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IORI

Jul 10,2012 UP

DJ file(5)

IORI

取材:小野田雄

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IORI - NEXUS
BITTA

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 太陽と海、そして米軍基地を内包し、本土とは異なる独自の歴史と文化が広がる沖縄は、その昔から独自のディスコ・カルチャーが育まれてきた地としても知られている。それは沖縄を代表するDJ、クリエイターであるTAKUJI a.k.a. GEETEKが作品で展開している「沖縄のバレアリック・フィール」と評される独特な折衷性からも意識させられることではあるし、DJ HIKARUやFRAN-KEYといったDJが移住したことで近年の沖縄シーンそのものもますますユニークなものになっているように感じられる。
 そんな2000年代後半の沖縄から、イギリスやドイツ発の作品リリースを通じて、急速にその名前が知られるようになったのがIORIだ。テクノやダブ、アンビエント、ドローンを溶かし込んだディープでストイックなトラックを繊細なタッチで空間的に鳴らすその作風は〈フューチャー・テラー〉を率いるDJ NOBUを虜にし、そのデビュー・アルバム『ネクサス』は彼が新たに立ち上げたレーベル、〈ビッタ〉の第1弾としてリリースされたばかり。そして、というか、やはりというか、沖縄の深海を思わせる音楽世界のさらに奥底には、彼がたどってきた驚くべき音楽遍歴が隠されていたのだった。

ニューヨーク滞在中に「ここで得たものを持ち帰って、沖縄でやりたい」っていう気持ちが芽生えて、帰国してからいままでずっと沖縄なんです。DJとしては、渡米前から火の玉ホールの第4火曜日に当時の沖縄で唯一のディープ・ハウス・パーティを8年間続けて......。

■個人的に、IORIくんのことを知ったのは2008年にロンドンのサイト、ディープフリークエンシーではじまった不定期オンエアの番組「イオリ・ギャラクシー」がきっかけだったりするんですけど、最初はロンドン在住の方だと思っていたんです。

IORI:ははは。沖縄在住なんですけどね。でも、ロンドンやニューヨークとの絡みもあったりするから、わかりにくいといえば、わかりにくいですよね(笑)。

■そのあたりのことを整理しつつ、お話をうかがいたいんですけど、沖縄に生まれ育ってたIORIくんがDJをはじめたのは2000年なんですね?

IORI:そうです。高校1年生のとき、那覇の国際通りにとある女の人がやってるアクセサリー・ショップがあって、学校帰りに友だちと買い物がてらたむろすようになって。そのお店にはターンテーブルやレコードが置いてあって、いつも面白い音楽がかかっていたので、その女の人といろいろ話すようになって、ハウスからアシュラみたいなジャーマン・ロックまで色々教えてもらったり、連れていってもらったパーティでいろんな沖縄のDJを紹介してもらったんです。

■16歳で? それはかなりの早熟ですねー。

IORI:それで、雑誌『リミックス』の別冊で、ラリー(・レヴァン)が表紙の『ハウス・レジェンド』を貸してもらって、そのディスク・ガイドを参考に、レコードを集めるようになったんです。あと、僕には10歳上の姉がいるんですけど、音楽好きで、DJと付き合ったりしていたので、家にミックステープがたくさんあって、ヒップホップにハウスが混ざってるやつとか、フランキー・ナックルズのDJミックスとか、そういうテープから受けた影響も大きかったですし、そういう音楽体験があったからこそ、最初から特定のジャンルに限定せず音楽を聴くことができたんです。

■当時の沖縄のクラブ・シーンはどういう状況だったんですか?

IORI:当時、那覇のクラブといったら、アンダーグラウンドな曲がかかる火の玉ホールがメインで、自分もよく遊びに行ってたので、レコード買ったり、遊んでいるのも知ってた店のオーナーから「学校を卒業したら、DJやれば?」って。だから、2000年、19歳の時に火の玉ホールで初めてDJをやらせてもらったんです。でも、沖縄って、地域によって色が違うんですね。那覇と、そこからちょっと上にいった沖縄市コザでも音楽性が違うし、92年に来沖したフランソワ(・ケヴォーキアン)とラリーの「ハーモニー・ツアー」もパーティをやったのもコザだったんですね。

取材:小野田雄