「S」と一致するもの

8月のジャズ - ele-king

 今月はベテラン・アーティストの久々の作品から紹介したい。プランキー・ンカビンデことジェイムズ・ブランチは1947年生まれのサックス奏者で、1971年にサンフランシスコでジュジュを結成したことで知られる。アフリカ音楽や民族色の濃いフリー・ジャズを展開し、次第にそれはアフロ・スピリチュアル・ジャズとして認知されるようになる。〈ストラタ・イースト〉で2枚のアルバムをリリースした後、ワンネス・オブ・ジュジュと改名したグループは1975年に名作『African Rhythms』を発表。ワシントンDCでジャズDJ/評論家のジミー・グレイが新レーベル〈ブラック・ファイア〉を創設し、彼に共鳴したプランキーが参加し、第1弾アーティストとなった。続く1976年の『Space Jungle Luv』と共にスピリチュアル・ジャズにソウルやファンクを融合した内容で、後のレア・グルーヴ・ムーヴメントやクラブ・ジャズ・シーンでも再評価が高まった。1980年にはプランキー&ワンネス・オブ・ジュジュ名義で『Make A Change』を発表するが、収録曲の “Every Way But Loose” はラリー・レヴァンによるリミックス12インチがリリースされ、ダンス・ミュージックの世界でも知られることになる。『Make A Change』はディスコやエレクトロ・ファンクの要素も交えていて、そうした具合に当時の音楽の流行を巧みに取り入れる部分もプランキーにはあった。

Plunky & Oneness Of Juju
Made Through Ritual

Strut

 その後は一時のブランクはあったが、『African Rhythms』などが再評価されていることをプランキー自身も認識していて、1996年にワンネス・オブ・ジュジュ再評価の流れで復帰作の『Bush Brothers & Spacer Rangers』を〈ブラック・ファイア〉からリリース。それ以降も地道な活動を続け、自主レーベルの〈N.A.M.Eブランド〉からコンスタントにアルバムをリリースしている。初期は混沌として原初的なジャズをやっていたジュジュだが、ワンネス・オブ・ジュジュになってからは時流に乗ってソウル、ファンク、アフロビート、ディスコ、エレクトロなどを融合し、ある意味で非常に柔軟で自由な気風を持つアーティストとも言える。1990年代は当時のアシッド・ジャズ・ムーヴメントに呼応してラッパーをフィーチャーしたり、その後もR&Bに接近した作品のリリースもある。

 2019年にプランキー&ワンネス名義で『Afroceltic』というアフロビート寄りのアルバムをリリースし、それから6年ぶりの新作が『Made Through Ritual』となる。〈ブラック・ファイア〉の諸作を〈ストラット〉が再発していたこともあり、今回はその〈ストラット〉から〈ブラック・ファイア〉創設50周年を記念してのリリースとなる。ババトゥンデやエカ・エテら往年のメンバーはいないが、シンガーのシャーレイン・グリーンや作家・詩人のロスコー・バーネムズなどが参加している。また、プロデューサーはプランキーの息子のジャマイア・ブランチで、ジミー・グレイの息子のジャマル・グレイも共同プロデュースしている。シャーレイン・グリーンによる瞑想的なヴォーカルが導く “Share This Love” は、『Space Jungle Luv』の頃を彷彿とさせるスペイシーな浮遊感に包まれる。ジャズとアフロやファンクを融合した “In Due Time” や “Made Through Ritual” は、『African Rhythms』の頃のプランキーを再現していて、コズミックな質感のジャズ・ファンクの “Broad Street Strut” は『Make A Change』にあるようなナンバーと言えるが、不思議と古びた感じを抱かせないのはジャマイア・ブランチとジャマル・グレイのプロデュースによるものだろう。ロスコー・バーネムズがポエトリー・ローディングを披露する “Children Of The Drum” はラスト・ポエッツに通じるようなブラック・カルチャー賛歌である。


Dom Salvador, Adrian Younge & Ali Shaheed Muhammad
Jazz Is Dead 24

Jazz Is Dead

 エイドリアン・ヤングとアリ・シャヒード・ムハマッドによる『Jazz Is Dead』シリーズは、伝説的なミュージシャンとのセッションをかれこれ5年ほど続けている。アジムス、マルコス・ヴァーリ、ジョアン・ドナートなどブラジルのミュージシャンとのセッションも多くおこなっていて、2024年にはジョイス、アントニオ・カルロス&ジョカフィ、カルロス・ダフェ、イルドンらとブラジル勢と共演したオムニバスを発表したが、その中のひとりであったドン・サルヴァドールとの共演作が『Jazz Is Dead 24』としてリリースされた。ドン・サルヴァドールは1960年代から活躍するピアニストで、サルヴァドール・トリオやリオ・65・トリオは1960年代半ばに沸騰したジャズ・サンバの名トリオとして伝説的に語り継がれる。1960年代後半からは時代の流れと共にロック、ファンク、ソウルなども取り入れ、アボリサオというサンバ・ファンク寄りのバンドも率いたことがある。また、アメリカに渡って活動していた時期もあり、『My Family』(1976年)というブラジリアン・フュージョンのアルバムもリリースした。

 そんなドン・サルヴァドールも、現在87歳というブラジル音楽界でも最長老に属する年齢となっているが、そんな彼をレコーディングの場に連れ出したというだけでも、『Jazz Is Dead』はとても貴重な企画と言えよう。今回のアルバムは1960年代後半から1970年代前半の時期、アルバムで言えば1969年のファースト・ソロ・アルバムから、アボリサオを率いた1971年の『Som, Sangue E Raça』あたりの時期を念頭に入れた内容である。ドン・サルヴァドール自身による獣の咆哮のような奇妙なスキャット・ヴォーカルが印象的な “Os Ancestrais”、男女コーラスを交えたノヴェラ(サントラ)風の “Nao Podemos o Amar Para”、ソフト・ロックを取り入れたブラジリアン・ソウル “Minha Melanina”、アフロビートに近似したサンバ・ファンク “Eletricidade” など、ドン・サルヴァドールならではの作品集と言える。サイケデリックな風味の “Safíra” は、アマゾン流域で発生した原初的なアフロ・ブラジリアン・サウンドがジャズと結びついたできた作品で、ドン・サルヴァドールのルーツを見せるものだ。


Organic Pulse Ensemble
Oppression Is Nine Tenths Of The Law

RR Gems

 オーガニック・パルス・アンサンブルは、グループ名こそ冠しているものの、実際はグスタフ・ホーネイというスウェーデンのアーティストによる個人プロジェクト。グスタフ・ホーネイはサックス、フルート、トランペット、ギター、キーボード、ドラムス、ベース、パーカッションなどを操るマルチ・ミュージシャンで、それ演奏をマルチ録音することでオーガニック・パルス・アンサンブルは成り立っている。グスタフ・ホーネイはほかにもデュオヤというユニットをやっていて、そちらはジャズ・ファンク系のサウンドであるが、オーガニック・パルス・アンサンブルはモード・ジャズやスピリチュアル・ジャズ系と言えるだろう。2019年からアルバムをリリースしていて、『Oppression Is Nine Tenths Of The Law』は通算7作目となるアルバムだ。

 “Oppression Is Nine Tenths Of The Law” はバンブー・フルートがフィーチャーされた、極めてプリミティヴな趣のスピリチュアル・ジャズ。スウェーデンはクール・ジャズの印象が強いが、実際にはアフリカ音楽に影響を受けたミュージシャンもいるし、民謡を取り入れた作品もいろいろ出ている。ドン・チェリーが長年住みついて活動していたところでもあり、オーガニック・パルス・アンサンブルはそんなドン・チェリーの『Organic Music Society』(1972年)に影響を受けているのだろう。“Peace As A Political Statement” という楽曲も、そんなドン・チェリーの精神性を示すタイトルだ。1960~70年代、アメリカのジャズ・ミュージシャンの中には北欧へ移住する者もいろいろおり、トニー・スコット、サブー・マルティネス、ジョージ・ラッセルなどはスウェーデンを拠点とした。中でジョージ・ラッセルはビッグ・バンドをはじめとした大編成のグループの指揮や作曲・編曲に長けていたが、オーガニック・パルス・アンサンブルにおける多種の楽器のアンサンブルや作曲技法にも目を見張る部分があり、そこにはジョージ・ラッセルの影響も見て取れる。そして、グスタフ・ホーネイはそれをひとりでやっているのが何とも凄い。


Aldorande
Trois

Favorite Recordings

 アルドランドはフランスのグループで、ベーシストのヴァージル・ラファエリをリーダーに、ピアニスト/キーボーディストのフローリアン・ペリシエ、ドラマーのマチュー・エドゥアール、パーカッショニストのエルワン・ロッフェルが集まる。この中でフローリアン・ペリシエは自身のクインテットを率いて数々のアルバムを残すほか、カマラオ・オーケストラというアフロ~ラテン系のバンドや、コトネットというジャズ・ファンク・バンドでも演奏する。ヴァージル・ラファエリもカマラオ・オーケストラのメンバーで、またマシュー・エドゥアルドと共にセテンタというラテン・ファンク・バンドで演奏している。このようにフランス、主にパリのジャズ、ファンク、ラテン・シーンで活躍してきたミュージシャンが集まってアルドランデは結成された。2019年にファースト・アルバム、2021年にはセカンド・アルバムの『Deux』をリリースしているが、彼らの音楽性は1970年代のエレクトリックなジャズ・ファンクをベースに、ファンクやフュージョン、シンセ・ブギーやブロークンビーツなどのエッセンスを交えたものとなっていて、ラテンやアフロ・フレーヴァーに富むリズム・セクションも魅力だ。

 そんなアルドランドの3作目のアルバム『Trois』がリリースされた。メンバーはこれまでゲスト参加してきたギタリストのローレン・ギエも加わり、5人編成となっている。フローリアン・ペリシエはフェンダー・ローズ、エレピ、ミニモーグ、アープ・シンセほか各種キーボードやシンセを用い、これまで以上に重層的な鍵盤サウンドを展開する。“Back To Mother Earth” は重厚な出だしからソリッドなビートが始まり、軽快なブギー・ファンクへと展開する。全体的にブリット・ファンクに通じるナンバーだが、途中のヴィブラフォン・ソロやフェンダー・ローズも印象的で、アジムスやロイ・エアーズなどの影響も感じさせる。“Gulf Of Mexico” はスパニッシュ調のフュージョン・ナンバーで、フローリアンのキーボードがダークでミステリアスなムードを掻き立てる中、途中からジプシー調のコーラスも加わって盛り上げる。疾走感に満ちたリズムは思わず体が動き出すようなものであるが、このあたりはダンス・ミュージックが得意な〈フェイヴァリット・レコーディングス〉の作品らしい。

『バード ここから羽ばたく』 - ele-king

(12歳の主人公ベイリー)

 イギリスのこの手の映画、1960年代初頭の「キッチン・シンク・リアリズム」(『土曜の夜と日曜の朝』など労働者階級の生活を描く作品、いわゆる流し台ドラマ)を継承する社会派作品を日本で生まれ育った人間が観ることは、セックス・ピストルズやザ・スペシャルズ、ザ・スミスやスタイル・カウンシル、ハッピー・マンデーズやなんかの音楽体験と近いところがある、といったら言い過ぎだろうか。とはいえ、初めてケン・ローチの『リフ・ラフ』(80年代の格差社会、使い捨て労働、サッチャー政権への強烈な一撃)やハニフ・クレイシ原作の『マイ・ビューティフル・ランドレット』(アジア系移民、労働者階級と右翼、同性愛をテーマにした先駆的傑作)を観たときには、『モア・スペシャルズ』や『オール・モッド・コンズ』、『オリジナル・パイレート・マテリアル』みたいなアルバムをいいなぁと思ったときとある意味似たような感覚/感動を覚えたものだった。マーク・ハーマン監督『ブラス!』(労働者たちの連帯、コミュニティ精神)もピーター・カッタネオ監督『フル・モンティ』(労働者階級文化のぶっ飛んだ再生)も同様。まあ、長いあいだイギリスの労働者階級の音楽に親しんできたせいか、その世界に入りやすいというのもある。『エリックを探して』(労働者階級の温かい人情ドラマ)はローチにしては珍しくユーモアがあり、フットボール文化が題材だったこともあってとくに好きな映画だ。『スウィート・シックスティーン』みたいにノー・フューチャーな作品もいいのだけれど、やはり希望があったほうが健康にはいい。
 ノー・フューチャーな青春ものといえば、ダニー・ボイルの『トレインスポッティング』がよく知られるところだ。もっとも、あれは『スウィート・シックスティーン』とくらべるとずいぶんポップで、(ヘロインを扱いながらも)スタイリッシュだし、格好いいんだけど消費されるのも早かった。ボイルの『ピストル』もどうかと思ったけれど、ひとつだけあのドラマで好きなところがある。ピストルズがイギリスでのツアーの最後に、クリスマスの夜、ストライキ中の消防士の子どもたちのためにチャリティ演奏をやった場面を描いたことだ。見落とされがちだけれど、ああいう日本でいえば山田洋次的な人間味がピストルズには(ジョニーにもシドにも)あったのだろう。

 アンドレア・アーノルド監督の最新作『バード ここから羽ばたく』も人間味あふれる映画で、「キッチン・シンク・リアリズム」系の良きところを継承している。社会の底辺で生きる人たちのドラマを通して見える暗い現実、それにもめげない希望というか逞しさというか前向きさというか……、音楽もあるし、完全に好みの映画で、ぼくと似たような趣味の人には声を大にして推薦したい。なにしろこの映画の音楽はBurialが担当しているのだ。そればかり、なんとなんとジェイソン・ウィリアムソンが(ちょい役だが)役者として登場する。スリーフォード・モッズの曲だってかかるんだから、これはもうあなた、必見なのである!

(スクーターを運転しているのは少女の彼氏ではなく父親バグ。この男がオモロいです)

 社会派で、リアリスティックであるとはいえ寓話的で、『エリックを探して』的な、いや、ティム・バートン的なファンタジーも入っている。陰惨であるけれどそれに負けない陽気さがあるし、ローチ作品に出てくるような汗水流す肉体労働者もパートタイマーも、そもそも大人らしい大人が登場しない。
 舞台は不法占拠居住区なのだろう、物語の中心人物のひとり、主人公の父親は手に入れたヒキガエルから分泌される液体(かなり強力な幻覚作用で有名)を売ったりしている。その男バグとその娘ベイリー、このふたりを主軸に、少女の義理の兄、そして少女の前にとつぜん姿を現したバードと名乗る謎の男との関係を交えながら物語は進行する。いやー、映画の冒頭、フォンテインズDCの “Too Real” をバックにキックスクーターに乗って少女を家まで送る入れ墨だらけの男がその父親だったという設定、まずはここで不意打ちを食らった。この強烈なキャラクター、12歳の内向的な娘に真顔で説教しながらライン(コカイン)を引いたりしているシングル・ファーザーのバグは、じつにケシカラン男なのだが、憎めないヤツだったりもする。
 
 これは、とことん解体された貧困層における近代的家族なる共同体が、あたらしく生まれ変わろうともがいている話だ、などというと『パラサイト』や『万引き家族』を連想されるかもしれないが、印象がずいぶん違っているのは、こちらにはコミュニティ精神と音楽があって、例によってぶっ飛んでいる──というか、もはや近代家族の原型すらないくらい解体されている。だからシリアスな話ではあるが、イギリス的なユーモアのこもった、悲劇のなかの喜劇なのだ。
 たとえば、ここはとくに大笑いしたシーンだが、コールドプレイ(というじつに気真面目なバンド)の曲がかかる場面。カエルの分泌を促すにはいい音楽が必要ということで、選曲されたコールドプレイの代表曲 “Yellow” を、入れ墨だらけの男たちがカエルに向かって大合唱する光景を想像してみてくれ。スリーフォード・モッズの “'Jolly Fucker” を爆音で鳴らして父親とその仲間たちが大騒ぎするシーンもいいし、ヴァーヴの音楽に対して子どもたちが「オヤジ臭い」と反応する——そして「たまにはオヤジの音楽もいいだろう」と応答する——場面もウィットがあった(ヴァーヴの場面でかかるのはオアシスであるべきなのだが)。ブラーの “The Universal” もほとんど『フル・モンティ』的な、つまり金のない連中が集まって悪ノリする際の、イギリス的ギャグにおいて使用される。
 コメディ映画ではないし、目を背けたくなるような暴力シーンもある。だが、最後には泣けるし、見終わったときの気分はいい。思わず大阪の宮城に電話して、「俺らまだまだイケるぜ!」と言いたくなった。そうだよ、問題はなにひとつ解決していないけれど、嬉しくなるのだ。それから、電気キックスクーターにフェイドカットにエドガーカット(髪の裾を極端に刈り込んでいる髪型)、スポーツウェアにスポーツシューズと、現代のUKストリート文化の流行もちゃんと押さえている。ただし、こちらはボイルというよりローチよりで、まあなんにしてもイギリス映画の十八番というか、好きな音楽のかかる映画はいいモノだ。

(少女の異母兄)

「どこへ?」 - ele-king

 恵比寿リキッドルームのサブ・フロアとしても知られるTimeOut Café & DinerとKATAの2会場にて、目的なく音楽に没頭することをコンセプトとしたリスニング・イヴェント「どこへ?」が9月13日(土)に開催。
 
 岡田拓郎によるソロ・ギターセットからMOODMAN、Shhhhhの2名による非ダンス的アプローチなDJセットまで、ほかではなかなか体感できないサウンド・テクスチャーに触れる絶好の機会となりそうです。

Simon Frank - ele-king

 Mars89が主宰するレーベル〈Nocturnal Technology〉より、カタログ10枚目を飾る新譜のリリースです。

 カナダに出自を持ち上海を拠点に活動する音楽家・サイモン・フランクによるアルバム『VICTIM OF A NEW AGE』は、ブルボンズ・クオークやフラックスなどの影響下にある9曲入のEBMライクな作品で、レーベル曰く「アウトサイダーポップとダンス、オールドスクールと未来志向が交錯する、ポストパンク・エレクトロ」とのこと。かような矛盾を両立させることであらたな視点を浮かび上がらせるような作風は、まさしく日本の音楽家・Mars89の持つ美学と通ずるところもあり、上海と東京の2都市をつなぐ1枚であることがうかがえる。

 マスタリング・エンジニアにはTorei名義で音楽家としても活動するRei Taguchiが参加、闇夜に立ち現れるアンダーグラウンドの美学をひしひしと感じられつつ、「ニューエイジの犠牲者」という皮肉なタイトルにはかつてレイヴがわれわれに見せてくれた夢のつづきが投影されているような気も。デジタル/カセットともにBandcampにて発売中。

Artist: Simon Frank
Title: VICTIM OF A NEW AGE
Label: Nocturnal Technology
Format: Digital / Casette
Release Date: 2025.8.21
Buy / Stream: https://nocturnaltechnology.bandcamp.com/album/victim-of-a-new-age

Tracklist:

1. Premonition
2. Unmask
3. Cave
4. Attrition
5. Puppetmaster
6. Shopping Mall
7. Pass
8. Classic Cars
9. Victim of a New Age

Composed by Simon Frank
Mastered by Rei Taguchi (Saidera Mastering)

 Mars89主宰のレーベルNocturnal Technologyより、上海を拠点に活動するカナダ出身のプロデューサー、サイモン・フランクによるNew-Wave / EBMスタイルのアルバムVICTIM OF A NEW AGEが登場。ミニマル・シンセのソングブックからそのまま抜け出したような皮肉っぽいボーカルが、アシッドなベースライン、歪んだブレイクビーツ、渦巻くダブ・エコーと組み合わさり、全体を通してオールドスクールでアナログライクな雰囲気を保ちながらも、断固として未来志向なアルバムとなっている。

アーティスト・ステートメント:
2021年の夏に前作のアルバムをリリースしてから数か月後、私はElektron Digitaktのサンプラーを購入した。しばらくの間、かなり限られた機材で音楽を作ってきたので、サンプルや、より直接的でない構造でどう実験できるか試してみたかった。制作には時間がかかった。理由の一つは北京から上海への引っ越しであり、もう一つは2022年の中国での生活がコロナ禍の影響でやや不安定だったからだ。しかし最終的に、新しいサンプラーを使ってブレイクビーツを演奏・加工する方法を習得し、それが新たな可能性を切り開いた。そして、産業音楽やパンクが新しいテクノロジーによってより柔らかくファンキーなものへと変化した2枚のアルバムのことを考えるようになった。Bourbonese Qualkの My Government Is My Soul とFluxの Uncarved Block だ。Bourbonese Qualkのアルバムを初めて聴いたとき、あまりにもアンダーグラウンドな作品なのに、子どもの頃に初めて触れたエレクトロニック・ミュージック——Fatboy SlimやThe Chemical Brothers——を思い起こさせたことに驚いた。私はそれと同じように、奇妙でありながら耳に残り、そして少し素直さを恐れないようなエネルギーを持つ作品を作りたいと思った。
 私は普段、自宅で曲を書き、その後ライブで演奏して、うまくいく部分、そうでない部分、そして即興の中で現れる細かなディテールを確認している。今作の全曲も、ロックのライブハウスやダンスミュージックのクラブで演奏しながら練り上げた。
 キックドラムが4つ打ちのときでも、パーカッション、サンプル、シンセラインを使って、リズムに動きや、見かけ以上の複雑さを与えるように心がけた。よりブレイクビーツ主体やテンポの遅い曲を作る際には、90年代に子どもとして聴いた音楽の曖昧な記憶を思い出していた。それは、前述のメインストリームなアーティストだけでなく、当時父がよく聴いていたBill Laswellのプロジェクトや、最近になって知ったScornやTechno Animalといったアーティストも含まれる。また、スウェーデンの The Flesh-Eating Bugs の2022年のアルバム Melting Pot にも影響を受けた。この作品は、まるでブレイクビーツを用いて作られたノイジーなインディーロックのようだ。「Premonition」は、非常に霧の濃い午後に、自宅近くの明代の墓の周囲を散歩した後に書いたもので、そのゴシックな音はその影響かもしれない。「Pass」については、書き始めたときには意図していなかったが、プロト・ダブステップのような響きがあるところが気に入っている。
 上海は多くの点で北京よりも暮らしやすいが、容赦なく商業主義的でもある。いくつかの歌詞を書くときには、文化が単なる消費の対象にすぎない場所で文化を創るということがどういう意味を持つのかについて考えていた。アルバム制作の終盤にはウィリアム・ギブスンの作品を多く読んでおり、その先見的で(暗い)未来像だけでなく、過去のイメージや観念が私たちをどのように付きまとっているかという彼の描写にも刺激を受けた。振り返ってみると、このテーマは「Victim of a New Age」や「Classic Cars」にも現れていると思う。

アーティストバイオグラフィー
サイモン・フランクはカナダに生まれ、ニューデリーと北京で育ち、現在は上海に在住している。彼は高校生の頃に音楽活動を始め、2008年のオリンピック前後に中国の首都で芽生えたアナーキーなノイズおよび実験的ロックのシーンに参加した。インド古典音楽や自由即興から着想を得た濁ったドローンやループによる実験を経て、彼の音楽は徐々にポストパンク・エレクトロニクスへの独自のアプローチへと進化し、アウトサイダー・ポップと没入型のダンスミュージックが同等の割合で融合するスタイルとなった。ミニマル・シンセのソングブックから抜け出したような皮肉げなボーカルが、腐食性のアシッドハウスのベースライン、重く響くドラムマシン、歪んだブレイクビーツ、渦巻くダブ・エコーの塊、そしてダンスホール特有の低音圧と結びついている。
サイモンは、兄でありGong Gong Gongのメンバーでもあるジョシュ・フランクとのデュオ Hot & Cold、アレックス・チャン・ホンタイとオースティン・ミルンとの Love Theme、そして Love Research Institute といったバンドで活動してきた。自身のイベント・シリーズ XMQ Presents を通じて、John T. Gast、Phuong-Dan、Tolouse Low Trax、First Hate、Yearning Kru といったDJやアーティストを招聘している。

instagram: https://www.instagram.com/sf_xmq/

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Nocturnal Technology
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Valentina Magaletti & YPY - ele-king

 これは見逃せない共作だ。ロンドンのドラマーにして作曲家、これまでニコラス・ジャーなどとのコラボ経験もあるヴァレンティーナ・マガレッティ(トマガやホーリー・タンとしても活動)、昨年はニディアとの鮮烈な共作を送り出している彼女が、goatKAKUHANなど野心的な活動をつづけている大阪の日野浩志郎(YPY名義)とタッグを組んだ。ドラムス&パーカッションと電子音がせめぎあう、息を呑むような音響空間を堪能すべし。

artist: Valentina Magaletti & YPY
title: Kansai Bruises
label: AD 93
release: 22 August 2025

tracklist:
1. One Hour Visa
2. Kansai Bruises
3. Float
4. Lantern Lit Run
5. Her Own Reflection
6. Silhouette
7. Interlude for Fog Days
8. Pesto

https://ad93.ochre.store/release/518490-valentina-magaletti-ypy-kansai-bruises

Terry Riley - ele-king

 強力なアイテムの登場だ。テリー・ライリーが〈コロムビア〉に残した4作品、それらをまとめたボックスセットがリリースされる。60年代に録音された問答無用の『In C』と『A Rainbow in Curved Air』はもちろんのこと、70年のジョン・ケイルとの共作『Church of Anthrax』、そして80年の『Shri Camel』まで網羅した豪華なセット。ブックレットも充実しており、セッション時の写真やオリジナルのライナーノーツ、新たなエッセイに加え、日本仕様盤ではそれらの翻訳と、別途日本語解説もつきます。発売は明日、8月27日。

テリー・ライリーがColumbiaレーベルに録音した名作4題をボックス化

テリー・ライリー
「コロンビア・レコーディングス」

(インC/ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー/チャーチ・オブ・アンスラクス/シュリー・キャメル)
TERRY RILEY / THE COLUMBIA RECORDINGS
(In C / A Rainbow in Curved Air / Church of Anthrax / Shri Camel)

■レーベル:SONY CLASSICAL
■品番・価格:SICC-2363-6(2枚組) 定価\6,050(税抜価格¥5,500)
■発売日:2025年8月27日
■形態:4CD/輸入盤国内仕様・初回生産限定盤
■(P) 2025 Sony Classical, a label of Sony Music Entertainment

ミニマル・ミュージックと電子音楽に多大な影響を与え続ける先駆的な作曲家テリー・ライリーの代表作である『インC』をはじめとしたコロンビア・レコード時代のアルバム4作品を収録したボックスセットです。本作は単なる録音の集大成を超え、アヴァンギャルドがメジャーレーベルのスタジオに根を下ろし、ライリーのような先駆的なアーティストが未踏のサウンドの領域を探求する余地を与えられた時代の貴重な記録と言えましょう。彼の魅惑的なエレクトリック・キーボードとサックスの即興演奏から、テープやデジタル・ディレイの先駆的な使用まで、ここにあるすべてのトラックに脈打つ実験精神は、その後の音楽の発展に大きく寄与し、現代音楽の範疇を超えてロックやポップス、現代のテクノにまで伝播しました。
添付されたブックレットの資料的価値も大きく、セッション時の写真やオリジナル・ライナーノーツ、新たに書き下ろされたエッセイを含む貴重な内容となっています(輸入盤日本仕様/欧文ライナー日本語翻訳付き(翻訳:高橋智子)/解説:畠中実)。

【CD1】
テリー・ライリー『インC』
TERRY RILEY / IN C

1 インC In C 41:59

<演奏>
テリー・ライリー:作曲、アンサンブル・リーダー、サクソフォーン
ニューヨーク州立大学バッファロー校、創造・演奏芸術センターのメンバー
録音:1968年4月29日、5月1日、2日 コロンビア30丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD2】
テリー・ライリー『ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー』
TERRY RILEY / A RAINBOW IN CURVED AIR

1 ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー A Rainbow in Curved Air 18:40
2 ポピー・ノーグッド・アンド・ザ・ファントム・バンド Poppy Nogood and the Phantom Band 21:40
3 ア・レインボー・イン・カーヴド・エアー ラジオ放送用スポット広告(ボーナストラック) Radio Spot: A Rainbow in Curved Air (bonus track). 0:58

<演奏>
テリー・ライリー:エレクトリック・オルガン、エレクトリック・ハープシコード、ロックシコード、ドゥムベック、タンバリン
録音:1969年5月23日、6月3日(1、3)、3月24日、27日、28日(2) コロンビア52丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD3】
ジョン・ケイル&テリー・ライリー『チャーチ・オブ・アンスラクス』
JOHN CALE & TERRY RILEY / CHURCH OF ANTHRAX

1 チャーチ・オブ・アンスラクス Church of Anthrax 9:00
2 ヴェルサイユ宮殿の鏡の回廊 The Hall of Mirrors In the Palace of Versailles 7:55
3 ザ・ソウル・オブ・パトリック・リー The Soul of Patrick Lee 2:47
4 3月15日 Ides of March 11:03
5 庇護された者 The Protégé 2:47

<演奏>
ジョン・ケイル:ベース、ハープシコード、ピアノ、ギター、ヴィオラ、オルガン
テリー・ライリー:ピアノ、オルガン、ソプラノ・サクソフォーン
録音:1970年1月23日、コロンビア30丁目スタジオ(ニューヨーク)

【CD4】
テリー・ライリー『シュリー・キャメル』
TERRY RILEY / SHRI CAMEL

1 三位一体の聖歌 Anthem of the Trinity 9:25
2 天界の峡谷 Celestial Valley 11:32
3 はるかな太古の湖をこえて Across the Lake of the Ancient World 7:26
4 氷の砂漠 Desert of Ice 15:13

<演奏>
テリー・ライリー:エレクトリック・オルガン、コンピューターによって制御されたデジタル・ディレイ
録音:1980年 CBSスタジオ(サンフランシスコ)

その彼方には、魅惑的な静寂が広がっていた……

ジャズの奥深くに広がるサイレンス
かつてない斬新な観点からつづられる未来的なエチュード

新しい音楽の聴き方、そして静と動が完璧に繋がった世界

マイルス、イーノにはじまり、「静寂の次に最も美しい音」のキャッチフレーズで知られるECM、菊地雅章の忘れられたシンセサイザー作品、芦川聡や吉村弘、尾島由郎ら日本の環境音楽の開拓者たち、そして清水靖晃から高田みどりまで

著者入魂、7年ぶりの書き下ろし

四六判変型並製/352ページ

[著者]
原 雅明(はら まさあき)
文筆家、選曲家。レーベルringsのプロデューサーとしてレイ・ハラカミの再発等に携わり、LAのネットラジオ局dublabの日本ブランチの設立に関わる。リスニングや環境音楽に関連する企画、ホテル等の選曲も手掛ける。早稲田大学文化構想学部非常勤講師。著書に『Jazz Thing ジャズという何か』『音楽から解き放たれるために』など。

『アンビエント/ジャズ』刊行に寄せて
──著者・原雅明による「前書きの前書き」をこちらにて公開中

刊行記念イベント開催決定!
・9/23@WPU Shinjuku
・10/13@野口晴哉記念音楽室
→詳細は本ページ下部をご確認ください

聴きながら読む──「アンビエント/ジャズ」プレイリスト公開中

Ambient/Jazz - between Miles Davis and Brian Eno Chapter 1&2

Ambient/Jazz - between Miles Davis and Brian Eno Chapter 3&4

Chapter 1 & 2 (YouTube Music)
https://music.youtube.com/playlist?list=PLwIEk49IRfMR35xvuGibFfpPlj9YORa1a&si=LV-Nsb82ydiGGv2A

Chapter 3 & 4 (YouTube Music)
https://music.youtube.com/playlist?list=PLwIEk49IRfMRRFpcQIW6O2CwFCSzfiZfI&si=21PsB4WMVhMTMw49

目次

intro

第1章 マイルス・デイヴィスのジャズとアンビエント

1 空間の拡張と時間の遅延──第2期クインテットにおける試行錯誤
2 エレクトリック期に試みられたトーン・ポエム/アンビエント
3 アップデートされる80年代以降のマイルス

第2章 ブライアン・イーノのアンビエントとジャズ

1 オブスキュアとギャヴィン・ブライヤーズ
2 アンビエントの誕生
3 アンビエント・シリーズの発展
4 ダニエル・ラノワの『Belladonna』とその後のイーノ

第3章 ECM もう一つのジャズとアンビエント

1 マンフレート・アイヒャーとジャン=リュック・ゴダール
2 多様なるECMの世界

第4章 日本におけるジャズと環境音楽の往還

1 菊地雅章が残した浮遊するサウンドとハーモニー
2 日本の環境音楽の開拓者たち──芦川聡、吉村弘、尾島由郎
3 清水靖晃の「質感」
4 今日まで続く高田みどりの挑戦

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刊行記念イベント①

dublab.jp presents
Listening Event “AMBIENT / JAZZ”

dublab.jpのファウンダーであり、文筆家、選曲家、レーベルringsのプロデューサーである、原雅明の新刊「アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜」の出版を記念したイベントの開催が決定。
ゲストに環境音楽のシーンを牽引し、海外からの再評価も高い尾島由郎氏を招聘し、書籍の本質をトーク&リスニングで解剖。また、「AMBIENT / JAZZ」を各々の解釈で展開させていくDJによるサウンドが空間を演出します。

また、会場では、新刊『アンビエント/ジャズ──マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』をはじめ、本書のコンセプトである「アンビエント/ジャズ」に関連した書籍を揃えたポップアップ・ブックストアも出店します。

ぜひ、皆様の来場をお待ちしております。

会場: WPU Shinjuku
https://hotel.wpu.co/shinjuku/

日時: 2025年9月23日(火祝)
14:00-19:30

入場無料

Talk&Listening:
Masaaki Hara
Yoshio Ojima

DJ:
DJ Emerald
grrrden
JIMA 
mamekx

Support:
ADAM Audio

14:00-15:00 mamekx
15:00-16:00 DJ Emerald
16:00-17:00 JIMA
17:00-18:30 Talk&Listening: Masaaki Hara, Yoshio Ojima
18:30-19:30 grrrden

https://dublab.jp/show/listening-event-jazz-ambient-25-9-23/

刊行記念イベント②

「アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜 」出版記念レコード鑑賞会

10.13.2025(mon.祝日)
野口晴哉記念音楽室
open 16.00 start 17.00
¥3000(+1d order制)※Limited 20/reservation only

Masaaki Hara 
Takuro Okada
野口晴哉記念音楽室にて、ele-king booksより刊行された原雅明氏の新著 『アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』 の出版を記念し、リスニング会を開催致します。
セレクターには著者の原氏、そしてレコードコレクターとしても名高い、音楽家・岡田拓郎氏をお招きし、新刊に関連する作品をレコードで聴きながら、お二人の対談を行い、「聴く/聞く」ことを掘り下げる一夜となります。
限定20名、予約制のささやかな会となります。参加ご希望の方は、お名前と人数を明記のうえ、全生新舎instagramのDMにてお申し込みください。

※入場時にIDチェックがあります。
身分証明書をご持参ください。

お詫びと訂正

このたびは『アンビエント/ジャズ』をご購入いただきまして誠にありがとうございます。
同書に誤りがありましたため、謹んで訂正いたしますとともに、
お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

●59ページ 6行目

誤 『The Complete Bitches Brew Sessions』
正 2003年リリースの『The Complete Jack Johnson Sessions』

●同 9行目

誤 『The Complete Bitches Brew Sessions』
正 『The Complete Jack Johnson Sessions』

●169ページ 注4の7行目

誤 ディオ演奏
正 デュオ演奏

●185ページ 8行目

誤 彼の音作り方から、
正 彼の音の作り方から、

●209ページ 5行目および9行目

誤 「All of My Life」
正 「All My Life」

●218ページ 後ろから4行目

誤 ルアカ・ポップ
正 ルアカ・ボップ

●281ページ 後ろから1行目

誤 「Wind 1,2」
正 「Air 1,2」

●282ページ 1行目

誤 「Wind 3」
正 「Air 3」

●同 3行目

誤 「Wind 4,5」
正 「Air 4,5」

●297ページ 8行目および10行目

誤 吉川
正 吉村

●312ページ 3行目

誤 濱野
正 濱瀬

Mechatok - ele-king

 月に10日ほどクラブで過ごす生活サイクルも、気づけば4年以上続いている。DJで、取材で、遊びで、理由はいろいろあるけれど、とにかく今日も明日もクラブに行く。映画館でエンドロールまで席を立たないのと同じように、フロアには大抵最後までいる。もちろんそんな暮らしを続けていると、ヘトヘトに疲れ果てる。最近はいよいよ体力も落ち込んできたのか、帰宅後に家の天井とSNSのタイムラインを交互に眺めるだけの時間を過ごして後悔することも増えたけど、あれにはあれでダウナーな陶酔感があって、後ろめたいけれど心地いいし、虚しい反面なにかが満たされた気にもなる。

 ドイツのプロデューサー・Mechatokによる1stアルバム『Wide Awake』には、本人が意図したかはさておき、そうした「空虚な心地よさ」という相反する感覚が詰まっている。作品のモチーフには「(現代インターネットを支配する)アルゴリズム」や「デジタル過剰刺激」といった要素も織り込まれているそうで、いかにも2020年代らしいジャンルレスな作風でありながら、奥底にはどことなくアイロニカルな眼差しを感じる。

 Drain Gangやヨン・リーン、チャーリーXCX、オーケールーといったスターたちとコラボレーションを重ねてきたMechatokは、1998年生まれのプロデューサー。6歳からクラシック・ギターに触れ、14歳ごろにはすでにエレクトロニック・ミュージックの制作をはじめていた彼は、年齢に反してヴェテランとして成熟しきっている。音楽制作をはじめて間もないころ、黎明期のSoundCloudに氾濫していたオブスキュアな音楽群に強い刺激を受けてエクスペリメンタル・ポップとクラウド・ラップの道を歩みはじめ、程なくしてBladee率いるDrain Gangの面々やヨン・リーンといったクラウド・ラップ勢と合流し、気づけば20代のうちに(2020年代における)世界最高峰のプロデューサーのひとりと目されるようになった。
(UKでいまもっとも勢いのあるアンダーグラウンド・ラッパー、Fakeminkと近年は寡作気味なEcco2Kをフィーチャーしたシングル “MAKKA” も今年大きな話題を集めた)

 そんな彼が、いまこのタイミングでキャリア初となるアルバム『Wide Awake』をリリースしたのはなぜか。UKのメディア〈CLASH〉に掲載されたインタヴューでは、そもそもずっとアルバムを作りたかったこと、ビートメイクやプロデュース、DJセット、パーティ主催、インスタレーションといった多岐にわたる活動のほとんどはリサーチ期間のようなものであり、長い時間をかけてインプットを続けた末のリリースであると打ち明けている(Mechatokは同インタヴューで「これが本格的な音楽キャリアのはじまり」とすら語っている)。
 また、本作には海外ツアー生活と部屋で独りでSNSをスクロールする時間を繰り返すMechatok自身の両極端な暮らしぶりが投影されており、躁状態と憂鬱を行き来するような作品でもある、といったことも明かされている。

 つまり『Wide Awake』は工業製品のようなエレクトロ・ポップではなく、むしろ現代を席巻するクラブ・ライクなポップスの奥底にある虚しさを浮き彫りにする作品であるように思える。本作は『brat』のエピゴーネンではなく、『choke enough』のような作品と共鳴するもの、と捉えるほうが納得感も増す。

 アルバムの最後を飾る “Sunkiss” のように、本作には至るところにアンビエント・トランス的な旋律が配置されている。それはリヴァイヴァルしたエレクトロクラッシュと同様、ここ数年である程度出し尽くされた方法論でもあり、いまあえて取り入れる必然性を感じない……というのが最初に視聴したときの率直な感想だった。けれど、本作を「クラブ・ミュージックではない」という前提で聴き返してみると、そうしたサウンドを取り入れたのは高揚感を煽るためではなく、醒めた現実を見つめ直すためなのではないか、という新しい視点を持つことができる。

 一聴すると流行りの華美な音に聴こえる収録曲は、じつはいずれもパーソナルな虚しさを投影するにふさわしい。音が止まって明かりがつけられたクラブの景色がそうであるように、暗さよりも明るさが強く絶望や虚無を代弁するというのは、そう珍しいことでもないだろう。

 この「クラブ・ライクではあるもののクラブ・ミュージックではない」という本作の特徴は、ポスト・ハイパーポップの時代を迎えたいま、改めて注目すべきスタンスであるようにも思える。そもそも思い返せば、パンデミックを揺りかごにして成長を遂げたハイパーポップ的なものは、Air PodsやBluetoothスピーカーなどを介して内耳や家の中でのみ聴かれるベッドルーム・サウンドであった。それが隔離の時代を終え、反動のようにクラブを覆い尽くしていったのがここ2年ほどのこと。我々はたった2年でこの新しい音楽群の正体──クラブを幻視し、空想する音楽であるという性質──を忘れかけていたのかもしれない。
(「ベッドルームで育まれたものが外界の価値観を大きく揺るがす」という流れはかつてのインディ・ポップやヴェイパーウェイヴが辿った足跡でもあり、僕はそこにロマンを感じるし、心から応援したいとも思っている、けれど。)

 『Wide Awake』はフロアの熱狂のなか、恍惚とした状態で聴くよりは、独りで酔いの醒めたあとに聴くほうがフィットする作品である。しばらく帰り道はこれを聴こうと思う。『Untrue』のアートワークのような表情で、疲れきった状態で、楽しいはずなのに虚しい、という矛盾を噛みしめながら。

Makaya McCraven - ele-king

 現代ジャズにおけるキーパースンのひとり、ドラマーのマカヤ・マクレイヴン。彼の名を広めることになった2015年のアルバム──シカゴのポスト・ロック系の音楽家たちをフィーチャーした『In The Moment』について、ジャズ批評家のネイト・チネンは「アンビエントなヒップホップ曲と思えたものが、思いがけずポスト・バップな横道に逸れていく」と記し、「J・ディラの時代にまず錠が解除されたドアを大きく開け放った」と評価している(『変わりゆくものを奏でる』より)。ようは因習にとらわれない好例ということで、ビートメイカーでもあるマクレイヴンの特質をうまくとらえた表現だけれど、そんな彼の冒険心はギル・スコット・ヘロンの再構築〈Blue Note〉の再解釈、伝統的な作曲方法に立ち返った『In These Times』などの意欲作を経てなお、衰えることを知らないようだ。
 ということで、マカヤ・マクレイヴンの新作EPが出る。しかも4枚も。一気に。それらをまとめた作品『Off the Record』も出るそうだ。発売は10月10日、〈XL〉より。今回も見逃せない。

Makaya McCraven
これはジャズの次なる進化

マカヤ・マクレイヴンが新作EP4作品のリリースを発表!
先行で4曲を本日リリースし、4作品全てをコンパイルした作品
『Off the Record』が、CDとLPで10月10日に発売決定!

 今の時代、人はスマートフォンやヴァーチャルな世界で容易につながれるようになった。だがその一方で、何が本物で、何が偽物なのか、その境界線はどんどん曖昧になってきている。本当に大切なのは、実際に“そこに居た”ということ。その現場に身を置き、音を体で受け止めたという体験に、勝るものはない。
-マカヤ・マクレイヴン

 現代ジャズを代表するドラマー、コンポーザー、プロデューサーのマカヤ・マクレイヴン。〈International Anthem〉からの諸作、ギル・スコット・ヘロンやブルーノート作品の再構築盤などで一躍名を挙げ、また2024年に開催された来日公演の熱狂が記憶に新しい彼が、純粋な即興演奏の瞬間、ライヴでのパフォーマンス中に録音された音源が収録され、空間や観客の存在までもが音に反映されている、互いに独立しながらも有機的につながり合う4枚の新作EP『Techno Logic』『The People’s Mixtape』『Hidden Out!』『PopUp Shop』を先行シングル4曲(各EPからそれぞれ1曲ずつ)とともに発表した。さらに、この4枚のEPをまとめた作品『Off the Record』も、〈XL Recordings〉〈International Anthem〉〈Nonesuch〉より2枚組LPとCDで10月10日に発売される。また、10月31日にデジタル/ストリーミング配信が開始される。

 本作は、GRAMMY が「マクレイヴン史上もっとも野心的な作品」と評した2022年の傑作『In These Times』以来の作品であり、マカヤが2015年のデビュー作『In the Moment』で確立し、その後の『Highly Rare』(2017年)、『Where We Come From』(2018年)、『Universal Beings』(2018年)で深めてきた “オーガニック・ビート・ミュージック”の真髄があらためて表現されている。マカヤは彼のライブ音源をシカゴの自宅スタジオで、編集・オーバーダブ・ポストプロダクションを重ねることで、彼独自のサウンド世界へと再構築している。そんな4つのEPまとめた『Off the Record』は、単なる音源集ではなく、創造性と共同性に満ちた、“その場にいた”からこそ生まれた音楽の瞬間を祝福するドキュメント作品でもある。

以下各EPに関して:

『Techno Logic (feat. Theon Cross & Ben LaMar Gay)』
配信リンク >>> https://makayamccraven.ffm.to/techno-logic

ベン・ラマー・ゲイとセオン・クロスが参加。2017年のロンドン、2024年のベルリン、そして2025年のニューヨークでのライヴ録音から構成されており、この3人の間に築かれてきた約8年間にわたる音楽的な信頼関係が刻まれている。彼らの最初の出会いは、Worldwide FMのかつてのロンドン北部スタジオでのセッションだった。

『The People's Mixtape』
配信リンク >>> https://makayamccraven.ffm.to/the-peoples-mixtape

2025年1月にブルックリンのPublic Recordsで行われたライヴ録音を土台としている。この公演は、マカヤが自身の代表作『In the Moment』の10周年を記念して開催したものであり、同作のセッションを通じて確立した即興言語に、意図的に立ち返る試みでもあった。この特別な夜にマカヤと共演したのは、ベーシストのユニウス・ポールとトランペット奏者のマーキス・ヒル。いずれも『In the Moment』において重要な役割を果たした演奏者たちだ。さらに、『Universal Beings』(2017年)のセッション以来の常連コラボレーターであるヴィブラフォン奏者のジョエル・ロス、そしてマカヤにとって初共演となるアンビエント・ジャズ・プロジェクト、SMLの共同リーダーであり、〈International Anthem〉所属のシンセ奏者、ジェレミア・チウも加わった。

『Hidden Out!』
配信リンク >>> https://makayamccraven.ffm.to/hidden-out

2017年6月にマカヤがシカゴのThe Hideoutで行ったレジデンシー企画での録音を基に構成されている。この期間、彼は毎週入れ替わりのメンバーとともに即興演奏を行っており、参加者にはユニウス・ポールに加え、トータスのメンバーであり、〈International Anthem〉のレーベルメイトでもあるギタリスト/作曲家のジェフ・パーカー、さらに同じくSMLの共同リーダーでありグラミー賞受賞歴を持つアルトサックス奏者/プロデューサーのジョシュ・ジョンソンが名を連ねている。

『PopUp Shop』
配信リンク >>> https://makayamccraven.ffm.to/popup-shop

2015年にマカヤがロサンゼルスのDel Monte Speakeasyで初めてパフォーマンスを行った際の録音を基に制作された。このとき彼は、シカゴのDJ/キュレーターであるキング・ヒッポと、サンフランシスコ発の前衛的な音楽プラットフォーム、Grown Kids Radioが企画したイベント「RAWS:LA」に出演し、ギタリストのジェフ・パーカー、ヴィブラフォン奏者のジャステファン、ベーシストのベンジャミン・J・シェパードと即興セッションを行っている。  

マカヤ・マクレイヴンの最新EP4作品をコンパイルした『Off the Record』は、CD、LPで10月10日(金)に世界同時リリース。10月31日にデジタル/ストリーミング配信が開始される。国内盤2CDには歌詞対訳・解説書が封入され、ボーナストラックとして「Tic Tac」が収録される。輸入盤は2CDと2LPが発売され、LPは、日本語帯付き2LP(日本語帯付き/歌詞対訳・解説書付き)も発売される。

artist: Makaya McCraven
title: Off the Record
release date: 2025.10.10
label: XL Recordings / Beat Records
Pre-Order: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15296

Tracklist:

CD1
01. YoYoYo Intro
02. Venice
03. Imafan
04. Los Gatos
05. Sweet Stuff
06. Battleships
07. Away
08. Dark Parks
09. Awaze
10. News Feed
11. Braddas
12. Tic Tac (Bonus Track for Japan)

CD2
01. Gnu Blue
02. Technology
03. Boom Bapped
04. Prime
05. Strikes Again
06. Choo Choo
07. The Beat Up
08. What a Life
09. Lake Shore Drive Five

・国内盤2CD
(解説書・歌詞対訳付き/ボーナストラック収録)
・輸入盤2CD
・輸入盤2LP
・日本語帯付き2LP
(日本語帯付き/歌詞対訳・解説書付き)

bar italia - ele-king

 当初は顔も明かさぬミステリアスなバンドだったバー・イタリア。ディーン・ブラントが一枚かんでいるのではないか、という点からも注目されたりした彼らだけれど、〈Matador〉へと移籍して以降は表立ってメディアにも登場するようになり、2023年の2枚──『Tracey Denim』と『The Twits』──はそれまで以上にバー・イタリアの存在を知らしめるアルバムとなった。
 そんな彼らの新たなオリジナル・アルバムが10月17日にリリースされる。題して『Some Like It Hot』。先行公開中の “Fundraiser” を聴きながら、楽しみに秋を待ちましょう。

artist: bar italia
title: Some Like It Hot
release date: 2025.10.17
label: Matador Records / Beat Records
Pre-Order: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15295

Tracklist:
01. Fundraiser
02. Marble Arch
03. bad reputation
04. Cowbella
05. I Make My Own Dust
06. Plastered
07. rooster
08. the lady vanishes
09. Lioness
10. omni shambles
11. Eyepatch
12. Some Like It Hot
13. FH (Bonus Track for Japan)

・国内盤CD
(解説書・歌詞対訳付き/ボーナストラック収録)
・輸入盤CD
・輸入盤LP(ブラック)
・限定盤LP(ターコイズ・ヴァイナル)
・日本語帯付きLP
(日本語帯付き/歌詞対訳・解説書付き/ターコイズ・ヴァイナル)
・国内盤CD+Tシャツセット
・日本語帯付きLP+Tシャツセット

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