Home > Interviews > interview with Takeshi "Tico" Toki - 国立そよかぜ通り
俺個人で言うと、東京の人間だし、国立で生まれ育っているから、俺のふるさとは多摩、武蔵野なの、だから、そこを簡単に離れる感じではないね。あと俺は東京にいる仲間といっしょに音楽やってるから。
■あと......結婚して、子供ができたっていうことも、リトルテンポを変えた要素だよね。
土生:それは大いにあるね。子供が生まれ、そこでやっぱ愛がでかくなるわけだから。
■物事を発するときの足下みたいなのが違ってくるしね。
土生:自分に対しての音楽じゃなくなっちゃうね。若い頃は、自分が心地よいとか、俺がいちばんカッコいいとか、そんなことばっか考えていたんだけど、逆にいま他人を笑かそうとか、楽しませようとか、なんかそういう気持ちのほうがでかいね。
■「ワイワイ祭り」もそうだよね。あれも『山と海』以降でしょ。そういうこともぜんぶリンクしてるでしょ。
土生:そうだね。
■あれはなぜ「ワイワイ祭り」なの?
土生:あれはもう、人間本来の歓喜を取り戻そうという。
■素晴らしいね、それは。
土生:マジにホントそうだよ。だから、ワイワイなんだよね。
■ワイワイって?
土生:ワイワイ、ガヤガヤ。みんなでワイニーダンス!
■俺、一昨年の日比谷野音でやった「ワイワイ祭り」は行って、すごく楽しかった。
今年はやるの?
土生:今年はリキッドルームで、9月16日(金)に、レコ発とワイワイ祭りをかねてやるから。
■今年で何回目?
土生:4回目だね。
■また野外でやって欲しいね。
土生:地方でもやりたいけどね。去年は国立でやって、さすがにキャパが狭いだろうって。
■ライヴハウスでしょ。
土生:そこがいいんじゃん、超ライブ&ダイレクトで。地元で、みんな一体となって、汗だくになってやるっていうね。
![]() LITTLE TEMPO 太陽の花嫁 Pヴァイン ![]() |
■なるほどね。土生くんは『太陽の花嫁』のなかで1曲選ぶとしら何を選ぶ?
土生:やっぱタイトル曲だね。
■ああ。
土生:やっぱいちばん愛があふれてたね。あふれ具合がハンパじゃなかった。みんな泣いてたからね。
■今回はこのジャケットにも泣いたけどね。すごく良いよね、この絵。
土生:ジャケットのアイデアはベースの白水(生路)とテレパシー交換して小鳥が出てきたの。タイトルも何も決まってないときにパッと俺の心に飛んできたんだよ。いつもはタイトルが決まってから描くんだけど、今回はタイトルも何も言葉がない状態で、小鳥が出てきたね。しかもそれ......日本画だからね。
■いい絵だね。
土生:ベースの白水が描いてるんだよね。希望だね。
■たしかにね。じゃあ、最後に月並みで申し訳ないんだけど、読者にメッセージを言ってもらおうかな。
土生:あのー、随時合コン募集中だよ、みなさん。気軽に、現場であったら僕に声をかけてください。
■CDを買うように言わないと。
土生:いや、CDはコピってくれればいい。いいんだよ、買わなくたって。金ねぇよ、みんな。だからコピって聴いてくれ。
■アナログ盤も出るからね。
土生:そうだよ。若い子は音楽を携帯みたいのばっかで聴いてると耳が腐るから、アナログでいい音を体感してください。
■カッティングもロンドンなわけだよね?
土生:あったりめぇーよ(笑)。ケヴィンといっしょにね。間違いないよ、なにせ〈グリーンスリーヴス〉のカッティングやってた人だからね。
■それは間違いない。じゃあ、そこには〈グリーンスリーヴス〉と同質の溝が。
土生:そうなんです、刻まれている。ただ、正確な発売日が見えないんだよね。アメリカのプレス工場が混んでいるんだよ。
■あ、だっていまUSのインディはアナログばっかだよ。
土生:そうみたいね。
■あとカセットテープね。
土生:カセットいいね。俺もそれやりたいな。みんな、デッキ持ってるんですか?
■買ってるみたいよ。
土生:俺はずっとカセットだよ。デモテープ渡すのもカセットだし、カーステもカセットだし。炊事はカセットコンロだし(笑)。
■それはすごいね。決して贅沢な費用があるとは思わないけど、リッチな音を作っていると思うよ。
土生:気合いがあれば、そんなに金かけなくてもできるんだよね。
■そこはやっぱ熟練していくんだね。
土生:そこはやっぱ中央線沿線が鍛えてくれた。だって間違いないもん。俺たちが使っているスタジオも吉祥寺で、もともとは国分寺にあったし。中学でパンクやってたときに、そこで練習してたんだよね。それがいま吉祥寺に移って、録音とリハができる老舗スタジオになっているんだよね。それもやっぱ縁だよ。話し変わるけど、野田さんは配信で聴くの?
■基本的には聴かないけど、最近、アメリカのオッド・フューチャーっていって、配信でばっか作品出してるヒップホップの子たちの音楽にハマっちゃって、それを何本もダウンロードしたよ。そいつらの音楽はきっと土生くんも好きだと思うよ。パンクだよ。
土生:そういう風に新しいものが出てくるのは良いことだね。
■ホントにそうだね。じゃあ、今日はどうもありがとうございました。
LIVE情報
7月29日(金) 新潟: FUJIROCK 2011
9月16日(金) 東京: リキッドルーム 『太陽の花嫁』レコ発記念LIVE
Info : http://www.littletempo.com/ | http://twitter.com/#!/Little_Tempo
取材:野田 努(2011年7月05日)