「Not Waving」と一致するもの

 11月7日(土)、川崎の工業地帯で野外パーティ、Bonna Potが開催される。海辺にある芝生の広場だそうで、詳しい場所(およびコロナ対策)は、前売りチケット購入者に追って知らされることになっている(当日券の発売は一切無し)。だいたい都心から電車とバス、またはタクシーで約1時間ほど。駐車場の関係で車でのアクセスはナシのことです。
 出演するDJは、Toshio “BING” Kajiwara、Shhhhh 、Ground、Mamazu、7e。
 また、会場内には音響会社HIRANYA ACCESSプランニングによるTaguchiの最新フラットユニット・スピーカーを導入し、高音質のサウンドシステムを構築するのこと。いったいそこでは何が……

"Bonna Pot"
2020/11/7(sat) 22:00~
@Secret location / An open-air party in Kawasaki industrial area

DJs:
Toshio “BING” Kajiwara (HITOZOKU Record)
Shhhhh (El Folclore Paradox)
Ground (Chill Mountain/ESP institute)
Mamazu (Hole and Holland)
7e

Sound design: HIRANYA ACCESS

Speakers: Taguchi

Solar Power: RA -energy design-

Lighting & Deco:
The Hikariasobi Club
Keisuke Yago
and more!

Food & Bar: 万珍酒店 / MANGOSTEEN

Tonic Shop: Circle Shot

Organized by Nusic & HIRANYA ACCESS

Ticket: 4,500YEN
- RA
https://jp.residentadvisor.net/events/1427402
- 銀行振込 
*以下のメールアドレスに「購入者名(カタカナ表記」と「希望人数」をお送りください。振込口座と詳細をご返信いたします。
bonnapotmusic@gmail.com

*当日券の販売は一切ありません。
*会場の場所は前売りチケット購入者の方々にパーティ前日のお昼頃にemailでお知らせいたします。アクセスは都心から電車とバス、またはタクシーで約1時間ほどです。駐車場の関係で車でのアクセスは出来ません。
*Emailでコロナ対策に関する情報をお送りします。

 今回のBonna Potは川崎の夜景の美しい工業地帯にあるオープンエアスペースで開催します。海辺にある広々とした芝生の広場にHIRANYA ACCESSプランニングによるTaguchiの最新フラットユニットスピーカーを導入し、ケーブル等を含め徹底的に音のクオリティにこだわったサウンドシステムを構築、18メートル四方のダンスフロアを出現させます。数ヶ月前に完成したばかりの新しいスピーカーはしっとりとした豊かな低音の質感が比類なく、楽曲の再現性の高さ、繊細さとぬくもり感、そしてパワフルなアタック感を前回以上のクオリティで表現するために、Bonna Potで使用するためのその新作スピーカーを現在量産してもらっています。場内には一切ガソリンの発電機を置かずに発生ノイズをなくしたピュアな環境をつくり、サウンドシステムは会場に並べたソーラーパネルで充電した太陽光発電による音響専用バッテリーシステムで鳴らします。DJ陣は前回同様のShhhhh、Ground、Mamazu、7eに加え、Toshio “BING” Kajiwaraがプレイします。それぞれが本当に幅広い音楽性とオリジナリティを合わせ持つ唯一無二のDJ陣です。音楽とダンスが好きであれば誰でも楽しめる空間をつくりたいと思っているので是非一緒に踊りたい人たちを誘って遊びにきてください。


Toshio “BING” Kajiwara

90年代初頭のNYでターンテーブルや自作楽器を駆使した独自の即興パフォーマンスを始める。後にクリスチャン・マークレイと実験音楽トリオを結成、00年代初頭まで数々の海外遠征やパフォーマンス・イベントを共にする。他にもペーター・コワルド、シェリー・ハーシュなどの演奏家たちとも活動。また13年間に渡りNYの老舗中古レコード店で勤務し、埋没した歴史的音源の発掘や再評価の運動にも貢献する。現在は京都に拠点を移し、パフォーマンス・アーチスト、芸術家、エンジニアーの集合体「ANTIBODIES Collective」を首謀しながら独自の演出方法と舞台音響の探求を続け、日本各地でパフォーマンス芸術の社会的な役割とその可能性を提示することに関わっている。また、京都/木屋町にて「ヒト族レコード」を運営し、マージナルな文化芸能への開かれた回路を地域に提供している。


DJ.Shhhhh (El Folclore Paradox/ The Observatory)

DJ/東京出身。オリジナルなワールドミュージック/伝統伝承の発掘活動。フロアでは民族音楽から最新の電子音楽全般を操るフリースタイル・グルーヴを発明。執筆活動やジャンルを跨いだ海外アーティストとの共演や招聘活動のサポート。2018年秋よりベトナムはホーチミンのクラブ、The ObservatoryのレジデントDJに就任。
https://soundcloud.com/shhhhhsunhouse
https://twitter.com/shhhhhsunhouse
https://www.facebook.com/kanekosunhouse
https://jp.residentadvisor.net/dj/shhhhh


Mamazu

90年代中期頃からDJとして活動を始める。今は無きclub青山MIXの洗礼を浴び音と人、空間に触発され多種多様な音を吸収。小箱から大箱、野外まで独自の視点で形成される有機的なプレイを続け、今を踊らせる。これまでにFuji Rock FestivalやBoiler Room、香港のCassio、ロンドンのNTS Radioなどに出演。様々な国のレーベルから楽曲やRemixを発表し、Nicola CruzによるRemixもリリースされた。それらの楽曲はいずれも高い評価を得て、Andrew Weatherallをはじめ多くのDJにプレイされている。またadidasやADAM ET ROPE’, BEAMS, EVISEN, HUF, SON OF THE CHEESEなどにも楽曲やMIXを提供している。
https://soundcloud.com/mamazu
https://hole-and-holland.com/


Ground (Chill Mountain/ESP institute)

DJ・Producer・Remixer。
音楽をツールに世界20カ国を超える様々なフェスやイベントに出演。デジタルレーベル「Chill Mountain Rec」をKabamix&Mt.chillsと共に運営。自身の楽曲制作では、2015年より3枚のアルバムを発表、2018年には、LA拠点のレーベルESP instutiteよりワールドデビューアルバム「SUNIZM」をリリース。2019年初旬、エクアドルはキトにて2ヶ月間の滞在の末に現地アーティストらとの共同制作で作られたEP、「Metcha Quito vol.1&vol.2」をリリース。2020年初旬ESP Instituteより(Wakusei Ep)、7年振りとなるMIXCD(Energemizmix)をリリース。
今夏最新Mini Album (Atarayo)がChill Mountain Recよりリリース中。
https://djgroundjapan.wixsite.com/ground13
https://soundcloud.com/dj-ground


7e

実験的電子音楽から世界のストリートミュージックまで、幅広いアーカイブから選ばれた新旧の楽曲を実験的にミックスする独自のダンスセットをプレイする。東京のディープなバーやクラブ、野外フェスティバル/パーティを中心に、近年はブラジルやドイツでのVOODOOHOPやAcid Pauliの主催パーティ、北カリフォルニアの人気フェスPricelessやLAのウェアハウス・パーティ、メキシコのアンダーグラウンド・パーティなど、世界に活動の幅を広げている。
https://soundcloud.com/7e_romanescos
https://www.facebook.com/7emusica

LITTLE CREATURES - ele-king

 1990年にデビューしたヴェテラン3人組、トーキング・ヘッズのアルバムから名前を頂戴し、つねに新たな試みに挑戦しつづけてきた LITTLE CREATURES が、5年ぶり通算8枚目のアルバムをリリースする。
 デビュー30周年ということでタイトルも『30』、最新スタジオ・ライヴ音源を収録したボーナス・ディスク付きの豪華2枚組。年が明けてすぐの1月8日に発売となる。
 それに先駆け、11月1日(日)には無観客・生配信ライヴが予定されている。さまざまな音楽を折衷し、30年間つねにわが道を突き進んできたトリオはいま、どんなサウンドを聞かせてくれるのか? 楽しみに待っていよう。

祝! デビュー30周年! LITTLE CREATURES 超待望の5年ぶりニュー・アルバム『30』リリース決定!
そして、デビュー30周年を記念したスペシャル配信ライヴを11/1(日)に開催!

大変お待たせしました! 青柳拓次(Vo/G)、鈴木正人(Bass/Key)、栗原務(Dr/Per)による不動のトリオ LITTLE CREATURES、待望のニュー・アルバム『30』が2021年1月8日(金)にリリース決定!! 1990年のデビューから30周年を迎えて放つ、前作『未知のアルバム』以来5年ぶり通算8作目のオリジナル新作です。今回も全編日本語詞による青柳の歌を中心に据えつつ、サウンドは前作のソリッドなバンド・アンサンブルから一転、グッとまろやかなものへと軽やかにシフト。有機的なのに未来的。メロウなのに刺激的。オルタナティヴなのに普遍的。極限まで削ぎ落とされた音の隙間でそんな相反する要素が柔らかに溶け合った唯一無二の作品に仕上がっています。これぞ30年の進化と余裕。圧倒的なミュージシャンシップとキャリアを誇る今の LITTLE CREATURES にしか作れない世界最先端のミニマル・ポップ・ミュージックにご期待ください!

しかも、CDは豪華2枚組!! オリジナル・アルバム『30』に加え、過去作からのベスト選曲による全編新録のスタジオ・ライヴ・アルバム『STUDIO SESSION』がボーナス・ディスクとして付属します。新たなアコースティック・アレンジに生まれ変わった名曲の数々をご堪能あれ!

さらに! デビュー30周年を記念したスペシャル・ライヴをデビュー日の11月1日(日)に無観客・生配信します! バンドがこれまでに紡いだ新旧名曲の数々をゆったりたっぷりお届けしますのでお楽しみに!

そして! メンバー栗原努がセレクトしたオールタイム・ベスト・プレイリストが Spotify で本日公開!

オマケに! 本日より LITTLE CREATURES のオフィシャル・ネット・ストアでは30周年記念セールもスタート!

……というわけで、30周年の LITTLE CREATURES は企画てんこ盛りでお届けします! それぞれの詳細は下記をチェック!


■アルバム情報

LITTLE CREATURES/30
2021年1月8日(金)リリース
CD2枚組(DISC 1:オリジナル・アルバム『30』/DISC 2:新録スタジオ・ライヴ・アルバム『STUDIO SESSION』)

定価:¥3,600+税
CHORDIARY / P-VINE RECORDS

こんなトリオのバンドがあったらいいよねって
そうずっとやってきたような気がする
この『30』も同じような想いで
作られた作品となった
青柳拓次

[トラックリスト]
DISC 1:『30』
 01. 速報音楽
 02. ぐるぐると
 03. 大きな河
 04. 悲しみのゆくえ
 05. 左目
 06. 踊り子
 07. ことわり
 08. ただごとうた
 09. ハイポジション
 10. あさやけ
 11. 神秘的な友愛
 12. 踊りかける
DISC 2:『STUDIO SESSION』(ボーナス・ディスク)
 内容未定(全て2020年10月録音の最新スタジオ・ライヴ音源を収録)


■配信ライヴ情報

LITTLE CREATURES「LIVESTREAM SESSION」
デビュー日の11/1(日)に無観客・生配信ライヴ開催決定!
11/1(日)16:00~配信開始。
10/14(水)正午より早割チケット(¥1,000)販売開始します。
視聴券受付URL:https://eplus.jp/littlecreatures-1101stp/
INFO:https://littlecreatures.jp

■デビュー30周年プレイリスト
栗原務セレクトによるオールタイム・ベスト・プレイリスト「LITTLE CREATURES "BEHIND THE SCENES" selected by Tsutom Kurihara」を Spotify にて公開しました!
https://spoti.fi/3nUgIBc

■セール情報
10/14(水)正午よりデビュー30周年セール[最大50%OFF]開催!
過去作CD、アナログ、DVD、グッズ等を30~50%OFFで販売します。
数に限りがありますのでお早めに。
https://littlecreatures001.stores.jp

[プロフィール]


イラスト:ジェリー鵜飼

LITTLE CREATURES
青柳拓次(Vo/G)、鈴木正人(Bass/Key)、栗原務(Dr/Per)の3人で87年、高校在学中に結成。新宿、渋谷を中心にストリートライヴを繰り広げながら人気を博し、90年にシングル「THINGS TO HIDE」でデビュー。デビュー2ヶ月後に、青柳はスコットランド、鈴木はアメリカへ語学兼音楽留学のため旅立つ。91年に1stアルバム『VISITA』をリリース。97年、3rdアルバム『little creatures meets future aliens』リリース以降は、"KAMA AINA"(青柳ソロ)、10人編成のエスペラント楽団 "Double Famous"(青柳・栗原)、鈴木はベーシスト、プロデューサーとしての活動など各々のソロ活動を行う。2000年、レーベル移籍を機にプライベート・レーベル〈CHORDIARY〉を設立。01年、4thアルバム『FUTURE SHOCKING PINK』、同年9月には初のライブ・アルバム『the apex』をリリース。05年、初の海外公演を行った後、5thアルバム『NIGHT PEOPLE』をリリース。同年、池上本門寺・野外特設ステージにてデビュー15周年祭を開催。2010年には、デビュー20周年を記念して、約5年ぶりのリリースとなる6thアルバム『LOVE TRIO』、レーベルの枠を越えた初のオールタイム・ベスト『OMEGA HITS!!!』、2011年1月には LITTLE CREATURES をリスペクトする豪華アーテイストが参加したカバーアルバム『Re:TTLE CREATURES』をリリース。2016年7月に初の全編日本語詞による新作『未知のアルバム』をリリース。同年9月からは約11年ぶりのツアーを開催。2020年にはデビュー30周年を迎えた。孤高の存在としてマイペースに活動中。

https://littlecreatures.jp/

別冊ele-king カン大全──永遠の未来派 - ele-king

ドイツの巨星、CAN読本の決定版!

いまなお世界中のミュージシャンたちに影響を与え続けているクラウトロックの巨星カン
全作品の再発で話題沸騰中の現在、謎多き彼らの全体像に初めて迫る!

カンの物語/シュトックハウゼンとWDRスタジオ/クラウトロックを育んだ戦後ドイツの風景/ユーロ・フリー・ジャズの勃興/カンの構成分子/カンのDNA/ロング・インタヴュー/ディスク・ガイド

【執筆者一覧】
明石政紀、岸野雄一、小林拓音、小柳カヲル、小山哲人、崎山和弥、柴崎祐二、竹田賢一、野田努、ジェイムズ・ハッドフィールド、東瀬戸悟、福島恵一、松平敬、松村正人、松山晋也、三田格

目次

序文

カンの物語 (松山晋也)
焦土からの再生
 ~クラウトロックを育んだ戦後ドイツの風景 (明石政紀)
シュトックハウゼンとWDRスタジオ
 ~大戦後の前衛音楽シーンをリードした魔王からの旅立ち (松平 敬)
ユーロ・フリー・ジャズの勃興
 ~独自「武装」による非米国化を目指した者たち (福島恵一)

Interview
イルミン・シュミット
 Ⅰ (野田 努)
 Ⅱ (松山晋也)
 Ⅲ (松山晋也)
ホルガー・シューカイ
 Ⅰ (松山晋也)
 Ⅱ (野田 努)
 Ⅲ (松山晋也)
ヤキ・リーベツァイト (野田 努)
ミヒャエル・カローリ (小山哲人)

カンの構成分子
 ~火星からやってきた音楽人類学者 (福島恵一)

Disc Guide
カン (小山哲人、竹田賢一、野田 努、松村正人、松山晋也)
イルミン・シュミット (小林拓音、竹田賢一、松山晋也)
ホルガー・シューカイ (岸野雄一、小山哲人、柴崎祐二、東瀬戸悟、松村正人、松山晋也、三田 格)
ヤキ・リーベツァイト (小山哲人、柴崎祐二、松村正人、松山晋也)
ミヒャエル・カローリ (野田 努、松山晋也)
ダモ鈴木 (小柳カヲル)
マルコム・ムーニー (松村正人、松山晋也)
ロスコー・ジー (小山哲人)
リーバップ・クワク・バー (三田 格)

カンのDNA
 ──ニューウェイヴからテクノまで (三田 格)
それはフューからカンへのトリビュートでもあった
 ──コニーズ・スタジオから生まれた伝説的名盤『Phew』 (ジェイムズ・ハッドフィールド)

Interview
ダニエル・ミラー (野田 努)
ヒルデガルト・シュミット (松山晋也)
「I Am Damo Suzuki」──ダモ鈴木の回顧録を読む (崎山和弥)
ダモ鈴木 インタヴュー (松山晋也)

年表

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紀伊國屋書店
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TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club
mibon本の通販(未来屋書店)

Vityazz - ele-king

 ジャズを出自に持ちつつも、型にはまらないスタイルで活動の幅を広げてきたヴィチアス(Vityazz)、昨年発表されたデビュー作『11034』もいまだみずみずしさを失わないなか、アルバム冒頭を飾っていた “How days slided” のセッション・ライヴ映像が公開された。
 新たな活動の場を模索するべく彼らは自宅スタジオを開設。今後は關伊佐央、Shun Yamaguchi との共同イベント「atonarium session」を配信で開催していくとのこと。

The Bug - ele-king

 ケヴィン・マーティン──テクノ・アニマルやキング・ミダス・サウンドなどで知られ、最近はミス・レッドの裏方、ベルリアとのFlame名義のコラボ作、ムーア・マザー参加のゾーナルケヴィン・リチャード・マーティン名義もあり──じつにいろんな名義で多岐にわたる活動をしているアーティストだが、やはり彼のメイン・プロジェクトだと思われるのは、ザ・バグ名義だろう。
 ケヴィン・マーティンの音楽には多くの場合、ダブからの影響が滲み出ているが、ザ・バグには当初からダンスホールというコンセプトがあった。新作はベルリン拠点のプロデューサー/ヴォーカリストのディス・フィグとのコラボとなっており、ふたりは今作のスタイルを〈トンネル・サウンド〉などと呼んでいるが、その名の通り、いままでにないほどスモーキーでメディテーショナルなサウンドとなっている。
 木霊するディス・フィグのボーカルに飛ばされつつも、強力なダンスホールのリズムに踊らされる“Destroy Me”、仄暗い底からジワリジワリと迫り来る強烈な沼アシッドの“Blood”、タイトル通り永遠に揺られていたくなるようなリズムに儚げで美しいウワモノに心奪われる“Forever”、バグの生み出す強力な低音、リズムとの相性バッチリなディス・フィグのヴォーカリストとしての魅力が最大限に発揮された先行解禁曲の“You”など、一度ハマったら抜けられない沼サウンド全12曲を収録! 
 吸うか、吸われるか……2枚組のLPはブルー・ヴァイナル仕様となっている。
 

THE BUG FEATURING DIS FIG
IN BLUE

Hyperdub/ビート

輸入盤1CD / HDBCD055
輸入盤2LP(ブルー・ヴァイナル仕様) / HDBLP055
CD発売日: 2020年11月20日 (金)
LP発売日: 2020年12月18日 (金)

CD
01. Around Me
02. Come
03. Destroy Me
04. Blood
05. In 2 U
06. Levitating
07. Forever
08. Blue To Black
09. Take
10. No Return
11. You
12. End In Blue

LP
A1. Around Me
A2. Come
A3. Destroy Me
B1. Blood
B2. In 2 U
B3. Levitating
C1. Forever
C2. Blue To Black
C3. Take
D1. No Return
D2. You
D3. End In Blue

校了しました - ele-king

 7月から全17作のリイシュー・プロジェクトが進行中のカン、このクラウトロックの巨星をまるごと1冊特集した『別冊ele-king カン大全──永遠の未来派』、監修=松山晋也による文字どおり入魂の1冊が無事校了となりました。

 カンの歩みを詳細に追った巻頭「カンの物語」を筆頭に、カンが生まれた背景を探るべく、当時の戦後ドイツの状況やヨーロッパのフリー・ジャズ・シーン、シュトックハウゼンの存在などを掘り下げる論考も掲載。主要メンバー全員の貴重なロング・インタヴューに、カン本体だけでなくメンバーのソロ作品、さらにはカンの影響を受けた作品まで網羅した究極のディスクガイドもあり。

 全240ページ、1冊ぜんぶカン特集というのは日本初の試みであり、おそらく海外でもそうあるものではないでしょう。カンにかんする情報が凝縮されまくった濃厚な内容、今後もう二度と実現できないだろうクオリティ、まさに決定版と呼ぶべき仕上がりだと自負しています。

 発売は10月31日。ご期待ください。

 https://smarturl.it/CANbook

 最後にこの場を借りて、松山さんにお礼を申し上げます。この1週間、レコードや書物に囲まれた部屋のなかで、床に横になることもなく、また食卓につくこともなかった松山さん、心おきなく寝袋で休んでください。またバイクを二人乗りして鎌倉の海を飛ばしましょう。

【執筆者一覧】
明石政紀、岸野雄一、小林拓音、小柳カヲル、小山哲人、崎山和弥、柴崎祐二、竹田賢一、野田努、ジェイムズ・ハッドフィールド、東瀬戸悟、福島恵一、松平敬、松村正人、松山晋也、三田格

Young Girl - ele-king

 ちょっと異常だなと思うのが、新型コロナウイルスによる被害について語るときに欧米と日本を比較する頻度。ファクターXとか「日本はなぜ被害が少ないのか」という問いの立て方自体が間違っていて、被害が少ないのは日本だけではなく、東アジアとアフリカ大陸は全般的に死者数が少なく、アジア系の多い東欧も死者の数は4桁に届いていないところが多い。逆に言えばインド≡ヨーロッパ語族に被害は集中し、ネアンデルタール人のDNAを受け継ぐ人種がとくに危険だという仮説に僕は説得力があると感じた。アメリカと中南米で黒人に死者が多い理由も社会的要因はもちろんだけれど、わずかでも白人の血が黒人に混じっている率の高さを思えば、これも同じように説明がつくし。にもかかわらず、日本人が日本と欧米だけを比較し続ける心理はやはり「日本は欧米の一員」という意識が右派にも左派にも浸透しきっていて「アジアの一員だとは思いたくない」という意識が病的なほど強く働いてしまうからなのだろう。その一方で、安倍政権から菅政権へと権力が移譲されたプロセスは絵に描いたように東アジア的で、韓国やマレーシアでさえここまで民主主義を省略してしまうことはなく、欧米から見れば日本のやり方は中国や北朝鮮と大差ないものと映ったことだろう(森総理の時よりは大人数で決めたけどね)。行動原理はディープに東アジア的。意識は欧米か!。なんともスキゾフレニックな国民である。インダストリアルなリズムにうっとりとするようなメロディを掛け合わせたエイフェックス・ツインのファンが日本には多いわけである。

 「エイフェックス・ツインとスクエアプッシャーの肩の上に立っている」と自らプロフィールに記すヤング・ガールの2作目はドリルン・ベースならぬグリッチン・ベースで幕を開ける。“Vomit Nightmares(嘔吐の悪夢)”は突拍子もないブリープ音と穏やかなシンセサイザーのぶつかり合い。いきなり脳天に花が咲く。続く“The Low Men”もブチブチと途切れるリズムに断片的なメロディが浮かんでは消え、ぶり返しては断ち消える。なるほどエイフェックス・ツイン(やクラフトワーク)に多くを負っていることは確かで、いくつかストレートに曲名も浮かんでくる。とはいえ、オリジナルな要素も潤沢で、野山を駆けめぐるような“The Red Birds”に慌てふためく“The Black Gulls(黒いカモメ)”は独自の境地を感じさせる。アルバム・タイトルは『The Night Mayor(夜の市長)』となっているものの、いわゆるナイト・タイム・エコノミーとは無関係のようで、活動の拠点が「地球上で最も人が孤独になるオーストラリア西部」だと意味不明のアピールをしつつ、本人はいつも仮面で顔を隠し(前作では髭が見えていた)、アリアナ・グランデと同じ構図のジャケット・デザインには中途半端な自己顕示欲が感じられる(悪いとは言っていない)。自意識がねじくれていることがスキゾフレニックな音楽性には不可欠なのだろう。ゆっくりとネジがはずれていくような“Codeine”は、フィッシュマンズが♪風邪薬でやられちまったみたいな~と歌っていた咳止めのこと。日本では3年前に12歳以下の子どもには処方することが禁止となった風邪薬で、風邪もひいていないのに子どもが飲みたがる家庭麻薬として昔からつとに有名だった(アメリカの2010年代がコデイン→アヘン(オピウム)→フェンタニルと同じ成分の生成方法が変化しただけということも思い出す)。アルバムの後半はとてもナイーヴな展開で、前半の躁状態はどこかに陰を潜め、戯画的でありながら心に重くのしかかる曲が続く。そして、“Frustration Nightmares”でブチ切れ、“Sleep Paralysis(金縛り)”で異様なムードに反転。最後は朝が来てしまったということなのか、“Wake Up Wake Up Wake Up Wake Up Wa…(起きろ起きろ起きろ起きろ起……)“と、どこか暴力的な朝の描写で幕を閉じ、「夜の市長」はいなくなってしまう。夜だけが好きで、朝が嫌いな人にはマストのアルバムです。

 日に日に夜が長くなってきたせいか、「夜」をテーマとしたコンピレーション・アルバムも何種類かリリースされ、なかではポスト・ロックの中堅レーベルが企画した『A Little Night Music:Aural Apparitions from the Geographic North』がだんとつで良かった。全31曲とけっこうな曲数があり、オープニングとクロージングはオリヴァー・コーツ。『The Night Mayor』はちょっと怖い夜だったけれど、こちらはとても穏やかで、包み込んでくれるような夜の優しさや、つかみどころのなさを表現した曲が大半を占めている。目立ったところをかいつまんでいくと、久々に名前尾を見たゼリエノープル(Zelienople)やフェネスは安定した音楽性。気持ちのいい圧迫感とそれを凌駕する安心感がキャリアの余裕を感じさせる。グレッグ・コワルスキーやKi Oni(木鬼? カイ・オナイ?)はイマジネーション豊かで伸び伸びとしたコンポジション。広島でアンビエント・ミュージンクを展開するフジタ・ダイスケのMeitei / 冥丁は雨だかグリッチ・ノイズだかを背景に軽く打楽器を加えた寂しい曲(怪談好きのようです)。高木正勝もなぜか似たような発想で、こちらは雷雨とピアノ。メアリー・ラティモアはメランコリック、イリヤース・アーメドはエスニック・フォーク、フェリシア・アトキンソンはアンニュイと続き、驚いたのはシューゲイザイーのロータス・プラザが復活したこと(7年ぶり?)。これが迷宮のようなクラウトロック風のピアノ曲で、さすがでした。ハウスの人だとばかり思っていたフィット・オブ・ボディがジャズ風のスローナンバーを寄せているのも驚いた。元LAヴァンパイアのニック・マーキンによる温泉のような暖かさからルイーズ・ボックのオカルティックな響きまで、とにかく違和感のある曲が1曲もない。流れも巧みで、とても優れた編集センスだと強調したい。なお、収益はすべてレーベル所在地であるアトランタの女性団体に寄付されるそうです。とりわけ堕胎を希望している女性たちのサポートに(https://www.feministcenter.org)。

Autechre - ele-king

 長い間、オウテカのファンはふたつの陣営に分類される傾向にあった。デュオが発するあらゆる最新のメッセージを熱心に貪るリスナーたちと、『Tri Repetae』以来、ノンストップで抽象的な自慰行為に堕ちて行っていると感じていた人たちである。後者のほとんどが老人ホームに隔離されているいまとなっては、この論争は、問題がスタイルから量的なものへとシフトしている。過去10年の間のオウテカの一連のリリースは、それぞれの尺が2倍に延び、8時間に及ぶラジオ・レジデンシーを集約した『NTS Sessions 1-4』と題された作品で最高潮に達した。ここにはたくさんの素晴らしい音楽があったが、そこがまた問題でもあった──とにかく膨大だったのだ。

 オウテカのアウトプットに魅了された体験が、いつの間にか疲れ果ててしまうものへと変わってしまった人には、『SIGN』 は彼らの世界に戻ってくる良い機会となるだろう。ショーン・ブースとロブ・ブラウンの最近の作品の文脈で考えると、これほどメロディックなアルバムをリリースすること、1枚のCDに収まってしまうほど短いことは、ほとんどラディカルにさえ思える。そして『SIGN』は明らかに『elseq1-5』 と『NTS Sessions 1-4』で聞かれるようなアルゴリズミックな実験の延長戦上にあり、オウテカは、どうやって到達するのか忘れかけていたような所にまで踏み込んでいる。

 オープニングトラック“M4 Lema”では、ローラント・カイン風のサイバネティック(人工頭脳的)なノイズが、まるでコンピュータのメインフレームが咳払いをするような、シューッという音の斉射で未来を提示するが、突然、みずみずしく豊かなパッドと骨格のようなヒップホップのビートに変わり、時折サブベースがうねる。続く“F7”では、興味深いメロディが互いのまわりに円を描くように交差しながら、決着することはなく、『Oversteps』で登場していてもおかしくないようなものだが、いまやチューニングは従来の西洋的なものからは大きく外れた所で浮かんでいる。

 このトラックは、オウテカが未知のハーモニックな領域に踏み込んだ、より明白な事例のひとつで、ヴァーチャルな楽器を、平均律の暴政から離れるように促している。「esc desc」のシンセサイザーには『ブレードランナー』のような威光があるが、初めて聴くと、ヴァンゲリスがデッカードの空飛ぶ車で乗り物酔いをしているかのようだ。

 リピートして聴くことでこの違和感は薄れ、これは時間をかけて、できればまともなヘッドフォンでじっくり聴くべきアルバムであることが分かる。2018年にブースはele-kingに「ぼくはすべてのエレメントがあからさまではない、シネマティックな奥行きに惹かれるんだ」と語っており、『SIGN』 に収録されたトラックのいくつかは活気に溢れ、聴力の限界に達している。 陰鬱なトーンと貧弱な4/4拍子の“psin AM”は、ミックスのエッジの周りで踊る不安定なハーモニーがなければ、ほとんどヴォルフガング・ヴォイトのGASプロジェクトの見失われたトラックと間違えそうだ。オウテカが“sch.mefd 2”で、一定のビートを走らせるのは、他のエレメントとの間の相互作用がいかに予測不可能なものであるかを強調するために残しているのだ。

 おそらく最大のサプライズは、このアルバムの音の多くが、どれほど心を奪う響きに聴こえるかということだ。“gr4”には最も牧歌的なフェネスのような、薄織の温かさがある一方、超絶的なクロージング・トラックの“r cazt”は、坂本龍一の「async」時代のプレイリストに並べて入れても違和感がないだろう。オウテカは、エイリアンのように耳障りだと誇張されがちだが、『SIGN』 は彼らのとんでもなく〝ありえねぇ〟美しさを想い出させてくれる歓迎すべき作品だ。


by James Hadfield

For a long time, Autechre fans tended to fall into two camps: listeners who eagerly devoured every fresh transmission from the duo, and people who thought they’d been on a non-stop descent into abstract wankery ever since Tri Repetae. Now that the latter are mostly sequestered in retirement homes, the debate has shifted from questions of style to quantity. During the previous decade, each successive Autechre release seemed to double in length, culminating with the eight-hour radio residency collected on NTS Sessions 1-4. There was a lot of excellent music here, but that was also the problem: there was a lot of it.

If your experience of Autechre’s output has tipped over from enthralled to exhausted, SIGN is a good time to jump back on-board. In the context of Sean Booth and Rob Brown’s recent work, releasing an album this melodic—and short enough to fit on a single CD—feels almost radical. And while SIGN is clearly an extension of the algorithmic experiments heard on elseq 1-5 and NTS Sessions 1-4, it goes places I’d almost forgotten Autechre knew how to reach.

Opening track “M4 Lema” indicates what’s in store, when a volley of swooshing, Roland Kayn-style cybernetic noise—like a computer mainframe clearing its throat—suddenly gives way to lush pads and a skeletal hip-hop beat, bolstered by occasional surges of sub-bass. That’s followed by “F7,” whose intersecting melodies, circling around each other without ever quite resolving, could have appeared on Oversteps—except that they’re floating way outside conventional Western tuning now.
The track is one of the more obvious instances where Autechre venture into uncharted harmonic territory, coaxing their virtual instruments away from the tyranny of equal temperament. There’s a Blade Runner grandeur to the synths on “esc desc,” but on first listen, it’s like Vangelis getting motion sickness in Deckard’s flying car.

The strangeness is less apparent with repeat plays, and this is definitely an album to spend time with, preferably listening through a decent set of headphones. Speaking to ele-king in 2018, Booth said he was increasingly interested in “cinematic depth, where not every element is obvious,” and the tracks on SIGN teem with activity, some of it on the threshold of audibility. With its sepulchral tones and anaemic 4/4 beat, “psin AM” could almost be mistaken for a lost track from Wolfgang Voigt’s GAS project, if it weren’t for the unstable harmonies dancing around the edge of the mix. When Autechre leave a steady beat running, as on “schmefd 2,” it just serves to highlight how unpredictable the interplay between the other elements is.

Perhaps the biggest surprise is how inviting a lot of the album sounds: “gr4” has a gauzy warmth that recalls Fennesz at his most bucolic, while transcendent closing track “r cazt” wouldn’t sound out of place on a playlist alongside async-era Ryuichi Sakamoto. Autechre’s reputation for alien harshness is overstated, but SIGN is a welcome reminder that they can be pretty goddamn beautiful.

Nightmares On Wax - ele-king

 まさに90年代を象徴する1枚、ナイトメアズ・オン・ワックスの『スモカーズ・デライト』の25周年記念を祝して、〈Warp〉が12インチ・シングル「SMOKERS DELIGHT: SONIC BUDS」をリリース。レコードには、4月にリリースされた『Smokers Delight』25周年記念盤に収録された新曲「Aquaself」と「Lets Ascend」、そして『N.O.W. Is The Time』(2014) 収録の「Dreadoverboard」のファンクミックス「Dreadoverboard (Funk Mix)」の計3曲が収録されている。


SMOKERS DELIGHT: SONIC BUDS

 さらに、リリースに併せてナイトメアズ・オン・ワックスことジョージ・エヴリンが実際に見たという夢にインスパイアされた12分のショートフィルム (日本語字幕付) が公開されている。

Nightmares On Wax • ‘Smokers Delight’ (The Film)

Vladislav Delay / Sly Dunbar / Robbie Shakespeare - ele-king

 ウラディスラヴ・デレイことサス・リパッティ、そしてジャマイカのレゲエ最強リズム・デュオ、スライ(ダンバー)&ロビー(シェイクスピア)のコラボ・アルバム。すでにこの邂逅は2度目、この座組のスタートは2018年の作品へと遡る。〈ECM〉などからのリリースで知られるノルウェーの現代ジャズのアーティスト、トランペッターのニルス・ペッターと彼の朋友であるギタリスト、アイヴィン・オールセット、そしてサスとスラロビによる四すくみのコラボ・アルバム『Nordub』がそのスタートだ。同作品をきっかけにサスとスラロビは意気投合、ジャマイカへと彼らを訪ね、レコーディングを敢行、その後、フィンランドの自身のスタジオでミックス&オーヴァー・ダブをおこない完成させたのが本作『500 Push-Up』だ。だがしかし、本作を『Nordub』の文字通り「続編」と言ってしまうには音楽性からして少々違和感があるものと言えるだろう。

 ノルウェー&フィンランドの北欧連合+ジャマイカのスラロビで、『北欧ダブ』と題された件のアルバムは、浮遊するトランペット&ギターと、スラロビによる抑制されたリディム──重さがあるのに軽やかな、それを司るスライのスネアはエレガント、むしろ幽玄ですらある──がグルーヴを刻むアンビエントな質感のクールなロッカーズ・ダブ。こちらも最高なのだが、対して本作はどうだろうか、ギンギンのノイズにまみれたインダストリアルな質感のダブで、その音像で頭をよぎるのは、1980年代の〈On-U〉~マーク・スチュワートの諸作品、またはケヴィン・マーティンのザ・バグによるインダストリアル・ダンスホール、もしくはレベル・ファミリア(秋本 “Heavy” 武士+Goth-Trad)あたり、とにかくノイジーな電子音が空間を埋め尽くし、重戦車のごときリディムが突き進む、インダストリアル&ヘヴィーな音像の代物だ。スラロビのたたき出すリディムも、1980年代の初期ワンドロップ・ダンスホール期の演奏を彷彿とさせるラフ&タフ、ワイルドな魅力に溢れたもの(となれば前者はどこか〈アイランド〉のコンパスポイント・スタジオでスラロビが演奏した、ミクスチャーなレゲエやディスコの繊細なタッチを彷彿しさえもする)。前者の幽玄さと、本作のノイジーな過剰さ、ダブ・ミックスにも全く違ったコンセプトが用いられている。“間” を空けて、繊細なレイヤーでうっすらと差し色を入れ、演奏を引き立てるダブ・ミックスな前者、目の前の空気をひしゃげさせ、スピーカーの振動を暴力へと生成変化させるダブ+サウンドシステムで浴びる身体感覚をそのまま体現したかのような後者──その過剰なノイズによる空間の支配はウラディスラヴ・デレイ名義の近作『Rakka』にも共通するものでもある。

 ダブ+エレクトロニック・ミュージックと言えば、サスの先輩にあたるモーリッツによるベーシック・チャンネル一派、ことレゲエが介在したスタイルにおいては、引き算の美学とでも言えそうな、彼のリズム&サウンドによるミニマル・ダブがひとつエポック・メイキングなスタイル。それはベイブ・ルーツなど、いまだに数多くのフォロワーを生み出しているが、モーリッツのトリオへの参加も含めて、サスは直接のベーシック・チャンネル門下生でありながら、全く違ったアプローチでダブ+エレクトロニック・ミュージックを模索した結果と言えるかもしれない(世に知られるようになったのはやはり、その傘下〈Chain Reaction〉からリリースされたウラディスラヴ・デレイ名義のアルバムだ)。本作はミキシングによるヴァーチャルな “空間” を生み出す録音作品としてのダブと、サウンドシステムで受容する物理的衝撃に満たされた “空間”、身体感覚としてのダブをひとつの表現へと昇華させたかのようである。クラブのフロアで浴びるダブステップ的な “ダブ”、もしくはここ数年で勃興するインダストリアル・ダンスホールの波にも接続できる感覚でもある。もっと拡張させていえば、ある種の職人芸のようにエンジニアたちが引き算の美学で作り出したダブのスタイルというよりも、サスのそれはリー・ペリーの〈ブラック・アーク〉末期、過剰なエフェクトとコラージュで空間すらも音でゆがめる、そんなダブ・ミックスに感覚としては近いのかもしれない。

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