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interview with Scuba

interview with Scuba

ベース・ミュージックのもうひとつの高み

――〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉レーベルの主宰者、スキューバに訊く

野田 努    通訳:Shin Fukuzumi   May 06,2011 UP

個人的にいまはまったく興味がないだけなんだ(笑)。数年前は本当につまらなかったけど、ここ1年くらいはダブステップの周辺に面白い派生音楽があると思うし、そこはちょっと気にしてるけど、いまのダブステップを聴いてって言われたら、嫌だね。


Various Artists
ホットフラッシュ・レコーディングス・プレゼンツ......バック・アンド・フォース

Hotflush Recordings
/Pヴァイン・レコード
E王

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さて、あなたはいま、ダブステップというジャンルはどんな位置にいると思いますか? ダブステップはすでに終わって、いまはポスト・ダブステップにあると捉える人もいるし、まだまだシーンは元気だという人もいるし、いろんな解釈があると思いますが。

スキューバ:んー、まぁ終わってないことはたしかだね。この前マイアミに行ってたんだけど、ガンガンかかってたよ(笑)。でもたしかに変わったし、ここ数年の変化を客観的に見るのは面白かったけどね。そしてその変化はジャンルとして成功してきた結果の変化だと思う。それには問題はないんだけど、ただ個人的にいまはまったく興味がないだけなんだ(笑)。数年前は本当につまらなかったけど、ここ1年くらいはダブステップの周辺に面白い派生音楽があると思うし、そこはちょっと気にしてるけど、いまのダブステップを聴いてって言われたら、嫌だね。

欧米においてこのシーンはここ2~3年で加速的に拡大しましたね。最後にあなたがシーンの拡大を実感したときのことを教えてください。

スキューバ:んー、何かきっかけがあったという風には感じてないけど、徐々にそう感じるようになったかな。もともと自分もダブステップ専門とかじゃないし、レーベルも偶然ダブステップ的なレーベルに見られるようになっただけなんだよね。

ありがとうございました。日本でお会いできるのを楽しみにしています。

スキューバ:ありがとう。僕も早く日本に戻りたいと思ってるよ!

 最後に、『バック・アンド・フォース』に曲を提供している主なプロデューサーの名前を記しておこう。取材でも触れているように、ダブステップ、ファンキー、ミニマル、ハウスなど、実に多様性のある内容だが、ひと言で言えば、現在のベース・ミュージックにおけるテクノ系の総本山としての〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉の特徴の出ている好コンピレーションになっている。

■Boxcutter
Boxcutter / Oneric Planet Mu

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 2006年にデビュー・アルバム『Oneiric 』を〈プラネット・ミュー〉から発表したこのアイルランド人は、グライムとダブステップを盗みながら、ユニークなエレクトロニック・ミュージックを展開している。IDMの側からのダブステップへのもっとも初期のアンサーとも言える。

■dBridge
dBridge / Fabriclive 50 Fabric

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 ディーブリッジはインストラ:メンタルと同様にドラムンベースのシーンから来ている人気プロデューサー。

■Scuba
Scuba / Triangulation Hotflush Recordings

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 〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉を主宰するポール・ローズによるプロジェクト。2008年の『A Mutual Antipathy 』と2010年の『Triangulation』は日本でも人気盤となっている。

■FaltyDL
Falty DL / You Stand Uncertain Planet Mu

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 ニューヨーク在住のドリュー・ラストマンは、2009年に素晴らしいデビュー・アルバム『Love Is A Liability 』を発表。2011年にリリースしたUKガラージ調のシングル「Hip Love」では、ザ・XXのジェイミー・XXがリミックスを手掛けている。セカンド・アルバムも文句なく良い。

■George Fitzgerald
George Fitzgerald / Don't You Hotflush Recordings

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 2011年に〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉から最初のシングルをリリースしたばかりのロンドン在住の新人。ジョイ・オービソンのようにハウスの4/4のキックドラムを使い、ソウルフルなフューチャー・ガラージでダンスフロアを熱狂に導くであろう注目株。

■Roska
Roska / Rinse Presents Roska 12 Number One Rinse FM

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 UKファンキー(UKガラージにおけるアフロビートないしはソカのハウス的な混合)を代表するDJ/プロデューサー。


■Mount Kimbie
Mount Kimbie / Crooks & Lovers Hotflush Recordings

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 2010年〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉からデビュー・アルバム『クルックス&ラヴァース』を発表したドミニク・メイカーとケイ・カンポスのふたりによるマウント・キンビーは、IDMスタイルを取り入れ、音楽的にこのジャンルをさらに洗練させている。幅広い層から支持され、いまや〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉を代表する存在にまでなった。

■Joy Orbison
Joy O - Wade In / JelsHotflush Recordings

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 2009年に〈ホットフラッシュ・レコーディングス〉からリリースされたデビュー・シングル「Hyph Mngo/Wet Look」によって瞬く間にシーン最大の注目株となった。ジェイディラをはじめ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインからGGアレンまで愛する若き才人は、ダブステップのクリシェにとらわれず、自由な発想でダンス・トラックを作っている。

■Untold
Untold / AnacondaGet Physical

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 〈ヘムロック・レコーディングス〉レーベルを主宰するジャック・ダニングによるアントールドはイノヴェイターのひとり。2011年はいよいよアルバムのリリースが控えているとの噂もあり、それは幅広く注目されることになるだろう。

■TRG & Dub U
Cosmin TRG / A Universal CrushRush Hour

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 最近ファースト・アルバム『A Universal Crush 』を〈ラッシュ・アワー〉から発表したばかりのTRGは、ディープ・ハウスからゲットーテックまで幅広くこなす。収録曲は2562によるリミックス・ヴァージョン。

取材:野田 努(2011年5月06日)

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