「NotNotFun」と一致するもの

Low - ele-king

 ロックはもはや若い音楽形態ではない。幼少期、不機嫌な十代、反抗的な青年期に中年の危機などを経て、そのパワーの大部分が、サウンド、コード、習慣やダイナミクスなどの馴染み深いものからきている。ロック・ミュージックのエモーショナルなビートは、私たちの中に焼き付けられており、簡単かつ快適に反応してしまうのだ。ロック・ミュージックを聴くことは帰郷することに似ている。

 しかし、ロックのパワーの多くは、驚き、スリル、そして衝撃を与えるなどの能力からもきている。そのため、ロックで経験する親しみやすさは、常に陳腐になりやすいという脅威にさらされてもいる。つまり、ロック・ミュージックのどこかの一角は、常に自己破壊と再構築の過程にあり、自分を見失い、手探りしながら家路を辿り、馴染み深い形に行き着き、思わぬ方法や新鮮な角度から新しい意味を見出しているのだ。

 Lowの2018年のアルバム『Double Negative』では、色々なことがとりあげられていたと思うが、そのひとつが、ロック・ミュージックがそれ自身を見失い、壊されていくということだった。かつての、穏やかで死者を悼むかのような哀愁のメロディやハーモニーは、デジタル・ディストーションの猛吹雪の中で聴かれようともがき、ヴォーカルは遠く不明瞭で、焦点からずれたり、消えたりしながら、曲たちはひとつにまとまろうとしつつ、その形は絶えずカオスの中に溶け込んでいった。

 その歪んだパレットが『Hey What』の出発点となり、オープニング・トラックの“White Horses”が不快な紙やすりのような唸りで幕を開けるが、ディストーションはすぐに短い、鋭く突くパーカッシヴな音に転換し、くっきりとしたクリアなハーモニーで、「Still, white horses takes us home(それでも、白馬が私たちを家に連れ帰ってくれる)”」と宣言する。『Double Negative』ではまとまりにくかった曲たちが『Hey What』では確実にノイズとディストーションの統制がとれており、それらを大胆でパワフルなアレンジの武器として配備しているのだ。

 Lowはこれまでにも、2002年の『Trust』の控えめなゴシック・グランジから〈サブ・ポップ〉からのデビュー盤となった激しく意気揚々としたロックの『The Great Destroyer』への移行のように、似たようなサイクルを繰り返してきた。これらのアルバムでは、ほとんどギター・ロックという馴染み深いパレットの枠組みのなかで操作されてきたが、2021年のLowは、楽器のサウンドの原形をとどめないほど、歪ませながらも、馴染みのロック風の結末のためにこれを利用している。SIDE Aは7分に及ぶ “Hey” で締めくくられるが、ここでは、脈打つ海底のノイズの壁が、反復する単一のヴォーカル・フックを包み込み、金目当ての制作者の手にかかれば、アメリカのティーンエイジャーのドラマのモンタージュのサウンドトラックとしても使えるようなものになっていたかもしれない。
 SIDE Bは“Days Like These”のヴォーカルのハーモニーとシンプルなオルガンではじまり、いまでは馴染みとなったノイズが打ち付けると、腹のなかで雷が鳴り響き、拳を振りあげる勢いで着地する。ほとんど安っぽくきこえてしまうが、それはやむを得ない。ロックの動きだからだ──観客は、イントロが始まると、銃を構えたロックンロール・バンドのギタリストがリフを繰り出すためにステージ上をうろつくのを待っている。Lowはその期待に応え、ロックのショーマンとして、正確にタイミングを計っているのだ。“More”ではそれがさらに顕著となり、いまではデュオとなった彼らの、ねじれた機材を通じてスコールのように合成される歪んだリフで聴衆に襲いかかる。

 『Double Negative』は、よくトランプ時代に渦巻くカオスとアメリカの国境を遥かに超えて広がる、すべてが崩壊していく無力感を表現しているといわれた。そのような破壊的な力に直面しても美しい何かを守り抜こうと苦闘する彼らの遠方の声には慰めがあり、『Hey What』はある意味、次のステップのように感じられる。ある種の解放感やカオス、敗れたというよりも利用されたこと、そして再びコントロールする能力を取り戻すという感覚だ。それをポジティヴととらえるのは、あまりにも単純すぎる──暗闇、悲しさ、絶望、不確かさに喪失感が歌詞に深く通底しており、音楽のもっとも鋭利な部分をもすり切れさせている──だが、少なくとも、馴染み深いロックのパワーが、未知で混乱した、刺激的な方向から新たに形作られていることがわかり、少し希望が持てるような気分になる。

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Rock is no longer a young musical form. It has been through its childhood, stroppy teenage years, rebellious youth and midlife crisis, and a major part of its power comes from familiarity — of its sounds, chords, conventions and dynamics. The emotional beats of rock music are baked into us and we respond easily, comfortably to its manipulations. Listening to rock music is like coming home.

But a lot of rock’s power also comes from its ability to startle, thrill and electrify — experiences that rock’s ever-present familiarity always threatens to undermine in the form of cliché. This means that some corner of rock music is always in the process of destroying itself and reconstructing, losing itself and feeling its way back home, reaching those familiar shapes in unexpected ways or from fresh angles, giving them new meanings.

Low’s 2018 album Double Negative was probably about many things, but one thing it was about was rock music losing itself, being broken down. Melodies and harmonies that would have been gentle and mournful in the past here struggled to be heard amid blizzards of digital distortion, vocals distant and indistinct, fading in and out of focus as the songs struggled to hold themselves together, their forms constantly dissolving in the chaos.

That distorted palette is the jumping off point for Hey What, with opening track White Horses kicking the album off with a harsh sonic sandpaper growl, but the distortion quickly resolves itself into short, sharp, percussive stabs, the vocals kicking in in crisp, clear harmonies declaring “Still, white horses take us home”. Where the songs on Double Negative fought to hold themselves together, Hey What has a much more assured rein on the noise and distortion, deploying them as weapons in the service of bold, powerful arrangements.

Low have been through similar cycles before, with the transition from the subdued gothic grunge of 2002’s Trust to the explosive rock swagger of their Sub Pop debut The Great Destroyer. Where those albums operated mostly within the familiar palette of guitar rock, the Low of 2021 have twisted the sounds of their instruments out of all recognition, but they are still using it to recognisable and familiar rock ends. Side A closes on the seven-minute Hey, which wraps its pulsing wall of submarine noise around a single, repeated vocal hook that in more mercenary production hands could have soundtracked a sentimental montage sequence in an American teen drama. The second side then kicks off with the vocal harmonies and simple organ of Days Like These, and when the now-familiar noise storm finally hits, it lands with a thunder rumble in the gut and a fist-in-the-air rush. It feels almost cheesy, but that’s because it is: it’s a rock move — the audience knows it’s coming, like watching the gunslinger guitarist of a rock’n’roll band prowling the stage as an intro builds, waiting for him to drop the riff. Low play with these expectations, timing the moment of release with rock showmen’s precision. They’re even more explicit on More, assaulting the listener with gnarled riffs delivered through the synthetic squall of the now-duo’s twisted machinery.

Double Negative was often described as articulating the spiralling chaos of the Trump era and the broad sense extending far beyond America’s borders of feeling powerless as everything falls apart. There was comfort in those distant voices struggling to hold together something beautiful in the face of destructive forces, and Hey What feels in a way like a next step: a sense of release and of the chaos, if not defeated, rather harnessed, a sense of control regained. To describe it as positive would be an oversimplification — darkness, sadness, desperation, uncertainty and loss run deep through the lyrics and still fray even the music’s most confident edges — but it feels at least a little hopeful, finding the familiar power of rock shapes anew from a strange, disorientating and stimulating direction.

グソクムズ - ele-king

 いま少しずつ注目を集めているバンドがいる。吉祥寺を拠点に活動する彼らの名はグソクムズ。たなかえいぞを(Vo, Gt)、加藤祐樹(Gt)、堀部祐介(Ba)、中島雄士(Dr)からなる4ピースのバンドだ。はっぴいえんどや高田渡、シュガーベイブなどの音楽から影響を受けているという。
 結成は2014年。これまでに『グソクムズ的』(2016)、『グソクムズ風』(2018)、「グソクムズ系」(2019)などのミニ・アルバムやEPを発表、昨年は「夢が覚めたなら」「夏の知らせ」「冬のささやき」と立て続けにシングルを送り出し、この夏に配信で発表した「すべからく通り雨」がラジオなどで話題を呼んだ。
 そしてこのたび、その爽やかな曲「すべからく通り雨」が限定7インチ・シングルとして11月10日(水)にリリースされる。店舗限定とのことで、取り扱い店は下記をチェック。

"ネオ風街"と称される東京・吉祥寺の新星"グソクムズ”が、心の中をブリーズが通り抜けるような爽快感が心地良い激キラー曲「すべからく通り雨」を超限定7インチシングルにてリリース! ミュージックビデオも公開!

"ネオ風街"と称される東京・吉祥寺の4人組バンド"グソクムズ”。POPEYEの音楽特集への掲載やTBSラジオで冠番組を担当するなど、幅広い層からの注目を集める中、心の中をブリーズが通り抜けるような爽快感が心地良い激キラー曲「すべからく通り雨」の超限定7インチシングルを11/10(水)にリリースします。

印象的なジャケットはカネコアヤノ『よすが』のアーティスト写真/ジャケット写真で注目を集める小財美香子が担当。また本作のリリースに伴い松永良平(リズム&ペンシル)からのコメントが到着。

併せてNOT WONKやHomecomingsの作品等で知られる佐藤祐紀が監督を務めるミュージックビデオを公開します。

・グソクムズ - すべからく通り雨 (Official Music Video)
https://youtu.be/TE-rqPUvyuM

通り雨の街で

 傘がない、と50年くらい前に誰かが歌っていたけれど、今は雨がちょっとでも降ってきたらみんな傘をひらく。それも大きなビニール傘。いつ頃からだろう、自分だけはぜったい濡れたくないという気持ちが強くなりすぎて、傘だけどんどんデカくなる。相合傘道行き、と歌っていた人もいたっけ、やっぱり半世紀くらい前。あの愛すべきロマンチックな憂鬱はとっくに消え失せたのかも。
 すべからく、通り雨。グソクムズは2021年にそう歌う。いまどきの雨だから、きっとその雨は大雨だ。1時間に100ミリ超え。記録的短時間大雨情報。だから駆け出す。雨は手のひらにいっぱい。つつがなく通り過ぎ、さした夕日が憎たらしいね、と彼らは歌を続ける。
 ずぶ濡れの耳にも、雨に追われて息も切れるほど走ったあとでも、確かに届く街角の音を、グソクムズがやっている。雨宿りしている目の前を、情けない叫び声を上げながらこの曲が全力で駆け抜けていくのが見えた。音楽が、絵に描いたような街の景色じゃなく、彼らが生きてる現代の武蔵野の街そのままを一緒に連れてくるのを感じた。
 彼らのバンド・サウンドを、古さや新しさで測るつもりはない。通り雨に打たれたことがある者なら、髪から滴るしずくや水溜りの反射に映る汚れた街が美しく見える瞬間をご褒美に感じたことがあるだろう。その感覚は、今も昔も変わらないはず。そして、グソクムズの音楽は、直感的にその本質をつかんでいると思う。

──松永良平(リズム&ペンシル)

またパワープレイにも続々と決定しています。
2021年、快進撃を続けるグソクムズをお見逃しなく。

[パワープレイ情報]
グソクムズ「すべからく通り雨」
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・NACK5 11月度前期パワープレイ
https://www.nack5.co.jp/power-play
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・AIR-G'エフエム北海道「11月度POWER PLAY」
https://www.air-g.co.jp/powerplay/
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・α-STATION「11月HELLO!KYOTO POWER MUSIC」
https://fm-kyoto.jp/info_cat/power-play/
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・エフエム滋賀 「キャッチ!」11月マンスリーレコメンドソング
https://www.e-radio.co.jp/
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・J-WAVE (81.3FM)「SONAR TRAX」
期間:2021/8/1~8/15
https://www.j-wave.co.jp/special/sonartrax/
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・TBSラジオ「今週の推薦曲」
期間:7/26~8/1
https://www.tbsradio.jp/radion/
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[商品情報]
アーティスト:グソクムズ
タイトル:すべからく通り雨
レーベル:P-VINE
品番:P7-6290
フォーマット:7インチシングル
価格:¥990(税込)(税抜:¥900)
発売日:2021年11月10日(水)

■トラックリスト
A. すべからく通り雨
B. 泡沫の音

■取扱店舗
タワーレコード:渋谷店 / 新宿店 / 吉祥寺店 / 梅田大阪マルビル店 / オンライン
HMV:HMV record shop 渋谷 / HMV&BOOKS online
ディスクユニオン
FLAKE RECORDS
JET SET

[プロフィール]
グソクムズ:
東京・吉祥寺を中心に活動し、"ネオ風街"と称される4人組バンド。はっぴいえんどを始め、高田渡やシュガーベイブなどから色濃く影響を受けている。
『POPEYE』2019年11月号の音楽特集にて紹介され、2020年8月にはTBSラジオにて冠番組『グソクムズのベリハピラジオ』が放送された。
2014年にたなかえいぞを(Vo/Gt)と加藤祐樹(Gt)のフォークユニットとして結成。2016年に堀部祐介(Ba)が、2018年に中島雄士(Dr)が加入し、現在の体制となる。
2020年に入ると精力的に配信シングルのリリースを続け、2021年7月に「すべからく通り雨」を配信リリースすると、J-WAVE「SONAR TRAX」やTBSラジオ「今週の推薦曲」に選出され話題を呼ぶ。その「すべからく通り雨」を11月10日に7inchにて発売することが決定した。
HP:https://www.gusokumuzu.com/
Twitter:https://twitter.com/gusokumuzu
Instagram:https://www.instagram.com/gusokumuzu/

 かねてより評判の韓国はソウル出身のアーティスト、イ・ランのニュー・アルバム『オオカミが現れた』がCDとしてリリースされる。透明感のあるアコースティックな響きと彼女の叙情感のある歌の魅力が洗練されたアレンジによって際だっている力作で、音楽にはドゥーワップや童謡めいたメロディ、バラード、フォーク・ロックなどなど、いろんなものが混ざっている。すでに配信では発表されていたが、この度は〈スウィート・ドリームス・プレス〉が細部にまでこだわったアートワークと40PブックレットをもってCDリリースする。文筆家としても『悲しくてかっこいい人』(リトルモア刊)が人気のイ・ランだけに、しっかりとした対訳があるのは嬉しい限り。注目しましょう。発売は11月15日です。


イ・ラン(이랑))
オオカミが現れた(늑대가 나타났다)

スウィート・ドリームス・プレス
ライナーノーツ:中村佑子
歌詞対訳:清水博之(雨乃日珈琲店)
40pブックレット付き
※11月15日発売


イ・ラン(이랑):韓国ソウル生まれのマルチ・アーティスト。2012年にファースト・アルバム 『ヨンヨンスン』を、2016年に第14回韓国大衆音楽賞最優秀フォーク楽曲賞を受賞したセカン ド・アルバム『神様ごっこ』をリリースして大きな注目を浴びる。その他、柴田聡子との共作盤 『ランナウェイ』、ライブ・アルバム『クロミョン~Lang Lee Live in Tokyo 2018~』などを発 表。さらに、エッセイ集『悲しくてかっこいい人』(2018)や『話し足りなかった日』(2021)、コ ミック『私が30代になった』(2019)、短編小説集『アヒル命名会議』(2020)を本邦でも上梓しその真摯で嘘のない言葉やフレンドリーな姿勢=思考が共感を呼んでいる。

FNCY - ele-king

 いまやヒップホップに限らず、フィーチャリングやコラボレーションという手法はクリエイティヴィティの幅やファン層を広げるための常套手段となっているが、そうやって共演からはじまったアーティスト同士の関係がその後、グループ、あるいはユニットへと発展していくケースも少なくない。ZEN-LA-ROCK、G.RINA、鎮座DOPENESS からなるユニット、FNCY(ファンシー)も元々はソロ・アーティストして活動していた彼らが、お互いの作品で共演したことをきっかけに結成されたわけだが、3人のスタイルやバックグラウンドは全く異なる。強い個性を放つ3人が結びついたことによる高い総合力とそれぞれの絶妙なバランス感は、通常のヒップホップ・グループが容易には到達することはできない域にいる。

 2019年にリリースされた FNCY の1st 『FNCY』から約2年ぶりのリリースとなる 2nd アルバム『FNCY BY FNCY』。昨年リリースされた「TOKYO LUV EP」の楽曲も本作には収録されているが、ヒップホップを下地にしながらブギー/ファンク、ニュージャック・スウィングといった前作の流れを踏襲しつつ、さらに音楽的な広がりを描いている。例えば “THE NIGHT IS YOUNG” でのダンスホール・レゲエ、“COSMO” でのベース・ミュージック、“REP ME” でのヒップハウスといった音楽的要素は個々のメンバーの過去の流れとも見事にマッチしているし、そこに3人の声が乗ることでその魅力は倍増している。本作にプロデューサーとしてトラックを提供しているのはメンバーの中では G.RINA だけであるが(他には grooveman Spot、BTB特効、オランダの Jengi がプロデューサーとして参加)、実は3人ともがDJとしても活躍しており、これだけ幅広いスタイルを打ち出しながらも、FNCYとして見事にひとつにまとまっているのは、DJとしての彼らの柔軟かつ優れたセンスに寄る部分も大きいだろう。

 リリックに関しては、やはりこの時期に作られたということもあり、“FU-TSU-U(NEW NORMAL)” のようにコロナ禍だからこそのメッセージを強く感じる箇所は多い。しかし、そこは決して悲観的にならずに、前を向いてパーティを続けていくという彼らの強い意志が感じられ、コロナが落ち着いてきたいまの状況にも実にしっくりと響いてくる。そして、ヴォーカリストという観点でいうと、本作の肝(きも)は鎮座DOPENESS の歌と G.RINA のラップだ。もちろん前作でも披露されていた要素であるが、ラッパーである鎮座DOPENESS はより自由にメロディを奏で、シンガーである G.RINA は自身が元来ラッパーではないことをプラスに置き換えながら彼女ならではのフロウを聞かせる。ラップと歌の融合なんていまどき珍しいことではないが、個人的な好みで言わせてもらえば FNCY はそのトップレベルにあると思う。
 ちなみに本作収録の “COSMO” にゆるふわギャング、“あなたになりたい” に YOU THE ROCK★をそれぞれフィーチャした「COSMOになりたいRemix EP」も素晴らしい内容なので、こちらも合わせてぜひ!

butaji - ele-king

急げ 急げ
社会が変わる 世界が変わる
(“中央線”)

大人しく黙っていても
事態は好転しないでしょう
(“acception”)

 きっかけはシングル “中央線” だったと思う。butaji という魅力的な声を持ったシンガーソングライターが、より明確に自分と社会との関わりを歌いはじめたのは。いや、それを言うなら、前作『告白』では一橋大学のアウティング事件がきっかけとなって生まれた “秘匿” があったわけだし、自身の作品に正直であるためにバイセクシュアルであることをカミングアウトした(社会に対して自分が少数派であることを表明した)彼は、もともと自分の内面だけでなく社会へのまなざしを表現にこめたいタイプだったのだろう。その態度が “中央線” 以降より能動的になり、アルバム『RIGHT TIME』においてはっきりと核になっている。そもそもセクシュアル・マイノリティであることを表明し、そのことを表現の重要な一部にしているミュージシャンが少ない日本において、ゲイである僕がやや過剰に肩入れしている部分はあるのかもしれないが、彼の属性にかかわらず外の世界と積極的に関わろうとするそのあり方は本作の魅力にちがいない。
 七尾旅人ベックからの影響を語るいっぽうで、槇原敬之──マイノリティである自己をポップスに忍ばせてきたシンガソングライター──への敬愛をたびたび露にしてきた butaji はまた、おもにプロダクション面において海外のオルタナティヴR&Bの動きを横目で見つつ、J-POP にも通じる歌謡性を隠してこなかったひとでもある。はっきりとキャッチーなメロディがその歌の中心にあり、色気のある歌唱で聴き手を引きこむシンガーだ。だからこそこれまでの作品でも歌を軸にして多岐にわたるアレンジを見せてきただが、本作ではいっそうあっけらかんとサウンドを多様にしている。弾き語りのフォーク・ソングをベースにした “中央線” のような曲と、R&Bを意識したエレクトロニック・ポップの “acception” のような曲が変わらず butaji の音楽の二大ベースだと思うが、たとえばストレートなロック・チューン “友人へ” にはこんな引き出しもあったのかと驚かされる。また、その演奏とアレンジにおいて、多くのゲストという名の「他者」が参加していることもポイントだ。
 気鋭のシンガーソングライター壱タカシ(彼もゲイであることをカミングアウトしている)が清潔な響きのピアノを弾く “calling” からはじまり、『RIGHT TIME』には多くの人間が登場する。それはここ数年で butaji が人脈を広げたということ以上に、自分の感情や内面を他者に預け、共有せんとする態度のように僕には思える。たとえば tofubeats がリミックスを担当しシングル・ヴァージョンよりアッパーにビルドアップされた “free me” は、フロアで誰かといっしょに踊りたくなるダンス・トラックとしてアルバムに収録されている。「I wanted to be free」と吐露されるこの曲は自己のアイデンティティへの問いを含みつつ、その言葉がディスコ・ビートとともに高らかに解放されるとき、一種のクィア・アンセムとして聴くこともできる……偶然フロアで出会ったひとたちが、視線を交わしつつ踊るための曲だ。あるいはコーラスの洒脱なアレンジが心地いい STUTS との共作 “YOU NEVER KNOW” や “I’m here” などは再興するシティ・ポップの変奏と言えるかもしれないが、butaji のポップスはいま、都市に限らない「社会」に生きる人びとを包摂しようとしているのではないか。個人の内省がメロウなものとして現れてきたこれまでの作品よりも、『RIGHT TIME』はたしかに外界に向けて開放的に鳴らされている。それは多くのミュージシャンたちが生き生きとそれぞれの音を出しているからだ。
 その意味で、折坂悠太との共作曲 “トーチ” の butaji ヴァージョンが本作のハイライトだろう(同曲は折坂悠太『心理』に彼のヴァージョンが収録されている)。石橋英子が共同プロデュースでジム・オルークがミックスを担当しているこの雄大なフォーク・ソングの、アコースティックの鳴りはきめ細かくてまろやかだ。温かくもある。曲の後半でバンド・アンサンブルが高みまで登りつめるとき、そこにはたしかに複数の人間のエネルギーの交感がある。「私だけだ/この街で こんな思いをしてる奴は」と歌われるこの曲は都市の孤独の風景を描きつつも、少なくとも音の上で、感情は「私だけ」のものではない。

 たとえば社会との接点をなるべく隠すように君と僕の歌に終始し、その抽象性から「普遍的」と言われる J-POP がそのじつ異性愛を前提としていることはよくある。「普遍」から無意識に落とされる者たちもいるのだ。
 butaji が高音から低音までを大胆に行き来しながら歌う愛の歌は、「わたし」「あなた」「僕」「君」「お前」と人称を広げて多様な関係性を示唆する。それは自身のマイノリティとしての経験を含みながら多様な人びとが暮らす場所としての社会を映そうとしているからで、『RIGHT TIME』では何度か時代の混乱に言及しつつも、最終的には雑多な他者のなかで生きる喜びがそれを凌駕する。butaji はいま、強いメロディと多彩なアレンジメントで日本のポップスの可能性を広げようとしている。「急げ 急げ/僕らも変わる/僕らも変わっていく」と彼が懸命に歌えば、この窮屈な社会を変えるのは他でもないわたしたちだという気持ちになれる。

MONJU - ele-king

 紙版エレキング夏号で ISSUGI は力強く語っている。「今年、EPは絶対に出ます。それは書いてもらって大丈夫です(笑)」と。7月末にリリースされた DJ SHOE とのミックス作品には、MONJU としての新曲 “In The City” が収録されていた。これは本当に来るかもしれない──そう期待していたファンの皆さま、お待たせしました。
 心願成就。ISSUGI、仙人掌、Mr.PUGからなるトリオ=MONJU の新作EP「Proof Of Magnetic Field」が12月2日に〈Dogear〉よりリリースされる。まとまった MONJU の作品としては、2008年の「Black de.ep」以来、約13年半ぶりの新作だ。
 また、〈Dogear〉は今年で設立15周年を迎える。それを祝し、11月23日に渋谷 clubasia にてアニヴァーサリー・イヴェントが開催。MONJU によるロングセットのライヴが予定されており、「Proof Of Magnetic Field」収録曲も披露されるようだ。
 MONJU の新作EPにイヴェント、これはどちらも見逃せない。

[11月23日追記]
 いよいよ来週リリースとなる MONJU の新作EP「Proof Of Magnetic Field」から、“Ear to street” のMVが公開された。監督は仙人掌や BES & ISSUGI などの作品を手掛ける映像クリエイターの KENTARO FUJIWARA。コロナによって都市に浮上した音=スケートボードの走行音が入っているところにもシビれます。なお、本日開催の〈DOGEAR〉主催イヴェントでは新作EPのCDが先行発売されるとのこと。すでに前売券は完売、当日券の発売予定もないようだが、行ける方はぜひチェックを。

[12月3日追記]
 ついにリリースされた「Proof Of Magnetic Field」、同作の完全限定生産のカセットも予約がはじまっている。P-VINE SHOPのみでの販売、ひとり2本までとのことなので、ご予約はお早めに。

* MONJU『Proof Of Magnetic Field』CASSETTE ご予約ページ
https://anywherestore.p-vine.jp/products/pctder-001

MONJUが約13年半ぶりの新作EP『Proof Of Magnetic Field』をリリース。
11/23にはDOGEAR RECORDS主催イベントを開催、ロングセットのライブを披露。

東京を中心に活動するISSUGI、仙人掌、Mr.PUGのユニット、MONJUが最新EP『Proof Of Magnetic Field』を12月2日(木)に〈DOGEAR RECORDS〉からリリースする。MONJUがグループとしての新作を発表するのは2008年に発表したセカンドEP『Black de.ep』以来、約13年半ぶりのことだ。

グループやソロでのライブはもちろんのこと、作品リリースや客演参加、ボーダーレスなコラボレーションなどを通じて、シーンに存在感を示してきたMONJUのメンバーたち。途切れることなく活動を続け、世に放ってきた名作は数知れず。

MONJUとしては2019年11月にデジタル・シングル "INCREDIBLE" をサプライズ・リリース。同時に『Black de.ep』を約11年ぶりにリマスターしたEP『Black De.Ep RE:MASTERED』を発表した。今年2月にはKOJOEと手を組んだ “WARnin' Pt.2” をリリース、7月にはISSUGI & DJ SHOEのミックスアルバム『Both Banks』に新曲 “In The City” が収録された。

ユニットとしての活動を加速させてきたMONJUの最新作は客演ナシ、16FLIPのプロデュースによる8曲が揃う。16FLIPがアップデートを重ねてきた新たな音像のなかで、鋭く、鮮烈に言葉を焼き付ける28分のEPが完成した。CD/デジタルに合わせ、ピクチャー・ヴァイナル仕様/完全限定プレスのアナログ盤と完全限定生産のカセットテープ(P-VINE SHOPのみでの販売)も発売予定だ。

またMONJUが支柱となる〈DOGEAR RECORDS〉設立15周年を記念したイベントが11月23日(火・祝)に渋谷clubasiaで開催。MONJUがロングセットでライブし、『Proof Of Magnetic Field』収録曲も披露する予定とのこと。ほか、近年リリースを続けているYAHIKO&AIWABEATZがライブを披露、BudaMunk、DJ SHOE、ChangyuuらがDJとして登場する。

ISSUGI、仙人掌、Mr.PUGはもちろんのこと、BES & ISSUGIやKID FRESINO、BudaMunk、ILLNANDES & ENDRUN、Aru-2、CRAMらの作品をコンスタントに発表してきたレーベルの音楽をぜひ体感してほしい。

[商品情報]
アーティスト:MONJU
タイトル:Proof Of Magnetic Field
レーベル:P-VINE, Inc. / Dogear Records
発売日:
CD / 2021年12月2日(木)
LP / 2022年3月2日(水)
仕様:
CD / LP(ピクチャー・ヴァイナル仕様/完全限定生産) / デジタル
品番:
CD / PCD-20441
LP / PLP-7772
定価:
CD / 2.200円(税抜2.000円)
LP / 3.740円(税抜3.400円)

[TRACKLIST]
1. Report back
2. In the night
3. ANNA(step in black pt.5)
4. Ear to street
5. beats
6. 13 DEALS
7. And to the…
8. Incredible

all Produced by 16FLIP

[イベント情報]
DOGEAR RECORDS presents..
MONJU"Proof Of Magnetic Field" RELEASE LIVE LIMITED 200
80minutes Of Kill

11/23 (Tue) at CLUB asia
open: 17:00
Advance Ticket: ¥3500+1D / Door: ¥4500+1D

RELEASE LIVE: MONJU
LIVE: YAHIKO & AIWABEATZ
DJ: Budamunk, DJ Shoe & Changyuu

【チケット販売に関して】
10/28 18時よりzaikoにてデジタルチケットの販売を開始しております。
https://cultureofasia.zaiko.io/buy/1rwL:icU:5efd3

通常のチケット販売に関しては11/1(月)より下記の3店舗にて販売致します。
[JAZZY SPORT]
〒153-0053 東京都目黒区五本木3丁目17−7
[TRASMUNDO]
〒156-0044 東京都世田谷区赤堤4丁目46−6 香松ビル
[TREES SHOP]
https://7tree.shop/

【感染症対策】
新型コロナウイルス感染症対策として、マスクの着用の義務化、及び入場の際に検温をさせて頂きます。
ご理解とご協力のほど、お願い申し上げます。

D.A.N. - ele-king

 早々と振り返ってみると今年は一段と歌詞のない音楽を聴いている。なぜかはまだ整理できていないけれど、そういう気分だった。世の中に物申すエネルギーを音楽ないし歌詞に込めることは大いに結構だと思うし、ときにそんなロック・スターかのような態度も好きではあるのだが、他方では、年々そういう音楽が少しずつ窮屈だな、と思うようにもなってきている。そんなことを言ったら、もはや「音楽に向いてない」とでも指摘されそうだが、そうなのだから仕方ない。しかしかといって、僕は四六時中アンビエントやニューエイジだけを聴いている変わり者ではないし、言葉を持たないハウスやテクノなどの音楽は大好きだが、それでもずっと聴いていればさすがに疲れてしまうのだ。ああ、困った。

 しかし、そんな気分において、D.A.N.のサード・アルバム『No Moon』を自宅のスピーカーから流したとき、これは僕の心を満たしてくれる数少ない作品だと、半ば確信めいた気持ちにさせられてしまった。「ジャパニーズ・ミニマル・メロウ」を標榜しているこの3人組は、日本語で歌うことに明確にこだわるが、そこに僕を強迫的な気持ちにさせる強い言葉はないように見えるし、あくまで歌詞は全体のサウンドスケープを織りなすひとつとして、その他さまざまな具体音と一緒くたの波となって、僕の耳に届く。ちなみに「ジャパニーズ・ミニマル」は、オウガ・ユー・アスホールが自らを表すフレーズとして先立って使った表現であり、そこにD.A.N.は、「メロウ」を付することで自らのオリジナリティを表現したそうだが、確かにメロウという感覚に彼らの唯一無二性があるように思える。「俺の言葉を聴け」と映画の主人公然とした態度は取らない。それはドライやクールと取れるかもしれないが、しかし他方で、彼らの音楽から熱気あふれる高揚感やエネルギーは確実に感じる。ただひんやりと冷たいだけではない、あくまで彼らはメロウに──片意地張らずにキメているということなのだろう。

 アルバムの注目すべき点として、“The Encounters” では tamanaramen(玉名ラーメン)と MIRRROR の Takumi を招聘し、ラップを入れている点がまず挙げられる。客演のみならず、メンバーの櫻木大吾もときにラップめいた手法を取り入れており、D.A.N.を特徴づけるささやくかのようなファルセットと混在させつつ、より充実したヴォーカル・ワークを聴かせてくれる。かねてより、メンバーはグライムなどのUKラップへの関心を公言していたが、ラップの導入は『No Moon』の新機軸と言えよう。ちなみに個人的なベスト・トラックは “Aechmea” で、アルバム中で最も長い曲であり、ピッチ・ベンドされたヴォーカル・サンプルにはじまるこの曲の後半からの展開は、もはやサイケでありプログレである。これもラップの導入とはまた別の点で、彼らの新機軸を打ち出しているように思える。もうひとつ注目すべきは、前作の『Sonatine』では鳴りを潜めていた小林うてなによるスティール・パン、そしていまにも何か召喚されてしまいそうな彼女の宗教的なコーラスが再び聴けることで、それは “Floating In Space” で大きくフィーチャーされている。スティール・パンは言わずもがな素晴らしい響きで、ところどころに聴こえる空間系のエフェクトを存分に使ったギターのサウンドと合わせると、まるでジェイミー・XXないしはジ・XXの作品を聴いているかのようなメランコリックな要素も感じさせる。しかし同時に、彼女のシャーマニックなコーラスは、ベリアル以降の「Sad Boy」的メランコリックを有した有象無象のフォロワーに収まることを拒むかのようで、あくまでD.A.N.というバンドが常に新しい音を貪欲に突き詰めていることが伺える。

 『No Moon』は古きを訪ねつつ、新しきを知ることをやってのけており、それは、この作品がD.A.N.のキャリアにおいて最も密度の濃いアルバムであることを示している。現に曲数も12曲で時間は56分にも及ぶ長大な作品に仕上がっており、ファースト『D.A.N.』、続く『Sonatine』も1曲ごとには長いが、ここまでアルバム単位としての重厚さを感じさせるのは初ではないだろうか。曲ごとに良いのは相変わらずで、作品としてのつながりやまとまりという俯瞰的な視点で聴いても、明らかに『No Moon』は最高の地点にいる。これは確実に名盤になるサード・アルバムであり、つまりオアシスにおける『Morning Glory』からの『Be Here Now』ではなく、レディオヘッドにおける『The Bends』からの『OK Computer』のような、バンドとしての大きな飛躍を感じさせるような作品だ。

 9月4日、イギリス海軍が建造した史上最大で最強の航空母艦、HMS(女王陛下の)クイーン・エリザベス号が横須賀港に寄港した。アルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を沈めた16世紀の女王の名を冠したこの船は、旧大英帝国がかつて足を踏みならしたシンガポールにも停泊しており、象徴性と政治性を存分に誇示したアジア・ツアーを敢行したわけだ。イギリスは、この巨大な新しい船を使って軍事力を見せつけた。まるで年老いた男が、ブリティッシュ・シー・パワーのグレイテスト・ヒッツを演奏するかのように。

 そのひと月前、バンド、British Sea Power(ブリティッシュ・シー・パワー)は、バンド名をより合理的なSea Power (シー・パワー)に縮めることを発表した。彼らは慎重に言葉を選びながら、“ブリティッシュ”を切ることは、イギリスそのものへの嫌悪を意味することではないと強調し、イギリスに限らず世界的な流れとしての、“ある種のナショナリズムの台頭による孤立主義や、敵対的なナショナリズムと混同されるリスクを回避したい”ということを理由にあげた。
 実際、そのようなナショナリズムの傾向は、イギリスでも明らかに問題となっている。「21世紀のヨーロッパのフェスティヴァルに参加した若者がプログラムを見て、“パワー”という言葉の横に“ハンガリアン”とか“ロシアン”という言葉を含むバンド名を目にした時に、どのようなことを連想するのかを考えてみてほしい」という彼らの問いかけは、“ブリティッシュ”という言葉も同じように不愉快で、暴力的なイメージを呼び覚ましてしまうかもしれない可能性を示唆している。イギリスのストリートや報道機関の多くが、ヨーロッパや外国人全体に対して敵意をむき出しにする雰囲気を増長させ、ポスト・ブレグジットに拍車をかけてしまっているのだ。

 20年前、バンドがブリティッシュ・シー・パワーという名前を選んだときには、それは道理に反してはいるが、コミカルなばかばかしさとして受け止められていたことは明らかだ。“ブリティッシュ・シー・パワー”は、侵略者に対する英雄的な戦いや、過ぎ去りし日の帝国の華やかな虚栄の古い物語だった。彼らのファースト・アルバム『ザ・ディクライン・オブ・ブリティッシュ・シー・パワー』(2003)は、取返しがつかぬほど変わってしまった場所から過去を振り返る、ノスタルジックで皮肉な声明だった。
 そのアルバムには、ある意味、戦後の大英帝国の衰退と、その誕生の際の産声がロックンロールだった新しいイギリスとが交錯していた。ザ・ビートルズの1964年の映画、『A Hard Day's Night (ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!)』では、彼らと同じ鉄道の車両に乗り合わせて閉じ込められた男が、「私はお前たちのような人種のために戦争で戦ったんだ」と叫び、敬意を要求したが、「でも勝利を後悔しているだろう?」とリンゴに反撃されている。その数年後には、ビートルズは『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』で、イギリス軍の過去のイメージをとりあげ、ノスタルジーと時代錯誤的なばかばかしさを混ぜ合わせて、サイケデリックの領域に攻め込み、ザ・フーは、イギリス国旗とRAF(英国空軍)のラウンデル(円形の紋章)をポップ・アート・デザインのモチーフにしてしまった。

 ザ・キンクスは、アルバム『アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡』(1969)で、新世代ブリティッシュ・ロックの消えゆく過去への陶酔を、あからさまに、力強く表現した。一方、1990年代初頭には、ブラーなどのブリットポップ・バンドが過去のイギリスの皮肉でセンティメンタルなイメージ(シングル「フォー・トゥモロー」のジャケットに描かれたスピットファイア戦闘機や、アルバム『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』(1993)の蒸気機関車など)を利用し、60年代のブリティッシュ・ロックの栄光の日々と同時に、大英帝国の過去に対するブリティッシュ・ミュージックの奇妙に相反する、ノスタルジックでシニカルな姿勢の両方を描いてみせた。ブリティッシュ・シー・パワーというバンド名は、まさにこの壮大さ、喪失感、プライドと自虐的でドライなユーモアを想起させるのだ。

 しかし、このイメージが物語っているのは、内向きな、白人世界のイギリスの姿に過ぎない。1990年代はブリットポップの時代であったかもしれないが、同時にトリップホップ、コーナーショップのようなバンドやドラムンベースなど、イギリスの植民地時代の過去に連なる移民の2世や3世が、さまざまな経験や異なる文化的な視点から、イギリスらしさを再構築していたのだ。

 ブリットポップが使用していたノスタルジックで愛国的なイメージは、もとは社会批判が発端となっていたかもしれないが、すぐに、人びとが過去の大英帝国の郷愁に浸り、その皮肉が暗示する意味合いを完全には受け入れずにすむ、保護膜のような働きをした。やがてそのイメージがナショナリズムの象徴として常態化し、列車のなかの尊大な男が、ビートルズの騒々しいロックンロールを忌み嫌ったように、多文化の共生する現代国家に憤る人びとの、称讃の的となった。その結果、ブリティッシュ・シー・パワーのような名前に込められていた皮肉は効力を失ったのだ。ナショナリストたちは皮肉には取り合わないし、若者は皮肉を偽善的な行為を覆い隠すものとして疑ってかかる傾向が強まっている。

 そのような時代において、かつて帝国が支配した海を、国旗を振りかざしながら巡回し、何世紀にもわたる軍の戦いに敬意を表して付けられた名を持つ軍艦とは異なる種類のパワーを、バンドがEP「Waving Flags」(2008)のように定義しなおしたことは、正しかったのだろう。イギリスのように、どこにいても海岸から100キロ以内しか離れていないような場所では、海が強力な必然性を持ち、国民は天気や気候を左右する気まぐれな海に翻弄されて生活している。海は潮の入り江を行き来し、餌を与えたり、打ち付けたり、唸ったり宥めたりしながら、一定の島のシンフォニーを奏でているのだ。それは、国を世界から切り離すものであると同時に、どことでも繋がるものであり、その意味では、“Sea Power”は“Britain”(ブリテン=イギリス)という言葉で騒ぎ立てることを、ほんの小さな心配事にしてみせることに成功している。


'The changing meanings of "British Sea Power"'


Ian F.Martin

On September 4th, the aircraft carrier HMS Queen Elizabeth, the largest and most powerful warship ever constructed for Britain’s Royal Navy, docked at the port of Yokosuka. Named after the 16th Century queen whose navies sank the Spanish Armada, the ship had earlier stopped at the old British Empire stomping grounds of Singapore, so there was plenty of symbolism and politics on display in this Asian tour. Britain was using this huge new ship to flex its military muscles: an old man performing the greatest hits of British sea power.

A month earlier, the band British Sea Power had announced that their name would be shortened to the more streamlined Sea Power. They were very careful in their choice of words, stressing that cutting “British” didn’t signify any dislike of Britain itself, and placing their reasons in the global context of “a rise in a certain kind of nationalism in this world – an isolationist, antagonistic nationalism that we don’t want to run any risk of being confused with” rather than anything specific to the UK.

And yet those nationalist trends clearly are a problem in the UK. When the band ask us to imagine “a youngster at a European festival in the 21st century looking at the programme and seeing a band name including the word ‘Hungarian’ or ‘Russian’ alongside ‘Power’” and then think about what sort of images and associations might run through their head, they’re implying that the word “British” could raise similarly uncomfortable and possibly violent images — ones that the increasingly hostile atmosphere on some of Britain’s streets and in most of its press towards Europe and foreigners in general will have only encouraged post-Brexit.

When the band chose the name British Sea Power twenty years ago, it seemed obvious that the name was comically absurd: “British sea power” was an old story of heroic battles against invaders and the pomp of an imperial past long gone. Their first album title, “The Decline of British Sea Power” was a statement both nostalgic and ironic, looking back at the past from a place that had irrevocably changed.

In a way, the postwar decline of the British Empire is intertwined with a new Britain whose birth screams were the sound of rock’n’roll. “I fought the war for your sort,” was the pompous demand for respect of a man trapped in a railway carriage with The Beatles in their 1964 movie A Hard Day’s Night, only for Ringo to fire back, “I bet you’re sorry you won.” A couple of years later, they used Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band to take military-edged imagery from Britain’s past and push its mix of nostalgia and anachronistic absurdity into the realm of the psychedelic, while The Who turned the national flag and Royal Air Force military roundels into pop-art design motifs.

The Kinks expressed the rising generation of British rock’s fascination with the fading past most explicitly and powerfully in their album Arthur (Or the Decline and Fall of the British Empire). Meanwhile, in the early 1990s, Britpop bands like Blur seized on ironically sentimental images of Britain’s past (the Spitfire fighter planes on the cover of their For Tomorrow single, the steam train painting on the cover of the album Modern Life is Rubbish) in a way that both both referenced the glory days of 60s British rock and the peculiarly ambivalent attitude of British music to the nation’s imperial past, both nostalgic and cynical. The band name British Sea Power evokes just this mix of grandeur, loss, pride and self-effacing dry humour.

But it’s still an inward-looking and distinctly white version of Britain that this imagery speaks to. The 1990s may have been the generation of Britpop, but it was also the era of trip-hop, bands like Cornershop, drum’n’bass — music born from second- and third-generation immigrants with connections to Britain’s colonial past, that was reshaping Britishness once more out of a very different set of experiences and cultural reference points.

The nostalgic and patriotic images that Britpop had used may have begun with an edge of social criticism, but that irony soon became a protective coating that allowed people to bask in the nostalgia of an imperial past without accepting its full implications, and eventually the imagery became normalised as nationalistic symbols, celebrated in a way every bit as resentful of the multicultural modern nation as the pompous man in the train carriage was to the noisy rock’n’roll of The Beatles. As a result, the irony embedded in a name like British Sea Power loses its bite: Nationalists don’t deal in irony or nuance, and young people seem increasingly suspicious of irony as a cloak for insincerity.

In such times, perhaps the band are right in framing a different sort of sea power — one removed from warships named in honour of centuries-old military battles “Waving Flags” on a tour through seas the Empire once ruled. In a place like Britain, where you are never more than a hundred kilometres from the coast, the sea is a powerful inevitability and the nation lives subject to its whims, defining the weather and climate, as it rushes back and forth up tidal inlets, feeding and battering, roaring and soothing in a constant island symphony. It’s both what cuts the country off from the rest of the world but also what connects it to everywhere, and in that sense, “Sea Power” makes any fuss over a word like “Britain” rather a small concern.

Squid - ele-king

 スクイッドって、やっぱり良いバンドですね。素晴らしい! なぜなら彼らの新しいリミックス・シングルのリミキサーがロレイン・ジェイムズコージー・ファニ・トゥッティなのだから。
 この、なんとも心憎いリミックス盤を出したばかりのUKのバンドのインタヴューは、年末号のエレキングで読めます。こうご期待。
 
 https://brightgreenfield.squidband.uk/remixes

Local World x Foodman - ele-king

 夏に新作『Yasuragi Land』を〈Hyperdub〉からリリースした食品まつり。当初は8月・9月に予定されていたものの延期となってしまっていたリリース・パーティが、あらためて開催されることがアナウンスされた。
 11月13日、同日営業再開となる下北沢 SPREAD と HANARE にて開催。計12時間にもおよぶ特大のパーティとなる。前売特典はオリジナルのサウナ・タオル。100枚限定のようなのでお早めに。

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021

世界で最もピースな電子音楽家Foodmanの〈Hyperdub〉からの最新アルバム『Yasuragi Land』を祝し、Local Worldとのデイとナイトを合わせた計12時間に及ぶ特大コラボ・パーティへ変更&開催。
リリース記念品として前売特典にオリジナル・サウナ・タオルが付いてきます!

土着、素朴、憂い(潤い)をテーマに南は長崎、北は北海道、これまでFoodmanにまつわるアーティスト含む全国各地からフレッシュな全20組が集まる、デイのコンサートとサウナと水風呂の2会場のフロアに別れたクラブ・ナイトの2部構成、計12時間に及ぶロングラン・リリース・パーティ。

The world's most peaceful electronic musician Foodman's release party featuring his latest album "Yasuragi Land" from UK's finest label Hyperdub will be held at SPREAD Tokyo as a collaboration with Local World, a club and mode adventure party. With the themes of Indigenous, honesty and melancholy, the event, a total 12 hours long-running release party will consist of two parts: a daytime concert and club night divided into two venue floors, a sauna and a water bath with a total of 20 fresh artists and DJs from all over Japan from Nagasaki in the south to Hokkaido in the north including artists related to Foodman. A limited original sauna towel will be given as a special gift for ADV ticket purchasers.

Local World x Foodman - Yasuragi Land - Tokyo 2021
SAT 13 NOV 18:00 - 06:00 12H at SPREAD + HANARE
ADV ¥2,850+1D@RA w/ special gift: Yasuragi Land sauna towel *LTD100
DOOR ¥3,000+1D / U23 ¥2,000+1D

[前売リンク] https://jp.ra.co/events/1474555

DAY CONCERT@SPREAD 18:00 -

LIVE:
7FO
cotto center
Foodman
NTsKi
Taigen Kawabe - Acoustic set -

DJ:
noripi - Yasuragi Set -

18:00 (60) noripi - Yasuragi set -
19:00 (20) cotto center LIVE
19:20 (20) Taigen Kawabe LIVE
19:40 (15) set change noripi - Yasuragi set -
19:55 (30) NTsKi LIVE
20:25 (30) 7FO LIVE
20:55 (15) set change noripi - Yasuragi set -
21:10 (30) Foodman LIVE
21:40 END

CLUB NIGHT - SAUNA FLOOR@SPREAD 23:00 -

LIVE:
Foodman
JUMADIBA & ykah
NEXTMAN
Power DNA

DJ:
Baby Loci [ether]
D.J.Fulltono
HARETSU
Midori (the hatch)
バイレファンキかけ子

23:00 (60) バイレファンキかけ子
24:00 (60) Midori (the hatch)
01:00 (60) JUMADIBA & ykah LIVE & DJ
02:00 (20) Power DNA LIVE
02:20 (20) NEXTMAN LIVE
02:40 (30) Foodman LIVE
03:10 (50) Baby Loci
04:00 (50) HARETSU
04:50 (70) D.J.Fulltono
06:00 END

CLUB NIGHT - COLD BATH FLOOR@HANARE* 22:00 -

LIVE:
hakobune [tobira records]
Yamaan
徳利

DJ:
Akie
Takao
荒井優作

22:00 (50) Yamaan LIVE
22:50 (30) 徳利 LIVE
23:20 (80) 荒井優作
24:40 (80) Akie
02:00 (50) hakobune LIVE
02:50 (70) Takao
04:00 END

artwork: ssaliva

- 前売特典*100枚限定: やすらぎランド・サウナ・タオル *会場にて受け渡し / ADV special gift *Limited to 100: Yasuragi Land sauna towel *pick up at the venue
- 再入場可 *再入場毎にドリンク代頂きます / A drink ticket fee charged at every re-entry
- HANARE *東京都世田谷区北沢2-18-5 NeビルB1F / B1F Ne BLDG 2-18-5 Kitazawa Setagaya-ku Tokyo

食品まつり a.k.a foodman

名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、2016年の『Ez Minzoku』は、海外はPitchforkのエクスペリメンタル部門、FACT Magazine、Tiny Mix Tapesなどの年間ベスト、国内ではMusic Magazineのダンス部門の年間ベストにも選出された。その後Unsound、Boiler Room、Low End Theoryに出演。2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。Bo NingenのTaigen Kawabeとのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」としても活動。独自の土着性を下地にジューク/フットワーク、エレクトロニクス、アンビエント、ノイズ、ハウスにまで及ぶ多様の作品を発表している。

《最新作リリース情報》食品まつり a.k.a foodman - Yasuragi land [Hyperdub / Beatink]
https://open.spotify.com/album/1160ly60lfUV9CpGOKLVhI?si=K2HictdARNuA9tfsvs5hxw&dl_branch=1

Local World

2016年より渋谷WWWをホームに世界各地のコンテンポラリーなエレクトロニック/ダンス・ミュージックのローカルとグローバルな潮流が交わる地点を世界観としながら、多様なリズムとテキスチャやクラブにおける最新のモードにフォーカスし、これまでに25回を開催。

Local 1 World EQUIKNOXX
Local 2 World Chino Amobi
Local 3 World RP Boo
Local 4 World Elysia Crampton
Local 5 World 南蛮渡来 w/ DJ Nigga Fox
Local 6 World Klein
Local 7 World Radd Lounge w/ M.E.S.H.
Local 8 World Pan Daijing
Local 9 World TRAXMAN
Local X World ERRORSMITH & Total Freedom
Local DX World Nídia & Howie Lee
Local X1 World DJ Marfox
Local X2 World 南蛮渡来 w/ coucou chloe & shygirl
Local X3 World Lee Gamble
Local X4 World 南蛮渡来 -外伝- w/ Machine Girl
Local X5 World Tzusing & Nkisi
Local X6 World Lotic - halloween nuts -
Local X7 World Discwoman
Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM
Local X9 World Hyperdub 15th
Local XX World Neoplasia3 w/ Yves Tumor
Local XX0 World - Reload -
Local XXMAS World - UK Club Cheers -
Local World x ether

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