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Toungues Untied

Toungues Untied

──30年前のゲイ黒人男性の姿を映すドキュメンタリー『タンズ・アンタイド』特別上映

Signifyin' Works   Jan 06,2020 UP

 近年、ブラック・カルチャーとクィアの結びつきは音楽の周りでも見逃せない重要なトピックとなっている。非白人を中心とするクィア・コミュニティから活性化したクィア・ラップ。クィアネスと交差するブラック・エレクトロニカ。
ブラッド・オレンジはトランス・アクティヴィストのスポークン・ワードを挿入し、フランク・オーシャンは抗HIV薬の名を関したパーティ〈PrEP+〉を開催した。マイノリティのなかのマイノリティであるクィアたち(they/he/she)の生は、その表現は、どのようなものとなりうるだろうか?

 その問いを探るには、ひとつとして歴史と向き合うことがあるだろう。様々なインディペントの上映会を企画する〈ノーマルスクリーン〉が、このたび、エイズ危機以降のアメリカ黒人ゲイ・コミュニティを捉えた、マーロン・グリスによる1989年のドキュメンタリー『Tongues Untied』を特別上映する。ミッキー・ブランコらが出演し、アメリカのブラック・コミュニティにおけるHIV/エイズについて考える『知られざる結末、斬新な幕開け』も同時上映される。あの時代から変わったこと、変わらなかったこと。それを知る手がかりがここにあるはずだ。詳細は以下。(木津毅)

タンズ アンタイド from Normal Screen on Vimeo.


TONGUES UNTIED
タンズ・アンタイド

アメリカの黒人ゲイ男性による表現の歴史を語るうえで欠かすことのできない映像作家、マーロン・リグス。
彼の1989年の代表作『Tongues Untied』を特別上映!

タイトルの「タンズ・アンタイド」を日本語にすると「話しはじめた口」。詩人やアクティヴィストとしても活躍したリグスは、同じ年に生まれた著名な詩人エセックス・ヘンプヒルの詩や彼のパフォーマンスをからめながら、奴隷制度が建国以前から続いたアメリカの地で黒人でゲイとして生きる人々の複雑な経験をつづる。

差別や憎悪に晒され続け、さらに降りかかるエイズ危機にも屈せず生きる彼らの苦悩。その只中で生み出されてきたユーモアや遊びの表現。張り詰めた緊張感をもって沈黙を破る彼らの声を、映画は実験的なドキュメンタリー/エッセイのスタイルで革命的に響かせる。
2019年には30周年を記念して全米各地で上映された本作を日本語字幕つきで(おそらく)日本初上映です。

(タンズ・アンタイド|1989|55 min|アメリカ|英語|日本語字幕)

同時上映:『知られざる結末、斬新な幕開け』
リグスのレガシーをさらに発展させる現代のアーティストによる映像7作品。ミッキー・ブランコ、ブロンテス・パーネル、シェリル・ドゥニエらがアメリカ黒人コミュニティにおけるHIV/AIDSの影響を大胆に映しだす。
(2017|51 min|アメリカ|英語|日本語字幕)

Marlon Riggs
マーロン・リグス:アメリカのジャーナリスト、ドキュメンタリー作家。黒人、 黒人で男性、そしてゲイであることなど、交差性を早くから意識しドキュメンタリーを制作。やがてそこにエイズの問題も加わる。生涯で計8作品の映像をのこし、1994年に37歳で逝去。

“It doesn’t take much description to understand why Marlon Riggs’s Tongues Untied was and remains a radical work of American art.” ──Film Comment magazine https://www.filmcomment.com/blog/queer-now-then-1991/
“If you’ve never heard of Marlon Riggs, you’ll wonder why the hell not. How could an artist this smart, this prescient, this frank, transparent, curious, ruminative and courageous — this funny — escape your notice?” ──The New York Times https://www.nytimes.com/2019/02/06/arts/blackness-gayness-representation-marlon-riggs-unpacks-it-all-in-his-films.html

[イベント詳細]

2020年1月13日(月/祝)
14:30~16:30(14:00開場)

入場料(会場で選択いただき、その場でお支払いいただきます)
・2500~3000円
 『タンズ・アンタイド』+『知られざる結末、斬新な幕開』 資料込み|料金スライド式
・2000円
 『タンズ・アンタイド』資料込み
・1500円
 22歳以下|『タンズ・アンタイド』資料代込み

予約ページ:https://forms.gle/193Hm3TAAFUetCqa7

会場:日比谷図書文化館 日比谷コンベンションホール
(東京都千代田区日比谷公園1-4)

主催:Normal Screen|C.I.P. BOOKS
ウェブサイト:http://normalscreen.org/
連絡先:normalscreen@gmail.com

Normal Screen:
主にセクシュアルマイノリティの視点や経験に焦点をおく映画/映像を上映するシリーズ。2015年より東京を拠点に活動。これまでに音楽家アーサー・ラッセルのドキュメンタリー(日本初公開)やHIV/AIDSに関する実験映像、韓国やベトナムのドキュメンタリーなど日本では観る機会の少ない作品を数多く上映してきた。

C.I.P. BOOKS:書籍とzineの翻訳・出版プロジェクト。主に英語圏の女性/クィアの書き手によるジャンル横断的な作品を紹介。2018年6月ケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』刊行。拠点は静岡・三島のCRY IN PBLIC。ノーマルスクリーンとの上映は『アウトフィチュメンタリー』(シアター・イメージフォーラムで2019年4月に上映)以来2回目。

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