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interview with Bushmind

interview with Bushmind

夢見るアーバン・ミュージック

──ブッシュマインド、インタヴュー

野田 努    写真:小原泰広   Jun 02,2015 UP

自分はああいうドリーミーな部分が好きなんだけど、その裏にハードコアな熱い部分をチラ見せするみたいのが、真っ正面には見せない感じが理想ですね。


Bushmind
SWEET TALKING

SEMINISHUKEI/AWDR/LR2

Hip HopTechnoDowntempo

Amazon iTunes

「ヒップホップとテクノの融合」みたいなことよく言われるじゃないですか? 今回もまさにその通りなんだけど、そういうミックス感覚はある程度自分でコントロールしているの? この曲はテクノっぽくいこうとか、あとはロー・ビートで何曲くらい作るとか?

B:全部はできてないですけど、アルバムの全貌がある程度見えてきてからはコントロールしましたね。最初はとりあえず何も考えないで曲を作ってコマとしてを並べていって、最後のほうはその隙間というか被らないようにっていうのを意識しましたね。
 あとは自分が聴いて素直にアがれる曲というか。設定優先とかやり方優先とか、方法論で作っても、最終的に聴いてちゃんと機能するものを意識したっすね。

設定とは?

B:設定が面白かったりする音楽ってけっこうあると思うんですけど。たとえばアート・リンゼイが楽譜をシャッフルして演奏するのとか、ああいうのは最終的な仕上がりよりも設定が優先なのかなって自分は思ったので。

ブッシュマインドのミックス感覚は独特だよね。ヒップホップ系のひととも違っていると思うし。

B:もともと曲作りも混ぜて遊ぶっていう感じだったからっすね。DJをしていて2曲、3曲重ねたときに全然違った感じになるときとか、やっぱすごくアがるんですよ。混ぜてまったく違う曲にするっていうのが、自分のDJをする醍醐味だと思っていて。

いまは何を使っているの? 

B:いまはCDですかね。ターンテーブルも使いますけど、データが多くなってきているんで、CDに焼いてますね。それで混ぜてまったく違う曲にするっていうのが、自分のDJをする醍醐味だと思っていて。

そういえば、『Bright In Town』から8年経ったんだね?

B:そうですね。CDが廃盤になってました(笑)。アマゾンで海外の業者が1,5000円とかで出してて「えー!」みたいな。実際、ネットで探しても全く出てこなくて。「もうそんなに時間が経っちゃったんだ」って。

早いよね〜。あのアルバムは、時代のある場面を描写したっていうか、関わっている人間の数もハンパなかったよね。

B:あのときは友だちがどんどん増えて躁状態になってましたね。友だちが増えるといろんな街に行って遊ぶ機会も増えてったんで。その思い出をパックしたアルバムですね。

この8年のなかで、タカアキ君のなかで変わったことって何でしょう?

B:変わったこと……。この8年ですよね。難しいですね。どんだけ変わったんすかね……。

日本社会でいうと、3.11があってものすごく揺れ動いた。それで『Good Day Commin'』が出た。それから数年後、安倍政権が誕生したと。音楽でいうと風営法があったりとか、ますます音楽が売れなくなったりとか。だって、8年前の『Bright In Town』って〈エイベックス〉じゃん。こういう音楽を〈エイベックス〉から出すことって、もう考えられないでしょう(笑)。

B:俺も本当に信じられない(笑)。その思いが年々強くなってるんですよね。当時は「すげぇ良い話がきた!」くらいにしか思ってなかったけど、いま思えば挑戦的なことをしたんだなって。

〈SEMINISHUKEI〉はその前からだよね?

B:レーベルは2000年初頭くらいですね。ずっと人数が少なかったんですけど、ストラグル(・フォー・プライド)のライヴに行くようになって、友だちが一気にバーンっと増えてメンバーを増えていった感じでした。そのときは大人数で遊ぶのがムチャクチャ新鮮で楽しかったですね。
 ただ、時間が経つと離れていくひともいて。そうゆうときにいかに固く自分たちの世界を作れるかっていうのは、すごく意識するようになりました。大所帯のクルーが時間経ってバラバラになって残念な感じになってくってのはよくあるけど、その流れには抵抗したいですね。

『Bright In Town』は勢いって感じがあって、それが良かったし……。あれを出したときに時代は変わるって思った?

B:いや、そこまでは意識していなかったです。本当に初めてなことばっかりだったので、作ることを楽しんだというか。ラップ・トラックを作るのも初めてだったし、ラッパーの友だちもいなかったっすから。それでいろんなひとに紹介してもらって。楽しかったですね。

セカンドの『Good Day Commin'』のときは、また状況が違っていただろうし。

B:あのときはマーシー君、〈WD Sounds /PRESIDENTS HEIGHTS〉が自由にやらせてくれたんですよ。まあ、逆に大変でしたけどね。

あの作品はマーシー君から出さないかってきたの?

B:そうっすね。ただ今回のリリースの話を振ってもらってからがこれでコケたら周りも道連れにするなって思って(笑)。チャンスが来たと思ったのと同時に責任も感じましたね。

世のなかのコミュニティのあり方も、この8年、ネットの普及によって多様化したよね。だって、8年前はツイッターとかなかったわけだからね。

B:ネットはもちろん使っているんですけど、作品を作る上でネットのみのやり取りっていうのは避けてますね。最初のきっかけとしてはいいと思うんですけど、曲を作って実際会ってみたら反りが合わなかったりとか。実際会わないとズレも生まれるし、国が違ったら文化も違うじゃないですか。ネットでも面白い出会いってあると思うんですけど、現場で繋がってできる音楽の方が魅力を感じますね。

それがブッシュマインドだもんね。

B:そうですね。いまは情報を手に入れやすくなったぶん嘘もいっぱいあるじゃないですか。情報に踊らせれて型にはまらないようにってのは気をつけてます。いまって、世界で時間差なしで流行があるようになってきているじゃないですか?

そんなこともないと思うよ。すごく時間差を感じるこもあるし、言いたいことも言えない監視社会になってきているようにも感じたり。本来は自由な発言の場であったハズなのに、ますます不自由な場になっているような。

B:しかもそれが生産的じゃないですもんね。

批判とかじゃなくて、たたきつぶしてやろうっていうね(笑)。そういう意味では、クラブ・カルチャーにはまだまだ役割があると思うんですけどね。

B:音楽に関しては、ネットは使い方によってはいくらでも広がるし、曲との出会いが、ここ最近いっぱいあるんですよね。いまカヴァー曲を聴くのにハマっていて、あるサイトで検索すると世界中のいろんなカヴァーが出て来て、すごく面白い出会いが増えたんすよね。レコード屋に行ってジャケでピンと来て、買って、家に帰って、ブチ上がるみたいなのとは差がありますけど。

タカアキ君は自分は不良じゃないって言ったけど、もうちょっと広い意味で、オモロい不良が年々いなくなったって感じもする。自分が年取っただけなんだろうけど(笑)。

B:たしかにモンスタークラスのニューカマー、そんなに聞かないすね。

ヒップホップはそれでも受け皿になっているように思うな。ゴク・グリーンかさ。

B:A-Thugって知ってますか?

知らないっす。

B:俺はまだ会ったことはないんですけどムチャクチャ聴いてて。『Streets Is Talking』ってアルバムが最高ですよ。

ちょっと、メモっておくよ。

B:今回参加してくれたなかには面白い不良がいるっすね。でもたしかに、ラップが上手いやつはたくさんいるんだけど、それプラスで不良スピリットの両方を持ち合わせた若手って、あまりいないですね。

俺はゴク・グリーンやコウも好きだよ。

B:ゴク・グリーンは聴いたことないですね

たくさん聴いているわけじゃないから、きっと他にもいるんだろうけど。

B:今回のアルバムに参加しているひと以外では、自分のまわりではあんまりいないですね。いるとは思うし、希望も期待もあるから出会えていないだけかもしれないんですけど、まだ耳には届いていないです。

でも、たとえば、このアルバムに参加しているR61 Boysという人たちなんか街の匂いを感じますよね。

B:こいつらの不良度は計りきれてないんですけど、面白い刺激を求めて遊び回ってる印象ですね。どこまでが軍団かわからないですけど、人数もムチャクチャいるすね。新潟の六日町にあるBARMってクラブで自分の企画やったことがあって。R61 Boysにライヴやってもらったんですけど、友だちが30人ぐらい来て。地元のお客さんより多かったです。

今回集まっているメンバーっていうのは、世代的にはどうなんですか?

B:同年代が多いかな。TOKAI勢はちょい下すね。最年少はCOOKIE CRUNCHす。

NIPPSさんも参加しているんだね。

B:NIPPSさんは本当に夢が叶ったって感じですよね。

この曲、かっこいいよ。ひとりだけ毒を吐きまくっている(笑)。

B:いやー、できてびっくりしたっすわ(笑)。分のトラックがあんな曲になるってほんと最高の遊びですね。

CENJU君も参加しているね。

B:こいつはヤバいっすよ。下北にもトラッシュがいたんだっていう。もうゲットー感が。

彼は〈DOWN NORTH CAMP〉のひとだよね?

B:そうです。CENJUとはここ2年くらいで仲良くなって、こんなやつがいたんだって思ったんですけど。あとはKNZZ、大ファンなんですよ。もう不良道。人生がすごくドラマチックですもん。アシッド・テクノみたいな曲でラップしてるやつなんですけど、”Planet Rock”って曲ですね。

”Planet Rock”もユニークな曲だよね。

B:KNZZ君は元々渋谷のアイス・ダイナシティってグループでけっこうトップの方まで人気が出ていたんですけど、トラブルとかでいなくなった状態になって、そこからの復活なんです。それでいままでの負の遺産を返しつつ新しいことをやって。

“Friday”という曲では、R&Bをやっているんですよね(笑)。

B:これもやりたかったことですね(笑)。歌ものをすごくやりたかったんですよ。かなり力を入れました(笑)。曲を作る前に集まって「クラブでの出会いが良いんじゃないか」って。

歌っているルナさんはどういうひとなんですか?

B:ルナさんはMaryJaneってふたり組のグループで活動してて。まわりの友だちで昔から遊んでた人間がけっこういて、音源といろいろ話も聞いてたので紹介してもらった感じですね。

小島麻由美さんにも新たに歌ってもらっていますね。この曲も面白かった。

B:これはかなりエクスクルーシヴになるなと思って。小島麻由美さんに歌ってもらったら面白いことができるんじゃないかと思ってました。最初はダブっぽい感じで歌が入ってきてみたいな感じで考えたんですけど、途中でラップ・トラックみたいになってきちゃって。

取材:野田努(2015年6月02日)

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