「Nothing」と一致するもの

Black Midi - ele-king

 SNS時代では、好きなことを好きなようにやることがますます難しくなっているのだろう。もはや自分が何を好きなのかさえもわからなくなっているのかもしれない。とにかく、不特定多数の誰かに自分がどう見られるのか、市場やメディアでの自分の見せ方ばかりを気にしているミュージシャンやライターを見るにつけ、本当につまらない連中だなと思う反面、大衆自らが監視装置になっている現在のディストピアにぞっとする。
 しかし、絶望的なこのがんじがらめから脱出するには、ひとつ方法がある。誰になんと思われようと知ったことではない、好きなことを好きなように情熱をもって徹底的にやり抜く。ブラック・ミディというロンドンの若き4人組のロック・バンドはまさにそれをやった。

 彼らの音楽にはトレンドらしきものなどない。ラップもダンスもドラッグも恋愛もない。パンク版キング・クリムゾン? XTC風のキャプテン・ビーフハート? ときにボアダムスっぽくもあり、そしてヴァンダーグラフ・ジェネレイターっぽくもあり……、いやまあなんにせよ、象徴的に言えば、少なくとも誰もが待ち望んでいるであろうことなど眼中にないサウンドをもって、だからこそ逆説的に誰もが待ちのぞんでいたことをやってのけたと。そう、この突然変異体は彼らのサウンドのパワーでもって、人びとを惹きつけたのである。最近出たばかりの『カヴァルケイド』はブラック・ミディにとってのセカンド・アルバムで、プログレ御仁をも泣かせたという前作『シュラゲンハイム』にはそれほどピンとこなかったぼくにも今回はガツンときた。
 先ほどぼくは、ぼくのいつもの怠惰さゆえに既存のバンド名などあげつらってブラック・ミディを説明しようとしているが、彼らの言うなれば“パンク・ジャズ・ロック”はもっと多様で(ボサノヴァまでやっている)、そして完璧に新鮮だ。10代という若さでダモ鈴木と共演している彼らだが、後ろ向きの郷愁など感じない。今年で22歳になる彼ら自身が若いように、この音楽にもはち切れんばかりの若さがある。それが『カヴァルケイド』における緻密さと勢いの両翼にわたって、ときに激しくリンクしている。ケオティックであるが凛としたサウンドで、この暗いご時世のなか物事に立ち向かっているような勇敢さを携えている。
 また、このアルバムには「別世界からの人物たち──苦境に陥ったカルト教団のリーダーからダイヤモンド鉱山で発見された古代の死体、伝説のキャバレー歌手マレーネ・ディートリッヒ──が、列を成して、彼らの前を誘惑的に通り過ぎていくようなイメージが描かれている」と資料には書いてある。それぞれの楽曲はそれぞれの人物のそれぞれのストーリーであり、そしてそれぞれのパレードだというが、ま、ぼくにひとつ言えるのは、ここで語られるそれぞれのストーリーやパレードはひどくエキサイティングだということである。
 アルバムはバランスも取れている。激しいリズムの“John L”や“Chondromalacia Patella”そして“Slow”の「動」に対してボッサ調の“Marlene Dietrich”、ゆったりしたアメリカーナ風の“Diamond Stuff”のような「静」もあり、スコット・ウォーカーめいた歌とアコースティックな圧倒的な美しさの“Ascending Forth”で締めている。サブスクの恩恵はあるにせよ、まあ、よくここまで折衷的なサウンドをうまくまとめ上げて、しっかりブラッシュアップさせたなと。
 
 過去がアーカイヴされた現代では、古いものも新しいものも等価であり、ときには古いものが新しいとも言われる。いや違う、新しいものが新しく、いまここに新しさがはじまろうとしている。ブラック・ミディを聴こう。お小遣いをためて高価な中古盤を買うのも悪くはないけれど、こんな苦難な時代においても前を向けるという意味で、少なくとも精神的には良いことがあると思います。

Skee Mask - ele-king

 ここ数年、いわゆるベース・ミュージック以外、わりとダンサブルなテクノからもブレイクビーツの、もしくは別方向からのベクトルを見るとIDM的なリズムの捉え直しというのがわりと盛んなのはもはやゆるぎのない事実というかひとつの路線となっているわけですが(この前ここで紹介したブラザー・ネブラあたりも、それのブレイクビーツ方面のそんなフィーリングの作品ではありました)。で、そのあたりのサウンドが顕在化する、その流れを象徴する作品にスキー・マスクの2016年のファースト・アルバム『Shred』があるんではないかと。でもこの2021年にみてみると、意外にこの辺の流れ、いやいや意外とエイフェックス・ツインの『Syro』(2014年)ってやっぱり結構大きなターニング・ポイントだったんじゃないかと思うような。IDM的なブレイクビーツ・テクノ+ダブ・テクノといった感じで、作品としてのリスニング性能とダンサブルな曲がしっかりとフロア対応といった感じでアルバムにおいて繰り広げられており、なんというか逸材が出てきたなと思ったわけです。

 で、そのスキー・マスクがミュンヘンのゼンカー・ブラザーズのレーベル〈イーラン・テープ〉からわりかし謎の新人的な扱いでデビューしたのが2014年。本名はあとあとに明かされたのですが、ブライアン・ミュラーという人物。その正体はEDMというかわりかしバンギンなエレクトロで2000年代から活動するベテラン、ボーイズ・ノイズ一派の天才少年枠で世に出た逸材でした。ブライアンは2011年のデビュー、1993年生まれというのだからわずか17歳という年齢で SoundCloud で発掘されたという、そんなアーティスト。件のレーベルから SCNTST という名義にてリリース。どちらかというと SCNTST 名義はフロアライク、といってもバキバキのそれではなく、もう少しわかりやすいドリーミーでポップな空気のテクノといった感じでしょうか。

 RAのインタヴュー(https://ra.co/features/3108)によれば、当時、ボーイズ・ノイズに象徴されるようなバンギンなエレクトロを好んでいたそうですが、18歳のときに〈チェイン・リアクション〉の作品にてディープ・テクノの洗礼を受けて、エイフェックス・ツインやオウテカなどを聴きあさり、その辺の影響もあり、こちらのスキー・マスク的な音作りもするようになったとか(別にバンギンなエレクトロを辞めた訳ではない模様)。またある種のメンターとしてゼンカー・ブラザーズ、特にマルコの影響も大きいことを件のインタヴューでは言っています。

 テクノ・シーンで注目を浴びるなかリリースした2019年セカンド『Compro』はそうした期待に応えるもので、さらに緻密にプログラミングされた躍動感溢れるリズムと、アブストラクトかつ美しいシンセのラインが交叉、楽曲によってはアンビエント・テクノへも進み、その感覚はどこかAIシリーズやオウテカの初期作品(『Amber』もしくは『LP7』あたり)を彷彿とさせる作品に、さらに評価を盤石なものに。“Kozmic Flush” のようなアートコア・ジャングルも印象的でした。そしてある意味でその手のサウンドの先達とも言えるプラッドのリミックス、“Maru (Skee Mask Remix)”では不穏なシンセとフリーキーなジャングル・ビートが分裂気味に突き進むトラックでどこかここ最近〈リフレックス〉などのドリルンベース再評価を彷彿とさせる感覚に。また〈イーラン・テープ〉からのシングル諸作ではディープ・エレクトロ、ブレイクビーツ・テクノといった要素をやはり彼らしいIDM的な実験性とダンスフロアへのアクセスと、両方の絶妙なバランス感を持ったサウンドを展開していた、というのが2020年ぐらいまでの流れ。
 そういえば2020年には〈リヴィティ・サウンズ〉などからもリリースするベース〜ダンスホールなサイモ・セルとのB2Bテープ「TemeTape1」もリリースしてました。こちらはA面にはニュー・ビート〜初期ハウス〜テクノ〜IDMをつなげたBPM125サイドと、ハードコア・テクノ〜ジャングル〜ゲットー・テック〜ジュークなどを横断する160BPMのB面を配していて、なんというかその横断性とIDMの躁な部分とジャングルとの接続から僕はシロー・ザ・グッドマンの2000年代中頃のDJを思い出したりもしました。

 そしてつい先日リリースされたのが本作『Pool』。今回は18曲の2時間近くにも渡る大作、というよりも、リズムの展開がひとつのストーリーを描くような『Compro』などに比べると、どこかコンピレーションのような作品に。グリングリンとグラインドするAFX的な高速ドラムの冒頭の “Nvivo”、または “Rdvnedub”、アートコア・ジャングルな “Dolan Tours”、メランコリックなIDMサイドとジュークを絡め取ったような “Harrison Ford”、幽玄なアンビエント・トラック “Absence”、エレクトロの実験 “60681z” “Pepper Boys” などなど、楽曲はまさにいろいろ、とにかくこれでもかというくらい彼のリズムへのセンスが感じられる様々な楽曲が集録されています。
 作品としてはコンピレーション盤のようですが、時代の空気というか、いまこのコロナ禍をへて、ダンスフロアに過去のIDMやエレクトロニカ的なビート実験から、なにを取捨選択しようとしているのか、そのプロセスが垣間見えてるのではという感覚があります。そのあたりは先を考えると非常におもしろいのではという作品ではないかと思うわけです。どこかアルバム1枚のアーティストの表現を核にしたものというよりも、彼のある種の天才肌な感性を通した、時代のドキュメントといった感じすらあります。多様にばらまかれた種子が今後、ダンスフロアでどんな芽を出し葉を茂らすのか、そんな可能性を感じる作品ではないかと。

DIE KRUPPS - ele-king

 ドイツのポスト・パンク系の音源をたくさんリリースしている新潟の〈SUEZAN〉がディー・クルップスのデビュー・ライヴの映像をDVDとしてリリースする。日本でディー・クルップスといえば、「俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ」のバンドとしてのほうが通りが良いかもしれないが、国際的にはミニマルなメタル・パーカッションの元祖的な存在として知られている。CANのインナースペースで録音されたファースト・アルバム『鉄工所交響曲』はメッセージとしては労働と機械を主題とした作品で、ドイツのポスト・パンクにおける重要な1枚となっている。
 で、今回リリースされる彼らのデビュー・ライヴの映像だが、これは阿木譲氏が当時その場に居合わせて撮影したというもの。古いビデオテープからデジタル化してのリリースというわけだ。当時の生々しさは充分に伝わってくる、まさに貴重な記録。
 なお、〈SUEZAN〉は今年で10年目を迎える。

Brainstory - ele-king

 うん、これは素晴らしいバンドが登場しました。ロサンゼルスの郊外、インランド・エンパイア出身の3人組、ブレインストーリーなるバンド。極上のメロウ・グルーヴ、ジャズ+AOR+サイケ+グローバルによる恍惚、ファンクと甘美なまったり感、たまらないですな。まずはこのPVで腑抜けになって下さい。

 6月24日にブレインストーリーの7曲入りの「RIPE」が発売。初回限定先着80枚には、アーティスト・インタヴュー/歌詞対訳/写真など掲載の12頁ZINE付属。クルアンビンのファンはマストです。詳しくはレーベルのホームページをどうぞ。https://www.m-camp.net

Khalab And M’berra Ensemble - ele-king

 イギリスやフランスはかつてアフリカに植民地を作っていたこともあって、アフリカからの移民やその子孫が多く住んでおり、アフリカ音楽が広まる土壌を作っている。ロンドンのジャズ・シーンにアフリカ音楽の要素が多分に感じられるのもその表われのひとつであるし、フランスであればマヌ・ディバンゴやトニー・アレンといったキー・パーソンが居住し、アフリカ音楽を広めていった。こうした具合に西ヨーロッパの国々には、程度の差はあってもいろいろな場面にアフリカ音楽が入り込んでいる。
 イタリアの場合はイギリスやフランスに比べてアフリカ系人種の比率が低く、アフリカ音楽の影響をそれほど受けた国ではないが、それでも民族音楽を主体とするレーベルがあったり、ジャズやラテン~ブラジル音楽を介してアフリカ音楽が入り込んできた歴史がある。ピエロ・ウミリアーニのようにアフリカ音楽を題材にライブラリーや映画音楽を作る作曲家もいた。地理的に見ればイタリアは地中海を挟んで北アフリカや中近東と接していて、アフリカ北部から地中海を渡ってきた難民を受け入れている。とくに2010年代以降は移民が年々増加傾向にあり、グローバル化が進んでいるようだ。

 こうしたグローバル化はイタリアの音楽にも影響を及ぼし、クラップ・クラップのようなアフリカ、ラテン、東南アジアなどの民族音楽を大きく取り入れたクリエイターを生んでいる。そのクラップ・クラップとも近い関係にあるのがDJカラブ(本名ラファエル・コスタンティノ)である。
 ラジオDJからスタートしたカラブは昔からアフリカ音楽に強い興味を抱いており、ローマでアフリカをテーマにしたイベントを開いてきた。エチオピアン・ジャズの大家であるムラトゥ・アスタトゥケをイベントに招いたこともあるし、マリ共和国のシンガーであるババ・ソシコもゲスト出演し、それをきっかけに『カラブ&ババ』(2015年)という共演アルバムもリリースした。『カラブ&ババ』はクラップ・クラップの『タイー・ベッバ』(2014年)などとともに注目を集め、トロピカル・ベースという言葉も生んだ作品のひとつだ。
 サウンド・クリエイターとしても注目を集めるようになったカラブは、クラップ・クラップの作品をリリースする〈ブラック・エイカー〉からビート・テープや、そのクラップ・クラップをフィーチャーした『ティエンデ!』(2015年)というEPをリリースしていく。その後、〈オン・ザ・コーナー〉からリリースした『ブラック・ノイズ2084』(2018年)はシャバカ・ハッチングスやモーゼス・ボイドら南ロンドンのジャズ勢と共演した実験的な作品集で、カラブなりに解釈したアフロ・フューチャリズムを披露している。

 こうしてカラブは「アフロ・フューチャー・ビート・シェイク」とか、「エレクトロ・シャーマン」と呼ばれる存在となっていったのだが、このたび新作の『ムベラ』をピーター・ゲイブリエル主宰の〈リアル・ワールド〉から発表した。
 『ムベラ』は西アフリカのマリ難民キャンプに避難する音楽家集団との共演となっている。マリ共和国と国境を接するモーリタニアの難民キャンプのムベラでこのアンサンブルは生まれた。マリ共和国は1960年のフランスからの独立後、軍事独裁政権と反抗勢力との衝突が長い間続いており、中でも砂漠の遊牧民であるトゥアレグ族による反政府闘争が大きな広がりを見せていた。2012年のクーデターで反政府勢力のアザワド独立宣言が出されたが、その紛争で多くの難民が発生し、難民キャンプやヨーロッパへの避難が行われた。
 こうした難民キャンプでは音楽やダンス、演劇などのワークショップが開かれ、避難生活で荒む人々の心の癒しとなってきた。トゥアレグ族とアラブ人からなるムベラ・アンサンブルも難民に寄り添ってきた存在だ。カラブとムベラ・アンサンブルとの接点がどこで生まれたのかはわからないが、恐らくはババ・ソシコからの仲介もあると考えられるし、またイタリアへのマリ難民が間に入っているのかもしれない。
 そして、このプロジェクトはイタリアのINTERSOS(インターソス)という非営利人道援助組織のサポートを受けている。インターソスの活動はいろいろあるが、難民支援や難民キャンプの運営なども含まれており、『ムベラ』もその活動と連動している。

 ムベラ・アンサンブルは全部で18名ほどの集団で、トゥアレグ族とアラブ人のほかにイタリア人ジャズ・ドラマーのトマッソ・カッペラート(彼は『ブラック・ノイズ2084』にも参加していた)やカラブの音楽仲間のDJナフなども含まれる。録音は2017年5月にモーリタニアで行われ、2019年9月から2020年9月の1年ほどの間にカラブとナフがローマのスタジオでミックス作業をしている。モーリタニアでカラブはDJもやっていたようだが、そうしたなかでフィールド・レコーディングスを通して持ち帰った素材をもとに、スタジオ・ワークでエレクトロニクスを介して再構築するというプロセスを経て『ムベラ』は完成した。
 トゥアレグ族の音楽と言えばティナリウェンが有名だが、エレキ・ギターとアフリカ固有の打楽器のコンビネーションによるサウンドが特徴で、俗に砂漠のブルースとも呼ばれる。近年も砂漠のジミ・ヘンとの異名をとるムドウ・モクターが活躍しているが(彼はニジェール共和国に住むトゥアレグ族出身)、ムベラ・アンサンブルもこうしたトゥアレグ族ならではの音楽を持つ。“ウィ・アー・ムベラ”はそうしたムベラの声明文的なナンバーで、トゥアレグ語によるメンバーの声が録音されている。男と女、若者や老人など様々な声だ。“スキット・イン・マイ・ハート”は一種のコーランのような歌で、イスラム教に属するこの地域の宗教観が色濃く出ている。一方で“レステ・ア・ロンブレ”にはフランス語によるアジテーションが流れ、フランス語とトゥアレグ語が共用語となるこの地域の文化的背景が伺える(ティナリウェンもフランス語とトゥアレグ語の両方で歌う)。“レステ・ア・ロンブレ”の楽曲自体はテクノ調のダンサブルなナンバーで、カラブのDJならではの持ち味が出た1曲だ。

 “デザート・ストーム”はマリ、モーリタニア、ニジェール、セネガル、ナイジェリアなど西アフリカのサヘル地域の自然や環境をイメージした曲。サハラ砂漠の南に位置するこの地帯は厳しい環境下にあって、近年は砂漠化の危険が叫ばれており、アルカイーダとISLの対立など政治や治安も不安定である。こうした環境下で人びとは音楽と言葉によって伝統や教訓、情報などを紡ぎ、“ザ・グリオ・スピークス”のような楽曲が生まれる。グリオとは西アフリカで古来より続く世襲制の伝統伝達者で、祈祷師や吟遊詩人のような存在である(ユッスー・ンドゥールやババ・ソシコもグリオの家系出身)。
 一方、“ザ・ウェスタン・ガイズ”とはカラブら西欧人のことを指すのだろうか。トゥアレグ族のギター・サウンドと西欧音楽ならではの重たいファンク~ロック・ビートが融合した楽曲である。“カーフュー”はギターとパーカッションの素朴なアンサンブルに始まり、次第にエレクトロニクスが加わってミニマルなビートを刻んでいく。フォー・テットとスティーヴ・リードのセネガル録音となる『ダグザール』(2007年)を思い起こさせるような楽曲だ。
 “ムーラン・シュクール”もエレクトロニクスが大きく導入された楽曲で、トゥアレグ語のコーランのような歌と独特のエキゾティックなメロディーがフィーチャーされる。やはりフォー・テットがプロデュースしたことで知られるシリアのオマール・セレイマンに通じるような楽曲だ。
 “ダンシング・イン・ア・デザート・ムーン”はレフトフィールド・ディスコの極致とも言うべきアフロ・ビート・ハウスで、トゥアレグ族の音楽が持つ舞踏性とも繋がっている。そして、まさに砂漠のブルースという言葉がふさわしい寂寥感に満ちた“スキット・ギット”でアルバムは締めくくられる。全体的に見ればカラブのエレクトロニクスは前に出過ぎることなく、トゥアレグ族の音楽が持つ本質を見事にとらえ、そして現在の音楽シーンにうまくアップデートした作品集となっている。

5 さらばロサンゼルス - ele-king

 4月初旬、久しぶりに羽田からロサンゼルス行きのボーイングに乗った。去年、帰国した時と変わらず、羽田は閑散としていて手荷物検査場も10分掛からず通過できた。しかし手荷物検査場を出てすぐのところでパスポートに挟んでいたはずのフライトチケットが無いことに気付く。物をなくすというのはなんとも不思議な感覚である。数秒前まで大事に持っていたはずのものが跡形もなく消えているのだからちょっと笑ってしまった。搭乗まで時間もあったので再発行してもらいことなきを得たがなんとも幸先の悪い旅のはじまりである。

1. Vegyn - Like A Good Old Friend

本人主宰のレーベル〈PLZ Make It Ruins〉から、僕の最近の夜散歩のお供、ユルめなダンスEP。フランク・オーシャン等のアルバムに参加したりプロデューサーとしても名を馳せつつあるが自分の作品も感嘆の完成度。僕はエモいという言葉が本当に嫌いなのですが、これはなかなかエモいかもしれない。決して古くさい感じはしないけど、昔のことに思いを寄せたくなるような、寂しげなノスタルジーを感じる。余談だがVegyn(ヴィーガン)ことJoe Thornalleyの父親はPhill Thornalley (元ザ・キュアー)らしい!


 今回の旅の目的は留学先に残してきた荷物の片付けである。ちゃんと自分で書くのは初めてだが、僕はここ3年ほどの間ロサンゼルスに住んでいた(といっても2020年は半分以上日本にいたので実質2年半だが)。去年の7月はまだパンデミック真っ只中で、通っていたカレッジもオンラインに移行したので登校できるようになったら戻ろうと荷物もほとんど置いて帰ってきたのだが、とりあえず日本で腰を据えて頑張ろうという決心がついたので完全帰国を決めた。
 高校入学前に親から留学を勧められたときはなかなか勇気が出ず、流されるように日本の高校に入学し、2年生も半分終わるころやっと決心がつき突然ロサンゼルスの高校に編入し、卒業後もカレッジまで行かせてもらったのに途中でやめる中途半端さと天邪鬼な性格を両親と預かってくれていたゴッドマザーに詫びるとともに感謝したい。

2. Joseph Shabason - The Fellowship

 テキサス州オースティンのレーベル〈Western Vinyl〉から。去年リリースされたChris Harris, Nicholas Krgovichとの共作、''Philadelphia''も素晴らしいアルバムだったけど、今作も繊細で気持ちの良いがより実験的なアルバム。 ''Philadelphia''で多用されてた笛みたいな音はShabasonの仕業だったのか。今作でもよく笛を吹く。曲によってだいぶ曲調が違く、アンビエント・ポップ的な曲もあれば、打楽器が複雑に重なっていく曲やギターでノイズを出すのもある。1人で真面目に聴いても良いし、暗すぎないので部屋でかけても良さそう。


 LAX(ロサンゼルス国際空港)に着くと通常はイミグレーションで1、2時間は待たされるのだが空いていたので、ものの30分で出られた。入国の際のPCR検査や自主隔離の説明、体調の確認などもいっさい無く、入国してすぐにアメリカを感じさせられる。ゴッドマザーと幼馴染である彼女の娘が迎えにきてくれ、久しぶりの再会を喜び「フライトチケットなくしちゃってさ〜笑」などとお喋りしながら家へ向かう。このとき僕は空港のカートにパスポートを置き忘れているのに全く気づかず、アメリカの空はいつ見ても大きいな〜などとうつつを抜かしているのであった。パスポートをなくしたのに気付くのは2週間後のことである。

3. Shame - Live in the Fresh

 前々回すでにアルバムのことは書いたのでバンドの説明は省きます。パンデミック中なので無観客ライヴのライブ盤。1曲目“Born in Luton”の冒頭のシーケンスでもうがっちり掴まれる。Youtubeにミニコント付きの映像も上がっています。なぜかYoutubeのほうが音が良いし映像あったほうが上がるのでYoutube推奨。 コントちょっと面白いけどコメントを見るとあんまりウケてないところも良い。


 2週間隔離を終え街に出た。ワクチンの接種もはじまっていて徐々に人出も増えてきている。移転した〈Amoeba Music Hollywood〉も人数制限のせいもあるがレコードストアデイでもないのに入店待ちの行列。
 以前より敷地面積は狭いがやっぱりデカイ。レコードコーナーが縮小してCD、DVDコーナーと半分ずつくらい。僕の好きだったグローバル・ミュージック・コーナーにいたっては棚四つくらいしかなく残念。

4.Tex Crick - Live In... New York City

 マック・デ・マルコのレーベル、〈Mac's Record Label〉(そのまま)からTex Crickのセカンド・アルバム。 タイムスリップしてきたのかってくらいの、もろ70'sソフトロック。むしろ若いリスナーには新鮮であろう、70年代とはもう半世紀前だし、シティ・ポップのリヴァイヴァルがあるし、ちょっと前Tik Tokでフリートウッド・マックが流行ったりしてたし。力の抜けた歌も心地良いし、シンプルで嫌味のないピュアさがグッとくる良アルバム。


 片付けとパスポートの再発行をすませ、パンデミック中に長居する理由もないので東京へ帰る。正直ロサンゼルスという街に飽きていたので未練はないが、少し名残惜しいのはタコス・アル・パストールくらいだ。アル・パストールはスパイスに漬けた豚肉を回転式グリル機でカリカリに焼いてパイナップルと一緒にいただく屋台タコスで僕の大好物。LAの渇いた空気と炭酸飲料とタコスのタッグの破壊力は凄まじい、本場メキシコにもぜひ行ってみたい。残念ながら東京には美味しいアル・パストールを出す店は無い。あの味を求めていつかまたロサンゼルスに行かなければならないだろう。

Colleen - ele-king

 先日のある暑かった休日、ぼくは2年ぶりに釣りに出かけた。まあ、といっても道具をもって自転車で3~40分ほどで行けるところで、2年前までは子供を連れていったものだけれど、いまはもう親の相手などしない年頃なので、ぼくはひとりだった。2年のあいだに地形も変わり、自分の秘密のポイントだった場所も荒れ果てていたのだが、このままでは帰れないと諦めずに、丈高い草をかき分けながらあらたな場所を見つけ、しばらくそこで過ごした。貴重な初夏における、ちょっとした夢の時間だ。
 どうってことのないところなのだが、人が行き交う道路よりも低いところに降りて川のなかに入っていると、東京も、そして自分の人生も少し違って見える。ぼくがコリーンの音楽に覚える感覚はそれに似ている。特別なものなのどなにひとつないけれど、しかし彼女の音楽はぼくに夢の時間を与える。

 昨年編集部で作った『コロナが変えた世界』のなかで上野千鶴子氏が言っているように、本当に成熟した社会では、ジェンダーのステレオタイプにとらわれずに評価されるのが本来のあるべき姿なのだろう。ローレル・ヘイローの音楽は、彼女が女性で、男の作り手が多い電子音楽をやっているから評価されているわけではない。ただ純粋に彼女の作品には力があるからだ。実際ヘイローは、「女性電子音楽家」という括りを嫌悪している。
 しかしながら、歴史的な不平等さのなかではある程度の強制が必要なのもたしかだ。この春欧州では、歴史から除名されてきた女性の電子音楽家たちの歴史ドキュメンタリー映画『Sisters With Transistors(トランジスタのシスターたち)』(ナレーションはローリー・アンダーソン!)が上映されて話題になっている。日本でも上映して欲しいと切に願うが、すでにこの夏の上映が決まっている『ショック・ドゥ・フューチャー』という映画はフィクションではあるけれど、女性のエレクトロニック・ミュージシャンを主人公にした映画である。1978年のパリが舞台の、電子音楽なんてまだキワモノだった時代の話で、笑ってしまうほどマニアックな電子音楽がかかるのだが、映画の最初のほうで主人公が部屋に入ってシンセサイザーの前に座り、そして音を出す場面がある。鍵盤を押して出る、アナログ・シンセサイザー特有のファットなあの「ぶおぉん」という音。その瞬間に覚える嬉しい驚きを映画はとてもうまく表現している。あのサウンドこそ、夢そのものだ。あれが鳴るといつもと同じ風景が一瞬にしてどこか違ったものに思えてくる。コリーンの7枚目のアルバムには、そうした夢の電子音が鳴っている。

 もっともコリーンは最初から電子音楽家だったわけではない。音楽とは無縁の家に生まれ、文学に夢中になった10代を経てパリの大学で文学を専攻し、『失われた時を求めて』を読破したという彼女は、英語の教職に就くとチェロを買い、30歳にして初めて音楽のレッスンを受け、そして教師をしながら(生徒には自分の音楽のことを明かさずに)音楽活動をはじめている。ロンドンの〈Leaf〉からリリースされた初期の作品は、チェロなどの生楽器の演奏とオルゴールとを組み合わせたユニークなものだったが、作品はじょじょに電子化され、そして前作『A Flame My Love, A Frequency』においては完全なエレクトロニックへと発展した。新作の『The Tunnel And The Clearing(トンネルと、そして晴れること)』もまた、彼女の電子機材の音色を活かしたエレクトロニック・ミュージック作品である。
  
 アルバムの1曲目の“The Crossing”は、内省的で美しい──いや、彼女の作品は総じて美しいのだけれど──ミニマリズムの曲で、これから人生をどう生きようかと物思いに耽っているアンビエント・ポップだ。そして、綿のようなシーケンスに包まれながら「いま自分はこんなにも痛い」と歌う“Revelation(啓示)”へと繫がる。この曲は、いまの季節の朝の7時に公園のベンチで座っているときに感じることのできる透明感を有しているものの、悲しげだ。こうした今作のメランコリックなはじまりに関しては、彼女のプライヴェートにおける長年のパートナー(彼女のほぼ全作品のアートワークを手掛けていた)との別離が無関係であるはずがない。彼女は彼とともに過ごした思い出の地を離れ、バルセロナでひとり暮らしをはじめながら本作の制作に取りかかっている。言うなれば自己再生がこのアルバムのひとつの重要なテーマなのだ。
 内へと爆発しているのか外へと爆発しているのかと自問する“Implosion-Explosion(内破/爆発)”では、古いドラムマシンがリズムを刻み、シンプルなドローンを発信させつつ、駆け抜けていく感覚を展開する。そしてこの曲が終われば、エモーショナルで、しかも瞑想的とも言える表題曲“The Tunnel And The Clearing(トンネルと晴れること)”が待っている。
 それからドリーム・ポップ調の“Gazing At Taurus (牡牛座を見つめること)”へと続くのだが、同曲の2部にあたる“Night Sky Rumba(夜空のルンバ)”がぼくは本作でもっとも気に入っている。真夜中の静かなミニマリズムの後半におけるささやかな上昇は、じつに感動的だ。
 日本盤には2曲のボーナストラックが入っているが、オリジナル作品で最後の曲になるのが“Hidden In The Current(流れに隠されたもの)”だ。コクトー・ツインズがクラウトロックと出会ったかのような曲で、後半に湧き上がる渦を巻くような電子音には不思議な力強さがある。

 私は目覚めている
 私は目覚めている
 私はやっと目が覚めた
 私はやっと目が覚めた
 そしてひとりで立ち上がった
 そしてひとりで立ち上がった
“Hidden In The Current”

 人生に夢の時間は必要だが、それだけでは成り立たない。しかし、それでも夢が広がる。そんな音楽だ。
 映画『ショック・ドゥ・フューチャー』のエンドロールには、献辞として、ローリー・シュピーゲルをはじめとする女性電子音楽家たちの名前がずらっと記されてる。ぼくの家には、女性電子音楽家たちの作品が年ごとに増えていっている。それはもちろん「女性だから」気に入っているのではない。ただ純粋に好きな音楽があり、それを作っているのが女性だったというだけの話だが、このように時代は変わっていると。まあ、そんなわけで、釣りのほうはどうなったのかというと、ここでは書きません、今度会ったときに話すことにしょう。

Fishmans - ele-king

 本日発売された別冊エレキング『永遠のフィッシュマンズ』(amazon音楽本総合1位だぜ~イエー)ですが、同時に、かつてDVDとして世に出た『若いながらも歴史あり』、この1996年3月2日新宿リキッドルームでのライヴ演奏の記録がCD化されリリースされています。これは『空中キャンプ』リリース後のライヴで、CD2枚組。『空中キャンプ』を作り上げたばかりのバンドが、同アルバムのほとんどの曲を演奏し、その歴史的な時間を聴けるのが何よりも素晴らしく嬉しいわけですが、今回はZAKによってリマスタリングされているので、音も格段に向上しています。まだ知らなかった人、これ絶対にチェックしましょう。


フィッシュマンズ
若いながらも歴史あり

96.3.2@新宿LIQUID ROOM
ユニバーサル
Amazon

Martin Gore - ele-king

 シカゴ・ハウスやデトロイト・テクノ、そして電気グルーヴなどに多大な影響を与えたシンセポップのスーパー・グループ、デペッシュ・モード。その中心メンバーのマーティ・ゴアが、かなり尖った野心的な作品をリリースする。今年の1月に発表したEP「ザ・サード・チンパンジー」とリミックス集の2枚組だが、これはもうテクノ/エレクトロニカ作品と言ったほうがいいだろう。発売は8月とまだ先の話だが、電子音楽好きにはたまらない内容なので、忘れずにメモっておくことをオススメする。
 ちなみにリミキサーには、サンパウロのテクノDJ、ANNAとWehbba(DMはブラジルでも人気)、ベルリンのBarkerやJakoJako、ドイツからはほかにThe ExalticsやChris Liebing、実験派のRroseやKangding Ray、そしてJlinなどといった、かなりアンダーグラウンドかつ実験的な顔ぶれを揃えている。

マーティン・ゴア (Martin Gore)
ザ・サード・チンパンジー + リミックス (The Third Chimpanzee + Remixed ~ Japan Edition)
Mute/トラフィック
発売日:2021年8月20日(金)
https://trafficjpn.com/news/mgjapan/

Tracklist
CD-1
1. Howler
2. Mandrill
3. Capuchin
4. Vervet
5. Howler’s End

CD-2
1. Howler (ANNA Remix)
2. Mandrill (Barker Remix)
3. Capuchin (Wehbba Remix)
4. Vervet (JakoJako Remix)
5. Howler (The Exaltics Remix)
6. Mandrill (Rrose Remix)
7. Capuchin (Jlin Remix)
8. Vervet (Chris Liebing Remix)
9. Howler (Kangding Ray Remix)
10. Mandrill (MoReVoX remix)

【マーティン・ゴア】
デペッシュ・モード(1980年結成)のオリジナル・メンバー&ソングライター(G/Key)。デペッシュ・モード以外の活動として、ソロ名義『Counterfeit²』(2003年)、また元デペッシュ・モードで現イレイジャーのヴィンス・クラークとのユニットVCMG『SSSS』(2012年)を発売。2015年、ソロ・プロジェクトMG初のアルバム『MG』発売。2001年1月29日、MGとしてEP『ザ・サードマン・チンバンジー』を発売。2020年、デペッシュ・モードはロックの殿堂(Rock & Roll Hall Of Fame)入りを果たした。

The Smile - ele-king

 トム・ヨークジョニー・グリーンウッド、そしてトム・スキナーによる新バンドが始動する。
 トム・スキナーといえば、UKジャズ・シーンにおけるキイパースンのひとり。自身のハロー・スキニーをはじめ、メルト・ユアセルフ・ダウン
サンズ・オブ・ケメットオスカー・ジェロームから松浦俊夫、ハーバート『One Pig』やフローティング・ポインツ『Elaenia』などのエレクトロニック系まで、数々の作品に参加してきた敏腕ドラマーだ。

 さすが音楽をしっかり追っているトム・ヨーク、目のつけどころがちがう(サンズ・オブ・ケメットの新作は今年のベスト・アルバム候補です)。まあトム・スキナーはジョニー・グリーンウッドの作品にも参加していたので、そのつながりもあるのだろう。なんにせよ、あっぱれなプロジェクトのはじまりだ。続報を待とう。

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