「TT」と一致するもの

Gaika - ele-king

 早すぎたのかもしれない。〈Warp〉移籍後初となるEP「SPAGHETTO」から半年が過ぎた2017年4月8日、CIRCUS TOKYOで初めて見た彼は上半身裸でステージを動きまわり、非常に熱のこもったパフォーマンスを繰り広げていたのだけれど、どうにもまだフロア=日本側の理解の準備が整っていなかったというか、彼の音楽をどう受け止めたらいいのか、その音楽がなんなのか、とらえあぐねているような雰囲気があったのを憶えている。が、ファースト・アルバム『Basic Volume』(2018)が放たれたあとの来日公演、2019年9月20日のWWW Xではそれも解消され、重厚な低音が響きわたるなか、オーディエンスたちは大いに盛り上がりを見せていた(はず……記憶に間違いがなければ)。
 10年代後半の当時、アンダーグラウンドがどんな状況だったかというと、イキノックスロウ・ジャックが頭角をあらわし徐々に認知度を高めていっており、数ある潮流のひとつとして「ダンスホール」が擡頭していた。ルーツの半分をジャマイカにもち、10年代前半はマーケイジというグライム・グループで活動、新たなブラック・ディアスポラの共同性を探る〈NON〉のコンピにも参加していたガイカが、ソロ活動を進めていくにあたりそのスタイルを選択し自身の音楽を「ゲットー・フューチャリズム」と呼んだことは、彼が時代に敏感だった証といえよう。
 トラップの影響を残しつつも、デビュー・ミックステープ『Machine』(2015)、セカンド・ミックステープ『Security』(2016)、ジャム・シティを迎えた「SPAGHETTO」とリリースを重ねるにつれ、ダンスホールを咀嚼した彼のサウンドは徐々に武器としての強度を高めていくことになる。『Basic Volume』はそのひとつの完成形だろう。時代の動向を鋭く看取しつつ、独自のダークな音世界を紡ぎあげる闘士、それがガイカだった。その個性はつづく2枚のコラボ・アルバム──『Seguridad』(2020)と『War Island OST』(2022)──にもある程度は引き継がれることになる。

 オリジナル・ソロ・アルバムとしては2枚目、という数え方でいいのだろうか。〈Big Dada〉移籍後初のフルレングス『Drift(漂流)』はしかし、まるっきり音楽性を変えている。ここにはトラップもなければダンスホールもない。驚くほど潔い変貌ぶりというか、本作で披露されているのはバンド・サウンドであり、もっとも耳に残るのは歪んだギターの音なのだ。
 いや、冒頭2曲にはダブだったりカリブ海音楽を思わせる要素がしのばされているし、どこかトリップホップぽいフィーリングもあったり、けしてなにかひとつのスタイル一辺倒というわけではない──のだけれど、全体としてはオルタナティヴ・ロックの色が濃く出たアルバムに仕上がっている。ラップ・グランジとも呼ぶべきシングル曲 “LADY” や、銃をテーマにした “Gunz” などがその代表だろう。
 いちばん驚かされたのはもうひとつのシングル曲 “Sublime” だ。つま弾かれるギターや鍵盤(?)がせつなさを醸しだし、背後でギター・ノイズやホーンがノスタルジーを掻きたてるこの曲には、えもいわれぬかなしみ、どこかサウダージにも通じる感覚、部分によってはビビオさえ連想させる、豊かな感傷がそなわっている。間違いなくガイカの新機軸だろう。あるいは、カリブ海的なものと東アジア的なものを同時に喚起させる “And There Goes The Challenger” なんかも何度もリピートしたくなる魅力をもっている。

 白人はジャズでもロックでもラップでもなんでも許されるのにたいし、黒人は「ブラック・ミュージック」の枠に押し込められてしまう──そんな話が紙エレ年末号掲載の対談「BLMはUKをどう変えたのか」には出てくる。『Drift』はそうした先入見や「期待」を裏切るみごとなアフロ・パンク作品だ。近年はイヴ・トゥモアウールーなど、積極的にロック・サウンドに挑戦する因習打破的なブラック・アーティストたちの存在感が増している。本作をもってガイカもまた、その列に加わることになった、と。
 ダンスホールからオルタナティヴ・ロックへ──いまここにガイカ第2章の幕が切って落とされたわけだが、『Drift』を契機にアフロ・パンクそれ自体の勢いもさらに加速していくことになるかもしれない。

CLEO MCNETT - ele-king

 非常階段赤痢など、着々とリイシューを進めている〈Alchemy Records〉。新たにたまげたブツが2タイトルも送り出されている。
 ひとつはザ・スターリンのライヴ音源で、1981年4月、京都磔磔におけるイヴェント、《Answer 81》にて録音されたもの。これまで一度も正式リリースされていない、初期メンバーによる演奏が収められている。
 そしてもうひとつ、おなじイヴェントでレコーディングされたライヴ盤。非常階段、アウシュビッツ、ほぶらきんによるパフォーマンスを収録、こちらもレアな音源のようだ。
 いずれもCDはすでに発売中、LPは来年3月20日リリースとのこと(後者のLPは非常階段のみ収録)。曲目など詳細は下記よりご確認を。

1981年4月に京都磔磔で実現した、非常階段とスターリンの初共演となった伝説のライブイベント“Answer 81”の未発表含む貴重な音源がCD&アナログでリリース!

1981年4月京都磔磔にて実現した、非常階段とザ・スターリンの初共演となった伝説的ライブイベント“Answer 81”。当日の熱気と緊張感溢れる雰囲気を味わえる貴重な音源がCD&アナログでリリース決定!

Vol.1に収録の非常階段は狂気的な演奏でキングオブノイズたる所以を早くも発揮しており、それに応えるかのように共演のアウシュビッツ、ほぶらきんも流石のパフォーマンスを披露。
また、Vol.2に収録されている同日のザ・スターリンのライブ音源はこれまで一度もリリースされておらず、これまでブート盤でしか聴くことの出来なかった最初期のバージョンなども収録された非常に貴重な音源となっている。

P-VINEとJOJO広重氏がタッグを組んで20タイトル以上に及ぶ再発リリースを実現させてきた「Alchemy Records Essential Collection」、その集大成が今ここに。

【ザ・スターリン】
ザ・スターリンが非常階段らと共演した1981年京都磔磔でのイベント“Answer 81"での未発表ライブ音源がまさかの発掘リリース!
JOJO広重氏が保管していた膨大なテープの中から発見され、ミチロウ、シンタロウ、金子あつし、イヌイジュンという初期メンバーによる過激な演奏と生々しい緊張感に溢れたライブが40年以上の時を超えてついに陽の目を見る。
「電動コケシ」「解剖室」「撲殺」など初期の代表曲が飛び交う全15曲収録。

今作の曲名はマスターテープに残されていたトラックリストを参照しており、「血の海Want You」と書かれた4曲目はミチロウ氏のデビュー25周年記念BOXセットのタイトルとしても知られる「飢餓々々帰郷」で、スターリン単独名義の音源としてはライブも含めて過去一度も公式にリリースされていない。また、13曲目「お前まじかだ(ブタのケツ)」は前身バンドである自閉体の曲をアレンジしたもので、過去にブート盤にのみ収録されていたものの、こちらも今回が史上初のオフィシャルリリースとなる。

【非常階段+アウシュビッツ+ほぶらきん】
言わずと知れた"キングオブノイズ"こと非常階段、1981年に京都磔磔にて行われたイベント"Answer 81"でのライブ音源がついに単独作品としてリリース!
初期のドロドロとした阿鼻叫喚、地獄絵図のサウンドがCD&アナログで蘇る!

CD限定ボーナストラックとして、当日の共演バンドでJOJO広重氏とともにアルケミー・レコードを立ち上げることになる林直人氏のバンド「アウシュビッツ」、
そして当時の関西インディーズを語るうえでは外すことのできない伝説的カルトバンド「ほぶらきん」のライブ音源も収録!
アウシュビッツは今回が初出しの音源、ほぶらきんは以前ボックスセットに収録された音源とは別のマスターテープが発見されたことで音質が格段に向上!関西インディーズシーンの歴史が垣間見える必携の1枚。


【ザ・スターリンリリース情報】
アーティスト:ザ・スターリン
タイトル:Answer 81 1981.4.19. Vol.2
CD/LP/DIGITAL 
CD Release Date:2023.12.6 / LP Release:2024.3.20
品番:CD/ALPCD-17, LP/ALPLP-21
定価:CD/¥2,750(税抜¥2,500), LP/¥4,378(税抜¥3,980)
レーベル:P-VINE
協力:遠藤ミチロウオフィス
写真:地引雄一

【Track List】
01. 豚に真珠
02. 猟奇ハンター
03. GASS
04. 血の海 Want You (飢餓々々帰郷)
05. コルホーズの玉ネギ畑
06. Bird
07. 電動コケシ
08. アーチスト
09. サル
10. 解剖室
11. 冷蔵庫
12. Light My Fire
13. お前まじかだ (ブタのケツ)
14. 暗いネ落ち込んだ (欲情)
15. 撲殺
※LP SIDE A:1~7 SIDE B:8~15


【非常階段+アウシュビッツ+ほぶらきんリリース情報】
アーティスト:非常階段+アウシュビッツ+ほぶらきん
タイトル:Answer 81 1981.4.19. Vol.1
CD/LP/DIGITAL ※LPには非常階段のみ収録
CD Release Date:2023.12.6 / LP Release:2024.3.20
品番:CD/ALPCD-16, LP/ALPLP-20
定価:CD/¥2,750(税抜¥2,500), LP/¥4,378(税抜¥3,980)
レーベル:P-VINE

【Track List】
01. 非常階段 / Live at Kyoto TakuTaku,19th April 1981
02. Auschwitz / I'm disease
03. Auschwitz / High
04. Auschwitz / Slow
05. ほぶらきん / 魚売り
06. ほぶらきん / アックンチャ
07. ほぶらきん / ゴースン
08. ほぶらきん / とんがりとしき
09. ほぶらきん / いけいけブッチャー
10. ほぶらきん / ペリカンガール
※LPは1曲目のみをAB面に分けて収録

Laura Cannell - ele-king

 これは冬のためのアルバムだ。ローラ・キャネル自らがそう説明している。地球の北半球の、ここ日本でもまさに今週からはじまった寒い冬。12月1日にリリースされた、彼女にとって8枚目のアルバムは『真冬の行列』と名付けられている。
 これはいかにも英国風の、宇宙的だが土のにおいがする音楽だ。牧歌的だが厳しさがある。馬車に乗って、森のなかでたき火をしよう。ノーフォークの900年の歴史を持つノリッジ大聖堂内でレコーディングされたその本作について、キャネルは次のようにコメントしている。「大聖堂の内部からの残響を捉え、真冬の世俗的な行列を想像させるシンセサイザーのレイヤーと組み合わせたいと思った。長い音色はステンドグラスや石壁に跳ね返り、長い小島や彫刻の施された柱を通り抜け、トランセプトへと霧のように消えていく」
 すでにキャネルの音楽に親しんでいる人は、この発言に「おや」と思うはずだ。そう、本作には、いつものヴァイオリンとリコーダーのほかにシンセサイザーが使われている。それだけで、興味をそそられるのではないだろうか。アルバム・タイトルもさることながら、“星の記憶” “太陽の行列” “大聖堂のこだま” “夜明けまでの月光を追って” “真冬の鐘” といった曲名もじつにいい。

 ローラ・キャネルの音楽は、ぼくにとって2010年代の喜ばしい出会いのひとつだった。社会のものごとはスマホやネットありきが前提となっている今日において、液晶画面が告げる未来から逃げるように、削除された記憶や歴史の残滓が混在する荒れ地と共振しようとする音楽が生まれ、小さいながらも広く注目されることになるのは必然だ。2023年のベスト・アルバムの1枚がランクムであることと、キャネルのようなアーティストに一目置かれることとは無関係ではない。

 「醜悪な町の広がりを忘れ、むしろ下りの荷馬車を思い浮かべよ」と書いたのは、都市化がすすむロンドンを嘆いた19世紀後半の、後世にもっとも影響を与えたデザイナーであり情熱的な社会主義者であったウィリアム・モリスだったが、古くは詩人ウィリアム・ブレイクや作曲家グスタフ・ホルスト、そして大衆文化の分野ではザ・ビートルズやレッド・ゼッペリン、ケイト・ブッシュにザ・KLF、エイフェックス・ツインやボーズ・オブ・カナダ等々もそうだったように、イギリスの夢想的な文化はことあるごとに、未来を志向するとき田舎道を選ぶところがある。SF的なタイムトラベルが中世ロマンに通じることは、ウィリアム・モリスの『ユートピアだより』にも見て取れよう。キャネルの音楽の基礎はクラシック音楽にあるが、彼女はそのエリートコースから脱し、かつてのセシル・シャープのように農村を訪ねて歌を集めていたわけではないが、先駆者デイヴィッド・マンロウようにアーリー・ミュージックの旋律をもとめて過去を調査した。
 彼女の目的はしかし、中世の旋律の収集ではなかった。キャネルの試みは、古き建造物固有の音の鳴りを捉えること、時空を超えたサウンドの探求であり、前作『Antiphony of the Tree』のように鳥たちとの対話から生まれたサウンドであったりもする(エレキングvol.29のインタヴューを参照)。『真冬の行列』は、高さ69フィートのノリッジ大聖堂の中央で即興演奏したときの録音をもとに作られている。「私の多くのレコーディングと同様、今作も、その瞬間に自分がどう感じるかをたしかめるために、決まったプランなしに臨んだ」と彼女は明かしている。「演奏すること、そして自分には言いたいことがあるのだと信じること、サウンドがどこに行きたいのかを見つけること。私は、教義に基づいて、高度に設計された建てられた美しい空間の神聖なるものに対する葛藤した感情を押し通すことができるだろうか。私は、その瞬間に判断するのではなく、突き進み、演奏を続け、家に帰ったら空間との対話から何が生まれたのかを確認することを学んだ」
 
 ぼくのような彼女のファンのために付け加えると、なかば神秘的ともいえる旋律をもった“星の記憶” には、彼女の音楽には珍しく、少しだけビートが刻まれている。もちろん今作にも、ローラ・キャネルのヴァイオリンとリコーダーによるヴィジョナリーな旋律が演奏され、そして編まれているわけだが、先にも書いたように、今作には彼女にとって初の試みといえるシンセサイザーの伴奏もあって、いままでにないポスト・プロダクションが施されている。今作のひとつの聴きどころとしては、彼女の説明にもあったが、大聖堂内部における反響音とシンセサイザーの抽象音との調和にある。いわばエレクトロニカの時代のフォークで、ひとりの演奏者が作品ごとにコンセプトを変えて、これだけのアルバムを発表するのは並大抵のことではないが、そんな風に、ここでも新たなアイデアが具現化されているのである。

 キャネルが住んでいる英国ノーフォークの美しい田舎町は、ぼくが住んでいる人工的な東京よりもずっと季節の厳しい変化に晒されているはずだ。ゆえに、自明のことだが、ぼくよりも深く自然を感じることができているのだろう。そうしたライフスタイルすべてが彼女の、真冬の冷たく澄んだ空気に溶け込み、白い月や吐息と共鳴する演奏に影響していることは想像に難くない。リコーダーが反響する “大聖堂のこだま” や “真冬の鐘” といった曲からは、彼女が演奏した場のアトモスフィアさえも伝わってくる。
 サウンドのゆらめきと幽玄さは、彼女のすべての作品の特徴ではあるが、ことに今作では突出しているのかもしれない。あるいは、東京も本格的な真冬を迎えているから音楽がより鮮明に聴こえるのかもしれない。なんにせよ、この季節にどんぴしゃりの、これは嬉しいリリースだ。型にはまった音楽に飽き飽きしているあなたが、さらに冬の冷気を愛することができる人でもあるならば、『真冬の行列』もきっと好きになれる。

Mighty Ryeders "Help Us Spread The Message"の謎の巻 - ele-king

 マイアミの小さなレーベルからリリースされたMighty Ryeders "Help Us Spread The Message"は謎多きアルバムであります。オリジナル盤はプロモ盤しかないとか、「Evil Vibrations」が曲の途中でスロー・ダウンする盤もあるなど口コミで多くの逸話を残し、そもそもの希少性もあって今日(こんにち)までミステリアスな入手最難関アイテムに君臨し続けています。
 その不明瞭な部分をVINYL GOES AROUNDチームで検証し、2023年12月20日に発売された本作CDのライナーノーツに執筆/掲載させて頂きました。
 ここではその一部とオリジナル盤と呼ばれる4種類のヴァージョンの音質についても検証した動画を公開します。

□ジャケット

・ファースト・プレスのプロモ盤は表面に「PROMOTIONAL NOT FOR SALE」の印刷。

・ファースト・プレスは張り合わせ式で、セカンド・プレスのジャケットはワンピース。

・ファースト・プレスとセカンド・プレスではレーベルのロゴマークとタイトルのHelp Us部分の網点の質感の印刷が違う(ファースト・プレスの方が印刷が細かい)。

ファースト・プレスプロモ盤ファースト・プレスプロモ盤

ファースト・プレス市販盤ファースト・プレス市販盤

セカンド・プレスセカンド・プレス FULLERSOUND盤

セカンド・プレス・スローダウン盤セカンド・プレス・スローダウン盤

□マトリックスと盤

・ファースト・プレスのプロモ盤と市販盤ではB面のマトリックスの筆跡が違う(音質も若干違う)。

・セカンド・プレスのマトリックスの横に「FULLERSOUND」という刻印の入っているものと入っていないものが2種類あり、入っていないものは「Evil Vibrations」のピッチが後半でスローダウンする。

ファースト・プレスプロモ盤ファースト・プレスプロモ盤

ファースト・プレス市販盤ファースト・プレス市販盤

セカンド・プレスセカンド・プレス FULLERSOUND盤

セカンド・プレス・スローダウン盤セカンド・プレス・スローダウン盤

□音質の分析

やはりファースト・プレスの2枚が優れている。プロモ盤と市販盤ではB面のマトリックスが異なり、音質も若干違う(どちらかに優越をつけ難い)。セカンド・プレスのFULLERSOUND盤の音質は初回リリースに近いが若干レベルが低い。スローダウン盤の音質はさらに少しこもっているように思われる。

動画

さらに詳しい詳細はこちらのライナーノーツをご参照ください。

マイティ・ライダース
マイティ・ライダース
ヘルプ・アス・スプレッド・ザ・メッセージ

PCD-94170

bar italia - ele-king

 イケてるヤツはディーン・ブラントを聴いているが、今年はバー・イタリアも聴いている。

 今年ももう1ヶ月を切り、年末の締切やライヴの準備などに忙殺されながらも今年を振り返るとバー・イタリアが記憶に鮮明に焼きついている。

 2020年にファースト・アルバムをリリースしてから約3年の活動期間ですでに4枚のアルバムをリリースしている多作なバー・イタリア。前作『Tracey Denim』でばっちり心掴まれた方が多いと思うが今年2枚目のアルバム『The Twits』ではまた趣が違ったツボをついてきた。
 ファースト・アルバム『Quarrel』、セカンド・アルバム『Bedhead』は共にディーン・ブラント主宰のレーベル〈World Music〉からリリースされていてギターや露骨な切り貼り、ミックスに至るまでまんまディーン・ブラント節の2枚だった。そんな2枚から2年を置いて今年5月に〈Matador Records〉からリリースされた『Tracey Denim』 は路線変更も含め素晴らしいアルバムだった。言っちゃあなんだが、これは予算とミキシング・エンジニアがかなり大きいと思う。ドラム・サウンドはタイトで、ギターやメロディも愛らしさを残しつつはっきりしていて、全体として格段に聴きやすくなっていた。
 『The Twits』でもマルタ・サローニの腕が光る。前作から続投となったプロデューサー、エンジニアのマルタ・サローニ。ホームページを見ていただくとおわかりいただけるだろう、若手ながらすごいディスコグラフィの持ち主。サンファやウェスターマンのアルバムからも感じる耳心地良い音量感とバランス感覚がバー・イタリアのようなバンドに持ち込まれると化学反応を産む。

 『The Twits』のレコーディングは『Tracey Denim』リリース前にはすでに済んでいたらしいが、すでに趣の違ったサウンド。ギターのサム・フェントンとジェズミ・フェミのバンド、ダブル・ヴァーゴに若干寄った感じだがニーナ・クリスタンテのヴォーカルが入るとやはりバー・イタリア。彼女の声は唯一無二でバー・イタリアの核を担っている。
 アルバム通して多出するコンプで潰し切ったドラムが危なっかしいが愛らしいギターと相性がいい。

 気だるく不穏で不機嫌そうなかっこいいバンドは腐るほどいるが僕がバー・イタリアを好きな理由は大胆さだ。すごく嫌な言い方だが、こういう雰囲気はセルフ・プロデュース的で、既出の似た類のバンドのペルソナをいかに恥ずかしげもなく演じ切るかで決まる(とたまに思う)。途中で恥ずかしくなっても飲み込まれて拗らせてもあらぬ方向に行ってしまう。ピッチフォークなどのレヴューや批評があまりよくないのもそういうところを疑われてる感じがある。が、“worlds greatest emoter” と “my little tony” で僕の疑いは晴れた。言い過ぎかもしれないがこういうダンサブルな曲をシングルで出すということに「僕ら大きい会場でもやります! やらせてください!」という気概を感じる。

 今作のなかでも僕が抜けて好きな曲が “glory hunter” だ。これはもう感覚でしかないのだけど、曲の中に3人いる。気がする。特に頭のツイン・ギターにニーナが歌うところを聴くとボーッと三つ影が浮かび上がってくる。これはバー・イタリアの魅力のひとつだと思っていて、メディア露出が極端に少ないバンドなのに3人の関係性が伝わってくるというか曲に滲み出ている。こういう表現ができるってことはやはり本物なのかもしれない。

 アルバムを4枚出しているのに次出るアルバムがどうなるのかこんなにハラハラするバンドも珍しいと思う。いまいちばんイケてるバンドがどう化けるのか楽しみでならない。

Tujiko Noriko - ele-king

 おもに〈Mego〉~〈Editions Mego〉からのリリースを中心に、00年代から活躍をつづける電子音楽家、ツジコ・ノリコ。その5年ぶりの日本ツアーが決定している。最新作『Crépuscule I & II』をもとにしたライヴになるそうで、京都、東京、福岡の3都市をめぐる。東京公演ではベルリンの映像作家 Joji Koyama がAVを手がけるとのこと。詳しくは下記より。

Tujiko Noriko Japan Tour 2024

1/09 Tue at Soto Kyoto
https://soto-kyoto.jp

1/11 Thu 18:30 at WWW Tokyo w/ Joji Koyama LIVE A/V
https://www-shibuya.jp/schedule/017371.php
TICKET https://t.livepocket.jp/e/20240111www *限定早割販売中

1/13 Sat at Artist Cafe Fuokuoka
https://artistcafe.jp

tour promoter: WWW / PERSONAL CLUβ

薄明かりのサウンドスケープ。エレクトロニカの伝説、フランス拠点のTujiko Norikoが5年ぶりの日本ツアーを開催。東京公演ではベルリンの映像作家Joji KoyamaとのライブA/Vを披露。

2001年のデビュー以来00年代のDIYなサウンドスケープのムーヴメントから生まれたエレクトロニカを始め、アートを軸とした電子音楽シーンで映像含む数多くの作品をリリースし、映画、パフォーマンス、アニメーション、インスタレーションの音楽制作含む数々のコラボレーションを果たして来たTujiko Norikoが、本年明けに老舗Editions Megoからリリースした映像作家Joji Koyamaとの大作『Crépuscule』(薄明かり)を基にしたライブを携え、京都、東京、福岡を巡る5年ぶりの日本ツアーを開催。

https://www.instagram.com/koyama_tujiko/


Tujiko Noriko

フランスを拠点に活動するミュージシャン、シンガーソングライター、映像作家。2000年、Peter RehbergとChristian Fenneszが彼女の最初のデモテープを発見し、アルバム『少女都市』でMegoからデビュー。アヴァンギャルドなエレクトロニカ周辺で高い評価を受け、Sonar、Benicassim、Mutekなどのフェスティバルに招かれ、世界中で演奏活動を行う。これまでにEditions Mego、FatCat、Room 40、PANから20枚のアルバムをリリースし、高い評価を得ている。2002年のアルバム「Hard Ni Sasete」はPrix Ars ElectronicaでHonorary Mentionを受賞。

映画、ダンス・パフォーマンス、アニメーション、アート・インスタレーションなどの音楽を手がけ、著名なミュージシャン、Peter Rehberg,、竹村延和、 Lawrence Englishらとコラボレーションしている。2005年には初の映像作品「Sand and Mini Hawaii」と「Sun」を制作し、パリのカルティエ財団や東京のアップリンクなどで国際的に上映された。2017年、Joji Koyamaと共同脚本・共同監督した長編映画「Kuro」はSlamdance 2017でプレミア上映され、Mubiでも上映された。2020年から21年にかけて、彼女の音楽作品はレイナ・ソフィア美術館で開催された展覧会「Audiosphere」(主要な現代美術館で初めて、映像もオブジェも一切ない展覧会)に出品された。

2020年にはサンダンスとベルリン国際映画祭で上映された長編映画「Surge」の音楽を担当し、2022年にはla Botaniqueでプレミア上映されたミラ・サンダースとセドリック・ノエルの映画「Mission Report」の音楽を担当した。

Joji Koyamaとの最新アルバム『Crepuscule I&II』をEditions Megoからリリースしている。

https://twitter.com/tujiko_noriko

ディスコグラフィー

'Shojo Toshi' 2001 (Mego)
'Make Me Hard' 2002 (Mego)
'I Forgot The Title' 2002 (Mego)
'From Tokyo To Naiagara' 2003 (Tomlab)
'DACM - Stereotypie' with Peter Rehberg 2004 (Asphodel)
'28' with Aoki Takamasa 2005 (Fat Cat)
'J' with Riow Arai 2005 (Disques Corde)
'Blurred In My Mirror' with Lawrence English 2005 (ROOM 40)
'Melancholic Beat' 2005 (Bottrop-boy)
'Solo' 2006 (Editions Mego)
'Shojo Toshi' 2007 (Editions Mego)
'Trust' 2007 (Nature Bliss)
'U' with Lawrence English and John Chantler 2008 (ROOM 40)
‘GYU’ with tyme. 2011/12 (Nature Bliss/ Editions Mego)
‘East Facing Balcony’ with Nobukazu Takemura 2012 (Happenings)
‘My Ghost Comes Back‘ 2014 (Editions Mego/ p*dis)
'27.10.2017' with Takemura Nobukazu 2018 (Happenings)
‘Kuro’ 2018 (pan)
‘Surge Original Sound Track Album’ 2022 (SN variations/Constructive)
‘Crepuscule I&II’ 2023 (Editions Mego)
‘Utopia and Oblivion’ 2023 (Concept compilation album from Constructive)


Joji Koyama

ベルリンを拠点に活動する映像作家、アニメーター、グラフィック・アーティスト。短編映画、アニメーション、ミュージックビデオ(Four Tet、Mogwai、Jlinなど)は国際的に上映され、ロンドン短編映画祭や英国アニメーションアワードで受賞。2015年には初の短編ビジュアルストーリー集「Plassein」を出版。Tujiko Norikoと脚本・監督を務めた長編映画「Kuro」はスラムダンス映画祭でプレミア上映され、MUBIで世界中に配信された。様々なメディアやコンテクストで活動し、最近のコラボレーションには、絶賛されたアルバム「Crépuscule I&II」に基づくTujiko NorikoとのツアーライブA/Vプロジェクトがある。

jojikoyama.com
instagram.com/jojikoyama
twitter.com/jojikoyama



Tujiko Noriko - Crépuscule I & II [Editions Mego / pdis]

まだEditions Megoになる前のMegoの初期、過激な作品群の中に思いがけない作品が登場しました。PITA、General Magic、Farmers Manualなどの歪んだハードディスクの中から、全く異なる種類のリリースが現れたのです。コンピュータで作られたものでしたが、よりソフトな雰囲気、雲のような音、そしてメロディーさえもありました。それは日本人アーティスト、ツジコノリコの記念すべきデビュー作『少女都市』(2001年)であり、彼女のキャリアをより多くの人々に紹介しただけでなく、Editions Megoの門戸をより幅広い実験的音楽形態に開くことになりました。

電子的な抽象性、メロディー、声、そして雰囲気というツジコノリコ特有の合成は、彼女の神秘的な言葉の周りを音が優しく回り、歌として構成された感情的な聴覚実験の連続へと変化していくため、他の追随を許さないものです。彼女はMegoからのデビュー作以来、ソロ作品やコラボレーションを重ね、また女優や監督として映画界にも進出するなど、進化を続けています。

PANから2019年にリリースされたサウンドトラック『Kuro』以来の新作となる本作では、映画というメディアが彼女の音楽に与えた影響を聴くことができ、視覚的な記号が手元にある刺激的なオーディオに呼び起こされます。インストゥルメンタルのインタールードは、タイトルと一緒に映画の風景を思い起こさせ、映画の形式を再確認させます。これは、深い人間的な存在感を持つ合成音楽です。内宇宙の幻想的な領域を彷徨う人間の心が、通常はそのような人間的な傾向を崩すよう促す機械を通して、絶妙に表現されています。その温もりと静寂、そして夢のような空間が、ツジコノリコという作家の個性であり、この『Crépuscule』は、その力を見事に証明しています。

「Crépuscule(薄明かり)」というタイトルこの音楽の夢遊病的な性質を見事に表現しており、夜行性の変化が広い意味での静寂を呼び起こします。「Crépuscule I」は短い曲のセレクションで構成され、「Crépuscule II」は3曲の長めの曲で構成され、これらの曲とムードが呼吸するためのスペースを提供しています。本作は、リスナーが彼女の目を通して世界を見ることを可能にし、機械に人間味を与える彼女の巧妙な手腕により、穏やかな不思議な世界がフレーム内にフォーカスされています。

Track listing:

Disc 1
1 Prayer 2′ 22”
2 The Promenade Vanishes 6′ 18”
3 Opening Night 4′ 30”
4 Fossil Words 8′ 10”
5 Cosmic Ray 3′ 26”
6 Flutter 4′ 18”
7 A Meeting At The Space Station 11′ 38”
8 Bronze Shore 6′ 46”
9 Rear View 3′ 22”

Disc 2
1 Golden Dusk 12′ 50”
2 Roaming Over Land, Sea And Air 23′ 58”
3 Don’t Worry, I’ll Be Here 18′ 45”

INFO https://www.inpartmaint.com/site/36264/

Oneohtrix Point Never with Jim O'Rourke and Eiko Ishibashi - ele-king

 2024年2月に東京および大阪での公演を控えるワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。そのスペシャル・ゲストとして、なんとなんと、ジム・オルーク石橋英子の出演が決定! オルークは最新作『Again』にも参加していたわけだけれど、ここ日本でついに彼らがおなじステージに立つ、と。
 またこのアナウンスに合わせ、『Again』収録曲 “Nightmare Paint” のMVが公開されている。監督はアンドリュー・ノーマン・ウィルソン。目から出る光線でCDを焼く? なんとも印象的な映像なので、こちらもチェックしておこう。

DJ HOLIDAY - ele-king

 今年日本でも公開されて話題になった映画『ルードボーイ』、UKにおいて先駆的かつもっとも影響力のあったレゲエ・レーベルの〈トロージャン〉の物語である。で、この映画のヒットもあってか、このところ日本でも60年代、70年代のスカ、ロックステディ、アーリー・レゲエが静かに注目されているという。そんな折に、DJ HOLIDAYがまたしても〈トロージャン〉音源を使ったミックスCDをリリースする。
 〈トロージャン〉には膨大な量の音源があるわけだが、DJ HOLIDAYはそのなかから、クリスマス〜年末年始という、人恋しいこれからの季節に相応しいラヴリーな20曲を選んでいる。ロックステディの女王、フィリス・ディロンとアルトン・エリスによる甘々のデュエット曲“Love Letters ”からはじまるこの『Our Day Will Come』、有名曲のカヴァーも多く、きっといろんな人が楽しめるはず。ハードコア・バンド、Struggle for Prideのフロントマンとはまた別の表情の、珠玉のレゲエ集をどうぞお楽しみください。

DJ HOLIDAY (a.k.a. 今里 from Struggle for Pride)
Our Day Will Come : Selected Tunes From Trojan Records
TROJAN/OCTAVE-LAB

フォーマット:CD
発売日:2023年12月20日 (水)

TRACK LIST
1. Phyllis Dillon & Alton Ellis / Love Letters
2. B.B Seaton / Lean On Me
3. B.B. Seaton / Thin Line Between Love And Hate
4. Louisa Marks / Keep It Like It Is
5. Lloyd Charmers / Let's Get It On
6. John Holt / When I Fall In Love
7. Merlene Webster / It's You I Love
8. Slim Smith / Sitting In The Park
9. Pat Kelly / Somebody's Baby
10. Alton Ellis & The Flames / All My Tears
11. Derrick Morgan / Tears On My Pillow
12. Judy Mowatt / Emergency Call
13. The Heptones / Our Day Will Come
14. The Paragons / Maybe Someday (Oh How It Hurts)
15. Rudies All Around / Joe White
16. The Gaytones / Target
17. Ken Boothe / Why Baby Why
18. Ken Boothe / Now I Know
19. Owen Gray / I Can't Stop Loving You
20. Derrick & Naomi / Pain In My Heart /


〈TROJAN RECORDS 〉
イギリスに移住したジャマイカ人、リー・ゴプサルが1967年に設立した、イギリス初のレゲエ・レーベル。もともとは彼と同じように、移民としてイギリスで暮らすジャマイカ人たちのためにジャマイカ音楽を発信していたが、その音楽は労働者階級の白人にも浸透し、ある意味、その後のUKベース・ミュージックの下地を作っていく。リー・ペリーをはじめ、ジャマイカの一流アーティストたちによる名盤は数多く、また、アートワークも格好いいので、いまでも人気のレーベルであり続けている。

ele-king vol.32 - ele-king

 弊社サイト、エレキングをお楽しみのみなさん、こんにちは。早いものでもう12月、紙エレキング32号、刊行のお知らせです。今回はレコード店とアマゾンのみ、明日(15日)に先行発売されます。なお、書店は25日発売です。詳しくは公式ページをご参照ください。そして、これはもう、単刀直入に申し上げますが、ドネーションだと思って購入していただければ幸いです。たとえば、最近で言えばガゼル・ツインルーシー・レイルトンワジードなどのインタヴューを楽しんでいるリスナーは日本では少数かもしれません。しかし、日本ではとくに後ろ盾のないこうした海外アーティストや作品の紹介、ほかでは読めないコラム(たとえば小川充のジャズ・コラムから三田格の映画評NY在住のジル・マーシャルのポップ・エッセイなど)を継続するには、やはりどうしてもみなさんのご理解とサポートが必要です。ひとりでも多くの読者が購買者になっていただければ、エレキングもより記事を充実させることができます。以上、編集部からのお願いでした。

 さて、それでは紙エレキング32号を簡単に紹介します。特集は「2010年代という終わりとはじまり」、それと「2023年年間ベスト・アルバム」です。まずは前者について、これはいつかやりたいと思っていた企画で、ちょうどそのディケイドを代表するひとり、OPNが新作を出したことがあって今回やることにしました。きっちり10年代というよりは、リーマンショック(2008年)からコロナ前(2019年)まで、このおよそ10年で、まずは音楽を取り巻く状況がドラスティックに変化したからです。これは、かつてレコードやCDで音楽を聴いていたことがある世代にはわかってもらえる話だと思います。また、これは90年代にリアルタイムで音楽を聴いてきた世代にしかわからない話になってしまいますが、ゼロ年代になって更新の速度がいっきに落ちたと言われている音楽シーンが、それではテン年代になってどうなったのかという問題もあります。と同時に、web2.0以降の環境が、あるいは世界規模の大衆運動が音楽にどのように影響を与えたのかなど、その10年はあらためて整理したいトピックでいっぱいです。何が名作と言われているのかは、もう、それこそインターネットを見ればすぐにわかることなので反復する必要はないでしょう。おもに、そうした最大公約数からこぼれ落ちている大切な事柄に焦点を当てつつ、構成してあります。複数のライター諸氏が選んでくれた「10年代の名盤/偏愛盤」はいろんな人が見ても楽しいと思います。
 「2023年年間ベスト・アルバム」に関しては、ひとつだけエクスキューズをここに書いておきます。ぼく(野田)の印象になってしまいますが、2023年は、とくに大きな波はなく、いくつものさざ波があった、そんな1年だったと思います。いつもこの順位を決める際に指標としているのは、良い悪い/好き嫌い/上手い下手といった相対的な価値観ではなく、その斬新さが社会にとってどんな意味があるのかという(これも相対的と言えるかもしれませんが)、その一点です。2023年の多くの音楽にも、もちろんその強度はあるのですが、なにかが突出していたというよりは、みんな均等に良かったという印象です。なので、今回の年間ベストの1位から3位の3枚に関しては、エレキングというメディアの個性がいつもよりよく出ていると思います。
 ある意味こうした事態は、スウィフティーズやリトル・モンスターズが読者ではないであろうエレキングにとっては、歓迎すべきことかもしれません。とはいえ、いまのこのさざ波のような奇妙な感じは、2024年も続くのかどうか、それとも大きな波の前触れなのか、これからも期待と不安を抱えながら、見守りたいと思います。そのためにも、(しつこくてすいません)紙エレキング32号をどうぞよろしくお願いいたします。

エレキング編集長 野田努

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