Home > News > Koichi Makigami - 唯一無二のアーティスト、巻上公一。ヒカシューの新作、ソロ・アルバム、詩集の刊行、2026年は古希記念ライヴなど

巻上公一ほど、とらえどころのない表現者はいない。「ミュージシャン」という枠を超え(ヴォイス・パフォーマー、アヴァンギャルドの巨匠、詩人、演劇家……)、活動の領域さえも超えて(NYの前衛シーン、欧州の即興音楽、そして中央アジアの伝統音楽界)、そのすべての場所で絶大なリスペクトを集めている。
ヒカシュー(いまだテクノポップと括られているが、そのルーツはロキシー・ミュージックとデレク・ベイリー、寺山修司などにある)としての50年近い活動、ジョン・ゾーンとの1995年から続く交流(〈Tzadik〉から4枚のソロ作をリリース)、トゥバ共和国やシベリアでのホーメイ伝承……。70歳を超えてなお、その勢いは衰えるどころか、近年さらに多角的な広がりを見せている。2024年、ジョン・ケージやジャスパー・ジョーンズによって設立されたニューヨークの〈Foundation for Contemporary Arts〉(通称FCA)から「Grants to Artists」(アーティスト章)を授与された話も、彼のおそろしく広範囲な活動における結果の、ほんの一部に過ぎない。

直近の活動も驚異的だ。11月30日には左右社より第3詩集『眼差から帰還する』を上梓。12月3日には、40年以上を経てなお「今の音」を更新し続けるヒカシューの27枚目のオリジナル・アルバム『ニテヒナルトキ 念力の領域』をリリース。さらに12月24日には、初の口琴によるソロ・アルバム『こゆるぎの酩酊』をリリースしたばかりだ。 いったいこの驚異的なアーティストのどこから入り込めばいいのか、思わず逡巡してしまう人も少なくないだろう。だが、結論から言えば「どこからでも良い」のである。 能、文楽、歌舞伎などの発声をフェイクとして取り入れつつ、即興と前衛の文脈でユーモラスに再構築するそのパフォーマンスは圧倒的で、世界を探しても、こんなアーティストは彼ひとりしかいないのだ。
(編集部は、12月に開催された詩人・白川かずこのイベントにて朗読する/口琴を演奏する巻上さんを観に行きました。ただ、そのイベントでは、その日上映された、AACMのダグラス・ユワート(sax)+豊住芳三郎(dr)をバックに詩を朗読する70年代の白石かずこの映像にぶっ飛ばされたのでした)
12月30日(火)には、ヒカシューのライヴが吉祥寺スターパインズカフェにて開催される。また、年明け早々には「巻上公一古希記念ライヴ」が同会場にて4日間にわたり行われる。以下の豪華な顔ぶれとともに繰り広げられるステージは、まさに必見。ぜひ、この機会に体感してほしい。
【巻上公一 古希記念ライヴ 4Days】
1月22日(木) 巻上公一 / カフカ鼾(Jim O’Rourke、石橋英子、山本達久) / 坂田明
1月23日(金) 巻上公一 / 蜂と瓜 / マヌルネコ / 倍音s / 内橋和久
1月24日(土) 中西レモン&すずめのティアーズ / ヒカシュー / 四家卯大 / 吉森信(key)
1月25日(日) ヒカシュー / イノヤマランド / ドメスティックミタバンド / 吉森信(key)

第3詩集『眼差から帰還する』
27枚目のオリジナル・アルバム『ニテヒナルトキ 念力の領域』
口琴によるソロ・アルバム『こゆるぎの酩酊』