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intervew with Atjazz

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特別対談:赤塚りえ子×アットジャズ

赤塚りえ子野田 努    (テープ起こし:加藤直宏)   Feb 08,2010 UP

ラジオから普通にディープ・ハウスが流れてくるでしょ。もうそれだけで興奮だった!

 突然、アットジャズからメールが来た。いま日本にいるという。驚いた。彼は手に負えない飛行機嫌いで、昔彼と知り合った頃、イングランド中部の小さな街、ダービーで暮らすこのディープ・ハウスのDJを日本に呼びたくても叶えられなかった人間からすると、それはかなりの驚きだった。

 アットジャズは、ハウス好きのあいだではすっかり有名な名前で、彼のソウルフルでファンキーなハウスは依然として評価が高い。〈インナーヴィジョンズ〉からもシングルを1枚出しているし、ここ数年はディクソンズやアームやトーキョー・ブラック・スター等々と一緒に、いわゆる"ニュー・ハウス" ムーヴメントの一員としても知られている。

 アットジャズことマーティン・アイヴソンを僕に紹介したのは赤塚りえ子だ。1997年だった。当時まだ20歳ぐらいだったマーティンは、UKでもっともアナーキーなパーティ集団、ノッティンガムの〈DIY〉のコンピレーションに参加していた。のちにハーバートの〈サウンドライク〉からアルバムを発表する最年少のブルックスは当時はまだ16歳の高校生だった。マーティンやブルックスは地元ダービーで、友人のアンディと一緒に〈マンティス〉レーベルの一員として活動していた。赤塚りえ子は、たまたまダービーに住んでいて、いつの間にかその小さな街の小さなハウス・コミュニティのひとりになっていた。もちろん誰一人として彼女が天才バカボンの娘であることなど知らなかった......。彼女はボーイフレンドのジョン・レイト(後のハーバートのマネージャー。現在は音楽コーディネイター)と頻繁にレコード店に足を運ぶ日本人で、やたら渋い音楽ばかりを漁る音楽ファンしてレコ屋のスタッフから密かに評価されていたという、それがまあ、契機となった。音楽のコミュニティとは、それが輝くときは信じられないほど綺麗に輝くものなのだ。

 マーティンの家に何日か泊まって、みんなで〈DIY〉が主催するフリー・パーティに出掛けたこともあった(それは実にスリリングな夜だった)。ダービーの、小さいけど熱いディープ・ハウスのクラブ・パーティに出掛けて、朝までぐだぐだ遊んだこともあった。彼らは......ある意味はわれわれと近いライフスタイルだ。ニューヨークの華麗なゲイ・カルチャーではないし、デトロイトの過酷なゲットーでもない。平日は働きながらこのシーンに携わっているような、われわれの身近にいるような連中なのである。

ふたりは何年ぶりに会ったの?

マーティン:4年ぶりくらい?

赤塚:そうだね、私が日本に帰ってくる前に会っているから3年半ぶりくらいかな。

そっか、むちゃくちゃ久しぶりって感じでもないんだね。

赤塚:そうそう。

ちなみに、ふたりが最初に出会ったのは何年だったか覚えている?

赤塚:1996年!

マーティン:その頃だね。しかしリエコがダービーにたった2年しかいなかったなんて、いまだに信じられないな(笑)!

赤塚:95年、つまりダービーでの最初1年目はなかなか知り合いもいなかったけど、足しげく地元のレコード・ショップに通って顔を覚えてもらって、マーティンとは2年目の96年に出会ったんだよね。あー、なんだっけあのレコード・ショップの名前?

マーティン:〈ウェアヘッド〉でしょ?

赤塚:そうそう、〈ウェアヘッド〉!

ブルックスのお兄さんが働いていたところだよね。

赤塚:そうそう、懐かしい! ジョン(・レイト)はそこで〈マンティス・レコード〉の12インチをむちゃくちゃ買っていた。〈マンティス・レコード〉の記念すべきファースト・リリースもそこで買ったんだよ。

マーティン:嬉しいね。

司会:野田 努(2010年2月08日)

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Profile

赤塚りえ子/Rieko Akatsuka赤塚りえ子/Rieko Akatsuka
東京生まれ。アーティスト。クラブ・カルチャーを追って、1994年渡英。2001年ロンドン大学ゴールドスミス校ファインアート科卒業後、Danielle Arnaud contemporary art(London)所属。06年帰国、株式会社フジオ・プロダクション代表に就任。10年、株式会社tadpole-lab設立。著書『バカボンのパパよりバカなパパ』(徳間書店)、共著『ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘』(文藝春秋)。

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