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Home >  Interviews > intervew with FURUKAWA MIKI - ――フルカワミキ、インタヴュー

intervew with FURUKAWA MIKI

intervew with FURUKAWA MIKI

――フルカワミキ、インタヴュー

野田 努    Feb 19,2010 UP

過去の2枚の経験が、今回のアルバムにどのように反映されているんですか?

打ち込みと生音を混ぜて、もっと賑やかにしたかったというか、手法にこだわらないほうが自分には合っているのかなと。

自分の音楽にジャンル名を付けるとしたら何?

ジャンル(笑)! 

Jポップと呼ばれることに違和感はない?

Jポップと呼ばれるとネガティヴなイメージがあるんだけど、もう、そのあたりもどうでもいいのかなって(笑)。

では、レディオヘッドとエグザイルとでは、自分がエグザイルの側でも構わない?

好きなのはレディオヘッド(笑)。だけど、JポップにはJポップの面白さはあると思うし。まあ、例えば戦略とか。

戦略?

プロモーションの仕方とか。

そこは僕が疎いところで、僕にJポップの面白さについて教えてくださいよ。

それは私もね~! まあ、ネットを見たりして知っている程度で、私もあんまりうまくやれているほうでないので。ただJポップって、すでに日本の文化として成立しているんじゃないですか。

要するに「歌謡曲の良さも認めなければならない」と。

まあ(笑)。嫌いな曲もいっぱいあるんですけど、でもまあ、それを受け入れなきゃならないというか。

なるほど~。質問を変えますね。詞と言うよりも音の人ですよね。

そうですね。曲は完全に音から作っている。歌詞はいちばん最後。

新作『Very』を聴いて"ストロボライツ"や『ハイヴィジョン』時代のスーパーカーを思い出したんですけど、意識した?

とくに意識してはいないけど、たぶんあのやり方が身になっているんです。ちゃんと受け継いでいるというか、それが当たり前になっている。ふだん聴いている好きな音楽も空間がある音楽で......、音と言葉のあいだにちゃんと隙間があるというか。

1曲目から3曲目まで、"ストロボライツ"だなーと思うんだよね。

そうですね。

いや、5~6曲あたりもそうだね。"Make Up"から"New Days "、"Come Now "とか。エレクトロニック・ダンス・ミュージックをふくらませたサウンドというか......。

打ち込みという意味では、そうかもしれないですね。

ざっくり言えば、トランシーなテクノって感じでしょ。それってまさに"ストロボライツ"の発展型だと思うし。

たしかに"ストロボライツ"は私を思い出すときの代表的な曲なんだと思います。声の感じとか、イメージとか。それはよく人から言われる。

あー、やっぱ多くの人がフルカワミキといえば"ストロボライツ"である、と言うんだ?

はい。私のリード・ヴォーカルの曲ではあれがもっとも有名な曲なんでしょうね。それはよくわかるんです。それに、打ち込みで私が歌うと、やっぱああなってしまうんでしょうね。キーだったり、歌い方だったり。

ああいう、レイヴ・カルチャーにインスパイアされた曲にいまでも愛着があるということなんですよね?

そうですね。

すごくよく憶えているんだよね。"ストロボライツ"の頃に取材して、ナカコーがレイヴ・カルチャーにものすごく真っ直ぐに入り込んでいて、それがヒシヒシと伝わってくるようなね(笑)。訊いているほうが恐くなるような鬼気迫るインタヴューで(笑)。

ハハハハ。

ただ、スーパーカーがレイヴ・カルチャーにハマっていた頃って、僕はもうあの文化にわりと飽きていた時期でもあったんだよね。

あ、でもね、スーパーカーがもっともレイヴ・カルチャーにハマっていたのは『フューチュラマ』のときで、『ハイヴィジョン』のときはもう飽きていたんですよ。じょじょに行かなくなってきた頃に"ストロボライツ"で、その後に『ハイヴィジョン』なんです。『ハイヴィジョン』はレイヴ・カルチャーというよりも『キッドA』とかプライマル・スクリームとか......。

『キッドA』の作風はずいぶん陰鬱じゃない。

影響受けたのは手法的なところですよね。ロック・バンドがコンピュータを取り入れる手法を用いたというところ。それを自分たちでやったのが『ハイヴィジョン』ですね。

それでいったら『Very』もその延長にありますよね?

私は作曲するとき鍵盤で作るので、あるいは「あ、この音を使いたいな」というところから入っていくので、だから打ち込みのやり方のほうがやりやすいとも言えるんです。

"ストロボライツ"が良い曲か悪い曲か、好きか嫌いか、そういったことは抜きにして、あの曲がものすごーく切実に作られているなと当時僕は思ったんです。「この人たちは本気そういう風に考えているんだ」って。

デビューの頃に青森からやって来て、とても「イエー!」っていう感じじゃなかった。なんか周囲からも浮いていて、すごく疎外感や孤独感があったんです。交わりたくても交われなかったんです。その感覚がずーっとあるんです。寂しがり屋なんですね(笑)。だから音楽でなんとか前向きなものを出すんですけど、家に帰るとまた元に戻っているというか。だからなのか、4つうちの曲で踊って「わーっ」となるのがすごく楽しかったし、踊るのも大好きだし。それを表現したかったというのもあったんですよね。

いまでも踊りに行く?

はい。回数は減ったけど。いまでもクラブに行きますよ。

ファースト・アルバムの頃はムードマンにリミックス頼んでいたもんね。

"コーヒー&シンギン・ガール!!!"ですね。

そうそう、あれはフルカワミキのクラブ・ミュージックへの愛情がとてもよく出ていた曲だったよね。

そうですね。でも、さすがにもう山には行かないですけどね。

山(笑)。ハハハハ、それはもう10年以上前の話でしょ。

はい、18、19、20のあたり。

フルカワミキをサポートしている人っていうのは、ナカコーはもちろんのこと、他には誰がいるの?

ドラマーの沼沢(尚)さんとベースの那須野(満)さん。那須野(満 )さんは灰野(敬二)さんのバックで弾いている人。

すごいメンバーだね!

那須野(満 )さんは1枚目からずっとやってくれています。イタリアン・プログレの話とかされるんですよ(笑)。

ハハハハ。いいな~。レーベル・メイトである電気グルーヴについては?

電気グルーヴの作品をがっつり聴いたってことがないんです。卓球さんのソロであったり、まりんさんのソロであったり......『ラヴビート』がすごく好きだったから。

まりんさんはスーパーカー時代から一緒にやってるものね。でも彼はもう何十年も出してないじゃないですか......いや、何十年ってことはないか(笑)。

こないだ久しぶりにライヴやって、音がすごかったですよ。映像もあって、視覚と聴覚と両方すごかった。

卓球さんのやっていることは?

踊らすなーと(笑)。

ダンス・ミュージックでは好きな人って誰になるの?

ふだんDJやっているときによくかけるのが、マシン・ドント・ケア。

何それ?

知りません? けっこう有名ですよ。DJでかけるとやたら盛りあがりますよ。

へー、DJもやっているんだね。

はい。

ほかにどのあたりをかけるの?

ザ・フィールドとか。

ああ、ザ・フィールドね、それは僕も何枚か持ってる。言われてみれば『Very』の音に近いよね。

それとクラーク、あとはボーイズ・ノイズとか。

幅が広いね~。

「この人悪そうだなー」っていう音が入ってくるのが好きだったんです(笑)。

なるほど(笑)。どういうクラブでまわしているの?

バッファロー・ドーターのイヴェントでまわしたのが最初だったんです。

そういえば、昨年、曽我部恵一のイヴェントにも出ていたよね。

それがぜんぜん受けなくて(笑)。

ハハハハ。

「この人、ホントにDJやるの?」みたいな、珍獣を見るような感じで見られて(笑)。ああいうところでテクノやエレクトロはダメですね。

それはそうだよ(笑)。

クラブでは青山の〈ルバノン〉、渋谷の〈エイジア〉とか、京都の〈ワールド〉とか......。

本格的にやってんだね。

練習しなきゃ(笑)。

いちばん受けたのは?

京都。観察される感じじゃなかったし。あとは〈エイジア〉も良かったな。お立ち台に女の人が上がってきて(笑)。

へー、盛りあがったんだね。DJって前からやりたかったの?

けっこう誘われることが多かったんです。で、2枚目のあとに音楽活動の中断期間があって、音楽の現場と疎遠になるのもイヤだったので、だったらDJをやろうと。音楽をかけることで自分も音楽を体感できるんで。

"ストロボライツ"の頃とは違った意味でダンス・カルチャーと関係しているんだね。

そうですね。

野田 努(2010年2月19日)

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