「ele-king」と一致するもの

Kiki Kudo - ele-king

 ライターやアーティスト、ミュージシャンとして活躍してきた工藤キキ、2011年からはニューヨークに移住し、いつの間にかシェフとして、「食」文化の実践者として名をあげている。彼女による実践的な料理本『KIKIのニューヨーク・ベジタリアン入門』は、彼女の生活のなかで生まれ、多くの人たちの舌を喜ばせてきた具体的な作り方が全ページカラーで紹介されている、とても役に立つ本だ。アート表現をかねがら楽しみながら作り、その食のクオリティも重視しつつ、あまりお金のかからない現実なベジタリアン料理が48も掲載されている。とくに音楽好きには説明文のなかに微笑ましい話もあるので、お薦め。食材の値上げが半端ない今日この頃ですが、財布に優しいこの本のレシピを片手に、毎日を楽しみましょう。発売は11月30日です。



工藤キキ
KIKIのニューヨーク・ベジタリアン入門 おうちでたべよう ヘルシーレシピ48


K&Bパブリッシャーズ
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Jabu - ele-king

 日本のリスナーにとってブリストル・サウンドが夢を約束してくれる音楽だとしたら、ジャブーの最新アルバムはお薦めだ。あるいは、こうも言える。音楽を夢想の入口として楽しんでいるリスナーにとって、ジャブーにはその扉が確実にある。コクトー・ツインズ、A.R.ケイン、エイフェックス・ツインの『Selected Ambinent Workd Vol.2』、マッシヴ・アタックの “Teardrop” 、ボーズ・オブ・カナダ……こうした音楽を好んでいる人にとっては必聴盤と言っていいだろう。
 アモス・チャイルズ、アレックス・レンダル、ジャスミン・バットの3人からなるジャブーが10年代ゴシックの牙城〈Blackest Ever Black〉から最初のアルバムを出したのは2017年だが、3人ともヤング・エコー集団のメンバー(あるいはKilling Sound、O$VMV$Mなど)でもあるので、2010年代初頭より活動している。初期は地元の〈No Corner〉〔※シーカーズも出したレーベル〕から数枚の7インチを出していたが、セカンド以降は自分たちのレーベル〈Do You Have Peace?(あなたに平和はある?)〉を立ち上げ、リリースしている。

 ブリストル・サウンドというレッテルは、90年代、当事者たちが迷惑していた呼称だったが(当たり前だが、ブリストルにはロックも実験音楽もあり、ポーティスヘッドとマッシヴ・アタックとではアプローチが異なる)、ひとつ言えるのは、70年代末のポスト・パンク時代のブリストルの重要な影響源にはJBやパーラメントがあって、80年代末からのクラブ時代にはヒップホップとニュージャック・スウィングがあったように、ジャマイカから輸入されたレゲエ/ダブを除けば、彼らの混合成分表にはかなりの分量でその時代のアメリカの黒人音楽からの影響があった。
 ヤング・エコー一派にも現行のUSブラックとの繋がりがあるにはあるが、グライムやドリルほど強くはない。2010年代以降の、ベース・ミュージックを通過したその一派は、ダークなサウンドシステム文化における混合主義を継承してはいたが、90年代的ブリストルの亡霊の、ある意味闇雲な引き伸ばし作業のようでもあった。アモス・チャイルズはその中心人物のひとりで、ジャブーにおいては拡張よりも音楽の没入感に重点を置いている。早い話が、こちらのほうが入りやすい。

 ダークかつダウナーなR&Bからドリーミーなそれへと展開したのが前作で、しかし新作『A Soft and Gatherable Star(柔らかく、集めることができる星)』ではR&Bの要素は後退し、コクトー・ツインズの領域に近づきシューゲイザーめいてもいる。メランコリックなメロディはリヴァーブの霧に包まれて、実験性はあるものの、ティルザの1枚目/2枚目のアルバムにも隣接する親密さをもっている。いにしえのブリストルのオルタナティヴ、初期フライング・ソーサー・アタックにも通じる幻想的な雰囲気はローファイな音響へと注がれているが、グルーパーにも似たムードある歌がアルバム全体のトーンを優しくする。世界はぼやけ、滲んでいる。これは、2024年の嬉しいドリーム・ポップ・アルバムだ。

工藤冬里『何故肉は肉を産むのか』 - ele-king

 『供花 町田町蔵詩集』が現代詩に特化した版元・思潮社から発売になったのは1992年、『それから 江戸アケミ詩集』は93年だった。アンダーグラウンドなロック・ミュージックから音を排して詩だけを抽出することに意味があるのか。現代詩として陳列することはどうなのだろうか。意味ということで言えば、文学の言葉の意味を解体するからこそロックなのではないか。反対の立場から言えば、それは一体現代詩なのかどうかといったサジェスチョンが当時ほのかにあったことを思い出す。ヒカシューの巻上公一が先ごろの大岡信賞を受賞したが、90年代初頭から考えると隔世の感がある。

 静岡で活動する詩人、さとう三千魚主催の工藤冬里のライヴは年一回、今年で四回目となった。さとう三千魚が運営するネット上の詩のサークル、浜風文庫に工藤冬里が詩を寄せていて、その書き溜めれた詩をさまざまな演奏方法で朗読するという詩と音楽の会である。毎回長い詩をコンスタントに載せているので、たった一人のライヴでそれらを一度に読むことは実際問題とても体力のいる大変な作業なのだが、八面六臂見ていて胸のすくような精力的なライヴが展開されている。

 最初の会では、バックトラックに朗読を載せるというやり方で、ぼくの受け取りだが、一人ヴェルベッド・アンダーグラウンド、久方ぶりのロックな世界であった。それ以降、ネット上ズーム機能を使って遠くにいるミュージシャンとのコラボであったり、パソコン上の音源と電話を通した少し時差のある声・ことばでの朗読であったり、もちろんギターやピアノの演奏もあり、さまざまな趣向を凝らしてきた。歌うのではなく詩を読むという、音楽家にとっては大きなペナルティーのあるライヴをどのように作っていくのかということを工藤冬里自身が模索している、その模索がこちらに伝わってくると俄然たのしい。マヘル・シャラル・ハシュ・バズでいっしょに演奏をするたくさんのミュージシャンたちがその共同作業のなかで感ずるであろうことにはかなわないだろうが、観客として空間を共にすることも少しは参加することになるのだろうか。

 工藤冬里とともにA-MUSIKに参加をした竹田賢一の『地表に蠢く音楽ども』(月曜社)に、若き工藤さんたちが吉祥寺マイナーにてフリー・ミュージックのライヴやワークショップ等の試行をされていた様子が描かれているが、それはちょうど日本のパンク・ロックの勃興期でもあった。音楽スタイルは違うものの、フリー・ミュージックとパンクは互いに影響をしあい、日本独自のアンダーグラウンドな音楽の土壌をつくってきた(町蔵もじゃがたらもかかわり合ったはずだ)。それから何十年もたった現在、いくらでも「それらしく」(フリー・ジャズらしく、現代音楽らしく)できることの「それらしさ」を悠々と外して、その都度一回きりの音に賭けるようなパフォーマンスはまことに清冽である。

 一昨年・昨年、台湾とヨーロッパのツアーを行い精力的に活動をされているアルトサックス奏者・望月治孝のオープニング・アクトで幕を開ける。3年前にさとう三千魚が上梓した詩集『貨幣について』からの詩のリーディングとアルトサックスの演奏である。ゆっくりゆっくり言葉の文節を区切るように放たれる一つ一つの粒立った音、ツアーで鍛えられたであろう強度をえた音が胸に刺さる。「詩」と「音」が拮抗する。この翌日から彼はまたヨーロッパのツアーに出たとのこと。


国際舞台でも活躍するアルトサックス奏者・望月治孝

 今回の工藤さんのライヴではこれまでとは違い、浜風文庫に載せた詩と、そこに載らなかった詩(つまり皆がまだ未読)が発表された。デトロイトのミュージシャンからコラボ作品を依頼され、その送られてきた音源・バックトラックに詩と演奏をのせるという一時間のライヴであった。

 東京から山本恭子(トランペット)、静岡在住の渡邉直美(クラリネット)が当日急遽参加することが決まり、ライヴ直前にあわただしく打ち合わせているのをみた。マヘルでの共同作業の経験からこのような自由なコラボレーションがあるのだろうか。音源のポップさもあり、今回のライヴは以前よりも聴きやすいものだったが、二人の演奏が加わることでより深みのある音になった。


工藤冬里、そしてサポートする山本恭子と渡邉直美

 一番最初の文に戻る。もうロック詩と現代詩を区別する必要はないのかもしれないが、しかし工藤冬里の書くどこかひりつき尖った詩は現代詩には収まりきらないものだ。

 ロック詩とは意味よりもスタイルを追求したもので、しかしいつまでたってもそれではバカっぽいので、皆ビート詩やフランス文学を読んだりしながら言葉をみがいてきた。間章の絶対零度的な文体があり、「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」(早川義男)という転換点があってかっこいいことの多様性が生まれ、パンク以降さらにさまざまに細分化して現在に至る。工藤冬里の書く詩には、その初期のロック詩が持つかっこよさも、そしてその後の世代の多様化してゆくスタイルを持つロック詩までをも網羅しているように見える。当日読んだ詩では、先日亡くなった反日武装戦線の霧島聡=うーやん(ノンセクト・ラジカルの最後尾)へのシンパシーが叫ばれるし、打ち上げの席で望月治孝が工藤冬里の詩と鮎川信夫の詩の近似性について話していたが、戦後第一世代の現代詩の影響もあるのかもしれない。ニヒリズムとダジャレ、歴史性と現在の時事ネタ=若者言葉が等価に横溢しているし、叙情に流されない叙情性さえ湛えている。古いもの、新しいものを切り捨てないで表現をし続けること。しかも百科事典的な提示ではなく、その一つ一つと向き合い切り取りそれらと対峙する。

 詩が自らの内面と社会との関係にあるのなら、やはりロックの言葉は少しだけ社会の方に内面がはみ出していくような感覚を持つのではないだろうか。だから常に今が、現在が詩に表現される。工藤冬里の詩は〝現在詩〞といっていいのかもしれない。

 主催のさとう三千魚は現代詩のフィールドのなかにいながらどうしても居心地の悪さを感じてしまうような稀有な詩人であり、だからこそ毎年工藤冬里を招聘しているのだろう。普通のライヴよりもちょっとだけ詩にフォーカスを当てる、詩のことに少し比重をのせて考えることのできるこの会はたのしい。あまり体験できないようなライヴなのである。

SUGIURUMN - ele-king

 2023年の9月にリリースした『All About Z feat.遊佐春菜』から始まったSUGIURUMN 7年ぶりのアルバム『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』のリリース・パーティが12月1日(日)に東京・渋谷の〈or MIYASHITA PARK〉にて開催。

 パーティー・トラックとしてだけでなくポップ・ミュージックとしての機能を獲得したダンス・ミュージックに対し、SUGIURUMNは『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』制作時にビートという制約を一度忘れ、自分のなかにあるサウンドを紡ぎ出すことを目指したとのこと。それにともない、オーディエンスが自由を謳歌しつつ音楽を楽しめるリリース・パーティーを開催するようだ。

 SUGIURUMNのリリース・ライヴは、ゲスト・ヴォーカルとして1年以上に渡った『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』プロジェクトのオープニング・トラックを歌った遊佐春菜とアルバムのオープニング・ナンバーを歌った黄倉未来、さらにスペシャル・ゲストを迎えた特別なセットとなる予定。また、オーストラリア出身のSSW/プロデューサー・ジミー・アームストロングによるライヴ・セットも披露される。
 DJには時と場所に合わせ変幻自在で唯一無二の空間を作り出す瀧見憲司、バレアリックすら越えようとするジャンルの横断者YODATARO、韓国・ソウルのKID-Bを迎え、SUGIURUMN自身もライヴでは引き出せない表現をDJセットにて探るようだ。
 
 本会のコンセプトは「クイックモーションでウィークデイを駆け抜けるあなたに向けた日曜午後のミュージック・ジャーニー」とのこと。ダンス・ミュージックが夜だけのものであったのもいまは昔、バンド・サウンドやヒップホップに比肩しうるほどの支持をクラブの外側でも獲得した現在ならではの日曜日の過ごし方として、ディープなサウンド・スケープを悠々と楽しむのはいかがだろうか?


2024.12.01(Sun)
SUGIURUMN SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE RELEASE PARTY
@ or MIYASHITA PARK 3F
Open 16:00 - 23:00
Fee- Men 3000yen (1Drink), Women 1500yen (1Drink)

Guest DJ : KENJI TAKIMI
DJs : SUGIURUMN, YODATARO, KID-B(Seoul)
Guest Vocal : 黄倉未来, 遊佐春奈, and Special Guest
Live : JIMMY ARMSTRONG
https://www.ortokyo.com/top/

SUGIURUMN / スギウラム
ダンス・ミュージック・プロデューサー/DJ。〈BASS WORKS RECORDINGS〉を主宰し、世界各国のレーベルからも作品を発表。ミックスCD『LIVE AT PACHA IBIZA』シリーズやバンド・THE ALEXXでの活動、TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.のコレクション音楽でも知られる。8月7日に7年ぶりの初の日本語詞のアルバム『SOMEONE IS DANCING SOMEWHERE』をリリースした。

Jan Urila Sas - ele-king

 孤高のデュオ・jan and naomiやGREAT 3、GODでも活動する音楽家・Jan Urila Sas(ヤン・ウリラ・サス)が6年の歳月をかけて生み出した4曲入EP『Utauhone』。広島の〈STEREO RECORDS〉よりリリースされた本作の完成を記念した〈Utauhone Concert Tour〉ツアーが、2025年1月より福岡・広島・京都・東京の4都市5会場にて開催される。
 
 ツアー中のJanによるパフォーマンスは、『Utauhone』制作時に用いられた(半)自作楽器「清正」の後継機「清定」を使用したアルバム収録楽曲のパフォーマンスと即興演奏をハイヴリッドにブレンドした内容を予定しており、本作の内包するアンビヴァレンスな魅力を直接体感できる濃厚な一時となることに期待できそうだ。

 ツアーは1月11日(土)の小倉・BAR HIVEからスタートし、その後1月13日(祝月)に福岡・Kieth Flack、3月21日(金)に広島・CLUB QUATTRO、3月23日(日)に京都・UrBANGUILD、4月6日(日)に東京・SPACE新宿を巡る。いずれも固有の磁場を持つヴェニューであり、会場のチョイスからもJanと〈STEREO RECORDS〉のこだわりを感じさせる内容となっている。なお、広島公演は〈STEREO RECORDS〉の20周年を祝した特別な記念公演となり、Phewを迎えたツーマン・ライヴとして開催される模様。さまざまな面からも見逃せない今回のツアーのいずれかに、ぜひ足を運んではいかがだろうか?

【1月11日(土)小倉 BAR HIVE】
出演:Jan Urila Sas / Rinsaga / Rena / p.co / Masaya Takano / nagai
会場: DJ BAR HIVE
日程: 2025年1月11日(土)
時間:OPEN /START 21:00
料金: 当日 2500円 / 当日U23 2000円 / 予約 2000円 / 予約U23 1500 (いずれも1drink order)
チケット予約:info@stereo-records.com
問い合わせ:STEREO RECORDS / info@stereo-records.com

【1月13日(祝月)福岡 Kieth Flack】
出演:Jan Urila Sas / 愚鈍 / Godbird / SHOWY (KIETH FLACK ROCKS) / vvekapipo (hertz)
会場: Kieth Flack
日程: 2025年1月13日(祝月)
時間:OPEN 19:00 /START 20:00
料金: 前売り 2.500円 / 当日 3.000円 (1drink order)
チケット予約:https://kiethflack.net/ticket/
問い合わせ:Kieth Flack / https://kiethflack.net/

【3月21日(金)広島 CLUB QUATTRO】
出演:Jan Urila Sas / Phew
会場: CLUB QUATTRO
日程: 2025年3月21日(金)
時間:OPEN 18:30 /START 19:30
料金: 前売り 4.000円 / 当日 4.500円 (1drink order)
プレイガイド:e+ / チケットぴあ / ローソンチケット / STEREO RECORDS
問い合わせ:広島 CLUB QUATTRO / (082)-542-2280

【3月23日(日)京都 UrBANGUILD】
出演:Jan Urila Sas / 豊田奈千甫 / 仙石彬人 AKITO SENGOKU (TIME PAINTING, Visuals)
会場: UrBANGUILD
日程: 2025年3月23日(日)
時間:OPEN 18:00 /START 19:00
料金: 前売り 2.500円 / 当日 3.000円 (1drink order)
チケット予約:https://urbanguild.net/event/20250323_janurilasas_utauhoneconcerttour/
問い合わせ:UrBANGUILD / https://urbanguild.net/

【4月6日(日)東京 SPACE新宿 】
出演:Jan Urila Sas / Jun Morita / wagot / Sota Shimizu
会場:SPACE新宿
日程:日程: 2025年4月6日(日)
時間:OPEN 17:30 / START 18:00
料金:前売¥2.000 / 当日¥2.500 (1drink order)
チケット予約:https://space.zaiko.io/item/368061
問い合わせ:SPACE新宿 / https://space-tokyo.jp/contact

TOTAL INFO
STEREO RECORDS
https://www.stereo-records.com/

Jan Urila Sas

2015年12月に、Jan Urila Sas名義によるソロ作品『Blue Angles Of Santa Monica』をリリース。 絶え間なく変化を続ける東京の中で研ぎ澄ましてきた独自の感性によって産み出される表現の世界観は、音楽だけにとどまらない芸術領域の世界の中で、孤高の存在感を示し、躍動している。また、Naomiとともに結成したデュオであるjan and naomiでは、“狂気的に静かな音楽”といった、新たなミュージック・スタイルを確立し、儚く切ないメロディーセンスで多くのリスナーを魅了し続けている。

aus, Ulla, Hinako Omori - ele-king

 昨年15年ぶりの新作『Everis』をリリースした音楽家・ausによるキュレーションのもと、東京国立博物館の庭園内に佇む4つの茶室「春草廬・転合庵・六窓庵・九条館」にてaus、Ulla、Hinako Omoriによるインスタレーション「Ceremony」が12月7日(土)に開催される。
 「Ceremony」はaus、Ulla、Hinako Omori の3組による、茶室における静寂と不在・作法から着想を得た音楽を公開する試みとのこと。畳の上でのサイレント・リスニングを模したフライヤー・デザインは三宅瑠人が手がけている。
 各回の観覧にともなう所要時間は約30分ほどと、音楽イヴェントとして捉えると一見コンパクトな印象を受けるが、東博の所有するすばらしい庭園と茶室にて先進的かつ実験性に富んだアンビエント・ミュージックを、通常のリスニングとは異なる形で体験できるまたとない機会であることは間違いないだろう。詳細は下記よりご確認を。

■aus, Ulla, Hinako Omori「Ceremony」

日程:12/7(土)
会場:東京国立博物館・庭園内 茶室「春草廬・転合庵・六窓庵・九条館」
時間:11:30〜14:30

参加アーティスト:
aus
Ulla
Hinako Omori

■イベント詳細
https://flau.jp/event/ceremony/

■Web予約
https://flau.stores.jp/items/6722eaf9df6a593750074418

※ Ulla、Hinako Omoriは当日会場におりませんので、ご了承ください。
※ イベントは30分ごとの予約制となります。

aus

東京を拠点に活動するアーティスト。 10代の頃から実験映像作品の音楽を手がける。 テレビやラジオから零れ落ちた音、映画などのビジュアル、言葉、 長く忘れ去られた記憶、 内的な感情などからインスピレーションを受け、 世界の細かな瞬間瞬間をイラストレートする。 長らく自身の音楽活動は休止していたが、昨年15年ぶりのニューアルバム「Everis」をリリース。同作のリミックス・ アルバムにはJohn Beltran、Li Yileiらが参加した。Craig Armstrong、Seahawksほかリミックス・ ワークも多数。

Ulla

ベルリンを拠点とする実験音楽家。Ullaのアルゴリズミックなテクスチャは精密なアンビエントとジャジーなエレクトロニクスの間を揺れ動く。彼女の作品はエレクトロ・アコースティックやグリッチに焦点を当てており、Quiet Time、Experiences Ltd、West Mineral Ltd、Motion Ward、Longform Editions、3XLといった人気レーベルからリリースされている。現行のアンビエント〜アヴァンギャルドにおける最重要アーティストの一人。

Hinako Omori

横浜出身、ロンドンを拠点に活動するコンポーザー。クラシックピアノを習い、サウンドエンジニアリングを学ぶ。クラシック、エレクトロニカ、アンビエントを取り入れたサウンドスタイルで、Houndstoothから2枚のアルバムをリリース。キーボーディスト / シンセシストとして、宇多田ヒカル、Ed O’Brien(レディオヘッド)、Floating Pointsなどのツアー、レコーディングに参加。ロンドン・ナショナル・ギャラリー、テート・モダン、バービカン・センター、ICA、Pola Museumなどパフォーマンス多数。

写楽 & Aru-2 - ele-king

 かたや97年生まれ、数々のMCバトルで名を馳せ、2021年にファースト・アルバム『MIMISOJI』を発表しているラッパーの写楽。かたや93年生まれ、これまでISSUGIやJJJなどの楽曲を手がけ、今年最新作『Anida』を送り出しているビートメイカーのAru-2。両者によるジョイント・アルバムが一昨日リリースされている。写楽による独特のことば選びと心地いいフロウ、Aru-2による生々しくも情感豊かなビート──注目の才能同士による化学反応を楽しみたい。

最新ソロアルバム『Anida』のリリースも記憶に新しいDJ/プロデューサー、Aru-2と2021年発表のファース『MIMISOJI』が話題となったラッパー、写楽によるジョイント・アルバム『Sakurazaka』がついにリリース!

JJJ、C.O.S.A.、Daichi Yamamoto、KID FRESINO、ISSUGI、小袋成彬ら多数のアーティスト作品に参加し、ニューアルバム『Anida』のリリースも記憶に新しいDJ/プロデューサー、Aru-2。「高校生RAP選手権」を筆頭に数々のMCバトルへの出演で界隈で名を馳せながら2021年にリリースしたファースト・アルバム『MIMISOJI』も話題となり、Aru-2『Anida』にはNF Zesshoとともに表題曲へ参加していたラッパー、写楽。この両者による話題のジョイント・アルバム『Sakurazaka』が本日ついにCDとデジタルでリリース!

Aru-2が手掛ける生々しく重厚で情緒あふれるサウンドが織りなすビートの上を、豊かなメロディセンスで歌もまじえて淡々とリリックを紡いでいく写楽のラップは強烈な化学反応を巻き起こしている。アートワークは『Backward Decision for Kid Fresino』などAru-2関連作品を手掛けている鹿児島のデザイナー/アーティスト、Yoshito Ikedaが担当。CDはスペシャルなボーナストラックを収録して見開き紙ジャケット仕様となっており、P-VINE SHOPなど一部店舗では非売品のプロモーション用ステッカーが先着特典として付属。また2025年2月にリリース予定の限定アナログ盤をP-VINE SHOPで予約すると非売品のプロモーション用ポスターが先着特典として付属になります。

<アルバム情報>
アーティスト:写楽 & Aru-2
タイトル:Sakurazaka
レーベル:P-VINE, Inc.
仕様: デジタル | CD | LP
発売日: デジタル、CD / 2024年11月6日(水) LP / 2025年2月19日(水)
品番: CD / PCD-25429 LP / PLP-7503
定価: CD / 2,750円(税抜2,500円) LP / 4,500円(税抜4,091円)
*P-VINE SHOPにてCDが発売&LPの予約受付中!
https://anywherestore.p-vine.jp/collections/aru-2
*Stream/Download:
https://p-vine.lnk.to/EtCu3F

<トラックリスト>
01. No Rush
02. Nice Choice
03. Cut Off
04. Sabaaidheel Freestyle
05. Sannomiya Daydream
06. Summer Blanco
07. Sorrows
08. Thankfully
09. Sakurazaka
10. Good Latency
11. Party Finale
12. Millefeuille (CD Bonus Track)
※LPはM1~6がSIDE A、M7~11がSIDE Bになります

<写楽:プロフィール>
97年生まれ愛知県育ち。ラッパー/ビートメイカー。
高校生ラップ選手権に出演し活躍の後、2021年アルバム「MIMISOJI」を発表。
「独自の歌詞世界」という表現では収まらないオンリーワンな言葉選びや心地良さを追求したフロウで、自然の美や自己の内面世界を描いた楽曲は、ヒップホップヘッズに留まらず幅広いファンを魅了する。

<Aru-2:プロフィール>
1993年生まれ、埼玉県川口市出身の音楽プロデューサー/ビートメイカー/DJ。
これまでソロアルバムやコラボ作品を愛と縁のあるレーベルから次々と発表、最新アルバム”Anida”を2024年リリース。
ISSUGI、JJJ、DAICHI YAMAMOTO、小袋成彬、C.O.S.A、KID FRESINO、NF ZESSHOなど数多くの国内アーティスト達への楽曲プロデュースに携わる。
近年では小村昌士監督作映画「POP!」の劇伴音楽も手掛け、サウンドエンジニアとしても様々なアーティスト作品を支える音楽ミュータント。

interview with Kelly Lee Owens - ele-king

 エレクトロニック・ミュージックにおける2017年といえば、ヴィジブル・クロークスがニューエイジ・リヴァイヴァルに火をつけたり、ジェイリンがフットワークを新たな次元に押し上げたり、〈XL〉に移籍したアルカが自己を肥大化させる方向に舵を切ったり、チーノ・アモービが非常にコンセプチュアルかつ重厚なコラージュ作品を世に問うたり、ツーシンやDJパイソンがデビュー・アルバムを発表したりと、ディケイドの終わりに向かってさまざまな傾向が噴出してきた年だ。当時〈Smalltown Supersound〉から放たれた、ドリーム・ポップとテクノの溝を埋めるケリー・リー・オーウェンスのファースト・アルバムもそうしたさまざまな芽吹きのひとつだった。透きとおったヴォーカルの影響もあるだろう、評判を呼んだ同作以降、彼女の存在感は一気に高まっていくことになる。
 パンデミック中に発表された2枚目『Inner Song』(2020年)は時世に抗うかのようにフロアライクな側面を増大させたアルバムだったけれど、他方でウェールズの労働者階級の村で育ったという自身のアイデンティティを確認するかのように、同郷の大物ジョン・ケイルによるウェールズ語のヴォーカルをフィーチャーしてもいた。そうしたルーツへの意識と関連があるのかないのか、3枚目『LP.8』(2022年)では大きく路線を変更し、アイルランドのエンヤとスロッビング・グリッスルの中間を目指すという大胆なコンセプトのもと、独自のやり方でノイズとアンビエントを同居させている。オーウェンスのベストな1枚だろう。

 それから2年。デペッシュ・モードとのツアーを経験した彼女は今年7月にザ・1975のドラマー、ジョージ・ダニエルが設立した〈dh2〉と契約を結び、10月に4枚目のアルバム『Dreamstate』を送り出している。レーベル移籍とともに心境にも変化が訪れたのかもしれない。バイセップやケミカル・ブラザーズのトム・ローランズとのコラボ曲を含む新作『Dreamstate』はふたたびダンスフロアにフォーカス、トランシーな感覚もまといつつ、とことん恍惚を追求している。なんでも、過去を振り切るためには多幸感を追い求める必要があったのだとか。5月の来日公演ではハード寄りのテクノをかけ大いに会場を盛り上げていたオーウェンス。新作もまた最近の流れ、ポスト・パンデミックのダンス熱を代表する作品のひとつとなるにちがいない。

都会的な要素というのは、わたしがこの17年間、ロンドンやマンチェスターといった都市に住んできた影響をあらわしている。でもわたしにとって真の故郷は、わたしたちの言葉で言う「Cymru(=ウェールズ)」で。

昨年はデペッシュ・モードの北米ツアーをサポートしていましたね。その経験はあなたになにをもたらしましたか?

ケリー・リー・オーウェンス(Kelly Lee Owens、以下KLO):毎晩、大勢の観客の前でプレイして、大規模な空間を音で埋める必要性に迫られたことは、その後のスタジオ制作にたしかな影響をもたらしたと思う。ツアーから戻って最初に書いた曲が、アルバム最初の曲 “Dark Angel” なのだけど、じつはわたしがデペッシュ・モードのツアーTを着ている動画があって、いつか投稿すると思うけれど、そのTシャツのバックプリントには天使の羽が描かれていて。動画では、わたしがシンセのメロディを演奏しているんだけど、とてもアンセミックな音響。そういう意味で、今回のアルバムでは、大きな空間を埋めるための音をつくるようになったと思う。その一方で、デペッシュ・モードの素晴らしいところは、そういった大きな空間においても、親密な瞬間をつくりあげられるということ。だからビッグで大胆で、アンセミックで感情に訴えかける音を表現すると同時に、静かな瞬間も加えたいと思うようになった。それが『Dreamstate』の音の旅路に反映されていると思う。これはツアーに参加する前から思っていたことなんだけど、ツアーに参加したことで、そのあたりの領域を探求していきたいという思いが、さらに強くなったと思う。それに、彼らと一緒にいること自体がすごく刺激的だったし、わたしの人生における最高な体験のひとつになったと思う。

〈Smalltown Supersound〉を離れ、新作をザ・1975のドラマー、ジョージ・ダニエルが〈Dirty Hit〉とともに立ち上げたレーベル〈dh2〉から出すことになった経緯を教えてください。

KLO:まず、〈Smalltown Supersound〉とは素晴らしい関係を築いてきたということを言っておきたい。レーベル主宰者のヨアキム・ホーグランド(Joakim Haugland)はわたしのことをずっと応援してくれて、わたしを成長させてくれた。でもその名のとおり、〈Smalltown Supersound〉はとても小さなレーベルで、現時点のわたしのキャリアにおいては、もう少し大きな土台が必要だと感じていたところで。でもヨアキムはその考えに賛成してくれて、今後、ヨアキムとわたしと〈dh2〉のひとたちで集まって、お茶でもすることになると思う。いままでほんとうによくしてもらった。それから〈dh2〉のジョージは、前のレーベルと同じような方針で、アーティストの芸術性や寿命をとても大切にするひとで。ジョージとは何年か前からメールで連絡をとっていたのだけど、去年、ザ・1975のライヴ終わりに会う機会があった。チャーリー(・XCX)に誘われて、彼らのアフター・パーティでわたしがDJ をやって。それ以来ジョージとはずっと連絡をとっていたんだけど、〈Dirty Hit〉とジョージはこのレーベルをかなり前から立ち上げたかったみたい。そして、ついにそれを実現しよう! と彼らが決断したその数分後に、わたしのマネージメント会社が彼らに連絡をとって、「ケリーがレーベルを探しているんだが、〈Dirty Hit〉と契約を結べないだろうか?」と持ちかけたらしい。まさにセレンディピティ(思いもよらぬ幸運)だった。そしてわたしはジョージとロサンゼルスでランチをして話し合った。すべてがうまくおさまった感じがした。〈Dirty Hit〉からはファミリーみたいな親近感を感じる。わたしにとって、コミュニティの一部であると感じたり、リアルな連帯感をおぼえるということは昔から大事なことだった。だから〈Dirty Hit〉のようなレーベルと一緒にこれからの旅路を続けていくことができてとても嬉しく思う。

新作『Dreamstate』はダンス・アルバムです。路線としては、アンビエントやノイズの要素が強かった前作『LP.8』ではなく、パンデミック中にダンス・ビートを打ち鳴らした前々作『Inner Song』のほうに近いと思いますが、『LP.8』にはあまり手ごたえを感じられなかったのでしょうか?

KLO:じっさいのところ、その逆。『LP.8』はパンデミック中につくったもので、8日間という短い期間で素早く仕上げた作品で。無意識に流れてくる思考を表現した、そのときの瞬間をあらわしたものだった。あの作品は、次の作品に向けての跳躍台としてつくる必要があったんだと思う。ふたたび、よりポップでダンス・ミュージック寄りの明るいものをつくるために、『LP.8』のような深い領域を探る必要があった。『LP.8』の出来にはとても満足している。『LP.8』というタイトルにしたのは、8枚目のアルバムみたいに感じられるから。つまり、たいていの場合、商業的な作品をたくさん出してから「今度は、誰にも制限されずに、自分がつくりたいものをつくる!」というのが8枚目くらいにくると思うのよ。わたしはタイムマシーンに乗って、8枚目のアルバムを先まわりしてつくったという(笑)。だから『Dreamstate』はわたしの3枚目ということになるね。こんなことを言ったらまわりがどう思うかわからないけれど、アッハッハ(笑)! でもわたしはそう考えている。『Dreamstate』はわたしの3枚目の商業的なアルバムで、『LP.8』は自分の無意識に深く潜った、奇妙で興味深い時期につくった作品。この作品には感謝している。じつはデペッシュ・モードのマーティン(・ゴア)と話していたときに、わたしの作品群で一番のお気に入りは『LP.8』だと言ってくれて。『LP.8』はそんな作品。大好きなひともいれば、好きじゃないひともいて、好きじゃないひとは、まだそのよさに気づいていない。それはそれでいいと思う。それが芸術というものだから。

わたしは過去を振り返って熟考したり、未来を心配したりする傾向があって、とにかくそういうものをすべて手放したかった。現在の瞬間に集中したかった。それが多幸感というものだと思うから。現在という瞬間に存在するということ。

あなたはウェールズの労働者階級の村で育ったそうですが、ウェールズという出身地はあなたのアイデンティティにとって大きなものですか?

KLO:とても大きい。それは年を重ねるにつれて、さらに大きくなっていっている。自分の起源やルーツというものはすごく大切なことだと思うし、自分の歴史を理解したいと思うのは人間として基本的なことだと思うから。たとえそれが痛みを伴ったり、複雑なものであったとしても、自分がどこから来ているのかを知ったり、その起源に誇りや美しさを感じることができるのは大事なことだと思う。それこそが自分自身の一部であり、系統であり、それがつねに自分のなかに流れているということが、大人になるに連れてわかってきた。そしてそれはわたしの音楽にもあらわれるし、サミュエル・ブラッドリーと制作した、アルバムのアートワークにもあらわれていると思う。わたしたちは、自然がある場所で撮影をして、自然に囲まれているわたしと、鉄塔といった都会を象徴するものとの対比を表現したかった。都会的な要素というのは、わたしがこの17年間、ロンドンやマンチェスターといった都市に住んできた影響をあらわしている。でもわたしにとって真の故郷は、わたしたちの言葉で言う「Cymru(=ウェールズ)」で。

今回これほど多幸感に満ちたアルバムをつくりたくなったのには、なにかきっかけがあったのでしょうか?

KLO:自身からの解放というものを必要としていた。ちょうどプライヴェートでも11年か12年間ともにしてきた、自分の大きな一部(パートナー)と別れを告げたばかりで、過去に縛られたくないという思いがあった。そこから解放される必要があった。しかもわたしは過去を振り返って熟考したり、未来を心配したりする傾向があって、とにかくそういうものをすべて手放したかった。現在の瞬間に集中したかった。それが多幸感というものだと思うから。現在という瞬間に存在するということ。その多幸感は、広い空間で踊っていて、他のひとと共有できるものもあれば、“Trust & Desire” や “Ballad” のような静かな瞬間にも感じられると思う。その瞬間に自分がどう感じているのかと向き合うこと。それがたとえ辛いものであっても、自分はちゃんとそれを受け止めている。それがいまの瞬間に存在するということ。そういう、「自身からの解放」が今作のテーマだったのだと思う。自分を、過去や未来から解放して、自分に自信を持つということ。

今回、共同プロデューサーのひと組としてバイセップを迎えたのはご自身の希望ですか?

KLO:そう、彼らとは “Rise” という曲しか一緒に曲をつくらなかったけれど。あとはケミカル・ブラザーズのトム・ローランズと “Ballad” を制作した。今回のアルバムに参加してもらったひとたちはすべて自分のコネクションから派生したもの。あ、ひとつの例外を除いて。フィル・スカリー(Phil Scully)というプロデューサーとロサンゼルスで一緒に制作をしたけれど、それはレーベルに紹介してもらったつながりだった。わたしたちは “Love You Got” や “Higher” を一緒につくって。とても素晴らしい経験だった。バイセップとは昔から一緒に仕事をしたいと思っていたし。彼らもコクトー・ツインズが好きだったりとインディ・ミュージックの共通点や、メロディックな音楽が好きだったりする共通点があるから。そういうわたしたちの共通点が今回の曲からも聴きとってもらえると思う。バイセップは憧れの存在だったから、まさに夢が叶った瞬間だった。彼らがわたしを彼らの世界に招き入れてくれてすごく嬉しかった。

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マドンナの『Ray of Light』をおもに聴いていた。〔……〕真似するということではなくて、『Ray of Light』から感じられた、ある種のフィーリングに近づきたいと思った。

バイセップとの曲での役割分担を教えてください。制作はどのようなプロセスを経て進めていったのでしょうか?

KLO:「ある午後の時間」みたいな感じだった。ホクストンにある彼らのスタジオに行って、温かい歓迎を受けた。ほとんどおしゃべりしていて。一緒に時間を過ごして、音楽や、自分達のバックグラウンドなどたくさんのことを話した。制作プロセスにおいて、それがいちばん大事な部分だったりするもので。それにお互い、美味しいものを食べることに目がなくて、ウフフフ! 彼らはすごくおいしいタイ料理のお店に連れていってくれて、お昼をご馳走してくれた。その後、スタジオに戻ってきてジャム・セッションをやったの。わたしはあまりジャム・セッションはやらないほうなんだけど、それがバイセップのやり方なのかもしれない。わたしは808を使っていて、マットはロジックかエイブルトンを使っていて、アンディはシンセを使って、彼らの素晴らしいセットアップに音を通していた。そして1分半ほどのトラックができた。とてもラフなもの。わたしはそれを持ち帰って、メロディと歌詞を書き、その上にシンセやほかの要素を加えた。でも曲の骨格となる部分は30分くらいでつくったの! といっても、制作というものはその30分だけじゃなくて。先ほども話したように、一緒にとった食事であったり、会話であったり、そういう最高な要素がすべて制作につながっている。ほんとうに素晴らしい経験だった。 

新作にはケミカル・ブラザーズのトム・ローランズも参加していますね。彼らの作品ではなにがいちばんお好きですか?

KLO:オーマイガッド! それはかなり難しい質問ね。ちょっと待って、彼らのディスゴグラフィーを確認する。……アルバムは難しいけれど、いちばん好きな曲はある。最近いちばんよく聴いているのは “Star Guitar”。

通訳:あの曲は最高ですよね!

KLO:もう最高! 今回のアルバムにも “Air” という曲があって、“Star Guitar” と似たような反復する感じや、動いている感じがする曲で。オープンカーに乗っていて、髪の毛が風になびいているイメージ。アルバムだと『Surrender』(1999年)かな……好きなアルバムはちょくちょく変わるのよ……『Dig Your Own Hole』(1997年)かもしれない……わからない! わたしのなかでは、しょっちゅう変わっているから。ケミカル・ブラザーズって一度も駄作をつくったことがないと思う。25年経ったいまでもそう言えるってすごく稀なことだと思う! とにかくいま、いちばんよくリピートして聴いているのは “Star Guitar”。彼らの存在自体に夢中なの!

この新作の制作中によく聴いていた音楽はありますか? それらから影響は受けましたか?

KLO:マドンナの『Ray of Light』(1998年)をおもに聴いていた。制作中は音楽を聴かないようにしているんだけど、すごく大変だった。だってデペッシュ・モードとツアーをしていたんだもの(笑)! だからデペッシュ・モードとマドンナの『Ray of Light』をよく聴いていた。『Ray of Light』はダークな要素と明るい要素、多幸感と深みの両方が混在している。それが面白いと思った。それにあのアルバムでは、彼女のヴォーカルがとても近くに聞こえる。すぐ自分の側で歌われている感じがする曲がいくつかあって。わたし自身も今回のアルバムの何曲かではそういう聴かせ方をしたいと思った。それから、無駄なものを削ぎ落とした感じも追求したかったから、その感じが “Trust & Desire” や “Ballad” にあらわれていると思う。それに去年わたしは『Ray of Light』のプロデューサーである、ウィリアム・オービットとランチをする機会があって。素晴らしいミーティングだった。だから宇宙からの啓示というか、『Ray of Light』の本質的な要素が、自分がつくっていたアルバムにも注入されたと思う。それはサウンドを真似するということではなくて、『Ray of Light』から感じられた、ある種のフィーリングに近づきたいと思った。

今回の新作はこれまで以上にシンセやヴォーカルの残響(リヴァーブ)に非常にこだわりがこめられているように聞こえました。あなたの音響にたいするこだわり、音響に向き合うときの意識について教えてください。

KLO:わたしはすべての要素にこだわりや考えをこめていると思う。その理由は、感情が流れているところを突きとめたいから。わたしの目的はただそれだけ。曲がじゅうぶんに流れている感じになり、リスナー自身がその「dreamstate(夢幻状態)」に入りこめる感じ、曲の流れに入りこめる状態にしたい。そして中断されることなく、その感情の本質に近づけるようにしたい。もちろん曲の途中で、中断する瞬間を意図的につくることもあるけれどね。わたしにとって音楽はタペストリーみたいなものであり、音を編み上げているような感じで。べつに音が色として見えるとかではないんだけれど、音の波長は見える。それを編み上げている感じ。そういう表現しかできないんだけど……。その流れがすべててつながった時点で曲は完成する。だから全体像につながりを持たせて、リスナーが感情を最大限に感じられるためのディティールは非常に重要。

最近では、他人の目線がないと、自分たちにとって夢とはなんなのかということがほんとうにわからなくなってしまっている。だからそういうものから離れて、自分にとって夢とはなんなのかということを見出すことはとても大切だと思う。

タイトルの「Dreamstate」が意味するものとは、ずばりクラブでの夢のような状態、あるいは音楽がもつ至福の逃避性のことでしょうか?

KLO:その両方でもあるし、それよりも大きな意味合いがあると思う。〔フランスの哲学者、ガストン・〕バシュラールが書いた『空間の詩学(The Poetics of Space/La Poétique de l'espace)』(1957年)という素晴らしい本があるんだけど、そこでは夢想(daydreaming)することの重要性が説かれていて。夢想することは、夜に見る夢とは違う。夜に見る夢は、無意識に潜りこむことで、疲弊することもときにはあるよね(笑)。その一方で、夢想とは、受動的な行為であると同時に、主体的な行為でもある。でも受動的な部分の方が大きくて、安らかな状態。わたしは、そういう安らかな状態になる時間と空間を積極的に持つようにいつもひとに勧めている。このインタヴューがはじまる前も、わたしは自宅の庭に座ってそういう時間をとった。たしかに寒かったけれど、ジャンパーを着て、紅茶を飲んで、太陽の光を浴びて、地に足をつけた。そして10分間だけ、その瞬間に身を投じて夢想した。自分がそういう状態を欲していたし、音楽でも夢想という状態をつくりたいと思った。そうすることで人びとが集ったときに夢想できるし、それ以上に大切なのはひとりでもその状態になれるということ。技術が発達した現代という時代において、その状態になることは重要性を増していると思う。わたしたちは、外部から「どんな夢を見るべきか」、「夢とはなんなのか」を押しつけられている。最近では、他人の目線がないと、自分たちにとって夢とはなんなのかということがほんとうにわからなくなってしまっている。だからそういうものから離れて、自分にとって夢とはなんなのかということを見出すことはとても大切だと思う。

5月に東京で開催されたOUTLIERであなたのDJを体験しました。ハード寄りのテクノのセットだったように記憶していますが、日本のオーディエンスの印象は他国のと比べてどう違っていましたか?

KLO:いい質問ね。日本のひとたちはディティールにこだわっているというか、その場をすごく大事にしていて、音楽に聴き入っている印象があった。わたしの行動をちゃんと観てくれるし、聴いてくれる。わたしはステージからみんなに「自分を解放して!」といつもアピールしている。みんなに自由に動いて欲しいから。だから日本でもそういうアピールをしていたんだけど、それはどの国でもやっていることで。ひとによっては、ただその場に立っていることが自由なのかもしれないし、ただ観ていることが自由なのかもしれない。それがなんであれ、その自由をみんなが楽しんでいてくれたら嬉しい。ハードなテクノになったのは、クラブという空間で、夜の遅い時間にプレイしたから。それにライヴではなかったから、とても違うものになった。夜の遅い時間はそういう音のほうが元気に踊り続けられると思って。とにかく最高だった。でも、日本にはオーストラリアに行く途中に2日間だけ寄っただけだったから短すぎた。また絶対に日本へ行きたいし、今度行くのがすごく楽しみ!

キュレイターのボノボとは以前から交流があったのでしょうか?

KLO:サイモン(・グリーン)は何年も前からの友人で。ジョン・ホプキンズが共通の友人で、その辺りのひとたちのあいだで交流関係がある。それに、サイモンもライヴとDJ をやるから、わたしと共通している部分も多くて。あとロサンゼルスにも共通の友だちがいるから、ロサンゼルスに行ったときは一緒に遊んだり。サイモンはわたしの活動を応援して励ましてくれたりする。エレクトロニック・ミュージックをやっているソロ・アーティストにとって、ほかのアーティストと仲よくなったり、互いを助け合うことは大切なことだと思う。だから彼との関係は大切に思っている。

東京には2日間しかいられなかったとのことですが、どこか行かれたところはありましたか?

KLO:ほとんど行けなかった。〔神田小川町にある〕チームラボに行ったとき以外は渋谷を出なくて。ほんとうに短すぎで! 日本のいろいろな場所を見てまわりたい。田舎にも行ってみたいし、温泉にも行きたい。伝統文化にも触れたい。あ、でも日本での食事は素晴らしかった! ひとも最高! 日本という国にはほんとうに共感が持てた。

通訳:気に入った場所はありましたか? レストランなど?

KLO:(レーベル担当に)あのディナーは、なんというところだったっけ? 名前が思い出せないけれど……

レーベル担当:渋谷にあるお寿司屋さんに行きましたね。

KLO:あのときのディナーがわたしにとって初のちゃんとした、お寿司体験だった。(板前さんが)目の前で調理してくれる感じ。あれほど満腹になったことはいままで一度もなかった! でもおいしくて、すごく幸せだった! それはよくおぼえている。それから、小さなコーヒー屋さんを見つけて入ったりしたのも覚えている。とにかくすべてがおいしくて、すべてがよく考えつくされていると思った。とても素敵なことだと思う。ディティールにこだわっている感じも好きだし、日本が大好きになった。

今後これまでよりも大きな舞台で活動していくことになるかと思うのですが、現時点で戸惑っていることや苦労していることはありますか?

KLO:これはクレイジーに聞こえるかもしれないけれど、わたしは大勢のクラウドの前でプレイするほうが安心感を得られる。すごく居心地がいい。2万人の前でプレイして、最大は7万か7万5千人の前だった。ついに2万人では物足りなく感じてしまって、もっとエネルギーが欲しいと思ってしまったの! けっしてエゴイスト的な感じで思っているのではなくて、ただそれがものすごくユニークで特別な行為だから。デペッシュ・モードの以前のレーベルのA&Rのひとで、バンドの友人でもあり、第5のメンバーとも言われているダニエル・ミラーが、わたしに「音が会場の奥までちゃんと届いていて、いままでに見たなかで最高のサポート・アクトだ」という優しい言葉をくれた。自信を持って、大勢のひとたちを率いて、みんなを音楽でとりこむのがすごく楽しい! だから、じつは、小さな会場でやるときのほうが緊張するかもしれない(笑)。

最後に、日本のリスナーに向けてメッセージをお願いします。

KLO:日本にまた行く機会をとても楽しみにしています! 日本にはわたしを心からサポートしてくれるファンがいる感じを受けたらから、そういうひとたちとたくさん会って、つながりを感じたい。それから、これは話し合って計画・企画する必要があるけれど、日本でのライヴも実現させたい。とにかく日本ではたくさんのひとに会って、ファンを増やしていきたい。それに、プライヴェートで日本の各地もまわりたいと思っているし(笑)。すごく楽しみにしている!

Terry Riley - ele-king

 先日音盤化が発表された、テリー・ライリーの清水寺における『In C』のライヴ演奏。12月20日にリリースされることになっているその音源を、世界最速で聴けるチャンスが訪れた。11月15日(金)・16日(土)・17日(日)の3日にわたってUPLINK 京都で開催されるリスニング・セッションがそれだ(16日には東京のUPLINK 吉祥寺でも開催)。
 UPLINK 京都のある新風館の中庭では、ダムタイプの古舘鍵がキュレイターを務めるサウンド・インスタレーションも実施され、なんとSUGAI KENの手によるサウンドが流されるという。試聴会にインスタレーションにと、二度おいしいイベントだ。詳細は下記よりご確認を。

京都・新風館11月のフルムーンイベント
テリー・ライリー清水寺での「In C」ライブ音源をUPLINKで世界初公開!中庭では、古舘鍵(ダムタイプ)キュレーションによる世界的に活躍するサウンドアーティスト/トラックメイカーSUGAI KENのサウンドインスタレーションを実施

会場:UPLINK 京都/UPLINK 吉祥寺、新風館中庭

日程:2024年11月15日(金)、16日(土)、17日(日)の3日間
※UPLINK 吉祥寺でのリスニング・セッションは16日のみの開催となります


Photo: FEEL KIYOMIZUDERA / Sudo Kazuya

2024年7月の満月の夜、ミニマル・ミュージックの創始者、テリー・ライリーの代表作「In C」の誕生60年を祝い、音羽山清水寺本堂舞台で開催された奉納公演。チケットは発売と同時にソールドアウトし、まさに伝説の夜となりました。

今回、UPLINKで開催するリスニング・セッションでは、本奉納公演の音源を世界初公開。
UPLINKのオーディオ設備に合わせて制作した7.1ch音源を「暗闇」という特殊な環境のなかで体験いただく、特別な機会となります。

あえてスクリーンに映像を映さない環境で本作品に触れることは、「音」の世界に没入する一つのきっかけとなり、普段の音楽鑑賞よりもぐっと感覚が刺激されることでしょう。

本奉納公演のライブ盤の発売は、2024年12月20日(金)。ぜひこの機会に、最高の環境で、特別な夜の感動をひと足先にお楽しみください。


また、同期間中、UPLINK 京都がある新風館の中庭では、ダムタイプのメンバーであり、文化庁メディア芸術祭大賞を受賞した古舘健がキュレーション/コーディネーションを務めるサウンドインスタレーションも展開します。

古舘と世界的に活躍するSUGAI KEN(サウンドアーティスト/トラックメイカー)がタッグを組んだ本作品は、UPLINKでのリスニング・セッションとリンクさせる形で、視覚ではなく、聴覚を対象とした内容に。中庭に設置された8台のスピーカーからは、SUGAI KENが制作した木を感じる音色が多層的に鳴らされているので、訪れた際には、聞こえてくるサウンドにも注目です。

サウンドインスタレーション(チケット不要)のみを体験いただくこともできますが、リスニング・セッションの前後で楽しめば、その没入感と余韻がより深まります。ぜひ2つのイベントをあわせてご堪能ください。

11月の京都・新風館のフルムーン企画の一環で行われる豪華2本立てのイベントは、UPLINKとしばしが初めてプロデュースを手がけました。

mouse on the keys - ele-king

 かねてからmouse on the keysをフェイヴァリットだと公言していたロレイン・ジェイムス、彼女の最新作『Gentle Confrontation』のCD盤にもその共作が1曲(Scepticism with Joy)収録されていたが、去る11月1日にリリースされた新作『midnight』でも彼らのコラボレーションは引き継がれ、ここでは2曲の共作が聴ける。しかもその2曲(1曲はピアノを活かした2分弱の短いアンビエント風、もう1曲はカミソリ・ビートが刻まれるダンス・トラック)ともに魅力的だ。もっとも今回のアルバム『midnight』を通して聴くと、インストゥルメンタルなポスト・ロック・バンドとしてのmouse on the keysがいまなぜロレインとの共作なのかがよくわかる。ロンドンのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックの世界から放たれた軌道が、東京のmouse on the keysが描く脈動といま音楽的に交わっているのだ。注目しましょう。
 なお、11月20日のリリース・ライヴにはロレイン・ジェイムスも駆けつける!

mouse on the keys
midnight

fractrec /felicity
配信リリース
Tracklist:
1, Introduction
2, One Last Time
3, Fail Better
4, 24:59 (feat. Loraine James)
5, Two Five (feat. Loraine James) 6, midnight
7, The Dawn (midnight version) 8, Sleepytinne
9, Womb
10, Little Walk
11, Undone


mouse on the keys
『4th Full Album midnight Showcase -FRACTREGION Vol.3-』
11/20 (水) EX THEATER ROPPONGI 開場 18:00 開演 19:00

出演:
mouse on the keys

Guest musicians:
Loraine James/徳澤⻘弦/常田俊太郎/Taikimen/飛田雅弘/山﨑聖之/坂本和
哉/and more...
チケット料金:
1F前方スタンディング ¥7,000
1F 前方スタンディング 23 歳以下 ¥3,000 ※身分証必須(100 枚限定)
1FS席 ¥9,000
1FA席 ¥8,000
2Fスタンド席 ¥7,000
※全券種ドリンク代別
※入場制限: 4 歳以上チケット必要

【プレイガイド】
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[PIA]
[LAWSON]
主催:HOT STUFF PROMOTION 企画/制作: fractrec / fractLLC.
制作協力:株式会社 RE-MiX / 株式会社 RE-MiX arts
【SNS】
X / Instagram / Official web site

【プロフィール】
mouse on the keys:
川﨑昭(Drums)、新留大介(Piano/Keyboard)、白枝匠充(Piano/Keyboard)によるインストゥルメンタル・バンド。ポストパンク、ポストハードコア、テクノ・ミニマリズム、現代音楽を取り入れ、2台のピアノとドラムとで織りなすサウンドと、ミニマルで幾何学的抽象を思わせる映像演出によるライブパフォーマンスは、国内のみならず、欧米をはじめ海外でも高く評価されている。2021年オリジナルメンバー清田敦(Piano/Keyboard)が脱退し、新メンバー白枝匠充(Piano/Keyboard)が加入。新生mouse on the keys初のフルアルバム『midnight』が2024年11月1日配信リリースされ、バンドとしての新章を迎える。2025年にはイギリス及びヨーロッパなどでヘッドライナーツアーが予定されている。

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