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誰でもそうだと思うが、ペリー&キングスレーの『The In Sound From Way Out! 』のジャケットを見たとき、ただただ、うっとりした。ドキドキするほどカラフルで、それは幸福な夢の世界の扉だった。去る11月5日、電子音楽の先駆者のひとり、いや、電子“娯楽系”音楽の先駆者と言い直そう、ジャン・ジャック・ペリーがスイスで亡くなった。87歳だった。
よく知られるように、ジャン・ジャック・ペリー氏とってのエレクトロニック・ミュージックは、当時としては実験的だったが、しかし無邪気でハッピーで、ユーモアとポップスを志向し、楽しみのためにあった。1929年フランス生まれの氏は、30歳のとき渡米し、1965年、ニューヨークでドイツ生まれのユダヤ人のガーション・キングスレイと出会い、オンディオラインや発信器、数マイル分のテープなどを駆使し、275時間かけてくだんのアルバムを作ると、1968年にはもう1枚のクラシック『The Amazing New Electronic Pop Sound』をヴァンガードよりリリースしている。モーグ・シンセサイザーを使った実験的なラウンジ・サウンドの『Moog Indigo』も人気作だ。氏の影響はエイフェックス・ツインからステレオラブ、ビースティー・ボーイズまでと幅広く、2007年にはルーク・ヴァイバートと『Moog Acid』なる作品も発表している。が、氏の音楽がもっとも輝いていたのは60年代という夢見る時代だったし、その無邪気さはそうなかなか真似できるものではなかった。