「Dom」と一致するもの

栗原康 × 大谷能生 - ele-king

 この夏話題の対談本『文明の恐怖に直面したら読む本』を刊行した政治学者の栗原康と、同じく新刊『平岡正明論』を上梓した音楽家/批評家の大谷能生によるトーク・イベントが、11月27日、代官山 蔦屋書店にて開催されます。
 映画『菊とギロチン』のノベライズ(タバブックス)を担当したことでも注目を集めた栗原ですが、彼は熱心な平岡正明のファンでもあります。じっさい、彼が編んだアンソロジー『狂い咲け、フリーダム』(ちくま文庫)には平岡の「あらゆる犯罪は革命的である」が収録されていますが、となれば今年『平岡正明論』という快著を世に問うた大谷と語り合っていただくしかないでしょう! そんなわけで実現した今回のイベント、おそらくは平岡をめぐって熱いトークが繰り広げられるにちがいありません。予約方法などは下記をご参照ください。

代官山 蔦屋書店 イベント・ページ

[11月21日追記]
 昨日刊行されたばかりの栗原康の最新刊『アナキズム 一丸となってバラバラに生きろ』(岩波新書)付きチケットでも参加可能となりました。ふるってお申し込みください!

『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン)刊行記念
栗原康×大谷能生対談「文明社会と平岡正明」

混迷をきわめる政治、やりがいやコミュニケーションを押しつけられる社会、それらはすべて文明によってもたらされたものである。そのような生きづらい秩序から離脱するにはどうしたらいいのか?
ヒントは「民衆」や「遊び」、「歌」にある。
新刊『文明の恐怖に直面したら読む本』を上梓したばかりの政治学者・栗原康が、同じく初夏に『平岡正明論』を刊行した音楽家/批評家の大谷能生とともに語り合う。

2018年11月27日(火)
蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース

【参加条件】 ※11月21日更新
代官山 蔦屋書店にて以下のいずれかをご予約、ご購入の先着70名様にイベント参加券をお渡しいたします。
1. 『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン/1,944円)付イベント参加券 2,500円(税込)
2. 『平岡正明論』(Pヴァイン/2,592円)付イベント参加券 3,000円(税込)
3. 『アナキズム』(岩波書店/929円)付イベント参加券 2,000円(税込)
4. イベント参加券 1,500円

会期:2018年11月27日(火)
定員:70名
時間:19:00~21:00
場所:蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
主催:代官山 蔦屋書店
共催・協力:Pヴァイン
問い合わせ先:03-3770-2525

【お申込み方法】
以下の方法でお申込みいただけます。
・店頭 (1号館1階 人文フロア)
・お電話 03-3770-2525 (人文フロア)
・オンラインストア

【対象商品】 ※11月21日更新
1. 『文明の恐怖に直面したら読む本』(Pヴァイン/1,944円)付イベント参加券 2,500円(税込)
2. 『平岡正明論』(Pヴァイン/2,592円)付イベント参加券 3,000円(税込)
3. 『アナキズム』(岩波書店/929円)付イベント参加券 2,000円(税込)
4. イベント参加券 1,500円

【ご注意事項】
*参加券1枚でお一人様にご参加いただけます。
*イベント会場はイベント開始の15分前から入場可能です。
*当日の座席は、先着順でお座りいただきます。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承くださいませ。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。

【プロフィール】
栗原 康 (くりはら やすし)
1979年埼玉県生まれ。現在、東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に、『大杉栄伝:永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい』(タバブックス)、『現代暴力論』(角川新書)、『村に火をつけ、白痴になれ:伊藤野枝伝』(岩波書店)、『死してなお踊れ:一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン:やるならいましかねぇ、いつだっていましかねぇ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学:権力の脱構成』(KADOKAWA)などがある。ビール、ドラマ、詩吟、長渕剛が好き。

大谷 能生 (おおたに よしお)
1972年生まれ。横浜在住。
音楽(サックス・エレクトロニクス・作編曲・トラックメイキング)/批評(ジャズ史・20世紀音楽史・音楽理論)。96年~02年まで音楽批評誌「Espresso」を編集・執筆。菊地成孔との共著『憂鬱と官能を教えた学校』や、単著『貧しい音楽』『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』など著作多数。
音楽家としてはsim、mas、JazzDommunisters、呑むズ、蓮沼執太フィルなど多くのグループやセッションに参加。ソロ・アルバム『「河岸忘日抄」より』、『舞台のための音楽2』をHEADZから、『Jazz Abstractions』をBlackSmokerからリリース。映画『乱暴と待機』の音楽および「相対性理論と大谷能生」名義で主題歌を担当。チェルフィッチュ、東京デスロック、中野茂樹+フランケンズ、岩渕貞太、鈴木ユキオ、大橋可也&ダンサーズ、室伏鴻、イデビアン・クルーなど、これまで50本以上の舞台作品に参加している。
また、吉田アミとの「吉田アミ、か、大谷能生」では、朗読/音楽/文学の越境実験を継続的に展開中。山縣太一作・演出・振付作品『海底で履く靴には紐がない』(2015)、『ドッグマンノーライフ』(2016/第61回岸田戯曲賞最終選考候補)では主演をつとめる。『ホールドミーおよしお』(2017/CoRich舞台芸術まつり!2017春演技賞受賞)。


DJ Sotofett - ele-king

 〈Honest Jon's〉からのアルバムで話題を集めたノルウェー出身のDJソトフェット、自身の主宰する〈Sex Tags〉などをとおしてロウファイ・サウンドを盛り上げている彼が来日します(紙エレ20号をお持ちの方は86頁をチェック)。今回は大阪、神奈川、東京、札幌の4都市をツアー。完全に未発表の作品のみをプレイするとのことですので(さらに pool の公演では限定7インチも販売予定とのこと)、お時間ある方はぜひ足を運びましょう。

異端ハウス/テクノ・レーベル〈Sex Tags Mania〉主催の DJ Sotofett が11月に来日ツアーを敢行。ツアー限定のスペシャル7”も同時リリース。

ノルウェーのモス出身で、現在はベルリンを拠点に活動中の〈Sex Tags Mania〉レーベルを DJ Fett Burger と共に主催する DJ Sotofett が、2018年11月に1年ぶりの再来日を果たす。
「Body Meta presents DJ Sotofett Japan Tour 2018」と題された今回のツアーでは、11/16(金)の NOON (大阪)を皮切りに全国4都市で5公演を行うことが決定している。
DJ Sotofett は、強烈にサイケデリックなディープ・ハウスからタフなテクノ・バンガー、はたまた捻れたダンスホール・レゲエや異形のジャングル、手作りエレクトロにヒプノティックなアンビエントまで、〈Sex Tags Mania〉に加え〈WANIA〉や〈Sex Tags Amfibia〉等のオフシュートを含む幾多のレーベルから、巧妙な変名を駆使しつつ多岐に渡るスタイルと一貫したサウンドデザインの元に大量リリースしている。
本年の日本巡業において、DJ Sotofett は自身の未発表作品“のみ”を使用してプレイするという新しい試みを行うこととなっており、全てのギグでこれまで貴方が耳にしたことのない未発表の作品及びリミックスの数々が披露される。
また、ツアーに併せて、DJ Sotofett feat. Osaruxo & Diskomo による限定7吋レコードが発売される予定で、こちらは11月18日のギグの会場である pool のみで販売される模様。
10代の大半をグラフィティ・ライター/B-Boyとして過ごした DJ Sotofett は、屈指のヴァイナル・ディガーとしても知られており、カルトな人気を誇る地下レーベルの首謀者ならではのミステリアスでトリッピーなプレイを堪能してほしい。
いくつかの会場では上記のレコードの他にもスペシャルなグッズ販売も行われる予定なので、ぜひ足を運んでみてほしい。

・レーベルサイト
https://sextags.com/
・RA:特集記事「Label of the month: Sex Tags Mania」
https://jp.residentadvisor.net/features/2599
・Discogs
https://www.discogs.com/artist/1158290-DJ-Sotofett
・Mix音源
https://www.mixcloud.com/CosmopolitanDance/cosmopolitan-dance-dj-sotofett-live-at-unit-20151017-part-1/

【ツアースケジュール】
MOLDIVE “5 Years Anniversary Special” feat. DJ Sotofett at NOON
11/16 (金) - 大阪

22:00 Open / Start
DJs: DJ Sotofett (Sex Tags Mania / WANIA), TAKE (Vibes), KAITO + g'n'b
VJ: HiraLion (BetaLand)
PA: yoko△uchuu
Advance: ¥2,000 | w/Flyer: ¥2,500 | Door: ¥3,000

DJ Sotofett at OPPA-LA - Special Sunset Session -
11/17 (土) - 神奈川

15:00 - 22:30
DJs: DJ Sotofett (Sex Tags Mania / WANIA), EYヨ (BOREDOMS), Changsie
Live: ifax!
Sound System: 松本音響
Door: ¥3,000
Info: 0466-54-5625
https://oppala.exblog.jp

Sex Tags Amfibia presents Sex Tags Set-Up Tokyo at pool
11/18 (金) - 東京

18:00 - 22:00
Live: DJ Sotofett & Osaruxo feat. Diskomo, Aonami
Door: ¥1,000
https://www.facebook.com/events/491861494630043/

Jetstream presents DJ Sotofett At PROVO
11/22 (木/祝前日) - 札幌

22:00 - 6:00
DJs: DJ Sotofett (Sex Tags Mania / WANIA), OCCA (Archiv / Jetstream), UMI (Jetstream)
Door: ¥1,500

Body Meta feat. DJ Sotofett at forestlimit
11/24 (土) - 東京

17:00 - 24:00
DJs:
DJ Sotofett (Sex Tags Mania / WANIA) - Exclusive 6 Hours Set
Akiram En B2B Diskomo - Warm Up DJ × Live Set
Advance: ¥2,000 | w/Flyer: ¥2,000 | Door: ¥2,500

https://www.residentadvisor.net/events/1176635
* Advance ticket available on RA (limited 30)

Body Meta SNS:
twitter: https://twitter.com/bodymetajp
instagram: https://www.instagram.com/bodymetajp/
Facebook: https://www.facebook.com/bodymetajp/
SoundCloud: https://soundcloud.com/bodymetajp

interview with Gilles Peterson - ele-king


Maisha
There Is A Place

Brownswood

Spritual Jazz

ジェイク・ロングを中心としたセクステットで、人気サックス奏者のヌビア・ガルシアもメンバーとして参加している。ファラオ・サンダース直系のスピリチュアル・ジャズの現代解釈。

Amazon

 UKジャズは、ジャズとはこうあらねばならないという固定観念から自由だ。UKジャズは、50年前はロックと結合し、40年前はパンクに共鳴し、30年前はカリブ海のリズムを導入するいっぽうで、ヒップホップとDJカルチャーにジャズを見いだし、90年代なかばにはテクノとジャングルをジャズの延長で解釈した。そして21世紀も20年近くを経た現在、UKジャズはアフロビートと連結しながらデジタル・テクノロジーへの打ち壊し(ラッダイト)よろしく生演奏にこだわり、人種混合の理想とフェミニズムとリンクしながら躍動している。
 UKジャズにおける“ジャズ”とは拡張する契機であり、ゆえに「こんなのジャズじゃない」と思われがちだが、じつは逆説的にそれは褒め言葉である。UKジャズはつねにおりおりの若い世代に開かれているからだ。

 さて、今回の躍動の象徴となったのが、2018年の初頭に〈Brownswood〉からリリースされた『We Out Here』で、そのコンピレーション・アルバムのトップバッターを務めたマイシャ(Maisha)も11月9日にアルバム・デビューする。
今回は、〈Brownswood〉レーベルを主宰しながら、BBCのラジオ番組によっていまでは世界中にUK解釈のジャズを発信しているジャイルス・ピーターソンに話を訊いた。以下、UKジャズの特徴や面白さをじつに簡潔に語ってくれている。

たとえば〈ヴァーヴ〉や〈ブルーノート〉の社長から電話がかかってきて『非常にエキサイティングだ、もっと欲しい、どこに行けばいいか教えてくれ』と言われると、これは何かが起こっているなと確信するよね(笑)。

ここ2年、UKの若々しいジャズ・シーンの熱気がじょじょにですが日本にも伝わってきています。とくに2018年は、年の初頭に『We Out Here』というコンピレーション・アルバムが出たことがその勢いのひとつの印のようにも見えましたし、サンズ・オブ・ケメットに続いて、ジョー・アーモン・ジョーンズカマール・ウィリアムスといった若いひとたちの素晴らしいアルバムがリリースされました。日本でも松浦俊夫のアルバムがこうしたUKの動きにリンクしていたと思います。あなた自身、この1~2年を振り返って、やはりこのシーンの熱量には手応えを感じていると思うのですが、いかがでしょうか?

GP:素晴らしい時代が来たよね。ただそれほど驚いてはいないんだ。というのもそれはつねにそこにあったものだから。わりとよくUKジャズの歴史について訊かれるんだけど、ぼくは1988年に……ちなみに30年前のことだけど、『Acid Jazz And Other Illicit Grooves』と『Freedom Principle』をリリースしたんだけど、それは当時UKに存在したシーンのスナップ写真のようなもので、ジャズに関連した、もしくはジャズに影響を受けた音楽だったんだ。それ以来この音楽とムーヴメントは持続的に成長してきて、すごく注目された時期もあれば無視された時期もあったわけだよ。UKが盛り上がることもあれば、ドイツや日本といった場所が盛り上がることもあって、そして2018年、2017年、2016年くらいで、若い世代のミュージシャンたちがついにこのムーヴメントを自分たちのものとして引き受けて、自信を持ち、演奏技術を身につけて、SNSを駆使してクラブ・イベントを主催したりスタジオでのセッションを企画したり、そういったすべてのことがハリケーンのように巻き起こったんだ。
それを率先してやってるのがモーゼス・ボイド(Moses Boyd)やシャバカ・ハッチングス、ヌビア・ガルシア(Nubya Garcia)といった素晴らしい人たち、あるいはJazz re:freshedのようなグループや、サウスロンドンのペッカムやデトフォード周辺、イーストロンドンのダルストン辺りのクラブ、そういったものすべてが、より伝統的なジャズの世界に対するオルタナティヴとしてあるんだ。
ジャズはものすごく深い音楽で、強い基盤があるだけに、自分たちがジャズの所有者だと思ってる人たちがいるんだよ。どういうわけか上の世代はジャズを囲い込んでおきたいと思っている。それで、いま起きていることがこれだけエキサイティングな理由は、若者たちがジャズを自分たちのものにしたからなんだ。もちろん年配の人たちに対するリスペクトはあるけど、自分たちが立つ舞台を自分たちで作り出さなければならないことを理解して、実際それでいまこういうことになっているわけ。資金援助やスポンサーやサポートの必要を感じていない……いや、もちろんぼくたちは彼らの音楽を応援しているしプッシュしていきたいし、ぼく自身もこの動きに参加できて嬉しいし助けていきたいと思ってるけど、彼らはぼくのような人を必要としていないんだよ。ぼくがいようがいまいが関係なくて、いずれにしろ自分たちはやるんだという。それがこのムーヴメントを力強いものにしているんだ。だから若い人たちも共感できるんだ。友だちがやってたり、似たような育ち方をした誰かがやってたり、ステージに立っているミュージシャンが年寄りばっかりじゃなくて同世代の連中だからさ。

いろんな国からのリアクションがあると思うのですが、いかがでしょう?

GP:ジャズって面白くて、世界中でフェスティヴァルが開催されていて、彼らはコンテンツを欲しがっているわけさ。それで、新しい世代が出てきたことで、じゃあもうウェイン・ショーターやハービー・ハンコックやソニー・ロリンズに頼らなくていいんだと思うようになった。もちろん彼らはいまでもみんなから愛される素晴らしいアーティストだけど、でも世界中のフェスティヴァルやクラブは餌を欲しがってるわけだよ。そして食欲が旺盛なところへ、いまここからたくさんのパンが供給されつつあるという(笑)。
本当にみんな色めき立っているんだ。去年パリにいたときに、New Morningっていう素晴らしいジャズ・クラブがあるんだけど、そこに貼ってあるポスターに毎晩のようにイギリスのバンドが出演者として載っていたんだ。その翌日の新聞には、たしか『ル・モンド』だったと思うけど、その状態を“British Invasion”と名付けていた。フランス人がイギリスのジャズについてそんな風に書くなんて初めてのことだと思うよ。イギリスは変な破壊的な音楽とかは素晴らしいけど、ことジャズに関してはたぶんフランスの方が伝統があるんだ。だからそれは興味深かったね。
 あとは今年の初めにニューヨークのWinter Jazzfestに招かれたときも、ザ・コメット・イズ・カミング(The Comet Is Coming)やヤズ・アハメド(Yazz Ahmed)、ヌビア・ガルシア、オスカー・ジェローム(Oscar Jerome)といった人たちを紹介したんだ。それで来年の1月には、ドラマーのユセフ・デイズ(Yussef Dayes)やエズラ・コレクティブ(Ezra Collective)、ヤスミン・レイシー(Yazmin Lacey)、エマジーン・チャクレイ(Emma-Jean Thackeray)といった人たちが出ることになっていて。ニューヨークでも盛り上がっているというのは嬉しいことで、たとえば〈ヴァーヴ〉や〈ブルーノート〉の社長から電話がかかってきて『非常にエキサイティングだ、もっと欲しい、どこに行けばいいか教えてくれ』と言われると、これは何かが起こっているなと確信するよね(笑)。

今日のUKジャズの盛り上がりはどのようにして生まれたのか、あなたの分析を聞かせてください。

GP:このムーヴメントはとても自然発生的で、これがきっかけだったとはっきり言える瞬間がない。だからこそ力強いムーヴメントだと思うんだ。これ以前のムーヴメントはメディア主導だったんだよね。でも今回はとてもオーガニックで、それはもちろんいいことで、もしメディアが別の何かに注目しようと決めても存在し続けるし生き残り発展し続けるんだ。通常何かムーヴメントが起こったときは少し注意する必要がある。ちょっとフェイク・ニュースと似ていて、記事を読んで『いまはこれが流行ってるのか』と思っても実態がなかったりする。でもこれは間違いなく起こっていることなんだ。ぼくがこのムーヴメントの何が好きかというと、演奏のクオリティが高いことと、音楽のアイデアが非常に興味深くて、しかも成長し続けているということ。2年前と比べてもいろんなレベルでかなり変化があって、技術的には世界レベルになりつつある一方で音楽的なアイデアはユニークだから余計面白いんだよね。

このムーヴメントに「新しさ」があるとしたら、それはなんだと思いますか?

GP:いま言ったようなことも新しさだと思うし、自分の声を見つけるのが難しい音楽のなかに自分の声を見つけたということが、新しいと思う。というのもジャズのような長い歴史を持った音楽のなかに自分の場所を見つけてオリジナルな存在になるというのは難しいことなんだ。これまでのグループはもしかしたら少し伝統を重んじすぎてきたのかもしれないと思う。でもいま彼らはその伝統のなかにそれぞれ自分の声を見つけつつある。そのいい例がシャバカ・ハッチングスで、彼はサンズ・オブ・ケメットのリーダーでザ・コメット・イズ・カミングというグループもやってるんだけど、ぼくは彼は本当に素晴らしいと思っていて。というのも彼のレコードは単なるレコードではなく、ひとつのテーマだったりコンセプトのようなものでもあって、この時代を定義付ける重要なものだと思うんだ。彼が今年出したアルバムは伝統的な女性の役割に疑問を投げかけていて、いまの時代と波長が合っていて、そこも非常に重要だよね。

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Maisha
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ぼくにとってマイシャは、ぼくがクラブでDJをするときにかける音楽にいちばん近いんだ。クラブでぼくがジャズをかけるときは、スピリチュアル・ジャズを選ぶ傾向があって、浮遊感があるものというか。だからドラマーのジェイク・ロングがマイシャとして新しい音楽を聴かせてくれたとき、瞬時に引かれたんだ。

ジョー・アモン・ジョーンズはひじょうに若々しいアルバムをリリースしましたが、あなたはあのアルバムの良さはなんだと思いますか?

GP:まずジョーが作曲家として成長するのを見ているのはすごく喜ばしい。どの音楽でも、ムーヴメントが起こっていろんなクラブや人が関わって盛り上がるというのはもちろん素晴らしいことなんだけど、やっぱりそこには記憶に残る曲が必要なんだ。アンセムが必要なんだよ。それでジョーには、アンセムを書く能力があるとぼくは思う。彼のアルバムには3、4曲、本当にいい曲が入ってると思うし、そこはスタンダードなジャズ・レコードと一線を画す部分じゃないかな。構成もアレンジもアイデアも素晴らしいし、しかも彼の場合まだはじまったばかりだからね。先週末BBCでやった企画があって、ロンドンのメイダヴェールでライヴをやって、彼がハウス・バンドだったんだけど、オーガナイズもプレゼンも素晴らしくて、ある意味彼はイギリス版ロバート・グラスパーだね。


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There Is A Place

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Spritual Jazz

ジェイク・ロングを中心としたセクステットで、人気サックス奏者のヌビア・ガルシアもメンバーとして参加している。ファラオ・サンダース直系のスピリチュアル・ジャズの現代解釈。

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ほかにも〈22a〉のテンダーロニアス(Tenderlonious)のアルバムもありましたし、この年末には、マンスール・ブラウン(Mansur Brown)のソロも出ますし、このたびあなたの〈Brownswood〉からはマイシャのアルバム『There Is A Place』がリリースされます。彼らは『We Out Here』の1曲目でもありましたよね。いまのシーンを象徴しているバンドのひとつのように思うのですが、あなたの口からマイシャとはどんなグループで、どんな魅力があるのか語ってもらえますか?

GP:ぼくにとってマイシャは、ぼくがクラブでDJをするときにかける音楽にいちばん近いんだ。クラブでぼくがジャズをかけるときは、スピリチュアル・ジャズを選ぶ傾向があって、浮遊感があるものというか。だからドラマーのジェイク・ロングがマイシャとして新しい音楽を聴かせてくれたとき、瞬時に引かれたんだ。ちょっとヴァイオリン奏者のマイケル・ホワイトだったり、あと日本で2枚レコードを作ったハリス・サイモンという人がいて、『New York Connection 』と『Swish』というアルバムがあって、そのストリングスとジャズというアイデアがぼくは大好きなんだけど、マイシャにはちょっとそれを彷彿させるものがあるんだよね。開かれていて、自由で、でもパーカッシヴなフィーリングもあって、おもしろことに、マイシャでぼくがいちばん好きな特徴のひとつがピアニストで、たしか日本人なんだよね。彼のソロは注目に値するよ。名前はアマネ・スガナミ(Amane Suganami)っていうんだ。あともちろんヌビア・ガルシアもシャーリー・テテー(Shirley Tetteh)もいるしね。
だからこういう作品を自分のレーベルから出せるのはすごく嬉しいよ。あと最近ココロコ(Kokoroko)とも契約したんだ。彼らの新作を年明けにリリースする予定なんだけど、ココロコもすごく好きなバンドで、彼らの音楽にはどこか西アフリカ的な雰囲気が感じられて、『We Out Here』に入っている彼らの“Abusey Junction”はYouTubeで800万回くらい再生されたんだよ。ジャズのトラックとして考えると、かなり異例だよね(笑)。

〈Brownswood〉のスタジオでセッションしているマイシャのPVを拝見しました。親密感があって、グッド・ヴァイブなところですね。見ていて、あなたがここ数年アプローチし続けているキューバやブラジルの音楽のようなファミリー感がある場面だと思いました。誰かの家に行ってセッションしちゃうみたいな。そんなフィーリングがいまのUKジャズにはあるんでしょうか?

GP:間違いなくあると思う。そこもこのシーンの強みなんだよ。ひとつのチームとして取り組んでいて、さらにみんながお互いから刺激を受けているという。そこがロンドンの良さでもあって、ジャズでもエレクトロニック・ミュージックでもインディ・バンドでも、そのなかでの競争があるんだけど、協力もするっていう。健全ないい意味でのライバル関係があるというか。みんなより上手くなりたいと思ってるから、それがそのシーンを強くしていく。いまのジャズ・シーンも一緒に演奏したり、お互いから学んだりしながら、それぞれが自分の個性を見つけていて、素晴らしいんだ。

いまの人たちはインターネットのおかげで音楽を探す能力が高いし速いから、非常に洗練されているよね。新世代のリスナーたちは、あっという間に音楽の核心部までたどり着くんだ。ぼくの場合はサン・ラを発見するまでに15年かかったけど、いまだったら15時間で見つけられる(笑)。

スピリチュアル・ジャズからの影響は、マイシャのほかにも、たとえばエズラ・コレクティヴにも感じますし、もちろんシャバカ・ハッチングスからも感じます。なぜいまになって、スピリチュアル・ジャズが見直されているんだと思いますか?

GP:見直されるべくずっと待ち続けていたと思う。正直、ぼくがパトリック・フォージなんかと一緒にDJをやってた80年代、90年代、最後にかけるのがスピリチュアル・ジャズだったんだよね。ぼくにとっては、たとえばダブ・レゲエとスピリチュアル・ジャズには通じるものがあって、何ていうか、実存的な、白昼夢のような、それをもっと構造がしっかりしてる音楽の前後にかけると、一種の美しいトランジションとしての効果があるというか、だからDJとしてぼくが生み出そうとしていた空気感にとっては欠かせないものとして常にそこにあったんだ。
何だろう、感情を動かす音楽というか……ああそうだ、カマシ・ワシントンはそういうサウンドを追求しているよね。ファラオ・サンダースやジョン・コルトレーンは、もうベスト中のベストな人たちなわけで、見直されるのは必然だったと思うよ。というのもいまの人たちはインターネットのおかげで音楽を探す能力が高いし速いから、非常に洗練されているよね。新世代のリスナーたちは、あっという間に音楽の核心部までたどり着くんだ。ぼくの場合はサン・ラを発見するまでに15年かかったけど、いまだったら15時間で見つけられる(笑)。

アフリカのリズムというのも、いまのUKジャズの特徴だと思います。これはもう、UKにおけるアフリカ系移民の増加を反映しているのでしょうか? あるいは、アフリカのリズムの多様さにジャズの“次”を見いだしたというか。

GP:そこはやっぱりロンドンの美しいところで、非常に多文化的な場所だからね。ロンドンとパリはすごく似ている部分もあるけど、全然違う部分もあって、パリのコミュニティは結構が分かれてるんだよね。UKの方が混ざってると思う。その結果として音楽もUKの方が混ざってるんだよ。アフリカン、レゲエ、カリビアン、コロンビア、南米と、あらゆる文化がロンドンのタペストリーとして織り交ぜられているんだ。そこがロンドンのマジカルなところだよ。たとえばザ・クラッシュのジョー・ストラマーのような人も世界中の音楽を擁護していた。その頃はちょっとアウトサイダーのものという感じがあったけど、いまはすべてが混ざってるんだ。いまの若いリスナーたちは、キング・サニー・アデの曲も聴けばグライムも聴くって感じなんだよね。アークティック・モンキーズからアート・ブレイキーまでが繋がってる。それは変わったことじゃなくて、ごく普通のことで、みんな幅広く聴いてるんだ。ぼくの頃はそうじゃなかったんだよね。

ヌビア・ガルシアもいろんな主要作品でサックスを吹いているキーパーソンだと思いますが、あなたは彼女をどのように評価しているのでしょうか?

GP:もちろん彼女はとても重要な存在だよ。あとはココロコのキャシー(Cassie Kinoshi )もそうだし、このシーンには多くの強い女性がいるんだ。それもこのシーンがすごく面白い理由のひとつだと思う。キャシーもシャーリーもシーラ(Sheila Maurice-Grey)も、みんな男連中と同じようにパワフルなんだ。演奏にしてもアイデアにしても独自のものを持っている。
ヌビアはスターになるだろうね。たぶんみんな彼女と契約したがってると思う(笑)。彼女はぼくにとってはもうビッグすぎるけど、すごく嬉しいよ。去年ぼくが観たなかでいちばん良かったライヴが、彼女が〈Jazz Re:freshed〉のアルバムを出すときにThe Jazz Cafeでやったもので、テオン・クロス(Theon Cross)がいて、シーラ・モーリスグレイ(Sheila Maurice-Grey)がトランペットで、フェミ・コレオソ(Femi Koleoso)とモーゼス・ボイドという2人のドラマーがいて、そしてジョー・アーモン・ジョーンズがいて……そのコンサートの場にいて、ぼくは『これは歴史的だ』と思ったのを覚えてるよ。とにかく彼女はこのムーヴメントにとっては非常に重要な大使の1人だね。

アシッド・ジャズの時代はDJカルチャーが主体でしたが、今日のUKジャズのシーンは個性的な演奏者たちが複数いて成り立っています。エレクトロニック・ミュージックが主流の現代において、この逆転現象は面白いと思うのですが、これはジャズ・ウォーリアーズの功績もあるんでしょうけれど、ほかにはどんな理由があると考えられますか?

GP:実は世界のいろんなところで起こっていることじゃないかと思う。職人の技を称えるというか、オーガニック・ワインも、クラフト・ビールも、家具職人も、あるいは芸術家もね。何でもデジタルで簡単にできてしまう時代だからこそ、伝統的な演奏が求められているということはあると思う。ドラムでもギターでも歌でもさ。だから誰でもDJになれるという状態に対するリアクションだよね。
こういう時代に、技術を習得するために努力した本物のアーティストを観ると、その良さが分かるという。人間がここまでできるんだっていうことに、すごいと思えるんだよ。職人の技が見直されているのには、そういう理由があるんじゃないかと思う。それに加えてジャズはすごくオープンな精神で演奏するもので、ステージ上で相互作用が起こるのを目の当たりにすることができるし、ミュージシャン同士の間でも、ミュージシャンと観客の間でも相互作用が起こるからね。

モーゼス・ボイドのように、シーンのなかにはほかにも複数の個性的で優れたプレイヤーがいますよね。あなたがとくに注目しているひとがいたら教えてください。

GP:ぼくがすごく好きなサラ・タンディ(Sarah Tandy)というピアニストがいるよ。来年あたり出てくると思うから彼女は注目しておいた方がいい。あとは……たくさんいすぎてわからないな。ヴェルス・トリオ(Vels Trio)もすごく好きだよ。それから今だったらスチーム・ダウン(Steam Down)、この人たちがアルバムを作ったら本当に面白いものになると思う。あとフランスでもドイツでも何かが起こりつつあって、ベルギーも色々面白くなってる。DJ Leftoが出した『Jazz Cats』というすごくいいコンピレーションがあって、ベルギー産の曲が20曲くらい入ってるんだ。
それに日本も絶対に期待を裏切らないよね。社長とかToshioもそうだし新世代もそうで、Shuya Okino(沖野修也)といった人たちも、彼らの素晴らしいところは新しい世代をプッシュして応援しているところだよね。だから今のこの動きがどう日本に影響を与えるのか、今後5年くらいがすごく楽しみだし、日本が何かやる時は絶対に面白いからね」

2019年も引き続きこの流れから良い作品がリリースされるものと思います。現在、リリースが決まっているものでいま言えるものを教えて下さい。

GP:ココロコのアルバムが年明けに出る。それは個人的にも楽しみだね。ええと他には……みんな作ってるんだよなあ。〈Brownswood〉からは、ザラ・マクファーレン(Zara Mcfarlane)の新作が出て、あとピート・ビアーズワース(Pete Beardsworth)というピアニストがいて、個人的にものすごく好きなんだ。ヤスミン・レイシー(Yazmin Lacey)も素晴らしいから要注目だよ。ぼくは彼女がいちばん好きなシンガーかもしれない。

(了)

収穫の秋にジャー・シャカ祭り - ele-king

 UKサウンドシステム文化の生きる伝説、ブラック・アトランティックそのもの、ベース・カルチャーの体現者、生きているうちにいちどは体験したいジャー・シャカが今年もやって来ます。南は奄美大島から北は札幌まで、全国6箇所をツアー。毎度お決まりの科白を繰り返そう。ぜひ、体験して欲しい!!!

■JAH SHAKA Japan Tour 2018

—The Music Message!!!—
 激動する2018年!  今年も日本にJAH SHAKA降臨。年に一度のシャカ祭り開催!
 JAH SHAKAの半世紀に渡る伝道的な活動により、世界各地にサウンドシステム・カルチャーが伝播し、レゲエ/ルーツミュージックの発展に貢献してきた。
 ポジティヴなメッセージとスピリチュアルなダブサウンドの真髄を伝え続けている。
 奇跡の初来日から21年、 シャカのライヴ体験は日本でもジャンルの壁を乗り越えて支持を拡張し続けている。
 今年は東京、福岡、名古屋、大阪に加え、熱烈なアプローチを受け奄美大島に初上陸、そして17年振りとなる札幌プレシャスホールの6都市をツアーする。

【JAH SHAKA Japan Tour 2018】

▼11.16(金)奄美大島@ASIVI
SubVibes 5th Anniversary“JAH SHAKA in AMAMI”
OPEN 20:00 / START 21:00
 adv.3,500 yen (1Drink Order) / door.4,000 yen (1Drink Order)
TICKET
INFO : ASIVI (0997-53-2223)
https://www.a-mp.co.jp/index.html

▼11.18(日)福岡 @Stand-Bop
 RED I SOUND PRESENTS “JAH GUIDANCE IN FUKUOKA”
 OPEN / START 22:00~
 3,000yen +1Drink Order
 
▼11.22(木)札幌@Precious Hall
exrail×JAH SHAKA JAPAN TOUR support MAWASHI RECORD
 OPEN / START 23:00~
Special adv.3,500yen adv.4,000yen w/f 4,500yen door.5,000yen

▼11.23(金)東京@UNIT
JAH SHAKA DUB SOUND SYSTEM SESSIONS
 OPEN / START 23:30~
 adv.3,300yen door 3,800yen
TICKET
PIA (0570-02-9999/P-code: 130-029)、LAWSON (L-code: 70793)、
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
RA

▼11.24(土)名古屋@JB'S
JAH SHAKA JAPAN TOUR 2018
 OPEN / START 22:00~
 adv.3,800yen
TICKET:https://l-tike.com/

▼11.25(日)大阪@Creative Center OSAKA
JAH SHAKA OPEN TO LAST
 OPEN 15:00 / START 16:00 Close 21:00
 adv.3,000yen door.3500yen *共に別途1ドリンク代金600円必要
TICKET
ローソンチケット : Lコード 56812
チケットぴあ : Pコード 132316
イープラス
PeaTiXチケット

Total Info : JAH-SHAKA-JAPAN

★JAH SHAKA
 ジャマイカに生まれ、8才で両親とUKに移住。'60年代後半、ラスタファリのスピリチュアルとマーチン・ルーサー・キング、アンジェラ・ディヴィス等、米国の公民権運動のコンシャスに影響を受け、サウンド・システムを開始、各地を巡回する。ズールー王、シャカの名を冠し独自のサウンド・システムを創造、'70年代後半にはCOXSON、FATMANと共にUKの3大サウンド・システムとなる。'80年に自己のジャー・シャカ・レーベルを設立以来『COMMANDMENTS OF DUB』シリーズを始め、数多くのダブ/ルーツ・レゲエ作品を発表、超越的なスタジオ・ワークを継続する。
 30年以上の歴史に培われた独自のサウンドシステムは、大音響で胸を直撃する重低音と聴覚を刺激する高音、更にはサイレンやシンドラムを駆使した音の洪水 !! スピリチュアルな儀式とでも呼ぶべきジャー・シャカ・サウンドシステムは生きる伝説となり、あらゆる音楽ファンからワールドワイドに、熱狂的支持を集めている。heavyweight、dubwise、 steppersなシャカ・サウンドのソースはエクスクルーシヴなダブ・プレート。セレクター/DJ/MC等、サウンド・システムが分業化する中、シャカはオールマイティーに、ひたすら孤高を貫いている。まさに"A WAY OF LIFE "!

Jah Shaka 参考映像:
Jah Shaka - Deliverance & Kingdom Dub (Dub Siren Dance Style)
https://www.youtube.com/watch?v=iKJkblJIaVA

Jah Shaka japan LIVE
https://www.youtube.com/watch?v=CEikFjOcklI

Jah Shaka (RBMA Tokyo 2014 Lecture)
https://www.youtube.com/watch?v=3QNWpnwWgc4

【東京公演】
11/23(金・祝日)代官山UNITでの東京公演は、都内でも有数のクオリティを誇るUNITのシステムに加え、Jah-Lightサウンドシステムを導入、オリジナルスピーカーと楽曲を武器に活動するJah-Lightはセレクターとしても参戦!パワーアップしたJah-Light Sound System+UNIT SOUND SYSTEMでジャー・シャカが理想とするフロアーが音に包まれる空間が創造される。
Roots Rock Reggae, Dubwise!
"LET JAH MUSIC PLAY"

King of Dub
JAH SHAKA
DUB SOUND SYSTEM SESSIONS
- An all night session thru the inspiration of H.I.M.HAILE SELASSIE I -

2018.11.23 (FRI) @ UNIT
feat. JAH SHAKA

Selector: Jah-Light

Jah-Light Sound System +UNIT Sound System

JAH SHAKA SHOP by DUBING!!
Food:ぽんいぺあん

open/start: 23:30 adv.3,300yen door 3,800yen
info.03.5459.8630 UNIT
https://www.unit-tokyo.com

ticket outlets:NOW ON SALE
PIA (0570-02-9999/P-code: 130-029)、LAWSON (L-code: 70793)、
e+ (UNIT携帯サイトから購入できます)
RA

渋谷/Coco-isle (3770-1909)
代官山/UNIT (5459-8630)
下北沢/DISC SHOP ZERO (5432-6129)、
新宿/Dub Store Record Mart (3364-5251)、ORANGE STREET (3365-2027)

……………………………………………………………
info.
▼UNIT
info. 03.5459.8630
UNIT >>> www.unit-tokyo.com
Za HOUSE BLD. 1-34-17 EBISU-NISHI, SHIBUYA-KU, TOKYO

※再入場不可/No re-entry
※20歳未満入場不可。要写真付身分証/Must be 20 or over with Photo ID to enter.
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

★Jah-Light
2002年、自身のスピーカーシステム構築を決意。
そこから約2年半の製作期間を経て、2004年"Real Roots Sound"をテーマに
"Jah-Light Sound System"をスタート。都内を中心に各地にて活動中。
2007年、自身のレーベル"LIGHTNING STUDIO REC."を立ち上げ、
1st Singleとなる"Independent Steppers (12")"をリリース。
2012年、新レーベル"DUB RECORDS"からリリースされた1st 10"singleでは、
A.Mighty Massa / Warriors March、B.Jah-Light / Diffusion "といった
コンビネーションプレスで純国産ルーツを世界に向けて発信。
2014年7月、10周年を迎えるにあたりサウンドシステムの増築と共に、
ニューシングル"Jah-Light / The Wisdom 12" (JL-02)"をリリース。
2015年、"DUB RECORDS"からの2nd 12"single "Indica Stepper(DR-002)"をリリース。
サウンド活動も14年目に突入し、オリジナルスピーカーと楽曲を武器に
"絶対に現場でしか体感できない空間"を目標にさらなる新境地に向けて進行中!

twitter:@jahlightss
FB:@jahlight.s.s
=====================================================================

▼Total info.
https://www.facebook.com/JAH-SHAKA-JAPAN-116346262420022/


DMBQ - ele-king

 今年2月に通算12枚目、じつに13年ぶりとなるアルバム『KEEENLY』を発表し話題をさらったDMBQ。その最新作のアナログ盤がなんと、〈DRAG CITY〉およびその傘下の〈GOD?〉からリリースされることが決定しました。発売は11月16日で、LP2枚組の仕様、ボーナストラックも追加収録されます。来年には〈GOD?〉を主宰するタイ・セガール(彼も今年新作『Freedom's Goblin』を発表)とのUSツアーも決まっているとのこと。
 また、今回のリリースを記念し、2本のライヴが開催されます。11月17日(土)@新代田FEVER、12月24日(月祝)@京都 METRO。ふたたび世界へ向け飛び立たたんとしている彼らの最新ライヴに、ぜひ足をお運びください。

DMBQ、今年2月発表のアルバム『KEEENLY』が米〈DRAG CITY〉 / 〈GOD?〉よりアナログ2枚組LPでリリース。全米及びヨーロッパで発売決定。ボーナストラックも2曲追加。Ty Segall とのツアーも。

2018年2月、13年ぶりとなるニュー・アルバム『KEEENLY』を発表し、その圧倒的轟音とノイズを武器に、ロック・ミュージックの全く新しい切り口を提示することで音楽シーンを震撼させた DMBQ。そのアルバム『KEEENLY』が、アメリカの名門レーベル〈DRAG CITY〉、及びその中に Ty Segall が設立したアナログ・レコード専門レーベル〈GOD?〉より、2枚組LPレコードとなって全世界に向けてリリースされることになった。

きっかけはこの春行われた Ty Segall の日本ツアーでの DMBQ との競演。DMBQ の凄まじい音の存在感とオリジナリティ、そして脅威的なライヴ・パフォーマンスを観て、まずは2週間後から行われるヨーロッパ・ツアーへの帯同を初日のライヴで即オファー。さすがに予定も合わず、さらにはここまで急な調整もつくはずもなく……でこれは断念したものの、ツアー中に『KEEENLY』を聴いた Ty は、本作のアメリカ他海外でのリリースと、アメリカ本国での Ty Segall との合同のツアーはできないか? とツアー中に続けてオファー。当の DMBQ としても、元々本作のリリースを足掛かりに、アメリカ及び諸外国での活動復帰を計画していた事もあり、話はあっという間に決まっていったという。リリースにあたり、〈DRAG CITY〉単体でのリリースも打診されたが、Ty が「絶対に自分が関わっている〈GOD?〉から出したい!」と熱く誘ったこともあり、〈GOD?〉制作・〈DRAG CITY〉販売という豪華さで、2枚組LPとしてめでたくリリースされる運びとなった。また、すでに来年には米国での Ty Segall とのスプリット・ツアーが予定されており、DMBQ の活動は再び海外へと羽ばたいてゆくこととなりそうだ。
 今回のリリースには、アルバム4面目を飾る2曲の新録ボーナス・トラックが追加されている。スプリング・リヴァーブを破壊的に振動させる強靭なベース音にアブストラクトなドラムが絡むへヴィ・ナンバー“When I Was A Fool”と、歪んだオルガンの裂け目から、極上の甘いエコーが香りたつ美麗なインスト・ナンバー“The Cave And The Light”。2曲ともに通常の DMBQ の楽曲とは少し趣を異にしつつも、DMBQ らしいノイズと音響の意匠が際立った、ボーナストラックならではの自由度の高いサウンドが聴ける。

リリースに際し、Ty Segall からコメントが寄せられている。
以下:

“There is no band like DMBQ. They are unique destroyers of sound, and lovers of sonic beauty, existing in the places between. Masters of harsh tone and psychotic rhythm. “Keeenly” is an alien planet type record, evoking images of landscapes and weather patterns found in other galaxies. Purple wind and green fire.”
「DMBQ のようなバンドは他にはない。彼らはハーシュ・トーンと狂気のリズムの名匠として、比類なき音の破壊者、または、音響美の恋人、その両側面の中間に存在する。『KEEENLY』は、紫の風や緑の炎のような、違う銀河系の景色や気候を思い起こさせる地球外型のレコードだ。」

 このリリースを記念して、11月17日(土)新代田 FEVERにて、12月24日(月祝)に京都 METROにて発売記念ライヴを行う。京都 METRO ではアメリカより一時帰国する嶺川貴子が、非常に珍しい本人名義でのライヴで参加。かつてと変わらない歌声と独自の空気感が会場を支配する、嶺川の深遠なライヴも見逃せない。
 来年より再び海外へと活動の場を広げてゆく DMBQ の、現時点での総決算となるライヴ。音響面でもいつも以上の万全の準備をして、堂々のライヴ・パフォーマンスと高圧力なサウンドを披露したいとのこと。DMBQ の今をしっかりと確認しておいてほしい。

DMBQ Album "KEEENLY" Vinyl 2xLP Release Anniversary Show

■11月17日(土)新代田 FEVER
出演:DMBQ, COMPUMA, K.E.I (VOVIVAV, OOO YY)
時間:OPEN 19:00~
チケット:前売¥2,800 当日¥3,300
LAWSON Ticket: L:75943, e+で取り扱い中。
問い合わせ:FEVER 03-6304-7899

■12月24日(月祝)京都 METRO
出演:DMBQ, 嶺川貴子
時間:OPEN 19:00~
チケット:前売¥3,000 当日¥3,500
*期間・枚数限定早割り¥2,500発売予定。詳しくは METRO HP にて。
問い合わせ:METRO 075-752-4765


DMBQ『KEEENLY』
2018年11月16日発売(米国)
発売元:DRAG CITY / GOD?
Catalog/Serial #:GOD#015
日本国内取り扱い:DISK UNION

Yves Tumor - ele-king

野田:取材を申し込んだんだけど、レーベルからインタヴューはやらないって言われてしまって。仕方がないから、日本盤のライナーを書いている木津君と話すことにしたよ。

木津:今回はまったく取材受けつけていないらしいですね。にもかかわらず、〈Warp〉からのデビュー作となった『セーフ・イン・ザ・ハンズ・オブ・ラヴ』はものすごく評価されています。ピッチフォークで現時点の今年最高得点がついているほか、タイニー・ミックス・テープスからガーディアンまで、多くのメディアが絶賛状態。期待が集まっていたとはいえ、ここまでになるとは思っていませんでした。
 念のためイヴ・トゥモアについてあらためて解説を入れておくと、テネシー州出身、マイアミやLAへと移り、現在はイタリア拠点のマルチ奏者ショーン・ボウイのプロジェクトのひとつ。2015年セルフ・リリースのミックステープで一部話題となり、2016年〈PAN〉からリリースされた『サーペント・ミュージック』が評価されます。ele-king vol.20の「ブラック・エレクトロニカ」の項で三田さんがチーノ・アモービ、ボンザイ、ロティック、クラインらとともに紹介していますね。IDM Definitiveの2016年大枠だったり。ショーン・ボウイはいろいろな名義で知られていて、なかでもティームズはそこそこ有名。2012年の『Dxys Xff』は橋元さんがレヴューしていることからもわかるように、チルウェイヴ寄りのサウンドでした。他にもいろいろな名義でいろいろなことをやっていますが、メインのイヴ・トゥモアとしてもミッキー・ブランコ主宰のコンピや〈PAN〉のアンビエントのコンピへの参加、坂本龍一のリミックスに参加など、多岐に渡る活動をしています。
 『セーフ・イン・ザ・ハンズ・オブ・ラヴ』は、海外のレヴューを見るとポップとアヴァンギャルドの境界が完全に融解しているという点で評価されています。アヴァン・ポップの最新形というか、いろいろなジャンルを取りこんでいながら、その発想の自由さに際限がない。実際、新作ではさらに折衷性や展開の意外性を上げながら、ポップに近づくということをやってのけている。

野田:イヴ・トゥモアは際立ってはいるけれど、突然変異というわけではなく、これぞ“当世風”というか、いまの潮流のとして捉えることができるよね。今年出たロティックもそうだし、ガイカもそうだし、クラインもそうだし、エレクトロニック・ミュージック時代における実験とグラム的展開というか。敢えて言えばイヴ・トゥモアはロックですよ。インダストリアル・エレクトロっていうか、今回のアルバムで最初にシングル曲として配信された“Noid”なんかイントロはソフト・セルに近いし、歌はデヴィッド・ボウイ。〈PAN〉から出た前作をあらためて聴いても、ロティックほど破壊的なことをやっているわけじゃなく、“The Feeling When You Walk Away”みたいな歌モノが彼らしさであって、これはオウテカではなく、ジェイムス・ブレイクの側に近い音楽だと思うんだよね。あと、ジャム・シティの影響をすごく感じるんだけど。2015年の『Dream Garden』。

木津:とくに今回のアルバム『セーフ・イン・ザ・ハンズ・オブ・ラヴ』はそうですよね。生ドラムがブレイクビーツを叩いていたりしてバンド感が強く、明確にポップ・ソングを志向したんだと思います。彼、ショーン・ボウイはスロッビング・グリッスルに衝撃を受けて音楽をはじめたらしいのですが、それ以前は世代的な意味でも地理的な意味でもアメリカのオルタナティヴ・ロックを聴いていたらしいんですね。それこそクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジだとか。〈PAN〉からの『サーペント・ミュージック』ではもう少しソウルとか、ブラック・ミュージックの要素が強かったでしょう。それが今回ロックに接近しているのは、もっと体験として遡る必要があったというか……いまジャム・シティと聞いてなるほどと思いましたが、ぼくはやっぱりアルカ以降をすごく感じます。アルカはヴォーカル・トラックでなくてもエモーショナルでしたが、『アルカ』で歌を志向したときにヴェネズエラのフォークに向かった。それと似たようなことが今回のアルバムでは起こっているのかなと。ただ、ロック・サウンド的なものが彼の本質に近いのかはまだわからない感じもあって。別名義のミックステープなんかも含めると、膨大なリリースがあって、音楽性としてはけっこうバラバラですよね。ぼくはイヴ・トゥモアは『サーペント・ミュージック』で知りましたが、ティームズと同一人物だとまったく思わなかった。

野田:8ビートが多いんだよね。あとロック的な雑食性であったり、自己表現というか、やっぱこう、『サーペント・ミュージック』のジャケットのように、自分をさらしているよね。そこはフェイスレスを志向するテクノやIDMとは決定的に違っているわけで。“Honesty”という曲なんかはスタイルで言えばR&Bだし、引き出しはたくさんあるひとだと思うんだよね。決してコア・ファン向けという音楽ではないし、コンセプトは『アルカ』を彷彿させるけど、サウンド的にはもっと聴きやすいじゃない?

木津:そうですね。その、引き出しの多さ=多ジャンルにアクセスできる雑食性のなかで、共通しているのはエモーショナルであることだと思うんです。激情的だと感じる瞬間すらある。で、それがある種の聴きやすさにも繋がっている。まさにジャム・シティ流のインダストリアルR&B“Economy of Freedom”にしても、ブレイクビーツ・ノイズの“Licking An Orchid”にしても、ノイジーなファンク風ヒップホップ“All The Love We Have Now”にしても、とてもエモーショナル。「わたしたちがいま持っている愛のすべて」ですからね(笑)。そういう意味ではティームズもチルウェイヴのチルを食い破る激しさがあったし、昨年出たアンビエント寄りのミックステープ『Experiencing the Deposit of Faith』もアンビエントを破壊しかねない展開があった。それが彼らしさで、それが素直に出た結果が今回の歌ものという感じがします。ところで野田さんが言っているグラムっていうのは、サウンドのことですか? あるいは装飾性のことなのでしょうか。

野田:まず見た目がグラムじゃない。ナルシスティックで、アンドロジニアスな出で立ちでしょ。ロティックもガイカもクラインもそうじゃん。アルカもね。で、そういうアーティストが増えてきたよね。

木津:いまで言うクィアですね。クィアというのも定義が難しいですが、ここではざっくりとジェンダー規範を逸することだとしておきましょうか。他にもソフィー、サーペントウィズフィートと挙げればキリがないくらいですが、じつはIDMってクィア性とこれまであまり結びついてこなかったと思うんです。それがいま増えているのは、ジェンダー・ポリティクスが先鋭化している時流にあって、クィアがエクスペリメンタリズムと関わるようになったというのがぼくの見解です。サーペントウィズフィートが言ってましたが、拡張性ですよね。イヴ・トゥモアはミッキー・ブランコらのクィア・ラップ・シーンから頭角を現したということもあって、ヴィジュアルの打ち出し方なんかにはっきりと表れていますよね。前作のアートワークもそうだし、新作からの“Licking An Orchid”のヴィデオなんかも完全にそう。野田さんはIDMのクィア化についてどう捉えていますか?

野田:ポジティヴに捉えているよ。80年代ならルー・リードが“ワイドルサイドを歩け”で歌ったように、都会に出なければ居場所がなかったろうけど、いまはベッドルームで自己表現できる、たったひとりでもね。ダンスフロア向けである必要もないし、IDM的な方向に行くのは理解できる。あと、ビョークの影響の大きさを感じるね。エモいところなんかとくに。当たり前の話だけど、クィアであるから良い音楽を作れるわけじゃないし、ぼくが現代のグラムっぽい流れでイメージしているのは、クラインやアースイーター、あるいは『ブラッド・ビッチ』を出したノルウェーのジェニー・ハヴァルのような人たちも含めてなんだよ。グラムってそもそも男の子の文化だけど、それがアントニー以降は、ジェンダーを越えて新たに拡張していると言えるのかもね。とはいえ、クィアかどうかというよりも、まずはより普遍的な感情表現としてのエレクトロニック・ミュージック。そしてイヴ・トゥモア。トゥモア=腫瘍。すごい名前だ(笑)。OPNのようにコンセプトで聴かせるタイプじゃないと思うし、IDM系のようにひたすら音を追求するタイプでもないし、チルウェイヴ~ヒプノゴナジック的流れにある現実逃避ポップでもないという、しかしじつはそういう要素もすべて兼ね備えてもいるでしょ。アルバムのなかの1曲に〈NON〉っぽい曲があるじゃない? ”Hope In Suffering (Escaping Oblivion & Overcoming Powerlessness)“という曲だけど、すごいタイトルだよね。「苦しみにおける希望(忘却を逃れてと無力を克服する)」ですよ。今作にもチルウェイヴ~ヒプノゴナジック的なテクスチャーは残っているんだけど、そうした逃避主義をちらつかせながら否定するという。『サーペント・ミュージック』もそうだけど、ドラマティックな展開がこのひとの持ち味で、そこもグラムっぽいんだけど、しかしこれはもう内面のドラマだよね? その内面のドラマの切実さがこのアルバムの魅力なんじゃないでしょうか?

木津:ええ、だから、ノイジーで実験的ですが、それ以上に生々しくてセクシーな音楽ですよね。それも現代的な意味で。『サーペント・ミュージック』=「蛇音楽」と自ら言い当てていますが、雑食的にウネウネと姿を変えるなかで、内面を解放しようという……。このアルバムからぼくは、あらかじめ決められた枠組に対する抵抗をすごく感じます。「こういう感情を表現するにはこのジャンル、このサウンド」といったステレオタイプに対する拒絶。それは奇を衒っているのではなくて、できるだけ感情を純粋な状態でさらけ出そうとしているからこそなんでしょうね。

野田:ぼくはあんまノイジーで実験的な印象はなかったな。シングル曲“Licking An Orchid”なんかメロディがキャッチーだし。個人的にはその“Licking An Orchid”とさっき言った“Noid”が良かった。木津君は?

木津:いや“Hope In Suffering”の後半なんて、90年代のノイズ・ロック みたいじゃないですか。でもポップ・サイドがこのアルバムの魅力であることはたしかで、叙情的な“Lifetime”がぼくはフェイヴァリットです。

野田:“Lifetime”もいいね。そういえば、木津君から薦められて『IT』と『ストレンジャー・シングス』を観たけど、ああいうマッチョになれない疎外された子どもたち、父親に抑圧された女の子、そして80年代的なにおいみたいなものはいま人気があるよね。『IT』ではキュアもかかるしさ。ああいった映画に表現されている時代のゴシックな風ともリンクしているようにも思うんだけど、どうだろう?

木津:ゴスかー、それは言われるまで気づかなかったですが、たしかにアートワークなんかはそうですね。おどろおどろしい感じや不安な感じをスタイリッシュに表現している。

野田:ゴスっぽさって、アンディ・ストットや〈ブラッケスト・エヴァー・ブラック〉が脚光を浴びてから5年以上経っているんだけど、いっときのトレンドとして終わるかと思っていたら、これがなかなか終わらないし、続いているでしょ。流行じゃなく、態度表明みたいになっているよね。

木津:ちなみに『サスペリア』もリメイクされるし、21世紀のエクソシストと言われる『ヘレディタリー』も高評価だし、ホラー映画のニューウェーヴがいま起こっているんですよ。こじつければ、そういうムードともシンクロしているかも……。ただ、マッチョになれない子どもたちというのは本当にそうで、最初におっしゃってたオウテカではなくジェイムス・ブレイクというのもまさにそこですね。

野田:ジェイムス・ブレイクやフランク・オーシャンが好きなひとにこそ聴いて欲しいと思ったんだよね。

木津:ブルーな男の子たちの音楽ですね。歌詞では生きることの不安や愛を切望することを繰り返していて、周りから鬱だと見なされることの葛藤も綴られている。これもいまっぽい。

野田:“Noid”の歌詞なんかは、自分の「PTSD、鬱病」のことを告白しているから、ポップな曲だけどテーマは決して軽くはないよね。ディプレッションというのは現代の音楽において重要なテーマだよ。マーク・フィッシャーだってそこに向き合ったひとだし。ジョイ・ディヴィジョンはいまやヴェルヴェッツ以上に再発見されているバンドになったわけだし……しかし歌詞を読むと、アントニーの『I Am A Bird Now』にも似た、正直な自分の気持ちを露わにすることの凄みのようなものを感じる。

木津:シンプルな言葉で本質的な内容に迫るところは似ていますね。 アルバムでもっともメランコリックな部類の“Recognizing The Enemy”では呪詛にも近い自己嫌悪が唱えられ、続く“All The Love We Have Now”では愛への感謝が告げられます。「わたしは救われた」と。このダイナミズムというか、極端な振れ幅も凄いですよね。どちらも自分の率直な感情なんだという。アメリカ的男らしさの美学では感情をコントロールすることが良しとされますが、これはいわば、古き男らしさとは間逆の音楽。

野田:ルーザーの音楽を積極的に評価しようっていう姿勢は、英米では根強くあるからね。それと、インターネットは現代のパノプティコンだっていう喩えがあるけど、日本ではメンヘラっていう言葉があるように、たとえば“Noid”の歌詞なんかは小馬鹿にしそうな、そういうウツ的なものを蔑む悪意というかシニシズムがあるじゃない? だからこそピッチフォークもこの曲を評価したと思うんだけどね。まあ、抑圧されているのは自分の感情だけじゃなく、消費活動も「フィルタリング」されていて、それこそ性的衝動さえもヘタしたら吸い取られてしまっているかもしれない。あと、愛というものよりも、ほんとうにお金のほうが勝っているかもしれない、とか。そうした時代の暗闇を考えても、このアルバムが評価されるのはわかるな。誰もが木津君のような楽天家になれるわけじゃないんだよ。

木津:ええ、それは気をつけているつもりです(笑)。ただ、ぼくが楽天家を気取っていられるのはどこかに鈍感さがあると思うんです。見たくないものを無意識に見ようとしない、とか……。イヴ・トゥモアの音楽は、それで言うとすべてを見ているというか、自分の内面の暗部から目を逸らさない。そしてドラマティックに表現する。それが奇形的なものになるというのが現代的だけれど、じつはとてもピュアな表現だと思います。その正直さに感動してしまうんですよね。

野田:取材を受けないのも、この音楽にエクスキューズをしたくないんからだろうね。蛇足になるけど、アルバムに参加しているクロアチアン・アモルはデンマークのアーティストで、東京の〈Big Love〉からも作品を出しているね。で、〈PAN〉からもうすぐアルバムを出すPuce Maryっていうデンマークの女性アーティストがいて、『The Drought』っていうそのアルバムも内的葛藤をエレクトロニック・ミュージックで表現しているんだよね。いまや音楽をいかに再利用するのかっていう時代だから、こうした、IDM的アプローチを応用した内省的なアヴァン・ポップはこれからも出てくるだろうね。

Yves Tumor - ele-king

 2018年も10月になった。あと3か月弱で今年も終わってしまうわけだが、あるディケイドにとって「8年め」というのは重要な年といえる。その年代の爛熟期であり、次のディケイドの胎動を感じる年だからだ。68年にリリースされたアルバム、78年にリリースされたアルバム、88年にリリースされたアルバム、98年にリリースされたアルバム、08年にリリースされたアルバムを思い出してほしい。例えばビートルズの『The Beatles』も、イエロー・マジック・オーケストラの『Yellow Magic Orchestra』も、プリンスの『Lovesexy』も、マッシヴ・アタックの『Mezzanine』も、レディオヘッドの『In Rainbows』も「8年目の作品」なのだ。これらのアルバムもその年代の爛熟の結実であり、総括であり、次の時代への鼓動でもあった。
 では2018年はどうか。今年も傑作・重要作は多い。なかでもイヴ・トゥモアの『Safe In The Hands Of Love』には、「時代の総括/次への胎動」をとても強く感じた。孤高の存在であり、しかし時代のモードに触れているという意味ではワンオートリックス・ポイント・ネヴァー『Age Of』と並べて語るべきアルバムかもしれない。ここに「次の音楽/時代」の胎動がある。

 結論を急ぐ前に、まずはイヴ・トゥモアについて基礎情報を確認しておこう。イヴ・トゥモアは、ティームズ『Dxys Xff』(2011)、Bekelé Berhanu『Untitled』(2015)など、いくつもの名義で作品をリリースしていたショーン・ボウイによるプロジェクトである。
 イヴ・トゥモア名義では、まずは2015年に『When Man Fails You』のカセット版を〈Apothecary Compositions〉から発表した(データ版はセルフ・リリース)。
 翌2016年になると、ベルリンのエクスペリメンタル・ミュージック・レーベル〈PAN〉からアルバム『Serpent Music』を送り出し先端的音楽マニアを驚かせた。これまで〈PAN〉ではあまり見られなかったエレガントなアートワークも強烈な印象を残したが、何よりグリッチR&Bインダストリアル音響とでもいうべき端正さと混沌が一体化したようなサウンドが圧倒的だった。天国で鳴っているような甘美なサンプルのループとポリリズミックなリズムとジャンクかつ不穏なコラージュを同時に展開し、先端的音楽の現在地点を示した。じっさい、『Serpent Music』はメディアでも高く評価され、多くの年間ベストにもノミネートもされた。
 その高評価は、2017年、老舗〈Warp〉への移籍に結実する。移籍を記念して(?)、フリー・ダウンロードで『Experiencing The Deposit Of Faith』が配信されたこともリスナーを驚かせた。夢のなかの幻想に堕ちていくようなムードが充満した素晴らしいアルバムで、普通に販売しても遜色のない作品であった。また、〈PAN〉からリリースされたアンビエント・コンピレーション『Mono No Aware』への参加も重要なトピックといえよう。

 2018年は、彼にとって実りの年だ。坂本龍一の『async - Remodels』へのリミックス提供、坂本龍一+デイヴィッド・トゥープなどとともにロンドンで開催された「MODE 2018」への参加などを経て、ついに〈Warp〉からの新作『Safe In The Hands Of Love』がリリースされたのだ。各サブスクリプションでのサプライズ・リリースという話題性も十分だったが、何より2018年という「10年代の爛熟期」に相応しいアルバムに仕上がっていた点が重要である。リリース後、即座に『ピッチフォーク』のレヴューに取り上げられ、高得点を獲得したほどだ。

 では『Safe In The Hands Of Love』は何が新しいのか。私は三つのポイントがあると考える。
 ①トリップホップ、アブストラクト・ヒップホップ、インディ・ロックなどの90年代的なるものの導入。
 ②コペンハーゲンの新世代モダン・ノイズ勢などのゲスト参加。
 ③10年代の「先端的な音楽」の変化への対応。
 まず、①について。先行リリースされた“Noid”や、インディ・ロック的な“Lifetime”などに象徴的だが、ストリングスのサンプリングに、ブレイクビーツ風のビート、90年代インディ・ロック的なヴォーカルの導入など、私は1998年にリリースされたアンクルのファースト・アルバム『Psyence Fiction』を不意に思い出した。『Psyence Fiction』は、DJシャドウなどのアブストラクト・ヒップホップで一世を風靡した〈Mo' Wax〉の首領ジェームス・ラヴェルによるファースト・アルバムである。DJシャドウが共同プロデュースを務め、リチャード・アシュクロフト、マイク・D、トム・ヨークなどオルタナ界のスターたちが参加するなどミッド・ナインティーズの総括とでもいうべき作品だ。

https://www.youtube.com/watch?v=76Op7MtBRSA

 アブストラクト・ヒップホップからインディ・ロックまでを交錯させ、一種のオルタナティヴ音楽の一大絵巻を制作したという意味で『Safe In The Hands Of Love』は、どこか『Psyence Fiction』に通じている。じじつ、トランペットが印象的なイントロダクション・トラック“Faith In Nothing Except In Salvation”からして90年代の〈Mo' Wax〉のようだし、“Honesty”のダークなムードのビート・トラックは、90年代のトリップホップを思い出させるものがあった。

 ここで②について解説に移ろう。本作のゲスト・アーティストについてだ。まず2曲め“Economy Of Freedom”ではコペンハーゲンのクロアチアン・アモルが参加している。彼は〈Posh Isolation〉の主宰ローク・ラーベクであり、Hvide Sejl、Semi Detached Spankers 名義、Body Sculptures、Damien Dubrovnik への参加など〈Posh Isolation〉からリリースされる多くの音源で知られるモダン・エクスペリメンタル・ノイズ・シーンの重要人物である(ローク・ラーベク名義で〈Editions Mego〉からアルバムをリリースしてもいる)。
 さらに、7曲め“Hope In Suffering (Escaping Oblivion & Overcoming Powerlessness)”には、ピュース・マリー(Frederikke Hoffmeier)が参加している点も重要だ。彼女もコペンハーゲンのモダン・ノイズ・アーティストで、アルバムを〈Posh Isolation〉からリリースしている。なかでも2016年の『The Spiral』は優美な傷のようなノイズ・アルバムで、聴き手をノイズ美のなかに引きずり込むような強烈なアルバムだ。そしてピュース・マリーは本年〈PAN〉から新作『The Drought』をリリースしている。
 また、“Lifetime”には、ヴェイパーウェイヴ初期からの重要人物ジェームス・フェラーロがグランドピアノ演奏(!)で参加している点も見逃せない。フェラーロはOPNと同じくらいに10年代の電子音楽を象徴するアーティストだが、近年の沸騰するOPNの人気の影で、真に歴史的人物として再注目を浴びる必要があり、その意味でも極めてクリティカルな人選といえる(まあ、単にファンだったのかもしれないが)。
 ほかにもトリップホップ的な“Licking An Orchid”には〈Dial〉からのリリースで知られるジェイムスKが参加。『Serpent Music』にも参加していたOxhyは、ピュース・マリーやジェイムスKとともに“Hope In Suffering (Escaping Oblivion & Overcoming Powerlessness)”に客演している。
 とはいえ、やはり〈Warp〉からのリリース作品に、あの〈Posh Isolation〉のふたりのアーティストが参加している点に2010年代後半という時代のムードを感じてしまった。いま、「ノイズ」というものがエレクトロニック・ミュージックのなかで大きな役割を果てしているのだ。

 続いて③についてだが、ここまで書けば分かるように、現在の「先端的音楽」は、世界的潮流でもある「90年代」の再導入と、〈Posh Isolation〉ら新世代のノイズ・アーティストによるノイズの導入というネクスト・フェーズを迎えている。「90年代」は、例えばオリヴァー・コーツの新作アルバムに見られるように、テクノ・リヴァイヴァル、IDMリヴァイヴァルへと結実しつつあるわけだが、本作の独創性は、参照する「90年代」がサンプリング、ブレイクビーツ、トリップホップ、90年代的インディ・ロックの大胆な援用である点だ。このアウトぎりぎりのインの感覚は鮮烈ですらある。たとえば、ラスト曲“Let The Lioness In You Flow Freely”などは「超有名曲」のサンプリングのループで終わることからも分かるように、「サンプリングの時代」であった「あの時代」のムードを濃厚に感じるのだ。
 むろん単なるレトロスペクティヴではない。そうではなく、90年代的な「あらゆるものが終わった」という「歴史の終わりの地平」を再生(サンプリング主義)し、そこに新世代の非歴史/時間的なノイズをレイヤーすることで、もう一度、「終わり=90年代」に介入し、「終わり」を蘇生することを試みているように思えてならない。「過去」をハッキングすること。歴史の「外部」から浸食してくるゾンビを蘇生すること。人間以降の世界を夢想すること。

 そう、『Safe In The Hands Of Love』は、ミニマル・ミュージックからノイズ、ヒップホップからインディ・ロックまで、ブレイクビーツからトリップホップなどなどさまざまな音楽を援用・導入しつつ繰り広げられる「死者=歴史の蘇生の儀式」である。自分には、このアルバムは「歴史の終わり」の荒野で繰り広げられるホラー映画のサウンドトラックのように聴こえた。その意味で本作にもアルカ以降、つまり10年代の先端的音楽の隠れ(?)テーゼ「ポストヒューマン的な21世紀の音像=無意識」が鳴り響いている。2018年というディケイドの爛熟期に鳴る音が、ここにある。

Marc Ribot - ele-king

 ケンドリック・ラマーのカリスマティックなステージには痺れたし、ボブ・ディランの静かで豊かなバンド演奏にも嘆息した。だが今年のフジロック、僕がもっとも感動したのはマーク・リーボウのセラミック・ドッグだった。フィールド・オブ・ヘヴンのピースフルなムードを切り裂くように尖ったギター・サウンドの応酬で繰り広げられるポスト・パンキッシュなバンド演奏と、そこに獰猛に交配されるキューバ音楽とフリージャズによる熱さ・冷たさ。弛緩したところがひとつもない、限界までヤスリで砥いだように鋭く美しい音で、一切の躊躇もなく叩きつけられる暴君あるいは愚かな権力者に向けた「Why are you still here?」。ほとんど身がすくむ想いだった。僕はポリティカル・ソングにはユーモアがあったほうがいい、ほとんどふざけるぐらいでちょうどいいと思っている人間だが、そのまっすぐな怒りにはひれ伏すしかなかった。その日は奇しくも、マイノリティに対して差別的な発言をした国会議員に対しての抗議デモが東京でおこなわれていた日で、「なんで、お前は、まだ、ここに、いるんだ?」――その言葉が、そこに届くことを祈らずにはいられなかった。
 ただ圧倒されていると、終盤、ほとんど喋らなかったリーボウが「これはcivil rights movementに捧げられた歌だ」とポツリと言って、それまでとまったく異なるトーンのギターを演奏し始めた。アコースティックな響きのソウル・カヴァー――1966年にレコーディングされた“We'll Never Turn Back”だ。それまで一切なかった甘いメロディがゆっくりとその場を満たしていく。「civil rights movement」だから60年代後半の公民権運動を指す意味でリーボウは使ったのだろうが、僕は最初、勝手に「市民運動に捧げられた歌だ」と解釈してしまった。先述のデモに対していくらか感傷的になっていたせいかもしれない、が、その優しい調べはすべての市民運動に捧げられているように聴こえたのだ。

 『ソングス・オブ・レジスタンス 1942 - 2018』はリーボウが2016年ごろから始めたプロテスト・ソング集のプロジェクトであり、ダイレクトなアンチ・トランプという意味ではセラミック・ドッグの『ワイアーユー・スティル・ヒア?』からの連作である。様々な時代の様々な地域のプロテスト・ソングを蒐集しアレンジし、また、オリジナルの楽曲も並列することでマーク・リーボウ流の現代プロテスト・アルバムとなった。リーボウいわく、「勝利を収めたすべての運動には、歌があった」。
 アルバムはトラディショナルの“We Are Soldiers in the Army”のカヴァーから始まり、フリージャズ的な無調を導入することで紛れもないマーク・リーボウの音楽として立ち上げてしまう。続く“Bella Ciao (Goodbye Beautiful)”はイタリア内戦の際に作られのちに反ファシズムの歌となったフォークロアだが、トム・ウェイツのドスの効いた声が乗ることで一気にアメリカへと空間を超えるようだ。とりわけ面白いのは「ドナルド・トランプ、お前に言ってるんだよ!」の語りのあとに急に軽快なラテンのリズムが入ってくる“Rata de dos Patas”だ。原曲はメキシコの革命家に歌われていたプロテスト・ソングだが、それがアメリカ人俳優のオーヘン・コーネリアスのラップが挿入されることで現代アメリカにも通じるものとして奏で直されるのである……それも、陽気な、踊り出したくなるようなリズムで。ミシェル・ンデゲオチェロが物悲しい歌を聴かせるフォーク・ナンバー“The Militant Ecologist (based on Fischia II Vento)”は、これも元々はイタリアのパルチザンに歌われていたものだが、地球温暖化を食い止めようとする女性の視点にアレンジしたそうだ。過去のレジスタンス――抵抗の記憶を、それはそれは多彩なアンサンブルで、現代の闘いのために召喚するのだ。
 また、かなりソリッドな内容だった『ワイアーユー・スティル・ヒア?』とは異なり、大幅に叙情が入っているのも本作の魅力だ。偽キューバ人たちでの経験を生かしたラテンの風、フォーク、ソウルのエモーションが、リーボウを通過したものとして鳴らされる。サム・アミドンとフェイ・ヴィクターが参加した“How To Walk In Freedom”はストリングスとフルートが美しいフォーク・ナンバーとして始まり、やがてパーカッションの連打によって情熱的なラテン・ダンスへと姿を変えていく。このアルバムには怒りがあるが、怒り以外の感情――悲しみ、慈しみ、優しさ、不屈さ、勇敢さ、それに連帯の喜びといったものが、世界中に散らばった歌たちの助けを借りて表現されている。
 『超プロテスト・ミュージック』を読んだときにも思ったし、最近さることから猛烈な怒りを覚えたときにも痛感したことだが、プロテスト・ソングには怒り以外の感情を掬うこともまた必要なのだろう。怒りを純粋な状態で吐き出したからこそ、リーボウは現在「抵抗」の叙情を鳴らしているのではないか。アルバムのラストは件のソウル・チューン“We'll Never Turn Back”だ。リーボウが本作でもっとも鳴らしたかったのはこの温かさなのだと僕には思える。そこでは虐げられてきた人びとの記憶を慈しむようにギターが余韻たっぷりに響き、柔らかく声が重ねられている。
 「だけど、わたしたちは引き返さない。わたしたちみんなが自由になるまでは。わたしたちが平等を手にするまでは」――。

OTHER MUSIC NYC MEETS DUM-DUM LLP - ele-king

 相変わらずライヴハウス・シーンでは暗躍している高円寺の音楽事務所「DUM-DUM LLP」がNYの伝説的レコードショップ「Other Music」と合同パーティーをやるらしいですよ。
 しかも、スペシャル・ゲストに来日中のヨ・ラ・テンゴがDJ SETでの出演という。日本勢からはimai、Nyantora、トリプルファイヤーの三組が出演します。また、「Other Music」のジェラルドさんもDJやります。
 「DUM-DUM LLP」から送られてきたメールによれば、このイベント「GET TOGETHER」とは、「単なるショーケース・ライヴではありません。ジャンル不問、様々な音楽体験やNYCの音楽シーンを熟知する彼らとダイレクトに情報交換したり音楽談義もできる 100% Openなコミュニケーションの場でもあります」とのことです。
 また、「当日イベントに参加したい日本在住のアーティストも募集しています。もし興味を持ってくれた方がいらっしゃれば、是非下記アドレスからエントリーしてください。よろしくお願いします」(https://prt.red/0/GETTOGETHER-CONTACT)
 だそうです!
 応募しよう!

●公演詳細

Other Music NYC meets DUM-DUM LLP「GET TOGETHER」
2018年10月12日(金)@新代田FEVER
OP/St18:00 (終電まで)

TICKET:前売・当日共通 ¥3000 ( 1D別)
メール予約;ticket1012@fever-popo.com
e+(28日より)https://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002274712P0030001
Peaticx; https://peatix.com/user/1005892/view

LINE UP:
SPECIAL GUEST: YO LA TENGO( DJ SET)
(Another Guy Called) Gerald - Other Music
imai
Nyantora
トリプルファイヤー
問い合わせ;新代田FEVER Tel:03-6304-7899 & https://www.dum-dum.tv/

●アザーミュージックとは?

アザーミュージックは、20年間、NYの音楽シーンの真ん中にいた、ユニークで、
通好みのするレコード屋だった。

1995年にオープンし、いつも発展し続ける、幅広い音楽にアプローチし、インディ、エレクトロニカ、ワールド、ジャズ、ヒップホップ、ダブ、フォーク、サイケデリア、モダンクラシック、アヴァンギャルドなどの、多種多様なジャンルを網羅していた。

ヴンパイア・ウィークエンドからニュートラル・ミルク・ホテル、DJシャドウ、マック・デマルコ、ナショナル、ボーズ・オブ・カナダ、ティナリウェン、ベル・アンド・セバスチャン、コートニー・バーネットまでの、沢山の若いアーティスト、ミュージシャンのキャリアを助け、セルジュ・ゲンズブール、フランソワ・ハルディ、カン、ノイ!、サン・ラ、ニック・ドレイク、ロドリゲス、ベティ・デイヴィスなどの、定番アーティストを、若いファンに対して、知名度をあげる大切な役割を果たした。

また、日本の音楽のチャンピオンで、ボアダムス、坂本慎太郎、ボリス、灰野敬二、DJクラッシュ、アシッド・マザー・テンプル、坂本龍一、コーネリアス、メルツバウ、ピチカート・ファイブ、トクマルシューゴ、ファンタスティック・プラスティック・マシーン、渚にてなどの、パフォーマンスをホストしたり、一緒に仕事をした。
ローリング・ストーン、ビルボード、ピッチフォーク、ニューヨーカー、タイムアウト、ステレオガム、ヴィレッジ・ヴォイス、ガーディアンなどのプレスで、世界の最も良いレコード屋として賞賛された。

2016年に20年の幕を閉じ、次の年にMoMA PA1で、カム・トゥギャザー・レーベル・フェア・アンド・ミュージック・フェスティバルを立ち上げ、世界中から、革新的で、ベストなレコード・レーベルを沢山招待し、レコード屋文化の新しい章を探索している。

For 20 years, Other Music was at the center of the New York City music scene, a unique, taste-making record store in the heart of that vibrant music city. The shop opened in 1995, with a broad and ever-evolving approach to music, embracing diverse sounds including indie, electronica, world, jazz, hip-hop, dub, folk, psychedelia, modern classical, avant-garde, and much more. Other Music helped launch the careers of many young artists, from Vampire Weekend to Neutral Milk Hotel, DJ Shadow, Mac DeMarco, The National, Boards of Canada, Tinariwen, Belle & Sebastian, Courtney Barnett, and many others. The shop also played a major role in raising the profile with young fans of classic artists like Serge Gainsbourg, Francoise Hardy, Can, Neu!, Sun Ra, Nick Drake, Rodriguez, Betty Davis, and others.

Other Music championed many Japanese artists over the years, hosting performances or working closely with Boredoms, Shintaro Sakamoto, Boris, Keiji Haino, DJ Krush, Acid Mothers Temple, Ryuichi Sakamoto, Cornelius, Merzbow, Pizzicato Five, Shugo Tokumaru, Fantastic Plastic Machine, Nagisa Ni Te, and many others.

The shop was lauded as one of the best record stores in the world by press outlets including Rolling Stone, Billboard, Pitchfork, The New Yorker, Time Out NY, Stereogum, The Village Voice, The Guardian, and many others. In 2016, after two decades, Other Music closed its doors. The following year, they launched the Come Together Label Fair and Music Festival, at MoMA PS1, bringing together many of the best and most innovative record labels from around the world, exploring the next phase of record store culture.

https://www.othermusic.com/




Ava Luna @Music hall of Williamsburg


 以前コーネリアスをNYで見たときのオープニング・バンドがAva Lunaだった。そのときはコーネリアスに気を取られて気にしなかったのだが、昨日、彼らの新アルバム『Moon 2』のリリース・ショーに行ったら、キレキレ最高のパフォーマンスに圧倒された。
 2007年結成のブルックリン・バンドは、男女人種混合のソウル、ファンク、R&B、クラウトロック、ポストパンクなどのジャンルをミックスした5人組。メインのヴォーカルが3人(白人女子、ヒスパニック系女子、ラテン系男子)いて、楽器も曲毎に変わり、一曲一曲が全く別の構成になる。3重ハーモニーの美しさは、ダーティ・プロジェクターズを思わせるが、メンバーのフェリシア(ヒスパニック系女子)は、新ダーティ・プロジェクターズのツアー・メンバーでもある。彼らはそれぞれ別のプロジェクトを持ちつつ(Gemma、Jennifer Vanilla、NADINEなど)、ミスター・ツインシスター、スピーディ・オーティズ、フランキー・コスモスなどのプロダクションやアレンジを手伝ったりもしながら、この個性ある彼らが集まると、Ava Lunaになるところが自然なアウトプットなのだろう。
 彼らの良いところは、やり過ぎになりがちをギリギリに抑えている点にある。ハーモニーも良い塩梅を保ち、バランスを大切にしているし、突き出たシアトリカルなパフォーマンスでも、それぞれの役割を徹底して、お互いに出しゃばらない。だから全体を見たときに、きちんと纏まって見える(スタイリッシュな女子2人と、さえない文化系男子3人)。
 ことに歌のうまさとハーモニーには、目を見張るものがある。その風貌からは想像できない(失礼)、メインガイ、カルロスの甘いR&B声を聴いたときは、神様からの贈り物かと思った。昔は、彼が前面に出ていたのだが、現在は女子2人が前に出ていて、彼はあくまでバックを固めている。フェリシアの磁石のような息遣いのする声とグルーヴィな動き、レベッカのエキセントリックな声とコレオグラフィー的な動きが回転し、見ていて全く飽きないのだ。最後にはドラマーがギターを持ち(ドラムは打ち込み)、全員が前に出て演奏する一面もあった。可能性は無限に、アメーバの様な動きをするAva Lunaは、ブルックリンを代表する注目株だ。

 ちなみに、ペンシルベニアのファームキャンプでプレイしていたFleabiteのJadeが、Ava Lunaのサウンドを担当していた。彼女はBowery presentsのショーのサウンドを担当しているので、偶然ではないが(ファームキャンプでもサウンドを担当していた)、こうやって、ブルックリン・コミュニティが築かれていくのだろうと思い、ひと目でAva Lunaの物販だとわからないグッズたち(歌詞のタイトル “Steve Polyester!” のスウェットや、“do you moon?” のタイダイTシャツなど)を見ながら会場を後にした。

https://avaluna.bandcamp.com

https://en.wikipedia.org/wiki/Ava_Luna

https://fleabite69.bandcamp.com

Yoko Sawai
9/8/2018

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