「P」と一致するもの

Pantha du Prince - ele-king

 鐘(ベル)をチューニングするためには、鐘自体を削るしかないそうだ。音響構造上、ベルの音はさまざまな波動が入り組んでいて、非常に困難な作業だという。鐘の歴史は紀元前2000年ごろまでさかのぼることができるようだが、そのころチューニングの概念があったかどうかはわからない。もちろん、なにか「いい音」にしたいという気持ちはあっただろうけれども、ドレミが登場するのはずっと後のこと。まったくの想像だが、鐘において当初重要だったのは、むしろあの強すぎるほどの倍音だったのではないかと思う。

 鐘の音に人の一生や運命のイメージを結びつけるのは自然なことだ。ラフマニノフには人生における四季を鐘のモチーフで描き出す名作があるし、「祇園精舎の鐘の声......」も人の世の理を説く一節である。キリスト教圏はことのほかそうであろうが、洋の東西を問わず、寺社には人々の生活を取り仕切ってきた歴史がある。しかしそれだけではない。カーンと鳴ってその後もわんわんと様態を変えて残りつづけるあの複雑な倍音の響きに、われわれはなにより人の生き死にやその象徴を見てしまうのではないだろうか。弦を巻いたり皮を張ったりするのとはわけが違う、音色の修正の困難さ、取り返しのつかなさ、ままならなさ。学校チャイムでもおなじみ、ビッグ・ベンの「キンコンカンコン」が、どこか調子はずれな音程をたどりつつも重くはかない響きを持っているのは、まさにそのためである。チューニングのままならなさそのものが、一生(ひとよ)の喩に似つかわしい。

 パンタ・デュ・プランスはベルの音をフェティッシュとして並ならぬ美学のもとに音響構築するプロデューサーである。独自の美意識をすべりこませたミニマル・ハウスは、リズムや展開や音のテクスチャーよりも、その「ベル」というコンセプトにこだわることで成立しているように思われる。本名義では2007年の『ディス・ブリス』からその傾向を深めた。"シュタイナー・イム・フリューク"などは、ベルが用いられていない部分でも、それが持つ共鳴運動や倍音を比喩的に再現するような反復表現が用いられている。彼のミニマリズムはベルそのもののミニマリズムによって加速する。ちらちらとガラスや雪片のように輝く音、そのひとつひとつに、調性音楽にそもそもなじまないような音痴さ――ままならなさ、多様さ――が宿っている。一音だけで音楽として無限に成立しているような音が、無限に連なっていく、そうした複雑すぎるシンプルさという逆説を前作では新古今の美学に比較したが、間違いではないように思う。

 本作はそのベル・フェティシズムを限界まで振り切る会心の一枚となった。ベルやマリンバなどの打楽器のパフォーマンスを行うノルウェーのアーティスト、ザ・ベル・ラボラトリーとのコラボレーション作である。ピッチフォークが公開しているトレーラーからは、ヴィブラフォンや大小のゴングにカリヨンやスティールパン、チューブラーベルなどありとあらゆるベルを用いたステージングが窺われる。この"スペクトラル・スプリット"はベース音が楽曲のシークエンスを描き、マリンバなどの鍵盤楽器は音程をふくめて秩序正しくそれぞれのフレーズをリフレインし、4/4のビートもピタリときまっているが、テーマを奏でるカリヨンにやはり途方もない存在感がある。やはり鐘のかたちをしたものに鐘のもっとも魅力的で度し難い響きが宿るという確信があるのだろう。
 楽曲の出来もさることながら、やはりこのコンセプトが思いつきのイロモノとはまったく異なる説得力を持っているところに敬服してしまう。美学的な音楽ではなく美学そのものなのだ。前者が陥りやすい単調さや脆さはここには感じられない。彼にはフィリップ・グラス"マッド・ラッシュ"のリミックス・ワークがあるが、今作はスティーヴ・ライヒやラ・モンテ・ヤングからの影響も一層強く感じさせるものになった。"パーティクル" "スペクトラル・スプリット"など長尺のトラックは力が入っているが、わたしは"クヮントゥム"などのただただベル三昧な小品にとくに心惹かれる。ビートもない。パンタ・デュ・プランスにビートを外す決意をさせた点には、彼のザ・ベル・ラボラトリーへ寄せる信頼もうかがわれるだろう。だが、いつものストイックなハウスを少し外した、彼なりのデレであるようにも思われる。ミラー・トゥ・ミラーのハッピーなアンビエントや、メデリン・マーキーのヴォコーダー・アートにも近いフィーリングを感じた。ひとつとして同じものは複製できないというベルの、あのままならない倍音を味わう感度は、もしかするとメデリンの感情豊かな音声合成を楽しむメカニズムと同じものなのかもしれない。

Eaux - ele-king

■で、オー(Eaux)は「水」を表すフランス語だよね。
ベン:そう。
 
■バンド名を見ても、みんな「オークス(Okes)って読むの?」ってなるんじゃない?
ベン:そう。
 
■で、きみが「いや、『オー』だよ」っていう。
ベン:そう。
 
■でも、みんなは、「おー、オー!」って。
ベン:そう、残念ながら。
 
■じゃあ、きみたちバンドが近くにいたとき、みんな「あー、おー!」ってしょっちゅう言ってることになるわけだよね?
ベン:あるラジオのひとは「イイイイユウウ」みたいなことを言ってた。
 
■「よー、デュードゥ」みたいな
ベン:そんな感じ。
 
■おー、ノー(NEAUX)!
ベン:母音だね。
ベン・クルック、『ヴァイス』内の『ノイジー』誌でのインタヴューで

 「it」という単語が象徴するように、英語とは主語ありきの文法で成り立っている――というように学校教育のどこかで教えられて(政見放送における安倍晋三の教育論にしたがえば「植えつけて」いただ。)いたので、イギリス人とメールのやりとりをしはじめたときに主語が省略されて返事が来たことにはすこし驚かされた(←そしてこの文の主語は?)。ただし主語が省略できるのはその文に主語が隠れていることがしっかり念頭にあるからで、主語という概念自体が危ういらしい日本語とは主語がないことの意味がおそらく違うのだろう。

 しかし主語だけで完結する文というのはありえない。「アイ」がどうしたのよと問うても、とくに発展もなく過ぎる7分間の表題曲"i"を聴いていると、虚しさのようなものがすこしばかり心にざわつく。ダークで、感情の欠片もあらわれない。ベースとリズムの骨格がただでさえ浮き彫りだというのに、ガリガリのエレキギターのように肉を削がれ、痩せ細った禁欲的な身体が冷たく暗闇のなかで浮かび上がる。というとすこしホラーめいてしまったかもしれないが、そういうわけではない。

 オーのメンバーはテクノやクラウトロックからの影響を語っているけども、どちらかといえばミニマルなハウスにより近い感触があるのが印象的だ。ジ・XXの『コエグジスト』において聴き取れるハウス・ミュージックの吸収とは似て非なるというか、親密な空間での愛(あるいは人肌)のムードが薫っていたジ・XXに対し、オーは胃の消化がよくなかったのだろうか、システマチックな四つ打ちのキックとハイハットがその骨っぽさを際立たせている。メンバー3人が狭い場所にこもって録音したらしく、この音楽も親密なシチュエーションではあるのだろうが、触れた手の冷たさとか弱さに思わず胸が痛んでしまう。しかし、きっとその肌に宿る精神は強さを持ち合わせているのだろう。"ニュー・ピークス"などを聴いていると、冷たいシンセサイザーの裏には歩みをとめようとしないポジティヴな意志が青く燃えているのを感じる。部屋が暗ければ心も暗いというわけではない。この音楽は、冷えきった冬の夜道に沈んでしまいそうなあなたを、しっかり歩かせるだろう。
 寒い。今日(1/14)は豪雪だ。たしかに寒い。寒いけども、着るコートやジャケットがあるうちは、意志さえ弱らなければ......。

 オーは、レーベル〈ザ・ソーシャル・レジストリー〉からリリースを重ねながらも2010年に活動を止めたシアン・アリス・グループ(以下「SAG」)のメンバーふたりとプラスひとりからなるトリオだ。2010年半ば以降の音沙汰がいっさいないなか、2011年の秋にSAGのトートバッグを筆者が注文したところ、それを受けてなのか、はたまたオーの始動タイミングと重なったからなのか、ツイッターやフェイスブックで「Sian Alice Group is no more」とひっそりと発表した
 どういう経緯でSAGが解散したのかは知らない。ベンは音楽趣味の相違だと語っているが、その相違がもたらすものは人間関係の変化でもあるだろう。大好きなバンドが解散してゆくさまを近くで見届けてしまった経験のある人間には痛切にわかるかもしれないが、バンドの解散の経緯など知るだけ悲しくなるものだったりする。それに、メンバーが新しく音楽をはじめているのであれば、それがなにより大事なことだ。音楽が続くのは演奏する人がいるから、そしてそれを聴く人間がいるがゆえである。

 SAGを演奏だけでなくプロデュース面でも支えていた設立メンバー=ルパート・クレヴォーがオーには参加していないことは、おそらく残されたメンバー=ベンとシアンのふたりに新たな歩み方を模索させたことだろう。SAGはほんとうに気高く美しかった。オーはまだまだラフなダーク(もしくはコールド)ウェイヴだが、たたずむ音楽だったSAGにはなかった推進力を感じられる。オーを、SAGに残されたメンバーの歩みのはじまりだと見るとすれば、これから彼らがどういう道をどう歩くのかを筆者はなるべく近くで見届けたいと思う。

参照

『ノー・デイズ・オフ・ブログ』 - 「オー」
https://nodaysoff.com/blog/?p=944

『ブウレッグス』 - 「オー - インタヴュー」
https://www.bowlegsmusic.com/features/interviews/euax-interview-27962

第5回:ヨイトマケとジェイク・バグ - ele-king

 16年ぶりに日本で新年を迎えた。
 で、大晦日は炬燵ばたで親父と飲みながら紅白歌合戦を見ていたのだが、これがなかなかエキゾチックで面白かった。自分の母国について、エキゾチック。というのも鼻持ちならん言い方だが、しかし、16年といえば、おぎゃあと生まれた女児が合法的に結婚できるようになる時間の長さだ。実際、わたしの感慨は、初めてテレビでユーロヴィジョン・ソング・コンテストを見たときにも似たものがあったのである。

 やたらと幼い若者がぞろぞろ多人数で出て来た前半部分は、初音ミクなどというキャラが出て来る土壌をヴィジュアルに理解できる機会になったし、オタク、マンガ、コスプレが大好きな英国のティーンなんか(ミドルクラスの子女に多い)が大喜びしそうなジャパニーズ・カルチャーの祭典になっていた。
 この世界が、現代の日本を象徴しているのだ。ならば、もはや見なかったふりをしてスルーすることはできない。向後、わたしは日本を訪れる英国人には、俄然、紅白を見ることをお勧めする。Different, Weird, Tacky, Bizarre。スモウ・レスラーは審査員席に座っているし、これほど外国人観光客が喜びそうなキッチュな番組は他にないだろう。

 「もう、子供番組のごとなっとろうが」
 北島三郎の登場を待って眠い目をこすっていた親父が言った。というか、これを見ていると、日本には子供と老人しかいないようである。
 キッズ番組から一気にナツメロ歌謡集に変わって行く番組を見ながら、ちびちび焼酎をなめていると、黒づくめの衣装で美輪明宏が出て来て、"ヨイトマケの唄"を歌いはじめた。
 「......これ、普通に流行歌としてヒットしたわけ?」
 「おお。お前が生まれたぐらいのときやった」
 「その頃、この人はゲイって、もうみんな知っとったと?」
 「おお。この人がその走りやもんね。日本で言うたら」
 「そういう人が、『ヨイトマケ』とかいう言葉を歌って、さらにそれがヒットしたって、ちょっと凄いね」
 「この人は長崎ん人やもんね。炭鉱町で働く人間のためにつくったったい、この歌ば」

 歌の途中で親父を質問攻めにしたのは、"ヨイトマケに出る"という表現が日常的に家庭で使われていた環境で育ったわたしが、土建屋の父親とふたりっきりであの唄を聴いている、というシチュエーションがけっこう感傷的にきつかったからだ。が、そういうのは抜きにしても、わたしは当該楽曲にハッとするような感銘を受けた。
 これは日本のワーキング・クラスの歌だ。と思ったからだ。

 翌日、ブライトンの連合いから電話がかかってきた。大晦日の夜は、例年のようにBBC2で「Jools' Annual Hootenanny」を見ていたという。日本に紅白があるなら、英国にはこの番組がある。
 「ジェイク・バグが『ライトニング・ボルト』を歌った。それが一番良かった」
 と連合いは言った。
 紅白を見ながら、日本にも46年前にはワーキング・クラスの歌があったのだということをわたしが確認していた頃、英国では、「下層階級のリアリティを歌う」という作業を久しぶりに行った少年が、やはり国民的な年越し番組に出て2012年を締め括っていたらしい。

 「日本もね、階級社会になってきたよ」
 という言葉を聞く度にわたしが思うのは、階級は昔からあった。ということだ。
 しかし、わたしは長いあいだ日本では無いことにされてきた階級の出身なので、こういう反論をすることを不毛だと思う癖というか、諦めてしまう癖がついている。
 例えば、わたしは「できれば高校には行かず、働いてくれ」と言われた家庭の子供だった。奨学金で学校には行けることになったが、通学用の定期券を買うために学校帰りにバイトしていて、それが学校側にバレたとき、「定期を自分で買わなければならない学生など、いまどきいるはずがない。嘘をつくな」と担任にどやされた。
 思えば、この「いまどきいるはずがない」は、わたしの子供時代のキーワードであった。
 「俺の存在を頭から否定してくれ」と言ったパンク歌手があの頃の日本にいたと思うが、そんなことをわざわざお願いしなくとも、下層階級の存在は頭から否定されていた。

 年頭からこんな自分を裸にするようなことを書かなくてもいいんじゃないかと思うが、しかし、わたしにとって英国のほうが住み心地が良いのは、ここには昔もいまも継続して消えない階級というものが人びとの意識のなかに存在し、下層の人間が自分の持ち場を見失うことなく、リアリスティックに下層の人間として生きているからだと思う。
 わたしが育った時代の日本は、リアリティをファンタジーで抑圧していたために、当の下層民が下層民としてのアイデンティティを持てなかった。そんなところからワーキング・クラスの歌が聞こえてくるはずがない。

 「わたしは生まれも育ちも現在も、生粋の労働者階級だ」ということを、わたしが大声で、やけくその誇りのようなものさえ持って言えるようになったのは、英国に来てからだ。
 "国民全員それなりにお金持ち"などという、人民ピラミッドの法則を完全無視したスローガンに踊らされた国民が一番アホだったのだが、あの、国民が共犯してリアリティを隠蔽した時代が、わが祖国の人びとの精神や文化から取り上げたものは大きい。

 が、そんな日本でも、いきなり下層の人びとの存在認定が降りたらしい。
 紅白の"ヨイトマケの唄"が話題になっているというのも、そんなことと関連しているんだろう。しかし、この国の下層の歴史には黒く塗りつぶされた期間があるので、再びワーキング・クラス文化が生まれ育つには時間がかかる。「母ちゃん見てくれ、この姿」の"ヨイトマケの唄"と、二本指を突き立てて親に愛想を尽かして出て行くジェイク・バグのあいだには、46年の隔たりがあるのだ。
 ジェニー・ロットンやケン・ローチやギャラガー兄弟やマイク・リーが、現実を直視することによって生まれる下層の声が、中野重治が「すべての風情を擯斥せよ もっぱら正直のところを 腹の足しになるところを 胸さきを突きあげてくるぎりぎりのところを歌え」と言ったところの表現が、わたしが育った時代の日本には生まれなかった。世代と共に少しずつ変容し、洗練され、進化して行くはずのワーキング・クラス文化が、わが祖国では育たなかったのである。

 そんなことを考えながら機内に座っていると、いつの間にかヒースローに着いていた。
 入国審査には長蛇の列。80年代に日本で人気のあった男性アイドルグループのメンバーとその妻子がデザイナーブランドに身を包み、アサイラム・シーカーみたいな切羽詰った感じのアフリカ系の人びとや、険しい顔つきの中東の家族にまみれて所在なさそうに並んでいた。
 「Do you miss Japan?」
 唐突に入国審査官に訊かれて、反射的に
 「No, not at all」
 と言うと、脇に立っていた6歳の息子が声を出して笑った。
 「Fair enough」と金髪の若い審査官の男性も笑う。
 「Well, my life is in this country now...」と妙に言い訳がましくなりながら、審査官に手を振り、パスポート・コントロールを後にすると、息子が言う。
 「そもそも、なんで母ちゃん、日本からこの国に来たの?」
 「貧乏人だったから」
 「いまも貧乏じゃん」
 「まあね、でも、そういうことじゃなくて。あんたがもう少し大きくなったら、説明する」

 そしてずっしりと重い荷物を受け取り、わたしは息子を従えて、ずかずかと大股で英国に帰ってきた。
 脇にさげた手荷物の中には、知り人にもらった祖国のカステラ。
 I couldn't ever bring myself to hate you as I'd like....
 懐かしい曲の一節が、到着ロビーのカフェから聞こえてきた。

Various Artists - ele-king

 Inc.のファースト・アルバム(3月発売予定)の出来があまりにも良いのだけれど、昨年のジェシー・ウェアやディスクロージャーといったR&Bの流れは今年さらに洗練されていくのだろう。セクシャルで陰鬱な〈ブラッケスト・エヴァー・ブラック〉と対を成すように、ソウル・ミュージックの官能もまたいっそう際だっていくように思われる。だいたいアンドリュー・ウェザオールも、昨年自分が好きだった作品にエイドリアン・ヤングのセカンドを挙げている。逆説的なまでに浮ついた、ソウル・ジャズの時代なのだ。ジャイルス・ピーターソンの〈ブラウンズウッド〉の新しいコンピレーション盤は、こうした時流に応えている。この瞬間を逃すものかという気持ちの高ぶりさえ感じる。
 多少ノスタルジックではあるが、この道25年のベテランDJの耳を通過した曲はいちいち魅力的だ。懐古的なきらいはあるものの、空間的な録音には"いま"を感じるし、収録されている何曲かにはダブステップの痕跡がある。1曲目のレディなるブルックリンのR&Bデュオによる"マネー"という曲は、オープナーに相応しく多くの耳をいっきに惹きつける曲だが、古風なアレンジだ。ダブステップ以降のビートが入っているほうが、個人的には気持ちが上がる。 
 キューバやアフリカで試みているハイブリッド・サウンドへのアプローチも見受けられる。意外なことに、ダレン・エマーソンが彼なりのソウル・ディスコを披露しているらしい。アンダーワールドとクラブ・ジャズが20年後に交錯するのも、いまとなってはどうでもいい話だが、悪い話ではないだろう。

 綺麗すぎるかもしれないが、ジャイルス・ピーターソンのブラック・ミュージック解釈はつねに上品で、綺麗すぎるからこそ良いと言えよう。エロティシズムは上品であるべきだ、そのほうが良い。
 そういう観点で言えば、エイドリアン・ヤングの『ザ・デルフォニックス』もこ洒落たレトロ・ソウルだ。周知のように、ザ・デルフォニックスは60年代末から70年代初頭に活躍した、甘ったるいファルセットのコーラスで知られるフィリー・ソウルのグループで、ロックステディでもカヴァーされたりとか、王道中の王道だ。映画『ジャッキー・ブラウン』でちょっと良い感情を持っている白髪の男を家に招いたときにいい年したパム・ホッグが"ディドント・アイ"をレコードで聴くシーンがあったが(ちょっとほっこりした場面で、レコード針のアップがある)、僕がザ・デルフォニックスを聴いたのも自分が恥も臆面もなく恋愛感情をむき出しにしているようなときだった。
 話が逸れたが、フィリー・ソウルの人なので、ザ・デルフォニックスのリード・シンガーだったウィリアムス・ハートは、けっこうなおじいさんだろう。が、若いプロデューサーのエイドリアン・ヤングのビートに乗せて歌われる歌声は全盛期と比較しても見劣りしない。音域は縮まっているのかもしれないけれど、蜜のような甘さと光沢は失われていない。プロデューサーのエイドリアン・ヤングがうまいのだろう。矛盾めいた言い方だが、ヒップホップ畑から来た彼は、若々しいレトロ・サウンドと謙虚なアレンジで、この大ベテランを要領よくサポートしている。
 昨年、アンドリュー・ウェザオールが、まったくの大人のメロドラマでしかないエイドリアン・ヤングの(ヴェニス・ドーン名義の)『サムシング・アバウト・エイプリル』を褒めていたのが面白かったので、ついつい買ってしまった。結局、数回聴いたキリだった。昔、勉強のためだと思って買ったブラック・ミュージックのレコードはけっこう売ってしまったが、ザ・デルフォニックスの数枚は、いざというときのためにだろうか......、何故だかまだある。浮ついて生きたいという希望を捨てきれないのだから仕方がない。

Kitsch, Trash, Pop Art, Vaperwave - ele-king

coolmemoryz - i S P I R I Tメディア「2 X 1 3 」

https://coolmemoryz.tumblr.com
https://soundcloud.com/coolmemoryz/01-r-c-o-r-p/

 ネットにおけるエントロピーの増大の......というか、しかし、何故「日本」なんでしょう? それが、いや、それだけが気になる。よほど狂った、病的な国に見えるのか......、それとも本気で好きなのか......、クールジャパンを小馬鹿にしているのか......、そのあたりの感じがいまひとつわからないが、クラウド・ラップとも繋がっているわけだし、これが現代のUSアンダーグラウンドの一種の流行であることは疑いようがない。
 昨年「TOKYO_DAYS," / "真夜中のJAZZ滑らかな心」を発表したクールメモリーズは、90年代前半のボアダムス的なコラージュ・アートを、80年代/90年代の日本のオタク文化を素材としながらやっている。ドップラー・エフェクト(元ドレクシア)もジャパニーズ・テレコム名義でにたようなことを10年前にやっている。ダウンロードはこちらです
https://www.mediafire.com/?r4w9xx2622t4mae)。

Infinity Frequencies - Dream Recovery

https://computer-gaze.bandcamp.com

 今年の春先にリリース予定のオウテカ(アヴァンギャルド)の新譜は、こうした安直なネット音楽(キッチュ)に腹を立てているそうだが、文化的な緊張感で言えば、ヴェイパーウェイヴ以降の下劣なカオスは軽視できるものではない。だから御大も無視できないのだろうし、これが音楽作品として面白いかどうかは、フリーダウンロードできるので聴いて判断して意見を聞かせてください。僕は古い人間なので、これを無料でもらうよりはオウテカに金を払う派ですけど......。

肉人形☆MEATDOLL - 秋のシルエット

https://nymphoworm.tumblr.com/

 ココまで来ると80年代のノイズの領域で、ナース・ウィズ・ウーンド的なミュージック・コンクレートのあらたな展開とも言えるんじゃないだろうか。非常階段が初音ミクでじゃがたらの「タンゴ」をやったのは、そう考えると禁断の共作どころか、今日のアンダーグラウンドで芽生えた、ある種の共有意識/共通感覚によるものだと思えてくる。

 ヒップホップ・フリークにとっては定期的にスケジュール・リストに印されるワードが「REFUGEE MARKET」なんだけど、今回は池袋の地下にて繰り広げてきたソレとは趣きが違うようだ......。
 このイヴェントはDOWN NORTH CAMP(以下DNC)というクルーにおいて“順番と感覚を重んじる男”SORAを中心とした、その仲間たちのオフィシャルな溜まり場が発端となっているようだ。DNCの核となるMONJUメンバーを中心に、それぞれの音楽カルチャーを投影してきたヒップホップ・イヴェントである。SORAたちに会えばわかるけど、彼らの周りは風通しが良く、些細なことがらについてはバリアフリーだったりする。

 そんなDNCの骨子ともいえるような出会いのレイヤーが重なる場所こそが下北沢だったという。平成に生きるわたしたちと昭和を生きた先人たちとでは捉え方が違うかもしれない街・下北沢で、BLACK MARKETならぬREFUGEE MARKETが開催される。
 今回のイヴェントはDJセットこそ組むらしいが、クラブ・イヴェントではなくリアルなマーケットであるらしい。SORAは「おとなのおままごと的なこと」と乱暴に言い放っていた。
 音楽の周囲を衛星的にとりまく諸カルチャーを、どの分量までトッピングできるかがそれぞれの器量だったりサンプリングの妙だったりするわけだけど、彼らに標準装備としてその感覚が備わっていることは、DNCとしてドロップされるアイコンひとつとってみてもわかることだろう。最近ではDNC所属アーティストの作品発表もおびただしく、公開されるPVにて音に違う奥行きをそれぞれが与えていくという点も非常に魅力的である。
 昨今ようやくその断片が見えてきたDNCメンバーそれぞれのバックボーン的なカルチャーの諸相。そこで収集した品々や魂を削って産み出された作品など、生きた血の通った品が多数陳列されるらしい。

 そして今回のイヴェントは2本軸で組まれていて、正式なイヴェント名は「REFUGEE MARKET x ゴローコサカ エキシビジョン アーカイビズ」となっている。ゴローコサカとは誰なのか......SORAからは「こいつの写真はヤバいから! さくっと撮影していたのにその場をうまく切り取って記録している。こいつの写真は新しい目線を与えてくれるんだよね」とこれまた乱暴に語ってくれた。SORAはまわりにいるヤバいヤツを紹介したくてしょうがないたちである。ラッパーの次はフォトグラファーをフックアップしたいらしい。個展なんてやったことないはずなのに......熱意が先である。順番を重んじる男SORAがプロデュースするREFUGEE MARKETは1/13(日)14(祝月) @下北沢 Stardustラウンジ3Fでポップアップ的に開催されるからぜひ行ってみよう!

PS.
SORAはお酒を飲まないので、乾杯の際はソフトドリンクがいいよ!
でも差し入れはアルコールにするとメンバーが喜ぶよ!!

■ゴローコサカ プロフィール
1983年、流しの料理人と田舎の箱入り娘の間に生まれる。
新宿区の団地にて、6畳2間のスペースに5人という家族構成で育つ。
幼児期、ひとりで勝手に家を飛び出し、近所の家のおばあちゃんに土足&正座というスタイルで、お茶やお新香をご馳走になっていたらしい。
時は過ぎ、下北沢のカルチャー・ショップSKARFACEの魅力にとり憑かれ、入り浸り、 一時、屋根裏に寝泊まりする。
SKARFACEでのさまざまな経験と出会いの結果、カメラを手にし、ダウンノースキャンプと遊ぶようになる。
現在、光の射す方に導かれるまま、日々撮影に励んでいる。

■『REFUGEE MARKET x ゴローコサカ エキシビジョン アーカイビズ』
トータルインフォ:DOGEAR RECORDS

https://www.dogearrecordsxxxxxxxx.com

■SORA twitter:
https://twitter.com/ill_com

Twin Shadow - ele-king

 ジョン・ヒューズ監督が2009年に急逝したとき、勝手に追悼と称して彼の代表作群......『プリティ・イン・ピンク』(脚本)、『ブレックファスト・クラブ』、そして『フェリスはある朝突然に』辺りを観直したことがあったのだが、自分の脳内で作り上げている80年代の決定的なイメージ(のひとつ)はこれだな、とそのとき妙に腑に落ちてしまった。やたらに感傷的で甘いムード、予めノスタルジックな舞台装置としての学園とティーンエイジャーたち、その思春期の恋と青春。たとえばジェイソン・ライトマン監督(『JUNO/ジュノ』)辺りの70年代生まれのひとたちの作品にもヒューズ映画の匂いを感じることがしばしばあるのは、80s学園ドラマや映画の懐かしさがアメリカでは根強いことの証左だろうが、80年代なかば生まれで日本に住む自分ですら、どこかで抗えない感傷を覚えてしまうのはどうしてなのだろう。エイティーズの幻視としてのシンセ・ポップ・リヴァイヴァルがシーンに溢れたとき、それは80年代生まれのミュージシャンたちにとっての「未知」であったから......という分析がなされたが、もっと正確に言うならば、記憶の底にその時代の記憶が微かに刷り込まれていたからではないだろうか。それらが厳密さに欠いたものであろうとも。
 ツイン・シャドウとしてのセカンド作『コンフェス(告白する)』において、83年生まれのジョージ・ルイスJrは歌う。「オレは泣くぜ。その映画が終わったら、オレは泣くぜ」......僕には、「その映画」がジョン・ヒューズの作品にしか思えない。

 年末年始は多くの音楽好きと同じように各メディアのチャートを見ながら聴き逃していた作品をチェックするのが恒例行事になっているのだが、発売当時はそこそこ評価を集めていたにもかかわらずほとんどチャートからはスルーされていたのが本作で、それならばせめて個人のチャートには挙げればよかったかなと思う。というのは、2012年に聴いたすべての音楽作品のなかでもっとも笑わされたのがこのアルバムだからだ。前作『フォーゲット』のときはタイミング的にチルウェイヴとの距離で説明されたりもしたが、もはやシンセ・ポップということ以外チルウェイヴのチの字もない。音はクリアでゴージャスに、そしてすべてはドラマティックに。捏造されたイメージとしてのニュー・ロマンティックス、そのペルソナを完璧に演じきっている。冒頭の"ゴールデン・ライト"、ムーディなシンセのイントロに導かれてビートが入ると、ルイスJrが悩ましげに歌う......「お前は黄金の光だ」。これはいったい、なんなのだろう。
 シングルの"ファイヴ・セカンズ"がケッサクで、アップテンポのシンセ・ポップの上で色男の恋の物語が腰を抜かすほどキャッチーなメロディに乗せられて、無闇にエネルギッシュに情熱的に歌い上げられる。「オレはお前を信じない/お前はオレを信じない/どうやってお前はオレを泣かせるんだ」(←やや意訳)。時折ブレイクが入るとステージでスタンド・マイクを片手にポーズを取っている姿しか思い浮かばず、電車のなかでこれを聴くのはキツい。というか既に3度ほど吹き出して、向かいの席のひとに怪訝な顔で見られている。この味わい深すぎるジャケットにしても、その"ファイヴ・セカンズ"のヴィデオにしてもそうだが、ここではまったくの虚像としてのバッド・ボーイが自己演出されている。のだが、そこで鬱陶しいほどに沸き立つエナジーの動機がまったくわからない。無意味。リリックにおけるメロドラマめいた愛の物語もはっきり言ってどうでもいいものばかりで、逆説的に巷に溢れる大半のラヴ・ソングのどうでもよさを浮き彫りにしていると言えなくもない......と思うのはもちろん勘違いだ。
 時折入ってくるハード・ロック風のエレキ・ソロがやかましくもあるが、それもまあ、この舞台を盛り上げるための小道具のひとつだ。アルバムはリーゼントの黒人青年にあくまでスポットライトを当てたまま進行する。"アイ・ドント・ケア"で「その夜オレはお前のところへ行き、真実を告げてお前を泣かせたああーー」と熱唱したあとのラスト・トラック、"ビー・マイン・トゥナイト"は80sの学園ドラマのハイライト・シーン=プロム・パーティの場面で流れるのに相応しい、必要以上に甘美なシンセ・ポップのファンタジーだ。殺し文句は、「オレのものになってくれ、今夜お前が家に帰れないのなら」......。そうたとえば、ギャングスなどは曲名に"ラスト・プロム・オン・アース(この世で最後のプロム・パーティ)"とつけたが、そこでのジョン・ヒューズ的なものの引用は自覚的なユーモアだ。が、ツイン・シャドウにおいては、それが本気と書いてマジで繰り広げられるものだから、かえって笑いを誘われずにいられない。いや、『フォーゲット』のときはもう少し、ムードとしてはチルウェイヴに近接するフワフワしたものがあったはずだ。だが根拠はないが、間違いなくこちらの暑苦しさのほうが彼にとっては正解である、と思わせられる妙な説得力が本作にはある。
 とにかく、どこを見ても勇ましいスローガンばかりが溢れる日々のなかにこそ、これほどまでに清々しく意味のないポップ・ミュージックがあってもいいではないか、というか、あってほしいと思う。軽薄な80sへの、偽もののノスタルジー。そのエモーションの熱量だけは、ほかのどんなシリアスな音楽にだって引けを取らない。リヴァイヴァルも80年代のシンセ・ポップから90年代のR&Bやヒップホップに軸足が移ってきたように見えるが、このアルバムに充溢する無意味な情熱に触れていると、まだ何か見るべきものがあるのではないかと錯覚させられる。

interview with Dub Structure #9 - ele-king


Dub Structure #9
POETICS IN FAST-PULSING ISLAND

dive in! disc

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 エメラルズからマーク・マッガイアが脱退したそうだが、東京からは昨年の12月ダブ・ストラクチャー#9という4人組のバンドがアルバムを発表、年末はドイツ・リューベックからDJ/プロデューサーのラウル・Kを招いて盛大なパーティを繰り広げている。
 ダブ・ストラクチャー#9という名前のバンドが演奏するのは、いわゆるダブではない。彼らが打ち鳴らすのはモータリック・ビート、いつまでも動き続けるミニマルなグルーヴ、すなわちクラウトロックだ。そのアルバム『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』は、クラウトロックが普及したこの10年における日本からの回答とも呼べる作品だ。
 しかも......アルバムにはリミキサーとして、ラウル・Kのほか、日本のクラブ・シーンのベテランDJ、アルツとCMTも参加している(ふたりのリミックス・ヴァージョンは12インチ・シングルにもなってもいる)。
 結果、彼らのセカンドは、今日の日本ではもはや異端とも呼べるであろう、クラブとライヴハウスの溝を埋めるものともなった。ポーティスヘッドやファクトリーフロアのようなやり方は、果たしてこの国でも通じるのだろうか......昨年末、メンバーのひとりが成田までラウル・Kを迎えに行っているその日に取材した。

クラウトロックは大好きですね。とくにあの曲に関しては、「ノイ!」と呼んでいたくらいなので(笑)。

アルバムを聴いて、まあ、ぶっちゃけ、すげークラウトロックを感じたんですね。とくに1曲目、"NEW FUNCTION"なんか、ここまで見事なノイ!もそうないというか......。

一同:ハハハハ。

こんなバンドが日本にいたのかと思って。クラウス・ディンガー的なグルーヴというかね、日本ではかなり珍しいですよ。びっくりしました。やっぱお好きなんでしょう?

Canno(カンノ):大好きですね。とくにあの曲に関しては、「ノイ!」と呼んでいたくらいなので(笑)。

ハハハハ。

Minami(ミナミ):いや、ホント大好きで。

海外は多いけどね、クラウトロック系は。日本ではほとんどいないんですよ。

Okura(オークラ):たしかにそうかもしれない。

Minami:すっごく仲のいいバンドで、ノーウェアマンというのがいて。

ノーウェア(nowhere)?

Minami:いや、ノーウェア(nowear)、何も着ないっていう。彼らは面白くて、ミニマルな8ビートですけど、ハンマービートって感じじゃない。でも、クラウトロックは大好きですよ。

Canno:そうだね、ノーウェアマンぐらいかな。

ほかにも、"WHEN THE PARTY BEGIN"とか、"POETICS IN FAST-PULSING ISLAND"とか、クラスターの精神とでも言いましょうか......。

Minami:そのへんは好きっすね。

Canno:なんでも好きなんですけどね。ブリティッシュ・ビートみたいなものも、ジャズも、テクノも、いろいろ好きなんですけど、でも、ノイ!とかクラウトロックは自分たちにとって新しい発見でしたね。

Okura:衝撃だったよね。

Canno:これだ! みたいね。音楽って長いこと聴いていると、自分のなかでマンネリ化するものだと思うんですね。それで、新しい発見によって広がるっていうか。そのひとつだと思いましたね。

バンドはどんな風に結成されたの?

Okura:ミナミとカンノは小学校が同じで、一個違いの幼なじみで、小中高と同じ。

東京?

Okura:全員東京です。

Canno:僕らは世田谷、オークラとアライも小学校から一緒で、目黒ですね。

世田谷のどこなんですか?

Canno:僕が下馬で、ミナミが梅ヶ丘。

Minami:(梅ヶ丘は)奇っ怪な街ですね。古いサックスを売っているお店があったり、超小さいギターのお店があったり、変な街ですね。

Canno:高校が、リズム隊が、白金台と麻布十番だったんです。

けっこう、街っ子だね。ていうか、最新の東京っ子だね(笑)。

Canno:そうっすね。うちらは田んぼだったあたりの東京なんですけどね

バンドは?

Canno:僕とオオクラは高校の頃からやってて、けっこう真面目にやってて、ライヴハウスなんかにも出てね。21歳のときに解散するんですけど、解散する頃にミナミが入ってきて。で、この3人で新しいバンドをやることにしたんですよね。最初はベース無しで。で、アライが入ってきて、現在の形になりましたね。

ダブ・ストラクチャー#9というバンド名は?

Canno:言い出したのはミナミなんですけどね。

Minami:その当時、ダブということにすごく興味があって。格好いいな、と(笑)。

Canno:俺も、格好いいなと(笑)。

その名前を聞くと、どうしてもダブをイメージするじゃないですか。「ああ、新しいダブ・バンドなのかな」って。

Minami:ダブってジャンルというよりも手法で。

手法であり、ジャンルでもありますよね。

Minami:音を飛ばすっていう、僕としてはインダストリアルなイメージで付けたんですよね。

ダブはずっと好きだったんですか?

Minami:そんなに詳しくないんですけど、ずっと好きです。キング・タビーのような、ハッピーではなく......哀愁、キング・タビーにもハッピーなのはあるんですけど。

キング・タビーは基本、ダークですよね。

Minami:飛ばす方に耳がいってしまいますね。

Okura:結成当時は、まだクラブに行きはじめって感じでしたよね。20歳過ぎたぐらいで。

Canno:クラブ・ミュージックも、テクノ寄りのものを聴きはじめたり。

Minami:もとはロックですけどね。ツェッペリンとかね。

レッド・ツェッペリン?

Canno:ドアーズとかね。

へー。みんな20代半ば過ぎたぐらいでしょう? 古いのが好きなんだね。僕らの時代にはあり得なかった(笑)。レッド・ツェッペリンなんか......

Canno:だせーって(笑)。

王子様みたいだしって(笑)。でも、いまの若い人は古い音楽に詳しいね。

Minami:僕らもガンズとかは聴けなかったですよ。

Canno:ツェッペリンとかになると一周しちゃってたから、再評価ブームとかもあって。昔のものが整理された感じはありましたね。

Minami:小中学校でギターをはじめようとして、『ギターマガジン』とか見ると、ツェッペリンとかクラプトンとか。

いまでも?

Minami:いまでも。

それはすごい。俺の時代から変わってないんだね。

Canno:ジミー・ペイジとか何回表紙になってるんだっていうね。

Minami:ソニック・ユースといっしょに聴いていたもんね。

その感覚は僕の時代にはなかったな。とにかくロックだったんですね。みんなにとってロックは何だったんでしょう? なんでロックだったの?

Canno:少数派の価値を見いだせるっていうか。

Minami:それはあったね。

でも、みんなの時代にはヒップホップだってR&Bだってあるじゃん。

Canno:世代的にはそうですよね。中学生のときまわりはBボーイだったし。

ヒップホップは好きでしょ?

Minami:はい、ホントにハマったの最近ですけどね。

Canno:いや、でも、ホント、みんなロック少年だったから。夢がありましたけどね。ロックがすべてを変えるみたいな(笑)。

ハハハハ。いまでもロックは力があるの?

Minami:クラブ・ミュージックのなかにもそれはあるじゃないですか。サイケデリックな部分だったり、アシッディな部分だったり。共通するところはあると思いますよ。

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2年前に、「MONK!!!」というイヴェントをはじめたのが大きかったですね。そのときにヒカルさんとか、アルツさんとか、DJをお願いしていたんですけど、その前からDJを聴くようになっていて、それは僕らにとってクラウトロックと同じぐらいに大きかったですね。

ミナミさんはヴォーカリストですよね。

Minami:歌うことに関しては、まだ自分のなかで消化しきれてないですね。

好きなヴォーカリストは?

Minami:若い頃は、ボビー・ギレスピーとか。イアン・ブラウンとか。

すごい真っ当な......。ただし、みんなが高校時代だとしたら、全盛期はとっくに終わっている人たちでしょう。

Minami:そうっすね。

世代的に言えば、アークティック・モンキーズとかじゃない?

Minami:いや、その頃は、昔のものを掘りはじめてしまって。

Okura:ストロークスが高一ぐらいだよね。ホワイト・ストライプスとか。ホワイト・ストライプスなんか、もう大好きだった。

いまのバンドの青写真はどうやって出来上がっていったの?

Canno:2年前に、「MONK!!!」というイヴェントをはじめたのが大きかったですね。そのときにヒカルさんとか、アルツさんとか、DJをお願いしていたんですけど、その前からDJを聴くようになっていて、それは僕らにとってクラウトロックと同じぐらいに大きかったですね。で、どんどんテクノのパーティにも行くようになった。

クラブが大きかったんだ?

Canno:ダブ・ストラクチャーになる前は、ホントに漫画に出てくるようなコテコテのバンドマンの生活というか、けっこうライヴハウス時代があったんですよね。その頃にもライヴハウスのシステムってどうなんだろうってのがあったんですよね。みんな楽しめているのかなっていうか。

Minami:その前に、セオ・パリッシュとムーディーマンを友だちに貸してもらって、そのときに「あ!」っていうか。セオ・パリッシュを聴いたときに、超格好いいって。

Canno:ムーディーマンが来日した頃でね、もう、びっくりしちゃって。

Minami:あ、ロックスターじゃんって。

Canno:DJでは、ストーンズとかもかけていたし。

Minami:あのヌメッとした感じとか、すごいなって。

ドラマーとしては打ち込みの音楽との出会いはどうだったんですか? 

Okura:いや、もう、やっぱ最初は「冗談じゃないよ」って(笑)。でも、『ブラックマホガニー』を聴いているうちに、「格好いいじゃん!」って。

あれは生も入っているしね。

Okura:生も入っているし、サンプリングもあるし。

Canno:発想の自由さに影響されましたね。バンドって、やっぱマンネリ化してきてしまうから。でも、ムーディーマンやセオ・パリッシュは、音楽の発想がすごく自由なんですよね。

Minami:ブラック・ミュージックというものにも初めて直面したっていうかね。

Okura:ツェッペリンとかも根底にはブルースがあるんで、その共通するところっていうのがよく見えたっていうか。

「MONK!!!」は、最初から〈イレヴン〉?

Canno:最初はセコバーでやって、2回目が〈イレヴン〉でしたね。最初はセコバーにドラムもシステムも入れてやりましたね。

Minami:DJはヒカルさん、アルツさん、CMTさん、あとクロマニヨン。

ヒカルさん、アルツさん、CMTさんというのは、どういう経緯で?

Canno:客としてずっと好きだったので。CMTさんは群馬にDJハーヴィーが来たときに行ったらやってて、初めて聴いたんですけど、もうDJとは思えないっていうか、とにかくショックを受けましたね。友だちにトミオってDJがいるんですけど、そいつが詳しくて、そいつにいろんなパーティに連れてってもらいましたね。

20代前半の子にとってクラブって行きづらい場所だってよく言われるんだけど、入っても年上の連中ばっかりだし。

Minami:たしかに僕が高校生のとき、マッド・プロフェッサー聴きたいからクラブに行こうか迷ったことがあって、でも、そのときはなんか怖いから止めました(笑)。

Canno:うん、その感覚がわかるからこそ、同世代の連中に「MONK!!!」に来て欲しいんです。

Minami:DJの人たちって、ホントにいい人ばっかだし。

Canno:偏見があるんですよね。僕らぐらいの世代から。

偏見じゃないと思うよ。単純な話、20歳の子がクラブに入ってみて、30代以上の人たちがざーっといたら、ひたすら踊るか、やっぱ居場所ないじゃない(笑)?

Canno:みんな話してますもんね(笑)。俺も、いまでもそうなっちゃうときがあるけど、そうなったら、もう目をつぶって音楽に集中するっていうか(笑)。

ハハハハ!

Minami:いや、俺はもうずっとフロアにいるよ。

Canno:クラブを好きになったのも、音楽を聴きたいっていうのがあったんで......、でも、いま思うと、我ながらよく行ったなとは思いますね(笑)。

Minami:いや、もう、みんな社交性がないヤツらなんで。

社交性がないから、音に集中できたんだ(笑)。

一同:ハハハハ!

Canno:まわりでクラブ行ってるヤツってあんまいなかったよね。

Minami:ただ、20歳ぐらいのときに、友だちでDJのほうに進んだヤツがいて、それは大きかった。

Canno:そうっすね。トミオっすね。

トミオ君、重要だね。なんか、欧米はクラブ・カルチャーが良い意味で世代交代しているし、僕はクラブ・カルチャーの恩恵を受けている人間だけど、やっぱ、その主役は20代だと思うし、しかも20代前半だと思うんだよね。なぜか日本だけが圧倒的に30代以上の、ていうか、40代以上の文化になっているようで。

Minami:やっぱ年上の人たちのDJって、丁寧だし、繊細だし......。

やっぱ勝てないって?

Minami:年功序列っていうのはあるんですかね(笑)?

ディスコやハウスの世代にはあったけど、テクノ以降はなかったと思うよ。

Minami:若くて、すげー、格好いいDJもいるもんな-。

ただし、DJって、たとえばハウスやろうとしたら、知識と経験があるDJを超えるのって、よほど何かないと難しいとは思うよ。

Minami:レコードの量も違うし。

Canno:でも、うちらにも、若者でやろうという気概はあるんですよね。

Minami:うちらの「MONK!!!」も、遊びに来てくれた子たち年齢はけっこう若いと思いますよ。

それは良いね。

Canno:本当に、みんなからもそこが良いねって言ってもらえた。

ハハハハ。しかし、みんなから見て、クラブのどこが魅力だったんでしょう? さっきライヴハウスに限界を感じていたって言っていたけど。

Minami:いやもう、単純にノルマ制が。

ハハハハ。

Canno:それに、クラブって、やっぱ終電を吹っ飛ばして朝まで踊るっていうのがいいじゃないですか。

うわ、若い!

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迷いはなかったでね。能動的にやった感じですね。まさに、クラブとバンドの溝を埋めたいと思ってやったことだから。

(ここで、今回の「MONK!!!」のゲストDJとして招聘したラウル・Kの送迎に行っていたベースのアライが登場)

Arai:こんにちわ。

お疲れ様です。いや、もう、話はすっかり佳境に入ってしまってますが......。でも、いま行った「朝まで踊る」っていうのが嫌なんだっていう話も聞くけど。

Canno:それもあると思う(笑)。明日の朝のことを考えちゃうんだって。俺は良いと思うんですけどね。

Minami:あと居心地とかね。

Canno:そうだよね。オールナイトでやるなら、そこに長時間入れるような場を作る努力をしなくちゃね。

僕は仕事柄ライヴハウスに行くんですが、ライブハウスのつまらなさって、そのバンド目当ての人しかいないってことなんですよね。Aというバンドが出ると、Aの客しかいない。次に出るBの客は裏でタバコ吸ってたり。なんかね、同じ種類の人間しかいないっていうか、だいたいトライブが固定されちゃってるでしょう。でも、クラブはふだんまず会わないヤツと会うじゃない(笑)。女でも男でも。そこが良いよね。

Canno:そこが楽しいですよね。

Minami:中規模や小規模のDJバーだと、そういう、知らない人と話すような感じがありますよね。

みんなそこまでDJ好きなら、DJもやってる?

Canno:最近ちょっとずつ練習してて。

Minami:トミオと一緒に小さい場所でDJパーティもやったりしてますよ。

自分たちで12インチ・シングルを作るくらいだから、ターンテーブルを使う?

Canno:はい、俺はまだ練習中ですけど。

Minami:ライヴではPC使ってますが、DJは......。まあ、僕らの場合はバンドがメインで、たまにDJやってるぐらいだから。

今回の12インチではアルツさんみたいな大先輩がリミックスしているわけだけど、やっぱ声をかけるのに勇気がいる?

Minami:最初はもう......、いや、もうすごく勇気が入りましたね。

Canno:でも、話してみるとみんな優しいんですよ。それもまたクラブにハマった理由でしたね。最初はやっぱおそるおそる話しかけるんですが、いざ、実際に話したら、みんなすごく優しいんですよね。

Minami:「えーよー」みたいなね。

アルツさんとCMTさんっていうのは、バンドにとってホントに大きな存在なんだね。

Minami:とくにそうっすね。でも、ふたり、タイプは違いますよね。アルツさんにはワールドな感覚もあるし。

Canno:ジャンルにとらわれないDJが好きっすね。ヒカルさんも自分のジャンル持ってる感じだし。

今回のアルバムが2枚目になるわけだよね。ファーストは2010年に出しているけど、どんな感じだったんですか?

Minami:いまよりもポップですね。

クラブっぽいの?

Canno:いや、それをクラブと言ったらクラブの人に申し訳ないというか(笑)。

Minami:4つ打ちでしたね。

Okura:人力4つ打ちっていうかね。

タワーレコード渋谷店の国内クラブ・チャート1位だったわけでしょう?

Minami:いや、でも、まだ自分たちが目指している音を作れてなかったですね。

Okura:CDのなかに「MONK!!!」のディスカウントチケットを入れたんですよね。そうしたら、リリース・パティのときのそれを持って来てくれた子がけっこう多くて。


Dub Structure #9
POETICS IN FAST-PULSING ISLAND

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なるほど。今回の『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』(※2012年12月発売)には、クラウトロックへのアプローチとクラブ・ミュージックへのアプローチと両方があるけど、それはバンドにとっての迷いって感じではない?

Minami:迷いはなかったでね。

Canno:能動的にやった感じですね。まさに、クラブとバンドの溝を埋めたいと思ってやったことだから。

ドイツにライヴに行ったんでしょ?

Minami:すげー楽しかったです。

Okura:ベルリンと、ケムニッツという田舎町とドレスデン。

Canno:ほぼベルリンだよね。

どういう経緯で?

Canno:最初にラウル・Kとか呼んだ頃から、もう、クラウトロックは大好きだったし、ドイツでライヴやりたいってずっと思ってって。それで......。ひょっとしたら「受けるんじゃないねー?」って(笑)。

Minami:「行ってみたくねー?」って。

Canno:日本でやってもそんなお客さんが入るわけじゃないし、まあ、可能性を探りに。あとは、もっといろんなレコード買えるんじゃないかと。今回のリリースにこじつけて、ブッキングを探して、行ってきたって感じですね。

Minami:無理矢理行ったんです。

ハハハハ。

Minami:まずは行くことが重要でした。

行って良かったことは?

Minami:自由があるってことですよね。

Canno:音に対しても寛容だし。

Minami:僕らはそこに住んでいるわけじゃないですからね、住んだらまた別でしょうけど。

まあ、ベルリンをデフォルトに思わないほうがいいけどね(笑)。ちなみに今回の『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』というタイトルの意味は?

Minami:やはり震災のことですよね。いろいろな意味で、その影響が出ているなって、アルバムが完成してから聴き直して思ったので。

ダブ・ストラクチャー#9としては、とくに今回のアルバムのどこを聴いて欲しいですか?

Canno:良い音楽を共有したいってことですかね。壁を崩したいっていうか。

Minami:わかりやすい話が求められていると思うんですけど、クラブでの経験って、そんなものとは違うじゃないですか。イメージというか、曖昧なイメージの積み重ねで、わかりやすくないじゃないですか。逆に言えば、そこを伝えたいっていうのはありますね。

ぜひがんばってください。ところで、アルバムには使用機材のクレジットが細かく記されているでしょう。ヴィンテージのアナログ機材から使用楽器まで。これは?

Canno:もう、そういうの大好きなんです。自分で(楽器屋を)やりたいくらいですね。

Minami:レコ屋と楽器屋が大好きなんです。

Monopoly Child Star Searchers - ele-king

 なかなかいいレーベルになってきました。注目の〈アンダーウォーター・ピープルズ〉からまとめて2枚。

 ジェイムズ・フェラーロとのスケイターズやマーク・マッガイアーとのイナー・チューブでも知られるスペンサー・クラークことチャールズ・ベルリッツによるモノポリー・チャイルド・スター・サーチャーズ(以下、MCSS)名義の2作目(正確にはRを入れて3部作となるらしい)。最初から最後まで竹のような響きのパーカッションがフィーチャーされていた『バンブー・フォー・トゥー』(10)と同じくトライバル・サウンドにインプロヴァイゼイションを絡めたつくりながら、打楽器はやや背景に退かせて怪しげなメロディやSEを豊富に取り込み、全体に迷宮をさ迷わせるようなマジカル・ムードに転じている(前作が森の入り口なら、そのまま奥深くに進んできたというか)。レジデンツが『エスキモー』ではなく南洋の島を題材にし、それこそマーティン・デニーのカヴァーに取り組めばこうなるかなと思う反面、インチキ臭さをことさらにアピールしているわけでもないので、エキゾチック・サウンドの最新型として素直に楽しめる。イエロが脱力したようなスウィング・ムードも楽しく、曲のヴァリエイションも格段に増えた(前作の路線を追う人はむしろイナー・チューブと同じパシフィック・シティ・サウンド・ヴィジョンズからリリースされたフォース・ワールド・マガジン名義『スペクタクル・オブ・ライト・アブダクションズ』を)。

https://soundcloud.com/underwaterpeoples/sets/monopoly-child-star-searchers

 MCSSと同じく、デビューは〈オールド・イングリッシュ・スペリング・ビー〉からとなるビッグ・トラブルズからイアン・ドレナンのファースト・ソロはシューゲイザーを基本とした母体からは思いもよらないミュージック・コンクレートやアヴァン・ポップが雨あられ。音楽性があまりに違い過ぎて、最初は同姓同名ではないかと疑ったけれど、XTCとアンディ・パートリッジの関係を思えば、こういうこともたしかにあると。しかも、過去の実験音楽に対して造詣が深いとか、少なくとも手だれではないようで、あくまでもロック・ミュージシャンの視点で取り組んでいるので、初々しい視線が冴え渡り、けっこうなことをやっても重くならず、最初から最後まで可能性の三文字しか浮かんでこない。それこそサン・アロウ以来の快挙ではないだろうか。ミニマルかと思えばクルト・ワイル調、あるいは激しいカット・アップにスロー・テンポのホルガー・ヒラー。『ファイナル・ファンタジー』の音楽などで知られる葛生千夏が80年代に自主でリリースした「エレイン・ザ・フェアー」のカヴァーなどという稀少なこともやってたり。

https://soundcloud.com/underwaterpeoples/sets/ian-drennan-the-wonderful

 ドローンやノイズからハウスやチルウェイヴへ。そのような推移のなかでベルリッツやドレナンは実験的な精神を諦めてしまうことなく、別なフィールドに移し変えることで数多の同世代とは異なる道を必死に模索している。そして、それらは少なからずの成果に結びついていると僕には思えるし、実験的でありながらエンターテインメントとしても充分に機能したニューウェイヴ期の空気を思わせる。音楽がただ音楽としてあるだけで、いまだ哲学でもファッションでもない瞬間。〈アンダーウォーター・ピープルズ〉にジュリアン・リンチやドルフィンズ・イントゥー・ザ・フューチャーが集まってくる理由もそこにあるのだろう。

SEKITOVA - ele-king

Sekitova - Premature Moon And The Shooting Star
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 ele-kingの創刊は1995年1月、編集部を作ったのは1994年の秋、初めて友だちとクラブ・イヴェントを企画したのが1993年で、当時の僕はターゲットとする読者やオーディエンスの年齢層を訊かれたらはっきり「17歳」と答えていた。17歳に読んで、聴いて欲しい。企画書にもそう書いた。17歳、セックス・ピストルズの曲名にもあるし、大江健三郎の短編にも「セブンティーン」がある。
 セキトバは、昨年、17歳にしてデビュー・アルバム『PREMATURE MOON AND THE SHOOTING STAR』を発表したDJ/プロデューサーである。「1995年生まれの高校生トラックメイカー兼DJ」として騒がれてしまったようだが、彼のバイオを知らなくても、いや、知らないほうがむしろ『PREMATURE MOON~』を素直に楽しめるんじゃないかと思う。スムーズなグルーヴも心地よいが、繊細なメロディ、アトモスフェリックな音響の加減も魅力的で、デトロイトのジョン・ベルトラン風の優しいアンビエント・テイストもあれば、クルーダー&ドーフマイスター風のダウンテンポからスクリュー、お茶目な遊び心もある。その多彩な曲調、お洒落さ、そしてバランスの良さを考えると、ホントに17歳なのかと信じられない。が、彼は間違いなく、日本のクラブ文化の未来の明るい星のひとつなのだ。
 元旦生まれなので、数日前に18歳になったばかりのセキトバへのメール取材である。


何歳から、どのようなきっかけでハウス・ミュージックを作っているんですか?

SEKITOVA:はじめてDTMを触ったのが14歳の頃なんですけど、その頃はテクノやハウスよりもエレクトロをよりたくさん作っていました。理由は「ディストーションをかけるだけでなんかそれっぽい音が出たから」っていう安直なものなんですけれど。逆にテクノやハウスなんかは音をつくるのがとても難しかったので僕にはなかなかつくれませんでした......。当時はちょうどDigitalismやJunkie XL、Justiceなんかが情報として得やすかったのでそこからエレクトロやその周辺の影響を受けたということもありますね。
 年月を重ねるうちに技術があがってきて、自分のやりたいことが徐々に思い通りに出来るようになってきたので、じゃあ自分のやりたかったことをやってみようって意気込みで始めたのが現在のスタイルです。

子供の頃、ピアノなど、楽器を習っていたんですか?

SEKITOVA:4歳か5歳の頃から10歳の辺りまでまさにピアノを習っていましたが不真面目すぎてまったく上達しませんでした。当時は音楽よりサッカーに夢中で、ピアノ=女々しいと思っていたくらいですし。
 そこからは楽器を習ったりすることだとかは今日までまったくないですね。ただ学校でたまにあった民族音楽を聴く授業はとても好きでした。東南アジアやアフリカのダンサンブルなものがとくに好きで間違いなくいまの僕はそこから影響を受けている部分があります。

たくさんの音楽を聴いているようですが、ご両親からの影響ですか?

SEKITOVA:両親のほかに母方の祖父がジャズの好事家だったり、トラック制作をはじめた頃知り合った人たちにとてもライブラリがあったり周りからの影響はとても強いと思います。
 中学の頃には友だちの母親から立花ハジメやkyoto jazz massiveだとかのCDを貸してもらったりしてました。昔から音楽だけに限らずなにかと大人と接する機会が多かったわけです。
 またインターネットの発達で、年代や距離の障壁がより薄くなっていたことも大きな要因の一つですね。なにせいまはとても簡単にレアトラックにアクセスできる時代ですから。
 あ、もちろんテクノディフィニティヴも買いましたよ!

あ、ありがとうございます! 機材は何を使っているんですか?

SEKITOVA:けっこう驚かれるのですが、GaragebandというDAW(DTM)をつかっています。iMacに最初から入っているソフトウェアで、手軽に遊び始めてからずっとこれですね。最近ではほかの有料DAWも色々使ってみたりしたのですが中々慣れなくて・・・。
Garagebandをシーケンサーとして利用してそこに様々なプラグインやソフトシンセを導入する形でやっています。ハード機材が一切ないので2013年はまずMIDIキーボードを入手するところから始めたいです。

DTMはどうやって学びました?

SEKITOVA:「曲を作ってるうちに出来るようになっていく」というパターンがいちばん多いですね。どうしてもわからないときはインターネットの知恵を借りたりもしますが基本的に面倒くさがりなのでDTM上でだらだらしながら解決策を探す感じです。たまに○○が上手だなんて言われたりもするんですが僕自身技術なんてほとんど勉強したことがないので褒められても言われてる本人はよくわからなかったりします。

レコードとCDではどちらが好きですか?

SEKITOVA:どちらもいいところがあるので難しいですね......。というかあまり対立させるものでもないのでは、と思ったりもします(あるいはもう対立させて語ってもしょうがないのでは、という考え)。
 レコードはやっぱりかっこいいです。よく音質を語る際に「レコードの音には温かみが~~~」なんて言われますが、視覚的にもけっこう温度を持っていると思います。アナログDJの動作なんかはそれだけでヴィジュアライザ要素を果たしてしまうくらいにかっこいいです。
 CDは取り扱いの手軽さが良いですね。手軽ゆえにいろいろ工夫が出来たりして、それを考えるのも楽しいです。レコードショップのドッシリ感も好きなのですが、CDショップでたくさんのCDがズラッと無機質に並んでいるのもテクノ感があって素敵です。

少し前、20代前半の連中に取材したとき、テクノに興味持ってクラブに行っても「30過ぎたおっさんとおばさんしかいなかった」と言われたことがありました。欧米では若年層がメインですが、日本では違います。だから、もし自分がいま20歳前後だったら同じことを思ったかなーと思います。逆に言えばセキトバ君のような若い人がよくテクノを作っているなーと思ったんですが、この音楽のどこが魅力だったんですか? セキトバ君にとってのハウスやテクノの魅力をがんがんに語って下さい!

SEKITOVA:そもそもの話になっちゃうんですけど、僕はテクノをつくってるつもりなんです。DJをするときも作った曲にもどこかしら「ハウス」の文字が入ってしまう僕ですが、ハウスのなかにとてもテクノを感じる曲が好きだし、自分で作るときにも常に頭のなかにはテクノへの憧れと尊敬があります。だから、音的にはハウスかもしれないし、どちらかに言いきっちゃうならばハウスなんですけど、実際ハウスを作っているつもりっていうのはあまりないんです。
 僕が好きなテクノっていうのはその曲やアーティストの思想や哲学をついつい深読みしたくなってしまうようなもので、その思想や哲学を理性で考えさせてくれるのではなく、もっと直感的なところで感じさせてくれるものです。

自分と同世代の人たちにもハウスやテクノを聴いて欲しいと思いますか?

SEKITOVA:常々思っています。

セキトバ君の世代では、たぶん、洋楽を聴いている子すら少ないと思うのですが、音楽の趣味が合う人はいますか?

SEKITOVA:お察しの通り、同じ年代のDJやアーティストでもなかなか僕の好きなテクノ、ハウスについて一緒に同じ価値観から一晩明かせるような人はいないですね。当然学校にもまったくいないです。僕はポップスやほかのジャンルの音楽にあまり抵抗はないので、こちらから話を合わせることはできるし、話に困ったりすることってそんなにないんですけど、やっぱり自分のいちばん好きなところの話をもっと同世代としていきたいです。

自分と同世代や自分に近い世代の音楽って、どんなイメージを持っています?

SEKITOVA:これは難しい質問......。というのも音楽を聴くときにあまり年齢を気にして聴いたりはしない(文脈を踏まえて聴く時には勿論必要な情報にはなってきますけど)ので、イメージって言うイメージが特にないんですよね......。
 基本的に僕らの世代はもう時代やジャンル関係なくいろんな音楽を聴ける環境なので、いろんなルーツを持ってる人がいて面白いなぁとは思います。

DJはどういう場所でやっているんですか?

SEKITOVA:すごく真面目に答えるなら風営法をなぞりながら「そもそもクラブとはなにか」ってところから説明をしないといけないのですが、長くなるので、まず先に省略して答えるなら「DJセットがあって、それなりに音が出るところ」ですね。大阪や関西もそうですが、東京でプレイする機会もそれなりにあって、月に一回とかそのくらいのペースで東京に出てきています。現場でDJをやる前はよくustreamなどインターネットでもやっていました。

IDチェックがあるようなクラブに行けない年齢なわけですが、ハウスやテクノで踊るのも好きなんですよね? 

SEKITOVA:むしろそれがいちばん好きです。

ダブステップ以降のベース・ミュージックだは好きになれなかったんですか? 

SEKITOVA:詳しくはないですけど、けっこう聴いたりしますし、嫌いではないです。好きな曲もいっぱいありますよ。ただ長時間聴くのはやっぱり辛いですね。

とくに影響を受けたDJ /プロデューサーがいたら教えてください。

SEKITOVA:Dave DK、Kink、Tigerskin、Robag Wruhme、Christopher Rau、ADA、Henrik Schwarz
 ほかにもたくさんいるんですけど、いつも必ず頭に出てくるのは彼らです。

80年代や90年代に対する憧れはありますか?

SEKITOVA:これは説明が難しいんですけど、懐古主義的、再興的な意味での憧れは全然ないんです。あくまで自分の理想のサウンドを追求する過程で90年代や80年代の環境や音や世界観が必要になってくるって感じで。だから「80年代や90年代あるいはそれ以前に残されたもの」に憧れはあっても、時代そのものにはあまり憧れはないです。これから後世に憧れられるような時代を僕が作っていけたら素晴らしいですね。

IDMやエレクトロニカにいかなかったのは、やっぱりダンス・ミュージックが好きだからですか?

SEKITOVA:そんなことないですよ、って思ったけれど、やっぱりそうかも知れないですね。もちろんエレクトロニカもすきですが、それ以上にダンス・ミュージックが好きです。エレクトロニカのような技術をもってダンス・ミュージックのなかに分解再構築が出来ればまた理想のサウンドに一歩近づくので、そう言う意味ではこれからもどんどん制作手法としてIDMやエレクトロニカの研究は続けていきたいです。

テクノ以外でよく聴く音楽、これから追求してみたい音楽ってありますか?

SEKITOVA:もっと漠然に「趣味」として最近はヒップホップとか、そういう音楽に興味を持っています。仲の良い知り合いにbanvoxってエレクトロのアーティストがいるんですが、彼がとてもヒップホップに詳しくて、そこから情報をいつも得ています。もちろん音楽としても僕の好きなアーティストもBPMが遅くなっていく過程でヒップホップの要素を入れていったり、もともとヒップホップ上がりだったりなんて事もよくある話になってきたので、これからどんどん聴いていきたいです。

やっぱマルチネ・レコーズの存在は大きかったですか?

SEKITOVA:とても大きいですね。明確な目標のひとつとしても、自分のなかでのトピックとしても、計り知れない大きさがあります。マルチネのサウンドって手広いようで絞られていて、僕がそのなかにいるかどうかって言うと微妙な話なんですが、そのどれもがいろいろな方向に手を伸ばしていて、なおかつ一定以上のクオリティがあってとても影響をうけています。マルチネ主宰のtomadさんなんかはいつも次の一手が気になる存在だし、彼からも大きな影響を受けていますね。

自分の作った音楽を同級生に聴かせることはありますか? その場合、どんな反応がありますか?

SEKITOVA:限定して言えば、むしろはじめは僕の曲を聴いてくれるのなんて親しい男友だちのふたりだけでしたよ。それ以外はネットにあげてもまったくビューなんて伸びませんでしたし。その彼らがいまだに僕の曲を喜んで聴いてくれるのが「SEKITOVA」にとってもっとも嬉しいことのひとつです。彼らはいつも「すごい」と褒めてくれますが、まぁそれは身近な「僕」の事を知ってくれているからこその評価だと思っています。

 本題に戻って答えると、ほか不特定多数の同級生らに自分の音楽を聴かせることはこれまでまったくないですね。僕の名前は龍生って言うんですけど、SEKITOVAと龍生ってある意味では別人というか、なんというかそう言う感覚があって、普段龍生として接している人にSEKITOVAとしての一面を見せる事に違和感が結構あるんですよ。その逆の場合はそうでもないんですけどね。

曲名はどんな風に決めますか?

SEKITOVA:大体の場合は曲から連想するか、いいなと思った言葉をメモっておいてそこから想起して曲を作るか、です。どうしても出てこない時はツイッターとかで呼びかけてもらった答えからつけたりする場合もあります。
 どの場合も基本的に曲を作ってる時間と同じくらい曲名に時間がかかります。曲の世界観をイメージしてその世界の人やモノになりきってインスピレーションを沸かす事がよくあるんですが、たまに親とか姉に見つかって奇異の目でみられます。

アルバムのタイトル『PREMATURE MOON AND THE SHOOTING STAR』にはどんな意味がありますか?

SEKITOVA:もともと自然現象の名前にしようと思ってたのもありますが、僕のなかで「ノスタルジー」ってなんだろうって考えてたら、だんだん思考がそれちゃって、感傷に浸れるような世界ってなんだろうってことを考えるようになり、そのとき直感で出てきたのが思わず背筋が伸びるような、冬の朝の澄んだ青空に出る月だったんです。いわゆる昼の月というモノなんですけれども。それがビビッときてpremature moonとつけました。あとはさっきも書きましたけど名前が龍生なのでそこから音をとって英訳してshooting starとつけました。

アルバムの水墨画は何を表しているのでしょうか?

SEKITOVA:「空間」です。これは水墨画という手法に対してなんですけど。絵になったときに浮き上がってくる滲みであったり、基本的には白と黒の2色なんだけれども、濃淡によってとても表情豊かで眩しすぎるほどにその世界観を表してくれるところに、イーヴンキックのミニマルやダブ、そしてテクノの美学と通ずる所を感じて、という具合です。僕の好きな音楽の「空間」を絵画手法的に表すと、水墨画になるなぁと思ったんです。

DJ/トラックメイカーとしての将来の夢を教えてください。

SEKITOVA:良くも悪くも国内市場が大きくて、ガラパゴス化してしまっているが故の弊害がたくさんある音楽シーンに一石を投じられる存在になれればと思います。
 あと、DJとトラックメイクで生きていきたいです。もちろんセルアウト用の大衆主導のものじゃなくて、僕の好きな音楽だけを作り続けて。いろいろな考えがあるとは思いますが、大衆主導の音楽をつくったり、そういうDJしかしないのは、結局どこどこ勤めのサラリーマンと変わんないじゃんって気持ちがあって。もちろんそう言う人たちのことは本当にすごいと思いますし、サラリーマン自体のことも凄いと思っていますし、存在の必要性もわかっていますが、「僕が音楽で生きていくなら」、常にこちらから提示するアーティスティックな方向性でありたいです。
 そしていまの日本ではそういう生き方が尋常じゃなく難しいし、僕のやってるジャンルなら尚更も良い所なので、そう言う所のインフラ整備というか道も僕が作っていきたいなと思っています。
 ......という野望を達成するにはまだまだ実力も経験も足りなさすぎるので、そこをあげていく事が当面の目標です。

ありがとうございました! 最後に、オールタイムのトップ10 を教えてください。

1. Dave DK - Lights and Colours
2. Akufen - Fabric 17
3. Tigerskin - Torn Ep
4. Daft Punk - Alive 2007
5. Dr.Shingo - Nike+ Improve Your Endurance 2 / initiation
6. Chet Baker - Albert's House
7. MAYURI - REBOOT #002
8. Penguin Cafe Orchestra - Penguin Cafe Orchestra
9. Muse - H.A.A.R.P
10. Underwater - Episode 2

 厳選しすぎると10もいかず、ちょっと基準を緩めるとたちまち10どころか50、60となってしまって、この項目だけ1週間くらい悩んだのですが、やっぱりシンプルに思いついた順から答えていこうということで、こんな感じになりました。たぶんまだまだ経験が足りないのだと思います......。なのでトップ10というか、ここに書いてないものでも好きなのはたくさんあります。

 1はもう言わずもがな、僕が数少ない神と崇めているDave DKのアルバムです。彼はこのアルバム以外にもとても良い曲をたくさん作ってて、どれも本当に好きで、僕にとてつもない影響を与えています。

 2はAkufenによる名門FabricからのDJ MIX。
 Akufenといえば"Deck The House"がとても有名で、僕もそこから入ったんですが、こっちを聴いて本当に鳥肌が立ちました。もとより僕はクリック系の音数が少ないテクノやハウスが好きだったのはあるんですが、そこにグルーヴの概念を痛烈に刻み込んでくれたのは間違いなくこのアルバムです。

 4はおそらく中学2年生の頃、もっとも聴いたアルバムかもしれません。もともと僕が音楽なんて何も知らなかった頃に親が家でよくかけてたのが彼らの伝説的なアルバム、『Discovery』でした。そういう経緯もあってDaft Punkはどのアルバムもとても好きなんですが、その好きな曲たちがこの1枚に凝縮されてるのがたまらないです。ライヴ盤なので生のグルーヴがあるのが本当に良いです。もちろん出てる音はエレクトロニック・ミュージックに基づいた電子の音で、途中途中のアレンジも事前に仕込んだものとはわかってはいるのですが、それでもお客さんのあげる歓声の熱気や空気感から、最高に生のグルーヴが僕に伝わってくるんです。

 7は小学生の頃よく親がかけてました。その頃はうるさくて嫌いだったんですが、あるとき自分から指を伸ばして聴いてみたら、なにかが違って聴こえた感じがしました。ほんとに衝撃というか、いままで意識せずに聴いてきた音楽たちが、その瞬間にすべて脳内でつながった感覚をいまでもよく覚えています。このアルバムのバイオによるとMAYURIさんはセカンド・サマー・オブ・ラヴをリアルタイムで経験していたそうですが、僕にとってのサマー・オブ・ラヴは、間違いなくこのアルバムです。ちなみにこれに入ってるChester Beattyの"Love Jet"ネタのトラックはマジで超ヤバイです!

SEKITOVA
1995年、元旦生まれの高校生トラックメイカー兼DJ。14歳の頃よりDTM でのトラックメイク、16歳でDJとしてのキャリアをスタートさせる。2011 年にはインターネット・レーベル『Maltine Records』よりEP をリリース。その認知度をより深めた。初期には幅広いジャンルの制作を行っていたが次第にルーツであるミニマルテクノやテックハウスにアプローチを寄せるようになる。中でも昨年末にsoundcloudにて発表したアンビエンスなピアノハウストラック『Fluss』は大きな評価を得て、日本のみならずドイツなど本場のシーンからも沢山のアクセスを受けた。DJとしても歌舞伎町Re:animation、新宿でのETARNAL ROCK CITY Fes. への出演など大規模イベントへのブッキングも増えており、これからの活動に期待が寄せられる。

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