「F」と一致するもの

Fm3 - ele-king

 東洋の音楽においては譜面よりもどの楽器で演奏されるのかが重要だ。尺八の演奏は尺八で演奏されるから良いのであって、同じ音程を他の楽器で代用することには意味がない。楽器は音楽を演奏するための道具ではなく、楽器そのものがひとつの宇宙となる。演奏の技術を堪能するのではなく、その楽器のみが発信する音そのものに陶酔する。楽器を道具として徹底的にいじりまくるブラック・ミュージックとはそこが決定的に違う。われわれは、ジミ・ヘンドリックスの演奏に狂喜するいっぽうで、無造作に鳴ったガットギターの短音の響きなかに宇宙を感じてしまう......。そしてこの「聴き方次第」というコンセプトはアンビエントへと繋がる。

 今日のアンビエント・ミュージックに大きな影響を与えている1960年代のミニマル・ミュージックやジョン・ケージの発想の背後には、禅の思想が絡んでいる。部屋を綺麗にしたいから掃除をするのではない。掃除をしたいからするのだ。心を落ち着かせたいから瞑想したいのではない。瞑想したいから瞑想するのだ。健康を考えて走るのではない。走りたいから走るのだ。行為における意味は破壊的に剥奪される。ステージと客席の境界線は溶解し、再生装置から出される音と聴覚とのあいだの隔たりも消える。

 というわけで、2010年最後のレヴューは『ブッダマシーン3.0』。中国におけるアヴァンギャルド/エレクトロニック・ミュージックのふたり組(Christiaan Virant & Zhang Jian)によるプロジェクト、Fm3による人気シリーズの最新作で、数年前に1分弱のループが9本収録された小型の可愛らしいボックスとして発売され、手頃な価格ということもあってか、マニアックなリスナーのみならず、普段はミニマル・ミュージックなどには縁のないサラリーマンやOLのあいだでも話題となった。2009年にはスロッビング・グリッスルの代表曲のループを収録した『グリッスリズム(Gristleism )』("ハンバーガー・レディ"をはじめ13曲のループが収録)が発売されているが、このときは中原昌也がこれを使って店頭ライヴをやったほどだった。

 今回リリースされる『ブッダマシーン3.0』は、中国の古い楽器、古琴を使ったもので、ずいぶんと長い4つのループが収録されている(試聴はこちら→https://www.inpartmaint.com/)。曲名は"春""夏""秋""冬"となっているそうだが、はっきり言ってどれが"春"でどれが"冬"なのかはわからない......が、そんなことはどうでも良いと思えるほど素晴らしいのだ。何よりも作風がいままでとは違っていいて、『ブッダマシーン2.0』よりも大胆な音のすき間がある。しじまとともに古琴の音そのものの宇宙は広がり、そして本当に何時間も流していても飽きることがない。音質も12kまで向上しているので、僕は家のアンプに差し込んで聴いている。ボディーがスケルトン仕様で5色もあるし、正直言うと、もう一台手に入れようかと考えている。同じループをずらしてミックスすれば、これが極上のミニマル・ダブになるんです。

 それではみなさん良いお年をー。

Mist - ele-king

 カラード・マッシュルーム・アンド・ザ・メディシン・ロックスのキノコ・ジャケに続いてエメラルズからジョン・エリオットレイディオ・ピープルことサム・ゴールドバーグによるセカンド・コラボレイション。EPと銘打たれ、45回転というフォーマットにもかかわらず、かつてなく濃厚な構成と全体を大きく突き動かすダイナミズムが一気に聴き手を引き込んで離さない。ムーグやコルグをメインとしたアナログ・シンセサイザーが序盤から大きく波打ち、ベースのうねりは70年代の記憶をくすぐりかねないほどレトロ色を帯びつつも、メディテイションとは違う事態へと発展している。まったく新しいとまではいわないけれど、チルアウトやクラウトロックとはまた違ったテクスチャーに向かって一歩を踏み出そうというものになりつつあるというか。タイトル曲ではジュリアン・コープによるアンビエント・プロジェクト、クイーン・エリザベスを思わせるアブストラクなドローイングを先達と同じく心のままに楽しんでいる感じがよく伝わってくる(叙情性に関して屈託のない曲ほど古さを帯びて感じられるというのは、はて、なぜなのか)。

 また、オリジナルのカセット・リリースを09年に〈ディジタリス〉が6種類のジャケットでアナログ化していたイマジナリー・ソフトウッズ名義のドローン作も、新たにジェイムズ・プロトキンのリマスターを得て同時期にリイッシュー。アナログ2枚組のヴォリウムで展開されるアンビエント・ドローンはイーノを思わせるスタティックな世界観に貫かれ、最近になってアウター・スペースや上記のコラボレイションなどで躍動感を強く押し出している面とは違う側面を強く印象づける(たまたま、年末の行事が立て込んでいるときに、疲れ果ててぼんやりと聴いていたら、これが効いてしまいましたね)。音数を抑え、ドローン本来の単音だけで展開される「延び」にすべての神経を集中させた感じは単純なドローンから様々に変容を遂げつつある現在において、シンプルな表現の強さを奪い返すような出来と言えるだろう......って、2年前に制作されたものだから、ある意味、当たり前か。あるいは、そこにスティーヴ・ライヒを思わせる弦楽の響きが漣のようにループされ、その残響音だけで聴かせるシークエンスや『ミュージック・フォー・エアポート』をドローン化したような"アンタイトルド(B3)"など、静謐をつくり出すヴァリエイションにもどこか考え抜かれた風情がある。リマスター以前のヴァージョンを聴いていないので、プロトキンの力量がどれほどのものかはわからないけれど、それなりのものがあるのだろうと思いつつ......(プロトキンに関してはOPNからサン・アローまで、このところの大事な作品では彼の名前を見ないものはないというほど気になる存在となっているので、復活版『ele-king』でインタヴューをオファー。この10年のUSアンダーグラウンドについて広く話を訊いているので、お楽しみに)。

 それにしても2010年はエメラルズにはじまり、エメラルズで終わっていくなー。2011年は誰がこれに匹敵する大量リリースで振り回してくれることだろうか。
 それではよいお年を。

#9:Flashback 2010 - ele-king

 先日『NME』が20もの音楽メディアによるアルバム・オブ・ザ・イヤーの集計を発表した。対象となったのは『NME』をはじめ『ピッチフォーク』、『ガーディアン』、『ローリング・ストーン』、『スピン』、『Q』、『モジョ』、『アンカット』ほか、ブルックリンで圧倒的に支持されている『ステレオガム』やUKのウェブマガジン『ドローンド・イン・サウンズ』、あるいは超メジャーの『MTV』などなど、主にロック系のメディア。

1. Arcade Fire - The Suburbs
2. Kanye West - My Beautiful Dark Twisted Fantasy
3. LCD Soundsytem - This Is Happening
4. The National - High Violet
5. Beach House - Teen Dream
6. Vampire Weekend - Contra
7. These New Puritans - Hidden
8. Deerhunter - Halcyon Digest
9. Big Boi - Sir Lucious Left Foot: The Son Of Chico Dusty
10. The Black Keys - Brothers
11. Robyn - Body Talk
12. Yeasayer - Odd Blood
13. Caribou - Swim
14. John Grant - Queen of Denmark
15. Joanna Newsom - Have One On Me
16. Sufjan Stevens - The Age Of Adz
17. Janelle Monae - The ArchAndroid
18. Drake - Thank Me Later
19. Sleigh Bells - Treats
20. Ariel Pink's Haunted Graffiti - Before Today

 自分の好みはさておき、まあ納得のいく20枚だ。ちなみに僕の個人的なトップ10は以下の通り。

1. Beach House -Teen Dream
2. Darkstar - North
3. 神聖かまってちゃん-みんな死ね
4. Gold Panda - Lucky Shiner
5. Emeralds - Does It Look Like I'm Here?
6. Oneohtrix Point Never - Returnal
7. Factory Floor - Lying / A Wooden Box
8. M.I.A. - /\/\/\Y/\
9. Gayngs - Related
10. Mount Kimbie - Crooks & Lovers

 ビーチ・ハウス以外は『NME』が集計した20枚に入っていないけれど、好みで言えば、ビッグ・ボーイ、ドレイク、ジャネール・モネイ、カリブー......ジョアンナ・ニューサムとディアハンターとアリエル・ピンクに関しては今作がとくにずば抜けているとも思えなかったけれど、もちろん嫌いなわけではない。アーケイド・ファイアーの3枚目は実は最近になってようやく聴けたが、過去の2枚に顕著だった重さはなく、いままででもっとも親しみやすい音楽性だと感じられた。このバンドに関して言えば、対イラク戦争の真っ直なかに発表した反ネオコンの決定版とも言える『ネオン・バイブル』によって、音楽と社会との関わりを重視する欧米での評価を確固たるものにしている。こういうバンドがいまでも一目置かれるのは、欧米の音楽ジャーナリズムが音楽に何を期待しているかの表れである。
 そう、アルバム・オブ・ザ・イヤーとは、その作品の価値や誰かのセンスを主張するものではなく、ジャーナリズムがいまどこに期待しているのか、という観点で読むと面白い。そのセンで言えば、僕にとって2010年に興味深いのはカニエ・ウェストとジーズ・ニュー・ピューリタンズだ。どちらも個人的には好みではないけれど、僕がふだん読んでいるメディアではどこも評価している。おかしなもので、LCDサウンドシステムがいくら評価されても気にもとめないというのに、気にくわないと感じているカニエ・ウェストとジーズ・ニュー・ピューリタンズが高評価だと気になるのだ。
 以下、『ピッチフォーク』、『NME』、『ガーディアン』のトップ10を並べてみよう。

Pitchfork
1. Kanye West - My Beautiful Dark Twisted Fantasy
2. LCD Soundsystem - This is Happening
3. Deerhunter - Halcyon Digest
4. Big Boi - Sir Lucious Left Foot: The Son of Chico Dusty
5. Beach House - Teen Dream
6. Vampire Weekend - Contra
7. Joanna Newsom - Have One on Me
8. James Blake - The Bells Sketch EP/ CMYK EP/ Klavierwerke EP
9. Ariel Pink's Haunted Graffiti - Before Today
10. Titus Andronicus - The Monitor

NME
1. These New Puritans - Hidden
2. Arcade Fire - The Suburbs
3. Beach House - Teen Dream
4. LCD Soundsytem - This Is Happening
5. Laura Marling -I Speak Because I Can
6. Foals - Total Life Forever
7. Zola Jesus -Stridulum II
8. Salem - King Night
9. Liars - Sisterworld
10.The Drums - The Drums

The Guardian
1. Janelle Monae- The ArchAndroid
2. Kanye West - My Beautiful Dark Twisted Fantasy
3. Hot Chip - One Life Stand
4. Arcade Fire - The Suburbs
5. These New Puritans - Hidden
6. Robyn - Body Talk
7. Caribou - Swim
8. Laura Marling - I Speak Because I can
9. Ariel Pink's Haunted Graffiti - Before Today
10.John Grant - Queen of Denmark

 カニエ・ウェストのアルバムでまずはっきりしているのは、それがヒップホップのフォーマットから離れていること。「イントローヴァースーフックーヴァースーフックーアウトロ」といった公式をチャラにして、膨大なサンプル(60年代のサイケデリックからゴスペルまで)によって新しい何かを生み出そうとしている......ある種のプログレッシヴな音楽と言えよう(実際プログレだろ、あれは......と僕は思ってしまったのだが)。僕や二木信のような保守的なブラック・ミュージック・リスナーの裏をかいているアルバムとも言えるし、そしてこれはジーズ・ニュー・ピューリタンズへの評価とも重なることなのだが、欧米の音楽ジャーナリズムが知的興奮を知らないチンピラにはもう期待していないということでもある。そしてそれでも(カニエ・ウェストの対極とも言える)ビッグ・ボーイが愛されているのは、暴力性というものに何のロマンスも見てはいないということでもある。まあ、要するにそれだけマッチョイズムと暴力性を日常的に身近に感じているからだろう。

 日本の音楽シーンに関しては、2010年は面白かったと思っている。それはポップ・フィールドにおける相対性理論と神聖かまってちゃんのふたつに象徴されるだろう。どちらもインテレクチュアルなポップで、2010年の日本に対する両極端の、際だった態度表明と言える。つまり、かたやナンセンスでかたやパンク、かたや"あえて抵抗しない"でかたや"とりあえず抵抗してみる"というか......そして好むと好まざるとに関わらず、時代は更新される。僕にとって興味深かったのは、神聖かまってちゃんへの表には出ない嫌悪感だった。それは僕が中学生のときに見てきたセックス・ピストルズやパンクに寄せられた嫌悪感、RCサクセションに寄せられた嫌悪感と見事にオーヴァーラップする。何か、自分の理解や価値観の範疇からはみ出したものが世のなかの文化的な勢力として強くなろうとするとき、それを受け入れる人と拒絶する人にはっきり分かれるものだが、同じことがいま起きているようだ。そして、気にくわないというのは、それだけ気にしているということでもある。(笑)

 エメラルズに関しては、面白いことに『ドローンド・イン・サウンズ』が1位にしている。こうしたチャートの見方というのは、「ではエメラルズを1位にするようなメディアは2位以下を何にするのだろうか」という点にもあるのだが、2位がザ・ナショナルで3位がデフトーンズというのはがっかりした。シューゲイザー好きな編集部のなかの偏執的な編集長があるときエメラルズで壮大なトリップをしてしまったのかもしれない。もちろん、多くの場合は個人的な経験が大切であって、『ガーディアン』の読者が言うように「メディアが選ぶトップ20をわれわれが聴かなければならないという義務はない」わけだが、話のネタとしては大いにアリなのだ。その年何が良かったのかについて話すことは、音楽ファンにとっては楽しみのひとつである。

VENUS・KAWAMURA YUKI (shibuya OIRAN) - ele-king

〈しぶや花魁〉にて2010年に数多くPLAYされた極上のワーム・アップ・サウンド10曲


1
Language -Justified and Ancient - Madoromi

2
Chieko Kinbara feat Byron Stingily - Mystery Girl - Grand Gallery

3
Dorian - Free - Felicity

4
Luvraw & BTB - Dori Summa - Pan Pacific Playa

5
Genki Rockets - Star Surfer(Passionate YO-C+K.S.N mix) - Q Entertainment

6
CoroRosie - Lemonade - Contrarede

7
Jose Padilla - Dragonflies - Ibiza chillout Longe's Selections

8
Lenny Ibizarre -When The Ocean Smiles - ibiza chillout Lounge

9
Salmon cooks U-zhaan - Aquatic Holiday - U-zhaan HP: https://u-zhaan.com

10
Oroti -Mountain View - Oroti

peechboy (SWC) - ele-king

最近自宅や人前などでかけることが多い曲たちをご紹介します


1
Kenton Slash Demon - Sun - Tartelet

2
Sound Stream - Tease Me - Sound Stream

3
Gay Marvine - Lost In Music - It's Bath House Etiquette

4
A Forest Mighty Black - Back Up Days - Drumpoet Community

5
Cherryboy Function - Tornado - ExT

6
Don Froth - 10,000cc - Phonica

7
Steller - Terrence(Johnny D Remix) - Soweso

8
Timmy Regisford - At The Club - Tribe

9
Ikeda X - P-212.515 - -

10
Orange Muse feat. Ania - Psychedelic Behaviour - Colorful

NOOLIO a.k.a. Norio Shimizu (PART2STYLE) - ele-king

SKA & SHUFFLE 十選


1
Mungo's Hi Fi and Marina P - Divorce A L'italienne - Scotch Bonnet

2
Soothsayers Horns - Ganja Free - Universal Roots

3
Longsy D - This Is Ska (Rydem Wiv Acid Mix) - Warlock

4
Mule Train - Devil's Shack - Lamb Star Records

5
The Tchiky's - Oide - Rudiments

6
Natacha Atlas - Hayati Inta (Mickey Moonlight Remix) - Mo'Zik Records

7
Stevie Wonder - Higher Ground - Motown

8
Cirillo Pres. Trio Dubbales - Shalla Balla - White

9
Thomas Fehlmann - The Road - Kompakt

10
Dub Insurgent - Caballo Bounce - Near & Far Records

Factory Floor - ele-king

 2010年5月にリリースされた作品で、自分はこのアーティストを知らなかったけれど、2011年の1月にリリースされるシーフィールの15年振りの新しいアルバムのためにマーク・クリフォードに取材をしたところ、とにかく彼が若い世代のアーティストで積極的に好きなのはこのファクトリー・フロアしかいないと言っていたので、早速チェックした。そしてなるほど、たしかにインパクトのある素晴らしい音楽だった。シーフィールの新しいアルバムには、カンと、そしてドローンやノイズをやっていた頃のクラスターを感じることができるが、ファクトリー・フロアのこの10インチ+DVDのセットは、シーフィールのそうしたセンスにジョイ・ディヴィジョンとザ・フォールの容赦ない悪夢が加わった......と喩えることができるかもしれない。もっともシーフィールのノイズには陶酔的な響きがある。しかし、ファクトリー・フロアにあるのはニヒリスティックな響きである。

 DVD、4曲入りの10インチ、どちらからも強い気持ちを感じる。1時間にもおよびぶDVDはモノクロの抽象的な映像とノイズがシンクロしている。ビートもメロディもない。ノイズだけが生物のように唸りをあげている。"K"時代のクラスターに近いが、ガスやアブストラクトなミニマル・テクノを通過した質感がある。
 合計で40分近くある10インチのほうは、荒涼としたディストピア・ダンス・サウンドだ。暗がりのなかで冷酷なビートが反復する。インダストリアルなテクノ・サウンドのクリシェとも言える無機質な8分音符の繰り返しと沈んだ声は、時折ダークスターの『ノース』とも接近するが、デトロイトのドップラー・エフェクトのダーク・エレクトロやアンドリュー・ウェザオールのソロ作品ともディスコの裏側で手を結んでいるようだ。人間性を欠いたメトロノームのビートはもはや機械のように働くしかない人間を描いている。いくら神経がすり減ったとしても終わることのない労働......。逃げ出したくても逃げられない工場の床、その閉塞された感覚、リズムは金属の軋みによって生まれる。

 ファクトリー・フロアは以前はKAITOというロック・バンドで活動していたニッキ・コークの、ほとんどワンマン・プロジェクトである。2年前からこの名義でシングルを発表しているようだが、アンダーグラウンドな限定リリースが主で、まだ正式なアルバムはリリースされていない。そして、それが出たらセンセーションを起こすかもしれないと思わせるポテンシャルがある。ちなみに映像も音もデザインも、マスタリングもすべてニッキ・コークが手掛けている。

Chart by JETSET 2010.12.27 - ele-king

Shop Chart


1

DISCO 3000

DISCO 3000 HIT & RUN LOVER / THE NELSON HIGHRISE (SECTOR ONE) »COMMENT GET MUSIC
Erol Alkanによる匿名リエディット"Disco 3000"第2弾です。Dusty Springfield"That's the Kind of Love I've Got for You"ネタの'09年の第1弾もこの手のリエディット物としては異例の爆発的ヒットでしたが、今回もかなりのポテンシャルを秘めた一枚です!!

2

G.RINA

G.RINA MASHED PIECES #2 VINYL EP »COMMENT GET MUSIC
国産辺境ビートが超ポップに暴れまわる最高ニュー・アルバムから、アナログ盤EPがリリース!!当店大人気のSSW、G.Rinaさんが、今最も面白い国内トラックメイカーとコラボしたニュー・アルバム『Mashed Pieces #2』からのアナログ盤!Luvraw & BTB、TofubeatsにBeta Panama、さらにE-MuraにSkyfishがガチンコでせめぎ合う強力作!

3

ILLUM SPHERE

ILLUM SPHERE THE PLAN IS DEAD »COMMENT GET MUSIC
またもハズレ無し! Illum Sphereの5トラックス12"が登場。ポスト・ダブステップ~ウォンキーを経由して今作もキレにキレた楽曲が揃っています! 特に、A-2やB-1のような攻めたトラックは必聴です!

4

TIME & SPACE MACHINE

TIME & SPACE MACHINE VOLUME THREE »COMMENT GET MUSIC
お馴染みRichard Norris(Beyond The Wizards Sleeve)によるソロ・ユニット、久々のリエディット・リリース!!2010年はTirkから1st.アルバム『Set Phaser to Stun』を発表して絶好調のThe Time & Space Machineですが、久々のリエディット集もやはり壮絶。ファズ・ギター、シタール、その他諸々なんでもこい!のサイケ闇鍋状態!!

5

FLAKO

FLAKO REAL THANG / YOU WANNA TAKE THIS »COMMENT GET MUSIC
シリーズ第9弾は、注目のジャーマン・ビートメイカーFlakoの超絶リミックス!Erykah Badu"Real Thang"をA-Side、そしてB-SideにはOh No & Kaziによる"You Wanna Take This"のリワークを収録!

6

KENNETH BAGER EXPERIENCE

KENNETH BAGER EXPERIENCE FRAGMENT 2 »COMMENT GET MUSIC
至福の音とはまさにこのこと。スーパー・ビューティフル・チルアウト・ディスコ特大傑作!!素晴らしすぎ激烈オススメ盤★Julee Cruiseの透き通るヴォーカルと優しいアコギ、ピースフルに蕩けるシンセ、柔らかく高揚するディスコ・ビート。これが天国じゃないわけがない!!

7

KOOL DJ DUST

KOOL DJ DUST DISCOFIL DESPERADOS PRESENTS »COMMENT GET MUSIC
Skweee生みの親Daniel SavioことKool DJ Dustによる最高のネタが詰まったリエディット作品!!主宰のServiceからはCos/Mesの7"をリリース、Beats In Spaceに挙がったミックスは何がなんだか判らなくて最高だった、そして最近では数々のスクウィー7"を世界各国からリリースと、要するにセンス抜群なスウェーデンの先輩、Kool DJ Dust師によるこれまたビンビンにいきり立ったセンス炸裂のリエディット3トラックス!!

8

DJ NATURE

DJ NATURE SUNTOUCHER REMIX PT.1 »COMMENT GET MUSIC
ex. Wild Bunchの生ける伝説DJ Milo a.k.a. DJ Natureによる新作EP pt.1!!。DJ Mil'o名義での03年リリース・アルバム"Suntoucher"の収録楽曲を、DJ Nature名義にてリワークを施した1枚です。

9

DJ NATURE

DJ NATURE SUNTOUCHER REMIX PT.2 »COMMENT GET MUSIC
ex. Wild Bunchの生ける伝説DJ Milo a.k.a. DJ Natureによる新作EP pt.1!!。DJ Mil'o名義での03年リリース・アルバム"Suntoucher"の収録楽曲を、DJ Nature名義にてリワークを施した1枚です。

10

DAFT PUNK

DAFT PUNK TRON LEGACY »COMMENT GET MUSIC
話題騒然"Tron:Legacy"サントラから、6曲を抜粋したサンプラー・プロモ・12インチ!!既に人気沸騰のキラー・トラック"Drezzed"もモチロン収録。"Human After All"以来約5年ぶりのDaft Punkのフル・アルバムとしても絶対注目です!

Lil B - ele-king

 そもそも、アルバム・レヴューというこのコーナー自体が、古い想像力の産物なのではないか。と、インターネットでは3ヶ月"も"前から話題になっていたアルバムを、いまさら、レヴューしようとする筆者は、自らを棚に上げる。

 DJクワイエットストームのblogによると、グッチ・メインはこの4年間で150枚以上のアルバムを出しているという。もちろん、ほとんどはネット上に発表されたミックステープ(フリースタイル集)で、本人が関わっていないものも多いだろうが、それでも、その数はダントツだ。また、グッチ自身も、他人のビートをジャックしているし、知名度を上げ、評判を煽るために、自身の音源が無断で使用されることをなかば容認しているようなところがあるので、ここでは、通常のブート/オフィシャルの区分けは無意味だろう。さらに、なかには無料でダウンロードができる音源もあって、例えば、今年のベスト・リミックス・アルバムに挙げられる、〈マッド・ディッセント〉による『フリー・グッチ』や、前述したクワイエットストームによる『ライブラリー』シリーズがそうだ。

 昨年のベストセラー『フリー』(クリス・アンダーソン著)は、「ネット経済圏ではフリー(無料)は避けれない、むしろ、それを活用するべきだ」と提案して話題になった。同書で、フリーのビジネス・モデルは4つに分類されているが、ヒップホップのミックテープ市場は、この内、(3)「フリーミアム」と(4)「非貨幣市場」が組み合わさったものと言えるだろう。度重なる逮捕により、才能があるにもかかわらず、キャリアを分断されていたグッチは、ブロードバンドで巨大化したミックステープ市場を上手く活用し、勝ち上がった、典型的なパターンである。
 ただ、興味深いのは、「玉石混合のミックステープで興味を引き、高い製作費をかけた、ポップなオフィシャル・アルバムへと導く」というプロモーションに対して、耳の肥えたファンほど、「本当のグッチはミックステープのなかにいる」と主張することだ。フリースタイルが基本のミックステープは、当然、生々しく、ハードコアなラップが聴けるので、そう思うのも無理はないが、重要なのは、そこで言うミックステープとは、ある具体的な1本ではなく、むしろ、ミックステープというメディアそのものであり、ひいては、それらが連鎖的に生まれて行くネット環境そのものを指す点だ。
 つまり、4年間で150枚以上ものアルバム(単位の音源)を、なかば意図的にネット上に散乱させているグッチ・メインのようなアーティストの魅力を知りたければ、これまでのように、オフィシャル・アルバムを買ったり、ライヴに足を運んでいるだけでは駄目だ。彼の"本当の姿"は、ネット上に像を結ぶのだから。それにしても、そんな状況において、レヴューすべき"アルバム"とは何なのだろうか?
 そして、グッチ・メインよりも10歳近く若いリル・Bにとってネットは、さらに重要......というか、自然な場所になっているように思える。カリフォルニアはバークレー出身の本名=ブランドン・マッカートニーは、16歳で地元のスケーター仲間とラップ・グループ=ザ・パックを結成して6年、いまや彼の持ち曲は1000曲以上になるという。ザ・パックはハイフィの新世代として早くから評価を得ていたものの、リル・Bの名がバズ・ワードになったのは、彼がYoutubeに連日のようにアップする、膨大な、それこそ玉石混合のソロ・トラックを通してだった。

 リル・Bは自身のスタイルを"ベイスト"と称しており、それは、音楽評論家の小林雅明によると、クラックを指すスラングだそうなのだが、その実態は、言ってみれば"マッシュアップ+フリースタイル"のようなものだ。彼は、恐らくネット上から出鱈目に引っ張って来た音源(エリオット・スミスから浜崎あゆみまで!)の上で、ストーンした状態でひたすら、ナンセンスなライミング――いや、ポエトリー・リーティングと言ったほうが良いだろうか――を煙とともに吐き出す。そのなかには良くできたポップ・ソングもあれば、聴くに耐えないジャンキーの戯言もあるのだけれど、適当に画像を巡回していると、いつの間にか甲高い濁声が耳にへばりつき、中毒になってしまったという人は多いだろう。サンプリングは、黒人音楽の再解釈と拡大という建設的な側面を持っていたが、リル・Bのやっていることは、ネット上にフラットに並んだ情報から適当なものを摘んでいるだけで、そこに大した意味を求めようにもない。それでも、そこに歌の原始の姿とでも言うべき魅力があるのは何故なのだろうか。
 iTunesの登場以降、ポップ・ミュージックのメイン・フォーマットは"アルバム"から"シングル"へ久しぶりに回帰したと言われる。しかし、正確には"シングル"ではなく、"ソング"である。そこでは、もはや、アーティストやレーベルの意思より、リスナーの欲望のほうが優先されるのだから。また、その現象はiTunesというよりも、情報がフラット化するネット環境に依拠するもので、旧来的な情報が切り崩された結果、ポップ・ミュージックの最小単位が姿を表したのだ。Youtubeの面白さもそこにあるだろうし、あるいは、ミックステープは、それらを"アルバム"という旧来的なフォーマットに押し込むために発明されたものと考えられるかもしれない。さらに、リル・Bの場合は、そんなポップ・ミュージック的な"ソング"からさえはみ出しつつあるとは言えないだろうか。彼の"ソング"は、子供の出任せであり、狂人の鼻歌であり、太古の歌なのだと。

 先述したように、89年生まれのリル・Bにとってはネットこそが自然であり、だからこそ、彼の歌はYoutubeにアップされたトラックをランダムに聴くという、極めてネット的なリスニング・スタイルと相性が良い。別の言い方をすれば、リル・Bにとってはネットこそがシーンであり、そのため、彼の表現からは旧来的なヒップホップ特有の地域性は失われ、ネットから登場したスターの先駆けであるアトランタのソウルジャ・ボーイとともに新たな勢力を築きつつあるのも納得がいく。さらに、そこでは、旧来的なヒップホップ特有のアイデンティティを元にした本質主義的なキャラクターは時代遅れとなり、キャッチーなアイデアを生むスピードから残像のように浮かび上がるキャラクターこそが重要視され、そのことは野田努氏がニッキー・ミナージュのレヴューで書いていた議論に繋がって行くのだが......話が長くなったので、またの機会にしよう。ひとつ思い出して欲しいのは、数年前、ソウルジャ・ボーイが登場して来たとき、ベテランのラッパーたちがどうしてあんなにも過剰に否定的な反応を示したかということだ。
 とは言え、不安なのは、リル・B自身がネットを足掛かりに、旧来的なマーケットでも名を挙げようとしている節があるというところだ。セカンド以降、苦戦しているソウルジャ・ボーイ同様、リル・Bもいわゆる"アルバム"というフォーマットとは相性が悪い。ここでも、便宜上、珍しくCDでもリリースされ、流通にも乗っている本作(リリース元は三田格氏も取り上げていたエクスペリメンタル・レーベルの〈ウィアード・フォレスト〉)を取り上げたが、これだけを聴いても、ローファイなアンビエントの上で、延々と呟き続けるばかりで、まったくもって意味不明だろう。逆に、先日発売されたザ・パックのセカンド・アルバム『ウルフパック・パーティ』では、気負い過ぎて、彼ら特有の緩い雰囲気が死んでしまっていた。そこで試みられていたビート・コンシャスなヴェクトルに関しては、メンバーでメイン・トラック・メーカー=ヤング・Lのミックステープ『L-E-N』の方が断然できが良い。リル・B自身は、来年、初のオフィシャル・アルバム『スラックス・キッス』のリリースが予定されているというが......。

 国や地域に縛られず、ネットという広大で平坦な空間にシーンを築くという試みは、おそらくブレイクコアによってはじまった。例えばチルウェイヴはそれを引き継ぎつつ、データと平行して、カセット・テープやヴァイナル(データの容器に過ぎないCDではなく)をリリースすることで、その可能性の一部をリアルな世界に帰し、さらに多面的なシーンをつくろうとしている。また、ダブステップやウォンキーにもその傾向は見られる。インディ・ラップの場合は、頭の上にアーバン・ミュージックという巨大なマーケットがあることで、なかなか独自の展開へと踏み出せなくなっているような気もするのだが、さて、今後、どうなるだろうか。

DJ Yogurt / DJ ヨーグルト (Upset Recordings) - ele-king

2010年秋以後にゲットしたレコードの中から10枚。


1
奇妙礼太郎トラベルスイング楽団 - 機嫌なおしておくれよREMIX - Upset Recordings-Sneeker Blues Record-Jet Set

2
シグナレス - y.s.s.p.(DJ Yogurt&Koyas Remix) - Felicity

3
ジェブスキ - Still - P.A.D.

4
Bob Holroyd - African Drug(Four Tet Remix) - Phonica

5
Daddy Mckane - Say The Word(Big Daddy's Rebel Dub) - Not Safe For Work

6
Serena Maneesh - Ayisha Abyss(Lindstrom Remix) - 4AD

7
Maxime Dangles - Astroneff - Skryptom

8
Passarani & Sacco - Flora(Original) - Desolat

9
Seahawks VS Bad Drawn Boy - You Lied(Lies And Manipulation) - UNKNOWN

10
Pastor T.L.Barrett And The Youth For Christ Choir Sings! - Like A Ship...(Without A Sail) - Light In The Attic Records
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