンセムのひとつとなった “Joy” など立て続けにフロアヒットを発表。加えて2022年に公開されたメルボルンでの Boiler Room で一気に人気が爆発、そして〈Ninja Tune〉と契約、発表されたのが『True Magic』というわけである。トラックリストを見てわかるとおり、ほとんどの曲がコラボレーションである。リナ・サワヤマやディスクロージャーといった大物アーティストが名を連ねるほか、日本からは個性際立つ才能であるなかむらみなみ、マンチェスターの人気ドラム&ベース・デュオのピリ&トミーのピリ、ブルックリンのオルタナティヴ・シンガーソング・ライターのエンプレス・オブ、“Joy” のヴォーカルでもありムラ・マサともコラボするレイラ、ジョイ・オービソンサンファやヴィーガン作品にフィーチャーされたレア・センなど、バラエティー豊かな存在が本作を支え、アルバムのポップさを次のレベルに押し上げている。
 インタヴューは、RDCこと Rainbow Disco Club で来日したタイミングで対面でおこない、RDCの感想からアルバムについて、そしてパンデミックがもたらしたもの、最近のDJでプレイしているフレンチ・ハウスについてなど、様々な方向から彼に迫ってみた。

いままでダンス・ミュージックにあまり触れたことがない人や、ハウス・ミュージックを聴いたことがないティーンも気軽に聴けるような、ダンス・ミュージックに興味を持ってもらえるようなアルバムにしたかったんだ。

初めまして。お会いすることができて嬉しいです。今回の来日で3回目ですよね。Rainbow Disco Club(以下RDC)でのプレイはいかがでしたか?

S:初日のトリでプレイできてとても光栄に思っているよ! 日本のオーディエンスはとてもエネルギーにあふれていて、私もよいセットでプレイすることができたんだ。

RDCのオーディエンスは様々なパーティを楽しんできた人が多いので、そのようなオーディエンスについて貴方からポジティヴな答えが返ってきて、私個人としても嬉しいです。

S:個人的にも、RDCは最も好きなフェスになったよ。というのも、みんな酔っ払って楽しむフェスももちろん好きだけど、RDCは音楽をじっくり聴く、いい音楽を味わいたいオーディエンスが多いところは素晴らしいね! 音楽をプライオリティのトップとしている点はRDCの評価すべきポイントだと思う。加えて、制作面やサウンド・エンジニアリング、照明も含めたすべてがパーフェクトじゃないかな。音をじっくり聴く、大きすぎない規模であるということも私は気に入っているよ。

当日出演したアーティストで、気になった日本人のDJがいれば教えて下さい。

S:今回は残念ながらタイミングが合わず聴けなかったんだけど、以前来日した際、大阪で私の前にプレイした SAMO が素晴らしかった。彼女は音楽のセンスもナイスで、速いものからスロウなものまで、いろいろなスタイルの曲を二時間のセットで組み立てていたんだけど、まるで旅に連れて行かれるような体験だった。曲の組み合わせ、流れ、パーフェクトだった。日本のDJは一般的にレベルやクオリティがとても高いと思うよ。今回のRDCで聴けたDJでは、DJノブとDJマスダによるB2Bのセレクト、あれは本当にアメージング!

ここからアルバムについて質問をしていきます。まず、〈Ninja Tune〉と契約することになった経緯はどのようなものでしょうか? レーベル側からコンタクトがあったのですか?

S:そうなんだ。彼らからコンタクトがあったんだけど、じつは以前から、私のDJを何度か聴きに来てくれていたらしくて。〈Ninja Tune〉はもちろん大好きなレーベルで、12~3歳の頃からずっと聴いていたんだ。というのも『SSX』ってゲームがとても好きでそのサウンドトラックを〈Ninja Tune〉のアーティストが手掛けていて(編注:ザ・ケミスツか)、それまでレーベルのことは全く知らなくて、それでこの曲を作っているのは誰なんだろう? と調べていって〈Ninja Tune〉にたどりついたって流れ。そこから〈Ninja Tune〉のアーティストはずっと追いかけていて、例えばヤング・ファーザーズはすごく好きなバンドのひとつ。つまり、自分にとって憧れのレーベルなんだ。このアルバムを〈Ninja Tune〉からリリースできたことはとても光栄なことだと思っているよ。

『SSX』ってゲームがとても好きでそのサウンドトラックを〈Ninja Tune〉のアーティストが手掛けていて、この曲を作っているのは誰なんだろう? と調べていって〈Ninja Tune〉にたどりついたって流れ。そこから〈Ninja Tune〉のアーティストはずっと追いかけていて。

アルバムを全曲聴いて思ったのは、これは凄い作品が出てきたぞ、というのが第一印象でした。ポップでエモーショナル、かつにじみ出るグルーヴもある、という私の意見です。あなたが感じている『True Magic』の手応えはどのようなものですか?

S:このアルバムを作っているときに念頭にあったのは、ポップなものにしたい、ポップ・ミュージックとダンス・ミュージックのクロスオーヴァーなものを作りたいということ。そして、ダンス・ミュージックを作るという視点、ポップ・ミュージックを作るという視点、どちらか片方からのアプローチではなくバランスを保ちながら、ダンス・ミュージックへの入口、として聴いてもらいたいという思いが強かった。例えば、いままでダンス・ミュージックにあまり触れたことがない人や、ハウス・ミュージックを聴いたことがないティーンも気軽に聴けるような、ダンス・ミュージックに興味を持ってもらえるようなアルバムにしたかったんだ。でも、最初はどのような音楽性のアルバムにするか、っていうアイデアは白紙で、実際に作る際のはっきりしたプランはなかった。ただ、強いポップなダンス・ミュージックを作りたいという思いは漠然とあって。でき上がったアルバムを実際に聴いた友だちからは、とてもエキサイティングなアルバムだって言ってもらっているよ。

やはりそうだったんですね! 私も同意見です!

S:ありがとう!

ほとんどの曲がカルマ・キッド(Karma Kid)との共同プロデュースとなっていますが、どのような流れで楽曲制作をおこなっていったのでしょうか? 声とトラックのバランスが絶妙だと感じました。

S:カルマ・キッドは17歳ぐらいから付き合いのある個人的な親友。僕のやりたいこと、自分らしさをいちばん解ってくれているのが彼なんだ。僕のとりとめもない思いつきを整えてアルバムにまとめてくれて、この曲はインディっぽくやろうとか、もっとポップにしよう、ダンスぽいサウンドにしようというようなアイデアを形にできるプロデューサーなのが彼。付き合いも長いからコミュニケーションも円滑でとてもクリア。こうしないとダメとか、これは違うとか、そういったネガティヴなことは言わず、僕のやりたいことを尊重してくれて、その上でアドヴァイスをする、そのような彼の姿勢が『True Magic』を作るうえでとても大きな役割を果たしてくれたと思っている。
 特にヴォーカルに関しては、ポップなマインドを持った人たちに歌ってほしい、ポップなアーティストに歌ってほしい、ということがとても重要だったから、それをいろいろな方法で取り入れて形にできたのは良かったよ。この部分はとくに彼カルマ・キッドの力が大きく、正直、彼は天才! って思ってる。

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フレンチ・ハウスは10歳ぐらいの頃から YouTube で聴いてて、例えばダフト・パンクの “Around The World” とか “One More Time” は何度も何度も繰り返して聴いた大好きな曲。彼らはソウルやファンクとかロックをサンプリングしているけれど、僕も同じようなメソッドでサンプリングをしたいとずっと考えていた。

ヴォーカリストについても質問させてください。リナ・サワヤマとはとても仲がよいようですね。どのような経緯で本作に参加することになったのでしょうか?

S:10年ぐらい前から彼女とは付き合いがあって、彼女の曲のプロダクションを担当したこともあるし(アルバム『Sawayama』収録曲 “Snakeskin”)、彼女のファースト・アルバムの追加プロダクションを手掛けた経緯もあるんだ。彼女がビッグ・スターになっていく過程をずっと見てきたけど、素晴らしい魅力的な声の持ち主だよね。『True Magic』は友だちを集めて作りたかったところもあって、自分の音楽的な方向性、志向を世界に紹介するためのエキサイティングなポップ・スター、ということで彼女にはぜひとも歌ってほしかった。実現できてもちろん嬉しいし、とても特別なことだと思っているんだ。この曲 “Saving Flowers” は、『True Magic』のなかで二番目に書いた曲で、つまりかなり初期に書いた曲なんだけど、歌入れ前のインストの段階でスケールの大きなサウンドができ上がったから、この壮大なサウンドにふさわしい、僕の人生のスケール以上の規模で歌っている彼女がヴォーカリストとして浮かんだので彼女にオファーしたんだ。おかげでとても良い曲ができたよ。

今回のコラボレーションで驚いたことのひとつに、なかむらみなみとの “go!” があります。以前来日した際に彼女と Itoa のコラボ曲 “oh no” をプレイしていましたね。“Go!” の歌詞は彼女にすべて任せた形ですか?

S:彼女の声は特別だと以前から思っていて、インスタで連絡したんだ。この “Go!” のトラックができ上がったとき、エネルギーに溢れた声がふさわしいと考えていて、さっきも話したけど、ポップでソウルフルな力がある声の持ち主に歌ってほしい、という考えでヴォーカリストを選んだのだけれど、そのような才能が並ぶなかでも彼女の声はとても目立つんだ。なかむらみなみのような個性的なアーティストには好きなようにやってもらったほうがうまくいく、そう考えて。トラックを彼女に送って、ヴォーカルを入れて戻してきたわけだけど、まず感じたのは、期待以上のものが来たぞ、ってこと!

アルバム全体の歌詞についてですが、別れや喪失について歌われたリリックを多く感じました。あなたからテーマを提示して各アーティストが仕上げていくような流れで書かれたのでしょうか?

S:とくにテーマを決めてお願いをしたわけではなく、でき上がった詞がたまたまこのような内容になった、って感じかな。なにかはっきりした明確なイメージがあったわけではなかったけど、これまで経験した別れが反映されているのかな、といまは思う。意図したものではないけれど、エネルギーとかソウルとか心が動かされること、そういったことがテーマのように『True Magic』に現れているんじゃないかな。いちばん端的に示しているのがアルバム・カヴァーにも使われている車。映像や絵としてのインパクトがあって、そして車に乗って旅をするときのエモーションやエネルギーも込められていて、これらがテーマに含まれていると思う。

リナ・サワヤマとの “saving flower” ではカシオペアの “朝焼け” がサンプリングされています。あなたにとって大切な曲のようですが、このサンプリングにはどのような意味が込められているのでしょうか?

S:日本の80年代後半から90年代前半にかけてのフュージョンがとても好きで、日本の音楽シーンにとっても特別な時代だと思っているんだ。Tスクエアやカシオペアなどをよく聴いてて、日本に来たときは日本のフュージョン作品のレコードを買い漁ったりしていた。彼らのサウンドは、とてもドラマチックで艶っぽくて、こういった音楽性や音のパレットというものは少なからずダンス・ミュージックに取り込まれている、と個人的には考えている。
 “朝焼け” だけど、この曲のギターを聴いたとき、自分のなかでクリエイティブなアイデアが湧き出てきた。強烈なギターのサウンドをサンプリングできたことは本当に素晴らしいことで、おかげで『True Magic』のメインのひとつとなる曲に仕上がったよ。

ハウスやテクノを文化として認めた功績はとても大きいことだけど、私たちはそれがどこからやってきたのか、源流であるオリジナルを忘れがちなところがあると思う。

『True Magic』の収録曲にもエッセンスが色濃いですが、ダフト・パンクやフレンチ・ハウスからの影響を公言しています。フレンチ・ハウスの魅力とは何でしょうか?

S:フレンチ・ハウスはすごくヒプノティックな部分があるシンプルなスタイルだと思う。基本的には短い音楽の断片をループさせた、わかりやすくシンプルゆえに踊りやすいんじゃないかな。フレンチ・ハウスは10歳ぐらいの頃から YouTube で聴いてて、例えばダフト・パンクの “Around The World” とか “One More Time” は何度も何度も繰り返して聴いた大好きな曲。彼らはソウルやファンクとかロックをサンプリングしているけれど、僕も同じようなメソッドでサンプリングをしたいとずっと考えていた。僕はジャズをサンプリング・ソースとしてよく使っているんだけど、アプローチの方法としては彼らと同じだと自負しているよ。様々な音楽性をサンプリングで色鮮やかに組み合わせていきたい、というところがフレンチ・ハウスから僕が影響を受けている部分だと思うな。
もちろん、UKガラージからはとても強く影響を受けていて、『True Magic』がUKガラージとフレンチ・ハウスのコラボレーションといえるアルバムになったことは、とても自然な流れだったかな。

現在のような成功を手にするまでに、困難な状況もあったと思いますが、どのように乗り越えてきたのでしょうか?

S:実際のところ、なぜ、自分のキャリアが変化したのか、パンデミックのときに考えたことがあって。パンデミックが自分に与えた影響はかなり大きかった。あの時期、ショウも何もできず、外に出ることすらできなかった。自分とPCだけがある、音楽にとても集中した時間だった。あのような困難な状況で、音楽から自分が何を欲しているのか、音楽を使って自分が何をしたいのか。とてもじっくり考えた。
 まっさらな状態から、自分のやりたいこと、音楽で表現したいことを本当にじっくり考えた時間だった。それまで作った音楽はもちろん気に入っているし、作ったことを後悔しているわけではないけれど、ハッピーだったときに作った音楽がほとんどで、ハッピーじゃない状況で音楽を作る経験は初めてだったから、僕にとってそれはとても大きなことだったんだ。自らに嘘をつかず正直であればオーディエンスは音楽を受け入れてくれる。いまはそう考えているよ。

あなたにとってダンス・ミュージックとはどのようなものでしょうか? ある人は人生、ある人は仕事、またある人は喜び、など様々な意見があります。

S:中央ヨーロッパで育ったものとしてダンス・ミュージックはいつもそこにあった大きな存在だったことは確かだね。僕の兄はいつもハウスを聴いていたから生活のなかでもダンス・ミュージックは身近な存在だった。大人になって改めてダンス・ミュージックと向き合ってみると、僕にとっては「逃げ場」だった。例えば、DJをするときはポジティヴなマインドになるし、ハウスをかければ自由な気持ちが湧き上がってくる。一方で、ダンス・ミュージックには人と知り合うための手段という側面があって、コミュニティを形成するための存在でもあると思う。マンチェスターのお気に入りのクラブにいって、人と新しく出会ったり馴染みの友人と楽しんだりとか、そういうことが好きなんだ。すべての音楽にそういった部分はもちろんあるけど、僕にとってのダンス・ミュージックは、素晴らしい気分を味わうための手段、辛いときの逃げ込める場所、そう思っている。

最後の質問になります。先日ベルリンのテクノ・カルチャーが、ユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。他方で、オリジナルであるデトロイト・テクノに対する言及がないことについて批判も上がっています。これについて、あなたの意見を聴かせていただけますか?

S:その批判には僕も同意見だよ。ハウスやテクノを文化として認めた功績はとても大きいことだけど、私たちはそれがどこからやってきたのか、源流であるオリジナルを忘れがちなところがあると思う。ハウスやテクノは、クィアやブラックが集まって皆でひとつになれる場所を見つけるために生み出した音楽。(編注:ニューヨークやシカゴや)デトロイトのクィア・シーンやブラック・シーンが作ってきた音楽だと僕は考えていて、このふたつをスルーすることにはとても失望したよ、正直。
 ベルリンのテクノ・カルチャーは重要で、ベルリンもデトロイトがなければそこには存在していなかったのに、本当に残念な話だと思う。私たちは、ブラックの人びと、アフリカン・アメリカンの居場所に光を当てることを決して忘れてはいけないんだよ。

John Carroll Kirby - ele-king

 2010年代後半、ニューエイジとジャズのあわいを行く作風で徐々にその名を広めていったジョン・キャロル・カービーソランジュのプロデュースからコーネリアスのリミックスまで幅広く手がけるこのLAの鍵盤奏者、近年は〈Stones Throw〉から着々とリリースを重ねている彼の単独来日公演が決定した。しかもバンド・セットと聞けば、どんなパフォーマンスが披露されるのか気になってしかたがなくなる。《朝霧JAM 2024》への出演を控える10月11日、渋谷WWW Xでそのステージを目撃しよう。

ジャズ、ソウル、アンビエントからエレクトロニックまで横断するメロウなサウンドに、どこか癖になる不思議な魅力を携え注目を集めるJohn Carroll Kirby。フルバンドセットでは初となる単独公演が10/11(金)東京・WWW Xにて決定!

SolangeやFrank Oceanのコラボレーターとしても注目され、多くのソロ作を世に送り出し、多方面の音楽ファンやミュージシャンから愛される音楽家・John Carroll Kirby。今年、USではKhruangbinのツアーサポートを務めライブパフォーマンスの実力を示し、またYMOのメンバー細野晴臣のトリビュート企画への参加や、高円寺の街中で撮影したミュージックビデオの公開で話題を呼ぶなど、日本のシーンとの交流も窺える中での待望の来日公演が決定した。昨年のフジロック出演以来の来日となり、フルバンドセットでの初の単独公演となる。

出演が予定されている朝霧JAM 2024直前となる10月11日(金)、東京・WWW Xにて開催。チケットはただいまより抽選先行予約の受付を開始。

John Carroll Kirby
出演:John Carroll Kirby (Band Set)
日程:2024年10月11日(金)
会場:WWW X https://www-shibuya.jp/
時間:open 18:30 / start 19:30
料金:前売 ¥7,800(税込/ドリンク代別/オールスタンディング)

<<チケット>>
先行受付(抽選)
受付期間:7月9日(火)17:00~7月15日(月祝)23:59
受付URL:https://eplus.jp/johncarrollkirby/

一般発売:7月20日(土)10:00-
e+ https://eplus.jp/johncarrollkirby/
Zaiko https://wwwwwwx.zaiko.io/e/johncarrollkirby (English available)

主催:WWW X
協力:SMASH / STONES THROW

お問い合せ:WWW X 03-5458-7688
公演詳細:https://www-shibuya.jp/schedule/018045.php


John Carroll Kirby(ジョン キャロル カービー)
LA出身の鍵盤奏者/プロデューサー/作曲家のジョン・キャロル・カービー。
これまでR&B界のイノベーターでもあるソランジュやフランク・オーシャンとのコラボ、多作のソロ作品リリース、2023年フジロックの出演、クルアンビンとのUSツアーなどで、ジャズ~ソウル/R&B~アンビエント~ニューエイジ~エレクトロニックなど多方面の音楽リスナーから大注目のアーティストの一人である。
2020年、LAの優良レーベルStones Throwからデビューアルバム“My Garden”をリリース。メロウでドリ-ミーなサウンド、ジャズからアンビエントまで飲み込んだこれまでにないフレッシュなスタイルで大きな話題を呼んだ。その後も不思議な魅力に溢れたバンドサウンドや、独創的なエレクトロニックなど、様々なスタイルを取り入れたアルバムやサウンドトラックを次々と発表。現在、6作の作品がリリースされている。2023年には、各方面から称賛されたエディ・チャコンの最新アルバムのトータルプロデュースを行ったほか、自身の最新アルバム”Blowout”も立て続けにリリース。本作はインディー音楽界のグラミー賞と呼ばれる「A2IM Libera Awards」で、Best of Jazz Albumを受賞し高く評価された。2024年にはYMOの細野晴臣氏のトリビュート企画に参加し、カバー曲をリリースしたばかりだ。

Spotify
Apple Music

"Rainmaker"
"Sun Go Down"
"Mates"
"Oropendola"
"Blueberry Beads"

John Carroll Kirby - Fuku Wa Uchi Oni Wa Soto (feat. The Mizuhara Sisters)
*Haruomi Hosono cover song 細野晴臣トリビュート企画 カバー曲
https://youtu.be/TLxa-jEgAgY?feature=shared

VINYL GOES AROUND - ele-king

 このサブスク時代、アナログ・レコードにまつわるさまざまな試みを展開し、「レコード・カルチャーの再定義」をコンセプトに活動している「VINYL GOES AROUND」。同プロジェクトが監修と選曲を手がけたコンピレーション『How We Walk on the Moon』がリリースされることになった。テーマは「静かな夜」とのことで、アンビエントやジャズをはじめ、ソウル、ライブラリー・ミュージックなどからメロウで美しい曲が選び抜かれた1枚となっている。仕様もこだわり抜かれていて、「ORIGAMI」なるまったく新しいタイプのオビを使用。CDは発売済み、LPは8月7日発売です。
 なお同作の制作のきっかけになったというミックス音源も公開されているので、ぜひそちらもチェックを。

 https://anywherestore.p-vine.jp/en/products/plp-7443

VINYL GOES AROUND Presents
V.A. / ハウ・ウィー・ウォーク・オン・ザ・ムーン
V.A. ‒ How We Walk on the Moon

LP : PLP-7443 / Release: 2024年8月7日 4,500円 + 税

サブスク時代における "レコード・カルチャーの再定義" をコンセプトに活動するプロジェクト「VINYL GOES AROUND」が選曲・監修を手がけた新しいコンピレーション・シリーズの第1弾『How We Walk on the Moon』は “静かな夜” をテーマにしたアルバムです。ヒーリング/イージーリスニングに寄りすぎず、美しい緊張感と、ピュアでメロウなムードに浸る、月明かりの下で聴きたくなるような幻想的なサウンドスケープが環境に溶け込みます。

アンビエントやジャズはもちろん、ソウル、ライブラリー、オルタナティヴなど、種々のジャンルから美しいピースを選りすぐって編み上げた選曲は、敷居を高く感じている人も多い「アンビエント」へのポップ・サイドからの入門としても役目を果たすであろう、すべての音楽ファンに聴いてもらいたい内容です。

また、LPは「VINYL GOES AROUND」が監修した『ORIGAMI/折り紙』と名付けられた全くの新しいタイプの帯を添え付けました。アルバムの世界観を更に深めるような、こだわりのデザインとなっています。

収録曲は、スウェーデン・グラミー賞2024のJAZZ部門にノミネートされた気鋭のアーティスト、スヴェン・ワンダーによる7インチ・オンリーの楽曲「Harmonica and...」や、舐達麻やNujabes、ビョークにも引用されたジジ・マシンの「Clouds」、2000年代以降、数多くの楽曲にサンプリングされたウェルドン・アーヴィンの人気曲「Morning Sunrise」などを収録。DJユースとしても重宝するであろう、従来のヒーリング/アンビエント系コンピレーションとは一線を画する面子が揃います。

このレコードと夜を過ごすことがとても贅沢に感じられるような、心が自由な旅へと解き放たれるひとときを味わえる、そんな1枚です。

スヴェン・ワンダーからのコメント

It is an honor to be included in this compilation alongside so many other talented artists who
have been an important part of my musical journey and hold a special place in my heart.
私の音楽遍歴の大切な「ひとかけら」であり、心の中で特別な位置を占めている才能のあるアーティストと同じアルバムに収録されたことを光栄に思います。
SVEN WUNDER

LP収録曲

SIDE A
1. yanaco - Arriving
2. Chassol - Wersailles (Planeur)
3. Brian Bennett & Alan Hawkshaw - Alto Glide
4. Sven Wunder - Harmonica and...
5. Ditto ‒ Pop
6. 新津章夫 ‒ リヨン

SIDE B
1. Lemon Quartet - Hyper for Love
2. Gigi Masin ‒ Clouds
3. Johanna Billing - This Is How We Walk On The Moon (It's Clearing Up Again, Radio Edit)
4. Weldon Irvine - Morning Sunrise
5. Shigeo Sekito ‒ The Word II

https://anywherestore.p-vine.jp/en/products/plp-7443

Li Yilei Japan Tour 2024 - ele-king

 2021年にリリースした『之 / OF』がロングセラーとなり、今年リリースした最新アルバム『NONAGE / 垂髫』で日本デビューも果たした、ロンドンを拠点とする中国人サウンドアーティスト/作曲家 Li Yileiの初来日ツアーの開催が8月に決定しました。
 京都、東京、和歌山、名古屋の全4公演他、8/30(金)には都内某所にてLi Yileiとausのサウンド・インスタレーションも予定しています。

京都・外
日程:8/21 (水)
会場:外(京都市左京区鹿ケ谷法然院西町18) http://soto-kyoto.jp/
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:ADV ¥2,500 / DOOR ¥3,000 / 23歳以下 ¥2,000
出演:Li Yilei、Kazumichi Komatsu & more
予約:外 http://soto-kyoto.jp/

東京 大森・成田山圓能寺
日程:8/24 (土)
会場:成田山圓能寺(大田区山王1-6-30)http://ennoji.or.jp/
時間:OPEN 13:00 / START 13:30
料金:ADV ¥3,500 / DOOR ¥4,000
出演:Li Yilei、aus、iu takahashi
PA:Fly sound
協力:PLANCHA
予約:FLAU https://flau.stores.jp/items/668489a324fa03132d97dd79

和歌山・あしべ屋妹背別荘
日程:8/25 (日)
冥丁『古風』完結編 Tour 〜瑪瑙〜和歌山公演
会場:あしべ屋妹背別荘(和歌山市和歌浦中3-4-28)
時間:OPEN 17:00 / START 18:00 /
料金:ADV ¥4,000 / DOOR ¥4,500
出演:冥丁 - 暮 set -、Li Yilei
予約:Pass Market https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02yjdmguw5t31.html
主催:お還りなさい、中谷 一陽 (和歌山EXPO)

名古屋・K.D japon

日程:8/28 (水)
会場:K.D japon(名古屋市中区千代田5-12-7)
時間:OPEN 18:30 / START 19:00
料金:ADV ¥3,500 / DOOR ¥4,000 + 1D
出演:Li Yilei、marucoporoporo, CazU-23
予約:メール予約 https://docs.google.com/

東京
日程:8/30 (金)
詳細:TBA

■ ツアー詳細:
https://flau.jp/event/li-yilei-japan-tour-2024/

Li Yilei
 中国出身で現在はロンドンを拠点に活動しているコンポーザー/マルチ・インストゥルメンタリスト。また、ロンドンのアーティスト・コレクティヴNON DUAL(無二行動)のファウンダーでもある。アスペルガー症候群を持つノンバイナリーのアーティストであり、その経験は混沌と、時には痛みを伴う静寂の間を変動し、存在と実存のさまざまな状態を反映している。
 2021年にMétron Recordsからリリースされたアルバム『之 / OF』は、パンデミックの混乱の中、中国へ戻り自身と向き合う中で、宋王朝の芸術をインスピレーション源に作り上げ、2020年代のアンビエントの傑作のひとつとして高い評価を得てロングセラーとなった。そして2024年に、過去の自己と記憶が現在と出会う瞑想的な転生の瞬間を音像化した傑作『NONAGE / 垂髫』(https://www.ele-king.net/review/album/011245/)を再びMétron Recordsからリリース。PLANCHAからCD化もされ、日本デビューも果たす。
 アジア的エッセンスも感じさせるアンビエントとエレクトロニカを横断するようなサウンドが各所から注目を集める中、リミックスをして交流を深めたausのレーベルFLAUの企画により初来日ツアーが決定。

Martha Skye Murphy - ele-king

 マーサー・スカイ・マーフィの音楽を聞くと胸の中に恐ろしさと美しさが同時にやってくる。ひんやりとしていておごそかで、何かよくないことが起きそうな不安を覚える緊張感と、ゆらぐロウソクの灯を見つめているようなやすらぎがあって、それらちぐはぐな感情がわからないものとして頭の中で処理されてそのまま出る。彼女の音楽は調和のとれた風景の奥にある違和を表現するかのように美しく不安に響くのだ。

 マーサー・スカイ・マーフィと聞いてスクイッドの “Narrator” のヴォーカルを思い出す人も多いだろう。あるいは〈Slow Dance Records〉のことが頭に浮かんだり、10代の頃にニック・ケイヴのツアーに参加したということ思い出す人もいるかもしれない。初期の作品のクレジットにはジャースキン・ヘンドリックスことジョセリン・デント=プーリーやデスクラッシュのベーシスト、パトリック・フィッジラルド、ブラック・カントリー・ニュー・ロードのルイス・エヴァンスなどの名前が並ぶ。こうしたことからも彼女の立ち位置が見えてくるのような気もしてくるが、しかし彼女はそれらの人物と関わりながらそこから少し距離を置いてどのようなシーンにも属さないような音楽を作り続けてきた(それはゴシックの香りがするアート・ポップのような音楽だった)。美しく、恐ろしく、孤高で孤独、イーサン・P・フリンと共同プロデュースで作り上げたこの1stアルバムは現実の向こうから何かを見出そうとするようなそんな空気が漂っている。それはおそらく気配と呼ばれるようなもので、見えないがそこに何かが確かにあると感じられる類いのものだ。

 テープレコーダーのスイッチが押される音と「開始」という声とともにアルバムははじまる。ハミングともやのかかった楽器の音で空間が歪んでいくような、ゆったりとしたイントロダクション “First Day” によって幕が開くこのアルバムはピアノが中心にあり、フルートやストリングスといった柔らかいアコースティックな楽器で組み立てられている。そこにエレクトロニクスの固いサウンドのテクスチャーが重ねられ緊張と緩和を繰り返しながら進んでいく。そうしてそこに声がのる。マーサ・スカイ・マーフィのこの声こそがこのアルバムの気配を作り上げているといっても過言ではないだろう。ヴォーカリストというよりかはメッセージを伝える占い師、あるいは心を深層に向かわせる催眠術師のような声、細くそれでいて芯があり、ゆらぎ、言葉と響きの間にある意味をたぐり寄せる。それが音と重なり聞き手の感情を迷子にさせる。身体の支えとなるようなものはなく、どこに軸足を置いていいかわからずに、方向感覚を失う。しかし不思議と不安はない。フルートのささやきとアンビエント・ドローン、ピアノとフィールド・レコーディングされた物音でノスタルジックな空気を作る “Theme ParKs” の中で、彼女の声は遠くで瞬く光のような、何もない砂漠での道しるべのように感じられる。幾重にも重なった音のテクスチャーが頭にぼんやりとした考えを浮かばせ、そうして砂をかぶせるようにして消していく。それが浮遊感ともまた違う、音の空間の中で迷子になったかのような感覚を生み出すのだ。
 “The Words” においてもそれは顕著で、アコースティック・ギターの上でヴォーカルが人工的に処理されて、声の重なり、楽器の重なりの中で所在を不確かにさせる。ここにいる彼女の奥、遠くで聞こえるその声はまるで過去に存在した人物の声のようでもあり、あるいは未来におこりうることを予見したかのような声でもある。そうやっていくつもの像が重なり、万華鏡のように広がっていくのだ。
 クレア・ラウジーが参加した最終曲 “Forgive” はピアノとフィールド・レコーディングされた物音と気配の音楽だ。それが頭の中のおりを洗い流すかのように響いていく。ぼんやりと何かを思い出すかのように、あるいはこれから起こりうる未来のできごとを感じるかのように。「that’s enough」という声とともにレコーダーの停止ボタンが押され現実に突如引き戻されるまで、この不思議な感覚は続いていく。

 アルバムのミキシングを担当したマルタ・サローニはこのアルバムを初めて聞いたときに「まだ起きていない経験の、その記憶を体験しているかのようだ」というコメントを残したというが、まさにこれは体験の音楽なのだろう。重なる響きの中で方向感覚を失い、声を頼りにゆっくりと糸を手繰るように深層に潜っていくこの奇妙な体験はしかし不思議とやすらぐものでもある。恐ろしく美しい迷路のようなやすらぎに、気付けばハマりこんでいる。

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