「Lea Lea」と一致するもの

 フィンランドはヘルシンキに注目しておきたいレーベルがある。ジャズ・フェスティヴァル《We Jazz Festival》を母体に、DJの Matti Nives が2016年に設立した〈We Jazz Records〉がそれだ。〈Blue Note〉にも作品を残す当地のヴェテラン・サックス奏者 Jukka Perko からジャズ・ロック、フリー・ジャズ、実験的なものからカール・ストーンによるリワーク集まで、すでに多くのタイトルを送り出している同レーベルだが、このたび初めて日本盤がリリースされることになった。今回発売されるのは2タイトル。
 1枚は、昨年〈ECM〉からアルバムを出したベーシスト、ペッター・エルドが率いるバンドのコマ・サクソ。もう1枚は、おなじく〈ECM〉から作品を発表し、スクエアプッシャーのバンドでも演奏したことのあるピアニスト、キット・ダウンズを中心とするトリオのエネミー。どちらもなかなかよさそうです。ぜひチェックをば。

Koma Saxo『Post Koma』
2023.11.22 CD Release

Edition RecordsやECMでも活躍するスウェーデンのベーシスト/プロデューサーのペッター・エルド率いるKoma Saxo(コマ・サクソ)最新アルバム『POST KOMA』。常に進化を続け、エッジと流動性に満ちた様々なサウンドスケープを表現した最高傑作!!ボーナストラックを追加収録し、CDリリース決定!!


photo by Maria Louceiro

気鋭のジャズ・ベーシストで作曲家、プロデューサーのペッター・エルド率いるコマ・サクソを、遂に紹介できるタイミングが訪れた。2022年の傑作アルバム『Koma West』からさらに進化したサウンドとヴィジョンを、このアルバムで提示している。ジャズを出発点に、クラシック音楽、ルーツのスウェーデン民謡、中東音楽、ソウルとファンク、ヒップホップとエレクトロニカ、様々の音楽の断片が交錯しながら、大胆で美しいアンサンブルが出現する。掛け値なしにいま最も観たいグループだ。(原 雅明 ringsプロデューサー)

[リリース情報]
アーティスト名:KOMA SAXO(コマ・サクソ)
アルバム名:Post Koma(ポスト・コマ)
リリース日:2023年11月22日
フォーマット:CD
レーベル:rings / We Jazz Records
品番:RINC115
JAN: 4988044094314
価格: ¥2,860(tax in)

https://diskunion.net/jazz/ct/detail/1008736163

http://www.ringstokyo.com/koma-saxo-post-koma/

ENEMY『The Betrayal』
2023.11.22 CD Release

ピアニストのキット・ダウンズが中心となり、ECMからリリースされた『Vermillion』の続編ともいえるメンバーで構成されたピアノ・トリオENEMY(エネミー)による、新たな方向性を示した大注目のサード・アルバム『The Betrayal』が、ボーナストラックを追加収録しCDリリース決定!!


photo by Juliane Schutz

ピアニストのキット・ダウンズ、ベーシストのペッター・エルド、ドラマーのジェームズ・マドレンによるエネミーは、ECMから『Vermillion』のリリースでも知られる、欧州きっての先鋭的で美しいピアノ・トリオだ。この最新作では、爆発的なエネルギーと繊細な叙情性を併せ持つトリオの真髄を聴くことができる。全てがダウンズとエルドのオリジナル曲で、「意図的な矛盾と脱皮」がテーマとなっている。スリリングというしかない展開のアルバムに仕上がった。エルドが率いるコマ・サクソの『Post Koma』と共に本作を紹介できることもこの上ない喜びだ。(原 雅明プロデューサー)

[リリース情報]
アーティスト名:ENEMY(エネミー)
アルバム名:THE BETRAYAL(ザ・ベトレイアル)
リリース日:2023年11月22日
フォーマット:CD
レーベル:rings / We Jazz Records
品番:RINC114
JAN: 4988044094307
価格: ¥2,860(tax in)

https://rings.lnk.to/mQLhFXsS

http://www.ringstokyo.com/enemy-the-betrayal/

WAAJEED JAPAN TOUR 2023 - ele-king

 昨年、“ Motor City Madness”が話題になって、〈トレゾア〉からアルバム『Memoirs of Hi-Tech Jazz』をリリースしたデトロイトのワジードが来日する。

 日程は以下の通り。

 10.21 (SAT) CIRCUS TOKYO
 Info: CIRCUS TOKYO https://circus-tokyo.jp/event/waajeed/
 10.22 (SUN) ASAGIRI JAM ’23
 Info: ASAGIRI JAM https://asagirijam.jp

 ワジード(Waajeed)ことRobert O’Bryantは、ミシガン州デトロイト出身のDJ/プロデューサー、アーティスト。10代のとき、デトロイト・ヒップホップを代表するグループ、Slum VillageのT3、 Baatin、J Dillaと出会い、DJやビートメイカーとしてSlum Villageに参加。奨学金を得て大学でイラストレーションを学ぶ時期もあったが、Slum Villageのヨーロッパ・ツアーに同行しに、音楽を生業とすることを決めた。
 2000年にはSaadiq (Darnell Bolden)とPlatinum Pied Pipersを結成し、ネオソウルやR&B色強いサウンドを打ち出した。Platinum Pied Pipersとして、Ubiquityよりアルバム『Triple P』、『Abundance』がある。2002年からレーベル〈Bling 47〉を主宰し、自身やPlatinum Pied Pipers名義の作品のほか、 J Dillaのインスト・アルバム『Jay Dee Vol. 1: Unreleased』や 『Vol. 2: Vintage』をリリースしている。
 2012年、レーベル〈DIRT TECH RECK〉を立ち上げ、より斬新なダンス・ミュージック・サウンドを追求している。Mad Mike Banks、Theo Parrish、Amp Fiddlerとのコラボレーションを経て、2018年、ワジードとしてのソロ・アルバム『FROM THE DIRT LP』を完成させた。2022年、最新アルバム『Memoirs of Hi-Tech Jazz』をドイツのテクノ名門、〈Tresor〉から発表。

https://linktr.ee/waajeed
https://www.instagram.com/waajeed/
https://twitter.com/waajeed_

Waajeed - Motor City Madness (Official Video) (2022)

Dames Brown feat. Waajeed - Glory (Official Video) (2023)

Church Boy Lou - Push Em' In the Face (Official Music Video) (2023)

Odalie - ele-king

 マーラーのような後期ロマン主義はしばしばナショナリズムの文脈で否定されることが多い。80年代初頭のニュー・ロマンティックも英表記では後期ロマン主義=Neo-romanticをNew Romanticとパロディにしたもので、ヴィクトリア回帰を謳い、英国病に沈むイギリスにかつての栄光を思い出させようとしたところはやはりナショナリズムに近い感覚があった。同時期のポスト・パンクが現実を直視するもので、これと相容れなかったのは、だから当たり前で、不協和音を好んだのはそれこそ後期ロマン主義に続いて現れた印象主義の実験的な性格と同じ感覚に由来するのだろう。しかし、最も忘れ難いのは、ニュー・ロマンティックとポスト・パンクの両方を自由に行き来していたソフト・セルである。身もふたもない歌詞を未来的なサウンドにのせて歌う。ニューロマンティクスにとっても、あるいは、ポスト・パンクにとっても敵視したくなるような存在。矛盾していることにリアリティがあり、複雑であることをそのまま表現できたことが彼らの勝因だった。自分たちのことでもあり、イギリスのことにも思える『崩れ落ち方(The Art of Falling Apart)』と訳したくなるセカンド・アルバム(実際の邦題は『滅びの美学』)で彼らはニューロマンティックスとポスト・パンクを不可分に結びつけ、歌詞でははるかに及ばないものの、方向性としてはルー・リード『Berlin』(祝50年!)のエレクトロニック・ヴァージョンをつくり上げたとさえ僕は思っている(ほとんどの人は思ってないと思う)。

 マックス・クーパーのレーベルからデビュー・アルバムをリリースしたオダリーことソフィー・グリフォンも現代の矛盾を音楽で表現しようとする1人。後期ロマン主義とエレクトロニカを融合させ、ポップかと思えばインダストリアルだったり、瞑想とノイズが折り重なった『パワフルな脆弱性』はしっとりとしてメランコリックな表情の裏に(彼女がいう)悪意を貼り付け、確かに複雑な印象を抱かせる曲が多くを占めている。矛盾そのものといえるタイトルは彼女の自然観に由来し、社会というものは1人1人が弱い方が全体としては強いシステムになるという意味で、「個人主義は自然の産物だという人と、その逆だという人がいる」ことはわかった上で「自然界では競争よりも協力しあっていることに価値があると考える人もいる」ことを彼女は強調する。「自分たちの弱さを見せ合う方が私たちは先に進める」のだと。これは、しかし、普通に考えれば民主主義の原則にほかならない。1人に権力を集中させないことが民主主義の目的であり、同じことを逆からいえば「全員が弱い方がいい」ということだから。たとえば「女性を活用する」などと上から目線で言わないで「女性に助けてほしい。一緒にやりましょう」といえばいいのに、という感じだろうか。グリフォンは続ける。「自分自身が不完全で壊れやすいものであることを示す勇気を集団で見つける必要がある」と。

 オープニングはストリングスの組み合わせで、全体にリヴァーブをかけ、どことなく混沌とした〝Orages intérieurs(嵐のインテリア)〟。家具がぐちゃぐちゃと倒れ、室内が荒らされているということなのだろうか。ちょっとした不穏な始まりである。ハープシコードのような繊細なメロディで始まる〝Attendre l'éclaircie(晴れ間を待つ)〟は粛々とした雰囲気から雄大な調子へと切り替わり、何かの決心を促すような曲調。劇的なムードは続く〝We are Nature〟で最初のピークを迎え、確信的な響きのなか、ヴォーカルのブラック・リリーズは「雲のなかへ」とリフレイン繰り返す。ジャック・クーパーによるモダーン・ネイチャーが3作目となる『No Fixed Point In Space(宇宙に定点はない)』でインプロヴィゼーションを大幅に取り入れ、さも自然と同化しているかのような表現に切り替えたことと気持ちは重なる感じ。異常気象なのか気候変動なのかという議論はさておき、自然が以前よりも脅威であり、遠くに感じられることから、ある種のノスタルジーとして自然を身近なものとして描写する傾向が増えているような気がしてくる。〝Vents contraires(抜け穴の反対側)〟にはインダストリアル・パーカッションが足され、ここまでの流れを一度、ぶった切る。このあたりはいかにも後期ロマン主義。一転してアンビエントの〝Wounded〟がとてもよく、シンセサイザーとストリングスによる優雅なレイヤーに後半から入るチェロが控えめなメランコリーをにじませる。柔軟でしっかりとした美意識が堪能できる瞬間である。

 後半は先行シングルになっていた〝Battements(動悸)〟から。重めのストリングスにUKガラージを模倣したようなパーカッションが入り、確かにドキドキさせられる。ダンス・ミュージックでもないし、ましてやモダン・クラシックでもなく、どこにも着地点がないユニークさは面白い。続く〝Caresse(愛撫)〟はヨーロッパ的な官能性を打ち出し、細野晴臣を思わせるというか、スペンサー・ドーランの『環境音楽 = Kankyō Ongaku』に入っていても誰も文句を言わなそうな〝Danse des astres(星のダンス)〟へ。〝Wounded〟も含めて様々なアンビエントを試し、どれも成功しているということは「脆弱性の集合体」というコンセプトは達成されていると考えていいのだろう。最後はクレア・デイズをフォーチャーした〝Clear the air(誤解を解く)〟。これも尾島由郎と柴野さつきのコラボレーションを思わせ、全体に透明度が高く、スキャットとストリングスが一体化してしまった瞬間はとても美しい。エンディングに向かって少しずつ抽象化していく流れもなかなかに惹き込まれる。ソフト・セルに比べると様々なジャンルが混ざり合うことは当たり前の時代になっているので、グリフォンが標榜するほど「矛盾」したサウンドとは感じなかったけれど、モダン・クラシカルを基調とすればかなり踏み出した試みであることは確か。どこに向けているのかよくわからないジャケット・デザインにもそれはよく表れている。

Lawrence English & Lea Bertucci - ele-king

 2023年、アンビエント・アーティストのローレンス・イングリッシュは、〈Kranky〉からロスシルとのコラボレーション・アルバム『Colours Of Air』と〈Room40〉からデイヴィッド・トゥープとのコラボレーション・アルバム『The Shell That Speaks The Sea』をリリースしている。
 そして、ローレンス・イングリッシュとリー・ベルトゥッチとの共作である、『Chthonic』は、イングリッシュにとっては2023年、3作目のアルバムにあたる。このアルバムはローレンス・イングリッシュが追及してきたフィールド・レコーディング作品の極地、いや完成形といえるほどに見事な出来栄えであったのだ。音に満ちた世界が音楽の断片と交錯し、より深く、より大きなサウンドスケープが生成れている。

 『Chthonic』ではイングリッシュがフィールド・レコーディングとエレクトロニクス、テープ操作を担い、ベルトゥッチがチェロやフルート、ヴァイオリン、ラップスティールまでも演奏し、壮大かつ緻密な音響空間を織り上げている。マスタリングはニューヨーク在住のアンビエント・アーティスト、ラファエル・アントン・イリサリが手がけていることも付け加えておきたい。リリースはシカゴの〈American Dreams〉からである。
 リリース元の〈American Dreams〉は、シカゴのチェロ奏者リア・コール(Lia Kohl)、フィラデルフィアの実験音楽家/作曲家のルーシー・リヨウ(Lucy Liyo)、イラン・テヘラン出身のアンビエント・アーティスト、シアヴァシュ・アミニ(Siavash Amini)などのエクスペリメンタル・ミュージックのみならず、「アメリカのレディオヘッド」と評される12RODS『We Stayed Alive』、ポスト・ブラック・メタルともいえるAnti-God Hand『Blight Year』までもリリースするなど、多様なラインナップが魅力的なレーベルとしてマニアには一目遅れている。アンビエント作品とブラック・メタルが並ぶラインナップはまさにこのレーベル独自のものだろう。

 話を本作『Chthonic』に戻そう。イングリッシュによる環境録音は自然現象そのもののように力強いが、環境音に溶けるように交錯されていくベルトゥッチによるチェロやフルート、ヴァイオリンなども実に見事だ。まるで音響の中に溶け込み、まるで霧のような音を生成しているのだ。見事なサウンドスケープである。よく聴き込んでみると、環境音と聴こえていた音が、エディットされたリズムを発していることに気がつきもする。繰り返し聴き込むたびに、そのダイナミックかつ緻密な音響空間に驚きを得ることになるはずだ。
 まずは、1曲目 “Amorphic Foothills” を聴いて頂きたい。環境音が生のまま音のように鳴っているかと思いきや、明らかに周期的なリズムも聴こえてくる。そこに弦楽器の折り重なり、環境音と一体化していく。自然と楽器音、無編集と人為的な編集が曖昧に交錯し、ひとつより大きな(深い)サウンドスケープを形成しているのである。私はこのアルバム冒頭のトラックを聴き、世界の音が交錯し、重なり合い、溶け合っていくさまに衝撃を受けた。もちろんこの種のサウンドの作品は他にも多くある。だが、『Chthonic』は環境音それじたいが音楽的に持続し変化していっている。そんな印象を持った。素材を選択と編集が絶妙だからではないかと思う。
 ローレンス・イングリッシュはアンビエント・アーティストでもあるので、自身のサウンドとコンポジションを持っている。環境録音に対しても同じような意識で編集・加工していると思われる。音が線的に変化しているのだ。シアヴァシュ・アミニの弦楽器もイングリッシュのアンビエント作家的なサウンドに共鳴しているように思えた。チェロやヴァイオリンが環境音と共に変化しているように聴こえるのだ。
 ふたりは2019年に出会い、その後、オーストラリアとニューヨークのあいだをリモートで制作をしたという。時期的にみても2020年のコロナ禍も挟んでいる。いわば世界的な危機の状況で、この超自然的な音響作品が制作されたことはやはり重要と思える。このアルバムに満ちている自然のうごめきのようなサウンドは、まるで地球の地殻変動や気候の変化などを体現するように聴こえてくる。

 アルバムには全5曲が収録されている。2曲目 “Dust Storm” ではより激しい、まさに豪雨のような音響空間を形成し、アルバム中もっとも長尺(12分25秒)の4曲目 “Fissure Exhales” ではアルバム全体の音響が統合されたようなスケールの大きいサウンドを展開する。そしてアルバム最終曲 “Strata” では、すべてが過ぎ去った後の不思議な空虚感を漂わせてアルバムは終わっていくのだ。
 どれも長尺だが、しかしその音の変化、質感、レイヤーを意識的に聴き込んでいくと、われわれリスナーの時間もまたローレンス・イングリッシュとシアヴァシュ・アミニの音の中に漂うようになり、やがて溶け合っていくような感覚を得ることになるだろう。音と音楽。環境音と楽器。時間と無時間。その交錯。実に高品質なエクスペリメンタル・ミュージック/フィールド・レコーディング作品/アンビエントである。音と音楽の境界線がここには鳴っている。

PJ Harvey - ele-king

PJハーヴェイのいくつもの声

 2001年、PJハーヴェイはロックの女神としての絶頂期を迎えていた。前年にリリースされた『Stories from the City, Stories from the Sea』は、これまででもっとも洗練された、理解を得やすいアルバムとなり、1998年の緊張感をはらんだ『Is This Desire?』でつきまとわれた暗い噂を一掃するような自信に満ちた一撃となった。その年の9月にマンチェスター・アポロでのハーヴェイのライヴを観たのは、彼女がマーキュリー賞を受賞してから数週間後のことで、私がこれまでに観た最高のロック・ギグのひとつとなった。ラジオ向きの、煌びやかな加工がされていない “This Is Love” や “Big Exit” のような曲は、より記念碑的に響き、まるで彼女がブルース・ロックの原始的な真髄にまで踏み込み、マッチョ的な要素や、陳腐なエリック・クラプトンのような、このジャンルにありがちなものすべてが刈り取られたかのようだった。

 だが、そのショウは、ほとんどウィスパーといえるほどの小声で始まった。ハーヴェイは単独でステージに上がり、ヤマハの QY20 でのハーモニウム風の伴奏に合わせ、子どものような、物悲しいメロディを歌った。私はその曲を判別できなかったが、サビのコーラスに差しかかると、客席でクスクス笑いが起こった。バブルガム・ポップのグループ、ミドル・オブ・ザ・ロードの1970年のヒット曲 “チピ・チピ天国” の有名なリフレイン「Where’s your mama gone? (あなたのママはどこへ行ったの?)」をとりあげたからだ。ポリー・ジーンにはユーモアのセンスが欠如しているなんて、誰にも言わせない。

 昨年リリースされたコンピレーション『B-Sides, Demos & Rarities』を聴くまで、このことはすっかり忘れていた。“Nina in Ecstasy 2” は、『Is This Desire?』のセッションで録音され、結果的には「The Wind」のB面としてリリースされたものだ。当時は珍品のように見做されていたに違いないが、この曲はハーヴェイの、その後のキャリアの方向性を示す初期におけるヒントだったのではないかと思い当たった。この曲で使われた、浮遊感のある、ほとんど肉体から切り離されたような儚い高音域の声は、2007年の『White Chalk』や、2011年の『Let England Shake』などのアルバムで再び使われた種類の声だ。さらに、今年の『I Inside the Old Year Dying』でも聴くことができる。この作品をハーヴェイのフォーク・アルバムと呼びたい衝動にかられるものの、それは、私がこれまでにまったく聴いたことのないフォーク・ミュージックなのだった。

 熟練したアーティストが、自分の強みを離れたところで新たな挑戦をするのには、いつだって心惹かれる。彼女のレコード・レーベルにとってみれば、『Stories from the City, ~』の路線を継承し、クリッシー・ハインド2.0へと変化を遂げてほしかったことだろう。だが、彼女は2004年に、セルフ・プロデュースしたラフな感じを楽しむようなアルバム『Uh Huh Her』 を発表した。アートワークは、セルフィ(自撮り写真)と自分用のメモをコラージュしたもので、そのひとつには、「普通すぎる? PJHすぎる?」との文字があり、彼女の創作過程を垣間見ることができる。「曲で悩んだら、いちばん好きなものを捨てる」という一文は、ブライアン・イーノとペーター・シュミットの「オブリーク・ストラテジーズ」のカードからの引用ではないかとググってしまったほどだ。

 ハーヴェイにとって「いちばん好きなもの」とは、彼女自身の声、あるいは少なくとも彼女の初期のアルバムで定義づけられた生々しい、声高な叫びを意味するのではないか。それは、驚くべき楽器だ。1992年のデビュー作『Dry』のオープニング・トラック “Oh My Lover” を聴いてみてほしい。歌詞はかなり曖昧なトーンで書かれているのに、彼女の歌声には驚くべき自信とパワーが漲っている。このアルバムと、それに続く1993年のスティーヴ・アルビニによる録音の『Rid of Me』にとって効果的だったことのひとつは、荒涼としたパンク・ブルースのおかげで、ヴォーカルに多くのスペースが割り当てられたことだった。ハーヴェイの喉の方が、当時のグランジ系が好んで使用したディストーションの壁よりも、より強力だったのだ。1995年の豊穣なゴシック調の『To Bring You My Love』では、彼女は自分の声をさらに先へと押し出し、BBCスタジオでの “The Dancer” のパフォーマンスでは、ディアマンダ・ガラスとチャネリングしているかのように聴こえたし、そう見えた。実際に彼女は自身の声の形を変える実験も始めていた。最近のNPRとのインタヴューでは、プロデューサーのフラッドに、閉所恐怖症的な “Working for the Man” の録音の際、毛布をかぶされ、マイクを喉に貼りつけて歌わされたことを回想している。

 10枚のソロ・アルバムと、長年のコラボレイターであるジョン・パリッシュとのデュオ・アルバム2枚というハーヴェイのディスコグラフィを貫く共通項は、おそらく、頑なに繰り返しを拒んできたことだろう。多くのアーティストが同じことを主張しがちだが、ハーヴェイは暴力的なほどの意志の強さでこれを貫き、デイヴィッド・ボウイと匹敵するほど、自分をコンフォート・ゾーン外に意図的に追いやってきた。『White Chalk』では、ギターを、ほとんど弾くことのできないピアノに替え、元来の声域外で歌った(彼女は当時のKCRWラジオのインタヴューで「多分、自分が得意なことをやりたくなかっただけ」と語っている)。歌詞においても、それまでの自分には、手に負えないだろうと思うようなテーマに努力して取り組んでいる。『Let England Shake』は主にオートハープを使って作曲されたが、第一次世界大戦の歴史を考慮に入れて、自らをある種の戦争桂冠詩人に変身させた。2016年の『The Hope Six Demolition Project』 では、写真家のシェイマス・マーフィーと世界中を旅した経験から、現代政治と外交政策の意味を探ろうと試みた。

 『I Inside the Old Year Dying』は、もうひとつの、ドラマティックな変化を示している。この作品は、2022年に出版された、彼女の生まれ故郷のドーセット地方の方言で書かれた長編の詩集『Orlam』が進化したもので、歌詞カードには、曲を彩る難解な言い回しの意味の説明の脚注が付いている。「wilder-mist(窓にかかった蒸気)」、「hiessen(不吉な予感)」、「femboy(フェムボーイ=少女のような少年)」、「bedraggled angels(濡れた羊)」などだ。それらの言葉の馴染みのなさは、音楽にも反映され、音楽の元の素材から連想できるようなフォークの作風は意識的に避けられている。ハーヴェイはこのアルバムを、パリッシュとフラッドというもっとも信頼するふたりのコラボレイターに加え、フィールド・レコーディングをリアルタイムで操作した若手のプロデューサー、アダム・バートレット(別名セシルとして知られる)と共に制作した。フラッドは、より伝統的な楽器編成を古風なシンセサイザーで補い、「sonic disturbance(音波の攪乱)」としてもクレジットされている。これは、温かいが、尋常ではない響きのアルバムであり、ハーヴェイの成熟した作品を定義するようになった、どこにも分類することのできないクオリティを保っている。この音楽は、時間や場所を超えて存在するようなものではあるが、彼女にしか創り得なかったものなのである。

The many voices of PJ Harvey

written by James Hadfield

In 2001, PJ Harvey was at the peak of her rock goddess phase. “Stories from the City, Stories from the Sea,” released the previous year, had presented her slickest, most accessible album to date – a confident blast to dispel all the dark rumours that had accompanied 1998’s fraught “Is This Desire?”. The show I saw her play at the Manchester Apollo that September, just weeks after winning the Mercury Music Prize, was one of the best rock gigs I’ve ever seen. Without their radio-friendly production gloss, songs like “This Is Love” and “Big Exit” sounded even more monumental, as if she was tapping into some primal essence of blues rock, shorn of all the macho, Eric Clapton cliches you’d normally associate with the genre.

Yet the show had started almost at a whisper. Harvey took the stage alone and sang a plaintive, childlike melody, over a harmonium-style accompaniment played on a Yamaha QY20. I didn’t recognise the song, but when she reached the chorus, a chuckle rose from the audience: she’d lifted the “Where’s your mama gone?” refrain from “Chirpy Chirpy Cheep Cheep ,” a 1970 chart hit by bubblegum pop act Middle of the Road. Let nobody say that Polly Jean doesn’t have a sense of humour.

I’d forgotten about this until I heard the song again on the “B-Sides, Demos & Rarities” compilation, released last year. “Nina in Ecstasy 2” was recorded during the sessions for “Is This Desire?” and ended up getting released as a B-side to “The Wind.” It must have seemed like a curio at the time, but in retrospect it strikes me as an early hint of where Harvey would head later in her career. The voice she used on that song – floating, almost disembodied, delivered in a fragile higher register – is one that she would return to on albums such as 2007’s “White Chalk” and 2011’s “Let England Shake.” You can hear it again on this year’s “I Inside the Old Year Dying,” which I’m tempted to call PJ Harvey’s folk album, except that it doesn’t sound like any folk music I’ve heard before.

It’s always striking to hear an accomplished artist play against their strengths. Harvey’s record label probably would have loved her to continue on the trajectory of “Stories from the City…,” morphing into Chrissie Hynde 2.0. Instead, she delivered 2004’s rough, self-produced “Uh Huh Her,” an album that seemed to revel in its imperfections. The artwork, a collage of selfies and notes-to-self, offered glimpses into her creative process. “Too normal? Too PJH?” reads one of the notes. “If struggling with a song, drop out the thing you like the most,” reads another – a quote that I had to Google to check it wasn’t actually from Brian Eno and Peter Schmidt’s Oblique Strategies cards.

For Harvey, “the thing you like the most” can mean her own voice – or at least the raw, full-throated holler that defined her earlier albums. It’s a formidable instrument: just listen to “Oh My Lover,” the opening track on her 1992 debut, “Dry.” There’s a startling confidence and power in her delivery, even as the lyrics strike a more ambiguous tone. Part of what made that album and its 1993 follow-up, the Steve Albini-recorded “Rid of Me,” so effective was that their stark punk-blues left so much space for the vocals. Harvey’s larynx was more powerful than the walls of distortion favoured by her grunge contemporaries. On 1995’s lushly gothic “To Bring You My Love,” she pushed her voice even further: in a BBC studio performance of “The Dancer,” she sounds – and looks – like she’s channelling Diamanda Galas. But she had also begun to experiment with altering the shape of her voice. In a recent interview with NPR, she recalled that producer Flood recorded the claustrophobic “Working for the Man” by getting her to sing under a blanket with a microphone taped to her throat.

If there’s a common thread running through Harvey’s discography – 10 solo albums, as well as two released as a duo with longtime collaborator John Parish – it’s a stubborn refusal to repeat herself. Plenty of artists claim to do this, but Harvey has shown a bloody-mindedness to rival David Bowie, deliberately forcing herself out of her comfort zone. For “White Chalk,” she switched from guitar to piano – an instrument she could barely play – and sang outside her natural vocal range. (“I just didn’t want to do what I know I’m good at, I guess,” she told an interviewer on KCRW radio at the time.) Lyrically, too, she has made a deliberate effort to engage with themes that had seemed out of her grasp. “Let England Shake” – written mostly on autoharp – found her transformed into a kind of war laureate, reckoning with the history of World War I. 2016’s “The Hope Six Demolition Project” attempted to make sense of modern politics and foreign policy, based on her experiences travelling around the world with photographer Seamus Murphy.

“I Inside the Old Year Dying” marks another dramatic shift. It evolved from “Orlam,” a book-length poem that Harvey published in 2022, written in the dialect of her native county, Dorset. The lyric sheet comes with footnotes explaining the meanings of the arcane terms that pepper the songs: “wilder-mist” (steam on a window), “hiessen” (a prediction of evil), “femboy” (a girly guy), “bedraggled angels” (wet sheep). The unfamiliarity of the language is mirrored by the music, which consciously avoids the folk idioms which the material would seem to encourage. Harvey created the album with Parish and Flood, two of her most trusted collaborators, along with the younger producer Adam Bartlett (otherwise known as Cecil), who supplied field recordings that were manipulated in real-time. Flood complemented the more traditional instrumentation with archaic synthesisers, and is also credited for “sonic disturbance.” It’s a warm but also uncanny-sounding album, with an unplaceable quality that has come to define Harvey’s mature work. It’s music that seems to exist out of time, out of place, but could only have been created by her.

interview with Adrian Sherwood - ele-king

 UKダブ界の巨匠・エイドリアン・シャーウッドのインタヴュー依頼が舞い込んできたとき、かつてないほどの幸運と緊張を感じた。普段は、とくにここ数年はというとポスト・レイヴの風に飲まれ様々なリズムのダンス・ミュージックに取り憑かれており、ようやくダブに興味を持ちはじめたのもつい最近のことである。そんな自分に聞き手が務まるのだろうかと葛藤したが、自身が愛するジャングルやドラムンベース、UKガラージにダブステップ、グライムといったUK発のベース・ミュージックのルーツであるサウンドシステム・カルチャーの存在はたしかに偉大なものであり、それらに宿る意識が20年代のエレクトロニック・シーンにおいてノスタルジックかつフューチャリティックに新たなかたちで脈々と受け継がれてもいるのもまごうことなき事実である。常に多くの領域に広くインスピレーションを与えてきたこの奥深きダブ観に、自身と同じく無意識のうちに恩恵を受け好奇心の扉が開きつつある若者も少なからずいるのではないのだろうか。こうしてダブへの関心が芽生えたいま、UKにおけるダブを再定義した張本人に話を聞けるという絶好の機会を逃すわけにはいかないと思い立ち、勇気を出して素人質問を多くぶつけ改めてダブの魅力を教えてもらった。エンジニア・プロデューサーとして圧巻のスキルでキャリアと数々の功績を積み上げてきたエイドリアン・シャーウッドが今回の取材を通じて語った「Each One Teach One」互いに教え合うことの精神を、ぜひこの現代のダブ・ガイド的インタヴューから感じ取ってみてほしい。

ダブは音楽ジャンルとして定義されがちだけど、本来のダブとはテクニックなんだ。

昨今、ダブに新たな興味を持ちはじめている人が増えてきています。とくに若い世代がクラブ・ミュージックの発展を機に関心を示すようになり、現在27歳の自分もそのうちのひとりです。今回はそんな人びとに向け、これからダブをより楽しむために初歩的なところからいろいろお聞きしたいのですがまずダブとはどんな音楽なのか、ご自身のレーベル〈On-U Sound〉について改めて説明してもらえますか?

エイドリアン:よくダブは音楽ジャンルとして定義されがちだけど、本来のダブとはテクニックなんだ。元々ジャマイカのヴァージョン、インストの曲を一度バラバラにしてそこからエフェクトを加えたり、ひとつのリズムをどんどん広げたりと色々なアイデアを織り込むってのがダブの起源になる。On-Uというのも言葉遊びから生まれたネーミングで、あなたにとってすごく大事な音(on you sound)という意味が込められてるんだ。また、Newという発音になるように新しいという意味も含んでいるこのレーベルでは、ジャマイカ、日本、アフリカなど多種多様な国、レゲエ、ニューウェイヴといった様々なバックグラウンドを交えながら、新しい音を作ろうと思ってやってきた。

ダブに初めて出会ったときの衝撃を覚えていますか?

エイドリアン:最初に愛を注いだのはジャマイカの音楽だったな。もちろんジェイムズ・ブラウンやT. Rexとかも好きだったし、若い頃はいろんな音楽を聴いてたよ。音楽を聴きながらよく友達とお茶を飲んだりチルしてて、そういった状態で聴くダブ・レコードはメディテーション的に完璧だったんだ。たしか最初に聴いたアルバムはオーガスタス・パブロの『Ital Dub』、『King Tubbys Meets Rockers Uptown』……キース・ハドソンの『Brand』は本当に素晴らしかった。良質なダブからはそこにない音が聴こえてくるんだよ。だから自分がプロデュースする作品でもそういったマインドの広がりに夢を見させてくれるような、イマジネーションが掻き立てられるようなサウンドにしたいと意識しているよ。

ダブに出会いエンジニア、プロデューサーとしてサウンドを構築するなかで発見したダブならではの面白さはどんなものですか?記憶に残っている印象的なエピソードや思い出がありましたら、あわせて教えてください。

エイドリアン:19歳の頃にプリンス・ファーライと一緒にショーをやってからエンジニアとして多くのことを学んだ。最初のショーでは外部のエンジニアを雇っていたんだけど、ハイハットやベースの上げ方を指示してたら「君がやりなよ!」って言われてね。彼にここがエフェクト、ディレイだよと卓を見せてもらいながら教わって自分でバランスを調整するようになったら、その後のショーで多くの人から最高の音だったと褒められたんだ。そこで自分がエンジニアに向いてることに気づいて、その後はスタジオに入ったりライヴ・サウンドを手がけたりしてプロデューサーへとなっていった。プリンス・ファーライのおかげで音楽をはじめられたから彼には本当に感謝しているよ。スタジオに入りたての時はデニス・ボーヴェルの友人が手伝ってくれたり、僕も腕のいいエンジニアの手伝いをしたりと時間をかけて自分自身でミックスするようにもなって。最近はだいぶデジタル化したんだけど、まだアナログ機材の方が好きだね。

たしかに、現在はDAWなどを使用しデジタルの環境でダブを作るプロデューサーも数多くいるかと思います。使用する機材や製作環境には時代ごとに変遷があると思いますが、今でもアナログな環境にこだわる理由はなんですか?

エイドリアン:デジタルはデジタルでいいところもあるけど、あらかじめ計算されすぎていてすべてがコントロールされてるような音に聴こえてしまう。アナログの機材だとEQスイーピングとか音を曲げたりだとか表現の幅を広げやすいし、いまだ!って感じた瞬間にフィードバックできる。その場の気持ちに任せてやる、僕ってそういう人間なんだ。

なるほど。では、もし現代のデジタルネイティヴな世代がこれからダブの制作に挑戦するとしたらどんなアドヴァイスを与えますか?

エイドリアン:いまはデジタルがかなり進歩して新しいものがいっぱいあるから、たくさんの選べる音があるなかで自分がいちばん好きなディレイとリヴァーブを2〜3種類ほど見つけて、そこにダブのテクニックを2〜3個加えながら極めていった方がいい。アナログでやるなら高くても安くてもいいから自分の好きな機材を見つけること。たとえばマッド・プロフェッサーがすべての曲に加えている400msだと完璧にタイムを合わせたい僕みたいな人にはそれだとズレてるように聴こえてしまう、もちろんそれが好きって人もいるけど僕が好きなディレイのスピードは3/16なんだ。だからアナログでもデジタルでも、まずは自分の好きな音を極めてアイデアを組み込んでいくことが大事。

自分自身でも音を極め、目指すサウンドを実現できるようになるまでは大変でしたか?

エイドリアン:基本的に学ぶことが好きだから若い頃もただただ楽しかったよ。アナログミックスのレコーディングが終わって、すべて完成したものが自分のところに回ってきた段階は特に楽しくて、出来上がったものを崩してリヴァーブやディレイを追加しながら自分を表現する瞬間が大好きだね。でも大変なところと言えば、最近のライブでは昔と違ってどこもデジタル環境だからライブにアナログのミキサーを持ち込まなきゃいけないところかな。今回の来日公演のためにもいろいろ特別な機材を持ってきたよ。

デジタルはデジタルでいいところもあるけど、あらかじめ計算されすぎていてすべてがコントロールされてるような音に聴こえてしまう。アナログの機材だとEQスイーピングとか音を曲げたりだとか表現の幅を広げやすいし、いまだ!って感じた瞬間にフィードバックできる。その場の気持ちに任せてやる、僕ってそういう人間なんだ。

自身の作品をデザイナー・ダブと呼ぶことに関して「最初からダブ・ミックスとして作られた音楽である。ジャマイカのダブは、元々ある曲のヴァージョンとして始まったから、生まれた形が違う」とのことですが、あらかじめダブmixを見越して元の素材を作っているのでしょうか。

エイドリアン:そうだね。毎回じゃないけどホレス・アンディならダブ・ヴァージョンを見越して作ったし、アフリカン・ヘッド・チャージなら最初からダブを基本にインストを作ってる。どれもダブのテクニックを加えることを前提に制作してるからダブ・アルバムを作るというよりもダブ・レコードを作る感覚で、僕がダブ・ミュージックって言い方が好きじゃないのも楽曲をダブ・トリートメントするって表現の方が合ってるからだと思う。

ダブ・ミュージックという表現があまり好きではないとのことですが、自身のレーベル〈On-U〉の設立をはじめにあなたが再定義したUKにおけるダブは、後のダブステップのようにサウンドシステム・カルチャー由来のクラブミュージックにも多大な影響を与えているかと思います。Pinchとのコラボレーションを始はじめ自身の作品や〈On-U Sound〉からのリリースでもそうしたクラブ・ミュージックを取り入れ続けているかと思いますが、あなたのレガシーの影響下にあるUKクラブ・ミュージックの発展をどのように見ていますか?

エイドリアン:僕の音楽に影響を受けたと言われるのは最高の褒め言葉だしとても嬉しいことではあるんだけど、自分自身は影響を与えるつもりで音楽をやってるわけじゃないんだ。それこそPinchのような影響下にあるサウンドのことを言われても、結局僕はテクニックと魂を込めて自分のやりたいことをやってるだけだから、何かを与えたという気持ちはないんだよね。僕がすごいことをやってきたという意識はまったくないし、いまでも音楽に対しては自分自身が興奮できる新しい音を作ることだけに集中してる。

現代のクラブ・ミュージックを経由し、自身のようにいま新たにダブに興味を持ちはじめてきてる人びとがいます。彼らがこのインタヴューを通じダブをより楽しみ、理解を深めるには作品、楽曲をあなたならではのチョイスでいくつか教えていただきたいです。

エイドリアン:リー・ペリーの『Blackboard Jungle Dub』はとても良い作品で、自分が関わった作品なら彼とダブ・シンジケートの『Time Boom X De Devil Dead』、最近のドラスティックな作品だとホレス・アンディの『Midnight Scorchers』リー・ペリーの『Heavy Rain』。それから、ダブではないけどマーク・スチュワートの『Learning to cope with Cowardice』は40年前の作品でダブ・テクニックが加わっててすごくイケてる、彼が今年亡くなったことを思うと本当に悲しいよ。まだまだ他にもたくさんあるけど、アフリカン・ヘッド・チャージの新作もだし、いま挙げた作品は全部僕からしたらダブ・アルバムなんだ。「Each One Teach One」というジャマイカンの言葉があるように、こうしてひとりひとり誰かに教えあうことが影響を与えるということなんだろうね。

ありがとうございます。あなたからの教えを手掛かりに、これから新たにダブへの理解を深めていく人々が増えていくのではないかと思いました。最後の質問になるのですが、あなたが往年のキャリアの中で見出したダブのサイケデリクスとはどういったものですか?

エイドリアン:ダブの良いところは歌があるのにリリックまみれじゃないところで、BGMとしても成立するからひとりで瞑想するときにも合うし、音をめちゃめちゃ上げてみてもいい感じになるんだ。ミュージシャンだったらその上から自分で楽器を弾いてみたりテクニックを加えてみることもできるから、メディテーションだけでなく頭のなかにあるクリエイティブなマインドを育てるにもいいんじゃないかな。サイケデリクスの影響下から生まれてるものと言えば、クリエイション・レベルの『Starship Africa』もトリッピーで最高だからさっきのダブ・アルバムリストに入れておいてほしいな。今度リリースされる『Hostile Environment』も次なるモードな感じで素晴らしいアルバムになってるよ。

Oneohtrix Point Never - ele-king

 喜びたまえ。現代を代表する電子音楽家、大いなる期待を集める最新アルバム『Again』のリリースを今週金曜に控えるワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。4度目の来日公演の決定である。しかも、ソウル、ベルリン、マンチェスター、ロンドン、パリ、ニューヨークとつづくワールド・ツアーのスタートにあたる公演とのことで、つまりOPNの最新パフォーマンスを世界最速で堪能できるってこと。
 ちなみに前回の来日は5年前、『Age Of』(2018)リリース後で、バンドやダンサーを引きつれてのライヴだった。はたして今度はどんなパフォーマンスを披露してくれるのか──まずは9月29日発売の『Again』を聴いて、妄想を膨らませておきたい。
 日程は来年2月28日@六本木 EX THEATRE と2月29日@梅田 CLUB QUATTRO の2公演。時期はまだ少し先だけれど完売必至と思われるので、ご予約はお早めに。

 なお、今週木曜9月28日には新宿の映画館で新作のプレミア試聴会&トーク・イヴェントが開催されます(https://twitter.com/beatink_jp/status/1703980222692106661)。そちらもぜひ。

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー
ニューアルバム『Again』をひっさげ待望の来日ツアー決定!
圧巻の最新ライブセットがここ日本で世界初披露!
アルバムはいよいよ今週発売!

TOKYO 2024/2/28 (WED) EX THEATRE
OSAKA 2024/2/29 (THU) 梅田 CLUB QUATTRO

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下OPN)が音響アート/ミュージック・コンクレートのひとつの到達点とも言うべき、衝撃のニューアルバム『Again』をいよいよ9月29日に発売!音楽ファンやミュージシャンはもちろん、多種多様のアーティストやクリエイターからも大きな注目が集まる中、待望の来日公演が決定!ここ日本で最新ライブセットが世界初披露されることが明らかとなった。

テンションにテンションを重ねた得も言われぬ解放感とイマジネーションを拡張する圧倒的な世界観、息をのむ美しさ。名作『R plus Seven』を壮大なスケールにアップデートしたような大傑作だ。バラバラに散らばった断片たちが、時間を逆流し緻密且つ巨大な美しいアートピースを完成させるさま、カオスからコスモスへ、聴く者たちをカタルシスへ導く逆流アートの到達点がここに誕生した。

電子音楽、ヴェイパーウェイブ、ノイズ、アンビエント、コラージュ、カットアップ、ミュージック・コンクレート、、、当初はマニアックな実験音楽やサブカルチャーのカリスマだったワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)ことダニエル・ロパティンは、自身の作品のみならず、音楽プロデューサーとしてアノーニやザ・ウィークエンドを手がけ、映画『Good Time』(2017)ではカンヌ映画祭最優秀サウンドトラック賞を受賞するなど活躍の場をひろげて来た。2021年にはザ・ウィークエンドによるスーパーボウル・ハーフタイムショーの音楽監督を務め、シャネル 2021/22年 メティエダールコレクションショーでも音楽とパフォーマンスを担当。世界チャート1位を獲得したザ・ウィークエンドの『Dawn FM』では、エグゼクティブ・プロデューサーを務め、アルバム収録曲の大半で演奏も行っている。

今週ついにその全貌が明らかとなる最新作『Again』をひっさげたOPNの最新のライブセットが、ここ日本を皮切りに、ソウル、ベルリン、マンチェスター、ロンドン、パリ、ニューヨークという世界の主要都市をツアーすることが発表された。妥協なき美意識にもとづくその高い芸術性で、今や音楽カルチャーのあらゆる分野で引く手あまたの、現代を代表する音楽家、作曲家、プロデューサーとなったOPNことダニエル・ロパティンが魅せる圧巻のライブ・パフォーマンス!これは絶対に見逃せない!

公演詳細 >>> https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13709

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ONEOHTRIX POINT NEVER
JAPAN TOUR
出演:ONEOHTRIX POINT NEVER(サポートアクト:TBC)

[東京]
公演日:2024年2月28日(水)
会場:EX THEATRE
OPEN:18:00 START : 19:00
チケット料金:前売 1階スタンディング¥8,000(税込) 2階指定席¥8,000(税込)
*1ドリンク別途 
特記: 別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可

[大阪]
公演日:2024年2月29日(木)
会場:梅田CLUB QUATTRO
OPEN:18:00 START : 19:00
チケット料金:前売¥8,000(税込) オールスタンディング / 1ドリンク別途 
特記: 別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可

企画・制作 BEATINK www.beatink.com
INFO BEATINK www.beatink.com / E-mail: info@beatink.com

【TICKET INFO】
★ビートインク主催者WEB先行:9/29(金)10:00~
[TOKYO] https://beatink.zaiko.io/e/opn2024tokyo
[OSAKA] https://beatink.zaiko.io/e/opn2024osaka

[東京]
イープラス最速先行受付:10/3(火)12:00~10/9(月)23:59 [https://eplus.jp/opn-2024/]
一般発売:10/21(土)~ イープラス、LAWSON、BEATINK

[大阪]
イープラス最速先行受付:10/3(火)12:00~10/9(月)23:59 [ https://eplus.jp/opn-2024/]
一般発売:10/21(土)~ イープラス、LAWSON、チケットぴあ、BEATINK

Oneohtrix Point Never - A Barely Lit Path
YouTube >>> https://youtu.be/_kyFqe36BqM
配信リンク >>> https://opn.ffm.to/ablp

9月29日にリリースされる待望の最新作『Again』。Pitchforkが選ぶ「この秋最も期待できる47アルバム」で大きく取り上げられ、CRACK MAGAZINE最新号の表紙を飾るなど、アルバムへの期待は加速的に高まっている。本作についてダニエルは、現在の視点を通して、当時の自分の音楽的アイデンティティを捉えた瞑想であり「観念的自伝」だと説明する。現在公開中の新曲「A Barely Lit Path」は、ロバート・エイムズの指揮と編曲、ノマド・アンサンブルの演奏によるオーケストラをバックに、アルバムのクライマックスを飾る。合わせて公開されたミュージックビデオは、ダニエルがビデオ・アーティストのフリーカ・テットと書いた原案をもとに、フリーカ・テットが監督したもので、擬人化された2人の衝突実験用ダミーの悲惨な物語が描かれている。

OPN待望の最新アルバム『Again』は、9月29日 (金) にCD、LP、デジタル/ストリーミング配信で世界同時リリース!国内盤CDにはボーナストラックが追加収録され、解説書と歌詞対訳が封入される。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)に加え、限定盤(ブルー・ヴァイナル)、日本語帯付き仕様盤(ブルー・ヴァイナル/歌詞対訳・解説書付)の3形態となる。さらに、国内盤CDと日本語帯付き仕様盤LPは、Tシャツ付きセットの発売も決定。

label: Warp Records / Beat Records
artist: Oneohtrix Point Never (ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)
title: Again (アゲイン)
release: 2023.9.29 (FRI)

商品ページ:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13613

Tracklist:
01. Elseware
02. Again
03. World Outside
04. Krumville
05. Locrian Midwest
06. Plastic Antique
07. Gray Subviolet
08. The Body Trail
09. Nightmare Paint
10. Memories Of Music
11. On An Axis
12. Ubiquity Road
13. A Barely Lit Path
+ Bonus Track

国内盤CD+Tシャツ

限定盤LP+Tシャツ

通常盤LP

限定盤LP

Shin Sasakubo & Jamael Dean / Daniel Villarreal - ele-king

 原雅明主宰のレーベル〈rings〉から最新作2枚が同時発売される。1枚は、秩父の個性的な音楽家、笹久保伸とLAのジャズ・ピアニスト、ジャメル・ディーンによる共作。もう1枚は、ドラマーのダニエル・ヴィジャレアルによるラテン・グルーヴあふれるインプロヴィゼーション作品で、昨年の『Panama 77』に収めきれなかった演奏が収録される。ジェフ・パーカーも参加しています。好きな音楽の幅を広げてくれるかもしれない2枚、チェックしておきましょう。

SHIN SASAKUBO(笹久保伸) & JAMAEL DEAN 『Convergence』
2023.10.25 CD Release

笹久保伸の38作目となるアルバム『Convergence』は、ロサンゼルス出身の天才ジャズピアニストでありビートメイカーでもあるJamael Dean(ジャメル・ディーン)とのコラボレーション作品。独創的な音楽世界観を持つ2人が出会い、そして融合した、聴く者を魅了する多彩な音楽性を放つ傑作!!

ジャズ・ピアニストのジャメル・ディーンとそのアルター・エゴであるビートメイカー/ラッパーのジラは、LAのジャズとヒップホップをナイジェリアのヨルバの伝統歌へと繋げた。そして、秩父の笹久保伸の音楽と結びついた。端正なビートとアルカイックなドラム、鍵盤、ギター、歌、サンプリング音が織り成す、真に融和的で研ぎ澄まされた世界がここにはある。2人のルーツの出会いが生んだ、この上なくリアルで美しい音楽だ。(原 雅明ringsプロデューサー)

【リリース情報】
アーティスト名:SHIN SASAKUBO & JAMAEL DEAN
アルバム名:Convergence
リリース日:2023年10月25日
フォーマット:CD
レーベル:rings / chichibu label
品番:RINC111
JAN: 4988044093393
価格: ¥3,080(tax in)

販売リンク:
https://rings.lnk.to/qrAn5Rjl
オフィシャル URL :
http://www.ringstokyo.com/shinsasakubo-jamael-dean-convergence/

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Daniel Villarreal『Lados B』
2023.10.25 CD Release

2020年にドラマーのダニエル・ビジャレアル、ギタリストのジェフ・パーカー、ベーシストのアンナ・バタースが、2日間のレコーディングで完成させ高い評価を集めた『Panama 77』に収めきれなかった即興演奏の数々を、『Lados B』としてアルバム・リリース!!異なる音楽的影響を持つ3人が創り出す、美しく鮮やかな音の色彩は圧巻!!

グルーヴ感溢れる『Panama 77』をリリースしたパナマ出身のドラマー、ダニエル・ビジャレアルのBサイドと言えるインプロヴィゼーションにフォーカスしたのが本作。ジェフ・パーカーのギターとアンナ・バタースのベースという、LAジャズの最前線にいて、ポップスのフィールドでも引く手あまたの二人を迎え、自由度の高い、素晴らしいトリオでの演奏を聴ける。ラテンのグルーヴとジャズのインプロヴィゼーションの、幸福な出会いから生まれたアルバムだ。(原 雅明 ringsプロデューサー)

【リリース情報】
アーティスト名:Daniel Villarreal(ダニエル・ビジャレアル)
アルバム名:Lados B(ラドス・B)
リリース日:2023年10月25日
フォーマット:CD
レーベル:rings / International Anthem
品番:RINC112
JAN: 4988044093409
価格: ¥2,970(tax in)

販売リンク:
https://ringstokyo.lnk.to/xrleJTUP
オフィシャル URL :
http://www.ringstokyo.com/daniel-villarreal-lados-b/

絵夢 〜 KITCHEN. LABEL 15 in Tokyo - ele-king

 日本人アーティストも多くリリースするシンガポールのレーベル〈Kitchen. Label〉が15周年を記念しライヴ・イヴェントを開催する。2023年11月15日(水)@渋谷WWW。同レーベルに『古風』『古風II』を残し、この11月には新作『古風III』のリリースを控える広島の冥丁をはじめ、アンビエント・フォーク・デュオ Aspidistrafly、新進気鋭のプロデューサー Kin Leonn、最近レーベルに加わった東京のサウンド・アーティスト Hiroshi Ebina が出演する。レーベル・ショウケースという形式はまだ知らない新しい音楽を見つける絶好のチャンスでもある。ぜひ足を運んでおきたい。

 なお、10月20日発売の『別冊ele-king アンビエント・ジャパン』には冥丁による特別寄稿が掲載される。そちらもチェックしていただければ幸いです。

『絵夢 〜 KITCHEN. LABEL 15 in Tokyo』

◆日程 : 2023年11月15日(水)
◆時間 : OPEN 18:00 / START 18:30
◆会場 : 東京・渋谷 WWW(https://www-shibuya.jp/
◆チケット:前売 ¥4,500 / 当日 ¥5,000(共に税込・ドリンク代別 / 整理番号付き)

◆出演:
冥丁
ASPIDISTRAFLY Ensemble with Kyo Ichinose
Kin Leonn
Hiroshi Ebina

◆音響 : 福岡功訓(Flysound)

◆チケット販売:e+ (9/23(土)10:00〜より販売開始)
https://eplus.jp/kitchen-label/

◆主催 : KITCHEN. LABEL (https://www.kitchen-label.com/)
◆協力 : Inpartmaint Inc. (https://www.inpartmaint.com/)
◆お問合せ : info@kitchen-label.com

◆詳細HP
https://www.inpartmaint.com/site/38321/

[イベント概要]
シンガポールの音楽レーベル【KITCHEN. LABEL】が15周年を記念したライブイベントを2023年11月15日(水)東京・渋谷WWWにて開催。レーベルアーティストの冥丁、ASPIDISTRAFLY、Kin Leonn、Hiroshi Ebinaが出演。

haruka nakamura、いろのみ、冥丁など、数多くの日本人アーティストの名作をリリースし、またその美しいパッケージデザインにも定評のあるシンガポールの人気インディー・レーベル【KITCHEN. LABEL】が、2023年11月15日(水)に東京・渋谷WWWにて15周年記念となるレーベルショーケースを開催する。シンガポールからはASDPISIDTRAFLYとKin Leonn、日本からは冥丁とHiroshi Ebinaが出演し、それぞれの音楽的美学を披露する。

ショーケースのヘッドライナーを務めるのは広島を拠点に活動するアーティスト【冥丁】。11月中旬リリース予定のニューアルバム『古風Ⅲ』も取り入れた「古風」シリーズのライブセットを披露する。シンガポールのアンビエント・フォークデュオ【ASPIDISTRAFLY】は、一ノ瀬響(ピアノ)、徳澤青弦(チェロ)率いるストリング・カルテット、湯川潮音(クラシック・ギター)を迎えた特別アンサンブルで最新アルバム『Altar of Dreams』をライブ初披露、また前作『A Little Fable』の名曲も演奏予定。初来日となるシンガポールのアンダーグラウンドシーン気鋭の若手プロデューサー【Kin Leonn】は10月下旬リリースのニューアルバム『mirror in the gleam』からのライブセットを、インディーロック・バンドSobsのRaphael Ongによる映像と共に初披露。そして、レーベルに新たに仲間入りした東京在住のサウンドアーティスト【Hiroshi Ebina】はアンビエント・セットを披露する。

「これまでレーベルとアーティストを応援してくれた日本のリスナーの皆さんと一緒に15周年を迎えられることを嬉しく思います。タイトルに名付けた「絵夢」という言葉は、私たちのアーティストが共有する世界を完璧に具現化するものを探し求めた末に生まれました。”浮世絵”からとった「絵」と「夢」を掛け合わせたこの言葉には、音を通して鮮明な夢の風景を描くという私たちの使命が込められています。このイベントは、私たちのレーベルの過去、現在、そして未来を紹介するものとなるでしょう。」Ricks Ang(KITCHEN. LABEL)

[アーティスト・プロフィール]

冥丁
photo by Akio Yamakawa

日本の文化から徐々に失われつつある、過去の時代の雰囲気を「失日本」と呼び、現代的なサウンドテクニックで日本古来の印象を融合させた私的でコンセプチャルな音楽を生み出す広島在住のアーティスト。エレクトロニック、アンビエント、ヒップホップ、エクスペリメンタルを融合させた音楽で、過去と現在の狭間にある音楽芸術を創作している。これまでに「怪談」(Evening Chants)、「小町」(Métron Records)、「古風」(Part I & II)(KITCHEN. LABEL) よる、独自の音楽テーマとエネルギーを持った画期的な三部作シリーズを発表。
日本の文化と豊かな歴史の持つ多様性を音楽表現とした発信により、The Wire、Pitchforkから高い評価を受け、MUTEK Barcelona 2020、コロナ禍を経てSWEET LOVE SHOWER SPRING 2022などの音楽フェスティバルに出演し、初の日本国内のツアーに加え、ヨーロッパ、シンガポールなどを含む海外ツアーも成功させる。また、ソロ活動の傍ら、Cartierや資生堂 IPSA、MERRELL、Nike Jordanなど世界的なブランドから依頼を受け、オリジナル楽曲の制作も担当している。
https://www.instagram.com/meitei.japan/


ASPIDISTRAFLY(アスピディストラフライ)
photo by Ivanho Harlim

2001年に結成されたシンガポールを拠点に活動する、ヴォーカリスト/コンポーザーApril LeeとプロデューサーRicks Angによる男女ユニット。アンビエント・フォークとミュジーク・コンクレートを融合させたサウンドやApril のスモーキーなアルト・ヴォーカルに芸術性の高い演出を加え、彼女の詩的な物語に生命を吹き込んでいる。これまでに『I Hold A Wish for You』(2008)、『A Little Fable』(2011)、そして最新作となる『Altar of Dreams』(2022)の3枚のアルバムをKITCHEN. LABELよりリリース。最新作には米NPRの”Song of the Day”に選出された「The Voice of Flowers」や、SUGAI KENとのコラボレーション曲などを収録。
また、一ノ瀬響、haruka nakamura、小瀬村晶、青葉市子などの日本人音楽家や、Gucci、Roger Vivier、LAD MUSICIAN、NARSなどのブランドとのコラボレーションも行っている。ASPIDISTRAFLY以外では、Aprilはアートディレクターとして、デザイン、写真、ファッションの分野で活躍。RicksはKITCHEN. LABELを運営し、良質な音楽を洗練された美しいアートワークの特殊パッケージデザインとともにリリースしている。
https://www.instagram.com/aspidistrafly/


Kin Leonn(キン・レオン)
photo by Christopher Sim

​​シンガポールのアンダーグランドシーンのサウンド・アーティスト、DJ、作曲家として多才な存在感を放ち、「アンビエント・ボーイ」の愛称を持つシンガポール新世代アーティスト。2018年に1stアルバム『Commune』をKITCHEN. LABELよりリリース後、ベネズエラのアンビエントの先駆者Miguel Noyaとの共演や日本のサウンドアーティストHiroshi EbinaとのコラボレーションEP『“Faraway Vicinity』(2022)をリリースする他、プロデューサーやミキサーとしてYeuleとの様々なコラボレーションやModeratやYunè Pinku.のリミックスにも参加。
ロンドン・カレッジ・オブ・ミュージックを首席で卒業し、2021年にはスパイク・ステント賞を受賞。作品のリリース以外にもマルチ・チャンネルの音響インスタレーションや映画のサウンドトラックも多数手掛ける。直近では、2023年カンヌ国際映画祭でプレミア上映されたAnthony Chen監督による長編映画『The Breaking Ice』のサウンドトラックを担当した。
https://www.instagram.com/kinleonn/


Hiroshi Ebina
photo by Yoichi Onoda

東京在住のサウンドアーティスト。活動は多岐に渡り、アンビエントミュージックの作曲・演奏や、雅楽奏者としての活動、フィルムカメラを用いた写真作品の作成も行なっている。ニューヨークでの活動を経て、2018年より日本での活動を再開。作曲にはモジュラーシンセを中心にテープマシンや多種多様なアコースティック楽器を用いる。近年はKITCHEN. LABELやMystery Circles、Seil Recordsより作品を発表している。
「偶発性」はHiroshi Ebinaの音楽を語る上で欠かすことのできない要素である。真白の紙の上に点や線を広げるように音と並べていき、法則を与えることで音楽を形作っていくプロセスを取っている。作曲の際はリズムやピッチといった側面だけでなく、音の触感や音と音との間の無音部分などを重視している。
https://www.instagram.com/he_soundvisual/

[Instagram]

#絵夢 #KITCHEN15INTOKYO #冥丁 #ASPIDISTRAFLY #KINLEONN #HIROSHIEBINA

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PACIFIC MODE 2023 - ele-king

 来る10月21日&22日、川崎・東扇島東公園にて野外パーティ《PACIFIC MODE 2023》が開催される。ベルリンのDJファート・イン・ザ・クラブ、ニューヨークのハウス/フットワーク・プロデューサー、クッシュ・ジョーンズに、今回が初来日となるアンビエント・アーティスト、マリブーやウラらが出演。日本からも強力な面々が勢ぞろいする。
 主催は、これまでSustain-Releaseのサテライト・イヴェント「SR Tokyo」などを企画してきたPACIFIC MODE。野外パーティは今回が初とのこと。
 詳細は下記をご確認ください。

PACIFIC MODE 2023

NY-東京発のPACIFIC MODEが送る“都会を遊ぶオープンエア・パーティ”が10月21日土曜午後から22日日曜午前にかけ川崎のベイエリアにて開催。チケットも即日販売。

海外からダンス・アクトとしてDJ FART IN THE CLUB、KUSH JONES、PLO MANに加え、アンビエントのライブ・アクトとして初来日のMALIBUとULLAが登場、国内からDJ TRYSTERO、E.O.U、FOODMAN、LIL MOFO、MARI SAKURAI、SAMO、SUIMIN、ULTRAFOG、YELLOWUHURU、ローカルのクラブ・シーンの中核を担うDJ/アーティストがラインナップ。

これまでNYブルックリン発のレイヴ・パーティSustain-Releaseのサテライト・イベント「SR Tokyo」含む企画、招聘、ジャパン・ツアーを行い、並行して都内やNYのベニューを中心に様々なイベントを開催をしてきたプロモーターPACIFIC MODE。今回初となるオープンエア・パーティではこれまでの活動の軌跡を辿るように、午後から夕方にかけるアンビエント/エレクトロニック・ミュージックの静隠なムードから、夕方から夜へかけじっくりとダンスへと向かい、深夜のハイ・エナジーなレイヴへ到達、朝方のアフターへと流れる。PACIFIC MODEのクラブを起点としたダンス・エレクトロニック・ミュージックのエネルギーを野外という開かれた都会の空間で遊んで欲しい。

Title: PACIFIC MODE 2023
Date: 2023/10/21 SAT 12:00 - 22 SUN 10:00
Venue: 川崎東扇島東公園 / Higashi-Ogishima Higashi Park Grass Field
Instagram
Website
Ticket

UNDER 23: ¥6,000 *Photo ID Required / 年齢確認のため要写真付ID
CATEGORY 1: ¥9,000 *LTD / 数量限定
PARKING / 駐車券: ¥2,000
TENT / テント券 (一張り): ¥2,000 *LTD 50 / 50枚限定

DJ FART IN THE CLUB [DE/KR]
DJ TRYSTERO
E.O.U
FOODMAN
KUSH JONES [NY]
LIL MOFO
MALIBU [FR]
MARI SAKURAI
PLO MAN [DE/CA]
SAMO
SUIMIN
ULLA [DE/US]
ULTRAFOG
YELLOWUHURU

PA: SHOTA MURAKOSHI, SEMMEI KAI (WHITELIGHT)
LIGHTING: HITOSHI SATO

PR: Loca1 W0rld
Creative Direction: mamastudio™
Music of video: ICEE MAN by KUSH JONES

promoted by PACIFIC MODE

■ ガイドライン
PACIFIC MODEでは、お互いが尊敬し、助け合い、そして安心して楽しむことができる環境づくりを目指しています。
困っている方や、体調が優れない方がいたら、スタッフや周りの人に知らせてください。

■ チケット
・18歳未満の方は保護者同伴の場合のみご入場いただけます。保護者の方はお子様にケガ・事故等がないよう十分ご注意ください。
・中学生以下はチケット不要です。
・電子チケットは必ず、紙に印刷してご持参ください。スマートフォンの電池切れや、電波が弱い等の原因により、QRコードをご提示いただけない場合は受付できません。
・電子チケットの転売・譲渡は禁止されており、当事者間の自己責任となります。このような行為により入手されたチケットが、二重利用等により受付時無効となっていた場合は、当方は一切責任は負いません。
・不正入場が発覚した場合、理由の如何にかかわらず身柄を警察に引き渡します。
・開催期間中は再入場が可能です。
・UNDER23チケットにつきましては、ご入場時に有効な写真付き身分証明証(コピー不可)をエントランスにてご提示ください。ご提示いただけない場合は、当日料金との差額分をエントランスにて追加でお支払い頂きます。
・前売りが規定枚数に達した場合、当日券の販売はございません。

■ 持ち込み物
・持ち込み不可品 アルコール類/カン/ビン/違法物/危険物/ペット等の動物の同行は禁止にさせて頂きます。
・安全面、環境面の観点から、エントランス付近で荷物チェックを行います(再入場も含む)。アルコール類/カン/ビン類については発見次第没収し、違法物/危険物については即時退場/通報等の措置を取らせていただきます。
・ソフトドリンクを持参される場合は、カン/ビン類以外の容器に事前に移し替えてください。会場内ではカン/ビン類の回収は行いません。
・美しい会場を守るため、ポイ捨ては厳禁です。所定のゴミ捨て場までお持ちの上、分別にご協力ください。
・煙草のポイ捨ては厳禁です。
・主催者の許可なく個人の楽器、スピーカー、レーザー等を会場内で使用することは、固くお断りします。

■ 運営
・会場内外において、他のお客様のご迷惑になるような行為を行ったり、スタッフの指示に従わない方については、強制的に退場していただきます。その際、チケットの払戻し等は一切致しません。
・会場内・外での事故・紛失・盗難・ケガ・病気等の責任は、一切負いません。
・雨天決行。但し、台風など開催不可能な荒天の場合を除きます。
・会場は普段から風が強いエリアになります。テントを建てられる方はテントが飛ばされないように十分にご注意ください。破損した場合や、怪我をされた場合につきましては、責任を負いかねます。
・会場は都内近郊で10月の開催ですが、風が強くなり冷え込む場合もありますので、上着や雨具などをご準備ください。
・会場内は火気厳禁となります。バーベキュー等はできませんので、お食事はフードエリアの飲食出店をご利用ください。
・会場内には公園の来場者専用の駐車場もありますが、お車でご来場される方は必ず駐車券を購入し、PACIFIC MODEの係員に沿ってイベント専用の駐車場をご使用ください。
・会場内の映像・写真が公開されることがありますので予めご了承ください。
・出演アーティストのキャンセルや変更、本番中の中止等をやむを得ず行う場合がございます。これに伴うチケットの払い戻しは行いません。
・主催の判断によりやむを得ず運営上のルールを変更する場合がございます。これに伴うチケットの払い戻しは行いません

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