「Nothing」と一致するもの

R+R=Now - ele-king

You can't help it. An artist's duty, as far as I'm concerned, is to reflect the times.
by Nina Simone

 「時代を反映させることはアーティストの責務である」とは、女性ジャズ・ピアニストでシンガーのニーナ・シモンによる名言のひとつである。彼女自身も1960年代の公民権運動に参加し、人種差別や女性差別などと闘ってきたのだが、そうした姿勢に影響を受けたアーティストは同じ黒人女性シンガーでもエリカ・バドゥ、ローリン・ヒル、ビヨンセなどジャズ界にとどまらず多い。そして、ニーナ・シモンのこの言葉に触発されて新たなプロジェクトが始まった。「Reflect+Respond=Now」、すなわち「R+R=Now」というのがこのプロジェクトの名前で、そこに参加するのはロバート・グラスパー(キーボード、ローズ)、テラス・マーティン(サックス、ヴォコーダー、キーボード)、クリスチャン・スコット(トランペット)、デリック・ホッジ(ベース)、テイラー・マクファーリン(キーボード、エレクトロニクス)、ジャスティン・タイソン(ドラムス)の6人。ロバート、デリックはロバート・グラスパー・エクスペリメント(RGE)で長らく共に活動しており、エスペランサ・スポルディングのアルバムにも参加してきたジャスティンは、最近になってそのRGEに加わったばかり。テイラーはジャズ・シンガーのボビー・マクファーリンの息子で、ヒューマン・ビートボクサー兼トラック・メイカーとして知られる。彼のアルバム『アーリー・ライザー』(2014年)にはロバートも参加したという間柄だ。ケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』(2015年)の共同プロデュースで名をあげたテラスは、学生時代からロバートとは知り合いで、彼のソロ・アルバムにもロバートはたびたびゲスト参加している。ロバートにとってLAシーンの橋渡しとも言える存在だ。クリスチャンはニューオーリンズ出身で、昨年はジャズ生誕100周年にちなんだ『ルーラー・レベル』『ディアスポラ』『ザ・エマンシペーション・プロクラスティネーション』という3部作を発表した。作品に政治・社会的なメッセージを持ち込むことがしばしばあり、トム・ヨークのアトムズ・フォー・ピースやXクランのツアーにも参加するなど、ジャズ・ミュージシャンでありながらオルタナティヴな活動も行っている。

 こうした面々が一同に集まったのは、昨年開催されたSXSWフェスティヴァルのこと。そのときのロバート・グラスパー&フレンズという名前のセッションが発展し、R+R=Nowへと繋がっていった。ロバートは2015年にニーナ・シモンのトリビュート・アルバム『ニーナ・リヴィジティッド』をプロデュースしており、そこにはローリン・ヒル、コモン、メアリー・J・ブライジなどが参加して、ジャスティンもドラムを叩いていたのだが、そうした流れが本プロジェクト名に繋がっているとも言える。また、昨秋から今年にかけてロバート、コモン、カリーム・リギンズによるオーガスト・グリーンというユニットが生まれ、「ブラック・ライヴズ・マター」にも繋がるアルバムを出していること、そしてテラスやロバートも参加した『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』から、クリスチャン・スコットによるミクスチャーな要素の高いコンテンポラリー・ジャズなど、そうした一連の動きを集約したアルバムと言えるのが『コラジカリー・スピーキング』である。6人のメンバーのほかにも、シンガー・ソングライターのゴアペレ、ムーンチャイルドの紅一点のアンバー・ナヴラン、モス・デフ改めヤシーン・ベイ、ラッパーのスターリーなどが参加している。

 サウンド面を見ると、テラス・マーティンがヴォコーダーを披露する“チェンジ・オブ・トーン”や“アウェイク・トゥ・ユー”を筆頭に、大まかにはRGEの延長線上にあるアルバムであるが、随所にクリスチャン・スコットだったり、テイラー・マクファーリンだったり、メンバーのカラーが生かされている。“チェンジ・オブ・トーン”はロバート・グラスパーのピアノ・ソロもフィーチャーされており、ロバートとテラスがプロジェクトの両輪を担っていることが伺える。ただし、中間からテイストが変わってアンビエントな展開を見せるところは、テイラー・マクファーリンのエレクトロニカ的な楽曲の要素も強いなと感じさせる。“アウェイク・トゥ・ユー”の方もメロウでアンビエントなテイストが強いのだが、サンダーキャットや〈ブレインフィーダー〉の諸作に通じるLA風味を感じさせるのは、テラスならではというところだろう。そうしたアンビエントな雰囲気を引き継いで始まる“バイ・デザイン”はインスト曲だが、全体のムードとしてはムーンチャイルドやキングあたりのジャジーなネオ・ソウルに近いかもしれない。リズム・セクションの面白さでは“レスティング・ウォリアー”があり、デリック・ホッジとジャスティン・タイソンによるスリリングな変拍子が冴える。クリスチャン・スコットのエフェクトをかけたトランペットの音色もクールで、RGEにはトランペットが無いだけに、また異なった魅力を放っているだろう。全体的にジャズ・ロック的な曲調となっているが、そんなところもクリスチャンらしいオルタナ感覚の表われである。“ニーディッド・ユー・スティル”はメロウなマナーのトラックにヴォコーダーを乗せ、途中でオマリ・ハードウィックのラップ・スタイルのヴォーカルもフィーチャーされる。この曲やスターリーをフィーチャーした“リフレクト・リプライズ”は、コモンも参加するオーガスト・グリーンに近いタイプの曲であり、ヒップホップ作品にも多く関わるテラスとグラスパーらしさが表われている。

 アルバム全体を通じてテラス・マーティンのヴォコーダーが印象に残り、“カラーズ・イン・ザ・ダーク”もそうした1曲。テラスにしろ、ロバートにしろ、1970年代後半のハービー・ハンコックからの影響が強いことを感じさせると共に、後半にかけてのジャスティンのエキサイティングなドラミングも聴きどころ。“ザ・ナイト・イン・クエスチョンズ”はグナワ音楽のようなリズムに、クリスチャンのエキゾティックなトランペットをフィーチャー。彼の次のアルバムにも収録予定の楽曲だそうだ。デリックのベース、テラスのシンセにアマンダ・シールズのラップを乗せた空間的な“ハー=ナウ”を挟み、“レスポンド”でもデリックのベースがメロディアスな旋律を奏でる。この曲はロバート抜きの演奏で、デリックのベースとクリスチャンのトランペットが主役となっている。そして、“ビーン・オン・マイ・マインド”は浮遊感に満ちたアンバー・ナヴランのヴォーカルが印象的。幻想的な音処理がされたこの曲に顕著だが、RGEやテラス、クリスチャンなどのソロ作などと『コラジカリー・スピーキング』との違いを上げるなら、本作にはアンビエントな音響空間作りの意識が強いということになるだろう。そうした点で、RGEの『ブラック・レディオ』などからまた進化し、今の新しいジャズの空気感を反映させたのが『コラジカリー・スピーキング』である。

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN 2018 - ele-king

 

OUTLOOK FESTIVAL 2018 JAPAN LAUNCH PARTY
開催日時:2018.8.10 (FRI/Before Holiday)
会場: clubasia + VUENOS (2Venue circuit ) , Tokyo  www.clubasia.jp
開催時間 : 21:00 OPEN
料金 : 前売 3,000円 / 当日 4,000円
clubasia : 東京都渋谷区円山町1-8 1F&2F
+ VUENOS : 東京都渋谷区道玄坂2-21-7 1F&B1F
TEL. 03-5458-2551

ベース・ミュージックとサウンドシステムの世界的祭典「OUTLOOK FESTIVAL」 の 「JAPAN LAUNCH PARTY」 
2018年8月10日(金/祝前) 東京 渋谷 clubasia + VUENOSの周遊4フロアー!!!
ラインナップ発表!!

毎年9月にクロアチアの半島を貸し切って開催される世界最大のベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャーのフェスティバル『Outlook Festival』
ヨーロッパで数々のフェスティヴァル・アワードを受賞する超人気フェスで毎年5万人を超えるオーディエンスが世界各地からクロアチアの半島に集まり、ローマ時代のコロシアムや城塞の遺跡、ビーチ、船上パーティといったアドリア海に面した奇跡的なロケーションで行われる巨大イベントだ。 11周年を迎える今年も既に強烈なラインナップがアナウンスされており100都市近くのクラブ・パーティーと連携し世界中でワールドツアーとして開催されるローンチ・パーティの日本版が「OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTY」である。中でも規模・クオリティ共に本場ヨーロッパまで噂が轟いているのが日本版ローンチ・パーティであり、日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結しアジア最高峰のサウンドシステムでプレイする“アジア最強の都市型ベース・ミュージック・フェス"として世界中から注目を集めている。
さらに世界中で話題沸騰中の「レッドブル・カルチャークラッシュ」の日本版とも言える「OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH」や コンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN」のファイナルラウンドも見どころであり各フロアに設置される日本屈指/最強のサウンドシステム、レーベル毎のショウケース等、普段のクラブ・イベントでは見れない企画で満載だ。2013~14年 AgeHa/Studio Coast、2015年 Sound Museum Vision、2016年には代官山 UNITビルを丸ごと使用した3フロアー、2017年より clubasia + VUENOS の2 Building 周遊 4 Floor ナイトタイムでの開催!!! 
 
サウンド システム カルチャーを牽引する世界屈指のSOUND SYSTEM『eastaudio SOUNDSYSTEM』 SOUNDSYSTEM AWARDS"Highest Sound Quality"2013年度受賞。
サウンドスラッガーやOUTLOOK JAPAN LAUNCHでその実力は実証済みの『MAXTONE HI-FI 』 BACK TO CHILLに照準を合わせたサウンドシステムとして洗練された重低音を再生するシステムとして鍛え上げられてきた『BROAD AXE SOUND SYSTEM』の 3 SOUND SYSTEM!!
  そして JP出場権をかけたコンテスト「ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018」接戦となったセミファイナルを制した『savo』『kaito komori』『Nishiura』の3組がこの日、当日「FINAL ROUND」現場で決戦!! 
そして『OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH』 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ『SHORT-ARROW & NINETY-U』!!   TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなる『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!? どんなゲストアクトがステージに登場するのか!? ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦!意地とプライドを賭けた音の戦い!
全てが見逃せない夜がまたやってくる!!


:: FULL LINE UP ::
JONNY DUB (LEVELZ) from UK
PART2STYLE SOUND 
KURANAKA1945
TREKKIE TRAX CREW
PK Brako from UK
CRZKNY
RED-I from MANILA
D.J.Fulltono
食品まつり a.k.a FOODMAN
ShioriyBradshaw
DJ WILDPARTY

 ※ 以下 A to Z
Amps
CHANGSIE
FELINE
HELKTRAM & CITY1 from Back to Chill 
iSOP
Ja-ge George
K8
KEN & SATOSHI from HANGOVER
Madkosmos
maidable 
MIDNIGHT ROCK
NATURAL VYBZ
ONJUICY
SAKO
STGM
SYNDROME & MC STONE
Tribal Connection
VIBES MAFIA
Vibes Only Crew
And more!!!

[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

[ ROAD TO OUTLOOK JAPAN 2018 FINAL ROUND ]
savo from SHURISQUAD 
vs 
kaito komori 
vs 
Nishiura

:: SOUND SYSTEM ::
eastaudio SOUNDSYSTEM
MAXTONE Hi-Fi
BROAD AXE SOUND SYSTEM

:: FOOD ::
新宿ドゥースラー

 >>> https://outlookfestival.jp/lineup



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[ OUTLOOK JAPAN SOUND CLASH ]
NEW KID'N PLAY (DJ GEORGE & MC MOGGYY) 
vs
Double Clapperz
vs
SHORT-ARROW & NINETY-U
and Guest Acts

>>> https://outlookfestival.jp/soundclash

「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる『OUTLOOK.JP SOUND CLASH』 日本を代表するベース・ミュージックの代表格3組が激突するあの熱い戦いが今年も繰り広げられる!一点モノのオリジナル・キルチューン(ダブ・プレート)をプレイしあう音楽の戦争、サウンドクラッシュ! 

 今年の出場者は『#_O_M_G_』TOKYO等でも活躍する 関西HipHop界の最重要人物 DJ GEORGEと盟友MC MOGGYYによる『NEW KID'N PLAY』!! 北海道 函館シティーMUTANT RAGGA『MDS CREW』のドン SHORT-ARROWと九州福岡を代表するREGGAE DEEJAY NINETY-Uのコンビ!!  TOKYO GRIMEシーンの中心、UKDとSintaからなるグライムプロデューサー・デュオ『Double Clapperz』が満を持して参戦!! 今年はどんなダブが乱れ飛ぶのか!?どんなゲストアクトがステージに登場するのか!?ジャンル枠を越えた猛者が集う異種格闘技戦 全てが見逃せない夜がまたやってくる!!

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毎年恒例 OUTLOOK_JPの出演権を賭けたDJコンテスト
[ ROAD TO OUTLOOK JP 2018 FINAL ROUND ]
savo fr.SHURISQUAD vs kaito komori vs Nishiura

毎年ジャンルの壁を越えた猛者が集う異種格闘技コンテスト『ROAD TO OUTLOOK JP』 昨年のファイナリストは、首都圏/関西の実力者、ニューカマーらを抑え、 札幌、福岡 地方都市の Bass Music系パーティーでプレーする豊富な現場経験を持つDJらが勝ち上がり、 初の本祭現場での決戦をダブ・プレートを駆使した NoB が勝利! 過去のチャンピオンには、大阪のPaperkraft、Drum and Bass Producer/DJのDJ MASA、福岡在住iSOP、Back to Chill等で活動するYuittyらが名を連ねる。 本年度もセミファイナルを勝ち抜いた3組による 8/10 OUTLOOK JP 当日現場でファイナルジャッジ!!! 

最終投票結果(いいね!の数)
1位 savo fr.SHURISQUAD - 405票
2位 kaito komori - 370票
3位 Nishiura - 340票

すべての応募者、投票していただいた皆様にRespect!!
上記3組が8月10日(金/祝前)OUTLOOK JP 当日現場で開催されるファイナルに進出します!
次はファイナルの会場で皆さんのジャッジをお待ちしております!!

>>> https://outlookfestival.jp/contest

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Outlook Festival 2017 JAPAN LAUNCH PARTY PHOTO HIGHLIGHT 公開!
>>> https://outlookfestival.jp/photogallery

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Outlook Festival 2017 Highlights
>> https://youtu.be/PWSYi6vQRxg

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[ WHAT IS OUTLOOK? ]
OUTLOOK FESTIVALとは? 毎年9月にクロアチアで開催される世界最大の“ベース・ミュージックとサウンドシステム・カルチャー”のフェスティバルである。UKではフェスティバル・アワードなどを受賞する人気フェスで、オーディエンスが世界各地から集まり、400組以上のアクトが登場。このフェスのローンチ・パーティは、世界各国100都市近くのクラブ/パーティと連携して開催され、その中でも本場UKまで噂が轟いているのが、日本でのOUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYである。 

OUTLOOK FESTIVAL JAPAN LAUNCH PARTYは 日本を代表するベース・ミュージックのプレイヤーが集結し、アジア最高峰のサウンドシステムでプレイする、いわばアジア最強のベース・ミュージックの祭典である。さらに世界中で話題沸騰中の「Red Bull Culture Clash」の日本版ともいえる「OUTLOOK.JP SOUNDCLASH」も見どころのひとつであり、他のクラブ・イベントでは見れない企画が満載。

KATE NV JAPAN TOUR 2018 - ele-king

うー、午前3時間の試合は生活のリズムが狂いますなー。しかし、泣いても笑っても今週までです。
で、ロシアといえば、じつは今週から来週にかけて、モスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクトKate NVが単独としては初の来日ツアーをしています。

2016年に〈Orange Milk Records〉からリリースしたファースト・アルバム『BINASU』がシンセ・ポップ傑作として各所で絶賛され、その類い稀なるセンスは現代エクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベル、 〈RVNG Intl.〉の目にとまり、契約を果たし、ぐっとミニマルなエレクトロニック~アンビエント・ミュージックへアプローチしたセカンド・アルバム『для FOR』を6月に発売予定。さらにはAngel Deradoorianとの共作でも注目を集める中、絶好のタイミングでの来日となります。

今回の来日公演では、シンセポップ的な『BINASU』セット、ミニマル〜アンビエント寄りの『RVNG』セットの両方を披露する予定です。是非ご来場ください。


https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/news/kate-nv-japan-tour-2018/





PLANCHA 10th Anniversary Vol.2

KATE NV JAPAN TOUR 2018

7/16(月・祝): 大阪 @SOCORE FACTORY (BINASU / RVNG mix set)
7/19(木): 東京 @KATA (RVNG set)
7/20(金): 東京 @KATA (BINASU set)
7/21(土): 新潟 @木揚場教会 (BINASU / RVNG mix set)



 

大阪公演
Kate NV Japan Tour 2018
Osaka Supported by POW




日程:2018年7月16日(月・祝)
時間:開演/16:00
会場:大阪 @SOCORE FACTORY [https://socorefactory.com]
料金:前売2,500円(1ドリンク込) / 当日3,000円(1ドリンク込)

LIVE:
Kate NV [BINASU / RVNG mix set]
テンテンコ
CVN

DJ:
BIOMAN
souj
miharu
POW (zico, BABY)

※チケット予約は『POW 前売り予約フォーム』からご予約が出来ます
【https://goo.gl/forms/TN3VpYTumsyQHTU42】
お名前、メールアドレス、枚数をご記入のうえ送信ボタンを押してください。

主催:POW
https://popowpowpow.tumblr.com/


 

東京公演①
Kate NV Japan Tour 2018
Tokyo Day 1 [RVNG set]



日程:2018年7月19日(木)
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿 @KATA [https://kata-gallery.net/]
料金:前売3,000円(別途1ドリンク代) / 当日3,500円(別途1ドリンク代)
(Day 2にもご来場の方は500円のキャッシュバック)

LIVE:
Kate NV [RVNG set]
dip in the pool (Special Guest)
角銅真実

DJ:
Shhhhh

主催:PLANCHA


 

東京公演②
Kate NV Japan Tour 2018
Tokyo Day 2 [BINASU set]



日程:2018年7月20日(金)
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
会場:恵比寿 @KATA [https://kata-gallery.net/]
料金:前売3,000円(別途1ドリンク代) / 当日3,500円(別途1ドリンク代)
(Day 1にもご来場の方は500円のキャッシュバック)

LIVE:
Kate NV [BINASU set]
Aya Gloomy
emamouse

DJ:
青野賢一(BEAMS RECORDS)


主催:PLANCHA


 

新潟公演

experimental room #28
Kate NV Japan Tour 2018
Niigata



日程:2018年7月21日(土)
時間:開場 17:00 / 開演 17:30
会場:木揚場教会(新潟市中央区礎町通上一ノ町1957/TEL 025-229-1870)
料金:前売 3000円/当日3500円/県外2500円/18才以下無料

LIVE:
Kate NV [BINASU / RVNG mix set]
NYANTORA
LIVING ROOM

DJ:
IXALODS

SHOP:
OOHATA COFFEE

◯前売券メール予約ご希望の方は件名を
「7/21チケット予約」としてinfo@experimentalrooms.comまでご氏名・枚数をお送り下さい。

主催:experimental rooms
https://www.experimentalrooms.com
info@experimentalrooms.com

 


KATE NV:
ロシアはモスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。また、同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらと平行してソロとしてNVを始動させ、2014年にジャパニーズ・ポップスやニュージャックスウィング、90’s R&Bなどの影響を感じさせるEP『Pink Jungle』を発表し注目を集め、同年、Red Bull Music Academy Tokyoで初来日を果たす。2016年に待望のソロ・デビュー・フル・アルバム『Binasu』を2016年にGiant ClawとSeth Graham主宰の重要レーベル、Orange Milkからファースト・アルバム『BINASU』をリリース。各所で絶賛され、世界各国をライヴで飛び回る。その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、同レーベルからセカンド・アルバム『для FOR』のリリースが決定した。

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Artist: Kate NV
Title: для FOR
Cat#: ARTPL-104
Format: CD / Digital

※解説:館脇悠介
※日本のみでCD化
※ボーナス・トラック:食品まつり a.k.a foodman Remix収録

Release Date: 2018.06.15 ※日本先行発売
Price(CD): 2,000 yen + 税

ロシアはモスクワをベースに活動する才女Kate Shilonosova(ケイト・シロノソヴァ)によるソロ・プロジェクトが名義をNVからKate NVに変更し、エクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.に移籍しての新作『для FOR』を完成。

more info

 


Artist: NV
Title: Binasu
Cat#: ARTPL-081
Format: CD
解説: Dirty Dirt
※歌詞・対訳付き
※日本のみでCD化
※ボーナス・トラック2曲収録

Release Date: 2016.11.02 ※タワーレコード先行(10/19)発売
Price(CD): 1,900 yen + 税

ロシア発!ポストGrimes的シンセポップ超新星NVが遂に日本デビュー!
ボーナス・トラックにDeradoorianとの共演曲「Konicchiwaa (ft. Deradoorian)」収録!

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大阪公演出演者

 


テンテンコ:

1990年8月27日生まれ。北海道出身。身長142cm。 2013年BiSに加入し、2014年の解散とともにフリーランスとして活動を始める。 2016年にTOY’S FACTORY / MIYA TERRACEとマネージメント契約。 「90年代からの日本の”インディー霊”を全て背負っているといっても過言ではない、ヴァリエーションに富んだアヴァンギャルド表現者」と人は彼女を評し、オーバーグランドとアンダーグランドを自由に行き来し、朝から真夜中まで型にはまらない聖域なき活動を行っている。

WEB : https://tentenko.com
Twitter : https://twitter.com/tentenko_ooo?lang=ja
Blog : https://tentenko142.blogspot.com

 


CVN:

Grey Matter Archives主宰

Orange Milk, Where To Now?, Angoisse, CNDMM, Solitude Solutionsなどから作品をリリース

https://greymatterarchives.club/
Soundcloud : https://soundcloud.com/cvntrack

 


BIOMAN:

奈良県出身、大阪市在住。DJ、デザイナー、イラストレーター。音楽関係を中心にデザイン及びアートワークを多数手掛ける。DJではアートプログラムからクラブイベントまで幅広い分野に出演。DJ集団、風工房’98の一員でもある。所属する“青春ビザールディスコバンド”neco眠るではシンセサイザーを担当、2014年に発売された2ndアルバム『BOY』ではメインコンポーザー及びジャケットデザイン・ディレクションを務める。2015年にはイラストレーターの沖真秀との二人展「赤ちあん」を開催。

BIOMAN info : https://bio-man.net
Soundcloud : https://soundcloud.com/bio_man
Facebook : https://www.facebook.com/bio.man.37

 


souj:

dark jinja主宰

Soundcloud : https://soundcloud.com/user-656605415

 


miharu:

京都市在住20歳。幼少期より音楽に親しむ。高校生の時に作った和モノセレクト集「和モノ high school mellow」や「日本メロウ大学」がネットレーベルAno(t)raksより配信。現在は「Light Mellow West」「木菟燈籠」「City」等に出演し、関西を中心に活動している。

Twitter : https://twitter.com/rinpa1120 

 

東京公演①出演者

 


dip in the pool:

1983年に作/編曲を担当する木村達司(track)と、作詞担当の甲田益也子(vo)が結成したデュオ。独特の音楽センスとファッショナブルなヴィジュアルが話題を呼び、86年にイギリスはROUGH TRADEよりデビュー。国内では86年MOON RECORD(現在はワーナーミュージック内のレーベル)よりデビューアルバムをリリース。過去にレコーディング参加したミュージシャンは、佐久間正英、清水靖晃,、窪田晴男、富家哲、トニー・レヴィン、ミノ・シネル、モーガン・フィッシャー、ピーター・シェラー(アンビシャス・ラバーズ)、といった個性豊かな実力者ばかりであった。
マイペースな活動と並行して、甲田益也子が89年に映画『ファンシイダンス』で役者としてもデビューし、映画『白痴』では主演をつとめた。木村達司は他アーティストのプローデュース、アレンジやCM、映画音楽制作等、個々の活動も多彩に展開している。
一時期の活動休止を経て2011年に本格的に再始動、14年ぶりになるアルバム「brown eyes」をリリース。
2013年には木村達司がモーガン・フィッシャー、安田寿之と共にアンビエント・エレクトロニカ・アルバム「Portmanteau」をリリース。甲田益也子がゲストボーカルとして4曲参加している。
2015年1月に伊藤ゴロー、古川初穂らをゲストに迎えた10枚目のアルバム『HIGHWIRE WALKER』をリリース。
2016年にアムステルダムに本拠を置き世界中に多くのファンを擁する復刻レコード専門レーベルMusic From Memoryから89年に発表した「On Retinae」が12 inch・シングルとしてリイシューされ世界的に再評価される。
2017年にはアメリカのアンビエント・デュオVisible Cloaksからの依頼を受けシングルを共作リリースし、来日イベントでは共演も果たしている。
2018年6月には初のオーストラリア・ツアーを行う。

https://dipinthepool.com

 
photo by Tatsuya Hirota
角銅真実:

音楽家 打楽器奏者
マリンバをはじめとする色々な打楽器、自身の声、身の回りの気になるあらゆるものを用いて、インスタレーションやアートプロジェクトでの制作、ダンスや映像作品、CMへの楽曲提供、制作など作家としての自由な表現活動を国内外で展開中。
2017年Basic functionより初のソロアルバム”時間の上に夢が飛んでいる”を発表。ドラマーの石若駿のEP”Song book1,2”ともに歌詞と歌唱で参加。
また、2016年よりバンドceroのパーカッション・コーラスでのライブサポートやアルバム制作に関わるほか、
2018年ポーランド ワルシャワ のKrolikarnia 美術館で展示されたインスタレーション形式の映画、Square/Karolina Bregla の音楽を担当した。

https://manamikakudo.wordpress.com/
https://twitter.com/kakudouma

 


Shhhhh  (El Folclore Paradox):

DJ/東京出身。オリジナルなワールドミュージック/伝統伝承の発掘活動。フロアでは民族音楽から最新の電子音楽全般を操るフリースタイル・グルーヴを発明。
13年に発表したオフィシャルミックスCD、『EL FOLCLORE PARADOX』のコンセプトを発展させた同名レーベルを2017年から始動し、南米からNicola Cruz、DJ Spaniolらを招聘。ブラジルのパーティ/アートコレクティブ集団、VoodoohopのコンピレーションLP『Voodoohop Entropia 1.5』のプロデュースなど。
dublab.jpのレギュラーや、オトナとコドモのニュー・サマー・キャンプ”NU VILLAGE”のオーガナイズチーム。
ライナーノーツ、ディスクレビューなど執筆活動やジャンルを跨いだ海外アーティストとの共演や招聘活動のサポート。
全国各地のカルト野外パーティー/奇祭からフェス。はたまた町の酒場で幅広く活動中。

https://soundcloud.com/shhhhhsunhouse
https://twitter.com/shhhhhsunhouse
https://www.facebook.com/kanekosunhouse

 

東京公演②出演者

 


Aya Gloomy:

Aya Gloomy(アヤ・グルーミー)1994年生まれ、 東京都出身。 高校生の頃から曲を作り始め、 作詞作曲アートワーク全て自身で行っている。

2017年2月、 初のデビューEP『Ennui Ground』を原宿のレコード・レーベル BIG LOVE Records の新レーベル「STBO Records」からリリースした。

2018年4月25日にファースト・アルバム『陸の孤島/RIKU NO KOTŌ』を発売。

https://twitter.com/aya_gloomy
https://soundcloud.com/ayagloomy

 


emamouse:

現代アート的電波アイドル風ハードコア調シンガー・トラックメイカー。
現実逃避で没入したゲームの世界(仮想空間)を、仮装することで現実世界とアイデンティファイしている。
つまり皮膚という設定のマスクを被って2015年よりLIVE活動を開始。自身をモチーフとしたイラストレーションや、実際には無いゲームのサウンドトラックを制作。
Psalmus Diuersae、Visual Disturbances、Gauss PDF等のレーベルから音源をリリース。
2018年、NZのトラックメイカーyeongrakの曲をRemixしたアルバムをQuantum Nativesからリリース。同作にてTiny Mix TapesのEUREKAを獲得。

https://emamouse.bandcamp.com/
https://twitter.com/emamouse

 


青野賢一(BEAMS RECORDS):

個人のソフト力を主に社外のクライアント・ワークに生かす「ビームス創造研究所」に所属するクリエイティブディレクター。音楽部門〈ビームス レコーズ〉のディレクターも務める。また、ファッション、音楽、映画、美術、食といった文化全般を横断的に論ずる文筆家としても活躍。『CREA』(文藝春秋)、『ミセス』(文化出版局)などに連載を持つ。DJとしては1987年より活動開始。現在のクラブでのレギュラーイベントは山崎真央、ANGELYUKA(水原佑果)、最高の夏と行っている「SUNDAY DISCO SESSION 日曜日が待ち遠しい!」(青山zero)。

https://twitter.com/kenichi_aono

 
 
 

新潟出演者

 


Nyantora:

ナカコーのアンビエント・プロジェクト「Nyantora」。ナカコーの中で最長キャリアのプロジェクト。2001年、「99-00」(2001年5月9日)をリリース。その後、「COSMOS」(2003年4月2日)、「夜を忘れなさい/97-03」(2006年1月27日)、「この作品はフェードインフェードアウトで構成されています 音があらわれては消えるその繰り返しただそれだけ」 (2009年12月1日)、「White EP」(2011年5月18日)、「duenn feat. Nyantora」(2012年1月12日)をリリース。そして、完全受注版「High Strangeness」(2013年10月30日)をリリースした。コンスタントにリリースをしていたものの、特にライブ活動はなかった。しかし、2014年6月にプライベートでも親交のあるduenn氏のイベントより、待望のライブ活動をスタートさせた。長きにわたり多種多様な音楽を作リ出すナカコーの、音響に精通した世界観が遂に体感できるようになった。FUJI ROCK、RISING SUN ROCK FESTIVAL、OTO TO TABIなどのフェスや、トリエンナーレ、更にはロック・アーティストとの対バンまで幅広く出演している。また、Nyantora+duennのライブ音源が日本人としては、前人未到のベルギーのエクスペリメンタル・レーベル『Entr’acte』からリリースされるなど、海外でも評価がひろがり始めている。そして2018年6月20日Nyantoraとしては、7年振りとなる全国流通版のCD「マイオリルヒト」を発売する。

KOJI NAKAMURA
KOJI NAKAMURA soundcloud
MELTINTO (JP label)
SLOWDOWN (JP label)
ENTR’ACTE (BE label)
DUENN (JP label)
NOON (JP label)
SUPAERCAR
LAMA

 


Living Room:

Tatsuya Saitoによるソロプロジェクト。主に現行のエレクトロニックミュージックに影響を受け、2015年より活動。ジャパンレーベル「Solitude Solutions」のコンピレーションアルバムに参加。DJとしても活動。

LIVING ROOM soundcloud
SOLITUDE SOLUTIONS (JP label)

 


Ixalods:

国内外の先鋭的なアーティストを招聘し、アート・エキシビションやクラブ・イベントなどを行うイベント・プロジェクト、red race riot!を主宰し、またDJとしても活動するjacob(ヤコブ)と、電子音響+映像ユニットのmikkyozとしての展示やパフォーマンス、またソロとしてもライヴやDJを行うle(レ)のふたりによるDJユニット。

RED RACE RIOT!
MIKKYOZ

Interview with JACOB
Interview with MIKKYOZ

Silent Poets - ele-king

 静謐な空間をヘヴィーな低音と蒼く燃え上がるような熱を内包した繊細な詩情で満たしてきた下田法晴のプロジェクト、SILENT POETS。1992年のデビューから25周年を迎えた今年2月、長きに渡る沈黙を破り、12年ぶりにリリースしたアルバム『dawn』を携え、渋谷WWWにて、デビュー後、初となるバンド編成によるライヴを行った。

 “マッシヴ・アタックに対する日本からの返答”と評されながら、アシッド・ジャズやトリップホップ、アブストラクト・ヒップホップ、ダウンテンポなど、そのときどきのトレンドやサウンド・フォーマットに身を委ねることなく、ハイブリッドな音楽性とストイックなサウンドデザインを確立した独創的な音楽世界はバンド形態でどのように具現化されるのか。また、ベース・ミュージックが飛躍的な進化を遂げる一方、90'sリヴァイヴァルが音楽シーンに新たなインスピレーションをもたらしている2018年にSILENT POETSの楽曲は果たして、どう響くのか。

 開演時間を過ぎ、暗転したステージには、バンドマスターであるギターの小島大介(Port Of Notes)以下、ベースのSeiji Bigbird(Little Tempo)、キーボードのYOSSY(ex - DETERMINATIONS / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)、ドラム/パーカッションの小谷和也(PALMECHO)、チェロの徳澤青玄、ヴァイオリンのグレート栄田、越川歩と共にバンドのエレクトロニクスを一手に司る下田が登場。さらにPA卓にはDub Master Xが陣取り、スタッフロールを皮切りに、ステージのバックエンドに映し出された映画さながらの美しい映像と共に、オープニング・ナンバー“Distant Memory”にフィーチャーされた厚みのあるストリングスがオーディエンスをSILENT POETSのエモーショナルな世界へとゆっくりと引き込むと、サンプリングとプログラミングで構成された楽曲をリアレンジしたバンド・サウンド、その揺れやうねりはノスタルジーをまとうことなく、曲の根幹を成す喜怒哀楽を鮮やかに浮かび上がらせた。

 そこにさらに2000年にSILENT POETSを脱退し、現在はLittle Tempoで活動するサックスの春野高広、トランペットの坂口修一郎(Double Famous)、トロンボーンのicchie(ex - DETERMINATIONS / YOSSY LITTLE NOISE WEAVER)からなるホーン隊をフィーチャー。 12年前の楽曲である“Future“ではやわらかさを、20年以上前の“Bassman's Talk”ではソウルフルなあたたかみを際立たせたかと思えば、立体音響の匠であるDub Master Xのミキシングが高解像のスピーカー“FUNKTION-ONE”のフルレンジを最大限に活かして、新作からの楽曲であるディープ・ダブ“Division of the world”をより深く、ステッパーズ・チューン“Non Stoppa”をより重厚に鳴らしてみせた。

 また、その作品では作者である下田とリスナーが一対一で対峙することで深く響く楽曲がこの日のライヴでは、脱退した春野高広と下田の共演が象徴するように、人が行き交い、出会い、再会する場として機能していたことも新鮮な体験だった。'99年の『HIBAHIHI+SILENT POETS 001』以来のコラボレーションとなる“Eternal Life”で登場したNIPPS、古くから親交はありながら、“Rain”で初の共演を果たしたこだま和文の2人は、舞台裏でNIPPSがNY在住時以来の再会を果たしたといい、リスナーにとっては“Tokyo”にフィーチャーした5lackをはじめ、ダブ詩人の山崎円城(Noise On Trash、F.I.B JOURNAL)やヴォーカリストの武田カオリ(TICA)、asuka andoといったゲストが体現するSILENT POETSのエクレクティズムに実感をもって立ち会えた瞬間でもあった。

 そして、そのエクレクティズムは、2000年代のリヴァイヴァルを経て、近年、ジャンルに収まりきらないマージナルなレゲエ、ダブにさえ光を当てている“バレアリック”にも通じるものだ。新作に迎えた櫻木大悟(D.A.N.)のヴォーカル・フレーズを強烈なディレイで飛ばしたスローモーなハウス・トラック“Simple”はそのことを雄弁に物語る楽曲であったし、この日のラストに披露された'93年作のエレガントなダブ・ハウス“Moment Scale (Dubmaster X Remix)”はそれこそ名作コンピレーション『Cafe Del Mar』に収録された正真正銘のバレアリック・クラシックであることをまざまざと思い起こさせ、また、その楽曲が2018年においても瑞々しく響くことを見事に証明してみせた。

 この25年で音楽シーンは大きく様変わりしたが、その変化があるからこそ、不変の音楽もまた際立つ。新しいものが瞬く間に古くなる時代に不変の音楽を不言実行で作り続ける強い意志を胸に秘めたSILENT POETSだが、一夜限りにしてはあまりに惜しいライヴに対する熱いリアクションを受け、明言したライヴ活動の継続、そして、さらなる新作の制作へとその活動は今後も続いていくはずだ。

Sea Level - ele-king

 刷新を迫られる日大アメリカンフットボール部に限らず、「脱中心的」で「民主的な」組織というのは目指すべきものとして常に人びとの憧憬の的になってきた。
 しかし、もっとも卑近にして巨大な例「国家」においても、脱中心的な政治空間の持続・保存がいかに困難なものであるということは、我々の思考の俎上よりもはるか下の基層的なレベルで、(遺憾ながら)すでに常識化してしまっている。あるいはまた企業法人における組織構成の可能性ということを考えてみても、そこには結局資本という人称化できない力点への中心化の欲望が隅々まで敷衍されている。
 なぜ我々は、これほどまでに脱中心化への憧憬を抱きながら(教育、通俗倫理、そしてネット上の言説など、そういうものに溢れているにも関わらず)もその一方で、権力の中心化の蠱惑に拐かされるのだろうか。そのような膠着的指向性の中にあって、それを解毒しうる方法があるとすればそれはいったい何なのであろうか。

 SEA LEVELは、構成するすべてのメンバーが、このバンドとは別にメイン・プロジェクトを持っているミュージシャンたちである。現在のラインナップは、macmanamanやKELPで活動するヤマモトタケシ、蝉やtepPohseenなどで活動する小貫誠、ウマノイ等の北里英雄、その他の短編ズの板村瞳、コンポーザー/ピアニストとしてソロ活動を行うsoejima takumaの5人だ。2014年から活動を開始したSEA LEVELは、各メンバーの拠点も福岡と東京に分散していたり、作品ごとに参加メンバーや担当楽器が変わったりと、パーマネントな活動を行いづらい形態であると言える。
 今回のファースト・アルバム『Dictionary(Handwritten)』でも、それぞれのメンバーが一箇所に集結して制作を進めていくといういわゆる「バンド的」な制作手法でなく、遠隔地間でデータをやりとりしながらレイヤー的に音を重ねていくという作業で制作されたという。それ故なのか、バンドの組織形態自体を反映するように、各楽曲ともにどこか「中心」が欠落している感覚が漂う。ポップ・ソングの成立条件であるところの構成が溶け出し(というかそもそも特定の構成が想定されていない)、かといって反復性によって逆説的にストーリーをあぶり出していくようなテクノ・ミュージック的快楽性に回収されることもない。極めて淡々と、全方位的に音楽要素が放出されていき、ときにひとつの要素が主役に躍り出たかと思えば、また違った要素が立ち代わって現れ、そして消えていく。
 もしかすると聴感上、この音楽をあらわすのにもっとも近い語彙は「アンビエント」なのかもしれない。しかし一般に、アンビエントとはその音楽が描く表象とは違って、むしろ一個の作家的個性によってそれが実現されていることが多い。「あえて」ストリクトな作家意識を封印して流れるままに作ってみました式のアンビエントにしても、その実ひとりの作家が制作する場合には、どうしても固有の音楽的統一点(=中心意識)が想定されざるを得ない。
 しかし本作では、各メンバーによって奏でられる電子音、器楽音、人声がモアレを形作るように垂らしこまれ、それぞれが混ざり合い、淡く歪んだ音空間をが立ち上がる。目指されるべき青写真は、演奏者間で共有され参照されることを免れ、ヴィジョンは消却される。なにがしかの統一的意思によって楽曲が「まとめ上げられる」ことが避けられる。ファジーなテクスチャーが浮かんでは消えるような優美なインスト曲においてはもちろん、例えば比較的メロディや構成が前景化しているM3“Draw to the End”のような楽曲にしてすら、なにがしかの明確な到達点が想定された上で制作が進められたとは感じがたい脱中心的弛緩に包み込まれている。あるいは、多くの曲で、歌詞ともつかない音をモゴモゴとマンブルするヴォーカルが、ポップ・ソングにおける人声の自明的特権性(中心性)を嘲笑するように、奔放に寄せては消える。また、各メンバーが自由に発案して持ち寄ったのであろう楽曲達の統一感の欠如は、このアルバムが、固有の視座から特定の物語を語るということもはじめから関心が無いということを示唆しているようだ。まさしくこれは様々な面において、中心への志向が見当たることのないという稀有な「バンド」作品なのだ。

 本来、ビートルズ登場以降における「バンド」とは、制作においては民主的手続きを重視し、聴き手へは各メンバーの個性をプレゼンテーションしていく、という欲求を成し遂げようとする試みでありつづけてきた。しかし我々もすでに広く知っているように、その試みへの憧憬以上に、音楽的な局面においても(運営的な局面においても)、遅かれ早かれ権力中心化の欲望が頭をもたげてくる。それを前提として継続する道を選ぶバンド(ザ・ローリング・ストーンズのような)と、崩壊してしまうバンド(ザ・ビートルズのような)がいる中で、脱中心的組織形成への憧憬が挫かれることなく持続していく第三の道はありうるのだろうか。
 そう、SEA LEVELという組織体の稀なる存在感は、彼らの作る音楽が示唆するように、まさに彼らがその第三の道をいま現在進みつつあるということからくるものなのだと思う。中心化への欲望とはそもそも、「この道以外には無い」というリアリズムが反駁的に要請するニヒリズムであるのかもしれないのだ。「そうは言っても誰かリーダーがいてくれなきゃね」「目的を達成するには多少のことには目をつむろう」、そういった諦念に形を借りてニヒリスティックな欲望は肥大する。中心化の趨勢がいまや、我々に他の道を実行、いや想像させることすらも不可能にしつつあるいま、その中心化への誘惑を断ち切ろうとすることは悪くないことだろう(それどころかとても貴い事になりうるだろう)。「有り得べき何か」を想定し、それを志向することを暫定的に停止し、「目的を持たない」ことへ自らを投げ出してみる勇気こそが、第三の道へのとば口となるかもしれない。
 SEA LEVELは無作為だ。この無作為は、我々が加担し、加担することよって反駁的に我々を疲弊させてきた中心化への欲望を、鮮やかに解毒してくれるかもしれない。

ゲッベルスと私 - ele-king

 撮影時この物語の主人公ブルンヒルデ・ポムゼルは103歳だった、と『ゲッベルスと私』の監督のひとりであるクリスティアン・クレーネスはふりかえる。撮影は2014年に開始し2016年に映画が完成するまでのあいだ、クレーネスはじめ、ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションの4人のメンバーは2度の撮影機会に都合30時間のインタヴューを敢行した、この映画はそれらをまとめたものであり、原題を『A German Life』といい、訳すると「ドイツ人の生(活)」となるこのドキュメンタリーは極限の状況下でひとはだれしもおなじ行動をとる可能性があり、過酷であればあるほどそれはひとがひとたる条件を剥ぎとり、人口という数値のなかに裸にする、そのことを歴史上もっとも苛烈に体現したのはいうまでもなく第二次世界大戦である。ナチの宣伝相の名称を題名にした『ゲッベルスと私』の背景はいうまでもなくこの時代の第三帝国だが、いたずらにセンセーションに逃げはしない。1933年、22歳で、思想的な理由からというより生活のためにナチ党に入党し、42年にヒトラーの片腕であるヨーゼフ・ゲッベルスの秘書となったごくふつうのドイツ人女性の記憶と語りをこの映画はたよりにする。

  「第二次大戦というテーマは手垢がついたものでもあるわけです。いまさらこれか、もうすべてあきらかになったではないか、映画もテレビ番組もうんざりするほどあるじゃないか」。クレーネスの傍らにすわるフロリアン・ヴァイゲンザマーは本作の資金調達がかならずしも順調でなかったことを淡々とのべる。「スタイルとしてドキュメンタリーという方法を採る、さらに映画というメディアをもちいる、この点について理解を得るのは至難の業でした。はじめのうちはなかなか資金が集らなかった。結果からいえば、そのために強制力がかからず、自由に撮ることができたのですが」。

  結果映画は当事者だけがかもしだす息のつまる緊張感と、子どものころ昔話に耳を傾けた祖父母たちがそうだったように、私たちの目の前にことばと身ぶり、彼女の存在そのもので時間をつみあげていく。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはそれを強調するかのようにモノクロームを基調の色に選ぶ、というより画面から色彩をおいはらうことで、そこに映る老嬢は無人の地にたたずむ一本の樹木のようになる。深い皺の一本一本は年輪のようでもあり、大地から十分な養分を吸いとれず立ち枯れたようでもある。映画はほとんどの時間を彼女の語りについやす、冒頭で彼女は彼女自身にしずかに問いかける。「私のやっていることはエゴイズムなのか」と。その内省はどこからきたのか、それ以前に彼女の「やったこと」とはなにか。ポムゼルは上述のとおり、第二次大戦がはじまって3年目の1942年にゲッベルスの秘書となった。ヒトラーはすでに国家元首として第三帝国のあまねく空間にその身体を浸透させていた。ゲッベルスは総統(フューラー)の側近としてあらゆるメディアをとおしたプロパガンダで国民の内面をあやつる国家の頭脳というより感情だった。作中でポムゼルはエレガントなスーツを着こなすものごしやわらかな上司であったゲッベルスがひとたび壇上に立つと激越な扇動者に豹変したのをおののきながら回想する。秘書の職に就いてまもない1943年2月18日、ベルリンのスポーツ宮殿で、ポムゼルはゲッベルスの演説に、彼の妻マクダのすぐうしろの席で耳を傾けていた。直前のスターリングラードの攻防戦に敗れ、やがて窮迫する状況を、ゲッベルスは国民を結束させてのりきろうともくろんだ。彼らを束にするのは感情である。スポーツ宮殿のゲッベルスの、のちに総力戦演説と呼ばれるスピーチでゲッベルスはボリシェビキへの不安を最後にはユダヤ人へとむすびつける。おそらくそこには1933年、首相に任命されたヒトラーがただちにとりかかったユダヤ人の公職追放、その2年後のニュルンベルク法、さらにその3年後の1938年11月のポグローム、すなわち「Kristall-nacht(ガラスの夜)」で決定的に奈落の底へ転がり落ちていくユダヤ人政策がもとはアーリヤ民族主義とシオニズムとの相対化をふまえ仮構した合意のもとにたちあらわれたことに由来するのではないか。おそるべきオーセンティシティが裏打ちする運命のようにとどめようもない状況。ポムゼルは彼女のユダヤ人の友人であるエヴァの暮らしぶりをとおしてそのことを、皮膜一枚とおした向こうに感じながらも目を瞑りつづける、この不作為こそ彼女のいうエゴイズムの正体だとすれば、それは当時のドイツ人だれしも例外的でなかったことも、「A German Life」の原題は暗示している。

  ある日「夜明けに店を開くやいなや、どの通りの入口も武装した者たちに占められている」(カフカ「一枚の古文書」池内紀訳、白水社)のにも似た状況がふってわいたように出来するが、気づいたときに彼らは「すでに堂々と居すわって、みたところ日ごとに数がふえていく」「彼らはわれわれの言葉を解さないし、そもそも彼は言葉というものをもたぬらしい」――ユダヤ人カフカは原稿用紙数枚の掌編にこのようにしたためるが、むろんナチを意図したものではない。「しかし、外からやってくるこの死は、内から立ち現れてきた死でもある」とドゥルーズとガタリはカフカのこの小説を評していう(『アンチ・オイディプス 上』、宇野邦一訳、河出文庫)。内とは共同体の内側であるとともに個々のひとびとの内面でもあり、ハンナ・アーレントが喝破した「悪の陳腐さ」をもたぐりよせる。いやたぐりよせる必要さえない。それらはもとからそこにあったものなのだ。

 あとはほんのすこし刺激するだけでいい。ゲッベルスはポムゼルが彼の秘書になる前、すでに地ならしを終えていた。ナチはガラスの夜の一年前、37年7月にミュンヘンで「大ドイツ美術展」と「退廃美術展」と題したふたつの展覧会を開催している。前者はドイツに冠たる芸術を集めたもので後者はそれとあいいれない「狂気、厚顔無恥、無能の産物」(「退廃美術展」開催時のアドルフ・ツィーグラーの開催の辞)作品を集めておりカンディンスキー、クレー、オットー・ミュラーなどもふくんでいるこの展覧会は終戦から半世紀経った1995年、その4年前にロスで開催した企画展を再編するかたちで日本でも「芸術の危機――ヒトラーと退廃美術展」として巡回したはずだ。私はたしかこの展覧会を当時通っていた学校のそばの宮城県立美術館に、題名に惹かれてみにいったのに、展示していたのが20世紀モダニズムを代表する作品の数々であったのに衝撃を受けた。もっとなんというか、ヒエロニムス・ボス風ないしソドムとゴモラ風の人間の退廃を描いた作品がならんでいると思いきや、うきぼりになっていたのはそれらの作品を「退廃」と名づけた思考の退廃だった。とはいえそれはナチに特有のことではないし芸術の政治利用という単純な構図におさめるべきものでもない。真正性は瑕疵を認めず、ツルツルの球体のような空間から基準を満たさない者は徹底的に排除する。開戦前に多くの芸術がドイツの地を去った。むろん去ることさえかなわない無数の市民がいた。利口にふるまえる者ならのりきることもできただろうか。そのときアートや文化に携わる人間はどのような行動をとるのか。とるべきか、という教条的な正義ではなく、どのようなことが思考できるのか、私はクリスティアン・クレーネスとフロリアン・ヴァイゲンザマーに以下のように問いかけた。

 ナチは、ゲッベルスは文化を巧みに操作しました。なかでも映画は彼(ら)にとってもっとも有効なプロパガンダの道具でした。たとえばフリッツ・ラングはゲッベルスにナチ映画の制作の打診を受け、アメリカに亡命しました。『意志の勝利』や『オリンピア』を撮ったレニ・リーフェンシュタールはそのかわりをつとめたといえるかもしれません。ところが彼女はアートによる美学の追究を戦争責任と切り離し、スーザン・ソンタグもそれを1964年の『反解釈』所収の「様式(スタイル) について」などで擁護しています。映像ないしアートを制作する側の倫理についておふたりは『ゲッベルスと私』の制作をとおしてどのように考えましたか。

フロリアン 倫理については映画、ことにドキュメンタリー映画については大きな問題です。リーフェンシュタールのいう美学が優先するという言い方は一面では正しいかもしれない。ところが映画はつねにべつな面をもっています。簡単にいえば、だれのためにつくっているのか、なぜつくるのか、それがなんの役に立つのか、どういう方向を向いているのか、それも映画の重要な構成要素です。リーフェンシュタールの美学が優先するということばはポムゼルさんのことばとも重なります。

――そのとおりです。

フロリアン 自分は自分のやるべきことを追求した、と彼女は当時の彼女の行為を正当化しています。ポムゼルさんについていえば世俗的な意味での利益が優先され、モラルを越えてしまったのです。ポムゼルさんはナチの行為をみないことで利益を優先した。リーフェンシュタールの問題が大きいのは、ポムゼルさんのように秘書の立場ではなくて、積極的に働きかける映画をつくってしまった、プロパガンダの一翼を担ってしまった、それは大きな問題です。子どもがとる姿勢を考えてみれば、おわかりになると思います。子どもは父親に叱られると耳をふさぎます。叱りつける声を遮断することでそれが存在していないと考えようとします。そういうようなところがポムゼルさんにあったようにリーフェンシュタールもおなじことをしたのではないかと私は思います。

クリスティアン リーフェンシュタールの場合はいろんな意味で功績もありました。その一方で彼女がつくりあげたナチ的なスタイルは日和見主義者の行為であり、彼らに捧げたもののなかでも最悪の部類に入るものです。

――ときに私たちがそういった状況にまきこまれたとき、私たちはどのように行動できるでしょうか。おふたりはリーフェンシュタールと同じ立場に立たされたとき、それを断る勇気はありますか。

クリスティアン 正直にもうしあげて、私がそのような立場に置かれるとき、どのように行動するかわかりません。目をそむけるかもしれない。おそらくそのようなことはないであろうと自分に期待はしていますが。大事なのは映画をつくるにあたり、そのようなことがあるかもしれないと観ているひとたちにつきつけることだと思います。それにたいしてみなさんも考えてください。正解はありませんが、考えて思いをめぐらせること、自分に問うてみてください。これがいちいばん大事だと思います。

フロリアン 私もまったく同じように考えます。大切なのは自分に正直であること。かなうならただしい判断ができるよう自分自身をよく観察しなければなりません。ポムゼルさんの時代は戦争という巨大な状況がありましたが、状況はかならずしも大きなものである必要はありません。現在の自分にたいしてそれを問う、日々それを考えているかが大切なのではないでしょうか。きょうはパーティだから考えるのをやめてそっちに行こう、それもまた現実です。大きなことばかりではなく、日常の細々したところにそういった考えをおよぼすことが大切なのではないでしょうか。

 『ゲッベルスと私』をみて、最初におぼえ、みおえてからみじかくない時間がたったいまあらためて感じるのはその誠実さである。むろんショッキングな場面も少なくない。ポムゼルの語りのあいまには当時記録された幾多の映像をさしはさんでいる。ニュース映画、プロパガンダ映像ばかりではなくプライベート・フィルムもふくむ、戦時の日常を思わせる断片と目を背けたくなる凄惨な映像が背中合わせに、20世紀中葉の数年の人類史においても特異というほかない現実を伝えてくる。ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションはこれらの映像をアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館所蔵のスティーヴン・スピルバーグ・フィルム&ビデオ・アーカイヴ・コレクションから未公開のものを引いてきたという。私は原稿のアップがおくれにおくれてしまったことをお詫びしつつ、公開期日もなかばをすぎ、それでもこれからこの映画をはじめて目のあたりにする、願わくは、より若い世代の方々のために、詳述は避けるが、数々のアーカイヴ映像と、昨年1月106歳でこの世を去ったブルンヒルデ・ポムゼルがのこした語りを前に、ひとはときに想像を絶する悪に手をそめる、というよりむしろ、悪において想像は逆向きに跳躍するが、逆流をのりきる術を私たちはまだ学びきっていない、そのようなことを、ナチが開発したサリンを地下鉄にまいた事件の首謀者が死刑になり、73回目の終戦の日を迎えようとしている東京のはやすぎる夏に思った。
(通訳=上田浩二)

予告編


ブラックボックス・フィルム&メディアプロダクションのクリスティアン・クレーネス(左)とフローリアン・ヴァンゲンザマー

Throbbing Gristle - ele-king

 去る2017年、デビュー・アルバム『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』の発売40周年を記念し、リイシュー・プロジェクトが始動したスロッビング・グリッスル。その後クリス・カーターソロ・アルバムが発表されるなど、徐々にTG熱が高まってきておりますが、ここへきてリイシュー第2弾となる3作品の発売がアナウンスされました。
 今回復刻されるのは、1980年と81年のライヴ盤2作『ヒーザン・アース』『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と、TG最後のスタジオ録音作となった1982年の『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』。いずれも紙ジャケにて、9月14日にリリースされます。

 なおその前々日、9月12日にはele-king booksよりコージー・ファニ・トゥッティの自伝『アート・セックス・ミュージック』が刊行予定。あまりにも赤裸々な内容が綴られております。こちらもお楽しみに!

スロッビング・グリッスル、リイシュー第2弾となる3作品を9/14に発売!
収録曲公開! 日本盤はHQCD仕様。

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、いまなお現在の音楽シーンのみならず、カルチャー/アート・シーンにまで絶大な影響を与え続けているスロッビング・グリッスル、彼らの伝説のカタログ3作品が9月14日に発売されることとなった。

昨年発売されたデビュー・アルバム発売40周年を記念したリイシュー第1弾は、往年のファンのみならず、現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンも巻き込んで大きな話題となった。今回はリイシュー第2弾となる。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品『ヒーザン・アース』、第1期最後のパフォーマンスを収録した『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』、そして、最後のスタジオ録音作品となった『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』の3作品が発売される。また『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』と『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』は、新たにリマスターが施され、2009年以来のCD発売となる。

今回はその中から『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』収録曲“Persuasion U.S.A.”の音源が公開された。
https://youtu.be/9tlAO-IZLwY


◆商品概要(9月14日発売/3タイトル)

■『ヒーザン・アース』(1980年発売作品)

1980年2月16日、ごく少数の招待された観客の前で演奏されたスロッビング・グリッスルによるライヴ・ドキュメンタリー作品。彼らのクリエイティヴが最高潮だった時期にレコーディングされたドキュメント作品であり彼らの“遺言”として存在している作品。8Pブックレット付き紙ジャケ仕様。発売当時のライヴ音源やシングルなど全11曲収録のボーナス・ディスク付きの2枚組CD。

・タイトル:ヒーザン・アース (Heathen Earth) 2CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,650円 (税抜)
・品番:TRCP-231~232 / ・JAN:4571260588066
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2ughxcA

[amazon] https://amzn.to/2KHsZbX
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m2utir
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ミッション・オブ・デッド・ソウルズ』(1981年発売作品)

1981年5月29日、サンフランシスコのケザー・パヴィリオンで行われた、スロッビング・グリッスル第1期最後のパフォーマンスを収録した作品。このアルバムのリリースに続いてスロッビング・グリッスルによって発表された「今回のミッションは終了した」との声明によって、このバンドの伝説がスタートし様々な世代にもその後影響を与えていくことになる。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ミッション・オブ・デッド・ソウルズ (Mission Of Dead Souls) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-233 / ・JAN:4571260588073
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KJejJx

[amazon] https://amzn.asia/9RWW7B0
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2m3cgRV
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9

■『ジャーニー・スルー・ア・ボディ』(1982年発売作品)

1981年の3月、ローマにあるイタリア国営ラジオ局RAIのためにアート作品のひとつとしてレコーディング。
これがスタジオ録音としてはスロッビング・グリッスル最後の作品となる。レコーディングは5日間にわたって行われ、一曲を一日単位で録音していった。どのトラックもその後再録音や追加録音などされていない。それぞれ録音後すぐにトラックダウンをおこなった。全てのトラックにおいて事前の録音準備など行われずぶっつけ本番で行われ直接テープに収録されていった。新たにリマスターが施された。紙ジャケ仕様。2009年以降CD生産なし。

・タイトル:ジャーニー・スルー・ア・ボディ (Journey Through A Body) 1CD
・発売日:2018年9月14日 (金) / ・価格:2,300円 (税抜)
・品番:TRCP-234 / ・JAN:4571260588080
・紙ジャケット仕様 / ・リマスター作品
・HQCD (高音質CD) 仕様 (日本盤のみ) / ・解説付
・Tracklist:https://bit.ly/2KYBFKv

[amazon] https://amzn.asia/eZxRp3H
[Apple Music / iTunes] https://apple.co/2J6bBbj
[Spotify] https://spoti.fi/2u1nMl9


◆関連作品
・スロッビング・グリッスル リイシュー第1弾3作品
https://bit.ly/2JioArF
・クリス・カーター(オリジナル・メンバー)のソロ作品
https://trafficjpn.com/news/cc/


◆スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

クリス・カーター(Chris Carter)
ピーター・クリストファーソン(Peter 'Sleazy' Christopherson / 2010年11月逝去)
コージー・ファニ・トゥッティ(Cosey Fanni Tutti)
ジェネシス・P・オリッジ(Genesis Breyer P-Orridge)

インダストリアル・ミュージックのオリジネーターであり、今なお現在の音楽シーンに絶大な影響を与え続けている伝説のバンド。バンド名は直訳すると「脈打つ軟骨」、男性器の隠語。1969年から1970年代のロンドンのアンダーグラウンドにおいて伝説となったパフォーミング・アート集団、クーム・トランスミッション(Coum Transmission)を母体とし、1975年にバンドを結成。彼らのライヴは、クーム・トランスミッションから発展したパフォーミング・アートが特徴で、イギリスのタブロイド紙でも取り上げられるほど過激なパフォーマンスを繰り広げた。1977年、衝撃のデビュー作『ザ・セカンド・アニュアル・レポート』を発売。その後彼らの代表作『20 ジャズ・ファンク・グレーツ』(3rdアルバム/1979年)を発売するなど精力的に活動をしていたが1981年に一度解散。その後、各メンバーはサイキックTVやクリス&コージーとして活動するも、2004年に再結成し2010年10月まで活動を続けた。同年11月、ピーター・クリストファーソン逝去。

2017年、デビュー・アルバム発売40周年を記念としてリイシュー第1弾3タイトルを発売し、往年のファンから現代のエレクトロニック・ミュージック・ファンまで大きな話題を呼んだ。2018年9月、リイシュー第2弾3タイトルを発売。またクリス・カーターは、2018年3月にソロ・アルバム『ケミストリー・レッスンズ Vol.1』を発売。

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Beach House - ele-king

 数字の「7」には、何か特別な意味がある気がするのは何故だろう。

 ラッキーセブンという、7を幸運の数字とする西洋思想は既に日本でも定着しているし、聖書の預言者アブラハムの宗教的伝統を受け継ぐとされる三宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)では、天国は7つの階層で出来ており、第七の天国(7th heaven)はその最高位といわれている。その一方で、キリスト教の西方教会、おもにカトリック教会には「七つの大罪」という用語もあるし、紀元前2世紀の書物が発祥とされる「世界の七不思議」というフレーズは、あまりにも有名だ。自然界に目を向けてみると、1週間は7日に区切られ、虹は7色で構成されており、この惑星には7つの大陸と7つの海がある。もちろん、これらは全て人間がカテゴライズしたもので、私たちは昔から「7」という数字を特別視してきたわけだ。

 映画『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』、『華麗なる賭け』などのサントラを手がけたフランスのピアニスト、ミシェル・ルグランを叔父に持つヴィクトリア・ルグランと、米国メリーランド州ボルチモア在住のアレックス・スカリーによって結成されたビーチ・ハウス。彼らが〈Sub Pop〉(英国では〈Bella Union〉)より今年5月にリリースした通算7枚目のアルバムは、その名も『7』である。彼らもまた、「7」という数字に並々ならぬ思いがあったようで、とりわけ「数秘術」における、「1と7は共通の見た目を持っているため、7はリスタートして機能する」という考え方には強い感銘を受けたようだ。2004年の結成から14年にして、クリエイティブの「7th Heaven」にいた彼らは、この7枚目のアルバム制作を機に、自らの音楽性を「リスタート」させることを決意した。もちろん、去年バンドのBサイドやレアトラックスを集めたコンピレーション・アルバム『B-Sides and Rarities』をリリースし、過去の自分たちと区切りをつけたことも、「リスタート」のよい契機となったことは言うまでもない。

 本作のレコーディングを通して辿り着くゴールを、自らの「rebirth and rejuvenation(再生と若がえり)」とするため、これまでの制作方法を2人はすべて見直した。すなわち、「ライヴでの再現性」を度外視し、必要とあらばギターやキーボードを幾重にもレイヤーするとともに、それ以外の楽器も重ねる。とくに印象的なのは、コーラスワークがこれまで以上に多重的、立体的になっていることだ。例えば“L'Inconnue”では、ルグランの声を多重録音した美しいクワイアから楽曲はスタートする。また、アルバムに先駆け2月にリリースされた、シングル曲“Lemon Glow”における反復するシンセ(?)の音や、“Black Car”でのダーク・ファンタジーの世界へと迷い込んでしまったようなエレクトロ・サウンドなど、音響的な実験も随所に散りばめられている。これまでは、費用的な問題からスタジオでの作業時間も限られていたが、今回はボルチモアにある自らのホーム・スタジオで、たっぷりと時間をかけながら曲の骨子を組み立て、その後はコネチカット州スタンフォードのCarriage House Studiosと、ロサンジェルスのPalmetto Recording Studioで最終的な仕上げを行なっている。

 およそ11ヶ月にも及ぶレコーディング・セッションは、長年のプロデューサーだったクリス・コーディーの元を離れ、代わりにソニック・ブームことピーター・ケンバーと共に行われた。ピーター・ケンバーは、スピリチュアライズドの司令塔ジェイソン・ピアーズとともに、スペースメン3を結成していた人物。現在は、ソロ・プロジェクトであるスペクトラムとしての活動をマイペースに続けながら、MGMTやパンダ・ベアー(アニマル・コレクティヴ)のプロデュースなどを行なっているUKサイケデリアの重鎮である。なおミックスダウンには、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』や、ライドの『Going Blank Again』、ナイン・インチ・ネイルズの一連のアルバムを手がけるアラン・モルダーが起用された。

 ルグランによれば本作は、「闇と対峙した時に生じる美」「集合的なトラウマが育てる共感や愛」「拒絶ではなく、受け入れることでたどり着く場所」といった、3つの大きなテーマが掲げられている。とくに、ここ1、2年の間に議論の的となった女性問題(社会的役割や、課せられるプレッシャー)は、楽曲を作る上での大きなモチヴェーションになったという。ただし、歌詞のなかでそうしたテーマやトピックを直接扱っている曲は、ほぼ見当たらない。「あなたは愛されていい 少女よ、あなたは愛されるべきなの」と歌われる“L7lnconnue”や、「脱ぐために服を着て 気を引くために鬱ぎ込む 一晩中 テレビをつけて 皆見たいのよ、私が 破滅する姿を」と綴る“Girl Of The Year”などからは、上記のニュアンスを汲み取ることもできるが、あくまでもモチーフであり聴きようによっていくらでも解釈可能だ。

 何よりも驚かされるのは、やはりサウンド・プロダクションである。バンド史上、最速といっていいかもしれないガレージ・サイケな“Dark Spring”で幕を開ける本作は、続く“Pat No Mind”で一気にギアを落とし(この繋ぎ方が最高にカッコいい)、殺伐としたスロウコアを展開する。サビの男女混成ヴォーカルや、コード進行に対するメロディの乗せ方が、どことなくピクシーズを感じさせるのも興味深い。 マイナー調の“Drunk In LA”では、クレジットによればソニック・ブームがアコーディオンで参加しているようだが、それがどのフレーズだかわからないくらい加工されている。ひなびたオルガンに導かれ、ゆっくりと始まる“Dive”は、聴き進むうちに次第に熱を帯び、最初にいた場所とはまったく違う境地へ。ダイナミックなドラミングを披露しているのは、2016年からバンドのサポートをしている元テニスのジェームス・バロン。彼を加えたアンサンブルが、本作をこれまで以上に有機的にしているのは明らかだ。

 本作中、もっとも「ビーチ・ハウスらしさ」をたたえる“Lose Your Smile”、C-F-Gのスリーコードを繰り返す90年代ギターポップ調の“Woo”などを経て、“Last Ride”で幕を閉じる。美しく、どこかオリエンタルなピアノのフレーズが徐々にテンポアップしながらカオティックな様相を呈するこの7分の大曲は、トライバルなドラミングといいヴェルヴェット・アンダーグランドの“Heroin”を思わせる。

 果たして2人は「再生」し、「若返る」ことができたのだろうか。それは、今後行われるはずの本作を提げたツアーや、本作を経て作られる新たな作品の中にも、きっと答えはあるのだろう。いずれにせよこの『7』が、ビーチ・ハウスにとってひとつの到達点であり、最高傑作であることは間違いない。

編集後記(2018年7月9日) - ele-king

 プレイという言葉には、競技をするという意味のなかに、遊ぶ、ふざけるというニュアンスも含まれている。ホイジンガの『ホモ・ルーデンス』ではないけれど、遊びの要素があるからこそフットボールはスポーツとして世界中に広がったのだと思う。もっともスポーツがプロ化すると、まずは敗北しないことが優先されるので、遊びやふざけの要素は軽減されて、たとえば官僚制のようなスタイルのフットボールが横行したりする。
 そういうなかにあってブラジルは、つねに遊びの要素を保持する国だった。フットボールの母国はイングランドであるが、それをまったく別の視点で再定義したのがブラジルだった。フェイントという相手を欺くテクニックを真似ることは、ぼくは静岡出身なので、子供が遊びでやるときは、それがひとつフットボールをやるときの楽しさだったけれど、歴史的にいえばこのフェイントなるテクニック/スタイルは、社会的弱者のブラジルのアフロ・ディアスポラが支配階級からの暴力をかわすため/おちょくるために磨き上げてきたものだったと言われている。彼らはゲーム(試合)をプレイしている。そして最高潮のときのブラジルは、それはスポーツというよりもアートであり、優れたフリー・インプロヴィゼーションになるんだけれど……まあ、そんなうんちくはともかく、単純な話、見ていて楽しいのがブラジルのフットボールなのだが、そのチームがベスト8でいなくなったのは、なんとも寂しいものである。(しかも、中原仁さん監修の『21世紀ブラジル音楽ガイド』を校了したその日の晩に!)
 もっとも今回はVARという、監視カメラみたいなものが採用されたかどで、ネイマールはさんざんな非難を浴びている。マラドーナの「神の手」を繰り返さないよう、今後のW杯はこのヴィデオ装置とともに歩むことになるわけだ。
 また、いまでは南米の主要選手のほとんどがヨーロッパのエリート・リーグでプレイしていることを考えれば、政治経済と同じようにフットボールもひとつの大きな転換期をのなかにいるのだろうが、ぼくとしてはこの競技からフェイントの文化がなくならないことを祈るばかりだ。
 仕方がない。ここはマルコス・ヴァーリの「平和とフットボール」を聴こう。

Marcos Valle - Paz e Futebol

 日曜日はGonnno & MasumuraのCD発売記念ライヴが代官山ユニットであった。ヨーロッパ的なテクノのミニマリズムとアフロが再定義したドラミングとの激突、融合、混合がおよそ1時間にわたって繰り広げられたわけだが、最初はぼーっと立っていたオーディエンスも最後には踊って、良いヴァイブレーションのなかで演奏は終わった。はじまったばかりのこのプロジェクトはいまも進化の途中にあるが、その旅が楽しみの旅であることはライヴを見るとよくわかる。
 しかしなー、ついに4強入りを果たしたイングランドを報じるガーディアンの見出しに、イングランドの狂乱(delirium)という言葉があった。「デリリウム」は、レイヴ・カルチャーの時代にさんざん使い回された言葉で、クラブの名前にもなった。このままクロアチアに勝ってしまったら、ただでさえフットボールに熱狂的なイングランドはどうなっちまうんだろうか。
 ぼくが初めて見たときのW杯は、出場国がまだ24カ国の時代だった。1998年に日本が初めてW杯に出たときの放映権は、現在の100分の1だった。FIFAの強欲さはこれまでもたびたび指摘されていることだが、インターネットとスマートフォンが普及してからのW杯は、たしかになんかいままでにはない「デリリウム」を生んでいる。

Father John Misty - ele-king

 シンガーソングライターとは因果な生き方だと、『ゴッズ・フェイヴァリット・カスタマー』を聴いているとつくづく思う。1曲め、哀愁に満ちたフォーク・ナンバー“Hangout at The Gallows”、アンサンブルが激しくなるとジョシュ・ティルマンは朗々と歌い上げる。「きみにとって政治とは? 宗教とは? きみは何を摂取し、何を生きる理由にしているのか?」──この問いにすぐ答えられる人間などめったにいないだろう(いたとしたら、そんな奴はちょっと信用できない)。だがティルマンは、ほかの多くのミュージシャンやシンガーと同じように、これに似たような質問をインタヴューと称して受け続けてきたのだろう。内面や思想、社会や政治に対する見解からプライヴェートに至るまで──自らのもっとも内側にあるものさえを、売り渡して生きていくということ。本作はソングライターという特異な人生を選んだ自分を描いたセルフ・ポートレイトであり、と同時に、それを商品としてパッケージしたエンターテインメントである。悩ましげに頭を抱えるジャケットの彼の姿はポーズなのか? リアルなのか? ティルマンはわたしたちリスナーがそんな下世話な興味を抱く生き物であることをよく知っている。

 ビリー・ジョエル、エルトン・ジョン、キャット・スティーヴンスといった70年代のヒット・チャートを席巻したシンガーたちを臆せずに参照し、その叙情的なバラッド群をアメリカのショウビズとコメディ文化でくるんでポップ・スターとなったファーザー・ジョン・ミスティ(いまやビヨンセやラナ・デル・レイのコラボレイターである)。「リアル」な態度が要求されがちなソングライター界にあって彼のトリックスター性はつねに異端だったし、それでこそ輝いていたとも言える。いっぽうで彼の本心(と感じられる言葉)を綴ったラヴ・ソングもまた絶品で、その絶妙なバランス、歌におけるスリリングな駆け引きこそが聴きどころであった。ところが『ゴッズ・フェイヴァリット・カスタマー』では、そうしたバランスがこれまでとはまた違ったものになっている。
 アメリカと世界の混乱を黙示録的に俯瞰的に描いた前作にして大作『ピュア・コメディ』とは対照的に、ぐっとパーソナルに内省に傾いたとされる本作。収録時間も前作の半分ほどに近いコンパクトなものだ。ファーザー・ジョン・ミスティという「キャラクター」ではなくジョシュ・ティルマンそのひとに迫ったものであると、その評価は間違っていないだろう。だがまずは2曲め、思いきり自己言及する“Mr. Tillman”を聴いてみよう。サイケ・フォーク風のサウンドに合わせたおどけた調子の歌い回しが愉しく、ティルマンが実際にしていたというホテル生活をコンシェルジュから「ティルマン様」に向けた語りとして歌詞にしたこの曲、最初のヴァースをそのまま引用したい。「ティルマン様、またのお越しをありがとうございます。チェックインの前に未決済のお支払いをご精算いただければと。ええと、こちら、ミニバーの冷蔵庫内にパスポートをお忘れになってました。また伝言によりますと、写真は本人のものではないようです」……。大笑いである。すでに伝えられている通り、これは妻エマとの仲がこじれていた時期のホテル生活だったらしく、けっこう真剣に落ち込んでいたそうだが、それでもティルマンはスタンダップ・コメディアンのように面白おかしく語らずにいられないのだ。ジョン・レノンとの決定的な違いがそこにある。
 おそらく本作のキーとなるのは2分半弱しかない“Disappointing Diamonds Are the Rarest of Them All”だろう。歌詞を読むとそれは愛や人生についての真摯な考察のようだが(「誰もが史上最高の物語を紡がねばならないのか?」)、情熱的なメロディを持ったこのロッカ・バラッドはよく鳴るエレキと叩きつけられる鍵盤、管楽器による豪奢なアレンジとともに高まっていく。アウトロで粋に歌い上げるサックス・セクション。それはやはりテレビの歌番組のショウのようで、ティルマンは自分がエンターテイナーであることを了解している。“Please Don't Die”や“God's Favorite Customer”のようなフォーキーで比較的簡素なアレンジのナンバーもあるが、それにしてもティルマンの書く曲はその完成度の高さゆえ、生々しさよりもウェルメイドぶりで勝負する。ハクサン・クロークのような先鋭的なプロデューサーが参加している曲でもまた、楽曲のフォルムを崩すような危うい瞬間が訪れることはない。バンドのアンサンブルは達者でよく練られており、つねにダンディだ。

 これまでの作品では自己演出したパフォーマーを気取りながらふと素の横顔を見せていたファーザー・ジョン・ミスティだが、本作においては内面を切々と綴りながらそれでも大衆娯楽としてのポップスに向かっていく。自分はシンガーソングライターになってなければただのバカ野郎だったと自嘲気味に語っていたティルマンは、逆に言えば、ソングライターとしての圧倒的な才能を「持ってしまった」人間であることをここで覚悟したのではないだろうか。その量産体制といい、私的なモチーフをエンタメ化する態度といい、『ゴッズ・フェイヴァリット・カスタマー』はカニエ・ウェストの『Ye』の横に並べたくなるアルバムだ……というのは言いすぎにしても、現代のポップ・スターのひとつのあり方を代表している作品に違いない。妻にソングライターである自分の業と愛を囁きかけるその名も“The Songwriter”は、あるいは聴き手に娯楽として受け取ることを絶対に許す懐の深いバラッドたちは、紛れもなくジョシュ・ティルマンのリアルである。

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