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interview with Siamese Cats

interview with Siamese Cats

アドヴェンチャーしないとね!

――シャムキャッツ、インタヴュー

   写真:小原泰広   Jan 22,2013 UP

4人でいることの4人らしさがなくなったりするといやかな、俺は。(菅原)


シャムキャッツ - たからじま
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なるほど。じゃあ、できあがった曲を4人それぞれ客観的に見てみた上で、こういう質問に答えてください。このアルバムを、自分のCD棚にテイストで分けて入れるとしたら、両側に入るのは何と何?

メンバー一同:ええー!

夏目:うわー、もうさっき言っちゃったような気がするな。

藤村:ひとつは浮かびましたけどね。『名前をつけてやる』。

うん、スピッツの2ndアルバム。名盤ですね。

藤村:あのアルバムのフィーリングに近いものはあるんじゃないかと思います。歌詞にも変態的なものがあるかなと。そういうところが似ているかなと。

菅原:俺はやっぱり「2012年にCD屋に行って、買って......」って想像していくと、たぶん新譜になると思うので、そのなかで好きだったものですかね。だから、ダーティ・プロジェクターズの『スウィング・ロー・マゼラン』と、うーん、やっぱセロ(cero)とかになるかな。『マイ・ロスト・シティ』。

藤村:俺はセロで言うと1枚めかな。

夏目:セロ、かぶったらおもしろくないじゃん!(笑)。

菅原:俺はやっぱり、日本という場所でいっしょに生きていて、尊敬できる存在はセロかなあって。自分がシャムキャッツじゃなかったとしたら、チェックしてCD屋さんで買う2枚っていったら......昆虫キッズって言ったらかわいそうかなあ?

いや、大丈夫でしょ。

藤村:大丈夫。

夏目:大丈夫。

ただふつうに斬新だというだけの作品に、ヒューマニティを感じなかったりするけど、そういう「冷たい新しさ」みたいなものにはなりたくないです。(藤村)

ダーティ・プロジェクターズとセロを両側に置くとさ、両方とも彼らなりの完成形みたいなものが明確にあるよね。シャムキャッツはそことの違いがすごく特徴かなと思うけど。セロの場合、やっぱり、それぞれのタイミングでの自分たちの完成形っていうもののイメージが明確にあるじゃない?

藤村:でも1枚めはもうちょっと無骨な印象があって。だから1枚めのほうが好きですね。

大塚:俺の場合、全然ロックとか聴かなくて、ジャズとかしかわからないんで。うん......だから、シャムキャッツは絶対買わないね(笑)。でも、ちょっと無理やりかもしれないけど、マイルスとか、歌ものだったらジョニ・ミッチェルとか、ジャズ的な要素はシャムキャッツのなかに感じてて。即興だったりとか、完成形は見せないでライヴに持っていくっていうようなスタイルがあるのかもしれないとは思います。「音でコミュニケーションをとっているところをそのままパックする」っていうやり方は昔から好きで、そういうことを自分もプレイヤーとしてやりたいと思ってました。だから、たまたまジャズじゃなかったけど、この4人はそういうテイストが合ってるから、いっしょにやっているという感じです。
 だから、ほんと無理やり並べる感じにはなるかもしれないけど、エレクトリック期のマイルスとか、ジョニ・ミッチェルがジャズのミュージシャンたちといっしょにやってたときの感じに近いかなとは、なんとなくだけど思ってた。

いちおう選んどきましょう。エレクトリック・マイルスだと、どれ?

大塚:えー、マイルスだと、『オン・ザ・コーナー』。ジョニ・ミッチェルだったら、『ドン・ファン(のじゃじゃ馬娘)』とか。最近聴いてて、「あ、ダーティ・プロジェクターズっぽいな。源流にあるのかな」とか思ったりしました。

うん、なるほど。非常に綺麗な答えが出ましたね。

菅原:やばい! 俺、やり直したい。もっと自分のルーツ的なところで行きたい!

(一同笑)

藤村:あ、俺もう1枚わかった。ペイヴメントの『ブライトゥン・ザ・コーナー』。

菅原:ああ、ずりぃなあー!

じゃあ、シャムキャッツをして、よくペイヴメントって最初に比較されちゃうことについてはどうですか。どういうポイントにおいて「致し方なし」と思い、どこにおいて「うれしく」、どこにおいて「ちょっとノー・サンキュー」って感じますか?

夏目:ペイヴメントは好きだから、単純にそのレベルではオッケー。致し方なしと思うのは、バンドに取り込むスタイルとか、アンサンブルの崩壊の許容範囲とか。ペイヴメントも俺らも、人がグルーヴって思うところよりも遥かに大きい範囲をグルーヴって呼んでるんですよね、たぶん。そこは、致し方なし。

ノー・サンキューって思うところは?

夏目:ノー・サンキューって思うところは......「だって、全然違うよ?」ってとこ(笑)。「よく聴くと全然違うぜ」って。まあ、そう思ってくれてもいいけどさ。

まあ、夏目くんの声とか、歌い方とかね。コード・プログレッションとか、アンサンブルを聴けば接点ないんだけど、そういう部分で聴かれちゃうんだろうね。ヨレたグルーヴとひっくり返る寸前の声、っていう(笑)。

夏目:あー(笑)、そこか......。歌ってるとわかんないんだけど。で、えーと、俺の2枚はまず、ヴァインズのファースト(『ハイリー・イヴォルヴド』)。

ほう!

夏目:と、ビートルズの『4人はアイドル』。

ほう! そ、それは......いや、ちょっと文脈が見えないので、説明して下さい。

夏目:全体の印象ですけどね。例えば、いま名前の出たダーティ・プロジェクターズとか、セロとかは、時代的にはいっしょだし、音楽に対するアティテュードとかにも似たものがあるかもしれないけど、出てきた音にあまりにも差があると思って。俺だったら、そのラインでは同じ作品として並べない。たぶんもっとロックっぽいところに入れたい。で、「振れ幅がある方が入れがいがあるな」と思って。たぶん最近ので、こういういろんな曲の入った変なバランスのアルバムってそんなにないんじゃないか。わちゃわちゃとしてまとまってないな、けどなんか熱いなーっていうのが何かを考えたら、ヴァインズかなという答えが出ました。

なるほど。あのアルバムって、すごくアグレッシヴな曲もあるし、ちょっと謎のスカみたいなのもあれば、すごいフォーキーなバラッドもあればっていう振れ幅があるよね。

夏目:『4人はアイドル』は、ちょっとサントラっぽいなと思って。俺たちのは、わかりやすい1曲めがパーン! とあって、あとはドラマチックないろんなタイプな曲が入ってて、人生で起こるいろんなことを歌ってる。そういう、ロック・バンドでサントラっぽいのは何だろうなって思ったときに、『ヘルプ!』(『4人はアイドル』の邦題)かな、と。

取材:田中宗一郎(2013年1月22日)

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