ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Julianna Barwick - Healing Is A Miracle (review)
  2. Roedelius - Tape Archive Essence 1973-1978 (review)
  3. 校了しました ──『別冊ele-king ブラック・パワーに捧ぐ』&『ゲーム音楽ディスクガイド2』 (news)
  4. Sound Of Japan ──BBCレディオ3が日本の音楽の特番を放送しております (news)
  5. the perfect me ──福岡インディ・シーンからアヴァン・ポップの旗手 (news)
  6. STONE ISLAND ──人気のイタリア・ブランド〈ストーンアイランド〉が音楽シーンに参入 (news)
  7. The Beneficiaries - The Crystal City Is Alive (review)
  8. Eartheater ──アースイーターの新作はアコースティック・サウンド (news)
  9. A Certain Ratio ──9月発売のアルバムから1曲、東京で撮影されたMV「Yo Yo Gi」を公開 (news)
  10. interview with Trickfinger (John Frusciante) ジョン・フルシアンテ、テクノを語りまくる (interviews)
  11. R.I.P. Malik B 追悼 マリク・B (news)
  12. Aru-2 - Little Heaven (review)
  13. interview with Julianna Barwick 聞きたくない声は、怒りのラップ、怒りのメタル。“グォォォーッ”みたいなやつ (interviews)
  14. interview with AbuQadim Haqq 語り継がれるドレクシア物語 (interviews)
  15. Julianna Barwick & Ikue Mori - FRKWYS Vol. 6 (review)
  16. Bottom of Tokyo ──今週末はWool & The Pantsのライヴ配信あります (news)
  17. There are many many alternatives. 道なら腐るほどある 第11回 町外れの幽霊たち (columns)
  18. Hiroshi Yoshimura ──入手困難だった吉村弘の1986年作『Green』がリイシュー (news)
  19. Yunzero - Blurry Ant (review)
  20. ralph ──気鋭の若手ラッパーがファーストEPをリリース、プロデュースは Double Clapperz (news)

Home >  Reviews >  Album Reviews > Second Woman- LP1

Second Woman

IDMMinimalTechno

Second Woman

LP1

Spectrum Spools

Amazon

野田努   Jul 07,2016 UP
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 テクノに関して言えば、ぼくには問題点がひとつある。ぼくがもうすでに良いテクノをたくさん知っているということだ。みんなより早く生まれたお陰で、オウテカやベーシック・チャンネルの時代から聴いてきた。IDMというタームが出てきた時代も経験している。ぼくはいまでも日常的にエレクトロニック・ミュージックを聴いているけれど、新作に関しては年々おっくうになってる。すでに自分の日常には、魅力的なテクノがたくさんあるからだ。とはいえ、やはりどうしても飽きる。その多くに関して言えば、高尚なアートなんぞではなく、そして取り立てて言うほどの感情移入もない、ある種の刺激物として消費しているのだから無理もない。それはこの音楽の出自を考えればすぐにわかることだ。
 で、だったら新しいのを聴こうという気になり、本作のように情報としての共有に値する秀作に手を出すハメになる。こちら〈エディションズ・メゴ〉のサブレーベルからリリースされた、BelongのメンバーとTelefon Tel Avivのメンバーのふたりによるプロジェクトで、文句なしに素晴らしい最新エレクトロニカである。
 ミニマルであってミニマルでない。反復されるが不規則で、複数のレイヤーがそれぞれずれていく。単純な快楽主義ではないのだが、彼らはそこを〝聴かせる〟次元にまで押し上げている。オウテカがミニマルをやったと喩えてもいいな。音響体験としてのスリルがあるのだ。

 昔からぼくはエディットが細かいものが好きなので、気が滅入るほどの細かいチョップも心地良く、スラップスティック風に耳を刺激するし、ベーシック・チャンネル以降、マーク・フェル以降にも対応している。
 オウテカの新作も良さそうだし、テクノ(IDM寄りのほう)が盛り上がっているのは確実だ。20年前にエレクトロニカが好きだった人も、いままたこのサブジャンルに注目してもいいかもよ。まあ、ある種の刺激物として。

野田努