「R」と一致するもの

Kali Uchis - ele-king

 忘れられないのは彼女の太い眉毛と長いつけまつ毛だけじゃない。「彼女は愛なんて要らない。欲しいのは僕(私)の100ドル」──スティーヴ・レイシー(not フリー・ジャズ奏者/R&Bバンドのジ・インターネットのメンバーで、シドのソロの共作者)が一緒に歌っているこの曲“Just A Stranger”のフックは、いちど聴いただけで覚えるぐらいキャッチーだ。決してハッピーな曲ではないがちょっとのりのりの気持ちになれるという、今日のダンス・サウンドを咀嚼したネオソウル・ポップの佳作だと言えよう。カリ・ウチスのデビュー・アルバム『アイソレーション(孤絶)』には、そんな洗練されたポップスが何曲も、そしてまた何曲もある。まあGW前だし、初夏だし、気持ちを上げる意味でも、最近聴いたポップ・アルバムのなかで断トツでお気に入りの1枚を紹介しよう。
 
 コロンビア系アメリカ人の彼女の名前は、すでに多くのポップス・ファンには知られている。なにせ彼女の参加作品/共演者のリストには、メジャー・レイザー、ミゲル、タイラー、ザ・クリエイター、ゴリラズ……などとある。18歳のときに発表したミックステープ(そのゆめかわいい曲たち)がその前年まで車のなかで暮らしていたという彼女の存在を音楽界に知らしめたのだった。
 コロンビアのラナ・デル・レイなどという風評もあるが、そこまで深刻に悲しいようには見えない。USのエイミー・ワインハウスという形容もあるようだが、そこまでレトロ・スタイルではない。が、たしかにワインハウスと似ていると思う曲はある。“Flight 22”と“Feel Like A Fool”、この2曲はレトロスペクティヴなソウルだが、まあ許そう、ほんとうに良い曲なのだから。

 とにかく、いろんなタイプの曲がある。オープナーの“Body Language”はなんとボサノヴァ調の曲で、かなり良い感じでドリーミーに展開する。スペイン語で歌われ、レゲトン調のアクセントを持つ“Nuestro Planeta”もじつに洗練されている。ブーツィー・コリンズとタイラーが参加した“After The Storm”は、サンダーキャットの領域をかすりながらも柔らかいファンクのクッションの上を沈んでいく。近年のR&Bにありがちな際だったことをやっているわけではない。基本に忠実でありながら今風にまとめられている。
 レゲエのダンスホール・スタイルをゆっくりと再生しながら彼女のセクシーな歌がまわり続ける“Tyrant”も印象的な曲だ。まあ、歌詞はそれなりにエロスと政治が絡められているようだが……(この暴力的な世界で耳に入るのは静寂……あなたは暴君? いまやすべてが暴動なのにあなたは静寂……) 
 アルバムのなかでもっとも意表を突いているのは、ほとんどクラウトロック(クラフトワークorノイ!)の"In My Dreams"。いや、これはなかなか……歌詞もまたユニークというかドラッギーというか……(私は夢の少女、夢のなかではお金の心配もない、ママもコークに手を出さない……幸せ、幸せ、誰も存在しない)。

 カリ・ウチスは夢の少女なのだろう。あの眉毛とつけまつ毛とピンクの印象にはなんかこう、ファンタジーすら感じる。とはいえ、彼女の『アイソレーション』という言葉には、ひょっとして、いや、たぶんぼくの妄想だが、ジョイ・ディヴィジョンの“アイソレーション”からの引用だったりして……などと思ってしまったりもする。ま、なんにせよ、考えてみればGW中に『アイソレーション(孤立)』なんて、ある意味皮肉が効き過ぎているよなぁ。ちなみにプロデューサーはTV・オン・ザ・レディオのデヴィッド・シーテックで、演奏しているのはバッドバッドノットグッド。

Brett Naucke - ele-king

 現代的電子音楽シーンにおいて注目すべきレーベルのひとつ〈ウモール・レックス〉からリリースされたカセット作品『エグゼキュータブル・ドリームタイム』(2016)でも知られるシカゴのモダン・シンセシスト、ブレット・ナウケの新作が、〈エディションズ・メゴ〉傘下にして、元エメラルズのジョン・エリオットが運営する〈スペクトラム・スプールス〉からリリースされた。マスタリングを手掛けたのはベルリンのD&M。ちなみに〈スペクトラム・スプールス〉からは2014年の『シード』以来、2作目のアルバムである。

 ブレット・ナウケの活動歴は(意外と)長い。彼は2007年に自身のカセット・テープ・レーベル〈カトリック・テープ〉をスタートさせ、2010年にマイケル・ポラードのレーベル〈アーバー〉からソロ作品『サザン・カリフォルニア』をリリースしている。
 以降、ブレット・ナウケ自身のアルバムや音源のリリースのみならず、そのレーベル運営によって幾多のアーティストや音源を送り出してきた。いわば00年代末期から10年代にかけてアメリカのモダン・シンセサイザー・ミュージック・シーンを支えてきた人物のひとりといっても過言ではない。

 それにしてもブレット・ナウケのモジュラーシンセを駆使する電子音楽家の音を聴いていると、不思議と「音楽」から遠く離れていく感覚になる。正確には音楽から記憶の層へと遡行するような感覚に陥るのだ。これはいったいどういうことか。
 むろん、ブレット・ナウケの音楽が「音楽的ではない」というわけではない。むしろこの種の電子音楽の中ではニューエイジやアンビエントの要素が適度にミックスされ、とても聴きやすく「音楽的」といえなくもないくらいだ。とはいえ現代において無数に存在するこの種のニューエイジ・リヴァイヴァルなアンビエント・電子音楽作品とはどこか違う気がする。

https://hausumountain.bandcamp.com/album/multiple-hallucinations

 そう、彼の電子音は不思議な官能性がある。まるで「記憶=ノスタルジア」のように。これは興味深い音楽現象である。電子音楽の「モノ=現在性」と「記憶=ノスタルジア」の結晶とでもいうような。
 この新作『ザ・マンション』も同様である。一聴するとシンセに細やかな環境音などがレイヤーされ、天国的ともいえるマテリアルなアンビエント作品に仕上がってはいる。だがその電子音のモノ性のむこうに、感情を淡く揺さぶる記憶の層は煌めいているのだ。モジュラー使いとして知られているブレット・ナウケならではのノイズ音響を生成している「だけではない」点も面白いのだ。

 アルバムには全7曲が収録されているが、中でも冒頭の“The Vanishing”は、そのような「モノ」と「記憶」の層が交錯するような音楽性を象徴するトラックである。電子音のアルペジオ、微かに騒めくノイズ、聖歌隊のような声など複数の音響が複雑に折り重なりつつも、しかし全体として「大袈裟な物語」を描くことはなく、「記憶=ノスタルジア」を遡行するようなミュジーク・コンクレートとなっているのだ。
 続く“Youth Organ”、“Sisters”も同様だが、特に“Born Last Summer”は、シンセサイザーの魅惑と環境音などのマテリアルな質感とノスタルジックな抽象性が同居するトラックに仕上がっている。以降、“The Clocks In The Mansion”、“A Mirror In The Mansion”、“No Ceiling In The Mansion”の3トラックは、まるで記憶の層をコンポジションするような音響空間を生成している。

 それもそのはずで、本作はどうやらブレット・ナウケの子供時代の記憶をイメージしているアルバムなのだ。タイトルの「マンション」も、それに関連しているのだろう。加えて曲名に散りばめられた「オルガン」(Youth Organ)、「妹」(Sisters)、「時計」(The Clocks In The Mansion)、「鏡」(A Mirror In The Mansion)といったワードもまたその家の記憶に関連付けられているのかもしれない。
 つまり本作は、記憶の音響であり、記憶のアンビエントでもあるわけだ。「記憶」と「電子音」が生成・交錯をしていくことで、ある種のオブジェクト感覚が生まれた。たとえば「写真」のように。つまり記憶の定着化である。音響によって生まれる記憶のイマージュ、その結晶。
 マテリアルな魅惑と、記憶(ノスタルジア)への誘惑と横溢。本アルバムに横溢する電子音質感に、そのような物質と記憶がもたらす官能性のようなものを強く感じてしまうのである。

August Greene - ele-king

 今年の頭にロバート・グラスパーがふたつの新プロジェクトを開始しているというニュースが入ってきた。ひとつは「R+R=NOW」というもので、クリスチャン・スコット、デリック・ホッジ、ジャスティン・タイソン、テイラー・マクファーリンによるバンド。こちらは今年の『東京JAZZ』での来日も予定されている。
 そしてもうひとつはオーガスト・グリーンというもので、コモンとカリーム・リギンズとによるユニット。グラスパーはコモンと旧知の仲で、いままでもいろいろと共演しており、ロバート・グラスパー・エクスペリメントの『ブラック・レディオ2』(2013年)にもコモンは参加していた。カリーム・リギンズは1990年代よりコモンの数々の作品の共同プロデューサーを務め、またJ・ディラやエリカ・バドゥなどの作品に関わる一方でジャズ・ドラマーとしても活動するなど、グラスパー同様にジャズとヒップホップ/R&Bを繋ぐような存在である。
 この3者が集まったオーガスト・グリーンは、そもそも2016年10月3日(※オバマ政権時代)にホワイトハウスで行われたセッションが発端となる。当時「サウス・バイ・サウス・ローン」というアート・イベントが米大統領官邸で開催され、その一環で〈NPRミュージック〉によるライヴ配信シリーズの「タイニー・ディスク」の特別篇が図書室で行われ、そこにコモンが出演した。バックで演奏したのはグラスパー、リギンズほか、キーヨン・ハロルド、デリック・ホッジ、エレネ・ピンダーヒューズで、ビラルもゲスト出演していた。コモンが『ブラック・アメリカ・アゲイン』(2016年)をリリースする11月4日の1ヶ月ほど前のことで、このアルバムから数曲が披露された。『ブラック・アメリカ・アゲイン』にもグラスパーとリギンズはプロデューサーとして参加しており、リリースから4日後の11月8日は米大統領選の投票日だった。『ブラック・アメリカ・アゲイン』は「ブラック・ライヴズ・マター」に触発されたアルバムで、ドナルド・トランプへの対抗姿勢が示されたものだったが、結局コモンたちの願いとは裏腹にトランプ政権が誕生することになる。

 そうした観点から、『オーガスト・グリーン』は『ブラック・アメリカ・アゲイン』のその後を描いたアルバムとなる。「もし、俺が黒人のケネディだったら」と歌う“ブラック・ケネディ”に示されるように、黒人たちのアメリカの夢を再びというメッセージがここでも繰り返される。コモンによると、ケネディ一族はアメリカの富や権力、影響力の象徴であり、それを黒人の流儀でやったのが“ブラック・ケネディ”となる。
 そして、グラスパーはこの曲に黒人たちの不屈の強さを込めている。ブランディがゲスト参加した“オプティミスティック”は、ゴスペル・グループのサウンド・オブ・ブラックネスのカヴァー。原曲がリリースされた1991年はR&Bやハウス・シーンも巻き込んでのヒットとなったのだが、今回のカヴァーに際しては映像作家のB+を監督に迎え、キング牧師記念日にミシシッピ州のジャクソンでPVが撮影された。コモン、グラスパー、リギンズ、ブランディらに加え、ミシシッピの人権活動家らが登場する内容となっている。
 なお、“レッツ・ゴー”と“プラクティス”に参加しているサモラ・ピンダーヒューズはラッパー兼ピアニストで、前述のホワイトハウスのセッションに参加していたフルート奏者エレネ・ピンダーヒューズの兄にあたる。“レッツ・ゴー”や“フライ・アウェイ”はフォーキーで枯れた味わいが印象的で、“アヤ”はグラスパーらしいジャズ感覚が表われた曲。演奏にはギターやフルートなども加わっていて、クレジットはないがエレネ・ピンダーヒューズがフルートを吹いていたりするのではないだろうか。“ノー・アポロジーズ”はブロークンビーツ的なジャズ・ファンクで、コモンのラップはラスト・ポエッツ風。この曲に顕著だが、リギンズのズレてよじれたドラミング・ビートがアルバムの聴きどころのひとつでもある。

 本作はオーガスタス・グリーンの自主制作となり、いまのところCDなどの発売はなく、配信もアマゾン・ミュージックのみと限定的な形でのリリースとなっている。どのような理由でこうした形態となったのかはわからないが、政治的な問題なども絡んで大手のレコード会社などからはリリースできなかったのだろうか。ただ、リリースにあたって前述のPVや「タイニー・ディスク」でのライヴ披露などプロモーションが行われ、そうした話題性とともに作品そのものは非常に内容が濃い。2018年のブラック・ミュージックの重要作として記されるべき作品である。

Gonno & Masumura - ele-king

 私が森は生きているのA&Rディレクターの任にあった2014年、ele-king野田編集長から「テクノDJのGonnoくんに森は生きているの曲をリミックスさせてみたいんだ」という相談を受けたとき、正直言ってどのようなものが創り出されるのか、なかなか想像するのが難しかった。対象曲としてピックアップされた“ロンド”は、レコーディングでもあえてクリック(生演奏をスタジオ録音するにあたり、曲中のテンポを一定に保つためのメトロノーム音)を使用しなかったため自然とリズムにも揺らぎが生じており、そこに反復的に電子音をレイヤーし、かつリミックスを施すことは非常に根気のいる作業のはずだった。
 しかし果たして出来上がってきたリミックス・ヴァージョンは、電子音をひとつひとつ揺動するリズムに合わせ精緻に配置しつつ、全体では原曲の持つサンバ・ホッキ的リズム構成を活かしながら、バレアリックな音色と空間処理を施し大胆に再構築するという、高度な処理がなされたものであった。(いまとなってはなかなか入手の難しい状況かもしれないが、是非機会があればそのリミックス版の収録された12inch「ロンド EP feat. Gonno」を聴いてみて下さい)

 本作『In Circles』でGonnoと森は生きているのドラマーであった増村和彦は、かつて“ロンド”のリミックスで試されたクリックの使用有無による物理的的な揺らぎという問題系を超え、すべてマシンと人間の共同作業が前提となる綿密な音楽的コミュニケーションを通して、縦軸的な揺れを駆逐する代わりに、ミュージシャン相互の交感神経的次元に存在する本質的「揺らぎ」(肉体的リズム感覚の相克といっても良いかもれない)を、全体の揺動として心地よく提示することとなった。
 メビウス、プランク、ノイマイヤーによる『ゼロ・セット』や、フォー・テットとスティーブ・リードのコラボレーションなど、音楽史上実験を繰り返されてきた電子音とドラムス生演奏の融合は、それらの音素が、マシンと人間という違った次元のリズム・ヴィジョンを有していることを異化作用的に逆利用して、そこに存在する差異のダイナミズムを提示しようとしたものであった。
 しかしこの『In Circles』では、そういった系譜を十分に踏まえつつも、Gonnoによるメロディックなテクノ/ハウスの語法と、アフロ・ビートへの多大なるリスペクトに溢れたプレイヤビリティ漲るMasumuraのプレイが、相互のリズム感覚の差異を提示しようとするのを超えて(また、ときに埋めようとするのを超えて)、より本質的な次元で「1」たる統一態となることが目指されている。「電子音vs空気を震わす打音」を対立項として提示しつつも、聴覚上(触覚上といったほうが近いか)は、書き始めと書き終わりの定かでないサイケデリックな図像のように、渾然一体に音楽が揺動(スウィング)する感覚を喚起する。相互に内在するリズム・ヴィジョンは溶け合い、大きな総体として音楽が立ち上がってくるとともに、差異そのものも溶け出し、大きなグルーヴとなって内側から音楽自体を揺らしていくのだ。
 
 M1“Circuit”は、5拍子という奇数拍子の反復になっているのにもかかわらず、一般にポスト・ロックなどで志向されがちなトリッキーな演出効果は射程に入っていない。激烈なドラム・プレイと妖面なトラックが空間を埋め尽くすが、それらはあくまでシームレスなグルーヴを持続し、まろやかな酩酊を運び込む。中途からフィーチャーされる岡田拓郎とトム・ホークによるギターも、ギターという楽器自体から発散される物理的でソリッドな成分は極限まで抑制され、あくまで図像に溶け込ませるように、鮮やかな色を含ませた筆として運ばれていく。
 アルバム・タイトル曲である続くM2“In Circles“も同じく奇数拍子(7拍子)であるが、Gonnoによる音素自体にうねりを練り込んだような絡みつく電子音と、ステディでいながら細かな人的ニュアンスに飛んだ技巧を繰り出すMasumuraのプレイにより、デジタルとアナログのグラデーションが立ち上がる。それはまるで、コンピュータ・グラフィックス登場以前にキャンバスへ描かれた、アルバースやステラなどの黄金期抽象絵画を彷彿とさせもする。
 さらにM3~4と続く流れでは、ダブ・ミックスを纏ったドラムスが空間を太い筆致で埋めたあと、快活なリズムとともに転がり初める。Gonnnoによる流麗な音素がキャンパス全体に水色の飛沫をたらし込み、清涼なファンクネスを伴うダンス・ミュージックとしての機能も見せつける。
 ミニマルなフレーズとパッショネイトなドラムがジリジリとお互いを組み伏せるM5“Wirbel Bewegung”は、テクノ・ミュージックが持つ反復性に、そも肉体的感覚が不可欠であることを改めて提示する。不穏な環境音をドキュメントしたかのようなM6に続き現れるM7“Mahorama”で、Masumuraはドラム・セットでなく各種パーカッションを操る。その打音がもつトライバルな臭気を空間に行き渡らせるように、初期電子音楽を思わせる長閑としたトラックが漂い、淡い暖色によるアンビエントが描かれる。それに続くM8“Cool Cotton”は、初期電子音楽につづいて芽生えた草創期テクノ・ミュージックに対してのオマージュも感じるポップネスに溢れ、電子音楽発展史を仮想的になぞってみせることで、音楽愛溢れたチャームも聞かせる。
 そして、アルバム・クローザーとなる“Ineffable”では、アルバム中もっとも穏やかに、ドラムスは電子音を、電子音はドラムスを賛美し、お互いの高らかな習合が「歌われて」いく。天上的バレアリックとも呼びたいこの美しいアンビエント世界も、6/8の拍子に全体を優しく揺動されている。

 テクノ/ハウスDJとして、ここ日本を超え出て海外で高い評価を得、自身のフィールドの外側へと果敢に歩み出る活動を続けてきたGonno。その短い活動期間の間、音楽主義を貫徹しながらシーンを超え出た未踏の地で白兵戦を繰り広げてたバンド、森は生きていると、そのドラマー増村和彦。
 ふたりの音楽世界が、その強度を保ちながらよりジャンル横断的な視野を獲得し、邂逅し溶け合うことで、この上も無く豊かな果実として結実した。
 ふたりのインタープレイは、一組の合奏となり、立ち現れた音楽は、音楽それ自身に加えて、もちろんあなた方も揺動する。ひたすらに心地よく、揺らしてくれる。

Against All Logic - ele-king

 世界の基盤はぶっ壊れている。
 壊れている、壊れている――。
 歪んだヴォーカルがそう歌う。昨年死去したデイヴィッド・アクセルロッド、その楽曲から採取された音声の残響はやがてファンキーなリズムを呼び寄せる。マーヴィン・ゲイとも比較されるコンシャスなソウル・シンガー、マイク・ジェイムズ・カークランドのバックトラック。その合間には、落雷のようなディストーションが差し挟まれる。グルーヴィンで心地良いはずの音楽が、どうにも不穏な空気に脅かされている。まるで古びたブラウン管が華やかな音楽ショウと戦争を知らせる報道番組とを交互に高速で映し出しているかのようだ。そしてプツッ、と故障したかのように音は唐突に鳴り止み、アルバムは次の曲へと進んでいく。
 たしかに壊れている。何が? テレビだろうか。それともやはり、それが映し出す世界だろうか。
 冒頭の“This Old House Is All I Have”、「私に残されたのはこの古びた家だけ」と題されたこの1曲にこそ、本作全体を貫く大いなる秘密が潜んでいるように思われてならない。

 すべての論理に抗して――A.A.L.ことアゲインスト・オール・ロジックは、一昨年『Sirens』という非常にパーソナルかつポリティカルな作品を発表したニコラス・ジャーの、あまり知られていない変名のひとつである。その名義では3枚のシングルがリリースされているのみで、フルレングスは今回が初となる。とはいえ、事前告知なしに突如配信でリリースされたこのアルバムは、A.A.L.名義で制作されていたトラックを集めたコンピレイションとなっており、その一部、たとえば“I Never Dream”“Flash In The Pan”といったトラックはすでに2015年にYouTubeで公開されていたものだ。
 このアルバムを簡潔に言い表すなら、ニコ・ジャーのコレクションに眠る古き良きソウルやファンクのレコードを最大限に活用した、どこまでもダンサブルなハウス・トラック集ということになるだろう。じっさい、3曲目“Some Kind Of Game”や4曲目“Hopeless”の4つ打ちを聴くと嫌でも身体を揺らさずにはいられない。快楽を提供するための素材選びやその組み合わせ方に関してはさすがというほかなく、そういう意味で本作は、セオ・パリッシュの『Uget』にも通ずる良質なサンプリング・ダンス・ミュージックと言えるだろう。
 しかし、ではなぜニコ・ジャーはいまこのようなエディット集のリリースに踏み切ったのだろうか。

 このアルバムが機能的で昂揚的なのは間違いない。でも、ここに収められた11の楽曲たちはどれも、「古びたハウス」からは距離を置こうとしているように聴こえる。随所に差し挟まれるシンセ音とノイズが、このアルバムに不穏なムードをもたらしている。それら2010年代以降の音色は、私たちリスナーをレアグルーヴ的な快楽から遠ざける。どこまでもロウファイさを維持するサンプルと、それに対して不和を突き立てているかのような電子音、それらの巧みなレイヤリングは、さまざまな要素を結び合わせる錬金術師としてのニコ・ジャーの面目躍如といったところだが、その不穏さ、そしてそれら素材の性質に着目すると、一見寄せ集めのように見えるこのハウス・トラック集も、じつは『Sirens』のように入念に練られて構築されたアルバムなのではないかということに思い至る。
 トラックリストを眺めていると、“I Never Dream”や“Hopeless”といった悲観的なタイトルが目に留まる。それらの曲名はいったい何を示唆しているのだろうか。そういえば、本作が『ブラックパンサー』公開の翌日に配信されたのはたんなる偶然なのだろうか。
 ここで思い出すのが、昨年リリースされたムーヴ・Dとトーマス・マイネッケによる共作『On The Map』である。合衆国で多発している人種差別的な殺害事件からインスパイアされたと思しきそのアルバムは、ブラック・カルチャーと縁の深い土地をテーマにしたコンセプチュアルな作品だった。ニコ・ジャーによるこのダンス・トラック集も、じつはそれと同じような動機から出発したアルバムなのではないか。『2012 - 2017』というタイトルも、たんに収録曲が制作された年代を表しているのではないのではないか。BLMが起ち上がるきっかけとなった事件、すなわちフロリダ州でとある少年が射殺されたのは2012年のことではなかったか。

 すべては想像にすぎない。だが、古き良きブラック・ミュージックの至宝に彩られた本作が、その遺産に引きこもろうとしていないことだけはたしかだ。アルバムは終わりに向かうにつれ実験色を強めていき、9曲目“Flash In The Pan”や10曲目“You Are Going To Love Me And Scream”では、それまで以上に多彩なノイズやアシッドが飛び交っている。そして、最終曲“Rave On U”の圧倒的な違和感。あまりにも叙情的なその旋律と音色は、まるでエイフェックスのようではないか。ソウルやファンクの引用から始まったはずのこのアルバムは、いつの間にか私たちリスナーをそことは異なる想像の世界、すなわちテクノの領野へと連れ去っていくのである。

 世界の基盤はぶっ壊れている。たしかにそうなのかもしれない。でも、どうあがいてもそのぶっ壊れた基盤のうえで生きていくしかない私たちにとって必要なのは、それとは違う世界を想像してみることである――この『2012 - 2017』は、私たちにそう告げているのではないか。「すべての論理に抗して」ニコ・ジャーはいま、私たちリスナーを「古びたハウス」の外へ連れ出そうとしている。アナザー・ワールド・イズ・ポッシブル、たいせつなのはそう想像することでしょ、と。

SILENT POETS - ele-king

 12年ぶりの新作『dawn』がいろんなジャンルのいろんな世代にまたがって好評のサイレント・ポエツですが、なんともスペシャルなライヴ公演が決定しました。出演者のメンツを見ていただければわかると思います。これはすごい! まさに必見。6月24日、渋谷wwwです。

NEW ALBUM "dawn" RELEASE PARTY -SILENT POETS SPECIAL DUB BAND LIVE SHOW-
2018年6月24日(日)
Shibuya WWW
出  演:SILENT POETS SPECIAL DUB BAND
feat. 5lack, NIPPS, こだま和文, 武田カオリ, asuka ando, 山崎円城 (F.I.B Journal)

Special Dub Band Set:
Guitar : 小島大介 (Port of Notes)
Bass : Seiji Bigbird (LITTLE TEMPO)
Keyboards : YOSSY (YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)
Drum&Prc : 小谷和也 (PALMECHO)
Trumpet : 坂口修一郎 (Double Famous)
Trombone : icchie (YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)
Sax : 春野高広 (LITTLE TEMPO / ex SILENT POETS)
Violin : グレート栄田 / 越川歩
Cello : 徳澤青弦
Electronics : 下田法晴 (SILENT POETS)
Mix : Dub Master X

VJ : Kimgym

時  間:open18:00 / start19:00
料  金:前売¥4,000 / 当日¥4,500(税込 / ドリンク代別 / オールスタンディング)
チケット
 先行予約:4/21(土)10:00 ~ 5/6(日)23:59  e+: https://eplus.jp/silentpoets/
 一般発売:5/12(土)10:00~ 
e+ : https://eplus.jp/silentpoets/
ローソンチケット【Lコード:73248】 https://l-tike.com/order/?gLcode=73248
チケットぴあ【Pコード:115-835】 https://t.pia.jp/
WWW店頭
問い合せ:Shibuya WWW 03-5458-7685
主催・企画制作:ANOTHER TRIP
協力:Shibuya WWW

IDM definitive 1958 - 2018 - ele-king

 なぜ1950年代から……?
 このタイトルを目にした方がたの多くは、まずそこに戸惑いを覚えることだろう。でも、まさにそこにこそこの本の秘密がある。
 IDMすなわちインテリジェント・ダンス・ミュージックという言葉は90年代に作られたものだ。それはハウス・ミュージックより後に生まれた概念であり、ダンスを出自としながらそこに留まらないことを希求する、ひとつのオルタナティヴな態度でもある。とはいえ、その言葉に含まれる「インテリジェント」という部分がどうしても「それ以外のダンス・ミュージックには知性がない」というニュアンスを帯びてしまうため、その呼称を忌避する者も多い。それゆえUKや欧州では当時からエレクトロニカという言葉も用いられ続けてきたわけだが、不思議なことに合衆国ではその語はプロディジーやケミカル・ブラザーズのような音楽を指すために使われることとなった。このような奇妙なねじれ、このような言葉の揺らぎそのものに、IDM/エレクトロニカという音楽の持つ特質、すなわちそれを他とわかつ決定的な指標が潜んでいるのではないか? であるなら、その前史を振り返ってみることもまた有意義なことなのではないか?
 とまあ、堅苦しい言い方になってしまったけれど、本書はディスクガイドである。IDM/エレクトロニカとはいったいなんなのか――それについてどう考えるにせよ、その中心にエイフェックスがいることは間違いない。近年では、彼を筆頭とする90年代のIDM/エレクトロニカから大いに影響を受けたラナーク・アートファックスのような新世代が台頭してきている。あるいはそこに〈CPU〉やブレインウォルツェラ、バイセップダニエル・エイヴリーなどの名をつけ加えてもいい。昨年『ピッチフォーク』が「The 50 Best IDM Albums of All Time」という特集を組んだことも話題となった。いま、90年代前半に起こった音楽的旋回がさまざまな形で参照され、新たな意味を帯びはじめている。
 そのような今日だからこそ、この『IDM definitive 1958 - 2018』はあなたに音楽の新たな聴き方を提供する。エイフェックスを起点として過去と未来とその双方に向けて放たれた無数の矢、選び抜かれた800枚以上のタイトルがいま、あなたに聴かれることを待っている。

IDM definitive 1958 – 2018

監修・文:三田格
協力・文:デンシノオト
文:野田努、松村正人、木津毅、小林拓音

contents

Chapter 1
Musique concrète / Synthesizer Music (1958~1965)

Chapter 2
Sound Effects (1966~1971)

Chapter 3
Improvisation / Composition (1972~1979)

Chapter 4
New Wave / Industrial (1980~1989)

Chapter 5
Braindance (1990~1993)

Chapter 6
Glitch Electronica (1994~1999)

Chapter 7
Indietronica & Folktronica (2000~2006)

Chapter 8
Life and Death of Rave Culture (2007~2013)

Chapter 9
Now (2014~2018)

JAZZ & CITY #2 - ele-king

 去る3月25日、89歳でその生涯を閉じたピアニスト、セシル・テイラー。その功績は「フリージャズ」という言葉ひとつで片付けてしまうことのできるものではない。じっさい彼は、かつてソニック・ユースがキュレイターを務めたオール・トゥモロウズ・パーティーズ(ATP:毎回1組のアーティストがキュレイターとして出演者を選出する、インディペンデントかつ尖鋭的な音楽フェスティヴァル)にも出演している。そんなセシル・テイラーをめぐって、来る5月11日、音楽から思想までを横断する批評家・平井玄と、『残響のハーレム』の著書で知られる人類学者・中村寛が新宿2丁目で語り合う。入場無料とのことなので、これは行くしかない!

共和国 PRESENTS
editorial republica

階級都市のリアルに迫るワンナイト・ラジオショー、2年ぶりに復活。

JAZZ & CITY #2
reverberation under gentrification

セシル・テイラーが4月5日にニューヨークのブルックリンで死んだ。小雨降る寒い日、ピアニストで詩人は逝く。前衛音楽、フリージャズの先人とメディアは伝える。セシルはディスクの中で生きたわけじゃない。大恐慌が始まった1929年、移民が集まるブルックリンの街中で生まれ、6歳でピアノに初めて触れ、10歳の時にはニューヨーク万博。激しい音でジャズクラブを追われると皿洗いや洗濯屋でしのいだ。なんだ同じじゃん!? 「フリージャズ」の棺桶は彼に似合わない。

すべての棺桶をこじあけろ!

2018/5/11 [FRI]
OPNE 19:00 START 19:30
入場無料(但し要ドリンクオーダー)投げ銭制

出演:
平井玄、中村寛

会場:
Café★Lavandería
〒160-0022
東京都新宿区新宿2-12-9
広洋舎ビル1F
TEL: 03-3341-4845
https://cafelavanderia.blogspot.com/

主催・問い合わせ:(株)共和国 editorial republica
naovalis@gmail.com
https://www.ed-republica.com/

Gonno & Masumura - ele-king

 ブライアン・イーノによれば「地球上でもっとも偉大なミュージシャン」とはトニー・アレンだそうだ。実際、いま別冊エレキングで「UKジャズ特集号」を作っているのですが、トニー・アレンの影響の大きさにあらためて驚く。手と足で叩いているのではなく、ドラムセット全体を使ってリズムを創出する様は、腕以外の身体のあらゆる部位を使ってボールを蹴るブラジル人フットボーラーや、ターンテーブルを楽器にしてしまうターンテーブリストの発想を思わせる。ただただ踊らせるために、しかしだからこそ多彩なドラムフレーズを駆使する。
 さて、ここでゴンノ&マスムラの登場だ。インターナショナルに活動するDJ/プロデューサーのGONNO。そしてex森は生きているのドラマー、増村和彦。このふたりによるプロジェクト、Gonno & Masumuraのアルバム『イン・サークルズ』が4月25日にいよいよリリースされる。
 ディター・メビウスとコニー・プランクとマニ・ノイメイヤーの『ゼロ・セット』を忘れよう。フォー・テットとスティーヴ・リードの一連のコラボレーションも忘れよう。モーリッツ・フォン・オズワルドとトニー・アレンの共作も忘れていいでしょう。
 『イン・サークルズ』は、そうした先駆的作品と確実にリンクしているが、まったく似てないとも言える。日本のテクノ・シーンを牽引するプロデューサーによるエレクトロニクスと、そして本作においてトニー・アレンからの影響(フレージング)を出し切ろうとしたドラマーとのまったく素晴らしい邂逅。その純粋な音楽的化学変化は、このふたりだからこそ為しえたものであり、ジャケットが表すように、それは宇宙を目指すのだ。
 そもそも日本のDJカルチャーがこのような形で日本のインディ・ロックと融合するのは、90年代以来のことではないだろうか。松浦俊夫さんは早々と彼らの曲をラジオでオンエアーしたそうだが、いよいよ日本からもこうした雑種に対するオープンマインドな動きが出てきた。いっしょに飛んでくれ!


ゴンノ&マスムラ
イン・サークルズ

Pヴァイン
Amazon

Lolina - ele-king

 ファースト『ライヴ・イン・パリス』の収録曲の一例……“マスかき最後の日々”、“私はあなたのアンビエント妻”、“怒り”、“EUの時間”……、そしてセカンド『ザ・スモーク』……“フェイクな街、リアルな街”、“スタイルと罰”、“失われたエヴィデンス”、“ハッパと花の小道”、“殺人”、“裏切り”……ほか。
 インガ・コープランドを名乗る女性(exハイプ・ウィリアムス)による、ロリーナ名義の2作目、いまのところBandcampで配信のみのリリース。日本円にして約1200円。

 ロリータ、いや、ロリーナ。希望はない。フェイクな世界を生きる。
 コープランド名義ではシンセ・ポップのスタイルで意味深そうな歌を歌った彼女は、ロリーナ名義ではより自由形式による表現を展開している。ピアノによるライト・クラシック調にはじまりヒップホップへと転じる“ルーレット”、気怠いラップが入る“フェイクな街、リアルな街”、インダストリアル調の“スタイルと罰”、プリミティヴなビートの“川”、R&B調の“失われたエヴィデンス”、シンセ・ポップ調の“ハッパと花の小道”、催眠的なウェイトレスと反復の“殺人”、アカペラではじまる“裏切り”。
 すべての曲が最小限の音数で展開される(歌+αにもう1音ぐらいの感覚)。それは収まりの悪いムード音楽や古めかしい舞台音楽、無邪気さを欠いたフレンチ・ポップスのようでもあるが、すべての歌唱には抑揚がなく、晴れやかさというものがない。商業的なポップ・ミュージックにおけるカタルシスが欠如しているし、曲名からも察することができるように、何か良からぬものの気配がある。まるでクラフトワークがヤング・マーブル・ジャイアンツをカヴァーしたようなスカスカの短音階の楽曲であり、暗がりのなかのつぶやきの音楽だ。“フェイクな街、リアルな街”や“川”といった曲で彼女が見せるM.I.A.調のラップにしても、じつに気が抜けている。
 しかし、そう、これが彼女なのだ。さんざん裏切られてきた者であるが故に期待を裏切り、正直であるが故にときに絶望的であること。彼女がかつて在籍していたハイプ・ウィリアムスとは、21世紀のTGである。

 アリーナ・アストロヴァというのが彼女の名前らしいが、いまだにぼくたちは彼女がどんな人なのか、そもそも音楽に対する彼女の考えがどういうものなのかを知らない。虚偽であるなら過去のわずかなインタヴューで語っているが、いまだ彼女は公の場で自分を語らないし、自分を巧妙に隠し続けている。5年以上インターナショナルに活動していながら、いまもなおその実体を知られていないということそれ自体が現代社会を思えばすごいことだ。
 が、他方でぼくはコープランド名義のソロ・アルバム『Because I'm Worth It』に彼女の本心を見た気がしている。それは、世界の裏側に拡がる圧倒的な空しさと関係しているのだろう。しかし彼女は、そうした負の感覚を感情で水浸しにすることはない。むしろドライなジョークに包んでいるように見える。つまりこの悪夢をジョークにすることで、彼女はそれを遠ざけている(相対化している)のだ。だからたとえば“私はあなたのアンビエント妻”も、彼女らしいユーモアのある皮肉だ。アイロニーは、彼女の作品における重要なキーワードである。
 『ザ・スモーク』に関して言ってしまえば、“フェイクな街、リアルな街”がベスト・トラックだろう。次点が1曲目の“ルーレット”、MVが上がっている“川”もたしかに面白い。ちなみに、その映像に情緒のひとかけらもないことは言うまでもないのだが……。
 このフェイクな世界を生きるうえで、人はシニカルになることを強いられている。ロリーナを聴いていると、それはそれでいいじゃないかと思えてくる。彼女のアイロニーとシニシズムは、ぼくのような感傷的なリスナーをしっかり捉えているんだし。

※文中の曲名は筆者が勝手に和訳しました。原題はdiscogsなどで見て下さい。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847 848 849 850 851 852 853 854 855 856 857 858 859 860 861 862 863 864 865 866 867 868 869 870 871 872 873 874 875 876 877 878 879 880 881 882 883 884 885 886 887 888 889 890 891 892 893 894 895 896 897 898 899 900 901 902 903 904 905 906 907 908 909 910 911 912 913 914 915 916 917 918 919 920 921 922 923 924 925 926 927 928 929 930 931 932 933 934 935 936 937 938 939 940 941 942 943 944 945 946 947 948 949 950 951 952 953 954 955 956 957 958 959 960 961 962 963 964 965 966 967 968 969 970 971 972 973 974 975 976 977 978 979 980 981 982 983 984 985 986 987 988 989 990 991 992 993 994 995 996 997 998 999 1000 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 1033