「W K」と一致するもの

Helado Negro - ele-king

 アルバム・タイトルはジャメイカ・キンケイドが〈ザ・ニューヨーカー〉に1978年に発表した短編『ガール』からの引用。キンケイドはカリブ海東部の島々からなるアンティグア・バーブーダ出身の作家で、とくに初期の自伝的な作品群では母と娘の関係を軸にして、隠喩的にポスト・コロニアルにおける支配/被支配の緊張を描き出していた。ある種、地域性を問わずに共感を得る思春期の少女の物語として。
 だけど、どうなのだろう。この、素晴らしくなめらかに仕上げられたヘラド・ネグロとしては6枚め、ロベルト・カルロス・ラングによる『ディス・イズ・ハウ・ユー・スマイル』にどれほど「ポスト・コロニアル」というテーマが入りこんでいるのか、シンプルな英語詞はまだしもスペイン語がここで「響き」に聞こえてしまう僕には、正直わからない。それに何よりも……サウンドにおいて、エクアドル移民である彼のルーツとしてのラテン音楽とゼロ年代ブルックリンの成果が綺麗に溶け合っているではないか。すでに「ボラ・デ・ニエベのベッドルーム・ポップ・ヴァージョン」などと形容されているように、ラテンからの音楽的恩恵がここでは21世紀型のドリーミーなポップ・ミュージックへと見事に変換されている。

 サヴァス&サヴァラスへの参加やジュリアナ・バーウィックとのコラボレーション、それに前作までスフィアン・スティーヴンスが主宰する〈アズマティック・キティ〉からリリースしていたことからもわかるが、北米インディの美味しいところを気持ちよく漂ってきたカルロス・ラング。ヘラド・ネグロ名義はブルックリンに移ったゼロ年代後半から使用しているが、なるほど前作『Private Energy』をあらためて聴き直すと、いかにもアニマル・コレクティヴ以降の遊びに満ちたエクスペリメンタル・ポップの跡を見出すことができる。だが、〈RVNG〉からのリリースとなる本作ではオープナーの“Please Won't Please”から、簡素なリズムとあくまで柔らかいシンセの調べに乗せて線の細い歌がゆるく、優しく続けられる。わたしたちがゼロ年代後半によく親しんだアンビエント・ポップのフィーリングが、10年かけた洗練を経て届けられる……きめ細かく変わってゆく光を浴びながら。もちろん、ヘラド・ネグロらしいトロピカル・サイケなフォーク・ナンバー“Pais Nublado”なども耳を引くが、ハイライトのひとつである“Running”などはそれこそライのファンも思わずうっとりするようなメロウなソウル・チューンである。いずれにせよ、それらが大きな起伏を生み出さないように生音のオーガニックな響きを大切にしながら、じつにゆったりと連なっていく。いくらかファンキーなグルーヴを感じさせるミドルテンポの“Seen My Aura”、伝統的なラテン・フォーク・ギターとスティール・パンの音色が控えめに寄り添う“Sabana de Luz”、曲によって要素は変われど、穏やかなサイケデリアが途切れることはない。

 前作で「若く、ラテンで、誇り高い」や「僕のブラウンの肌」といった象徴的な言葉を並べていたカルロス・ラングだが、本作における彼のラテン人としてのアイデンティティはあくまで音として彼の現在地と和解している。わたしたちがスフィアン・スティーヴンスとデヴェンドラ・バンハートとサヴァス&サヴァラスとアニマル・コレクティヴを地続きで聴くような感覚が本作でひとつになっており、ルーツにも現在にも等しくオープン・マインドな佇まいや自然体の折衷性はブラジルのシンガーソングライターであるフーベルの昨年絶賛されたアルバム辺りにも通じるだろう。映画『ROMA/ローマ』を例に挙げるまでもなく北米において中南米との関係性が問われている昨今だが、英語とスペイン語、ベッドルーム・ポップとラテン・フォークが継ぎ目なく共存する本作を聴いていると、音楽は「ポスト・コロニアル」のその先を模索しているように思えてならない。

Logos - ele-king

 これは最新のダンス・ミュージック・レコードだ。「えっ、いったいどこが?」と思われる方もいるかもしれない。たしかにどのトラックもほぼビートレスだし、あってもビートは断片化されている。その意味で相当にエクスペリメンタルな音楽であることには違いない。しかしこの『Imperial Flood』は、あのロゴスの新作アルバムである。となればここにはリズム/律動の拡張があると考えるべきではないか。
 ロゴス(ジェームス・パーカー)はかつて「ウェイトレス=無重力」というサウンド・スタイルによって、インダストリアル/テクノやアンビエント以降のUKグライムの新しいビート・ミュージックを創作した人物である。彼の関わったアルバムをざっと振り返ってみても、2013年にソロ作品『Cold Mission』(〈Keysound Recordings〉)、2015年にマムダンスとのコラボレーション作品『Proto』(〈Tectonic〉)、2016年にロゴスとマムダンスが主宰する〈Different Circles〉のレーベル・コンピレーション『Different Circles』などを継続的に送り出し、しかもそのどれもが先端的音楽マニアたちの耳と身体の律動と感性を刺激する傑作ばかりであった。いわば「テクノ」の概念を拡張したのだ。
 そんな先端音楽シーンの最重要人物のひとりであるロゴスの新作『Imperial Flood』が、自身の〈Different Circles〉からついにリリースされたわけだ。となれば「新しい律動への意志」が問われているとすべきではないか。じじつ、『Cold Mission』以来の待望ともいえるソロ・アルバムであるのだが、そのサウンドは6年の月日の流れを反映したかのようにわれわれの予想を超え、新しい電子音響空間が生成していたのだ。〈Different Circles〉から2018年にリリースされたシェヴェル『Always Yours』のビート・ミュージックの実験性を継承しつつ、ビートにとらわれないモダンな先見性に富んだ電子音楽に仕上がっていた。ここにはリズムと持続への考察と実践がある。では、それはいったいどういうものか。このアルバム全体が、一種の「問い」に私には思えた。

 アルバムには全9曲が収録されている。どのトラックもビートよりも電子音のミニマルな持続や反復を基調にしつつ、加工された具体音・環境音がレイヤーされている構造となっていた。インダスリアルのように重厚であり、アンビエントのように情景的でもある。いわゆるシネマティックなムードも濃厚だ。とはいえチルアウトが目的のアルバム/トラックではない。耳のありようを規定しない「緊張感」が持続しているからだ。
 曲を順にみていこう。まず1曲め“Arrival (T2 Mix)”と2曲め“Marsh Lantern”のビートレスにしてオーセンティックなシンセ・サウンドからして、その意志を明瞭に聴きとることができた。つまり彼が「UKグライム以降」という立ち位置すら超越し、まったく独自の「電子音楽の現在」を刻印するような作品を生み出そうとしていることが分かってくる。
 続く3曲め“Flash Forward (Ambi Mix)”はアシッドなシーケンスが反復し、薄いリズムがレイヤーされるシンプルなトラックである。2019年におけるアシッド・リヴァイヴァルだ。4曲め“Lighthouse Dub”では“Arrival (T2 Mix)”と“Marsh Lantern”の波打つように反復するオーセンティックな電子音楽が継承され、断続的/性急なグライム的ビートがレイヤーされる。どこか不穏なムードを醸し出す極めて独創的なトラックである。
 5曲め“Omega Point”では環境音・具体音と霞んだ電子音が折り重なり、シネマティックかつダークなムードが生成されていく。わずか2分57秒ほどのトラックだが、アルバムのコア(中心)に位置し、本作のムードやテーマ(曲名からして!)を象徴する曲に思えた。続く6曲め“Zoned In”は盟友マムダンスが参加した本作のビート・トラックを代表する曲だ。まさにアシッド・テクノな仕上がりで、本作中もっともストレートなダンス・トラックである。
 7曲め“Occitan Twilight Pyre”は微かにノイジーな音が生成変化する実験音楽的トラック。何かを静かに押しつぶす音と高音域のスプレーのようなノイズによるASMR的な快楽が横溢している。8曲め“Stentorian”はリズムの連打とアトモスフィアな電子音が交錯する。名作『Cold Mission』を思い出させるトラックであり、「ウェイトレス」の現在形を提示しているようにも思えた。やがてビートは(「オメガ・ポイント」の先に)消失・融解し、9曲め“Weather System Over Plaistow”へと辿り付く。この終曲でも波打つように反復する霞んだ電子音が展開されていく。どこか懐かしく、しかし聴いたことのないサウンドだ。
 本作の電子音は70年代のドイツの電子音楽(クラウトワークやタンジェリン・ドリーム)のごときサウンドでもあり、同時に10年代以降/グライム以降ともいえる未知のサウンドがトラック内に溶け合っているのだ。

 知っている。だが聴いたことがない。本作には「未聴感」が濃厚に漂っている。UKのグライム以降の最先端のビート・トラックを提示したマムダンスとロゴスのシングル「FFS/BMT」(2017)に横溢する「新しさ」の「その先」を見出そうとする強い意志を強く感じる。それはいわば「複雑さ」から「単純さ」を選択し、電子音/音のマテリアルな質感へと聴き手の意識を向かわせようとする意志だ。むろん「素朴さ」への反動ではない。ロゴスは常に「聴きなれた音」から「未知の音」のプレゼンテーションを行ってきたアーティストではないか。その意味でジェームス・パーカーはもはや「ウェイトレス」だけに拘っていないし、その先を意識しているのだろう。
 じっさい、本作『Imperial Flood』は、ビート・ミュージックとミュジーク・コンクレートとドイツ電子音楽とアシッドテクノの融合/交錯するような作品に仕上がっていた。じじつ、あるトラックはオーセンティックな電子音楽であり、あるトラックはアシッドテクノのモダン化であり、あるトラックはインダストリアル/テクノ以降のモダンなミュジーク・コンクレートである。こう書くと多様な音楽性によるトラックが収録された雑多なアルバムのように思うかもしれないが、アルバム全体はモノトーンのムードで統一されてもいる(このクールなミニマリズムはロゴスとマムダンス、〈Different Circles〉からリリースされた音楽に共通する)。
 同時に聴き込むほどに乾いた砂が手から零れていくような「つかみどころのなさ」を感じてもくる。これはネガティブな意味ではない。そうではなく新しい音楽を聴いたときによく感じる現象である。提示された音の遠近法がこれまでの聴き手のそれに収まっていないのだ。この「とりとめのなさ」「つかみどころのなさ」にこそ新しい電子音楽の胎動があると私は考える。
 「とりとめのなさ」「つかみどころのなさ」「未聴感」。「未聴感」は、いわば過渡的な状態を意味するものだ。「新しさ」をいわば「不定形な状態」とすると、「新しさ」とは「過渡的」な状態を常に/意識的に選択し、その絶え間ない変化のただ中に身を置こうとするタフな意志の表出といえる。そう、ロゴスは、そのような「未知の新しさ」を希求・提示する稀有なアーティストなのだ。

Flying Lotus × Anderson .Paak - ele-king

 先日待望の6枚目のアルバム・リリースがアナウンスされ、ユキミ・ナガノを招いた“Spontaneous”とサンダーキャット、ブランドン・コールマン、オノシュンスケの参加する“Takashi”が先行公開されたばかりのフライローですが、本日新たにアンダーソン・パークをフィーチャーした新曲“More”が解禁されました。やばい、めっちゃかっこいい……。きっとこれが2年前に報じられたコラボだったのでしょう。ますますアルバムへの期待が昂まりますね。リリースまであと2週間。日本先行発売です。

5/22リリースの最新作『FLAMAGRA』より
アンダーソン・パーク参加の新曲“MORE”が解禁!

デヴィッド・リンチをフィーチャーしたトレーラー映像と共に、待望の最新アルバム『フラマグラ』の完成を発表したフライング・ロータス。その後、リトル・ドラゴンのユキミ・ナガノをフィーチャーした“Spontaneous”、サンダーキャット、ブランドン・コールマン、オノシュンスケが共演した“Takashi”の2曲を公開し、ポップで軽快なサウンドに注目が集まる中、アンダーソン・パークが最高にソウルフルなヴォーカルを披露する新曲“More”を解禁!

Flying Lotus - More feat. Anderson .Paak
https://www.youtube.com/watch?v=Xl0XBQ08wbg

彼(アンダーソン・パーク)と知り合ったのはもっと前だけど、ちゃんと話すようになって6、7年かな。アイツ演奏もすごいんだよ! 危険なヤツさ…… ──Flying Lotus

全27曲(国内盤にはさらに1曲追加!)収録というスケールはもちろん、過去作品以上に豪華な参加アーティストも話題となっている本作。アンダーソン・パークの他にも、ジョージ・クリントン、リトル・ドラゴンのユキミ・ナガノ、ティエラ・ワック、デンゼル・カリー、シャバズ・パレセズのイシュマエル・バトラー、トロ・イ・モワ、ソランジュ、そして盟友サンダーキャットがヴォーカリストとして参加。さらに、デヴィッド・リンチの不気味なナレーションが今作の異様とも言える世界観を炙り出している。

またフライング・ロータス本人のSNSを通して、本作のアートワークで使用されたタイポグラフィは、ニッキー・ミナージュやポスト・マローンへの作品提供も行ってきた日本人グラフィックデザイナー、GUCCIMAZE(グッチメイズ)が手がけ、その他の参加ミュージシャンには、ハービー・ハンコックやロバート・グラスパーらも名を連ねていることが明かされている。

フライング・ロータスが投稿した制作風景


フライング・ロータスが、マグマのごとく燃えたぎるイマジネーションを詰め込んだ超大作『フラマグラ』は、5月22日(水)に日本先行リリース。国内盤にはボーナストラック“Quarantine”を含む計28曲が収録され、歌詞対訳と吉田雅史による解説に加え、若林恵と柳樂光隆による対談が封入される。初回生産盤CDは豪華パッケージ仕様。またTシャツ付セット(BEATINK.COM限定でXXLサイズ取扱あり)も限定数販売決定! 2枚組となる輸入盤LPには、通常のブラック・ヴァイナルに加え、限定のホワイト・ヴァイナル仕様盤、さらに特殊ポップアップ・スリーヴを採用したスペシャル・エディションも発売。

なお国内盤CDを購入すると、タワーレコードではオリジナル・クリアファイル、BEATINK.COM、HMV、diskunion、その他の対象店舗では、GUCCIMAZEによるロゴ・ステッカー、amazonではオリジナル肖像画マグネットを先着でプレゼント。また、タワーレコード新宿店でアナログ盤を予約するとオリジナルB1ポスターが先着でプレゼントされる。

label: WARP RECORDS / BEAT RECORDS
artist: FLYING LOTUS
title: FLAMAGRA
release: 2019.05.22 wed ON SALE
日本先行リリース!

国内盤CD:BRC-595 ¥2,400+tax
初回盤紙ジャケット仕様
ボーナストラック追加収録/歌詞対訳・解説書付
(解説:吉田雅史/対談:若林恵 × 柳樂光隆)

国内盤CD+Tシャツセット:BRC-595T ¥5.500+tax
XXLサイズはBEATINK.COM限定

TRACKLISTING
01. Heroes
02. Post Requisite
03. Heroes In A Half Shell
04. More feat. Anderson .Paak
05. Capillaries
06. Burning Down The House feat. George Clinton
07. Spontaneous feat. Little Dragon
08. Takashi
09. Pilgrim Side Eye
10. All Spies
11. Yellow Belly feat. Tierra Whack
12. Black Balloons Reprise feat. Denzel Curry
13. Fire Is Coming feat. David Lynch
14. Inside Your Home
15. Actually Virtual feat. Shabazz Palaces
16. Andromeda
17. Remind U
18. Say Something
19. Debbie Is Depressed
20. Find Your Own Way Home
21. The Climb feat. Thundercat
22. Pygmy
23. 9 Carrots feat. Toro y Moi
24. FF4
25. Land Of Honey feat. Solange
26. Thank U Malcolm
27. Hot Oct.
28. Quarantine (Bonus Track for Japan)

Ezra Collective - ele-king

 今年もサウス・ロンドンを中心とするUKジャズ勢は精力的に活動をおこなっていて、先日紹介したザ・コメット・イズ・カミングヌビヤン・ツイストのほか、ココロコ、シード・アンサンブル、テオン・クロス、サラ・タンディ、ロージー・タートン、イル・コンシダード、ルビー・ラシュトン、アルファ・ミスト、シカダなどのアルバムがリリースされている。そうした中でもっとも注目を集めるのがエズラ・コレクティヴによる初のアルバム『ユー・キャント・スティール・マイ・ジョイ』だ。
 エズラ・コレクティヴはフェミ・コレオソ(ドラムス)とTJ・コレオソ(ベース)の兄弟を中心に、ジョー・アーモン・ジョーンズ(ピアノ、キーボード)、ディラン・ジョーンズ(トランペット)、ジェイムズ・モリソン(サックス)からなる5人組で、これまでサウス・ロンドンのジャズ・シーンを牽引してきたバンドである。トゥモローズ・ウォリアーズで出会った彼らは2012年にバンドを結成し、ライヴ活動中心に名を上げていき、ファラオ・モンチのヨーロッパ・ツアーでも演奏を務めた。作品はこれまでに「チャプター7」(2016年)、「ファン・パブロ:ザ・フィロソファー」(2017年)という2枚のEPをリリースしており、後者はジャイルス・ピーターソンの「ワールドワイド・アワーズ」で2018年度のベスト・アルバムに輝いている(便宜的にアルバムとカテゴライズされているが、実際にはミニ・アルバムだった)。南ロンドン勢の中でも特に高い人気を誇るグループで、ジョー・アーモン・ジョーンズは既にソロ・アルバムの『スターティング・トゥデイ』(2018年)をリリースし、他のメンバーも様々な作品に客演していたのだが、なかなかファースト・アルバムがリリースされてこなかったので、この『ユー・キャント・スティール・マイ・ジョイ』はまさに待望の一枚だ。

 エズラ・コレクティヴの音楽性の柱はジャズ、ジャズ・ファンク、アフロで、そこにレゲエ、ラテン、カリビアン、ヒップホップ、ブロークンビーツなどの要素も混ざってくる。特にアフリカ系のコレオソ兄弟が作り出すビートは、トニー・アレンをルーツとするアフロビートの影響を色濃く受けており、それがエズラ・コレクティヴ最大の特徴とも言える。そうしたアフロビートとジャズの結びつきに、扇情的なホーン・セクションが組み合わさって、エズラ・コレクティヴのサウンドは南ロンドン勢の中でもっともパワフルでダンサンブルなものとなっている。『ユー・キャント・スティール・マイ・ジョイ』はそうした彼らの姿を余すところなく伝えてくれる。演奏は5人のメンバーのほか、“ホワット・アム・アイ・トゥ・ドゥ?”でロイル・カーナーがヴォーカル参加。彼もちょうど『ノット・ウェイヴング、バット・ドローイング』を出したばかりと話題の人だが、そのアルバムにも参加していたシンガー・ソングライターのジョルジャ・スミスも“リーズン・イン・ディスガイズ”で歌っている。ほかにフェラ・クティのカヴァーの“シャカラ”にはココロコのメンバーも参加。パーカッションはファン・パブロというローマ教皇ヨハネ・パウロと同名のミュージシャンになっているが、これは「ファン・パブロ:ザ・フィロソファー」のときと同じくメンバーの変名クレジットだろう。

 オープニングの“スペース・イズ・ザ・プレイス”はサン・ラーのカヴァーで、「ファン・パブロ:ザ・フィロソファー」でもやっていたのだが、今回はそれとは異なるヒップホップ的アプローチによる演奏で、アルバム全体のイントロダクション的な役割を果たしている。アート・アンサンブル・オブ・シカゴを思わせるようなフリーキーなジャズから、最後はヒップホップ・ビートで締め括られる“ホワイ・ユー・マッド?”、レゲエ調の“レッド・ワイン”を経て、“クエスト・フォー・コイン”はブロークンビーツを取り入れた演奏で、クラブ・ジャズとの親和性の高いエズラ・コレクティヴらしいナンバーと言える。ジョルジャ・スミスをフィーチャーした“リーズン・イン・ディスガイズ”はネオ・ソウルを取り入れたもので、ロイル・カーナーをフィーチャーした“ホワット・アム・アイ・トゥ・ドゥ?”はヒップホップと、今のジャズらしいアプローチが続く。
 ここまでの前半の流れも悪くはないが、エズラ・コレクティヴらしさという点では後半のアフロビートを中心とした作品群に圧倒されるだろう。一口にアフロビートと言っても様々なリズムを繰り出しており、“ピープル・セイヴド”のようなロー・テンポのディープなタイプあり、“クリス・アンド・ジェーン”や“サン・パウロ”のようにラテンやカリビアン、サンバ・ビートと組み合わせた躍動的なタイプありと、とても幅広くて表情豊かだ。“キング・オブ・ザ・ジャングル”はスピリチュアルなアフロ・ジャズ、“ユー・キャント・スティール・マイ・ジョイ”はブロークンビーツ+アフロビートというダンサブルなサウンドだ。一方でジョー・アーモン・ジョーンズのソロ・ピアノによる“フィロソファーII”はスパニッシュ調のメロディによるクラシカルな作品。この曲の「ファン・パブロ:ザ・フィロソファー」でのヴァージョンはアッパーなアフロビートだったので、表現力の幅広さに驚かされる。最後はフェラ・クティの作品の中でも屈指の人気曲の“シャカラ”をカヴァーしていて、ココロコを交えた分厚いホーン・セクションが活躍する。エズラ・コレクティヴのライヴ・バンドとしての魅力が最大限に発揮された演奏と言えるだろう。彼らの演奏はリズムから組み立てられることが多く、アフロビートはその端的なものだが、そうしたビートが持つ生命力に貫かれたアルバムだ。

田我流 - ele-king

 stillichimiya の一員としても活躍する田我流のソロとしては実に7年ぶりとなる待望のサード・アルバム。前作『B級映画のように2』リリース以降も、バンド・プロジェクトである“田我流とカイザーソゼ”名義でのアルバム・リリースや、ヒップホップを中心とした数々のアーティストやプロデューサーの作品にゲスト出演を果たしたり、さらにライヴ活動も精力的に続けてきたことで、この7年間の彼に対する評価は常に上昇を続けている。その彼の魅力はリリックから滲み出てくる等身大の人間臭さや、その裏にあるユーモアの部分だけではない。常に真っ直ぐ芯を通しながらも、時にはやんちゃに振る舞ったかと思えば、しっかりと男としての色気すらも漂わせる。声の良さやラッパーとしての存在感の強さはもちろんのこと、ヒップホップとしての新しさもあれば、どこかオールドスクールなフレイヴァも匂わせ、山梨県を拠点に活動していることも、彼にとってはハンデどころか大きなプラスになっている。日本人ラッパーとして、これほどまでに全方位的な要素を備えている人物は他に見当たらず、本作『Ride On Time』は、そんな田我流の魅力が十二分に詰まった傑作だ。

 今回のアルバムでまず特筆すべきは、“Falcon a.k.a. Never Ending One Loop”名義で田我流自身が実質的にメイン・プロデューサーを務めているところだろう。これまで Falcon としてはビートCDや僅かなプロデュース作を発表してきただけであったが、本作ではその自らのサウンドによって見事にアルバム全体のカラーを作り上げている。さらに田我流にとっても代表曲である“ゆれる”を手がけた EVISBEATS を筆頭に、DJ UPPERCUT、Automatic (ゆるふわギャング)、VaVa、KM、ジュークのビートメイカーである Ace-up といった、実に幅広いメンツをプロデューサーとして揃え、この鉄壁な布陣によって作品として強度はさらに増している。これらの色彩豊かなサウンドに対して、田我流自身のラップも実にバラエティ豊かなスタイルを繰り広げており、“Vaporwave”のように敢えて今っぽいスタイルを取り入れたり、あるいは“Cola”のように歌を披露してみたり、自らの新しい引き出しを次々と広げている。もちろん、同時にタイトル曲“Ride On Time”や盟友、EVISBEATS との“Changes”のような彼自身の王道とも言えるスタイルも健在だ。

 フィーチャリングに関しては C.O.S.A. (“Wave”)とシンガーの NTsKi (“Anywhere”)とふたりのみであるが、いずれもゲストのカラーもしっかり反映された見事な出来で、さらにスキット“Small Talk From KB”での KILLER-BONG の存在感も絶妙なアクセントになっている。他にもイントロ明けの田我流節が全開な“Hustle”での鮮やかな疾走感であったり、ファースト・アルバム『作品集 JUST』からの続編である“Back In The Day 2”でのネタ使いも含めた良い意味でのイナタさや、素直に苦悩をリリックに綴った“Deep Soul”など、全ての曲が聞きどころと言えるほど、隙間なくアルバム全体に魅力が溢れている。頭から最後まで、じっくりと何度も何度も噛み締めてほしい作品だ。

JUST ZINE 3 Book issue - ele-king

 「JUST ZINE」とは“ライブやパーティに遊びに行った時に、カッコいい人達に口頭で頼んでページを作って貰うというコンセプト”で制作されているオムニバス形式のZINEで、アンダーグラウンド・シーンのアーティストやレーベル、ショップオーナーなどがページを彩っている。
 昨年末にリリースされた第3号は「Book issue」と題して、本や読書をテーマに、今回も熱い面々がテキストやアートワークを提供。ハードコアやヒップホップのシーンには密かに熱心な読書家が多く、各人の思い入れが白黒コピーのページから溢れている。 ネット通販は各店すでにほぼ Sold Out 状態、下高井戸トラスムンドなど限られたショップでしか手に入らないが、運良く出会うことができたらぜひ手にとってみてほしい。

JUST ZINE 3 Book issue

A5サイズ、28p(表紙除く)。
1,000円(税込)

参加者(掲載順)
NEUDAZE
SADSUMMER/マスヤマ
noise
HATE(MOONSCAPE/BOOT DOWN THE DOOR)
Rakuya Katagiri
馬場 裕介
ippei matsui
TRASMUNDO浜崎
Joji Nakamura
KTYL
YURI
e
373
ikm
You Suzuki
DEATHRO
中野 賢太
SOILEDDOVE
COTTON DOPE
WACKWACK
今里(STRUGGLE FOR PRIDE)
柿沼実(BUSHBASH)
THE JOB LOT CLUB

※下高井戸トラスムンドなどで販売中

『バンドやめようぜ!』 - ele-king

 6月1日(土曜日)、新宿のロフト・カフェ〈ロフト〉にて、ele-kingでも活躍中のライター/レーベル主宰者のイアン・マーティンとライター/写真家の久保憲司によるトークがあります。テーマは「日本と欧米のインディ・シーンは完全に死んでしまったのか」。熱いトークになるのか、あるいは捻くれ英国文化と直球日本文化の大いなるすれ違いになるのか……、まあ、たぶんその両方でしょうな。お酒でも飲んでひやかしに行きましょう。

https://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/116752

OPEN 18:00 / START 19:00
前売(web予約)¥1,500/当日¥2,000(+要1オーダー)
チケット予約
【ナビゲーター】イアン・F・マーティン vs 久保憲司
日本と欧米のインディ・シーンは完全に死んでしまったのか、ポップ・ミュージックに占領された
音楽シーンに未来はあるのか、こんな難しい話をしながらも今本当に面白い音楽を紹介しながら楽しくお酒でも飲みましょう。松田聖子から渋谷系、ナンバーガールからAKB48までを論じるイアン・F・マーティンに日本、欧米の音楽の問題点を聞きまくります。

Daniel Haaksman - ele-king

 もはや多様性は販促の道具である。ダイヴァーシティの称揚が「なんでもあり」の状況を誘発しかねないというのはだいぶまえから言われていた気がするけれど、いまやそれは完全に企業や資本にとってこそ有用な、使い勝手のいい概念に成り下がっている。多様性を褒めそやすことの何が問題かといえば、それが社会における異質なもの同士の敵対性や、そのような軋轢を生み出す構造それじたいを隠蔽してしまう点で、極論すれば「貧困だってひとつの個性でしょ」なんてことになりかねない。いや、「自己責任」が大人気のこの国ではすでにそうなってしまっているのかもしれないが、とまれ企業は多様な価値観を推奨しさえすれば善良なるイメージを獲得することができ、己が与し支えるシステムの歪みなんか気にせず、思う存分営利活動に邁進できるというわけだ。多様性は収益を生む。素晴らしい。

 ダニエル・ハークスマンはベルリンを拠点に活動するベテランのDJ/プロデューサーである。レーベル〈Man〉の運営などをとおしていわゆるワールド・ミュージックとベース・ミュージックとの境界を更新し続けてきた彼は、かつてコンピレイション『Rio Baile Funk』を編むことで世界じゅうにバイリ・ファンキを広めた陰の重要人物でもあるが、そのハークスマンにとって3枚目のスタジオ・アルバムとなるこの『With Love, From Berlin』は、国際都市としてのベルリンをテーマに掲げている。ベルリンという街がロンドンやパリと異なるのは、その国際性がグローバル企業や金融産業によってではなく、観光や外国人の(自然な)流入によって担保されている点である、とレーベルのインフォメイションは説明していて、ほんとうにそう言えるのかどうかは判断がつかないけれど、少なくともハークスマンはそのようにベルリンをレプリゼントしたいということだろう。ようするにベルリンは、資本主導ではないかたちで多様性が花開いた稀有な都市なんだよと、そういう話である。

 まずはシベーリの起用に嬉しくなる。彼女は偉大なるブラジル音楽の遺産とエレクトロニカの音響的冒険とを両立させるサンパウロ出身のシンガーソングライターで、2006年に『The Shine Of Dried Electric Leaves』という良作を残しているが(日本盤にはハーバートによるリミックスも収録、『21世紀ブラジル音楽ガイド』をお持ちの方は34頁を参照)、彼女を迎えた冒頭の“Corpo Sujeito”や、それに続く“La Añoranza”(こちらのゲストはバルカン・ビート・ボックスのサックス奏者オリ・カプランとペルーのデング・デング・デングなるグループ、そしてジャイルス・ピーターソンの「ワールドワイドFM」でも番組を持つ中南米音楽セレクターのココ・マリア)がもっともよく体現しているように、ソカなどアフロ・カリビアンのリズムを流用して骨格を成形しながら、そこにダブステップ以降のベースを注入、上モノや言語で世界各地の要素を際立たせつつ、それらすべてをリズム&サウンド的なベルリン式ダブの音響で包み込む──というのがアルバム全体の基本路線なのだけれど、ストリングスとコーラスが印象的な3曲目“Overture”によく表れているように、どの曲も音と音のあいだの空隙がほんとうに豊かだ。この音の間合いは、それぞれのマテリアルが互いに異なるもの同士であることを確認させる役割を担っていると言える。そのおかげで、さまざまな素材が同居しているにもかかわらず、ごちゃごちゃした感じはいっさいない。

 取り合わせの妙もまたこのアルバムの醍醐味だ。ポール・セント・ヒレアーを招いた4曲目“City Life”やトリを飾る“Wolkenreise”のバンドネオンとダブ、ザップ・ママの娘だというK・ズィアとシカゴの大物ロバート・オーウェンズを同時に呼び寄せたシングル曲“24-7”のレゲトン・ハウスなど、どの曲も巧みなさじ加減によりサウンド相互の異質性がしっかりと保護されている。全体の鍵を握るのは8曲目の“Occupy Berlin”だろう。タイトルからして反金融・反資本の機運に同調するこの曲は、背後に敷かれたシンセの持続音とブラカ・ソム・システマのカラフによる言の葉が、随所で乱れ舞うパーカッションの独特な響きとリズムを引き立てていて、音同士の闘いとでも言おうか、われわれリスナーの耳を大いに楽しませてくれる。

 とまあそんなふうにこのアルバムにはなんとも多彩な要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれているわけだけど、ぜんぜんこれ見よがしじゃないというか、エキゾ感を売りにするような側面は皆無で、かといって相対的な並列化に与するわけでもなく、すべての音がきわめてクールな佇まいで互いの特異性を示し合っている。多様性の称揚によって覆い隠される、個々の対立それじたいを救うこと──それはグローバル資本とはべつの角度からダイヴァーシティを捉え返そうとするハークスマンの、静かに燃えたぎるアティテュードの表れにほかなるまい。ベース・ミュージックのグローバルなあり方、ひいては安易な多様性の讃美それじたいを問い直す、刺戟に満ちたアルバムだ。

Panda Bear - ele-king

 リリースから3か月遅れのレヴュー。なので好きなひとはとっくに聴いておのおの感想を持っていることだろう。聴いてないひとは、パンダ・ベアが嫌いか,もう彼の表現に興味を持てないか、飽きたか、もしくは生活のなかに取るに足らない、役に立たない、無用な喜びを見出さないひとかもしれない。しかし彼のまったくぶれない夢想癖が好きなひとにとっては、じつはこの『Panda Bear Meets The Grim Reaper』以来、6枚目のソロ・アルバム『ブーイ』はけっこう良かったりする。評判の良かった『Panda Bear Meets The Grim Reaper』と『Tomboy』よりも、ぼくは新作のほうが良いと思っている。昨年、最初に“Dolphin”を聴いたときにそう思った。

 オートチューンを使って昨今のR&B/ヒップホップの影響を取り入れているからではない。パンダ・ベアの作品を特徴付ける音のがちゃがちゃした感じ、空間を埋めたがるやかましい感じが綺麗に整理されて、より奥行きのある音像になっているのがひとつ、で、もうひとつの長所はメロディラインが良い。音響工作にに関しては、思うに、前作でダブを意識したとはいえは、キング・タビーの最小限の音による広がる空間とはほど遠いダブをやったパンダ・ベアも、いやまてよ、ダブにはもっと空間(スペース)とミニマリズムが必要であると気がついたのかもしれない。
 アルバムは、“Dolphin”に続く“Cranked”と“Token”も良い流れになっている。

 この2曲にも魅力的なメロディがあるわけだが、本作のひとつのスタイルが明らかになっている。それはアコースティック・ギターと歌を基調にし、サンプル音か電子音が控え目にミックスされるというシンプルな構造だ。それはフリー・フォークと括られた時代の、在りし日のアニマル・コレクティヴを思い出させるかもしれないが、『ブーイ』に収録された9曲は1曲1曲が成熟している。
 なるべく良い音響再生装置で聴いて欲しいというのが〈ドミノ〉からのリクエストのようだが、それはたしかで、間違ってもPCやイヤフォンで満足しないように。なるべく大きな音量で、独立したスピーカーから音を出そう。わかっていると思うけど、パンダ・ベアの音楽に自己救済なんて求めても無駄。たとえあなたが窮していようとも、空想力で楽しいことや嬉しいことで頭を満たして、ただただ純粋に楽しめば良い。

Actress × Stockhausen - ele-king

 昨年ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラとの素晴らしいコラボ作をリリースしたアクトレスことダレン・カニンガム、その次なる野望が明らかとなった。このたび彼が取り組むのはなんと、シュトックハウゼン。かの巨匠については松村正人による『前衛音楽入門』をご一読いただきたいが、どうやらダレンにとってシュトックハウゼンはとびきり特別な作曲家だったらしく、現在かなり気合いの入ったプロジェクトが進行中のようだ。
 “Actress x Stockhausen Sin {x} II”と題された新たな作品は、合唱とピアノとエレクトロニクス、それにカーリーンのアルバムでも使用されていた A.I. のヤング・ペイントのために書き下ろされたもので、シュトックハウゼンが1995年に手がけた“世界議会 (Welt-Parlament)”の「リ・ヴァージョン」となる(“世界議会”は、1977年から2003年にかけて作曲された全7部構成の長大なオペラ『光 (Licht)』のなかの1部、「光からの水曜日 (Mittwoch aus Licht)」の第一場で、ちなみに第三場はかの名高き“ヘリコプター弦楽四重奏曲 (Helikopter-Streichquartett)”である)。同曲には、ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラの指揮者ロバート・エイムズやオランダ室内合唱団に加え、晩年のシュトックハウゼンのもとで学んだイタリアのピアニスト、ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼル(Vanessa Benelli Mosell)も参加しているとのこと。
 ダレン自身の弁によれば今回のプロジェクトの動機はふたつあり、ひとつはシュトックハウゼンに馴染みのない人びとに彼の音楽を知ってもらうこと、そしてもうひとつは彼の音楽を最近の政治情勢に結びつけることだという。労働党や保守党の現職議員たちによるディベート──テーマは“世界議会”と同じく「愛」──までフィーチャーされているそうだから、熱のこもったハーバートの新作同様、EU離脱問題で揺れるイギリスの現状が念頭に置かれていることはほぼ間違いないだろう。
 “Actress x Stockhausen Sin {x} II”は5月14日、ロンドンのサウスバンク・センター内にあるロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて初演される。もし渡英のご予定のある方はこちらをば。

● the Royal Festival Hall
https://www.southbankcentre.co.uk/venues/royal-festival-hall
● Actress x Stockhausen Sin (x) II
https://www.southbankcentre.co.uk/whats-on/136892-creating-actress-x-stockhausen-sin-x-ii-2019

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