「ATOM」と一致するもの

ambient room - ele-king

 2023年より開催されているBias & Relax主催のイベント〈ambient room〉が今年も開催されることになった。
 5月9日(土)代官山UNITにて開催される今回は、岡田拓郎が6人編成のバンドセットにて出演するほか、メディテーション・ライヴが予定されているmaya ongaku、2025年にはアルバム『taba』を送り出したSatomimagae、そしてビートメイカーのBudaMunkがラインナップに加わっている。じつに豪華な一夜、お見逃しなく。

"ambient room"
Curated by BIAS & RELAX adv.
Line Up
Takuro Okada Sextet / maya ongaku / BudaMunk / Satomimagae

2026年5月9日(土)
東京|代官山UNIT
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
チケット:前売り ¥5,000 / 当日 ¥5,500(税込/スタンディング)

一般発売:3月7日(土)10:00〜

主催/企画/制作:BIAS & RELAX adv.

Kotoko Tanaka - ele-king

 そのブルージィな歌声はわたしたちの日常にいつもとはちょっと違うみずみずしい景色を運びこんでくる。東京を拠点に活動するシンガー、Kotoko Tanakaがバンド・セットでツアーに臨むことになった。ギターにRiki Hidaka(betcover!!)、ドラムスに白根賢一(GREAT3TESTSET)を迎えた編成で、3月1日から29日にかけ、福岡、広島、京都、東京を巡回。都市ごとにスペシャル・ゲストも予定されているとのこと(広島公演の主催はSTEREO RECORDS)。詳細は下記より。

Coppé - ele-king

 エレクトロニカからジャズまで横断し、精力的に活動を続ける音楽家、みずからを「火星人」と名乗るCoppé。彼女がアリゾナ州で自身のレーベル〈Mango + Sweetrice〉を立ち上げ、「Coppé」名義で活動を開始してから今年でちょうど30周年を迎える。それを記念し、最新作『30rpm - i wish i had a brain -』の発売が決定、同日リリース・パーティの開催もアナウンスされた。
 会場は青山BAROOM。共演にモジュラーシンセ界の重鎮HATAKENらを招き、ゲストDJとしてミックスマスター・モリスや徳井直生らが顔をそろえる。特別な一夜をぜひ。

『Coppé 30rpm. Release Party at BAROOM』
日時:2025年11月28日(金)
OPEN 19:00 CLOSE 23:30
LIVE 20:00-21:00 ※自由席
ENTRANCE:¥5,000(1ドリンク別)
会場:BAROOM|バルーム
https://baroom.tokyo/
東京都港区南青山6-10-12 1F

Live:
Coppé (voice + OP-1)
HATAKEN( modular synthesizer )
STEEEZO (OP-1 + TP-7 / Manipulator)
Kevin M ( piano + accordion)
Mark Tourian (double bass)
Hiro (guitar)

Fabulous Dancing Lights
Brightone by Quasar

DJ:
Mixmaster Morris
Nao Tokui (Neutone)
Nick Luscombe (Mscty)
KNS (Phaseworks)

【LIVE情報】
<Mango + Sweetrice>設立30周年記念
Coppé 最新作『30rpm - i wish i had a brain -』
リリース・パーティー開催決定!
青山 BAROOM の円形ホールにて、Coppé スペシャル・ライブセット!
ゲストDJとして、Mixmaster Morris の出演も決定!
1995年、米アリゾナにて自身のレーベル〈Mango + Sweetrice〉を立ち上げ、Coppé として音楽活動をスタートしてから今年で30周年を迎える。
それを記念してリリースされる最新作『30rpm - i wish i had a brain -』の発売に合わせ、スペシャル・リリースパーティーの開催が決定した。
これまでに Orbital、Luke Vibert、Nikakoi、Plaid、Kettel、Atom™、DJ Q-bert など、世界各地のさまざまなジャンルのアーティストとコラボレーションを重ね、独自の宇宙的ヴィジョンで活動を続けてきた Coppé。
30周年を記念し、豪華バンド編成によるスペシャルライブが青山 BAROOM の円形ホールで披露される。
今年のフジロックのステージでも Coppé とデュオで共演したモジュラーシンセ界の重鎮 HATAKEN をはじめ、無数の OP-1 を自在に操る Steeezo、ピアニストの Kevin、ダブルベースの Mark、ギターの Hiro といった豪華メンバーが集結。
さらに、光を操る集団 Brightone by Quasar によるライティングも加わり、視覚と音響が融合した唯一無二のライブ体験を創出する。
またライブ前後のバーエリアでは、豪華DJ陣がアニバーサリーを彩る。
アンビエントとチルアウトの伝道師 Mixmaster Morris、AI × 音楽のフロントランナー Nao Tokui(Qosmo / Neutone)、英国 BBC でも活動した選曲家 Nick Luscombe、偏愛ディガー KNS(Phaseworks)といった Coppé の盟友たちが、ヴァイナル・オンリーの DJ セットで30 周年を祝う!

『30rpm - i wish i had a brain -』
祝!レーベル〈Mango + Sweetrice〉設立30周年
ジャパニーズ・エレクトロニカ・ゴッドマザー、Coppé 最新作!
Orbital のアルバム参加でも注目を集めた “ジャパニーズ・エレクトロニカ・ゴッドマザー” こと Coppé。主宰レーベル〈Mango + Sweetrice〉の設立30周年を記念するアルバム『30rpm - i wish i had a brain -』がついに完成!
Aphex Twin の盟友としても知られるレジェンド Luke Vibert、ジョージアが誇る至宝 Nikakoi とその息子 Luna9、WARPの重鎮 Plaid、モジュラーシンセ界を牽引する HATAKEN、天才ピアニスト Jacob Koller といったおなじみのアーティストたちに加え、多数の新たなコラボレーターたちも参加。ダブ、トリップホップ、エレクトロニカはもちろん、アンビエントからドドイツまで――その振り幅の広さに驚かされる、唯一無二のサウンド宇宙が広がる。さらに、2024年にイギリスで開催された「Cassette Week UK」で初披露され、話題を呼んだ楽曲「It’s you!」も収録。まさに Coppé にしか創り出せない、異次元の音楽世界が詰め込まれている。
アートワークは前作と同様に、イギリスの伝説的デザイン集団 The Designers Republic が担当。マスタリングは、John Zorn のレーベル作品をはじめ、Laurie Anderson や Roy Hargrove なども手がけ、グラミー賞も受賞している名エンジニア Marc Urselli が前作に続いて参加している。CD、レコード、カセット、デジタルの4形態でリリース。なお、各フォーマットごとに一部収録曲が異なり、カセットのみ「Cassette Week」商品として先行発売される。

HYPER IRONY - ele-king

 今年頭、ENDONとKAKUHANのツーマンを実現したライヴ・イベント《HYPER IRONY》。「異なるフィールドで活躍するアーティスト達の親和性にフォーカス」するという同イヴェントの最新回が、9月13日(土)、東京の小岩BUSHBASHで開催されることになった。今度の出演者たちも強力で、MERZBOWMELT-BANANA、ゲーム『巨人のドシン1』サウンドトラックのリイシューも記憶に新しい浅野達彦、mouse on the keysの川崎昭と元envyの飛田雅弘による新たなプロジェクト=PULSE DiSPLAY、そしてSatomimagaeの5組が集結する(レコード店RECONQUISTAも出店)。他では味わえないラインナップの妙を楽しみたい。

イベント名:HYPER IRONY
日程:2025年9月13日(土)
会場:小岩BUSHBASH

[LIVE]
MERZBOW / MELT-BANANA / 浅野達彦 / PULSE DiSPLAY / Satomimagae

[SHOP]
RECONQUISTA

OPEN.17:00 / START.17:30
DOOR ONLY 3,500 + 1DRINK

Satomimagae - ele-king

 彼女の紡ぐ静謐さは特別な空気に包まれている。東京のシンガー・ソングライター、サトミマガエの新作がおなじみの〈RVNG Intl.〉からリリースされる。2021年の『Hanazono』以来となるアルバムで、『Taba』と題されたそれは4月25日に発売、日本独自でCD盤も出るとのこと。プレスによれば、「個人と集団、構築的なものと宇宙的なもの、明瞭なものと感じられるものの間を鮮やかにつない」だ作品に仕上がっているようだ。現在、収録曲 “Many” のMVが公開中です。

Chihei Hatakeyama - ele-king

 ユーラシア大陸からアメリカ大陸、オーストラリア大陸まで、多くのファンを持つ日本のアンビエント・マスター、畠山地平の新作『Lucid Dreams』がロンドンの〈First Terrace Records〉からリリースされました。マルチ楽器奏者のNailah Hunter、日本のシンガソングライターsatomi magaeらが参加したこのアルバムは、地平のミニマリズムへの追求がまさにドリーミーに結実した内容になっています。地平はこの作品について以下のように発言しています。
「ここ2年ほど、季節の変わり目などに不眠症に悩まされており、そういうときは眠りたいということしか考えられません。しかし、その状態で浅い眠りを繰り返すと、夢を見ているのか見ていないのかわからない、夢を見ていると自覚している『明晰夢』という状態になることがあります。このアルバムは、その浅い眠りの状態にインスピレーションを受けたという側面があります」
「そういう思いで、このアルバムのテーマは、夢の中での時間感覚、現実の時間の流れとは違って突然変わる状況、驚きや懐かしさ、そういった夢の状態を描いたアルバムを作りたかったのです」
 たしかに聴いているとまどろんでくるのです。うとうとしましょう。

Chihei Hatakeyama
Lucid Dreams

First Terrace Records.

Tracklist
A1. Overflowing
A2. Dance Of The Ghosts (feat. Cucina Povera)
A3. Three Dice
A4. End Of Summer
A5. Frozen Flowers
A6. Luftschiff
B1. Wind From Mountains (feat. Nailah Hunter)
B2. Tide
B3. End Of Summer II
B4. Rabbit Stairs
B5. Lucid Dreams

interview with Sofia Kourtesis - ele-king

 パンデミックを乗り越えて Outlier(アウトライアー)がようやく日本にやってくる。2020年4月に日本での初開催が予定されていたものの入国制限により中止となってしまったため、今回が本邦初である。ボノボ自身は、2022年フジロック、2023年東京大阪 2 days で来日しているが、通常の予測範囲からずれた測定値を示す「外れ値」をタイトルにいただくパーティでの登場に期待せずにはいられない。日本初の Outlier に登場するのはボノボに加えて、初来日となるケリー・リー・オーウェンス、そして今回インタヴューをする機会を得られたソフィア・コルテシス。
 各メディアから絶賛されたアルバム『Madres』が素晴らしい作品であったことに異論はないだろうが、かくいう筆者も紙版『ele-king』2023年間ベスト企画のハウス編でセレクトした。DJコーツェやアクセル・ボーマンといったプロデューサーたちがおこなってきたメランコリックでサイケデリックなハウスやテクノを受け取りながら、独自のエッセンスで捉え直したハウス・アルバムだと思う(インタヴュー中でも触れられているが、DJコーツェが彼女のヒーローだそう)。
 自身のルーツである南米ペルーの民族音楽や大衆音楽からの影響、政治的なスタンスを音楽に持ち込む姿勢、そして、彼女の家族に起きたとても困難な状況とそこからの回復といった様々な要素が『Madres』のなかに収められていることも重要なポイントだ。
 父との死別と母の罹患、絶望的な大病と奇跡のような名医との出会い、手術の成功という喜び。『Madres』がダンス・ミュージックの機能性を高いレヴェルで保ちながら、刹那的エモーショナルとは異なる、複雑で豊かな感情が音色やメロディから伝わってくるのはそういった幾層ものレイヤーが彼女自身に備わっているからかもしれない。
 このインタヴューでは、ボノボやケリー・リー・オーウェンス、Outlier をどのように捉えているか、また DJやパーティについての考え方、そしてアルバムの成功とそれに伴った環境の変化などについて質問をおこなった。

ボノボは私のヒーロー! Outlier では彼のキュレーターのスキルがすごくユニークで、ラインナップには私が大好きなアーティスト勢がいつも揃っている。

アルバム『Madres』が成功を収めたことでDJスケジュールが忙しくなったりなど、環境の変化はありますか?

ソフィア・コルテシス(Sofia Kourtesis、以下SK):ええ。ライヴ本数が増えて、世界中を旅するようになり、ライヴ会場が以前より大きくなった。いちばん嬉しいのは、アーティスト活動と並行してやっていた仕事を辞めたこと! いまはラッキーなことに、私の音楽パートナーでもあるボーイフレンドと音楽制作に専念することができて嬉しい。家族との時間を持てるようにもなって、本当に良かった。

辞めた仕事はクラブ・ブッキングの仕事ですか?

SK:うん。ドイツにあるクラブでブッキング担当をしていた。自分が好きなバンドをブッキングできて楽しかったけど、深い時間までの仕事だから、かなりハードな仕事でね。だから、デビュー後は徐々にそのブッキング仕事は減らしていって。

これまであなたがパフォーマンスをおこなった国や都市、パーティやフェスなど印象に残っているものがあれば教えて下さい。

SK:グラストンベリー・フェスティヴァルでのライヴ・セットは、いつも最高ね。私はギリシャ人とペルー人のハーフなんだけど、グラストンベリーに出演した初のペルー人だった! バルセロナで開催されたプリマヴェーラ(Primavera)では皆がシンガロングしてくれて、ホント楽しかった! それから、ベルリンのクラブ、ベルクハイン(Berghain)でのパーティは、これまでプレイしたなかでベスト・ショウのひとつだった。

ボノボのDJや彼がキュレートする Outlier、ケリー・リー・オーウェンスなど出演者についてどのようなイメージを持っていますか?

SK:ボノボは私のヒーロー! 初めて会ったのはオーストラリアで開催されたフェスだったかな。音楽スタイルが似ていることもあり、それ以降何度か同じステージでプレイすることが増えた。人間的にも素晴らしいし、彼のライヴ・セットに参加することもあって。逆に、ボノボが私のステージに参加することもある。
 Outlier では彼のキュレーターのスキルがすごくユニークで、ラインナップには私が大好きなアーティスト勢がいつも揃っている。前回の Outlier では、DJコーツェが参加していて、彼も私にとってはヒーロー的存在! ケリー・リー・オーウェンスも大好きなDJだから、間違いなく楽しい夜になるはず!

インターネット上で確認できるあなたのプレイを聴きました。新しくなるにつれて、スタイルが変化していっていると感じました。また、ミックスのなかでフックが毎回仕込まれているのも印象的です。野暮な質問なのですが、今回の Outlier ではどのようなパフォーマンスをおこなうか考えがあったりしますか?

SK:日本は勤勉な人が多くて、街のペースが速いから……ベース音を効かせた、テンポの速い、エネルギッシュなセットになる予定。それから、私の新曲を披露するから楽しみにしててね!

辞めてしまったとはいえ、ブッカーの経験も豊かだと思いますが、自身でイベントやパーティをはじめることに興味はありますか? また、共演してみたいアーティストがいれば教えて下さい。

SK:ぜひやってみたいけど、いまのところ企画する予定はナシ。というのも、今夏に新作を発表予定で、現在は自分の作品制作の方に専念しているから。でも、今年の年末にロンドンのフォノックス(Phonox)で初のレジデンシーが決定していて。共演してみたいのは、エルッカ(Elkka)。彼女のDJスタイルは私と似ているから、またぜひバック・トゥ・バックで組んでみたい。

ベース音を効かせた、テンポの速い、エネルギッシュなセットになる予定。それから、私の新曲を披露するから楽しみにしててね!

アルバム『Madres』について質問をさせてください。タイトル曲である “Madres” をはじめ、全体にポジティヴさや優しさのようなものを感じました。本作をつくることで、セルフケアをおこなう意図もあったのでしょうか?

SK:そうね。いつもメンタル面には気を使っている。『Madres』の曲作りで自分の気持ちを表現する上でときどき迷うことがあったから、精神的に不安になったときはセラピストの所に通っていた。自分のメンタル・ヘルス面に気を配ることはとても大切。

あなたの曲はどれもメロディが印象的ですが、ビートについても興味深く感じました。楽曲を作る際のドラムやベースラインに対する考え方があれば教えていただけますか?

SK:それは、曲の雰囲気による。たとえば、メロウな曲のときはあえてベルリン・テクノやハウス寄りにしないこともある。 曲の雰囲気によって、はじまりから終わりまでの楽曲展開を決めていくから。

アルバム制作時にカリブーフォー・テットに相談したそうですが、彼らはどのようなアドヴァイスをしたのでしょうか?

SK:いいバラードを50%、エネルギッシュなクラブ・バンガーを50%制作することを教えてくれた。私もそのとおりだと思うし、重要な点ね。

そのアドヴァイスは、カリブーとフォー・テットふたりとも?

SK:うん。ふたりともとても協力的で、アーティストが自分の能力を信じるようにモチヴェーションを上げてくれる。前進できるように、いつも励ましてくれるよ。

ホモフォビアに対しての抗議活動のフィールド・レコーディング、マヌ・チャオをフィーチャーした “Estación Esperanza” など、アクティヴィストとしてのあなたも作品で表現されています。戦争や紛争など、現在の世界における困難な問題について、あなたの意見はどのようなものでしょうか?

SK:活動を通して学んだ最も重要なことのひとつは、独りよがりの人が多いこと。だから、教育が非常に重要ね。特に、私たちより前の世代は、心を開いて、自分とは異なる考え方を学ぶべきだと思う。恐怖心や宗教は、ときとして最悪の敵のようになり得るから。きちんと学び、恐れを捨てて、よりオープンで、他者を理解する優しさを持つべきだと思う。いま、紛争の酷い状況を見ても、考え方が昔に逆戻りしていて、恐ろしい。正しいことを見つけ、すべてを止めようとするために、もっとオープンに話し合い、各自が学んでいく「変化」が必要ね。いま起きていることは、一歩前進するどころか後退していて……、クレイジーだと思う。

最後の質問です。今後のリリース作品や予定など教えていただけますか?

SK:2週間後に(今夏リリースの)新作が完成予定。タイトルはまだ決まっていないけど、ほぼ完成した。コミュニティへの恩返しのようなもので、音楽を中心に私たちを結びつける愛が題材。懸命に戦っている若い世代……各自が置かれたコミュニティで勇敢に立ち向かうヒーローたちに贈るアルバム。いいアルバムになると自負しているよ。

音楽的にはバラードが50%、クラブ・バンガーが50%という割合ですか? その他、今後の予定は?

SK:うん、そのとおり。今後の予定としては、日本での Outlier 出演後にグラストンベリー、プリマヴェーラやロスキレ(Roskilde)などのフェスが予定されている。

今日は、ありがとうございました。新作を聴くこと、あなたのプレイで踊ることを楽しみにしています。

SK:こちらこそ、どうもありがとう! 初来日は2009年か2010年あたりだったと思うけど、それ以降2013年までは毎年日本へ行ってて。大好きな国だから、久しぶりに日本の皆に会えるのが待ちきれない!

BONOBO主催のクラブイベント
『OUTLIER (アウトライアー)』
いよいよ来週に迫る

●気になるタイムテーブルを発表!
●当日券情報発表!
●会場限定グッズのデザイン公開!
本日よりオンライン受注受付もスタート!

アーティスト/プロデューサーとしてグラミー賞に7度ノミネートされるなど、絶大なる人気を獲得しているボノボが主宰する世界的クラブイベント、OUTLIER(アウトライアー)。主宰BONOBO(ボノボ)に加え、海外からはいずれも初来日となるKELLY LEE OWENS(ケリー・リー・オーウェンス)、SOFIA KOURTESIS(ソフィア・コルテシス)が参戦。さらに真鍋大度、食品まつり a.k.a foodman、TRAKS BOYS、SEIHO、KATIMI AI、FRANKIE $など、エキサイティングなラインナップが集結。さらにはグラフィックデザイナー/アートディレクター、YOSHIROTTENが本公演の為に特別な映像作品を制作し参加することも決定している。

会場はO-EAST~DUO~東間屋とエリアを拡張し、豪華ラインナップを配し複数ステージ同時進行で開催される他、ナチュラルワインをメインに取り扱うNEWVALLEYが厳選したナチュラルワインとおつまみを、季節の野菜を使ったフードケータリングで人気のTORATOMICANが提供するヘルシーで美味しいバインミーサンドなどを、東間屋では気の利いたお酒も味わえる。またNEWVALLEYは朝方に人気の自家焙煎コーヒーとモーニングメニューも提供する。音楽、アート、フード&ドリンクまで、とにかく朝まで楽しめるオールナイト・パーティーとなる。

イベント開催がいよいよ来週に迫り、気になるタイムテーブルとフロアマップ、会場限定Tシャツ、当日券情報を発表! Tシャツは日本限定のデザインとなり2色展開となる。本日よりBEATINKオフィシャルサイトにて、オンライン受注受付もスタート(締切は5月26日)。


https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14085


https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14086

BONOBO PRESENTS
OUTLIER

FEATURING:
BONOBO (DJ SET)
KELLY LEE OWENS (DJ SET)
SOFIA KOURTESIS (DJ SET)
DAITO MANABE
食品まつり a.k.a FOODMAN
FRANKIE $
KATIMI AI
SEIHO
TRAKS BOYS
YOSHIROTTEN (Video Art)

VJs (at DUO):
Kazufumi Shibuya, Sogen Handa,
Yuma Matsuoka, Yuta Okuyama, 91u5

FOOD&DRINK:
NEWVALLEY (Natural wine & Food)
TORATOMICAN (Food)

公演日:2024年5月18日(土)
会場:O-EAST + DUO + AZUMAYA
OPEN/START:21:00 (オールナイト公演)
前売:¥7,200(税込)
当日券:¥8,000 (21:00より販売)
※整理番号無し
※入場時に別途1ドリンク代 ¥700
※20歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。必ず写真付き身分証をご持参ください。

INFO: BEATINK [ www.beatink.com] / info@beatink.com
主催・企画制作:BEATINK / SHIBUYA TELEVISION

[TICKETS]
●イープラス [ https://eplus.jp/outlier/]
●ローソンチケット[ https://l-tike.com/outlier/]
●BEATINK [ https://beatink.zaiko.io/e/outliertokyo/]

店頭販売:
●HMV record shop 渋谷
●Lighthouse Records
●ディスクユニオン渋谷クラブミュージックショップ
●ディスクユニオン下北沢クラブミュージックショップ
●ディスクユニオン新宿ソウル・ダンスミュージックショップ

------

OUTLIERキャンペーン
OUTLIERの日本初上陸を記念して、4月26日より出演者の人気タイトルを対象にしたキャンペーンの開催中! 期間中にキャンペーン開催店舗にて対象商品を購入すると先着特典として『OUTLIER』ステッカーをプレゼント! ロンドンの大型会場Drumshedsにて開催された『OUTLIER』ロンドン公演にて販売されたOUTLIER Tシャツが発売が購入できる。


【Tシャツ取扱い店舗】
タワーレコード渋谷店 / HMV record shop渋谷店 / ディスクユニオン渋谷クラブミュージックショップ
上記店補ではOUTLIERトートやポスターなどが当たる店頭抽選も実施中!

【キャンペーン詳細】
キャンぺーン開催店舗にて対象商品をご購入いただくと先着で特典ステッカーをプレゼント!
キャンペーン詳細はこちら↓
BEATINK.COM / BONOBO PRESENTS OUTLIER TOKYO
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13934

□Peace Is Not The Word To Play

山崎:前回の続きになりますが、まずB面の1曲目から。

水谷:このネタはMFSBの「T.L.C. (Tender Lovin' Care)」ですね。

山崎:これもカッコいい使い方をしていますね。イントロの部分を分割してる感じはすごいですね。

水谷:ゆったりした部分を使っているのにこんな疾走感のある曲に仕上げている。

山崎:イントロのビートはMilly & Sillyの「Getting Down For Xmas」を使ってます。
原曲もめっちゃカッコいいクリスマス・ソングですね。

水谷:この鈴の入ったビートの感じはラージ・プロフェッサーはよく使います。

山崎:この鈴が入ると疾走感が倍増するというか、勢いが出ますね。

水谷:話が『Breaking Atoms』から脱線しますが、彼の手掛けたNASの「Halftime」でもこの感じを出してますね。そっちはAverage White Bandの「School Boy Crush」のビートですが。

山崎:De La Soulは「D.A.I.S.Y. Age」で同じ曲のギターのフレーズ入りを使ってますが、ラージ・プロフェッサーはよりネタ一発にならないような部分を使用し、そこに『Hair - The Original Japanese Cast Recording』の「Dead End」にフィルターをかけて重ねている。ここではベースラインを使用してますが、当時のサンプラーでできることを120%駆使してまとめる技がすごいですね。一つのトラックとして調和が取れています。

 

水谷:これはNASのデビュー・アルバム『Illmatic』リリース前の曲ですね。『Illmatic』にも入っていますが、『ゼブラヘッド』という映画のサントラに収録されている曲です。『Illmatic』についての解析もまたどこかでしましょう。

□Vamos A Rapiar

山崎:曲名はスペイン語ですね。意味は「ラップをしよう」です。

水谷:これはピート・ロックとの共作なんですよ。ピート・ロック主導のせいなのか、ネタをあまり重ねていないですが、ピート・ロックが活動を始めた初期の仕事です。

山崎:これはThe Three Sounds一発ですね。一番単純なサンプリング方法を使用した曲かもしれません。

水谷:ラージ・プロフェッサーは有名なネタであればあるほど原曲の形跡を残さないのですが、“分かりやすい”ネタをそのまま使っているのはこのピート・ロックとの共作だけ。でもピート・ロックもここでラージ・プロフェッサーから学びを得て、その後SP-1200(初期サンプラーの名機)の操作技術が向上するんですよ。

□He Got So Much Soul (He Don't Need No Music)

水谷:これはラージ・プロフェッサーにしては珍しい、ネタ一発な使い方の曲ですが、Lou Courtneyの「Hey Joyce」、1967年に7インチでリリースされた作品です。同時代ではこのネタを他に使っている人はいませんし、チョイスはずば抜けていますね。ここでも60年代ソウルをサンプリングしています。Main Sourceの特徴的な部分です。

山崎:確かに前述の「Vamos A Rapiar」と違って切り取り方にセンスを感じます。

□Live At The Barbeque

水谷:Melvin Van Peeblesの『Sweet Sweetbacks』のスキットのイントロからVicki Andersonの「In the Land of Milk and Honey」で始まる。

 

山崎:この始まり方も違和感がなく、スムースに切り替わる感じが印象的ですね。

水谷:この曲はもちろんこのイントロの使い方も凄いのですが、もっと衝撃的だったのはビートが実はBob Jamesの「Nautilus」だったって事なんです。

山崎:サンプリング・ネタとしては古くから有名な曲ですよね。

水谷:そうなんですが、普通はあの有名なイントロを使いますが途中のブレイクを使用しています。ここでも他の人のやっていることとは違う事をあえてやっている感じがある。ラージ・プロフェッサーのプライドが垣間見えます。

山崎:これは全然Bob Jamesってわからないですね。けど確かにこのブレイクはかっこいい。そこに目をつけるのはさすがです。

□Watch Roger Do His Thing

山崎:この曲はベースとオルガンは演奏していますね。ドラムはFunkadelicの有名なネタ曲、「You'll Like It Too」です。

水谷:このベースを弾いているアントンていう人がキーマンでして、本名、Anton Pukshanskyって言うんですけど、白人のロック系のエンジニアでレコーディング・スタジオの人だと思うんですけど、HIP HOP系では馴染みの深い人ですね。

山崎:確かにレコーディングのクレジットにも入っています。

水谷:この曲はアルバムリリースの前にシングルで出ているんですよ。その前に「Think」と「Atom」という曲のカップリング・シングルが89年にリリースされていて、これはわりとランダムラップに近いサウンドなのですが『Breaking Atoms』には収録されていません。で、90年にでたこの曲が2ndシングル(B面は「Large Professor」)で、これらは全てActual Recordsからリリースされています。このレーベルは Sir ScratchとK-Cutのお母さんが経営しているレーベルです。Main Sourceの活動はこのお母さんがかなり主導権を握っていたようで、息子でないLarge Professorはその部分で揉めたことが原因で脱退したようですが。

 

山崎:駆け足でBreaking Atomsの収録曲のサンプリングを解析しましたが、総じて言えるのは仕事が細かいってところですね。

水谷:ラージ・プロフェッサーはチョップ・サンプリングの先駆けかもしれません。チョップで有名なDJプレミアは、誰もラージ・プロフェッサーから影響を受けたって言っていないですが、時代を遡ると、この刻んだ感じはラージ・プロフェッサーが最初だと思います。そして重ねる技術や展開も上品で、音楽的です。

□Fakin' The Funk

水谷:それとラージ・プロフェッサー脱退前の超重要曲は「Fakin' The Funk」です。

山崎:映画『White Men Can't Jump』のために作られた曲ですね。レコードはそのラップだけを集めた『White Men Can't Rap』に収録されています。

 

水谷:『Breaking Atoms』のリリース後に(シングルも)出たのですが、メイン・ソースの到達点は前述のNASの「Halftime」とこの曲かもしれません。

山崎:メイン・ソース・ファンにも人気の曲ですね。

水谷:そうですね。この曲、Kool & the Gangの「N.T.」のサンプリングから始まりますが、「N.T.」の原曲を聴くとすごいところから取っているのがわかります。

山崎:普通に「N.T.」を聴いていてもそのまま流してしまいそうな部分ですが、ここをサンプリングしてループするとこんなにかっこいい。しかも一瞬使ってすぐに次のサンプル、The Main Ingredientの「Magic Shoes」に展開している。サンプリングって言わば既存曲のコラージュだと思うんですが、ひとつの曲として完成している。

水谷:常人ではできない組み合わせですよ。デタラメに組み合わせてもこんな曲は生まれない。この2つの組み合わせは簡単なようで、とてもハイレベルだと思います。もはや魔法です。

山崎:そして「Looking At The Front Door」でも触れましたが、やはりコーラスの使い方がうまい。

水谷:ラージ・プロフェッサーはこの後、メイン・ソースを脱退してしまうのですが、その直前に手掛けたのが『The Sceince』です。1992年の『The Source』に2ndアルバムのリリースについての記事が出たんですね。それを当時見て、気持ちが昂ったことを覚えています。でもお蔵入りになってしまった。

山崎:2023年のヒップホップ50周年に『The Sceince』がようやくリリースされた事は大きな話題になりました。そしてここでは「Fakin' The Funk」の別テイクが収録されていますが、ここではESGの「UFO」のイントロを使っています。この曲、ヒップホップのブレイクの定番曲で、回転数を45RPMから33 1/3RPMに下げて使用するのが、ヒップホップのセオリーですがその通りに使用しているのも良いですね(Ultimate Breaks & Beatsにもその回転数で収録されていることは有名)。

水谷:これを最初に聴いたときはテンションが上がりましたね。

山崎:シンプルな使い方ですが、その分ラップが前に出て、彼らはラップも素晴らしいことがよくわかります。

水谷:やはり全方位でレベルが高いんですよ、この頃のメイン・ソースは。もう後にも先にもこんなグループは出てこないかもしれません。

山崎:VGAでは『The Sceince』のテスト・プレスもごく少量ですが販売中です。このアルバムのサンプリング・ネタの解析も、いつかこのコーナーでしたいと思います。お楽しみに。


Main Source / Breaking Atoms
https://anywherestore.p-vine.jp/en/search?q=main+source


MAIN SOURCE / THE SCIENCE Limited Test Pressing
https://vga.p-vine.jp/exclusive/vga-5012/

Meatball - Atomic Buttefly - ele-king

L’Rain - ele-king

 ブルックリン育ちのミュージシャン兼キュレーターのロレインことタジャ・チークは、3作のアルバムを通じて、彼女が「approaching songness(歌らしさへの接近)」と呼ぶ領域間で稼働してきた。その音楽は、記憶と連想のパリンプセスト[昔が偲ばれる重ね書きされた羊皮紙の写本]で、人生のさまざまな局面で作曲された歌詞とメロディーの断片が、胸を打つものから滑稽なものまで、幅広いフィールド・レコーディングと交互に織り込まれている。それはつねに変化し、さまざまな角度からその姿を現す。ニュー・アルバム『I Killed Your Dog』の “Our Funeral” の冒頭の数行で、チークはオートチューンで声を歪ませて屈折させ、息継ぎの度に変容させていく。焦らそうとしているわけではなく、一節の中に複数のヴァージョンの彼女自身を投影させるスペースを作り出そうとしているのだ。高い評価を得た2021年のアルバム『Fatigue』のオープニング・トラックは、「変わるために、あなたは何をした?」との問いかけではじまっている。ロレインは確かな進化を遂げながら、その一方でチークは、これまでの作品において、一貫性のある声を保っているのだ。ループするギター、狂った拍子記号、糖蜜のようににじみ出る、心を乱すようなドラムスなど、2017年の自身の名を冠したデビュー盤でみられた音響的な特徴は、『I Killed Your Dog』でも健在だ。同時にロレインは、これまでよりも人とのコラボレーションを前面に打ち出している。今回は、彼女とキャリアの初期から組んできたプロデューサーのアンドリュー・ラピンと、マルチ・インストゥルメンタリストのベン・チャポトー=カッツの両者が、彼女自身と共にプロデューサーとしてクレジットされているのだ。チークが過去の形式を打ち破ることを示すもっとも明白なシグナルは、気味が悪くて注意を引く今作のアルバム・タイトルに表れている。『I Killed Your Dog』の発売が発表された際のピッチフォークのインタヴューでは、これは彼女の「基本的にビッチな」アルバムであり、リスナーの期待を裏切り、意図的に不意打ちを食らわせるものだと語っている。また他のインタヴューでは、最近、厳しい真実を仕舞っておくための器としてユーモアを利用するピエロに嵌っていることに言及している。これは、感傷的なギターとピッチを変えたヴォーカルによる “I Hate My Best Friends(私は自分の親友たちが大嫌い)” という1分の長さの曲にも表れている。(念のため、実際には彼女は犬好きである。)
 メディアは、ロレインの音楽がいかにカテゴライズされにくいかということを頻繁に取り上げている。だが、チークが黒人女性であり、予期せぬ場で存在感を発揮していることから、これがどの程度当たっているのかはわからない。その点では、彼女には他のジャンル・フルイド(流動性の高い)なスローソン・マローン1(『Fatigue』にも貢献した)、イヴ・トゥモア、ガイカやディーン・ブラントなどの黒人アーティストたちとの共通点がある。「You didn’t think this would come out of me(私からこれが出てくるとは思わなかったでしょ)」と、彼女は “5to 8 Hours a Day (WWwaG)” で、パンダ・ベアを思わせるような、幾重にも重ねられたハーモニーで歌っている(「この歌詞の一行は間違いなく、業界へ向けた直接的な声明だ」と彼女はClash Musicでのインタヴューで認めている)。
 『I Hate Your Dog』 では、チークがこれまででもっともあからさまにロックに影響された音楽がフィーチャーされているが、彼女のこのジャンルとの関係性は複雑なものだ。最初に聴いたときに、私がテーム・インパラを思い浮かべた “Pet Rock” について、アルバムのプレス・リリースにはこう書かれている──2000年代初期のザ・ストロークスのサウンドと、若い頃のロレインが聴いたことのなかったLCDサウンドシステム──これには、一本とられた。
 彼女の初期のアルバムと同じくシーケンス(反復進行)は完璧で、各トラックを個別に聴くことで、その技巧を堪能することができる。これは、トラックリストに散りばめられたスキットやミニチュアに顕著で、アルバムのシームレスな流れに押し流されてしまいがちだ。33秒間という長さの “Monsoon of Regret” は、微かな焦らしが入ったような、混沌とした曲であり、“Sometimes” は、アラン・ローマックスがミシシッピ州立刑務所にループ・ペダルをこっそり忍び込ませたかのような曲だ。
 “Knead Be” がアルバム『Fatigue』の言葉のないヴォーカルとローファイなキーボードによる1分間のインタールードで、ヴィンテージなボーズ・オブ・カナダのようにワープし、不規則に揺れる “Need Be” をベースにしている曲だと気付くには、注意深く聴き込む必要がある。この曲でチークは、そのトラックに沈んでいたメロディーの一節を、小さい頃の自分に、物事がうまくいくことを悟らせる肯定的な賛歌へと拡大した。ただ、その言葉(「小さなタジャ、前に進め。あなたは大丈夫だから」)はミックスの奥深くに潜んでいるため、歌詞カードを見ないと、何と歌っているのか判別するのが難しい。
 初期の “Blame Me” のような曲では、チークはひとつのフレーズのまわりを、まるでメロディーの断片が頭の中に引っかかってリピートされているかのようにグルグルと旋回する。『I Killed Your Dog』では、何度かデイヴィッド・ボウイの “Be My Wife” のようなやり方で、一度歌詞を最後まで通したかと思うと、またそれを繰り返して歌う。あらためて聴き返すと、彼女が足を骨折した後に書いたバラード調の “Clumsy(ぎこちない・不器用)” ほどではないが、歌詞は、その歌詞に出てくる問いかけ自体に回答しているかのように聴こえる。“Clumsy” では曲の最後に、冒頭で投げかけた問いへと戻る。「想像もつかないような形で裏切られたとき、(自分が足をついている)地面をどのように信頼しろというの?」
 彼女はまだ、答を探り続けているのかもしれない。
 終曲の “New Years’ UnResolution” は、チークがアルバムを「アンチ・ブレークアップ(別れに反対する)」レコードと表現したことを端的に表している。この曲でも、歌詞がループとなって繰り返されるが、今回はその繰り返しの中で、歌詞が大きく変えられているのだ。彼女はその言葉には、別れた直後と、かなりたってから、後知恵を働かせて書いたものがあると説明している。バレアリックなDJセットで、宇多田ヒカルの “Somewhere Near Marseilles -マルセイユ辺り-” と並べても違和感のない、ダブ風のキラキラと揺れる光のようなグルーヴに乗せて、チークは、陰と陽のような、互いを補いあう2つのヴァースを生み出している。

ひとりでいるのがどんな感じか忘れてしまった
雨を吐いて 雪を吐き出す。
日々は、ただ古くなっていく
何も持たないということがどんなものか知っている?
どんなものかは知らないけれど
あなたは今夜ここに来る?
私から電話するべきか あるいは無視するべき? 私は……する
恋をするということがどんな感じか忘れてしまった
太陽を飲み込んで 雪を吐き出す
日々は、古くはならない。
何かを持っているということがどんなことか知っている?
ふたりともそれを知っている。
ただ真っ直ぐに私の目を見て
あなたから私に電話するべきか あるいは私を無視するべき? あなたは……する

 彼女はいまや、人生を両側から眺めることができたのだ。


L’Rain - I Killed Your Dog

written by James Hadfield

Across three albums, L’Rain – the alias of Brooklyn-raised musician and curator Taja Cheek – has operated in an interzone that she calls “approaching songness.” Her music is a palimpsest of memories and associations, interleaving fragments of lyrics and melodies composed at different points in her life, with field recordings that range from poignant to hilarious. It’s constantly shifting, revealing itself from different angles. During the opening lines of “Our Funeral,” from new album “I Killed Your Dog,” Cheek contorts and refracts her voice with AutoTune, morphing with each breath she takes. It isn’t that she’s playing hard to get, more that she’s making space for multiple versions of herself within a single stanza.

“What have you done to change?” asked the opening track of her widely acclaimed 2021 album “Fatigue.” L’Rain has certainly evolved, but Cheek has maintained a consistent voice throughout her work to date. Many of the sonic signatures from her self-titled 2017 debut – looping guitar figures, off-kilter time signatures, phased drums that ooze like treacle – are still very much present on “I Killed Your Dog.” At the same time, L’Rain has become a more collaborative undertaking: She’s quick to credit the contributions of producer Andrew Lappin – who’s been with her since the start – and multi-instrumentalist Ben Chapoteau-Katz, both of whom share producer credits with her this time around.

The most obvious signal that Cheek is breaking with past form on her latest release is in the album’s lurid, attention-grabbing title. As she told Pitchfork in an interview when “I Killed Your Dog” was first announced, this is her “basic bitch” album, pushing back against expectations and deliberately wrong-footing her listeners. She’s spoken in interviews about a recent fascination with clowns, who use humour as a vessel for hard truths. In this case, that includes a minute-long song of gooey guitar and pitch-shifted vocals entitled “I Hate My Best Friends.” (For the record, she loves dogs.)

Media coverage frequently notes how resistant L’Rain’s music is to categorising, though it’s hard to say how much this is because Cheek is a Black woman operating in spaces where her presence wasn’t expected. In that respect, she has something in common with other genre-fluid Black artists such as Slauson Malone 1 (who contributed to “Fatigue”), Yves Tumor, GAIKA and Dean Blunt. “You didn’t think this would come out of me,” she sings on “5 to 8 Hours a Day (WWwaG),” in stacked harmonies reminiscent of Panda Bear. (“That line is definitely a direct address to the industry,” she confirmed, in an interview with Clash Music.)

“I Hate Your Dog” features some of Cheek’s most overtly rock-influenced music to date, although her relationship with the genre is complicated. According to the press notes for the album, “Pet Rock” – which made me think of Tame Impala the first time I heard it – references “that early 00’s sound of The Strokes and LCD Soundsystem that L’Rain never listened to in her youth.” Touché.

Like her earlier albums, the sequencing is immaculate, and it’s worth listening to each track in isolation to appreciate the craft. That’s especially true of the skits and miniatures scattered throughout the track list, which can get swept away in the album’s seamless flow. The 33-second “Monsoon of Regret” is a tantalising wisp of inchoate song, reminiscent of Satomimagae; “Sometimes” is like if Alan Lomax had snuck a loop pedal into Mississippi State Penitentiary.

It takes close listening to realise that “Knead Be” is based on “Need Be” from “Fatigue,” a one-minute interlude of wordless vocals and lo-fi keyboards that warped and fluttered like vintage Boards of Canada. Here, Cheek takes the wisp of melody submerged within that track and expands it into a hymn of affirmation, in which she lets her younger self know that things are going to work out – though her words of encouragement (“Go ’head lil Taja you’re okay”) lurk so deep in the mix, you’d need to look at the lyric sheet to know exactly what she’s singing.

On earlier songs such as “Blame Me,” Cheek would circle around a single phrase, like having a fragment of a melody stuck in your head on repeat. Several times during “I Killed Your Dog,” she runs through all of a song’s lyrics once and then repeats them, in the manner of David Bowie’s “Be My Wife.” Heard again, the words sound like a comment on themselves – no more so than on the ballad-like “Clumsy” (written after she broke her foot), when she returns at the end of the song to the question posed at its start: “How do you trust the ground when it betrays you in ways you didn’t think imaginable?” It’s like she’s still grasping for an answer.

Closing track “New Year’s UnResolution” – which best encapsulates Cheek’s description of the album as an “anti-break-up” record – also loops back on itself, except this time the lyrics are significantly altered in the repetition. She’s explained that the words were written at different points in time, both in the immediate aftermath of a break-up and much later, with the earned wisdom of hindsight. Over a shimmering, dub-inflected groove that wouldn’t sound out of place alongside Hikaru Utada’s “Somewhere Near Marseilles” in a Balearic DJ set, Cheek delivers two verses that complement each other like yin and yang:

I’ve forgotten what it’s like to be alone
Vomit rain spit out snow.
Days, they just get old.
Do you know what it’s like to have nothing?
I don’t know what it’s like.
Will you be here tonight?
Should I call you or should I ignore you? I will...
I’ve forgotten what it’s like to be in love
Swallow sun spit out snow
Days, they don’t get old.
Do you know what it’s like to have something?
We both know what it’s like.
Just look me in the eye.
Should you call me or should you ignore me? You will...

She’s looked at life from both sides now.

2 3 4 5 6 7 8