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Transmat

Transmat

──「いま日本に足りないのはデリック・メイなのだ!」およびヒロシ・ワタナベが〈トランスマット〉からリリース!

Feb 05,2016 UP

 DJだから喋るのは音楽ですとか、自分は音楽やってるだけだから社会については話さないとか、そういうのって、デリック・メイにはぜんぜん通用しない。というか、インストの音楽をやっていても、言葉はぜんぜんあります!
 国際的なDJは、世界中の都市(地方都市)のナイトライフを通してその街々の地政学を読む。彼らは経済破綻前のアテネを知っているし、北京もロンドンも知っている。オリンピックはワールドカップとは別モノなんだ。それはいろんな悪いモノを呼び込んで街を破壊していく。気をつけろ──これが最近ele-king編集部が入手した、テクノの歴史のターニング・ポイントとなったDJからの警告だ。
 もうふたつ入手したニュースがある。すでにご存じの方も少なくないだろう、デトロイトの〈Transmat〉が今年でレーベル設立30周年を迎える。1986年、最初はホアン・アトキンスの〈Metroplex〉のサブレーベルとしてはじまった同レーベルは、1987年から1990年の4年間、おおよそすべてのリリースにおいて強烈なインパクトを与えている。リズム・イズ・リズム(デリック・メイ)の全作品をはじめ、サバーバン・ナイトやオクタヴ・ワン、カール・クレイグ、近年とくにリヴァイヴァル・ヒットしているジョイ・ベルトラムの「エナジー・フラッシュ」点。
 しかしながら、デリック・メイのプロデューサー稼業の休止にともなって、レーベルとしてはほとんど機能していないというのが、〈Transmat〉に対する一般的な認識だろう。
 ところが、あらためてDiscogsを見てみると、サブレーベルの〈Fragile〉からのリリースも合わせれば、意外なほどコツコツとリリースしていることが確認できる。さらにまた2000年代に入っても、カナダのGreg GowだとかフランスのKarim Sahraouiだとか、リリースを絶やさず、レーベルとして動いていることがわかるだろう。送られてくるデモテープにはつねにチェックしているし、有名無名、前評判、国籍、年齢などは問わず、自分が気に入ったものは出すという姿勢はまったく変わっていない。
 それで30周年を迎える2016年には、4枚の新作のリリースが控えているそうで、そのなかの1枚に、なんと日本人プロデューサーのヒロシ・ワタナベの作品が含まれることがわかった。
 ヒロシ・ワタナベといえば、かつてはKaito名義で、ドイツの〈Kompact〉からの作品で広く知られるが、たしかに彼の曲は以前からデリック・メイのDJセットに組まれている。なんにせよ、デリック・メイは、セールスであるとか、流行とか、仲の良さなどでリリースを決める男ではない。ダンスフロアでの経験=つまりどれだけ受けたかにも決定されないと言っている。ゆえに、ヒロシ・ワタナベの作品のリリースは本当に楽しみだ。
 さて、最後に3つ目のニュースだ。昨年末のAIRのクロージング・パーティに出演したデリック・メイだが、なんでもプレイ中にミキサーのフェーダーのツマミをへし折ってしまったそうだ。そんなことやるなんて、どこのレスラーだと思われるかもしれないけれど、あの人のスタイルは、フロアのダンサー以上に汗をかいて身体を激しく動かすものなので、いたしかたあるまい。
 今年53歳。やってること、なんも変わってねーじゃねーかという意見もあるが、これこそファンキーってものだろう。いま日本に足りないのはデリック・メイなのだ! そして、ヒロシ・ワタナベにも注目なのだ!



HIROSHI WATANABE
MULTIVERSE EP

2月12日発売予定
(アルバム『MULTIVERSE』は4月20日発売予定)