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RIP

R.I.P. Klaus Schulze

R.I.P. Klaus Schulze

追悼:クラウス・シュルツ

Chee Shimizu Apr 30,2022 UP

 30年ほど前になりますが、三田という街に住んでいたことがあり、散歩がてら東京タワーに行くことがたびたびありました。当時の東京タワーには蝋人形館があり、何度か中へ入ったことがありました。歴史上の人物から俳優まで微妙な顔立ちに造形された有名人や、笑いを誘う拷問シーンの蝋人形を眺めながら最奥へ進むと、ひときわ胡散くさい一角がありました。「ロック」ブースです。ビートルズ、ジミヘン、フランク・ザッパ、ジミー・ペイジなど、ロック界の偉人たちが揃い踏みするなか、クラウス・シュルツェとマニュエル・ゲッチングという聞いたことのない人物の蝋人形が、(今でこそわかる超お宝な)たくさんのグッズに囲まれながら、仰々しく鎮座していました。出口に併設された〈コスミック・ジョーカー〉という、これまたひときわ怪しい売店に寄ってみると、とても素敵な音楽が流れていました。店員さんに尋ねると、マニュエル・ゲッチングの『E2-E4』だと教えてくれ、さっき見た謎の蝋人形の人だとわかりました。売店ではCDが売っていたので、『E2-E4』とクラウス・シュルツェの『Timewind』を購入しました。これがクラウス・シュルツェの音楽との出会いです。
 それから幾年をかけて、シュルツェが過去に発表した作品や参加作品、プロデュース作品をこれでもかと聴き漁りました。なかでも夢中になったのは、シュルツェが1978年に創設した〈Innovative Communication〉というレーベルの作品群でした。ロック、電子音楽、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ、ニューエイジなど、シュルツェがプロデュースした多様ながら一貫性のある、刺激的な音楽がそこにはたくさんありました。今はあまり聴かなくなりましたが、シュルツェが掲げた「革新的コミュニケーション」というコンセプトは、私の音楽に対する姿勢や態度の根底に息づいているような気がしています。

Chee Shimizu

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