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interview with Siamese Cats

interview with Siamese Cats

アドヴェンチャーしないとね!

――シャムキャッツ、インタヴュー

   写真:小原泰広   Jan 22,2013 UP

“渚”はいまでこそ、「シャムキャッツらしい曲」って受け止められているかもしれないけど、それまで聴いてくれてた人とか、僕らにしてみたら、むしろちょっと「らしくない曲」としてできあがったと思うんですよね。(夏目)


シャムキャッツ - たからじま
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では、夏目君だけじゃなくて、みんなの書くリリックって、具体的ではなくて曖昧だし、やっぱりシュール・リアリスティックだよね? センテンスごとに脈絡がなかったり、何かしらの飛躍やはぐらかしがある。それは、いま話してもらったことに近いですか?

菅原:いっしょだと思いますね。

夏目:ただ、いちばん自分がグッとくるように書いてますけどね。ただの文章じゃ自分が感動しないと思うから。音楽として流れてきてグッとくるように、自分なりに仕掛けはしています。

菅原:2曲め(“本当の人”)とかは僕が書いたんですけど、それはほんとに第三者(3人称)に完全に投げて、第三者に歌わせてる曲なんです。だから、詞なんかも、自分が思ってることとは全然違うけど、「この人はこう言いました」ってふうに淡々と綴ってますね。僕は歌詞より曲のほうが先にできるので、いまのところは「詞なんて面倒くせえな」って感じです。作業としては、ですけどね。おさむさんとも相談して、「夏目君とは違う手法で作ってみない?」っていうことになったので、考えてみたアイディアです。

でも、この曲のように、「本当」とか「嘘」とかって言葉が使われてたら、それをそのまますごくシリアスに捉えちゃうリスナーもいると思うんだよね。

菅原:そうですね、それはもちろん、「ドキッとさせたいな」とは思ってます。

なるほど。それがシリアスかそうでないかわかんないように撹乱させたい、と。

菅原:そうです。

夏目:僕は今回はいままで以上にわかりやすくしたという気持ちはあります。「もっと夏目君はわかりやすくていいよ」っていうプロデューサーの指示でもあるんですけどね。

実際に書いてみて、「ここはいちばんわかりやすくしたな」って思う部分と、逆に「ここはやっぱり照れてるし、ごまかしてるな」って思う部分を教えてください。

夏目:えー(笑)。でも、“なんだかやれそう”は全編通して、「わかりやすくしたなー!」って感じなんですけどね。ぱっとその場でわかるような。

それでもわかりにくいけどね(笑)。いや、ネガティヴな意味じゃなくて、「いろんな風に受け取れるようになってる」っていうことなんだけど。

夏目:それは、そうしたいですね。けど、そうじゃない歌詞を見たことがない気もします。銀杏ボーイズはわかりやすいけど、でも、わかりにくいよね?

菅原:まあ、そうだね。

夏目:歌詞で言ったら、いちばんスピッツが好きなんですよ。あと、わかりにくさってことでは、くるり、スーパーカー、ナンバガ(ナンバーガール)っていう俺が高校の頃いちばん聴いてたもの、つまり思春期とシーンがマッチした頃の音楽ですけど、どのバンドもまあ詞はわかりづらいですよね。でもあの人たちの歌詞がいちばん感動できた。わかりにくいと思ったことはいっさいなかったです。だから自分の歌詞もわかりにくいと思ったことはないんですよね。

ただ、自分がこうだろうと思ったことが本当に正解かどうかわからないバンドたちじゃないですか。いま挙げてくれたのは。それはかまわなかったんだ?

夏目:かまわない。「俺がこの曲をいちばんわかってるぜ」って思ってましたね。

なるほどね。でも、そこから一回転するってことはないんだ? あ、そうか、菅原君のは一回転させたのか。

菅原:僕はそうですね。一回転させました。古里さんに呼び出されて、「夏目君の行かないとこ、行ってみよう」って言われたんですよ。そういう話し合いのなかで生まれたものなんです。「本当の事が知りたい」(“本当の人”)って歌詞が入ってますけど、それとか、絶対に言いたくない言葉ですしね。

(一同笑)

菅原:最後にいちばん言いたいことを入れようって言われて......。

夏目:叫んでるもんね。

藤村:エモいもんね、最後は。

夏目:でも物語としてはわかりにくいよね。

菅原:そうそう。

じゃあ、最近の日本でいうと、あるひとつの傾向として、メイン・ストリームもアンダー・グラウンドも、ポップスもロック・バンドもヒップホップも、すごく自分自身が暮らしてる時代とかコミュニティとかをレペゼンする歌詞が主流じゃないですか。作り話とか、物語がすごく減っててね。そんな中で、シャムキャッツの歌詞には、時代や世代や自身のコミュニティをレペゼンするような部分――つまり、時代なり自分たちなりを代表してるっていうような部分は、何パーセントくらいあると思いますか?

夏目:ちょっと変なこと言うかもしれませんけど......0パーかもしれませんね。時代性とかを考えたことはあんまりないというか。「時代性とかをいっさい無視して排除していくほうが、作品としてはむしろいい出来になるんじゃないか?」って気がしてるんですよね。昔の歌でも、ずっと残っていくなかで時代によって意味が変わってきたりするじゃないですか。まあ、だからこそいまの時代に合わせて作っても大丈夫という面もあるかもしれないけれども。でも、これだけすべてが出揃ってるって言われてる時代なら、一回そこを無視するぐらいでいいかなって気もしてるんですよね。

でも、この作品に収められた12曲っていうのは、「2012年」、「日本」――もっと面倒くさいことを言えば、「311から1年半」、さらには、メンバーは30代でもなく10代でもなく、まさに20代だからこその表現っていう特徴が出てる気がするんだけど。

大塚:出さなくても勝手に出てる、っていうような部分ですかね。

夏目:0パーっていうのは、100パーの裏返しってことなのかな? 意味が1個じゃいやだから、自分でいくつかの仕掛けを作れてるって仮定できるとすごく充実するんですよ。で、その仕掛けのなかにはもしかすると時代性のようなものが入っちゃってるかな。こういうふうに思わせたら勝ちだな、とか考えてる部分はあります。

取材:田中宗一郎(2013年1月22日)

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