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interview with 快速東京

interview with 快速東京

スカッとさわやかパンク・ロック

────インタヴュー、快速東京

   取材:野田努   Jan 30,2014 UP

会田誠はそのあたりうまいよね。アンチテーゼをうまく出せていると思う。直接的な言い方はしないけど、めちゃくちゃ批判しているっていうね。


Punk Heavy Metal

快速東京
ウィーアーザワールド

felicity

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踊ってばかりの国もそういうところがあるけど、哲丸君の歌詞にはトゲがあって、でも、いまの日本ではそのトゲを見ないようにするっていう風向きが強いよね。

哲丸:ハハハハ。

一ノ瀬:会田誠はそのあたりうまいよね。アンチテーゼをうまく出せていると思う。直接的な言い方はしないけど、めちゃくちゃ批判しているっていうね。

傷つけ合うのが恐いみたいな空気感があると思うんだけど、快速東京は良いよ、ふたりが仲良く喧嘩しててさ。

一ノ瀬:銀杏ボーイズみたいに(売れている)数字もあって、知らない人はいないような存在でさえも、なんかメインストリームからははじかれるっていうか。アイドルって、結局、無害で、いっさいの苦情が来ないような、綺麗なことしか歌えないようなカルチャーになってしまっているわけですよ。あの子たちもすげーがんばって、だんだん人気も出てって、それで会場も大きくなっていって、ももクロじゃないけど、日産スタジアムでどかーんって。それを記録して、見せて……で、それって、キッスとどこが違うだ? って言われれば、「同じじゃん」とも思うんだけど(笑)、でも、それを気持ち悪いって言う人間がひとりもいない状況は絶対に良くないよね。

哲丸:まあ、アイドル自身は悪くないからな。

一ノ瀬:でも、人生のいちばん大切なときに勉強しないでさぁ、どうするんだろうなぁって思うよ。

日本のロック・バンドにがんばって欲しいよ、マジで。

一ノ瀬:がんばったほうがいいすよね。まあ、オレの読みでは、もうすぐロック・ブームが来るので。

どこに根拠があるの(笑)?

一ノ瀬:いや、もう流れがきてますよ。僕の世代では、モーニング娘が下火になったときに、銀杏が出てきている。だから、AKBがそうなったときに(ロックが)出てきますよ。まあ、これだけアイドルの時代が続いてるんだから、そろそろ下火になっていくでしょう。

今日は、せっかく一真君がいるんだし、彼の話を聞こうよ。

一ノ瀬:いいね!

一真君から見て、いまバンドはどう?

一真:どうって?

この1年で、どう飛躍したのか、どう変化したのか、どう……。

一真:どう変化?

なんか感想あるでしょう?

一真:あんま変わってないですね。最初からこんな感じですよ。

バンドにとってベースは重要だよね。

一ノ瀬+哲丸:ハハハハハ!

一真:ホントは、もっとうまく演奏したいんですけど、できないんで……。

一ノ瀬:いいよ、ルート弾きが似合っている人もあんまいないから。

哲丸:一真はそこにいるだけで格好いいんだよ。

一ノ瀬:ここにめちゃくちゃうまいヤツが来ても面白くないから。

哲丸:そんなじゃ、やる気なくなっちゃうよ。

一ノ瀬:オレ、絶対にソロ弾かないよ。

一真:ホントはね、フーみたいなベースを弾きたいんですけど。

一ノ瀬+哲丸:おいおい!

哲丸:すごいの出すね-(笑)。

志は高いほうがいいでしょ。いずれベースソロが聴けそうだね。

一ノ瀬:ルート音のベースソロね。♪だらだだ~。

哲丸:格好いい~、格好良いね。

今回の『ウィーアーザワールド』は、資料には「東京から世界へ」って書いてあるけど、本気で世界進出を意識しているの?

一ノ瀬:前作が『ロックインジャパン』だったから、今回は「ワールド」ってことで広くなるのと。

ハハハハ、「ジャパン」の次に「アジア」とか、それはなかったの?

一ノ瀬:たまたま“ウィ・アー・ザ・ワールドを聴いたんですよ。「これだ!」って。で、後付けの意味としてはだんだん広くなっている。意味ありげなね。オレらがそれを言ったら、マイケル・ジャクソンの“ウィ・アー・ザ・ワールドとは別の意味を持てるだろうって。『ロックインジャパン』のときも、オレらが同じ言葉を使えば、あのフェスとは別の意味を受け取る人もいるはずだと。発言者によって意味が変わって聞こえる有名な単語。

オレは深読みしちゃって。

哲丸:それはしてくれたほうが良いね。

一ノ瀬:深読みしやすいタイトルだからね。

「オレたちが世界だ、おまえたちに見えてない世界がここにある」っていう風に。

一ノ瀬:あ、それ良いね。

哲丸:そうしよ。

一ノ瀬:良いタイトルだな。

哲丸:それで決まりだな。

ところで今回のデザインは何? 不評だった、カッターで切らないと開かない仕様をまたしても踏襲しているけど。

一ノ瀬:いや、これは意志持ってやっているんだから! 中古対策なんで
す。BOOK OFFに持っていっても、ジャケが破けているから、値段が下がるはずでしょ。

売るなと。

一ノ瀬:そう。あとは自分で開ける感動だよね。一回PCに取り込んでもう開かれないCDじゃなくて、友だちにデータ送るんじゃなくて、モノとしてこのCDを貸してやって欲しい。

デザインは一ノ瀬君の聖域になっているの?

一ノ瀬:いや、ベースはオレが考えているんですけど、歌詞カードは前作の倍の大きさにしたいってい意見があって。

歌詞カードの文字もでかいしね(笑)。

一ノ瀬:だから重いんだよ。

哲丸:重いCDっていいじゃん。モノ感があって良いよ。

一ノ瀬:オレは紙のケースが良かったんだけど、意外なことに哲丸がプラケースが良いって。

哲丸:オレはデジパックでも良かったけど、雄太のアイデアがデジパックでなければいけないほどのものじゃなかったから、じゃあ、プラでいいんじゃない? って。

細かい話だけど、『ウィーアーザワールド』のこの書体は?

一ノ瀬:ハハハハ、それは勘亭流っていういちばんダサい書体で、そのダサい書体をどう使うのかっていうのが自分のテーマとしてあって。

哲丸:これだけはオレも一発で良いなって思ったね。

一ノ瀬:説明しちゃうと、段ボールに「取り扱い注意」ってステッカーが貼ってあるイメージなんです。

いちいち理由があるんだね。

哲丸:ハハハハ。

一ノ瀬:そう、ぜんぶ理由があってやっているから。

(了)

取材:野田努(2014年1月30日)

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