Home > Interviews > interview with Jesse Ruins - 逢魔が時の……
ぜんぜんバンド経験がなかったし、彼もドラム経験ないし、彼女だけがバンド経験があった。でも、彼女もヴォーカルは初めてだった。だからもう、素人バンド(笑)。
![]() ジェシー・ルインズ A Film Lefse Records / Pヴァイン/ Tugboat Records |
■ジェシー・ルインズが描きたいものは何でしょう? 何らかのムードやアトモスフィアを描きたいのかなと思っているんだけど。
サクマ:海外のサイトでは、よくM83と比較されるんですけど、好きですけど、ぜんぜん意識したことない。モデルにしているようなアーティストがいるわけでもないんです。最初のイメージとしてあったのは、ソフィア・コッポラの映画と『ツイン・ピークス』の雰囲気が混ざった感じでしたね。
ヨッケ:ソフィア・コッポラは音楽の使い方がうまいですからね。ニュー・オーダーとかストロークスとか。
■エールとか?
サクマ:『ヴァージン・スーサイド』ってよく言われるけど、『ロスト・イン・トレンスレーション』です。「Gorilla vs Bear」に送った音源は、あの斜陽な感じと、それから『ツイン・ピークス』のダークな感じを出したくて作りましたね。
ヨッケ:インダストリアルなM83みたいなことを言われたんですけど、ニュー・オーダーの影響を受けているのがM83なんで。
■ああ、そうか、ニュー・オーダーって映画から知っているんだね。
サクマ:とにかく退廃的で、ずっと夕方みたいな感じの音楽をやろうと思ったんです。
■はははは。
サクマ:だから、描きたいのは、雰囲気ですね。
■そうだよね。歌はあっても、言葉がないもんね。そこはすごく徹底しているというか。
ナー:ライヴをやっているときも、自分でも無茶苦茶エフェクトをかけていますからね。
■アルバム最後の曲なんかは、ヴェルヴェットみたいだけど、もっと抽象的だよね。ああいう文学性はないしね。
サクマ:もともと歌い上げている音楽は好きじゃないんで。歌が中心にある音楽が好きじゃない。音が部分としてあるほう好きなんで。シンセと歌メロは同じなんです。
■声も楽器のひとつという言い方は昔からあるんだけど、それとも違っているかなーと思うんだけど。あと、8ビートじゃない。ほとんど8ビートだよね。
サクマ:そこは気にしていない。わからないから。僕がそれしかできないってだけなんです。打ち込み能力がないんです(笑)。ただ、もし能力があったとしても複雑なことはやらないかと思いますね。
■ニュー・オーダーの"ブルー・マンデー"よりもジョイ・ディヴィジョンのほうが好きなんでしょ?
サクマ:ああ、そうですね。僕はジョイ・ディヴィジョンのほうが好きです。意識してなかったけど。
ヨッケ:8ビートだから僕が叩けたっていうのもあるね(笑)。
■はははは。
サクマ:中学生用のバンドスコアですね。
■いま日本のロック・バンドって、なんであんなにみんなうまいの?
ヨッケ:真面目なんだと思います(笑)。ドラムは過去にやったことがまったくなくて、YMOの"CUE"という曲があるんですけど、最初はあの曲の坂本龍一の叩くストイックなドラムのコピーからはいりました(笑)。
ナー:初めて知りました(笑)。
■はははは、練習した?
ヨッケ:練習はしませんでしたが、研究はしました。
サクマ:うまくなくても良いんですよ、僕は。自分たちがスタジオ・ミュージシャンみたいにうまかったら、面白くないと思うんです。
■『ア・フィルム』というタイトルにしたのは?
サクマ:収録曲が、映画のタイトルや登場人物の役目などを文字って付けているんですよ。完全に自己満足の世界ですね(笑)。最初は、タイトルは「ジェシー・ルインズ」でいこうと思っていたんですけど。
■それいいじゃん!
サクマ:でも、『ア・フィルム』のほうがリスナーが勝手に想像できるかなと。曲もそんな作り込んでないんです。もう、ばーっと作った感じ。作り込んでしまうのが嫌なんです。
ヨッケ:2ヶ月以内でぜんぶ作ってましたからね。
■海外ツアーの予定は?
サクマ:今年はそれが目標ですね。『ドリーム・アナライシス』のとき、ツアーの話は2回くらいあったんですけど、中止になりましたから。アルバムが出るんで、今年はやりたいな。日本国内のツアーはします。
■ライヴはいまのところ何本くらいやってるの
ヨッケ:20本ぐらいかな。多いときは月に2回はやっています。
サクマ:次のライヴでは4人組になるかもしれないね。
■新メンバーが?
ヨッケ:ドラマーが入って、僕がギターその他を担当するっていう。
■レーベル的には新しい動きはある?
ヨッケ:コズ・ミー・ペインの新しいコンピレーション、『#3』を出します。
■良いですね。コズ・ミー・ペインは、さっきのチルウェイヴの話じゃないけど、ブログ文化で支えられながら、フィジカルではアナログ盤とカセットのみという、そこもチルウェイヴの人たちと同じだったよね。
ヨッケ:そこは自分もひとりのリスナーとして、そうでないと嬉しくないというか、残るものにしていというのがありましたね。ネット・レーベルが全盛ですけど、僕らがそれやったらすぐ終わっちゃう気がするんですよね(笑)。やっぱ、アナログやカセットみたいに、手間暇かけてやるからこそ、続ける気になるというか。そういうのが単純に好きなんです。
サクマ:お金ないんですけど(笑)。
ヨッケ:お金ないんですけど(笑)。
サクマは、コールド・ネーム名義でも最近、カセット・レーベルの〈Living Tapes〉から作品を出したばかり。また、ジェシー・ルインズの視聴はココ→https://soundcloud.com/lefse-records/jesse-ruins-laura-is-fading
■5月26日『ア・フィルム』リリース記念のパーティがあります!5/26(sun) at 渋谷Home
Cuz Me Pain
-Jesse Ruins "A Film" Release Party-
OPEN 18:00予定
Live
Jesse Ruins
Naliza Moo
and more...
取材:野田 努(2013年4月08日)