「Low」と一致するもの

5月のジャズ - ele-king

Emma-Jean Thackray
Weirdo

Brownswood Recordings / Parlophone

 トランペットやキーボードなどを操るマルチ演奏家/作曲家にしてシンガーでもあるエマ・ジーン・サックレイが、2021年のデビュー・アルバム『Yellow』以来となる新作『Weirdo』を発表した。女性ミュージシャンが多く活躍するロンドンの中でも極めて多彩かつユニークな才能を有するエマは、多くのミュージシャンが通ってきたトゥモローズ・ウォリアーズの出身者とはまた異なる個性を持つ。クラシックに始まり、インディ・ポップやグランジ、フリー・インプロヴィゼイションやジャズ/フュージョン、ソウルやファンク、ゴスペルやアフロなどさまざまな音楽の影響を受けてきたエマだが、『Yellow』はそうした影響や多様性が融合したもので、世間からも高い評価をもって受け入れられた。個人的な印象では思いのほかにダンサブルなサウンド・カラーを感じさせる部分があり、ディープ・ハウスやブロークンビーツ的なアプローチを感じさせるところもあったわけだが、彼女自身がダンス・サウンドやグルーヴィーな音楽が好きで、そうした方向性の作品もアルバムに収録したかったからということだった。ゴスペルもそうだが、ダンス・ミュージックは強いパワーを周囲の人と共有したいというエナジーから生まれるもので、エマの楽曲にはそうしたパワーが備わっている。2023年にエマは長年のパートナー亡くしていて、そのときに制作途中だった『Weirdo』は方向性の変更を余儀なくされた。深い絶望の淵にいたエマを救うべく、『Weirdo』は再生や生存のパワーを持つ作品となっていった。『Yellow』にあった生命力のパワーを、さらに強く感じさせるアルバムとなっている。

 『Yellow』ではほかのミュージシャンとのライヴ・セッションの素材を、自宅スタジオで彼女が演奏した素材などを交えて編集した内容だったが、『Weirdo』はほぼ彼女ひとりで演奏・録音・編集をおこなっており、トランペットはじめ管楽器、鍵盤楽器、ギター、ベース、ドラムス、パーカッションやヴォーカルと全てを担当する。例外的にアメリカからエマと同じマルチ・ミュージシャンのカッサ・オーヴァーオールと、俳優/コメディアンでラッパー/ヒューマン・ビートボクサーとして知られるレジー・ワッツがゲスト参加。そのレジー・ワッツのヴォーカルをフィーチャーした “Black Hole” は、『Yellow』でも見られたファンカデリック・スタイルのパワフルなファンク・ナンバー。ファンカデリックのアフロ・フューチャリズムを投影したような楽曲で、彼女自身は黒人ではないのだが、黒人以上にブラックネスやファンクネスに溢れている。『Weirdo』は『Yellow』以上にヴォーカルの比重が高くなっており、ネオ・ソウル調の “Stay” などは彼女のシンガーとしての成熟度を物語る。ディープ・ハウス調の “Thank You For The Day”、ほのかにアフロビートを取り入れた “Save Me” にしても、基調となるのはエマのソウルフルなフィーリングで、彼女のシンガーとしての資質にうまく目を向けたアルバムと言えよう。


Chiminyo
NRG 4

NRG Discs

 サウス・ロンドンのジャズ・シーンを中心に、マイシャやシカーダなどのグループでも演奏してきたドラマー/パーカッション奏者のティム・ドイル。彼のソロ・プロジェクトであるチミニョは、2019年にEPの『I Am Chiminyo』でデビューし、2020年にはファースト・アルバムの『I Am Panda』をリリースしている。チミニョにおいては生演奏とエレクトロニクスの融合が顕著で、ダブステップ、ベース・ミュージック、ビート・ミュージックなどとジャズやエクスペリメンタル・ミュージック、インプロヴィゼーションを結び付けたユニークなサウンドを展開する。『I Am Panda』においても自身でドラムやパーカッションのほかに、ピアノとヴォーカル、そしてエレクトロニック・プロダクション全般も手掛け、ゲスト・ミュージシャンでストリングスや民族楽器の演奏家らも交え、アフリカ、中央アジア、東南アジア、東ヨーロッパなどのエスニックなサウンドを取り入れた独特の世界を表現していた。『I Am Panda』以後は自主レーベルの〈NRGディスクス〉を主宰し、『NRG』というアルバムを定期的にリリースしている。これまで第3集まで発表してきたが、それぞれ構成メンバーは異なるもののシンセ類を交えたエレクトロニックな作品集となっている。ロンドンにおけるフューチャリスティックなジャズにおいては、ザ・コメット・イズ・カミングと双璧と言えるような内容だ。

 そして、この度『NRG』の第4集がリリースされたが、今回はロンドンのジャズ・クラブの名門であるロニー・スコッツでのライヴ録音となる。サウス・ロンドン・シーンを支えるベーシストのダニエル・カシミールほか、ヌバイア・ガルシア、エマ・ジーン・サックレイ、ザラ・マクファーレンらと共演してきたキーボード奏者のライル・バートンなどが伴奏し、ライヴ・エレクトロニクスも参加する。“Into The Storm” でチミニョはドラムンベース的なビートを叩き出し、緊迫感を煽るジェイムズ・エイカーズのサックスやSEが絡み、後半へ向けて爆発していくコズミック・ジャズとなっている。“Chrysalis” はダブステップ調の楽曲で、ダブ・エフェクトが霧のように立ち込めて幻想性を際立たせる。“Luminescence” はブロークンビーツ調のビートの上で、ジェイムズ・エイカーズのディープなサックスとライル・バートンのきらめくキーボードが交わり、エレクトロニクスによるエフェクティヴな音響が全体を包み込んでいく。“Sonder” はダブを取り入れたミスティカルな楽曲で、アラビックな音階が幻想性を高めていく。“Nightfall” でチミニョはヴォーカルをとり、シンセによる音響空間の中で深くエモーショナルな歌声を披露する。


Luke Titus
From What Was Will Grow A Flower

Sooper

 ルーク・タイタスはシカゴ出身のプロデューサー/ドラマー/マルチ・ミュージシャンで、同郷のラッパーのノーネームや、R&Bシンガーのレイヴン・レネイなどの作品に参加したこともあり、どちらかと言えばヒップホップ/R&Bの文脈から注目を集めるようになった。2020年の『Plasma』はレイヴン・レネイ、セン・モリモト、ブライアン・サンボーンといったゲストを招きつつ、ルーク自身はドラムスのほかにギター、ベース、キーボードなど各種楽器を演奏し、作詞・作曲・歌唱を行うシンガー・ソングライター的な立ち位置を見せるものとなっていた。DIY的なアルバムではあるが、その演奏技術はかなり高いもので、楽曲によってはサンダーキャットなどを彷彿とさせるものも。ヒップホップやR&B的な部分もあるが、全体的にはジャズやオルタナティヴな要素も強く、ロンドン勢で比較するならトム・ミッシュオスカー・ジェロームあたりと比較すべき人材に思ったものだ。

 それから5年後のニュー・アルバム『From What Was Will Grow A Flower』は、アーロ・シムズ、ジョナサン・フーバー、イライジャ・フォックス、マイク・ハルデマンらと共同で作曲をおこない、シカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスの音楽仲間の中からミゲル・アットウッド・ファーガソンなどがレコーディングに参加している。ヴォーカル曲の印象が強い彼だが、インスト曲の“Lotus Leaf” を聴くと、彼のジャズ・ミュージシャンとしての資質が逆に鮮明になる。ドラムはドラムンベース的な小刻みなビートを叩き出し、コズミックな空間を作り出すキーボードにメロディアスなサックスが絡んでいくという、非常に繊細で美しい楽曲。ロサンゼルスのキーファーと、マンチェスターのゴーゴー・ペンギンが合体したような楽曲だ。ヴォーカル作品を見ると “What Am I – Radio Tower” はドリーミーなフォーキー・ワルツで、ニック・ハキムあたりに通じるオルタナティヴなムードを感じさせる。“Sideline” や “Up In The Stars”、“Above Us” はJディラ譲りのズレたビートを持ちつつ、70年代から続くフォーキー・ソウルやAORの伝統的なエッセンスも感じさせ、それこそトム・ミッシュやオスカー・ジェロームのグルーヴ感に繋がる楽曲だ。


Lauri Kallio
Turtles, Cats and Other Creatures

Mustik Motel

 ローリー・カリオはフィンランドで活動するギタリスト、およびマルチ・ミュージシャンで、作曲やヴォーカルまでおこなう。これまでヒップホップ系バンドのソウル・ヴァルピオ・バンドや、エレクトロニック・ジャズ/フュージョン・バンドのウニヤ、ドリーム・ポップ・デュオのパンビカリオなどで活動してきており、ジャンルにとらわれない多彩な音楽性を持つ。ソロ・アルバムとしては2020年に『Rusko』を発表しており、ジャズ、アンビエント、実験音楽などを交えた作品だった。それから5年ぶりの新作『Turtles, Cats and Other Creatures』は、前作に比べてポップな要素が増えつつも、彼ならではの多様な音楽要素が折衷した内容となっている。

 そうした折衷的な音楽要素を手助けする人物として、フィンランドの奇才であるジミ・テナーの参加が大きい。フルート、サックス、シンセの演奏として4曲に参加しているが、そのうちの1曲である “Spiralling Down” はエコウマニアのヴォーカルをフィーチャーしたアフロビート×ジャズで、かつてジミがドイツのアフロビート・バンドのカブ・カブと共演して作ったアルバム群を思い起こさせる。実際のところエコウマニアことエコウ・アラビ・サヴェージは、ガーナ出身のドラマー/シンガーで、カブ・カブのメンバーでもあった。ジミのフルートとシンセをフィーチャーした “Forgetting Things” にもエコウはパーカッションで参加していて、フォークロアな風味のジャズ・ファンクとなっている。同じくふたりが参加した“Meirami (The World Awaits)” は、ハープシコードを用いたレトロでサイケな風合いのジャズ・ファンクで、映画音楽やライブラリーに近いような雰囲気。ドリーム・ポップなども作ってきたローリーの才が生かされた作品だ。

Iglooghost & Minna-no-kimochi - ele-king

 台湾のアンダーグラウンド電子音楽シーンを代表するヴェニュー、台北FINALを拠点とするパーティ・シリーズ〈PURE G〉が5周年を迎える。それを記念して、渋谷・WWW+WWWβにて6月28日(土)に「PURE G 5 YRS TOKYO -Iglooghost + Minna-no-kimochi-
」を開催。
 ヘッドライナーとして、UKよりイグルーゴーストを招聘する。昨年話題となったアルバム『Tidal Memory Exo』の世界観をポストパンク的に拡張した最新EP『ᮜ˚』にまつわるセットが披露されるとのこと。

 日本からは世界中から注目を集めるトランス・カルトみんなのきもち、スロベニアに出自を持つLuna Woelle、イラストレーターとしても活躍するJun Inagawaなど、東京とアジアの地下シーンを支えるプレイヤーがローカル・アクトとして出演。ほか〈PURE G〉と縁深い全メンバーが参加する。
 なお、アーリー・バード・チケットはすでにソールドアウト、一般前売の販売がスタートしている。イグルーゴーストはもちろん、日本と台湾、そしてアジア全域にわたる昨今の電子音楽シーンの最先端を感じられる日になることだろう。

6/28 (sat)

PURE G 5 YRS TOKYO -Iglooghost + Minna-no-kimochi-
at WWW / WWWβ
OPEN/START 23:30
ADV ¥4,000 / DOOR ¥4,500
Ticket : https://t.livepocket.jp/e/20250628www

-WWW-
Iglooghost LIVE A/V
みんなのきもち
Sandy's Trace Hybrid Set
Luna Woelle

VJ: Kim Laughton

-WWWβ-
Jun Inagawa
Sulk
KUAN
KATRINA

Pop-Up: GB MOUTH
artwork: Kristyna Kulikova

※Over 20 only・Photo ID required / 20歳未満入場不可・要顔写真付ID

Ami Taf Ra - ele-king

 〈Brainfeeder〉があらたなアーティストを迎え入れた。モロッコ出身、現在はロサンゼルス拠点で活動するアーティスト、アミ・タフ・ラ。モロッコの伝統音楽であるグナワとジャズ、ゴスペルを融合させた独自のトライバル・サウンドを得意としているようだ。

 アミ・タフ・ラは〈Brainfeeder〉との契約にともない、かねてからツアーに参加するなどして親交のあるカマシ・ワシントンのプロデュースによるシングル“Speak To Us (Outro)”を公開中。タイトルに(Outro)とあるように、これはアルバムのリリースにも期待したいところ。以下、詳細です。

Artist : Ami Taf Ra
Title : Speak To Us (Outro)
Label : Brainfeeder / Beat Records
Release Date : Out Now
Format : Digital
Stream : https://amitafra.lnk.to/stu-outro

 今回新たに〈Brainfeeder〉との契約が発表されたアミ・タフ・ラは、北アフリカのモロッコ出身でロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライターで、モロッコのグナワ音楽などアラブの伝統音楽をジャズやゴスペルと融合させ、高く評価されている。

 アミ・タフ・ラが契約発表にあわせて、長年のコラボレーターである伝説的サックス奏者カマシ・ワシントンがプロデュースを手がけた新曲「Speak To Us (Outro)」をクリオン・アレイが監督したミュージックビデオと共にリリースした。

 この曲は、“悟り”を求める旅が一生涯続くものであり、終わるのではなく、人生の光が強くなるにつれて深まっていくことを思い出させてくれる。〈Brainfeeder〉ファミリーの一員になれて本当にワクワクしているし、彼らがこれまで世に送り出してきた偉大なアーティストたちの系譜に加われることを光栄に思う。 ──Ami Taf Ra

 音楽を通じて文化の融合を探求し続けているアミ・タフ・ラは、自身のルーツを大切にしながら、さまざまな言語や国籍から新たな影響を取り入れ、独自のサウンドを築いている。文化の垣根を越えた融合と、アブドゥル・ハリム・ハーフェズ、ウンム・クルスーム、ワルダ、アスマハーン、ファイルーズといったアラブの伝説的ボーカリストたちの豊かな伝統に根ざしており、カマシ・ワシントンの影響により、スピリチュアル・ジャズ、アフロセントリックと呼ばれるアフリカ中心性理論、オーケストラの壮大さも融合している。

 キャリアを通じてアミ・タフ・ラは、デンマーク、トルコ、モロッコ、ベルギー、レバノン、ヨルダンなど世界中のステージで観客を魅了してきた。また、カマシ・ワシントンとのツアーにも参加しており、ハリウッド・ボウル・ジャズ・フェスティバルなどの全米の名高い会場やフェスティバルで共演を果たしている。他にも、トロンボーン奏者ライアン・ポーター、サックス奏者リッキー・ワシントン、パーカッショニストのカリル・カミングス、ベーシストのベン・ウィリアムス、ドラマーのジョナサン・ピンソン、ピアニストのジャメール・ディーンといった多彩なミュージシャンと共演してきた。この秋、アミ・タフ・ラは北米ヘッドラインツアーを開始し、9月22日にニューヨークのブルーノート公演で幕を開ける。

 アミ・タフ・ラは、音楽を通じた「つながり」と「癒し」の力に深い信念を持ち、ステージを超えて紛争や避難の影響を受けた地域社会とも関わってきた。オランダ人ミュージシャンのグループと協力し、子どもたちに向けた音楽と絵画のワークショップを開催した。その活動は子どもたちとミュージシャン、そしてアミ・タフ・ラが共演する2014年のアンマン・ジャズ・フェスティバルのオープニング・パフォーマンスとして結実した。

rural 2025 - ele-king

 独自のバランス感覚で電子音楽にフォーカスした野外フェスを続ける〈rural〉が、去年に引き続き福島・沼尻高原を舞台に7月18日(金)から4日間にわたって開催される。
 国内外から総計39組ものアクトを招聘し、PhewによるライヴやOCCA、YAMARCHY、悪魔の沼などによるDJセット、ローカル・アクトにも通好みの信頼できるアーティストが勢揃い。ミニマルに、グルーヴィに、アブストラクトに、4日間のなかで沼尻高原の豊かな自然のなか、思い思いに素敵な音の旅を楽しめることでしょう。以下、詳細です。

rural 2025
7月18日(金)〜21日(月)
開場: 12:00、開演: 15:00、終演: 18:00
会場:nowhere CAMP, Fukushima (福島県耶麻郡猪苗代町大字蚕養字沼尻山甲2864)

LINE UP :
Akey
Akie
Amelia Holt
Atsushi Maeda
CHIDA & Manfredas - Solo + B2B Set
Cosmo
DJ Healthy
DJ HISUI
DJ KURI
ENA - Live
Erika - Live
Ginger Coven (Erika, Mareena, Resom)
illrinai
Innerworld
Inqapool - Live
Jane Fitz
KABUTO
Konstantin
Lily
Mareena - UNRUSH set
Nao
OCCA
olevv
Oscar Mulero
Phew - Live
Qmico
Resom
SAITO
Santaka + Yuki Nakagawa - Live
Takaaki Itoh & DJ Yazi
teppei
Toner
YAMARCHY
YANNY
YELLOWUHURU
ZUNDOKO DISCO
悪魔の沼 / Akuma No Numa
鏡民 / Kyomi

Ticket Price / チケット料金:
・全日券 / Full Days Entrance Ticket
Category5 / 25,000円 – 4枚以上の購入で1枚につき1,000円割引
25歳以下 / U25 Ticket / 14,000円
東北割 / Tohoku Region Discount / 17,000円

・3日券 / 3Days Ticket(7月19日(土)12:00開場)
Category5 22,000円 – 4枚以上の購入で1枚につき1,000円割引

・駐車場&キャンプチケット / Parking & Camping Ticket
場内駐車券 / On-site Parking Ticket / 7,000円
場外駐車券 / Parking Ticket / 4,000円
キャンプ券 – テント1張り/ Camping Ticket for 1 Tent / 4,000円
オートキャンプ券 – 車1台とテント2張り/ Auto-camp Ticket for 1 car and 2 Tents / 20,000円
└追加の駐車券1台 / Extra 1 Car / 8,500円
└追加のテント券 1張り/ Extra 1 Tent / 5,500円

野外フェスティバル rural 2025 は、去年に引き続き沼尻高原「nowhere CAMP」を舞台に、国内外それぞれの地域におけるテクノ、ハウス、実験音楽、またそれらを横断するシーンで際立った活動を続けるアーティストたちを招いて、7月18日(金)〜21日(月)の4日間の日程で開催をいたします。

前回もご好評頂いた福島県沼尻の温泉地帯に位置する温泉施設が隣接する会場で開催される本イベントには、今年もアウトドアステージとインドアステージにサウンドシステムを設置。海外から13組、国内から26組の総計39組のアーティストを招聘します。

今年はスパニッシュテクノの礎を築き、現行テクノシーンの生きる伝説とも形容される Oscar Mulero、ruralと長年にわたって深い関係性を築いてきた世界有数の稀有なセレクター、Jane Fitz がソロセットで登壇を予定。さらに〈The Bunker NY〉の創設者による特別なオファーによって誕生したスペシャルユニットGinger Coven(Erika、Mareena、Resom)の日本初公演が決定しており、各メンバーによるソロセットも披露されます。

加えて、ジャーマンミニマルの歴史の中で燦然と輝く〈Giegling〉共同創設者である Konstantin や、リトアニアを拠点にラジオDJからキャリアを始めた鬼才でありIvan Smagghe とのDJデュオ Dresden の片割れとして広く知られる Manfredas が 日本を代表するセレクター CHIDA とのB2Bとソロセットで出演。また今回Manfredasは、ドラマーのMarijus Aleksaと組むライブバンド Santakaとしての出演も決定しており、チェリストのYuki Nakagawa(KAKUHAN)とコラボレーションした一夜限りのスペシャルなユニットの演奏が初披露される予定です。

他にも、韓国出身のバイナルDJの Cosmoやニューヨーク拠点の稀有なセレクター Amelia Holt、〈PACIFIC MODE〉を主宰しニューヨークと東京のシーンを繋ぐDJ Healthy、近年益々勢いを増すインドのエレクトロニックミュージックシーンからは Innerworld と注目のグローバルアクトが名を連ねます。

国内シーンからは、日本電子音楽黎明期から現在に至るまで活動を続ける Phew によるライブセット、カルト的な人気を誇る屈指のディガートリオ 悪魔の沼 に加えて、緻密な国産ハードテクノミュージックの代表格であるTakaaki Itohと圧倒的な技術力と信頼で世界の舞台にまで上り詰めたDJ YaziがB2Bセットで登壇。他にもアブストラクトベースミュージックの雄として世界で活躍するENAによるライブセット、世界最高峰の舞台でも認められるミニマルグルーヴの旗手KABUTO、近年世界中の名門クラブ/フェスティバルからの指名も相次ぐ OCCA、YAMARCHY が登場。ZUNDOKO DISCO や Akieら注目のアーティストたちも再びruralに帰還します。他にも多数のそれぞれの地域で信頼の厚いローカルDJたちが登壇を予定しています。

東北の美しい山々と湖に囲まれた沼尻高原は、日本百名山のひとつ安達太良山の麓に位置し、敷地内にある沼尻高原ロッジでは源泉かけ流しの温泉を楽しめるほか、フロアとのアクセスも良い場所で快適にキャンプを楽しんでいただける会場です。去年に引き続きレンタルテントやオートキャンプサイトもご用意しておりますので、キャンプ初心者の方やフェスに身軽に参加したい方はこちらをご利用ください。また会場近くには幾つかの提携宿があり、中ノ沢温泉エリアと会場間はシャトルバスを運行予定。会場へは車で都内から約3時間半程度、渋谷から出発するツアーバスは約4時間で会場へと到着します。

他にも、選りすぐりのフェス飯出店や地元の銘酒、クラフトビールを取り揃え、普段とは違った贅沢な音楽体験を楽しんでもらえるよう準備を進めています。都会の喧騒から離れて、大自然に囲まれた環境で楽しむ電子音楽の祭典で、今年もお会いしましょう。

その他の詳しい情報はruralオフィシャルサイトをご確認ください。

https://ruraljp.com/

Saho Terao - ele-king

 寺尾紗穂のニュー・アルバムが6月25日にリリースされる。これまでも『わたしの好きなわらべうた』のように、日々を暮らす人民の歌と向かいあってきた寺尾紗穂。その新作は『わたしの好きな労働歌』と題されている。日本各地の、いまとなってはほぼ忘れられた歌たちに新たな息が吹き込まれているにちがいない。現在、先行シングルとして “エンヤマッカゴエン” の配信が開始している。これは山形は最上の、「寝させ唄」だそうだ。6月21日には草月ホールでライヴもあります。詳しくは下記を。

”歌はいつも仕事の隣にあった” 寺尾紗穂多彩なゲストアーティストを迎えたコンセプトアルバム「わたしの好きな労働歌」発表

寺尾紗穂が『わたしの好きなわらべうた』(2016)、『わたしの好きなわらべうた2』(2020)に続く、新たなるコンセプトアルバム「わたしの好きな労働歌」を6/25に発表する。

今作では、寺尾がライブで全国を訪れる中で見つけた楽曲や、アートプロジェクトのリサーチで出会った楽曲がおさめられており、古くから日々の暮らしの中で育まれ、さまざまな心情を纏って日本中で歌われてきた労働歌を中心に、行事歌や子守唄などを含めて13編を収録。
あだち麗三郎、伊賀航、歌島昌智、小林うてな、近藤達郎、チェ・ジェチョル、やぶくみこ、大熊ワタル、音無史哉、Altangerel Undarmaaといったゲストプレイヤーを迎えて新たなアレンジを吹き込んだ。
岩手の行事歌「あらぐれ」では、折坂悠太とのデュエットも収録される。

5/14には第1弾先行配信シングルとして、山形・最上の船歌から生まれ、寝させ唄として伝わる「エンヤマッカゴエン」を、6/11には第2弾先行配信シングルとして、東京・板橋に伝わる、麦打ちの時に歌われた労働歌「板橋の棒打ち歌」が先行配信リリース。
また、6/21に開催される東京・草月ホールのワンマンライブではアルバムの先行販売も実施。

労働歌を通して過去と現在を繋ぎ、日本の歴史や社会性をも紐解く寺尾紗穂の本質とも云える作品となっている。

寺尾紗穂コメント

月ぬかいしゃなど一部の知られた曲を除き、 収録した歌の多くはすでにその土地でも忘れられています。なんとか歌を残そうとした40~50年前の人たちののこした記録によって、 出会うことができた曲たちです。ふるさとにかつてこんな歌があったのか、 と思いを寄せてもらえたらうれしいです。

アルバムリリース情報

発売日:2025年6月25日(水)
品番:KHGCD-005
定価:¥3,300(本体¥3,000)
発売元:こほろぎ舎
販売元:PCIMUSIC

【収録曲】
01 島根「佐津目銅山鉱夫歌」(出雲市佐田町)
02 山形「エンヤマッカゴエン」(最上郡真室川町安楽城)
03 福岡「ずくぼじょ」(八女市豊福、大牟田市)
04 東京「ひとつとせ」
05 岩手「あらぐれ」(和賀郡和賀町山口)
06 愛媛「浜子歌」(今治市大三島町口総)
07 東京「田うない」(板橋区徳丸)
08 愛知「せっせ」(豊田市稲武)
09 東京「籠の鳥より」
10 兵庫「宍粟の守子歌」(宍粟郡千種町奥西山)
11 高知「宿毛田植え歌」(宿毛市仲市)
12 沖縄「月ぬかいしゃ」(八重山地方)
13 東京「板橋の棒うち歌」(板橋区)

「エンヤマッカゴエン」配信リンク
LinkCoreYoutubebandcamp

公演情報
寺尾紗穂
草月ホール公演(予定販売枚数終了、当日券販売あり)

2025年6月21日(土)
開場17:00 /開演18:00
一般指定席¥7,000/中~大学生指定席¥5,000/子ども指定席¥4,000
※未就学児童は、保護者1名につき、膝上観覧1名まで無料。
赤坂・草月ホール
東京都港区赤坂7丁目2-21

出演:寺尾紗穂、あだち麗三郎、伊賀航、歌島昌智、音無史哉、折坂悠太、小林うてな、近藤達郎、やぶくみこ

お問い合わせ
HOT STUFF PROMOTION
050-5211-6077(平日12:00~18:00)
https://www.red-hot.ne.jp/

Mark Stewart - ele-king

 マーク・スチュワート、2023年に早すぎる旅立ちをしてしまった、音楽家としてもヴォーカリストとしても、あるいはアジテーターとしても稀代のアーティスト。シーンの土台作りにも尽力を尽くしたブリストルの英雄が生前録音し、急逝する直前に完成していたアルバムがあったと。それが8作目のソロ・アルバム『The Fateful Symmetry』となる。

 最近リリースされたシングル「Neon Girl」には、元ザ・レインコーツのジーナ・バーチがバック・ヴォーカルとして参加、プロデュースはYouth。アルバム『The Fateful Symmetry』は2025年7月11日にリリースされる。

マーク・スチュワートは自らのヴォイスを純然たる主観的内面性の表現としてではなく実験用動物の咆哮、怒りに満ちた金切り声、非個人的な熾烈さの連なりとして扱う。その声は切り刻まれ、ノイズ‐ハイパーダブな音の景観に改めて配布し直され、デュシャン的なファウンド・サウンドやかつて楽器だったものを凶悪にねじ曲げることで作り出されたノイズと混ぜ合わされる。
——マーク・フィッシャー『K-パンク 自分の武器を選べ』(坂本麻里子訳)より

 The Pop Group、Mark Stewart & Maffia、そしてソロアーティストとして、スチュワートはDIY精神、急進的な政治思想、プロテスト運動、哲学、テクノロジー、アート、詩といった要素に根ざした先駆的な作品群を世に送り出してきました。『The Fateful Symmetry』は、ガーディアン紙が評した通り「崇敬されるカウンターカルチャーの音楽家」としての彼の存在を証明し、最良の時代と同様に大胆かつ先見的なサウンドを展開しています。
 本作は、スチュワートの尽きることのない創造性と、内省的かつ力強いアーティストとしての一面を強く打ち出す作品でもあります。極めて表現力に富んだ革新的なアルバムであり、より良い世界を願う、激しくも美しいマニフェストです。
 唯一無二で、常に常識の枠を越え続けたアーティスト、マーク・スチュワート──その魂は今も響き続けます。
 なお、日本盤には、日本をこよなく愛してきたマークから日本のファンのために、ボーナストラック1曲とオリジナルには収録されていない英語歌詞及び日本語対訳が特別に収録されることが決定しました。

マーク・スチュワート (Mark Stewart)
ザ・フェイトフル・シンメトリー (The Fateful Symmetry)
Mute/Traffic
2025年7月11日(金)発売
解説:小野島 大
日本盤のみオリジナル英語歌詞及び日本語対訳(オリジナル盤には歌詞無し)の掲載と
ボーナストラック1曲収録が決定!

Tracklist
1. Memory Of You (先行シングル)
2. Neon Girl (第二弾シングル)
3. This Is The Rain
4. Everybody’s Got To Learn Sometime (Bébe Durmiendo Cumbia Bootleg)
5. Stable Song
6. Twilight’s Child
7. Crypto Religion
8. Blank Town
9. A Long Road
10. Memory No.9 日本盤のみのボーナストラック


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Jane Remover - ele-king

 ハイパーポップ/デジコアというムーヴメントを近くで見守ったり、遠目に眺めたりして過ごすうちに、気づけば4、5年ほどの月日が経った。ここ日本でも先日、シーンの渦中で活動するSSW・lilbesh ramko主催の「さようなら、バビフェス。」という、コロナ禍に端を発するハイパー・シーンの躍進を象徴したようなイヴェントが開催され、会場には1300人超のキッズが押しかけるまでに達した。

 ただ、昨年にはPitchforkにて「The Lost Promises of Hyperpoptimism(ハイパーポプティミズムの失われた約束)」というコラムも発表されるなど、国内外において「ハイパー」の終焉が叫ばれはじめて久しい。もはや数年前「ハイパーポップ」と呼ばれていた現象は黎明期をとっくにすぎ、新たな揺籃期を迎えたと言えるだろう。

 そんなハイパー・ムーヴメントの発展と並走するようにして数年間で成長を遂げた「パンデミック世代」のアーティストは枚挙に暇がないが、その代表的存在として挙げられる人物が、ジェーン・リムーヴァーという2003年生まれのアーティストだ。

 ジェーンは、パンデミック中にSoundCloudやDiscordを「Dltzk(デリートズィーク)」名義で行き来し、「デジコア」(*ハイパーポップから派生し、トラップ~クラウド・ラップに接近したマイクロ・ジャンル)シーンにおけるアンセムをいくつもリリースしてきた。
 同シーンの先駆者として世界中のユースの支持を集めてきたジェーンは、(2010年代のヴェイパーウェイヴ・ムーヴメントがそうであったように)サブ・ネームを複数持ち、なかでも「leroy(リロイ)」(c0ncernとも)という名義で発明した「ダリアコア」(大量のサンプル・ソースとクリッピング極まった音像で構成されたコラージュ的サブ・ジャンル)は賛否両論あれ、「ハイパー」を考える上で避けては通れないエポックメイキングな作品群だった。ジェーンが発明した往年のヒット・ソングを大量にマッシュアップするというジョークのような手法が、ほかのアーティストに自身なりの解釈である「◯◯core」を次々と発表させ、いまでは新たな音楽ジャンルとして一定の定着まで見せてしまっているのだから。

 そんなジェーンの新作『Revengeseekerz』は、タイトルを直訳すると「復讐の探求者(たち)」というニュアンスになる。本作に込められた「復讐心」とは、なにに向かうものなのか?

 〈PAPER〉が実施したインタヴューで、ジェーンは本作を「盲目的な怒り」のアルバムであると述べ、かつてのクィア・ポップスター、ジョージ・マイケル(ワム!)の名を挙げつつ深いリスペクトを捧げている。そもそもハイパーポップというムーヴメントの根底には閉塞感を打破しようとする衝動だけでなく、日陰の存在と扱われたクィアが胸を張って生きるための音楽である、という精神性も含まれている。アメリカを中心に多様性が再び否定されゆく時代に陥ったいま、『Revengeseekerz』はそうした圧力に抵抗するためのレベル・ミュージックである、と読み替えられなくもない。

 アルバムを通して聴いていくと、3曲目の “Star people” では中盤2分半あたりで突然スロー・ダウンし、生のベースとギターにトラップのハイハットが混じり合った、インディ・ロックとトラップのキメラのような展開に移行する。ジェーンの固有性はこういったアプローチに宿っている。

 「デジコア」というマイクロ・ジャンルは、ヒップホップに直結させるより、その手法を換骨奪胎した上でメロコアやエモのようになっていった、「オートチューンの効いた新しいインディ・ロック」とでも解釈するほうが正しい、というのが持論だ。そう見ると、デジコア・シーンではそれが当然の流れのように、数多くのアーティストがギター・ロック的な要素を自作に取り入れていった。

 ただ、ハイパーポップから枝分かれしたデジコアはその性質上、インディ/オルタナティヴ・ロックの意匠を参照しつつも、結果的にはトラップやEDMの持つ引力に引っ張られていることが珍しくない。そんななか、ジェーンはインディ・ロックに漸近していくようなアプローチをここ数年続けており、見事に新しい折衷感覚を提示してみせた。これは明確にジェーンのメロディラインや編曲のセンスが開花した結果といえるだろう(ジェーンはインディ・ロックに真正面から挑戦する「venturing」という架空のバンド・プロジェクトも手掛けており、アルバム『Ghostholding』を本作と同時制作していた。ジェーンの多面性はこうしたアプローチにも感じられる)。

 後半にかけての展開は本作の白眉だろう。デジコア世代の新たなクラブ・バンガーである “Dancing with your eyes closed” やシューゲイザー的解釈のバッドトリップ・ソングの “Dark night castle” も素晴らしいけれど、とくにラスト・ナンバーの “JRJRJR” はインディ・ロックの意匠とデジコアの方法論を折衷しつつ、まったく新たなものとして提示して見せた出色の出来といえる。

 リリックで「I might ball out on a new face, change my name, then my city(新しい顔を見つけて、名を変えて、住む街を変える)」とも言っているように、ヴェイパーウェイヴの始祖のひとり・ヴェクトロイドのスタイルに影響を受けたジェーンは、かつてたくさんの顔を持っていた。「So should I change my name again?(また名を変えるべきかな?)」と不安げにこぼしたそばから「JR, JR, JR」と自身の名を何度も叫ぶ。匿名性を破棄して、ジェーン・リムーヴァーとして前に進むという決意表明のようにも伝わってくるメッセージだ。それもまた、なにかに対する復讐なのだろう。

 そういえば、以前ele-king編集長・野田さんに「いまって、フロアでかかると沸くようなアンセムはないの?」と訊かれ、答えに窮したことがある。自分が間近で観測しているクラブ・シーンは一枚岩ではないから、確たるアンセムというのが思いつかなかった。

 いまでは、「ポスト・ハイパー」的な場におけるアンセムなら、自信をもって1曲挙げることができる。それは本作に収録された “Dancing with your eyes closed” にほかならない。この曲のMVで描かれたようなフロアが今日も世界中のどこかに現れ、陰のある若者たちを夢中にさせている。

*6/17追記:内容に一部誤りがありましたので訂正しました。

Adrian Sherwood - ele-king

 エイドリアン・シャーウッドがなんと13年ぶりの新作EP『The Grand Designer』を6月13日にリリース。もちろん〈On-U Sound〉より。タイトルにもなっている同名曲“The Grand Desighner”が先行公開中です。

 本作のLP盤は限定10インチ・ヴァイナルとして販売されるとのこと。また、今夏にはニュー・アルバム『The Collapse Of Everything』もリリース予定。ダブの夏、来たる。

Artist : Adrian Sherwood
Title : The Grand Designer
Label : On-U Sound / Beat Records
Release Date : 2024.6.13
Format : LP / Digital
Buy : https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15042
Stream : https://on-u-sound.ffm.to/thegranddesigner

Tracklist:
01. The Grand Desighner
02. Let's Come Together (feat. Lee "Scratch" Perry)
03. Russian Oscillator
04. Cold War Skank

 UKダブの総帥エイドリアン・シャーウッドが、13年ぶりとなるソロ名義での新作『The Grand Designer』を6月13日(金)にリリースすることを発表した。変異し続けるリズムと音響の地層が交錯するこの4曲入りEPは、〈On-U Sound〉が誇るロングラン人気シリーズ「Disco Plate」の最新章として放たれる。

 タイトル曲「The Grand Designer」は、今年の夏にリリース予定のニュー・アルバム『The Collapse Of Everything』の予告編とも言える一曲。シャーウッドのエフェクト群にろ過された様々な楽器音が、抗えないグルーヴと緻密なパーカッションの上で蠢く。

 「Let’s Come Together」では、同じリズムが神秘的なダブへと変貌。盟友にして惜しくもこの世を去った伝説的アーティスト、リー・スクラッチ・ペリーが、常軌を逸したヴォーカルで空間をねじ曲げる。ソロ名義では久々のリリースとなるが、この十数年、シャーウッドはプロデューサーとしてジ・アップセッターズ、ホレス・アンディ、パンダ・ベア&ソニック・ブーム、アフリカン・ヘッド・チャージ、スプーン、クリエイション・レベル、ピンチらとの共作で高い評価を得てきた。

 「Russian Oscillator」では、シャーウッド&ピンチ名義の作品群に最も近い空気感が展開されている。実験的エレクトロニクスと重厚なサウンドシステム感覚、そしてダンスホール的スウィングが絡み合う。

 ラストを飾るのは「Cold War Skank」。灼けた砂漠のブルースにスライドギターの歪んだフレーズが滲み、シネマティックな空間を描く異形のサウンドスケープ。
 本作は、グラミー賞にもノミネートされたマスタリング・スタジオ、フランク・メリットによってマスタリング&カッティングされた限定10インチ・ヴァイナルとしてリリース。〈On-U〉の伝統を受け継ぐディスコ・プレート・スリーブに、Studio Tape-Echoによるコラージュ・アートが彩りを添える。

interview with Mark Pritchard - ele-king

 リロードに “Peschi” という曲がある。カール・クレイグの影響下で生まれたとおぼしきそれは、直接90年代の音楽ムーヴメントを体験できなかった者にとって、遅れて生まれてしまったことの無念を永久に増幅させつづける、アンビエント風テクノの名曲のひとつだ。ゆえに後世のためにも、同曲が収められたリロード唯一のアルバム『A Collection of Short Stories』(1993)はぜひリイシューされてほしいところだけれど、マーク・プリチャード(とトム・ミドルトン)による豊かな創造性はその後、アンビエントとしてはグローバル・コミュニケイション『76:14』(1994)へと結実し、エレクトロとしてはジェダイ・ナイツの冒険をうながしてもいる。
 なんとか間に合った00年代以降の作品で個人的に気に入っているのは、うなる重低音とヒップホップ・ビートのなか絶妙に抑制された感傷がしぼり出される、ハーモニック313名義の『When Machines Exceed Human Intelligence』(2008)だ。もちろん、フューチャー・ジャズの動きに呼応したトラブルマン(2004)だったり、スティーヴ・スペイセックと組んでグライムやらフットワークやらを消化したアフリカ・ハイテック(2011)、あるいは再度フットワークやジャングルなどに挑んだ2013年の本名名義のシングル・シリーズなどなど、見すごすことのできない仕事はほかにもたくさんあるわけだけれど(ワイリーのプロデュースも忘るるなかれ)、そうしたディスコグラフィからはつねに時代の尖端に敏感なプロデューサーの姿が浮かび上がってくる。大局的に整理するなら、00年代後半から10年代前半にかけての彼はベース・ミュージックのよき理解者として位置づけられよう。
 そんなイメージを大胆に覆したのが前作、すなわち本名名義では初のアルバムとなった『Under the Sun』(2016)だ。極力ビートを排し、フォーキーなムードまで導入した美しくも不穏な同作は彼のキャリアにおけるひとつの転機といえるが、そこに招かれていたゲストのひとりこそトム・ヨークだった。かたやアンダーグラウンドのヴェテラン・エレクトロニック・プロデューサー、かたやアリーナ・ロック・バンドのフロントマン──。大きく立場の異なる両者による全面的なコラボレイションが、今回のアルバム『Tall Tales(ほら話)』である。

 エレクトロを崩したビートが耳をとらえて離さない “A Fake in a Faker’s World” にはじまる新作は、すでに2010年代につくられていたプリチャードによるいくつかのトラックをとっかかりに、ロックダウンのさなか何度もオンライン上でキャッチボールを重ねることで進められていったという。ベースの旋律と天へと召されそうな上モノとの対比が聴きどころの “Bugging Out Again” や、同様にベースラインが耳に残る “Back in the Game” などにはプリチャードの低音へのこだわりがよくあらわれている。チープな電子音やドラムマシンの素朴な反復が楽しめる “Gangsters” から “This Conversation is Missing Your Voice” へといたる流れも見過ごせない。アルバムはヴァラエティに富む一方で、幽玄なシンセ・ワークとヨークの声の存在感、そしてジョナサン・ザワダによる独特のヴィジュアルのおかげで不思議な統一感をまとってもいる。オルガンらしき音が聖性を演出する “The Men Who Dance in Stag’s Heads” ではだいぶ低いヴォーカルが披露されていて、ヨークのファンにとってもまた聴き逃すことのできない1枚といえるだろう。
 とまあそんな具合に、これまで発表してきたどのアルバムとも似ていない作品を完成させたマーク・プリチャード。彼にとって今回のプロジェクトはどのようなものだったのだろうか。

ぼくの普段の生活がロックダウンと似ていて、ここ12年はいつも地下室に閉じこもって自分の世界にいるからさ。だから引きこもるのに慣れていたという意味ではラッキーだった。

現在もお住まいはシドニーですか? 移住して何年目でしょう? もうシドニーが故郷のように感じられるくらいには時が経っていますか?

マーク・プリチャード(Mark Pritchard、以下MP):そうだね、こっちに来てもう20年になるよ。

今回のコラボ・アルバムは、あなたがトム・ヨークから乞われて、デモ・トラックを送ったところからスタートしたそうですね。つまり、もとのデモがつくられた時期は曲によってばらばらということでしょうか?

MP:大まかにここ10年くらいのいろんな時期につくったものだよ。いまtrack by trackをやっていてつくった時期を確認したんだけど、大多数が2016年から18年くらい、あとは19年のものもあって、2012年のものあるという感じだった。

いちばん古いものはいつごろのものでしたか?

MP:“Wandering Genie” と “A Fake in a Faker’s World” がたぶん2012年とか……どうだろう、2014年くらいだったかもしれないけど、とにかく、確認したときにこんなに前だったんだなって思ったよ。

あなたはこれまで幾人ものヴォーカリストやラッパーとコラボレイトしてきました。個人的にはスティーヴ・スペイセックとやったハーモニック313名義の曲 “Falling Away” がお気に入りです。トム・ヨークとは以前もいっしょに “Beautiful People” をつくっていますが、彼はこれまであなたがコラボしてきたほかの歌手やラッパーと、どう異なっていますか?

MP:全員ちがうからなあ。仕事の進め方にしても、雰囲気にしても、感じ方にしてもそれぞれ異なっていて、たとえばスティーヴ・スペイセックの場合、ちなみに彼はぼくと同じ年にオーストラリアに移ってきたんだよ。まったくの偶然だったんだけど。新たな場所で音楽の知り合いがいるっていうのは心強かったね。とにかく多くのすばらしいヴォーカリストと仕事をさせてもらっているっていうのはほんとうにラッキーだと思う。スティーヴのやり方は結構トムと似ているかもしれない。アプローチは違ったけど……スティーヴはスタジオでその場で歌詞を書いて歌ったんだ。一方今回のプロジェクトでのトムは、ぼくがトラックを送って彼がヴォーカルをやって送り返してきて、まあだから同じ場所にいるかいないかっていうちがいだけど。同じ部屋でやることの利点もあるし、でも自分の世界に入って求めるものをじっくり見つけたいひともいるから。ふたりの共通点はファルセットのシンガーである点。あとはふたりともすごく才能豊かで一緒に仕事がやりやすいところ。
 トムの場合は、まずいったん彼がつくってこちらに送ってきて、それから話し合う必要がある場合はZoomで話す感じだったね。当時はロックダウンの最中でしかもべつべつの国にいたから。なにかがうまくいっていないとか、なにが必要なのかとか。まあもしパンデミックがなかったら一緒にスタジオに入っていたかもしれないけど、でもトムは当時も複数のプロジェクトを抱えていたし、それにひとりで集中する時間も必要だからね。ひとによっては、気分がのらないとできないとか、心の準備が必要だとか。まあ千差万別だよ。邪魔されたり話しかけられたりせずに集中してやるほうがいいっていう場合もある。ある特定の状態に入って、ひとと話したり分析したりせず、まずはいったん形にするとかね。トムは間違いなくそのタイプだと思う。というかほとんどのひとがそうなんじゃないかな。ぼく自身もそうだし。一度つくって、そのあとで判断、精査するっていう。ちょっと寝かせたほうがよかったりもするしね。翌日になってあらためて聴いたほうがどれがうまくいってなくてどれがうまくいってるかより明らかになるから。トムは間違いなくそういうやり方を好むと思う。前に彼が言っていたけど、噴出するみたいに出てくるんだっていう、それがたくさん出てきて、そのあとに構成や秩序立てをするんだと。なかにはそのふたつの状態を素早く切り替えられるひともいる。ぼくもそういう創作モードから構成モードにすぐ切り替えられるひとに会ったことがあるけど、それが難しいってひともいるよね。

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トム・ヨークはメロディやリリックを書いて歌うだけでなく、サウンドを足してきたりもしたそうですね。そのプロセスのなかで、予想外で驚いたことやおもしろかったことがあれば教えてください。

MP:“Happy Days” という曲で、彼がピッチを変えて語るようなヴォーカルをやっているんだけど、それが60年代くらいのBBCの女性アナウンサーを思わせる感じで、おそらくペダルかなにかを使ってピッチとフォルマントを変えているんだけど、ほかの箇所ではリズミカルに語っていたり、あれはすごいなと思った。ああいうことをするためには、そのキャラクターにしっかり入り込んで、さらにはもしかしたらぜんぜんダメかもしれないというのを覚悟しなきゃいけないと思うから。ゴミになるかもしれないことを厭わずやるっていう、それってある程度自信がないとできないと思うんだ。
 あとは “The Men Who Dance in Stag’s Heads” と “The White Cliffs” の半分くらいは低い声で歌っていて、それも予想外だった。彼はそういう感じの歌い方をあまりやっていなかったと思うから……もちろんこれまでいろんな音域で歌ってきたけどね。個人的に好きな歌い方だったから嬉しかったんだ。じっさい「こういう歌い方ってそんなにやってないよね」って本人にも伝えたら彼も「いや、前からもっとやりたいと思っていたけど100パーセントの自信がなくて、でも技を見つけたんだ」と言っていて。それがすごくシンプルなトリックで、昔のレコーディングでよく使われたテープのスピードを変えるってやつだったんだけど、ヴォーカルにもほかの楽器でも使われていたもので。それでピッチが上がったり下がったりするっていう。ほんの半音変えることもあれば、もっと大きく変えることもできる。昔のテクニックだけどデジタルでも同じことができるんだよ。いまのツールにはそういう機能も備わっているんだ。

これは『Under the Sun』のあとにつづく作品という位置づけで、ただし今回は全曲ヴォーカルありでひとりのシンガーと組んで、スタイルや楽曲自体は多様だけどひとつの作品としての一体感を出そうとして。

今回、モジュラー・シンセやヴィンテージなアナログ・シンセサイザーが多く使われているそうですね。そうなったのはなぜですか?

MP:トムは最近のモジュラーを使っていて、Eurorackとかそんな感じのやつをかなり揃えていると思うけど、とにかく自分の声やメロディや歌詞に合う音質を追い求めて、おそらく彼は直感的にやっていたと思うし、ときにはエフェクトなしの自然な歌声のほうがいい場合はそのまま歌っていて。そうやっていつもとはちがう声の使い方をするっていうのは楽しむ方法のひとつでもあると思う。当時はザ・スマイルの初のアルバムをつくり終えたばかりで、そっちでヴォーカルをひとしきりやったあとに、また新たに12曲やらなきゃいけなかったわけだから。つまりは、曲に合う音質を探すのと、これまでにない声の使い方をするっていう、そういうチャレンジだったんじゃないかな。あれだけ長く歌ってきて、多くの作品をつくってきて、いかにおもしろがりつづけられるかっていう。それはぼくのシンセサイザーでもおなじことで、自分のものを使ったり、自分が持ってない古いシンセがたくさんあるスタジオに行ってレコーディングしたり、それはやっぱり、これまでとはちがうものをつくろうっていうことで。すごく多機能なやつも持っているけど、たまにはちがうことをやったほうがいい。習慣や手癖でつくるのをやめるっていうね。

パンデミック中に制作がはじまったこのアルバムには、あの時期の閉塞感や不安などがサウンドにあらわれていると思いますか?

MP:自分について言うと、パンデミック前に音楽はぜんぶ書いてあったからあまり影響はなかったと思う。それにぼくの普段の生活がロックダウンと似ていて、ここ12年はいつも地下室に閉じこもって自分の世界にいるからさ。だから引きこもるのに慣れていたという意味ではラッキーだった。家に閉じこもって外出できないのがすごくつらいっていうひともたくさん知っていたからさ。もちろん先行きがわからない不安やウイルスの怖さは感じていたけど、そういう部分でのつらさは比較的なかったんだよ。むしろあの時期にこういう大きめのプロジェクトがあってすごくよかったなと。これがなかったとしても音楽をつくっていただろうけど、あの時期にこのプロジェクトがあったことで目的と焦点が与えられたから。
 歌詞については、トムなら時代に反応するだろうという推測もできるけど、でもいくつかは、それ以前に書かれていてもおかしくないようなものだよね。おそらく彼はつねにアイディアを書き溜めているから、そこから引っ張ってきたのかもしれないし、いずれにしろロックダウンのことだけではないと思うよ。この曲はこういうことだろうなっていうぼくなりの解釈はあって、まあそれが正しいかどうかはわからないけどね。

ヴィジュアル・アーティストのジョナサン・ザワダとあなたはこれまでもコラボレイトを重ねてきました。現在公開されている曲のMVやアートワークは奇妙で不思議な感覚をもたらしますが、この「TALL TALES」のコンセプトはどういう経緯で生まれてきたのでしょうか?

MP:ほんとうに才能があるひとには完全な裁量権をもたせることが最善策だとわかっていたから、そうしたまでなんだ。この業界でよくあるのが「あなたの作品が大好きです。どうぞ好きなようにやってください」って言われて、じっさいやりたいようにやると「前の作品みたいな感じがよかった……」となるやつ。残念ながらよくある話なんだ。でもぼくは実際に好きなようにやってもらってそれをひたすら支持した。最初からそうだったし、『Under the Sun』でもそうで、でもそれはべつに難しいことじゃなかった。彼が送ってくるものはいつも「おお、すばらしい」っていうものだったから。
 それにひとつ学んだことがあって、彼が送ってくる映像で、すごく好きなものと、ピンとこないものがあっても、かならずしもそれを伝える必要はなくて、なぜなら彼のほうがぼくよりもよくわかっているから。じっさい、好きだけどピンと来てなかったやつが、最終的にはほかのよりも好きになっていることがよくあるんだよ。だから最初の印象でそれほど好きじゃなくても伝えなくていい。ほんとうは変える必要がないのに、変えたほうがいいかもしれないと思わせてしまったり、彼の邪魔をしてしまうかもしれないからね。とにかく時を経て互いを信頼するようになったということだと思う。フィードバックを求められれば感想を言うし、まあたいていの場合「最高、すごく好き、それやって」と言うだけだけどね。

「あのアルバムが最高だったから、またああいうのをやってよ」みたいな。「いや、またつくる必要はないだろ」と思う自分もいて。でもだからと言ってもうつくらないとは限らないというか。

あなたが音楽をはじめてから35年くらいは経っているかと思いますが、過去がなつかしくなったり、おなじことをやってみたくなったりしたことは、ぶっちゃけたところ、ありますか?

MP:いや、ないなあ。というかひとそれぞれ「この時代のこれが好き」っていうのがあって、それをもっとやってほしいっていうのは言われるけどね。「あのアルバムが最高だったから、またああいうのをやってよ」みたいな。それにたいしては「いや、もうあのアルバムつくったから、またつくる必要はないだろ」と思う自分もいて。ほかにもやりたいことはたくさんあるしさ。でもだからと言ってもうつくらないとは限らないというか。ただしやる場合は、超力作か、前とは少しちがうアプローチで挑むかのどちらかだと思う。たとえばアンビエント・ミュージックもこれまでさんざんつくってきたから、新たな方法を見つけなくちゃいけない。ふだんからかなりつくっているし、アンビエント曲は意図せず生まれてきたりもするけどね。でも少なくともおなじではないものにしたいし、すでにつくったアルバムをふたたびつくりたいとは思わない。あるいは、つくったことがあるからと言って二度とつくりたくないとはならないけど、しばらくはつくりたくないとは思うよね。とはいえ意図せずできてしまうこともあるわけで……クラブ・トラックをつくろうとしたらアンビエントができちゃったとか、その逆もあるだろうしさ。

これまであなたはかなり多くの名義やグループで活動してきました。音楽スタイルの幅もアンビエントからフットワーク、ジャングルまでじつに多様です。今回の共作は、シャフトやリロード、グローバル・コミュニケイションやリンクなどを含めたあなたのキャリア全体のなかで、どういう位置づけの作品になると思いますか?

MP:まあダンス・ミュージックの要素はないよね。今作は『Under the Sun』よりもドラムの分量が増えて、ぼくにとってはある意味ニューウェイヴ的というか。じつは何曲かで生のドラムを使うことも検討して、でも必要性が感じられなくてやめたけどね。そうだな、これは『Under the Sun』のあとにつづく作品という位置づけで、ただし今回は全曲ヴォーカルありでひとりのシンガーと組んで、スタイルや楽曲自体は多様だけどひとつの作品としての一体感を出そうとして、そこはシンガーがひとりだったから割と出しやすかったと思う。それからジョナサンの映像が作品の別ヴァージョンとしてあって、そこでも全体の印象を与えていて。それから今作は、つくった曲をいじるよりも曲をつくることに比重があった気がするね。これまでもほかのひとの全曲ヴォーカル曲のアルバムはプロデュースしたことがあったけど、自分自身の作品ではやったことがなかったから、いい挑戦だったんじゃないかな。『Under the Sun』とおなじような時期に書いた曲がいくつかあるから、おなじものではないけど、そこからの変化というか。今作のスタイルをうまく言語化する方法が見つからないんだよね。まあクラブ・ミュージックと非クラブ・ミュージックに分けるなら非クラブ・ミュージック(笑)。ひどい説明だけど、それ以上にいい説明が思いつかないんだよ。そして最近はまたクラブ系のものをつくっているんだ。

[おまけ]シドニーのエレクトロニック・ミュージックのシーンのアーティストたちとも交流はあるのでしょうか? チェックしておくべきひとがいたら教えてください。

MP:[インタヴュー後に以下のリストを送ってくれた]
・Straight Arrows(最近オーウェンと彼のスタジオで新しい音楽をつくってる)
・Peter Lenaerts
・Kirkis
・Jack Ladder
Hiatus Kaiyote
・Axi
・Tim Gruchy

MARK PRITCHARD & THOM YORKE
"TALL TALES"

トム・ヨークとマーク・プリチャードによる
コラボレーション・アルバム『TALL TALES』を
ジョナサン・ザワダが手がけた映像とともに
高音質で楽しめる特別上映イベント

5月8日:プレミア上映
5月9日~15日:ロードショー上映

東京 ヒューマントラストシネマ渋谷
大阪 テアトル梅田

会場ではアルバムの先行発売および
スペシャル・グッズの販売も決定!

アルバムは5月9日発売

レディオヘッド、ザ・スマイルのフロントマンであるトム・ヨークと、エレクトロニック・ミュージック界の先駆的プロデューサー、マーク・プリチャードが初のコラボレーション・アルバム『Tall Tales』(5月9日発売) をリリースするのにともない、5月8日より世界各地の映画館で特別上映イベントを開催する。トム・ヨークとマーク・プリチャードによるアルバムと、ジョナサン・ザワダの映像作品を映画館で高音質で体験できる特別な機会となる。
日本では、5月8日にアルバムのリリースに先駆けてプレミア上映を行い、5月9日から5月15日まで連日ロードショー上映が予定されている。
会場となる映画館は、東京がヒューマントラストシネマ渋谷、大阪がテアトル梅田となり、いずれも映画の魅力を最大限引き出すため専用に開発されたカスタムメイドのスピーカーシステムを導入したodessaシアターでの上映となる。
上映会場では、アルバム『Tall Tales』のCDやLPを日本最速で購入できるのに加え、今作のオリジナルデザインのTシャツ、スウェット、トランプ、ポスターがそれぞれ数量限定で販売される。

【Tシャツ / スウェット / トランプ】

Tall Tales Parade Logo T-shirt - Grey Heather (税込¥6,380)

Tall Tales Octopus Logo Sweatshirt - Navy (税込¥11,000)

Tall Tales Playing Cards (税込¥2,860)

Tall Tales Poster (Bird/Lighthouse/Skeleton) (各税込¥2,750)

作品名: TALL TALES
監督:ジョナサン・ザワダ 音楽:トム・ヨーク/マーク・プリチャード
2025年/アメリカ/64分/DCP/字幕なし

日時: プレミア上映:5月8日 (木) / ロードショー上映:5月9日(金)~5月15日(木)

入場料: 2000円均一
※各種割引・招待券・無料券使用不可
※チケット販売のスケジュール等は決まり次第、劇場HPにてお知らせいたします。

場所:
東京 - ヒューマントラストシネマ渋谷・odessaシアター1
〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocotiビル8F

大阪 - テアトル梅田・odessaシネマ1
〒531-6003 大阪府大阪市北区大淀中1-1-88 梅田スカイビルタワーイースト3F

上映イベント詳細: https://www.beatink.com/tall-tales/
問い合わせ先:BEATINK [info@beatink.com]

本作のヴィジュアル面を担当したジョナサン・ザワダは、二人にとって、3人目のメンバーとも言える存在だ。アナログとデジタル技術を融合させた独特のアートワークは、コーチェラ・フェスティバルやデュア・リパ、アヴァランチーズ、ロイクソップ、フルームらとのコラボレーションでも知られている。ザワダは本作の監督、アニメーション、編集を手掛け、圧倒的でハイパーリアルなヴィジュアル体験を生み出した。

この革新的な映像作品は、音楽の進化と並行して数年間かけて制作され、美しい自然とディストピア的な世界観の対比が際立つ作品となった。トム・ヨークの歌詞、マーク・プリチャードの先進的プロダクション、そしてザワダの映像美を通じて、『Tall Tales』は人類の尽きることのない「進歩」への渇望が、いったいどこへ辿り着くのかを問いかける。長い年月をかけて生み出されたこの作品は、まさに今、この時代にこそふさわしい預言的な映画体験となっている。

『Tall Tales』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=8mFe9znS9hI

上映会に来場した方にはジョナサン・ザワダが制作・デザインを手掛けた限定ZINEが配布される。このZINEでは、映画とアルバムに込められたコンセプトやインスピレーションを独自の視点で掘り下げている。今回のイベント発表に合わせて、そのZINEの一部が公開され、『考える人』の彫刻盗難事件 について考察した記事を読むことができる。
※入場者特典のZIENは数量限定、配布方法は決定次第劇場HPでお知らせいたします。

入場者特典:ZINE

近年はソロ作品やザ・スマイルの活動で注目され、昨年は全8公演SOLD OUTとなったジャパンツアーを含むソロ・ツアーも話題を集めたレディオヘッドのトム・ヨーク。重層的な構造でリッチなテクスチャーを持つ本作『Tall Tales』は、トム・ヨークにとって〈Warp〉からの初リリース作品となる。

マーク・プリチャードは、言わずと知れたエレクトロニックミュージックの重鎮であり、リロード (Reload) やリンク (Link)、そしてアンビエントテクノの傑作『76:14』を生んだトム・ミドルトンとのユニット、グローバル・コミュニケーションなどのプロジェクトで知られる。2011年にレディオヘッドの楽曲「Bloom」の2つのリミックスを発表した他、エイフェックス・ツインやデペッシュ・モード、PJ ハーヴェイ、スロウダイヴなどのリミックスも手掛け、多彩なスタイルと多様な名義で活動を展開してきた。

本作では、マーク・プリチャードがシンセサイザーのアーカイブから発掘した古い機材を駆使し、予測不能かつ実験的な音楽を完成させ、トム・ヨークはダークで内省的なストーリーテリングを織り交ぜながら、幽玄かつ壮大なボーカルパフォーマンスを披露している。

トム・ヨークとマーク・プリチャードによる初のコラボレーション・アルバム『Tall Tales』は、5月9日 (金) 世界同時リリース。国内盤CDは、日本限定の特殊パッケージ・高音質UHQCD仕様となり、ボーナストラックが追加収録され、解説書と歌詞対訳が封入される。その他、通常盤LP(ブラック・ヴァイナル)、スペシャル・エディションLP (ブラック・ヴァイナル/36Pブックレット付き/ハードカーバー仕様) 、スペシャル・エディションCD、デジタル/ストリーミングでリリースされる。スペシャル・エディションLPは、数量限定の日本語帯付き仕様 (歌詞対訳・解説書付)でも発売される。さらに、国内盤CDと日本語帯付き仕様盤スペシャル・エディションLPは、Tシャツ付きセットも発売決定。
国内盤CDと国内盤CD+Tシャツを対象にタワーレコードではコースター(デラックス・ジャケットVer)、Amazonではマグネット(デラックス・ジャケットVer)、それ以外のレコードショップではコースター(スタンダード・ジャケットVer)、ディスクユニオンでは全フォーマットを対象にマグネット(スタンダード・ジャケットVer)が先着特典となる。

Amazon 特典:
マグネット(絵柄:デラックス・ジャケットVer)

ディスクユニオン特典:マグネット(絵柄:スタンダード・ジャケットVer)

タワーレコード特典:
コースター(絵柄:デラックス・ジャケットVer)

その他法人特典:
コースター(絵柄:スタンダード・ジャケットVer)

label : Warp Records
artist : Mark Pritchard & Thom Yorke
Title:Tall Tales
release:2025.05.09
商品ページ: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14797
配信リンク: http://warp.net/talltales
Tracklist:
01. A Fake in a Faker’s World
02. Ice Shelf
03. Bugging Out Again
04. Back in the Game
05. The White Cliffs
06. The Spirit
07. Gangsters
08. This Conversation is Missing Your Voice
09. Tall Tales
10. Happy Days
11. The Men Who Dance in Stag’s Heads
12. Wandering Genie
13. Ice shelf (Original Instrumental) *Bonus track

CD+Tシャツセット

LP+Tシャツセット

国内盤CD

輸入盤CD

限定盤LP

LP

interview with IR::Indigenous Resistance - ele-king

私たちにとってダブはスタイルではなく、アティチュードである。私たちは、音楽やその他の手段による抵抗や抗議、社会正義の主張が、植民地的・資本主義的・白人的な流れの中で制度化され、無力化され、活力を奪われた世界に住んでいる。ダブは、このような同化と融和のプロセスのB面なのだ。

 インディジェナス・レジスタンス(IR::Indigenous Resistance、以下「IR」)は、地球上の音楽シーンにおいて際立った存在感を放つダブ・アーティスト/アクティヴィスト集団だ。世界各地で反植民地主義と先住民の権利のために活動するIRのアクションは、音楽のみならず、絵画・書籍・映像・ストリートアートなど多岐にわたっている。おもな拠点のひとつはウガンダにあり、ジャングルの奥深くに創造的なアートスペース「Atuadub Shrine」がある。

 彼らは80年代のテクノ/ハウスや90年代のレイヴ・カルチャーの影で台頭してきた。IRとしての作品は2002年のザ・ファイアー・ディス・タイム『Krikati / Galdino / Remembering Galdino』(IR1)にはじまり、最新作の『Mongolia African Ancestral Travel M.A.A.T. 』(IR73)に至る。彼らの活動はきわめてアンダーグラウンドなもので、実態は依然として謎に包まれている。中心人物のひとりであるアマスタラは、人々がIRの全体像を把握しづらいのは彼らが意図的に行っていることだという。

アマスタラ:私たちはアクションのたびにチームを組み替え、世界同時多発的に、また、非中央集権的な組織作りを通じて、バビロンを混乱させることを目指している。たとえば、西パプア解放運動を支援するイベントでは、コロンビア、ブラジル、エチオピア、ウガンダ、インドネシアの共謀者や協力者と協力して同時開催を実現した。私たちが「African Anarchists」という曲の中で言及しているように、現在アフリカと呼ばれている地域には、古代において、中央集権的な王国ではなく、自治的な村々がゆるやかにつながった連合体によって統治されていた地域があった。私たちはこれを組織のモデルとして気に入っている。

「IRにとってダブとは?」とアマスタラに尋ねると、IRの音楽の本質であり、たんなるジャンルではなく抵抗のアティチュードである。そして「音の周波数を使った混乱でバビロンを震え上がらせること」だと答えてくれた。

アマスタラ:ジャマイカのダブ・レゲエは、デトロイト・テクノ、ハードコア・パンク、アフリカ音楽、そして南太平洋のソロモン諸島や北アメリカの先住民族の固有の音楽の伝統と同様に、私たちにとって大きなインスピレーションとなっています。私たちがこれらの影響を受けているのは、その根底にある深い原理があるから。つまり、私たちにとってダブはスタイルではなく、アティチュードなのです。エコーやリバーブ・エフェクトを使うことだけがダブではない。IRにとってダブとはたんなる音楽ジャンルや手法ではなく、本質。ダブとはあらゆるものの本質なんだよ。私たちは、音楽やその他の手段による抵抗や抗議、社会正義の主張が、植民地的・資本主義的・白人的な流れの中で制度化され、無力化され、活力を奪われた世界に住んでいる。ダブは、このような同化と融和のプロセスのB面なのだ。
 ダブは抑圧的なシステムに問題を引き起こしながらも、人類の向上に役立つようなやりかたでシステムに挑む。「バビロンを震え上がらせること」の重要性を、私たちはとくに強調したい。それは、音の周波数がどのように使われうるか、また使われるべきかという私たちの常識を完全に混乱させる。この混乱こそがダブをまったくもって美しくしているのであり、人生の美しさと奔放な複雑さを肯定しているのです。

 最新アルバム『Mongolia African Ancestral Travel M.A.A.T. 』に収録され、先行シングルとなった「Dreams Are Dub But Genocide Is A Reality」は、日本人アーティスト、マサヤ・ファンタジスタとの共演。モンゴルでの偶然の出会いが、コラボレーションの契機になったという。ウランバートルのレコード店〈ドゥンゴル・レコーズ〉のオーナーを通じて知り合ったアマスタラとマサヤは、共通する音楽理念やモンゴル文化への理解を通じて友情を深めた。

アマスタラ:そう、本当に美しい出会いだった。それは私たちが「自然なダブの流れ(natural dub flow)」と呼ぶものです。2023年の夏、マサヤはドゥンゴル・レコーズの音楽スペース兼カフェの公式オープニングでプレイするために来ていた。マサヤはじつに静かで温かみのあるダブを醸し出していて、音楽の話になると、すぐに似たようなつながりがあることに気づいた。彼は私たちの音楽仲間であるデトロイト・テクノの反逆者アンダーグラウンド・レジスタンスとも関係が深かった。フェラ・クティのドラマー、トニー・アレンを日本に連れてきたときの責任者のひとりがマサヤだったと聞いて、さらにその絆は深まった。私がフェラ・クティ本人と個人的なつながりがあることを知って、彼は本当に驚き大喜びした。こうしてマサヤ・ファンタジスタはこのプロジェクトに参加することになりました。

Masaya Fantasista

「Dreams Are Dub But Genocide Is A Reality」(夢はダブだが虐殺は現実だ)。重いテーマを扱ったこの曲で、先入観を覆すためにマサヤがもたらしたジャズの要素を取り入れたのだとアマスタラはいう。

アマスタラ:マサヤがこの曲に加えたジャズのエレガンスは、私たちが歌詞を書いた意図とも一致していた。ジェノサイド(大量虐殺)のようなトピックが音楽の焦点になると、人々はそれがパンクやノイズのような攻撃的な音楽ジャンルと結びついていると考えがちだ。私たちはパンクやノイズが大好きだけど、この先入観を覆したかった。トラックの最初の行が「彼らは優しく抱きしめ合った(They embraced tenderly)」なのはそのためだ。同時に、世界中で起こっているジェノサイドのさまざまな事例を、多くの人が予想するような形ではなく、ストーリーテリングの手法で語れるようにしたかった。
 マサヤのソウルフルなジャズのエレガンス、バッド・ブレインズのパンクの影響、バントゥー(Bantu)とダンシャ(Dhangsha)のノイズ、不協和音、ベース・ミュージックへの新しいアプローチ、エイドリアン・シャーウッド、マーク・スチュワート、ソイ・ソスのようなインダストリアル・ダブの影響、そして伝統的なアフリカのジャンベ・ドラムとモンゴルの馬頭琴。この曲の歌詞を書いているとき、私たちの魂に響いた曲のひとつがバニー・ウェイラーの「Bide Up」だった。ソウルフルなエレガンスと美しさに満ちた曲で、華麗なフルート、パーカッション、そして精神的な敬虔さと逆境に対する勝利に焦点を当てた歌詞に支えられたルーツ・レゲエ・トラックです。

 アルバムのハイライトとなる「A Fiery Kumina Groove For Thomas Sankara & Fela Kuti」(トーマス・サンカラとフェラ・クティのための燃えるようなクミナ・グルーヴ)には、ダブ空間に鳴り響くテクノ・ビートとともに、アフリカ起源の音楽のエレメントが色濃く込められている。

アマスタラ:アフリカ音楽の要素は、私たちの音楽に大きな役割を果たしている。ウガンダの伝統的なフルートや、ジャンベやケテ・ドラムなどの打楽器だけでなく、過去にはエチオピア西部のヌエル族やアヌアク族の伝統音楽で使われている撥弦楽器の親指ピアノも使ったことがある。これらの楽器は、エチオピア西部の土地収奪をテーマにしたIRの楽曲で演奏されています。また、強制的に奴隷にされたアフリカ人が海を越えて持ち込んだアフリカ音楽の伝統を活用していることも重要だ。ジャマイカのクミナやナイヤビンギの太鼓の伝統、そしてアフロ・コロンビアの重要な伝統である太平洋岸のマリンバ。クミナはコンゴから強制的に奴隷にされたアフリカ人がジャマイカに持ち込んだ精神的な儀式です。私は個人的にクミナの儀式を目撃したことがあり、そこには強烈な催眠術のようなドラミングがあり、参加者は踊りながらトランス状態に入っていきます。この儀式を目の当たりにするのはすばらしくうっとりする体験で、私はいつもこれを音楽のトラックに取り入れたいと考えていました。私たちの経験では、伝統のスピリットを真に感じれば、それは難なくダブに流れ込む。作為的なダブとは対照的な「自然なダブの流れ(natural dub flow)」なのです。

モンゴルのアンダーグラウンドにもアクセスするIR

2023年の夏、マサヤはドゥンゴル・レコーズの音楽スペース兼カフェの公式オープニングでプレイするために来ていた。マサヤはじつに静かで温かみのあるダブを醸し出していて、音楽の話になると、すぐに似たようなつながりがあることに気づいた。彼は私たちの音楽仲間であるデトロイト・テクノの反逆者アンダーグラウンド・レジスタンスとも関係が深かった。

 IRのスローガンのひとつ「ダブ・リアリティ」。
 「ダブ」と「現実」。一見すると相反するふたつの要素だが、彼らの言葉を借りるなら、IRはB面(ダブ)から見えるヴィジョンを通じて地球上の現実と人類の歴史を掘り下げ、同時に音楽としてのダブを拡張している。

 IRが行っていることは「全地球をダブにする」ことだと私には思える。
 アフリカを拠点に世界中の先住民との交流を続けるIRのダブは、ヘヴィなベースとエコー・チェンバーを武器に、はかりしれないパワーと知識とスピリットが注ぎ込まれた音楽なのだ。

 最後に、つい先日完成したIRによる短編映画を紹介しよう。
 アフリカの映画監督ジョシュア・アリベットとIRの3度目の共同制作であり、ジャマイカ出身のアマスタラがモンゴルを「もうひとつの故郷」とする体験を描いた『Mongolian Dub Journey』に触発されている。映画の舞台はウガンダだが、モンゴル文化がアフリカの背景に溶け込む様子が印象深い。
 ここでもIRは先住民族への暴力や抵抗運動への連帯を訴え、社会正義の可能性を問いかけている。

Under The Moon, We Return To Water : An Indigenous Resistance Dub Suite

■アルバム 情報

Indigenous Resistance
IR 73 Mongolia African Ancestral Travel M.A.A.T.

https://dubreality.bandcamp.com/album/ir-73-mongolia-african-ancestral-travel-m-a-a-t

Indigenous Resistance
IR 71 Dreams Are Dub But Genocide Is A Reality + E book A Mongolian Dub Sublime

https://dubreality.bandcamp.com/album/ir-71-dreams-are-dub-but-genocide-is-a-reality-e-book-a-mongolian-dub-sublime

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