「Red Hot」と一致するもの

Chart by Underground Gallery 2012.03.29 - ele-king

Shop Chart


1

BURIAL + FOUR TET

BURIAL + FOUR TET Nova (Text Records / 12Inch) »COMMENT GET MUSIC
FOUR TET率いる[Text]の新作は、ダブステップ界の大ボスBURIALと、レーベル主催、レフトフィールド・ミニマルの天才FOUR TETのコラボレーション! FOUR TETらしい、アコースティックなギター・リフで軽やかに展開していく、ディープ・テック・トラック!

2

ROCKET JUICE & THE MOON FEATURING ERYKAH BADU

ROCKET JUICE & THE MOON FEATURING ERYKAH BADU Manuela / Mark Ernestus Dub (Honest Jon'S / 12Inch) »COMMENT GET MUSIC
BLUR/GOZILLAZのDAMON ALBARN、RED HOT CHILI PEPERSのFLEA、FELA KUTI BANDの TONY ALLENという、とんでもない面子による、スペシャル・ユニット ROCKET JUICE & THE MOONが、間もなくリリースを予定している1stアルバムに先駆けたリミックス12インチ! 言わずと知れた歌姫、ERYKAH BADU嬢をフィーチャーし、アルバム未収録作品を、何と、ベルリンのダブマスター、BASIC CHANNEL / RHYTHM & SOUNDでお馴染みのMARK ERNESTUSがリミックス!屈指のロックミュージシャン2人と FELA KUTIと共にアフロ・ビートを作り上げたTONY ALLENをバックに従え、"Neo-Soul"の女王 ERYKAH嬢による悩ましげなヴォーカルがダビーに響き渡る、濃密なブラック・アフロ・ソウル作品!

3

BUBBLE CLUB

BUBBLE CLUB In Consequence Of A Wish (International Feel / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ERIC DANCAN、BRENNAN GREEN、SOFT ROCKSらがリミックスで参加した 自身主宰レーベルも好調な、ロンドンのバレアリック・ディスコ・ユニット BUBBLE CLUBが、前作「The Goddess」以来、久々となる新作を、DJ HARVEYのプロジェクトなど、話題作連発な [International Feel]からリリース。 前作「The Goddess」に、スライド・ギターを加え、よりレフトフィールド/コズミック風ディスコへと昇華させた「In Consequence Of A Wish」、疾走感のあるリズムにライブ・パーカッションやバレアリックなシンセ類を散りばめた「Seven Hills」、BRIAN ENOの「Apollo」や、Daniel Lanois諸作品を思わせるような、ペダル・スチールでとろけるような甘いムードを演出したチル・アウト・チューン「Ex-Voto」の 3作を収録。今回もJOSE PADILLA周辺の"Ibiza~Big Chill"方面を中心に大きな話題を集める事は、まず間違いありません!

4

ANIMATION

ANIMATION Sanctuary (Sarcred Rhythm / 10inch) »COMMENT GET MUSIC
[Blue Note]等で活躍するアメリカのサックス奏者/コンポーザー、BOB BELDENによるANIMATION名義でのアルバム「Agemo」に収録されていた楽曲「Sanctuary」を、レーベル・オーナー JOE CLAUSSELLがリミックスした大注目の1枚。まず Side-Aでは、JOE CLAUSSELLらしい 空間を巧く活かした スモーキー & トリッピーなウワモノを響かせた 傑作ロービート・ダブ「Part.1」。Side-Bには、90年代後期の UK/クロスオーヴァー作品を彷彿とさせるような、疾走感のあるジャズ/ブレイクビーツ風のトラックに、鮮やかな高揚感を持って響く鍵盤やサイケ & ディープなストリングス/Saxリフなどを散りばめた、グルーヴィーなフロアートラック「Part.2」を収録。

5

KEVIN SAUNDERSON FEAT. INNER CITY

KEVIN SAUNDERSON FEAT. INNER CITY Future (Carl Craig / Kenny Larkin Remixes) (Defected / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
JUAN ATKINS / DERRICK MAYとともに、デトロイト・テクノを誕生させた、パイオニアの一人、KEVIN SAUNDERSONのメイン・プロジェクトINNER CITY、約11年振りとなる新作「Future」を、CARL CRAIG & KENNY LARKINがリミックス!

6

KRISP

KRISP Lovestomp (Sex Tags Ufo / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
ノルウェーのカルトレーベル[Sex Tags Mania]傘下[Sex Tags UFO]新作! 今回は、90年代初頭より活躍する 同地の巨匠 BJORN TORSKEによる変名 KRISPによる1枚で、何と言っても注目してもらいたいのがB面に収録された「Lovestomp」。 往年のディスコクラシックをサンプリングし、フィルター処理を交え、ファンキー & グルーヴィーに展開させた、BJORN TORSKE流のディスコ・ハウスを展開。MOODYMANN辺りのデトロイト勢縲怎Vカゴ系のファンキー。ハウス好きまで、多方面にオススメです!!さらにA面には、トビを効かせた、疾走感のあるオールドスクーリーなドラム・マシーン・リズムに、BJORN TORSKEらしい、妖しくダビーな上モノを配しながら展開させたハウス・チューン「Truckstomp」を収録。

7

MOOMIN

MOOMIN Sleep Tight ( Smallville / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
昨年秋にリリースされたフルアルバム『The Story About You』が、ここ日本でも高く評価され、一躍注目の的となったMOOMINが、待望の新作12インチをリリース! 傑作アルバム『The Story About You』の延長線上にある、アコースティック楽器を上手く取り入れた、極上のディープ・テックハウス作品。零れ落ちるような、エレガントなピアノ・フレーズと、哀愁を帯びたサックス・サンプルが交差するA面「Sleep Tight 」が最高の仕上がり!CHRISTOPHER RAUにも通じるような、オールドスクーリーなリズムマシーン+淡い空間シンセで構成されたフローティング・ハウスの「Humbling Love」、きらびやかなストリングス・フレーズはループする、ディープなディスコ・ハウスを展開した「Catch A Cold」も、隙の無いカッコ良さ!全曲◎!

8

DA SAMPLA (ANTHONY

DA SAMPLA (ANTHONY "SHAKE" SHAKIR) West Side Sessions (Wild Oats / 12inch+7inch) »COMMENT GET MUSIC
ANTHONY "SHAKE" SHAKIRのレアマテリアルが未発表曲を加えて再発!デトロイトの若手実力派、KYLE HALLが主催する[Wild Oats]レーベル新作は、ANTHONY "SHAKE" SHAKIR aka DA SAMPLAが、1997年に、デトロイトのレコードショップ "Record Time" が運営し、ALTON MILLERやRICK WADEがリリースした事でも知られる、カルト・レーベル[M3]からリリースした傑作「M3 Sessions」に、未発表トラックや、KYLE HALLとのコラボ作等を加えて、12インチ+7インチの2枚組にて再発!

9

UGANDAN METHODS

UGANDAN METHODS Beneath The Black Arch (Ancient Methods / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
インダストリアル・テクノ最高峰!REGIS+ANCIENT METHODS =UGANDAN METHODS! 限定盤!これは最強!過去作品の再発など、このところ高く再評価されている、UKのミニマリスト大ベテランREGISと、HARDWAXが流通するインダストリアル・テクノ・レーベルからのリリースでカルトな人気のANCIENT METHODSによる、新ユニットUGANDAN METHODS! 全3曲、凄まじい鳴りとグルーヴにお手上げです...。全てのモノをなぎ倒し巻き込みながら進んでいくような、重圧なビートと攻撃的なグルーヴ、手も足も出ない最強のインダストリアル・テクノが3トラック!プレス枚数が少ない限定盤ですので、ファンの方はお早めに!

10

STILL GOING

STILL GOING D117 (Still Going / 12inch) »COMMENT GET MUSIC
しばらく前から世界中の著名DJ達の Twitter、Facebook、Blog、チャート、プレイリストなどに取り上げられ、ファンの間でリリースが待ち望まれていた、STILL GOING主宰レーベル、第1弾シングルが遂に解禁! LCD SOUNDSYSTEMのPAT MAHONEY、FISCHERSPOONERのLIZZY YODERがゲストで参加した今作は、不穏な雰囲気を漂わせた、スペーシーなテック・ディスコ風のトラックに、MANUEL GOTTSCHINGっぽい、サイケ・ギターを響かせた1曲。カップリングでは、そのギター・プレイをより全面に押し出した、別ヴァージョンを収録。STILL GOING自ら、「お気に入りのアーティスト、楽曲、さらには自らの作品は、今後、このレーベルを中心にリリースしていく」と力強く語っているこの新レーベル、来月には早くも第2弾シングルも控えているようですし、今後の動向からも目が離せません。ディスコ~ハウス・ファンの方は絶対に要チェックですよ!

CUZ ME PAIN Compilation #2 Release Party - ele-king

 ジェシー・ルインズの音は、『ガーディアン』に言わせると「噴火する火山のサウンドトラックとしてのある種のドゥーム・レイデン・ポップ」だそうで(破滅に苛むポップ......とでも訳せばいいのか?)、まあ、何はともあれ、東京のレーベル〈コズ・ミー・ペイン〉のインパクトはじょじょにだが、確実に伝わっている。ジェシー・ルインズはUKの〈ダブル・デニム〉からインターナショナル・デビューを果たし、もうすぐUSの〈キャプチャード・トラックス〉からデビュー・アルバムが発表される。ビューティは〈クルーエル〉から12インチを出して、5月には同レーベルよりデビュー・アルバムが出る。いよいよ〈コズ・ミー・ペイン〉の時代か!
 レーベルは3月、2年ぶりのコンピレーション・アルバム『Compilation #2』をリリースする。チルウェイヴ、ダークウェイヴ、ウィッチ・ハウス......そしてその次を狙った内容で、ファーストにくらべてずっと躍動感のある、ダンサブルな内容になっている。ちょっと〈100%シルク〉あたりとも共振しているというか。ちなみにコンピにはロスの〈ノット・ノット・ファン〉からデビューしたSapphire Slowsも参加。
 3月9日にはそのリリース・パーティがある! ジェシー・ルインズはライヴ演奏する。ドゥーム・ポップな夜かどうかはわかりませんが(笑)、インディ・キッズならずとも、超注目なのは間違いない!

2012年3月9日(金)
―CUZ ME PAIN Compilation #2 Release Party―
at 三宿Web
OPEN/START 23:00-
DOOR 1,500円(1ドリンク付き)

■Live :
JESSE RUINS

■Dj : (A to Z)
APU (After Dark)
IWATA(Anarushin)
NITES (Jesse Ruins)
ODA (The Beauty / FaronSquare)
SCUM BOYS
TSKKA (Masculin)
YYOKKE (FaronSquare / :visited)

info:
[三宿Web] https://www.m-web.tv/index2.html


V.A.
CUZ ME PAIN Compilation #2
CUZ ME PAIN
発売日予定日:2012年3月14日

CUZ ME PAIN Compilation #2 特設サイト
https://cuzmepain.com/cmp2/

CUZ ME PAIN WEB
https://cuzmepain.com/


Tracklist
- Aside
1. Masculin - Ecstasy
2. Faron Square - Sugar Shake
3. Atlas Young - Multiply The Prairie
4. Jesse Ruins - Hera
5. Naliza Moo - Jealous Hearts
6. Nites - While Your Were Sleeping
(Hotel Mexico Remix)

- B side
1. :visited - Touch Your Heat
2. Sapphire Slows - Break Control
3. The Beauty - The Sorrow Of Parting
4. Scum Boys - Lava Lava
5. Nites - Moments Like This Fruit
6. :visited - Sunset Article (Magical Gang Remix)

東京発のインディ・レーベル〈CUZ ME PAIN〉のコンピレーション第2弾! USインディを中心にグローバルな広がりをみせるインディ・ダンス・アクトがここ日本にも! 〈CUZ ME PAIN〉お馴染みのメンバーに、話題のSapphire Slow (Big Love、Not Not Fun)、Jesse Ruins (Captured Tracks、Double Denim)、The Beauty (Clue-L)を収録、そして親交も深いインディ・レーベル〈Second Royal〉一押しのHotel MexicoとMagical Gangがリミックスで参加! 300枚限定ヴァイナル・オンリー!!

 3番目の出演者のアルフレッド・ビーチ・サンダルはこう言った。「今回はオルタナっていうことで話題になったようで......」(中略)「で、最終的にはオルタナとはなんぞや? と」、と言った。「オルタナとはなんぞや?」、筆者なりにひとつのメタファーとして答えてみる。人は言う。若者(20代)の70%はいまの社会に満足していると。ならばオルタナとは残りの30%。筆者が若者だった頃は、少なく見積もっても90%の若者がそのときの日本に満足していだろう。もし現在のそれが70%であるのなら、オルタナも増えてきたと言えるかもしれない。

TADZIO

Alfred Beach Sandal

 そんなわけで筆者と小原泰広はまたしてもタッツィオのライヴに行った。これぞオルタナ道。この重苦しい時代においてふたりの若い女性によるバンドは、美少年タッツィオ(タージオ)=ヴェニスに死す=トーマス・マン≠ルキノ・ヴィスコンティを主張する。このはんぱない反時代性、それこそ我々を惹きつけてやまない要因のひとつだ。
 この日は他のラインナップも魅力的だった。ちょうど2日前、我々は恵比寿ガーデンホールでスピリチュアライズドのライヴを観た。筆者にとってそれは19年ぶりのことで、20代の最後に観たのライヴがスピリチュアライズドだったかもなと思いながら、90年代リヴァイヴァルを目の当たりにした。これはその2日後のことだ。〈晴れたら空に豆まいて〉に来たのは初めてだったが、感じの良いヴェニューだった。

 ライヴとはつくづくナマモノだ。この日、最初の出番となった部長とリーダーは、同じ曲を演奏しているというのに、1週間前と同じバンドとは思えないほど、良かった。"Nosebleed"~"HB"のはじまりは見事で、ロックンロールの感覚的な魅力を見事に表していたし、"NOMISO"や"SICK"のようなパンク・ソングも冴えていた。彼女たちのアンチ・(メロ)ドラマツルギーな響き、反叙情的な痛快さ、そのデタラメな疾走感、バンドの長所がぜんぶ出ていた。チューニングの合っていないノイズ・ギターとミニマルなビート。一瞬、初期のワイアーみたい、と思った。
 続いて登場した昆虫キッズは、二枚目のモッズ風のヴォーカリストを中心にしたバンドで、捻りがあるとはいえこの日に登場したなかではもっともポップだった。続いて、エレキング界隈での評価も高いアルフレッド・ビーチ・サンダル。バンド編成での演奏ははじめて間もないという話だが、リズミックな展開において一時期のトーキング・ヘッズを思わせるような、狂気においてはキャプテン・ビーフハートを思わせるような、ポテンシャルの高いライヴだったし、ヴォーカリストの青年からは秘めたる強烈な拒絶の感情を感じ取ることができた。このバンドはこの先さらに化けるだろう。トリをつとめたGellersはバンドとして成熟していた。何と言っても演奏、アンサンブルがしっかりしている。トクマル・シューゴは格好いいし、ドラムとベースの素晴らしいコンビネーションを土台にしながらエモーショナルに展開する彼らの楽曲には精巧さと力の両方があった。
 
 わずか50人規模のライヴ空間は面白い。たったいま起きていることに立ち会える。30%の人間にとってこんな贅沢はない。30%、がんばろう。経験的に言えば、たいへんなことも多々あるが、楽しいこともたくさんある。




TADZIO

Chart by JAPONICA music store&cafe bar 2012.02.06 - ele-king

Shop Chart


1

THE UNITY SEXTET

THE UNITY SEXTET THE UNITY SEXTET LEGERE / UK / 2012/1/28 »COMMENT GET MUSIC
極上の漆黒スピリチュアル/コズミック・ジャズ・ファンク・アルバム!昨年末にCDリリースされていた本作がこの度アナログ・リリース!あの MADLIBの仮想ジャズ・バンド・プロジェクト=YESTERDAYS NEW QUINTETを彷彿とさせるとびきり黒い艶やかなジャズの世界を偏差値高めなヒップホップ感覚をも取り込み描き上げた濃厚スピリチュアル/ファンクネ ス・ナンバー全13曲収録。

2

THE REFLEX

THE REFLEX RE-VISIONS VOL.2 G.A.M.M. / SWE / 2012/1/25 »COMMENT GET MUSIC
永遠のモータウン・クラシックMARVIN GAYE & TAMMI TERRELL"AIN'T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH"の丁寧なリグルーヴ・エディットA-1、R&BシンガーAMY WINEHOUSEのヒット・ソング"REHAB"のどことなく50'Sジャイブ/オールドR&B風味を醸すスクリュード・エディットB-1、そしてラストにMARVIN GAYE"WHAT'S GOIN ON"のセミ・ビートレス・エディットB-2を収録でこれがホント最高。

3

J.M.F.G.

J.M.F.G. #1 J.M.F.G. / FRA / 2012/1/18 »COMMENT GET MUSIC
詳細不明"謎"のクリエイターJ.M.F.G.によるかなり怪しい体裁でのMOODYMANN音源リワーク集が緊急リリース!全4トラック共にオ リジナルのそれに勝るとも劣らない絶品にリメイクされた極々上盤。インフォには「Kenny Dixon Jr. Real work ! Limited」と記載あり。

4

THE MOLE

THE MOLE LOVE IS THE WAY HAUNT / GER / 2012/2/1 »COMMENT GET MUSIC
個性的なリリースの続くドイツの注目レーベル<HAUNT>第5弾!<PHILPOT>、< WAGON REPAIR>、<INTERNASJONAL>といった名門から多数の作品を残すカナダの奇才THE MOLEによる一枚。エクスペリメンタル・ミニマル~ソウルフル・スロー・ハウスetc..収録の注目作です!

5

DNT

DNT EOH COSMIC LAB / JPN / 2012/1/26 »COMMENT GET MUSIC
07年にリリースした「CELEBRATION VIBRATION」以来約5年ぶりとなる<COSMIC LAB>からのDNTニュー・ミックス!独特の色気と浮遊感のある艶やかなビートダウン・ハウスでしっとりと幕開け、根幹の太い安定感のある四つ打ちグルーヴでぐいぐいと心地良くハメていき、途中現場さながらのドキドキ/ワクワク感もあったりの前途「BEFORE THE WIND」の流れをも巧く汲んだ至極の内容。

6

THE REFLEX

THE REFLEX RE-VISIONS VOL.1 G.A.M.M. / SWE / 2012/1/25 »COMMENT GET MUSIC
不朽のキッズ・ソウル・ナンバーJACKSON 5"ABC"のクラップ・グルーヴが効いた絶妙な展開で再構築されたブレイクビーツ・エディット、そして疾走ファンク・ダンサーJAMES BROWN"I FEEL GOOD"のアフロセントリックな味付けも程よく相まったピッチダウン・ブレイク・エディットをカップリング!

7

PBR STREETGANG

PBR STREETGANG DOWNSTROKE HOT CREATIONS / UK / 2012/2/1 »COMMENT GET MUSIC
スイスの奇才テックハウサーDEETRONによるエレクトロ・ハウス感覚でのリミックスも乙な仕上がりですが、ここはアーリー・ハウス感も残る骨 太ディスコ・ダブ・ファンク・グルーヴにスクリュードされたスポークンワードが全編に渡りコラージュされていくド渋な一 発"DOWNSTROKE"オリジナル・ヴァージョンを断然オススメ!

8

ALFABET

ALFABET E/F RUSH HOUR / NL / 2012/2/1 »COMMENT GET MUSIC
<RUSH HOUR>のハウス部門筆頭TOM TRAGO&AWANTO 3による好評のアルファベット制覇シリーズ。既存のハウス・フォーマットから一皮剥けた異彩を放つ逸品に仕上がってます◎

9

V.A.

V.A. LUV 004 LOVE UNLIMITED VIBES / GER / 2012/1/24 »COMMENT GET MUSIC
ASHA PUTHLIの1976年名作"SPACE TALK"のグルーヴィーなディスコ・ハウス・エディットA-1をはじめ、メロウな鍵盤リフにミッド・テンポの心地良いハウス・グルーヴが弾むB-2等、 今回もリエディット/ハウス/ビートダウン・サイドのツボを突く粋な仕上がりとなっております◎

10

ANALOG PLAYERS SOCIETY

ANALOG PLAYERS SOCIETY I CAN'T WAIT REDBUD / US / 2012/2/2 »COMMENT GET MUSIC
メロウ・ダンスクラシックNU SHOOZ"I CAN'T WAIT"のゆるゆる絶品レゲエ・カヴァー7"!スウェーデン出身のヴォーカリスト=CECILIA STALINをフィーチャーしたA面に、そのインストとなるB面とどちらも最高◎意外なところからネタを引っ張っては絶妙なレイドバック調のレゲエ・サウ ンドでカヴァーするこのバンド、今後のリリースにも注目です!

DJ YOGURT - ele-king

 自分のお気に入りのDJを紹介できるというのは光栄なものだ。もうかれこれ3~4年前の話だが、その晩僕はひどく落ち込み、うちひしがれ、死にそうだった。ナイトライフを過ごせるような精神状態ではなかったが、約束があったので、僕は重たいドアを開けた。
 ブースのなかにはヨーグルトがいた。彼は......すでにアッパーだった。「おいおい、何時だと思っているんだ」と僕は思った。「まだ11時だぜ」、フロアには10人いるかいないか。こちとら死にそうなほど落ち込んでいるというのに、この寂しいフロアにアッパーなテクノかよ......やれやれ参ったな。
 しかもその飛ばし屋のプレイはそこにいる10人を完璧にロックしていた。落ち込んでいる人間がこういう光景に出くわしたとき、通常ならますます落ち込んでくるものだが、DJヨーグルトのプレイにはどこか無邪気なものがあった。ドラッギーだが、リー・ペリー的というか、ドロドロした感覚がないのがDJヨーグルトの個性だ。トランシーだが、アーシーなセンスがあるからなのだろうか、デーモニッシュな方向にはいかない。DJ saved my lifeという有名な言葉があるけれど、DJヨーグルトのグルーヴは、その晩の僕を助けてくれたかもしれない。

YOGURT&KOYAS
SOUNDS FROM DANCEFLOOR

UPSET RECORDINGS

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 2001年にDJ Uとのアップセッツとしてデビューして、3枚のアルバムと数枚のシングルを発表すると、2008年には〈ラストラム〉からDJヨーグルトとしての過去の作品集『Singles&Remixes 2005 To 2008』、そして2010年にはDJヨーグルト&コヤスとして『CHILL OUT』と『SOUND OF SLEEP & MEDITATION』の2枚をリリースしている。
 DJヨーグルト&コヤスとしての3枚目となる最新作『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』 は、それまでの2枚のアンビエント・アルバムとは打って変わって、いまどきこんなに無邪気な、ケレンミのない、ピースでトランシーなダンス・ミュージックがあるのかといった趣だ。この10年は、90年代とは違って愛情を欠いたダメなクラブも目に付くようになったが、それとは別の場所ではピースなパーティが続いていることを『SOUNDS FROM DANCEFLOOR』は我々に教えてくれる。取材には相方であるコヤスも同席してくれた。

バンド仲間でアジアを旅するのが流行りはじめて、「3万あれば1ヶ月滞在できるよ」って言われて、カネは無かったけど時間は余っていたし刺激を求めていたので、じゃあ俺も行こうと思って。で、何度か日本と海外を往復しているあいだに91年にゴアでたまたま野外パーティに出会ったんですよね。

最初に知ったのは、ヨーグルトが渋谷のシスコ店で働いているときだったね。店長の星川慶子さんから「三田さんのファンです」って紹介されたんで、すごくよく覚えているんだよね(笑)。

ヨーグルト:そうですね、三田さんが来店するとずーっとしゃべってるという。

で、「どれどれ、どんな服を着てるんだ?」と思って(笑)。

ヨーグルト:それはもう、三田カジェアルですよ(笑)。冗談はともかく物書きの人のなかで三田さんはほんとに昔から気になる存在だったんですよ。

レコード店で働くまではインドを放浪しているようなトラヴェラーだったんだよね。んで、いつまでも漂泊できないっていうことで、飯食うためにレコード店に入ったんだっけ?

ヨーグルト:ですね。インド~ヨーロッパの旅から帰ってきて、よくクラブで一緒に遊んでいる仲間のなかに初期の〈イエロー〉の店員のジュリアって人がいたんですよ。その彼が星川さんと仲が良かったんですよね。もともと僕はディスクユニオンで働きはじめて、ロックやジャズとテクノの新譜と中古を担当してて、このままユニオンで働いていくか悩んでいた頃にシスコのテクノ店がオープンして、「こういうテクノの新譜だけで成り立つ店ならいいな」と思って星川さんに自分のことをその友だちに紹介してもらったんですよ。ちょうど佐久間さんとシャッフルマスターがテクノ店を抜けるタイミングでテクノ店に入りました。

しかしね......その頃の若さでなんでゴアに行くようなヒッピーになったんですか? 

ヨーグルト:ヒッピーって自覚はなかったですけどね(笑)。もともとクラブ好きでしたよ。ゴアに行く前も東京のクラブにもよく行ってたし、地元にいるときはたまに地元で遊んでました。

どこの出身?

ヨーグルト:愛媛の松山です。地元が盛り上がっていたわけではないですけど、東京に来たのが88年ですね。当時はクラブに人は入ってて盛り上がっていたんですけど。もっとむちゃくちゃでもいいんじゃないか、もっと盛り上がってもいいと思ってましたね。いまひとつ物足りなさを感じていました。

92年ぐらいから東京もむちゃくちゃになってましたけどね。

ヨーグルト:たしかにすごいパーティが東京でもあったと思うんですが、自分は出会わなかったんですね。その後のゴアとかロンドンで見たときに「俺が求めた解放感や自由な雰囲気を含んだパーティってこれだ!」と思いましたよ。

目覚めてしまったんですね。

ヨーグルト:89年ぐらいは俺、バンドやってたんですよ。でもバンドの練習で同じ曲を何度も演奏するのに飽きてしまって、歌や演奏が飛び抜けて上手いわけでもなかったのでバンド活動は2年ほどで終息して。ちょうどそのバンド仲間でアジアを旅するのが流行りはじめて、「3万あれば1ヶ月滞在できるよ」って言われて、カネは無かったけど時間は余っていたし刺激を求めていたので、じゃあ俺も行こうと思って90年に初めてインドに行きました。で、何度か日本と海外を往復しているあいだに91年にゴアでたまたま野外パーティに出会ったんですよね。まだトランスが根付く直前だったので、UKレイヴものからイタロ・ハウス、アシッド・ハウス、打ち込みのニューウェイヴ、ボディ系の音までいろいろかかっていました。でも音楽を聴きはじめた頃は打ち込みの曲はそんなに好きじゃなかったんですよ。

ヨーグルトのルーツって何になるの?

ヨーグルト:10代前半は60年代から80年代のUKのロックやパンク、ニューウェイヴ、10代後半の頃はレゲエとかブルースですね。

レゲエが好きなのは、アップセッツっていう名義にしてるぐらいだからね。

ヨーグルト:レゲエは好きでしたね、レゲエを好きになったきっかけは、ストーンズやクラッシュがカヴァーしていたレゲエだったりするので、10代後半の頃好きだったのはロック流れのレゲエやロックステディですね。ラスタとかは正直わからないこともいろいろあります。で、ゴアでは打ち込みが苦手な自分がパーティの熱気に巻き込まれて、そしてメチャクチャ踊れるじゃないですか、それで「これすごいな」と思って、もっと探求したいと思ったんです。テクノとか全部エレクトリックな音で構成されてる音楽って、独特のフィーリングがあるじゃないですか。

ある種の麻薬性みたいなところに惹かれたんだね。

ヨーグルト:う~ん、そうですね、苦手だったぶん、より惹かれたってことですかね。

多くのレゲエが好きな人って、けっこうテクノを苦手とする人が多いんだよ。

ヨーグルト:けど、もうバッチリで。テクノで踊った後は歌ものレゲエよりもダブを聴くことが格段に増えて、90年代半ばだとマッドプロフェッサーがマッシヴ・アタックをリミックスしたやつとかを愛聴してました。

コヤス:僕、はじめ『ノー・プロテクション』ぜんぜんわかりませんでした。

一同:ええーー(驚)!!

コヤス:そのうちわかるようになりましたけど。

コヤスくんはヨーグルトと何歳はなれてるの?

コヤス:5歳です。

けっこう離れてるね。

コヤス:95年に交通事故で足をケガして、そこから3年ぐらいまったく遊んでないです。

ヨーグルト:コヤスくんはけっこう卓球さんファンで。

コヤス:最初は卓球さんでしたね。

日本で打ち込みの音楽やっている人で、もともとは卓球ファンっていう人は本当に多いよね。

コヤス:最初の入りはデジタル・ロックだったんですよ。

なんだっけ、デジタル・ロックって?

コヤス:ケミカル・ブラザーズとかプロディジーとか。

ああ、そうだったね。

コヤス:もともとバンドやってたんですよ。僕の場合交通事故にあって足をケガして立って楽器を弾けなくなっちゃって、そのときにケミカル・ブラザーズを聴いて、これならひとりでもできると思ってサンプラーを買って、曲を作りはじめました。

そのとき何歳だったの?

コヤス:22~23です。

そうなんだ。コヤスくんも......運命というか、よりによってヨーグルトといっしょにやるとはね......。当時からヨーグルトは謎だったよ。「彼はいったい何者なんだろう?」っていつもレコードを選びつつ横目でちらっと見つめては思ってたもん。

ヨーグルト:シスコ・テクノ・ショップのいち店員ですけどね(笑)

あの頃はCDを担当してたよね?

ヨーグルト:そうですね、CDの担当だとテクノという概念に含まれる音楽なら何でも全ジャンルやれるのが良かったです。ドローンや民族音楽系の作品も扱っていました。

あの頃CDで発売されるものって〈ファックス〉とかのアンビエントが多かったじゃない。それでアンビエントが好きなのかなって思ってたんだよ。

ヨーグルト:そうですね、90年代にちょっとテクノに疲れちゃった時期があって。90~93年ぐらいまでは無邪気に遊んでましたけど、94年ぐらいにガックリ疲れて、4つ打ちをもう聴きたくないってときにアンビエントにのめりこんでいきました。

あの頃はヨーグルトや星ちゃんの口車に乗ってずいぶん散財したよ(笑)。

ヨーグルト:はははは。お世話になりました!

もし自分もレコード店で働いていたら、同じことしたと思うけど。

ヨーグルト:お客さんが買おうとしている作品にはダメだししにくいですね(笑)。でも、俺はわりと無理には勧めないほうでしたけどね。

コヤス:僕はアルタのシスコでアベさんの当時の楽曲制作の相方だったDJユーに勧められていろいろ買わされて、家帰ってから「なんでこんなの買ったんだろう?」ってことよくありましたね(笑)。

ほら!

ヨーグルト:まあ、そのあたりが難しいとこですよね。自分の好きなものだけ売って成り立つんならいいですけど、塩梅がね。当時だとアンダワールドはとにかく売らないといけないみたいなのあるじゃないですか。でもそこでレコード店でバイヤーの経験を積むことで幅広い視点を持つ勉強にはなった気がしますね。

それは重要だよね。ところでヨーグルトを名乗った理由はなんなんですか?

ヨーグルト:本名でも良かったんですけど「DJアベとかDJシュウジとか名乗って覚えられるかな?」と思って、「俺は覚えられない」と思って(笑)。いっぱいいそうだし。あとムードマンとかコーネリアスとか、名前以外を名乗る人がいたんで。

なんでヨーグルトなの?

ヨーグルト:う~ん、それが覚えやすいのと意味合いですかね。

精子のメタファーなんだよね。やっぱそこでエロティシズムをほのめかしている。

ヨーグルト:アメリカではそうみたいですけど、英語圏以外では違うらしいですよ。トルコ語では撹拌するとかゆっくり混ぜるという意味があると聞いたことがあります。柔らかいイメージと、身体のなかに取り込んで変化するみたいな意味合いもあるんですね。音楽もそうだし。

便通も良くなるしね。DJをやるようになったのはいつなんですか?

ヨーグルト:たぶん〈マニアック・ラヴ〉で「スローモーション」の一番手をやるようになったのがきっかけですね。レギュラーでやるのはそれが最初です、それまでは友だちのパーティでやるぐらいでしたから。「スローモーション」はディープ・ハウスのパーティで、野田さんもたまに来てましたよね?

あれは楽しかったよね、客はいなかったけど。ムードマン、3E(蓑田+三田)、ヨーグルト、あとたまにゲンイチだっけか。96年か97年ぐらいだよね。フレンチ・ディープ・ハウスが流行りはじめた頃だったね。

ヨーグルト:モーターベースがすごい人気でて、そのあとダフト・パンクがブレイクして。

「スローモーション」が火付け役だったからね。

ヨーグルト:えー、そりゃわかんないですけど(笑)。いち部の人たちのあいだでじゃないですか?

エチエンヌ・ド・クレイシーとイアン・オブライエンに関しては確実に「スローモーション」でしょ? 俺が来るとどや顔でベーシック・ソウルをかけていたもんな。「マッド・マイクみたいだろー」って感じで(笑)。

ヨーグルト:そうですかね。三田さんが『エレキング』で頻繁に書いていた印象は強いですね。しかしまさかここまでダフト・パンクがブレイクするとは、当時まったく思ってなかったです。

それでムードマンがムーディーマンとセオ・パリッシュだったね。

ヨーグルト:「スローモーション」って、ちょうど自分の耳がジェフ・ミルズなんかのミニマル・テクノに疲れちゃったときにはじまったパーティなんです。ウェザオールもちょうどディープ・ハウスをやってるときで、「これはもうやるしかない」って思いましたね。俺も最初は客として行ってたんですけど、いいコンセプトだなと思ってDJやらせてくださいってオーガナイザーの蓑田くんにお願いしました。三田さんに「疲れました」って言ったら、「だろ!」って言われて(笑)。ちょうど三田さんもジェフ・ミルズからフィッシュマンズにシフトした時期でしたね。そんな原稿を三田さんが『エレキング』に書いてました。

あー、覚えている。ジェフ・ミルズのDJ聴いて、家に帰ってフィッシュマンズを聴いたっていう原稿あったよね!

ヨーグルト:そうそう、それで俺、三田さんに誘われて野音にフィッシュマンズ見に行ったら、三田さんがいちばんガン踊りしてました(笑)。

あー、それ俺も行った。バッファロー・ドーターが出たやつじゃない?

ヨーグルト:たしかそのときはバッファッロー・ドーターはいなくて、ワンマンでしたよ。ザックさんがPAやってました。ザックさんのPAがものすごくて、歌が聴こえないぐらいベースが出てて、「こんなアヴァンギャルドなミックスやるんだ」って驚きました。ON-Uを見ているような感覚でしたね。ほんと声がわかないぐらいディレイとEQがかかるのが良かったんです。佐藤さんのヴォーカリストとしてのエゴが感じられないライヴでしたね。そこが音楽的にはとても良くて、その日からフィッシュマンズの大ファンになりました。

とにかく、それで「スローモーション」でヨーグルトはデビューしたわけだけど、「スローモーション」が終わってから、さらに音楽活動が活発になっていくじゃない。90年代末にいっかいクラブが落ち目になったときがあって、その頃からヨーグルトは制作のほうもやるんだよね。すごいなーと思ってたんだけど、アップセッツ名義でプロダクションをやるあたりの経緯はどうだったんですか?

ヨーグルト:98年頃からMPCで楽曲制作をはじめて、エレクトロニカ的なビートものを制作しつつ、アンビエントにハマっていた時期に考えたアイデアをどこかで音にしないとすっきりしないって思ってたんですよね。90年代だと作りたいと思っても、まだパソコンの性能がそこまで良くなかったから、ある程度のミュージシャンじゃないと頭のなかで作り上げた構想はなかなか実現できなかったんです。で、2000年半ばにMPC叩いて作ってたスタイルからパソコンに全部移行したんですよ。そこでやるようになったら当時自分が考えていたことが具現化できることがわかって、2001年に『サウンド・オブ・スリープ』の1枚目としてリリースしました。実際は2000年にはもう出来てましたね。そのファーストCDはアンビエントだったんですけど、ファースト・12インチ・シングルはサイケデリックなハーバートみたいな曲でそれは700枚ぐらい売れました、いまより売れてる(笑)

知ってますよ。「アンコンヴェンショナルEP」(2001年)だっけ? 真んなかにアップセッツって書いてあるやつでしょ。レヴュー書いた覚えがある。

ヨーグルト:あれはハーバートと60年代のサイケデリック・バンドのレッド・クレイヨラとリー・ペリーをミックスさせたらどうなるか? っていうアイデアから生まれた楽曲なんです。

つねにサイケデリックだよね、つねに。

ヨーグルト:つねに(笑)、ってわけじゃあ......。

ヨーグルトのDJも本当にアシッディだしね(笑)。

ヨーグルト:あんまりあからさまじゃなくて出汁のように利いてる感じじゃないかと自分は思っているんですけど(笑)。コンブの出汁みたいな。

それでゼロ年代途中でジェット・セットに職場を変わって。でもバッサリやめて音楽活動に専念するんだよね。

ヨーグルト:ジェット・セットでは3年ぐらい働いてました。でもDJの活動が忙しくなってきたので思い切って仕事やめて音楽に専念したかったんです。

やっぱ売れてたんだね。

ヨーグルト:スタートが低いから売れてきているように感じているっていうのもありましたけどね。自分のスタートはフロアには誰もいない「スローモーション」のオープニングでしたから。

はははは。まあそれで、サイケデリックというコンセプトをヨーグルト&コヤスでもさらに展開していると?

ヨーグルト:その前にもいろいろあって、アンビエントも追求しつつ、快楽主義も忘れず、でもわりと生真面目に試行錯誤してたんですよ(笑)。ヒカルくんと2002年に出会ったのも大きかったんです。彼も出演した「FORESTED OVA」って野外パーティで自分のDJを聴いて気に入ってもらえて、自分もヒカルくんのDJを聴いてこれは!というモノを感じたので、「いっしょにやろうよ」ってことになって、2003年からヒカルくんのレギュラー・パーティにときどき参加するようになりました。当時からヒカルくんには熱心なファンがいましたね。20~30人ぐらいは来ることも多くて、それで平日でもパーティがガンガン盛り上がる時間帯があるんです。自分はそれまではラウンジやメインフロアの早い時間とかでいろんなタイプの音楽をかけることが多かったんですけど、ヒカルくんとやるとひと晩にふたりで2~3回交替しながら回すことが多くて、そうするとヒカルくんのDJでダンスフロアが大盛り上がりした後にDJするわけですよ、それが自分にはすごくいい経験になりました。面白かったし、そのドンチャン騒ぎを維持しつつフロアを作る技術というか、メインフロアのピークタイムのフィーリングを多少なりとも学んだのは彼のおかげですね。それまでは前座しかやれませんでしたからね。

やっぱDJも縦社会だからね。でもそれは仕方がないよ。だってジェフ・ミルズが客入れやるわけにはいかないし。

ヨーグルト:そうなんですよね、だからちょうどDJとしての活動が煮詰まってたときにヒカルくんに会ったんですよ。90年代に国内外の先輩DJたちから良いところを吸収して、ゼロ年代に入ってヒカルくんや自分らがワイルドに爆発させたってところがあるかも、ですかね、熟成させたっていうか。

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単純にサマー・オブ・ラヴだってわけではないです。その良質な部分をアピールしたいっていうか、レイヴ・トラックにもひどいのもあるじゃないですか。セカンド・サマー・オブ・ラヴのスピリットが埋もれてしまっているんじゃないかなって残念に思うことがあるので。

そうだね。アップセッツからはじまってどんどん自分を音楽生活にシフトさせていくじゃない、その上での大きかったことってなにかある?

ヨーグルト:いろいろな要因があるんですが、ヒカルくんとやってて、「ドッカンドッカン盛り上がっている局面でDJがプレイしてそこで通用する曲をつくらないと」って思ったことは大きなキッカケになったかもしれないです。当時はまだDJユーと曲作ってて、たまたまヒカルくんまわりにゼロっていうジャム・バンドがいたんですけど、彼らとスタジオでセッションして、それを再構築して、ダンス・トラックを作って、〈トライエイト〉からリリースしたのが2004年ですね(『グルーヴ・オン』)。そこからのシングル曲「エスノ」をDJケンセイくんがリミックスしてくれて、2005年に12インチでリリースされてそれが2500枚売れたんですよ。それが大きかったですね。

ヨーグルトがアンビエント寄りのものからアッパーな方向に行った背後にはホントにヒカルくんがいたんだね。

ヨーグルト:あとはそのときのケンセイくんのリミックスですね。ケンセイくんとはそれ以前から仲よかったんですよね。で、そのシングルが日本中で売れたんで地方に呼んでもらえるようになりました。

そこからまたドラッギーな旅がはじまるわけですね。

ヨーグルト:そうですね、90年代のいちばんてんやわんやな時代のノリに戻ったというか。

はははは。

ヨーグルト:で、2007~8年あたりに、それまでの00年代前半の自分のDJプレイは生音と電子音を融合させた音が多かったんですけど、どんどんテクノ化が進みましたね。現場で受ける音がどんどんテクノっぽくなったんです。「フューチャー・テラー」とかも、00年代前半はわりとダンス・クラッシックとかもかかってたと当時遊びに行っていた人たちから聞いたんですけど、どんどんテクノが流れる時間が長くなっていって。

僕が初めて行った頃も、まだソウルフルなディープ・ハウスが多かったね。

ヨーグルト:で、自分も自分なりにそっちの方向へ向って、ジェブスキっていうムーチーとネクサスってバンドをやってた彼といっしょにテクノ・トラックを作って、12インチ・シングルを〈トライエイト〉や〈ジェット・セット〉、〈ローズ〉から出したりしたんです。で、テクノへ本格的にシフトするあたりでコヤスくんと出会うんですよ。彼と話してみると卓球さんが好きだったりして。ジェブスキはソロ活動を開始するタイミングでもあったので、2007年頃からコヤスくんと共作する機会が増えていきました。

ヨーグルトも卓球好きなの?

ヨーグルト:めちゃ好きですよ(笑)。元旦に東京にいる時はリキッドに挨拶にいってます。卓球さん、俺たちの曲聴いてくれていて「『チル・アウト』いいよ」って伝えてくれたときは嬉しかったですね。あの卓球さんの快楽主義を貫く姿勢は尊敬しますよ、簡単にできることじゃあないじゃないですか。

快楽主義も良いけど、レイヴのあとの空しさったらないよ。二日酔いの翌朝の空しさもたまらないけどね。「なにやってんだろう、俺?」ってね。

ヨーグルト:俺もそんな気分を味わったことがあるのでわかりますよ。だけどそこで帰っていままで聴いてなかった音楽とか聴いて、それまで聴いても良さがわからなかった音楽がわかるようになってんじゃん、みたいなこともときにありますよね。「あれ? この曲やけにいい聴こえかたする」とか。そういう微妙だけど確実に何か変わっていることに気がつくと空しさも薄れるんじゃないですかね? レイヴを体験して感覚が変容することで、音楽だけじゃなく映画などアート全般に対する理解力が上がってそれまで以上に人生が楽しくなった人もいると思うんですよね。

ですかね。でもさ、たとえばトランスってドラッギーで入りやすいけど、空虚な音楽でもあるよね。ぶっ飛ぶためだけにあるから。心は満たされないっていうか、それがトランスの格好良さなんだけどね。

ヨーグルト:トランスの受け止め方も人それぞれで何とも言えないんですけどね。自分はトランスのパーティに漂う解放感は好きです。90年代のパーティ・カルチャーは自由を目指して、より自由にって爆走していたと思うんですけど、良いことだけでなくいろいろ問題も発生して、熟成期に差し掛かってきたのがいまなんじゃないですかね。

レイヴの自由って幻覚じゃない?

ヨーグルト:いやいや、すごいパーティで感じた体験はそう簡単には風化しないですよ。毎週のようにまあまあのパーティに行ってると空しさが爆発するかもしれないですが。どうしても空しさを感じたくないなら、DJやパーティを絞り込んで狙って、3~4ヶ月に1回行けばいいんですよ。一度や二度空しさを感じて、そのあとまったくパーティに行かなくなるのももったいない気がします。

はははは、たまには幻覚ぐらい見ないとね(笑)。俺も3~4ヶ月に1回は行きたいですよ。そういえば、ゼロ年代以降は、小バコの時代だったとも言えるよね。

ヨーグルト:〈グラス・ルーツ〉が盛り上がったり。

〈グラス・ルーツ〉って行ったことないんだけど、たとえば静岡だったら〈ラディシャン〉が居心地が良かったりするよね。小さいながらもスピリットを感じるっていうか。人と人との距離も近いから、話しやすいし。

ヨーグルト:でかい場所で何千人って人と同じ曲聴いて盛り上がるっていうのもありだと思いますけど。小バコだともっと音楽好きが集まって音楽性が高まる気がしますね。

まあ、敷居が低い分、音楽性は高くはないかもね。

ヨーグルト:いろいろな小箱があるから何とも言えないですけどね。俺は〈グラス・ルーツ〉でダメ出しされたこともありますよ(笑)。「キミはいろんな曲かけてるけど、ほんとに全部すきなの?」って言われて。好きな曲しかかけてないですけどね。そういう感じのコミュニケーションがあるのは小バコならでは気がしますね。ダンスフロアとDJブースが近いからこそ生まれる雰囲気はあると思います。

でも大人数のときの興奮はまた別のすごさがあるよね。

ヨーグルト:大人数で盛り上がるすごさにあらためて目覚めたのは去年のフジロックですかね。あのメインステージの音がムチャクチャよくて、あそこで考えが変わりましたね。なんですかね、あそこで1万人以上で盛り上がるのは......衝撃でした。ただ音が良いだけではない部分があると思いましたね。あの音に感動してPA業界に入る若者とかいるんじゃないかと思いますよ。

DJとしてのポリシーは?

ヨーグルト:新譜と旧譜をバランス良くプレイすることや、なるべく他のDJと選曲が被らないことは意識しています。「こんな選曲のDJは初めて聴いた」と言われたいです。その夜来てくれた人が「また来たい」って思いながら帰ってもらえたら嬉しいです。

先日ゴス・トラッドに取材したときに彼が言ってたんだけど、日本と欧米との違いは日本では曲を作るDJがまだまだ少ないってことだと。たしかにダブステップ世代のDJって、みんな曲作っているんだよね。むしろ曲作りが先で、それをプレイするためにDJしているんだよ。とはいえ、テクノが盛り上がった90年代なかば以後は日本でも曲を作る人がいっきに増えたよね。田中フミヤや瀧見憲司以降っていうか、ヨーグルトもそうだし、アルツとかノブくんとか、みんな作ってる。

ヨーグルト:作曲とDJがどんどん同じになってきてるのかもしれないですね。そんな流れのなかでオリジナリティを出すのはほんとに大事だと思います。自作の曲やエディットを作ってかけたり、スクラッチなんかをしたり、やり方はなんでもいいと思いますけど、DJプレイにおいてその人にしかできないことをやるのはこれからいままで以上に求められてくるでしょうね。自分はウェザオールが"ローデッド"をリミックスしたときからそれは感じてました。「DJってこんなに自由にやっていいんだ」ってね。

目標としているDJっている?

ヨーグルト:ミックスマスター・モリスは昔から好きです。

あー、昔からずっと好きだよね。

ヨーグルト:いま〈R&S〉傘下の〈アポロ〉のA&Rやったりしてて、視野がほんと広いんですよね。そこでジェームス・ブレイクとかをきっちりチェックしつつ......。歳とっていくと視野が狭くなる人が多いじゃないですか。でも、ミックスマスター・モリスはいまでも現役というか、しっかり新譜の動きをおさえているんですよね。すごくアナーキーなところもあるし......。コヤス・スタジオにデモ曲を制作するために泊まりにきたこともありました。
 他には、ニック・ザ・レコードも好きですね、あの人はお約束以外のディスコをうまくかけるじゃないですか。ズブズブのディスコを素人にはわからない感じでかけるのがすごい。何時間でも聴いていられる面白さがあります。

僕は今回のアルバムも『チル・アウト』も、聴いてつくづく思ったんだけど、基本的にはサマー・オブ・ラブの人だよね、ヨーグルトは。

ヨーグルト:根底にあるのは間違いなくそうですね、でもいろいろありつつですね。

それはいまは素直に受けとれないと?

ヨーグルト:けっこう世のなかの流れってかわるんですよね。まあ、基本的にはそこが大事なところですけど。どちらにしても『チル・アウト』と『サウンズ・フロム・ダンスフロア』は素直にやったというよりは微妙に批評性はあると思いますよ。

自分がここ数年ダブステップ系ばかり聴いていたからかな。なんて無邪気だろうって思ったんだけど。

ヨーグルト:セカンド・サマー・オブ・ラヴの頃に生まれた楽曲って勢いでやっちゃてるものが多い気がするんですが、自分でやっているものは、もっと落ち着いて見直して、セカンド・サマー・オブ・ラヴの頃に生まれた楽曲のどこが良かったかって考えてやってます。余計なものをそぎ落としたというか、むやみに意気込んでるわけではないですね。単純にサマー・オブ・ラヴだ、フリーダムだってわけではないです。その良質な部分をアピールしたいっていうか、セカンド・サマー・オブ・ラヴといってもレイヴにもひどいのもあるじゃないですか。そういうよくわからないレイヴにセカンド・サマー・オブ・ラヴのスピリットが埋もれてしまっているんじゃないかなって残念に思うことがあるので。

ヨーグルトの場合は、ゼロ年代に曽我部恵一を聴いているような若いリスナーのあいだで広まっていったよね。実際、ヨーグルトが好きっていう20代のロック・リスナーに何人か会ったことあるよ。

ヨーグルト:嬉しいですね! 最近では、大阪の奇妙礼太郎トラベルスウィング楽団のヨーグルト&コヤスリミックス(「機嫌なおしてくれよ」)が評判になって、10代から20代の人も聴いてくれてるみたいです。自分もロックを聴いててダンスに入っていったんで、ロックのリスナーにはシンパシーがあるんです。インディ・ロックを聴いているような子たちにダンス・ミュージックの魅力を伝えたいっていうのはあります。曽我部さんも「そういうことやりたいよねっ」て言ってくれているんですよね。

いま、どのくらいの割合でDJやってるの?

ヨーグルト:平均すると月に6~7本ぐらいですかね。

さすがですね。

ヨーグルト:でもヒカルくんとかノブくんとかケンセイくんはもっとやってますからね。

みんなすごいよね。

ヨーグルト:俺もこれからの『エレキング』に期待したいですね。

もう『エレキング』にはクラブ・ミュージックについて書きたいって人がいなくなってるからね。

ヨーグルト:萎縮してるんじゃないですか? それかブログやツイッターなんかで自分の思いを文字にして満足している人が多いのかもしれないです。

五十嵐とか暇を見ては手伝ってくれてるけど、大人でコンスタントに書いているのは僕と三田さんぐらいで、松村や二木なんかもたまに、1年に1~2回ぐらいは磯部も書いてくれているけど、他は20代なんですけどね。2012年はライターを増やしたいっていう目標があるんだ。

ヨーグルト:俺も書きますよ!

それは嬉しいな。ヨーグルトも昔の『エレキング』でもよくレヴュー書いてくれたよね。でも、やっぱもう言葉を必要としていないってところもあるのかな? テクノやハウスに関していえばもう充分過ぎるほど語られているから。

ヨーグルト:もしかしたら語るよりも体験しようって人が多いんじゃないですか。娯楽文化でもあるし、ヨーロッパではドラッグ文化のいち部でもあることが日本では書く人が少ない原因かもですよね。

関西なんてそれどころじゃないだろうしね。そういう意味ではね、今回のアルバムのアートワークが思いっきりダンスフロアを主張しているでしょ。このわかりやすいヴィジュアルをいまやるところにヨーグルト&コヤスの強い気持ちを感じたんですけど。

ヨーグルト:『チル・アウト』、『サウンド・オブ・スリープ&メディテーション』と2枚のアンビエント・アルバムを続けてリリースしたあとなので、今回は方向性が変わったことを明確にアピールしたかったんです。もちろんダンスフロアへの愛情をストレートに表現したタイトルでもあるんですが。ま、これは昔の『リミックス』も関係あるというか、それが原因みたいなものですよ(笑)。

というと?

ヨーグルト:2004年にさっき言った〈トライエイト〉から『グルーヴ・オン』っていうアルバムを出したら、それがどういうわけか『リミックス』誌の2004年の「アンビエント・アルバムNo.1」に選ばれて(笑)。「自分にはアンビエントってイメージが強くあるからなのか?」と軽く悩みました(笑)。これはマジで、もっとわかりやすくしないと音楽系のライターにすら通じないのに、一般の人たちにはまず通じないなと心の底から思って(笑)。それ以来、ダンスものはダンスものらしく、曲名もヴィジュアル的にもわかりやすくしています。

ひぇー、それはごめん。すいません!

ヨーグルト:河村さんがそうしたということをあとから知りましたけどね(笑)。それがトラウマでこうなってるんですよ。

え、じゃあ、まさか河村の影響で?

ヨーグルト:このタイトルなら誰もアンビエントだと間違えないでしょう。

重たい話になっちゃうかもだけど、ゼロ年代以降は店員の態度が悪いクラブも出てきたでしょ。疲れて階段で座っているだけで注意するような。入口で財布の中身まで見るとか。あれがクラブ初体験だったらリピーターにはならないと思ったことあるんだよね。〈イエロー〉や〈マニアック・ラヴ〉の時代は、お店のスタッフもみんな「こちら側」っていう感じだったけど、やっぱこの10年で好きでやっていた人たちが作っていったものと、商売ありきではじめた人たちとの差が出てしまったかなと思って。

ヨーグルト:〈イエロー〉や〈マニアック・ラヴ〉の店員の人たちの雰囲気はほんとによかったですもんね。クラバーがそのまま店員になった感じで。でも全国いろいろまわってるとナイスな店員さんに出会うこともあるし「こんなところにこんなクラブが!」ってこともありますよ。

気持ちのこもったクラブっていまでもあるんだろうけど、客の側から見てちょっとギブかなっていうのも混じってるからややこしいんだよね。たぶんヨーグルトやノブくんみたいな人たちはそういう場所を巡業しているんだろうし、だからこういうアルバムが生まれるんだろうし。ちなみにこのアルバムに込められたメッセージは?

ヨーグルト:ダンスフロアにはマジックがあるんだってとこですかね。


■all time to 10 albums by Yogurt
1. RED CRAYOLA / Parable Of Arable Land (International Artist)
2. MILES DAVIS / Bitches Brew (Columbia)
3. BOB MARLEY&WAILERS / Catch a Fire (Island)
4. ROLLING STONES / Black&Blue (Atlantic)
5. KING SUNNY ADE / Juju Music (Island)
6. SPACEMEN 3 / Dream Weapon (Fierce)
7. PRIMAL SCREAM / Screamadelica (Creation)
8. BASIC CHANNEL / Basic Channel (Basic Channel)
9. IRRESISTIBLE FORCE / It's Tommorrow Already (Ninja Tune)
10. BLAST HEAD / Head Music (Free Hand)

1/7(土) @八王子Shelter
1/12(木) @西麻布Eleven
1/14(土) @江ノ島Oppa-La
1/20(金) @中野Heavy Sick Zero
1/27(金)@渋谷Vision
1/27(金)@代官山UNIT/SALOON
1/28(土) DJ YOGURT Open To Last 6Hours@代官山Saloon
(The FieldがUnitに出演する日です)

他の出演予定の確認はこちらで
https://www.myspace.com/djyogurtfromupsets/shows

My Favorite Christmas Songs - ele-king

 2011年も残すところ数週間。先日も街を歩いていたら、レディ・ガガとビヨンセの歌う"クリスマス・ツリー"が流れてました。中古レコード店に入るとこんどはソロモン・バークの渋い"プレゼンツ・フォー・クリスマス"です。コンビニに入れば、ワム!の"ラスト・クリスマス"、セリーヌ・ディオンの"ブルー・クリスマス"、山下達郎の"クリスマス・イブ"......世のなか、ほとんどクリスマスだらけになります。
 独り身の方には、ザ・フォールの"ノー・クリスマス"のような曲もありますし、喧嘩中の方にはラモーンズの有名な"メリー・クリスマ"があります。
 僕はフィル・スペクターの『ア・クリスマス・ギフト・フォー・ユー』がいちばん好きです。あのアルバムは世界でもっとも夢見がちなプロデューサーが作った最高に素敵なファンタジーではないでしょうか(周知のように彼は、ジョン・レノンと小野洋子の"ハッピー・クリスマス"のプロデューサーでもあります)。
 コクトー・ツインズの"フロスティ・ザ・スノーマン"も名曲です。いまどきのチルウェイヴやネオゴシックを追っている若いリスナーにはオススメです。スレイドの"メリー・クリスマス、エヴリボディ"はちょっと上級者向けかもしれません。ジョン・フェイヒィのクリスマス・アルバムはそれと反対の意味で上級者向けですが、クリスマスの曲は来る者を拒まないのが良いところです。フェイヒィの狂ったような技術によるクリスマス・ソングの演奏は、その日がクリスマスであることをも忘れさせるでしょう。
 僕は若い頃は、ザ・ポーグスの"ファーリー・テール・オブ・ニューヨーク"をよく聴いていました。この曲は僕のような賢くない人間にとっては本当に最高のクリスマスのファンタジーです。ぜひ歌詞を読んでみてください。もしもザ・ストリーツがクリスマス・ソングを作っていたら、こんな曲を書いていたでしょう。
 以下、ele-kingによる「30 classic songs」を思いつく限り、ざっと選んでみました。あ、レゲエのクリスマス・カヴァーを忘れてました。たくさんあり過ぎるのですが、僕は〈トロージャン〉から出ているボックスをいつも聴いています。
 高名な音楽評論家の湯浅学さんがクリスマス・ソングの蒐集家で、それだけで2000枚もあるそうです。現在、ライターの方々をはじめ、レーベルの方々、いろんな方々に「My Favourite Christmas Song」についてアンケートしています。お返事が来れば、発表します。お楽しみに!
 なお、読者の方のなかにも、以下のチャート見て、自分の「Favourite Christmas Song」が入ってないじゃないかという方は、ぜひこちらにメールください(ele-king@dommune.com)。お名前(匿名)、アーティスト名/曲名+コメントでお願いします。火曜日(20日)に締め切らせていただきます。



■30 classic songs by ele-king
1. The Ronettes - Sleigh Ride
2. The Pogues - Fairytale of New York
3. The Ramones - Merry Christmas (I Don't Want To Fight Tonight)
4. John & Yoko And The Plastic Ono Band - Happy Xmas (War Is Over)
5. John Fahey - Silent Night, Holy Night
6. Cocteau Twins - Frosty the Snowman
7. Slade - Merry Christmas, Everybody
8. Jackson 5 -Santa Claus is Coming to Town
9. Booker T & the MG's Jingle Bells
10. Yello - Jingle Bells
11. St Etienne feat. Tim Burgess - I Was Born On Christmas Day
12. Manic Street Preachers - Ghost of Christmas
13. James Brown - Go Power At Chirstmas Time
14. Ray Charles - That Spirit of Christmas
15. Wedding Present - No Christmas
16. Donny Hathaway - This Christmas
17. Bright Eyes - Blue Christmas
18. Miles Davis - Blue Christmas
19. The Kinks - Father Christmas
20. The Yeah Yeah Yeahs - All I want for Christmas
21. The Fall - No Xmas for John Quays
22. Johnny Cash - I Heard The Bells On Christmas Day
23. Stevie Wonder - -Christmas Time
24. The Supremes - My Christmas Tree
25. The Beach Boys - Little Saint Nick
26. Duke Ellington - Jingle Bells
27. XTC-Thanks For Christmas
28. Tom Waits & Peter Murphy - Christmas Sucks
29. The Only Ones - Silent Night
30. The Ventures - Christmas Album

●鴨田潤(イルリメ)

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
4年前、MXテレビの「5時に夢中」を見てたらエンディングテーマとしてこの曲が流れ初めて知り、好きになりました。シンセの音色が何というか、家庭的で良いです。

●大久保潤(大甲子園/Filth/メディア総合研究所)

Wizzard - I Wish It Could Be Christmas Everyday
Slade - Merry Christmas, Everybody
Gary Glitter - Another Rock 'n' Roll Christmas
T.Rex - Christmas Bop


一番好きなクリスマスソングは断然少年ナイフの「Space Christmas」だし、先日のライヴ・レポートにも書いたように「Sweet Christmas」も大好きなのだけれど、ちょっと違うのを挙げて見ます。シャッフルと相性がいいのか、グラム・ロックにはいいクリスマスソングが多いのでその中から4曲。ウィザードは定番中の定番ですね。すかんちがやってたカヴァーもよかった(まあコピーですが)。スレイドはサビのシンガロングがライヴだとさぞ大合唱であろうこれまた定番曲。ゲイリー・グリッターはシャッフルではなくロカビリー調なのだけど、軽快にスウィングせずにドタバタしたノリになるのがこの人の味。そしてT.Rexはたしかマーク・ボランの生前にはリリースされなかった曲。「T.Rex'mas」というフレーズも決まった楽しい曲です。

●タバタミツル(ZENI GEVA, ACID MOTHERS TEMPLE, LENINGRAD BLUES MACHINE、e.t.c...)

Caetano Veloso - In The Hot Sun Of A Christmas Day
実は今週の17日〆切りで「きよしこの夜」をソロで録音し、とあるポルトガルのネット・レーベルに送らなアカンのですが、まだ一音も録音していません! パニックなう! ホンマやったらそれを推したいところですが、まだ存在していないものを推す訳にはいきません(笑)。というワケで、「私の好きなクリスマス・ソング」はこれです。ブラジルは南半球で季節が逆ですから、こういうタイトルになったのでしょうね。ロンドン亡命中のアルバムの曲なので、望郷の念もあるのかもしれません。嗚呼、一度でいいから真夏のクリスマスを体験してみたい。サンタの格好でサーフィンしてやる。

●五十嵐慎太郎

James Brown - Funky Christmas(Album)
ワムや山下達郎等は今でも聞きますが、偉大なSOUL of GODの命日でもあるので上記のアルバムを選ばせてもらいました!

●鎌倉慎治

スチャダラパー - Santaful World
クリスマスと聞いて思い出すのはこの曲くらいです。この時期にちょっと聞きたくなって家の棚を探すけど、なかなか見つからないのが恒例で、持ってなかったということに毎年気づかされるのです。

●ひろぽん(某レーベル)

Mariah Carey - All I want for Christmas is You
「Last Christmas」と迷いました。直観的には大嫌いな類の音楽のはずなのに、実際にこの曲を聴くと年の瀬の実感が湧き、師走の中にも幼少のクリスマスの良き思い出と共に平穏と幸福感がナゼか訪れる。

●三田 格

レジデンツ - ダンボ、ザ・クラウン(フー・ラヴド・クリスマス)
これは初めて聴いた時から耳に入り込んで心臓に達してしまいました。レジデンツは「サンタ・ドッグ」を何回もレコーディングし直してるし、何かこだわりがあるとしか思えませんなー。「戦場のメリークリスマス」やシュガーキューブス「バースデイ(クリスマス・リミックス)」も好きですけど。

●西岡由美子(Americo)

飯島愛 - あの娘はハデ好き
聴くたびに泣いてしまう曲です。歌詞はご本人のペンによるもの。この曲が収録されたアルバム『なんてったって飯島愛』はクリスマスをテーマにしたファーストにしてラストアルバム。モータウン歌謡、ボッサ歌謡、モノローグ...愛さんの臆病さと果敢さが入り混じったヴォーカルがかっこいいです。

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●world's end girlfriend (Virgin Babylon Records)

Bing Crosby & David Bowie - Peace on Earth / Little Drummer Boy
1977年、テレビのクリスマス特番でBing Crosby とDavid Bowieが共演し、あまりの評判の良さにシングル化されたもの。唯一無二の声を持つ二人の唄が絡み合う瞬間、互いの個性が打ち消し合うことなく奇跡的に共鳴し神聖な空気に充ちる。

●DJ YOGURT(UPSET REC)

Keith Richards - Run Rudolph Run
Chuck Berryのオリジナルよりキースのカバーの方が好き。PoguesのFairytale Of New Yorkとどちらを挙げるか迷ったけど、Poguesの方は誰かが挙げると思ったし、2011年はキースの読み応えたっぷりの自伝「LIFE」も出たことだし、でキースの78年リリースシングル曲をチョイス。マライアキャリー等が歌っているような典型的なXmas Songに漂う華やかさは嫌いじゃないけど、自宅でPoguesとKeith以外のXmas Songのレコードを聴くことはほとんど無いかも......

●太田真司(Hostess)

R.E.M. - Christmas Griping
今年、惜しまれつつも解散してしまったR.E.M.。僕の青春のバンドです......。実は毎年ファン・クラブ会員向けにクリスマスに彼らのお気に入りのクリスマス・ソングをプレゼントしていたのですが、1991年に初めてオリジナルのクリスマス・ソングを発表したのがこれ。ファンになった当初は、聴く術も無かったのですが、今では進みまくったNET文化のおかげで、過去の貴重な音源を聴くことも簡単に。『Out Of Time』と『Automatic For The People』のリリースの間の、超人気絶頂期だった当時のR.E.M.。そんな彼らが、メンバーの家族やマネージャーも参加させて、かなりリラックスして作りつつも、歌詞は彼ららしい皮肉の効いた楽曲です。
曲はこれ↓ 

●三船宏志(恵比寿リキッドルーム)

TICA - WONDERFUL CHRISTMAS TIME
JINTANA & EMERALDS - Last Christmas

ともに良いカヴァーです。

●シュンタロウ

Big Star - Jesus Christ
ギターフレーズが降らせる雪の中で、アレックス・チルトンが消え入りそうな声で「Jesus Christ was born today.」と歌う。たまんねーっす。アメリカの田舎でひっそりと過ごすクリスマスって感じです。

戸張大輔 - 無題6(ドラム)
日本の感受性豊かなニートのクリスマスです。大学生受けが良さそうです。

The Flaming Lips - Christmas at the Zoo
頭のおかしい奴の最高にハッピーなクリスマスっす。

●WHY SHEEP
「以下、ホワイ・シープの"クリスマス・ソング講座"」

David Sylvian & Ryuichi Sakamoto - Forbidden Colours

つまり「戦メリ」なんだけど、原曲もいいがやっぱりこっちのほうがいい。David Sylvianと教授は本当に良い組み合わせだと思う。この曲は真の意味でのコラボで上に乗せた歌の旋律は全部David Sylvianが作ってるわけで、この単純なコード進行の上にこれだけ豊穣な旋律を乗せていることを聴き取って。

The Three Wise Men (Aka XTC) - Thanks For Christmas

XTCってアンディー・パートリッジのことばっかり語られるけど言ってみれば彼はbeatlesにおけるジョン・レノンであって、旋律を作る才能はコリン・モールディングのほうが格段に上。つまりマッカートニー。

Band Aid - Do They Know Its Christmas
これによって「音楽って本当に世界を変えられるかも?」と思わせてくれた。今となっては音楽やってるどうかもわからない人も参加してるけど。ハイライトはBonoとStingのかけあいでしょうやっぱり。まだ覚えてるけど高校生のときに発売日に茅ヶ崎のレコード屋に開店前かけつけて買った。ちなみに12 inchにのみ収録されたいたExtend Mixは参加アーティストのインタヴューが収録されていて、参加してもいないのにDavid BowieとPaul McCartneyのコメントが入っていた。あいつら大御所すぎて当時は斜陽だったBob Geldofなんか相手にしてなかったんだろうな。後で後悔したことだろう。Bowieは天才に間違いないが偽善者だと思う。参加してないくせにあのコメントはない。

David Bowie - When The Wind Bolws
原爆アニメ映画「風が吹くとき」のタイトルトラック。どうしてクリスマス・ソングとして扱われているかというと、映画の原爆が爆発した日がクリスマスだから。プロデュースはピンク・フロイトのロジャー・ウォーターズ。クラシカルな曲調に声帯ブルブルのBowieのテノールがよく合ってる。311以降1ヵ月はずっとこの曲を聴いてました。映画もお勧め。自分と同じ庶民というのはどれだけ情報統制下にあるのかということを思い知らされる。

David Bowie and Bing Crosby - Little Drummer Boy - Peace On Earth
当時イケイケだったBowieが大御所Bingに対等に挑んでるところはすごいと思う。もともとテレビの企画でやったもので、寸劇の中でやったものが素晴らしい出来なのでレコードになったもの。フル・ヴァージョンはそのドラマセリフもついてます。近所に住んでるBowieがピアノの音が聞こえたというのでBingの家をいきなり訪問したという設定。会話も洒落てます。

John Lennon - Happy Christmas
たぶんこれが20世紀に作られたクリスマス・ソングではナンバーワンなんだろうな。早くこの詩が歌ってるような世界になりますように。それ以上は、この曲については語ることがないというより語りたくない。

Chris Rea - Driving Home For Christmas
名曲とまでは言えないけど、いいよねこういうホームランを狙わない謙虚さ。クリスマス休暇に合わせて家に車を飛ばす中年男の気持ちを歌ってる曲。PVもそれに合わせて作ってた。彼の中ではOn The Beachの次にヒットした曲じゃないかな。

Billy Joel - Nobody Knows But Me
彼の作ったたぶん唯一のクリスマス・ソング。クリスマスに関することは曲中一切言ってないけど。後もう1曲、「She's Right On Time」ってのがあるんだけどこっちはそこそこ。、『n Harmony 2』Iというクリスマス企画盤にのみ収録された曲です。レコードでしか出てないはず。持ってることが自慢。なぜいいかって? billyだから。

The Pogues - Fairytale Of New York
これもタイトルにはクリスマスはないけど詩の内容でクリスマスの情景とわかります。男声女声のかけあいがいい。Irishな感じもいい。

Paul McCartney - Wonderful Christmas Time
ジョン入れたらこれ入れないわけにはいかないよ。名曲であることは間違いない。ジョンと対照的に何の思想もないところがPaulらしくてかえっていいのかも。

Paul McCartney - All Stand Together
これもPaulらしさ全開。名曲とまでは言えないが、全編、オーケストラと動物の鳴き声だけというのはすごい!

The Beatles - Christmas Record (1963-1969)
Beatlesって公式のクリスマス・ソングはないと思うのだけど、これはBeatlesがファンクラブの為に毎年出していた限定レコード。曲というよりコント劇なんだけど、1968のヴァージョンの冒頭は「Christmas Time Is Here Again」という、「All Together Now」に似た曲を披露してます。どの年のか忘れたが皆でべろべろに酔っぱらって「Yesterday」のパロディーやってるのがハイライト!!!

佐野元春 - 聖なる夜に口笛吹いて-Christmas Time in Blue
佐野さん入れないわけにいかないでしょう。やはり元代理店だけあって、マーケッティングを考えすぎてるところは今考えると残念だけど曲は良い曲です。ジョン・レノンへのオマージュです。

山下達郎 - Christmas Eve
なんだかんだ言って、日本人の作った最高のクリスマス・ソングはこれだと思う。途中のコーラルのパートがなかったら違うかもだけど。そういう意味では日本人版のボヘミアン・ラプソディーだ。つまり誰にもカバーできないってこと。

ぷっちモニ - ぴったりしたいX'mas
つんく♂を侮ることなかれ。冒頭の「素敵な人出会いますように!」が「サンタが街にやってくる」の引用であることにどれだけの人が気づいただろう?そしてキャンディーズへのオマージュ。感動はしないが良くできた曲。モー娘はAKB48よりずっとおもしろかった。

ここからはスタンダード・トラック
Wynton Marsalis - O Come All Ye Faithful 神の御子は今宵しも
Wyntonはトランぺッターですが、これはピアノだけ。スタンダードだけど、この曲の一番好きなヴァージョン。一人でイヴを過ごす人はこれを聴いてください。

Little Drummer Boy - Silent Night
Auld Lang Syne /Jimi Hendrix-Silent Night
腐っても鯛。ラリっててもジミヘン!素面で弾いてるわきゃない!!!

Lauryn Hill - Little Drummer Boy
スタンダードのクリスマスソングを自己流に解釈しているという点においてこの曲はいままでで最高でした。時代は過ぎても色あせないアレンジ。そして歌唱法。

Stevie Wonder - Ave Maria (Someday At Christmas)
これは自己流の解釈というよりアフロ・アメリカンにどうしてもなってしまうんだろうけど、シューベルトが聴いたらどう思うんだろうか。僕は子供の頃から聞かされすぎて意味はまったくわからないのにラテン語でソラで歌えますが、スティーヴィーのこれを聴いたときはぶっ飛んだ。素直に負けを認めるしかない?

Eagles - Please Come Home For Christmas
これも名曲。ずっとEaglesのオリジナルと思ってたら違うらしいんだけど、ほとんどオリジナルみたいになっていて、再結成コンサートでイントロが流れた途端オーディエンスが狂喜していた。アメリカ大陸に渡ったクリスマス。切ない曲です。

Why Sheep? / Somewhere At Chrismas
最後に持説を。クリスマス・ソングというのは一人のアーティストが一生に一回だけ作っていいものなんだ。本当に優れたアーティストは2回ぐらいまではやっていいけど。つまりそれだけ満を持して、渾身の一作を作らないといけない。手前味噌でなんですが...自分がいままで作ったメロディーの中でもっとも美しいメロディーだったのでクリスマスソングにしました。Why Sheep?ならではのWorld Musicの果てにあるクリスマス・ソング。レヴィ=ストロースに捧ぐ。次のアルバムの収録予定だけど、クリスマスだけこれを読んでくれた人に限定公開します。
https://soundcloud.com/why-sheep/somewhere-at-christmas/s-r8jFf

(補足)
大切なことを言うのを忘れてました。
いいかい。君がもし敬虔なクリスチャンじゃなくて、恋人もいなくて、家族からも離れてて、クリスマスもイヴも一人っきりですごさなきゃいけないと しても、だからってファック・オフ・クリスマス! なんて思わないでほしいんだ。たとえば日本のバレンタイン・デーが製菓メーカーが都合よくでっちあげた イベントだって話がある。なるほどそうかもしれない。だけどそれがどうだっていうのさ? 便乗して金儲けしたいやつらには今のところはさせておけばいい。
日本のバレンタイン・デーは日本人みたいなシャイな連中がきっかけつけて愛を告白できる日じゃない。クリスマスも同じことなんだ。しかもクリスマ スは恋人限定じゃない! クリスチャンかどうかなんてことは関係ない。ジョンだって誰にも当てはまるように歌ってるじゃない。人間だから、どんなにがん ばっても許せない人がいてもおかしくない。それが人間ってもんだ。
だけど、1年のうち1日だけは全部許す日があってもいいじゃない。次の日からまた憎らしくなるとしてもきっと以前よりなにかが少し変わってるはずなんだ。

●Anchorsong

モグワイ - クリスマス・ステップス" (from "Come On Die Young")
クリスマスの華やかさと一切無縁の男臭さがいいかなと。

●YODA (HORIZON / SLYE RECORDS)

The Kinks - Father Christmas
クリスマスソングといえばパンクの嵐が吹き荒れてた1977年リリースのこの曲、もうすっかり大人になってしまったレイ・デイヴィスが若者にむけたクリスマス・ソング。でもちょっとひねってあるところがキンクスです。この曲はシングルのみの発売でB面のタイトルは『Prince Of The Punks』。

Furyo - Kayashi
そして1998年以降からずーっと12月1日から12月24日までの間でDJがある時にかけているのがこの曲。今はなきAdditiveというレーベルから、多分ドイツの人による戦メリのカバーです。Furyoというアーティスト名もKayashiという曲名もまったく意味不明だったのですが、調べたら映画『戦場のメリークリスマス』の英語タイトルがFuryoでした、これは俘虜ってことですね。なるほど。

●鷲巣功(静岡ロックンロール組合/首都圏河内音頭推進協議会議長/高校の先輩)

 お前、なに今頃こんなことやってんだ。こういうのは10月校了、11月中の発売だぞ。その昔、バッドニューズから「ベスト100クリスマス・レコード」というのを出した事があった。内容はかなり自信があったけど、出来上がったのが12月20日頃で、当然売れなかった。売る期間がなかったのである。FMディレクター時代にも「わたしのトップ・テン」という番組でクリスマス盤の特集を企画した。パイド・パイパー・ハウスの紹介で杉本ユキコという人に来てもらって、奇盤、珍盤ほかを紹介した。確か一位が大瀧詠一の「クリスマス音頭」だったはず。この時、彼女に一緒についてきたのがまだ世に出る前の湯浅学だったと記憶している。
 さて、わたしのはチップマンクス クリスマス・チップマンクス(東芝EMI TOCP-67281)だ。クリスマス物はノヴェルティ・レコード収集の第一段階だ。いろいろと思い出深い物がたくさんあるが、今日はこれにしておこう。この時期になると、シャイ・ライツの「ハヴ・ユーン・シーン・ハー」と「北風の中で」を聞きたくなる、という現象もなぜか起こる。さあ、もう2012年だ。

●二木 信

井上陽水 - お願いはひとつ
「ジキル、ハイドまでがクリスマスプレゼントを買う/野外音楽場の外で/子供達の歌う賛美歌にも賛美されない」 こんなシュールな歌詞を意味もわからず歌いまくってた小学生の頃から、クリスマスになると、この曲が頭の中をループしてウキウキします。この曲が入ってる『LION&PELICAN』は音も歌詞もかなりユニーク。宮沢賢治を皮肉る「ワカンナイ」も面白いし、沢田研二のために作った「背中まで45分」のセルフ・カヴァーなんて極上のアンビエント。カラオケ行きたくなってきた~。

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●ママケーキ(静岡県)

K Foundation - K Cera Cera (War Is Over If You Want It)
エレキングと言えばKLFでしょう!イスラエルのレーベルからシングルが出てて中身はマッシュアップの合唱という謎盤。youtubeでしか聞いたことない

Captain Sensible - One Christmas Catalogue
ニューウェーブの可愛らしいクリスマスソングだけどビデオ見たら意味深だった。ポーグスももちろん好きですが。一昨年くらいにバンプオブ某というバンドが丸パクリしててその元曲とかけ離れたキレイ事っぷりに心底腹が立ちました。

●Photodisco

Darlene Love - All Alone On Christmas
映画『ホーム・アローン2』挿入曲。子供の頃、映画『ホーム・アローン2』を観て知り、毎年この季節になると聴いているクリスマス・ソングです。バブルが愛おしいです。

●田鹿 健太( リトルテンポ、GOMA & The Jungle Rhythm Section )

Omara Portuondo & Chucho Valdes"OMARA & CHUCHO"
今年10月、僕が18年間お供しているラテン歌手、よしろう広石の歌手生活55周年記念コンサートがあった。その時のスペシャルゲストが、ブエナビスタソシアルクラブのディーバ、オマーラポルトゥオンド。この日のためにキューバから駆けつけてくれた。
僕は幸運にも、彼女とは三度目の共演。いつも自由かつグルーヴィ。とてつもなくおおらかでありながら、オチャメで乙女な彼女にいつも感動させられる。この日も、ステージを観たみんなを虜にしたに違いない。
そんな彼女の歌が堪能できる、僕が一番好きなアルバムがこれ。イラケレのリーダー、チューチョのピアノと二人きりで録音されたこの作品。喜び、怒り、哀しみ、出逢い、別れ......。彼女の生きざまがのりうつったかの様な歌を、ぜひ聴いてください!

●松村正人

Roland Kirk - Christmas Song
 このメル・トーメのカヴァー曲は晩年期だけあって、往年のこってりした感じと較べると精彩を欠くが、カークらしい茶目っ気は健在である。二歳で 盲目になって、この二年前に脳溢血よる半身不随から復活した。私はこの時期どうしてもローランド・カークを聴きたくなるのは、その生命力に鼓舞され、たん に黒人音楽としかいいようのない昂揚感が南国うまれには寒すぎる冬をあたたかくするからかも。カークはどれもクリスマスにぴったりだと思うんですけど ねー。

●加藤綾一

GOING STEADY - 銀河鉄道の夜
彼らにとってのクリスマス・ソングと言えば、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』的な敗者のロマンティシズムがむせ返るほど充満している「惑星基地ベオ ウルフ」がそれに当たりますが、でも今回はこちらをセレクト。銀杏BOYZのスロウなヴァージョンも、続編となる「第二章~ジョバンニに伝えよここにいる よと」もすごくいいんですけれども、GOING STEADY時代のこちらのヴァージョンは、コーラス部分で松任谷由実の「守ってあげたい」のメロディをモロになぞっていて、ぐっときます。特にクリスマ スについて歌っているわけではありませんが、間奏のギター・ソロはかのバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」からの引用だったりしますし、(僕はクリスチャ ンという訳ではないですけれども)便乗して、この曲を聴きながら誰かに想いを馳せるというのも悪くないんじゃないかなと思います。あとは仕事帰りに売れ残 りのケーキとビールでも買えれば御の字です。

●沢井陽子

The Music Tapes Covered Louis Armstrong - Is Zat You Santa Claus」
Natalia paruz - HARK! An angel sings
John zorn -ツ黴€ Dreamers Christmas

クリスマスソングは、このあいだのミュージック・テープスのキャロリングで、最後にプレイしていた、面白いサンタ・ソングがあり、それが好きだっ たので、曲名を聞くと、「Is Zat You Santa Claus?」。ルイ・アームストロングのバージョンに影響を受けたらしい。
アメリカにいると、日本ではあまり知らない、本場(?)のクリスマス・ソングがたくさん聞けて楽しい。先日、アザーミュージックというレコード店 に行って、店員に「クリスマス・ソングでオススメある?」と訊いたら、うーん、としばらく考えた後、「シンギングソウでクリスマス・ソングをプレイしてい る素敵なアルバムがあるよ」と言われたので、「もしかしてこのあいだ見た、ミュージック・テープス?」と期待したら、ナタリア・パルズという女の人だっ た。「このクリスマスアルバムは、ほとんどが誰でも知ってるクリスマス・ソングをカバーしている、僕が好きなのは1、2、3番目と......彼女はすごいよ」と 熱っぽく説明してくれた。
今年出たクリスマス関連リリースは、アザーミュージックではジョン・ゾーンの7インチしか見つからなかった。定番だしもうネタがないのかな......。クリスマスだからって、クリスマス・アルバムを出す時代が終わったのかな。

●YYOKKE / ODA / NITES / TSKKA (CUZ ME PAIN)

Nite Jewel - All I Want For Christmas Is You
NITE JEWEL、まさかのマライアをカバー。2010年の暮れには誰もが予想してなかったと思われるこのギャップ感は心踊ります。7インチのみ収録というところが特別感があって更に良いですね。

●NHK'KOYXEN (SKAM/RASTER-NOTON/PAN)

Martin Neukom - Studie 18.9 - (Domizil 2007/2008)
好きなクリスマスソングとか、わからなかったですが......。

●木津 毅

The Flaming Lips - White Christmas
以前年下の女の子に「何歳までサンタクロースを信じてました?」と聞かれたとき、「いまでも信じてるよ!」と元気良く答えたら「ああー」と気の毒そうな顔をされたことがありますが、恰幅のいいヒゲのおじさんが愛を届けにやって来る......と信じたいのは本当です。
そういうわけでクリスマスに(サンタに)オブセッションがある僕は大抵のクリスマス・ソングは好きなのですが、それはザ・フレーミング・リップスの影響かもしれません。彼らほどクリスマスを繰り返しモチーフにしているバンドもいないと思うのですが、それは「サンタクロースを信じる心」と彼らのサイケデリアの哲学がよく似ているからでしょう。彼らならではの頭のネジが数本吹っ飛んだような"ホワイト・クリスマス"はライヴでよく披露されますが、ヘロヘロで感傷的で優しく、あまりにドリーミーで泣きたくなります。フロントマンのウェイン・コインが中心に作った自主制作映画『クリスマス・オン・マーズ』もすごくて、前半はほとんど悪夢のようなバッド・トリップのイメージの連続。でも、そこにこそサンタクロースはやって来るんです! エイリアンですが。
今年も僕はサンタクロースを待つことにします。良いクリスマスを!

●宍戸麻美(Qetic)

戸川純 - 降誕節(84年Yenレーベルコンピ「We Wish You A Merry Christmas」より)
クリスマス・ソングというテーマに意外と苦戦......ということでカバーーソングで考えてみました。正直、John Zorn クリスマスコンピにあるマイク・パットンが唄う"The Christmas Song"と迷ったのですが、やはりここは女性脳で考えて戸川純さんの"降誕節"かなと! クリスマス賛美歌の"荒野の果てに"をカバーしているのですが、イノセントワールド全開な戸川さんの少女声(ボーカル)と途中にはいってくる打ち込みのリズムが単なる賛美歌カバーとは思えない。病みつきになる1曲です!

●金沢俊吾

Vaughn Monroe - Let it snow
ロマンチックで甘く切ないクリスマスのイメージが築かれるのに、クリスマスソングは大きな役割を果たして来た。その中でも、元祖のひとつであり数多くのヴァージョンが存在する"Let it snow"だが、リリックに直接「クリスマス」といったワードは出てくることはない。描かれているのは、雪の降る夜に暖炉を挟んだ男女の甘い駆け引き、それのみだ。
だが、これは僕に取ってクリスマスソング以外の何ものでもない。なぜなら、そのメロディとブラス、そして軽やかと物鬱げの境界線に立ったボーカルが、「ロマンチックで、甘く切ない」クリスマスのイメージを、そっくりそのまま映しているからだ。映画『ダイ・ハード』でパーティーのシーンにこの曲が使われるのも、季節がクリスマスなのだと誰もが一瞬で感じ取ることが出来るからに他ならない。「クリスマス」というリリックや、ベルサウンドなんか無くても、この曲はどんなクリスマスソングよりも強く、僕の脳内にクリスマスのイメージを流し込んでくる。

●野中モモ(Lilmag)

Sparks - Thank God It's Not Christmas
Pet Shop Boys - It doesn't often snow at Christmas


「ポピュラーな日、ポピュラーなやりかた
それは選ばれし者のためのもの
僕や君のためじゃない あきらかにね」(Thank God It's Not Christmas)
35年以上前の曲ですが現在も古びずロマンティックですね!

「クリスマスのメッセージなんてとっくの昔に消え去った
いまじゃショッピングと何がいくらするかの話ばかり
善意もあるけど作り物のお楽しみ、
クリスマス・ナンバーワンがどの曲か
クリスマスに雪なんて滅多に降りゃしない
本来そうあるべきなのに
でも僕はクリスマスに胸が熱くなるのさ
だって君といっしょだから」(It doesn't often snow at Christmas)
イギリスではクリスマスの週のヒット・チャートが、言ってみれば日本における紅白歌合戦のように大きな注目を集めます。賭けの対象になったりして。2000年代半ばからテレビのオーディション番組の優勝者がクリスマス・ナンバーワンを攫う年が続きました。これを阻止すべくレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがSNSを利用したキャンペーンを張り、2009年に見事"Killing in the Name"をナンバーワンに送り込んだのを記憶しているかたもいらっしゃるのでは。あの年、ペット・ショップ・ボーイズもクリスマスEPをリリースしていたのでした。失われたクリスマスの意義、失われたブリティッシュ・ポップの輝き、でもほらこうして生きているじゃない。残念ながら40位という結果に終わってしまいましたが、俗で安っぽくて貴くて私は大好きです。

●橋元優歩

ベンジャミン・ブリテン作曲『キャロルの祭典』より"ゼア・イズ・ノー・ローズ(There is no rose)"

名演をユーチューブで見つけることができませんでしたが、この曲については少年少女による演奏が好ましいというのが私見です。声変わりする前に歌いたかったクリスマス・ソング。けれどTranseamus/Alleluia/Resmiranda/Pares forma/Gaudeamus/Transeamusというラストのくだりなどは、もし今やるならジェイムス・ブレイク以上に似つかわしいアーティストはいないでしょう! ぜひこの曲にビートを入れてほしいです。

●渡辺健吾

鈴木さえ子 - I Wish It Could Be Christmas Everyday
キリストより1日早く生まれたけど、まぁガキの頃からそのおかげでクリスマスなんてめんどくせぇ! とかしか思えなかった。だから、クリスマス・ソングなんてものも、煩いだけであった。唯一好きで繰り返し聴いたのは、鈴木さえ子のデビュー盤『毎日がクリスマスだったら...』(83)のタイトル曲、「I Wish It Could Be Christmas Everyday」。デビュー当時の鈴木さえ子は素人っぽいキュートな声と宝石箱のなかで遊んでるようなキラキラしたサウンド(当時の夫、鈴木慶一との共作)の融合がとってもフレッシュでファンタスティックだった。アルバム全体を通して偏執的な凝った音作りとポップさのバランスがすばらしいんだけど、少し強迫的なリズムで次々表情変えながらもリリカルさを失わないこの曲は、特にサイコーなんである。去年のクリスマスに、ご本人が「クリスマスの日には世界の戦争も休止するのです。私なりの反戦歌なのです」とツイッターでつぶやいていて、かつて子供なりにこの不思議な歌詞の世界には何が隠されてるんだろうなんて思ってたわけだけど、そういう背景だったのかとかなりびっくり。同時に、リリースからこんなに時間がたってるのに、アーティスト本人からこんな裏話を聞けるなんてインターネットすげぇ! なんて無邪気に喜んでしまいました。

●SUMMIT

山下達郎 - クリスマス・イブ
メロディが好きですね。
色々考えましたがこれが一番です。

●Lil MERCY (PAYBACK BOYS / Los Primos)

CRACKS BROTHERS - BAD SANTA (cracks christmas)
今年の冬はこの曲をもらってから、ずっと聴いてました。あとは知らないってこと。CRACKS "MF" メリークリスマス SHIT。

●安孫子真哉(銀杏BOYZ)
 
浜田雅功と槇原敬之 - チキンライス
しんしんと雪が降り積もる東北のクリスマス。古い木造の一軒家。
不似合いなクリスマスケーキに照り焼きチキン。ブラウン管からドリフ大爆笑。
家族と静かに過ごす。サンタさんに欲しいおもちゃなんか書いた手紙に十円玉をのせて布団に入る。
翌朝、目が覚めるとそこにはおもちゃは無く、赤と白の靴下の形をした箱にお菓子が入ってる。
子供の頃のクリスマスは大体いつもそんな感じ。
相変わらず大人になってもクリスマスは出来るだけ街の喧騒には入らず家で静かに過ごしたい。
そんな時頭の中でふと再生されるBGM。

●チン中村(銀杏BOYZ)
 
the ピーズ - クリスマス
最初に浮かんだのがこの曲でした。
「終電 線路にヒトが落ちる」からはじまるこの曲が僕にとっては
東京のクリスマスにしっくりきます。
なんかギリギリで、やさしいです。

●ハヤカワ(KIRIHITO、高品格、Jajouka)

ARB - ブラッククリスマス
高円寺のレンタルビデオ屋で"さらば相棒"借りて観ようかな...。

●DJ END(B-Lines Delight/Dutty Dub Rockz)
 
RSD - SNOWMAN
クリスマス・ソングを意識する粋な習慣は全くなく悩んだあげく、Bass的にコレを(ソングじゃなくてすいません)。昨年冬にRSD師がおすそ分けしてくれたクリスマス・スペシャル・ダブ! 今年はプレイ出来そうにないですが、いつかこんなトラックをカッコよくプレイしてみたいもんです。

●山田蓉子
 
Zooey Deschanel and Leon Redbone - Baby It's Cold Outside
大好きなおバカ・クリスマス・ムービー「エルフ-サンタの国からやってきた」の中でズーイー・デシャネルがシャワー・ルームで歌っているところに、歌につられて侵入してきたウィル・フェレルが歌をかぶせてきてズーイーちゃんに「出て行けスケベ!」と怒られるシーンで使われてました。ウィル・フェレル作品にしては心温まるヌルいラストは別にして、なかなか笑えるし、ズーイーはかわいいし、「サウンド・オブ・ミュージック」と対極をなす私のお気に入りのクリスマス・ムービーです。サントラではレオン・レッドボーンとの渋さ倍増デュエットで収録されてます。

●Alex from Tokyo (Tokyo Black Star, NYC)
 
Coati Mundi - No more X'mas blues (Rong music)
NYCの伝説バンドKid Creole and the CoconutsのCoati Mundiによる「今年こそはサンタを捕まえていいX'masを迎えるぞう!」的なお笑いクリスマス・ディスコ・ソングです!  2009年のX'masにリリースされてから毎年プレイしている大好きなヒューモラスなパーティX'mas ディスコです。

●Eccy(Slye Records / Milk It)

Jun Kawabata - Equinox
友達が5年前くらいにユニオンでなんとなく買ったこのCD、アーティストの情報も全く分からないし、音も激悪いんですが、個人的な思い出がつまってる曲です。

●YOHEY

Mark Mothersbaugh - Joyeux Mutato
毎年必ず聴いている1枚です。大好きなクリスマス・ソングは他にもたくさんありますが、音色に関してはこのアルバムが一番理想のクリスマス!

FLOATING POINTS & MARK FARINA - ele-king

 2011年もっともはずれがなかったレーベルとは......〈Tri Angle〉〈Planet Mu〉 そして〈Eglo〉でしょう!
 ダブステップにおけるソウル/ジャズ部門のトップ・レーベル、〈Eglo〉を主宰するフローティング・ポインツが金曜日、DJします。
 そして土曜日は、サンフランシスコの偉大なDJ、マーク・ファリナです。そして同時土曜日の代官山〈UNIT〉では、この10年、安定した人気をほこるロンドンのドラムンベースのレーベル、〈ホスピタル〉からNU:TONE とLOGISTICS がDJプレイ! 忘年会の帰りでもいいし、なんでもいいです。どちらかに行きましょう!

■FLOATING POINTS

2011/12/16(fri) DAIKANYAMA UNIT & SALOON
OPEN/START 23:30
ADV. 2,500yen (limited 150)
DOOR 3,300yen (with flyer 2,800yen)

DJ:FLOATING POINTS (Eglo records)
KAZUMA (PHENOMA/mo'wave/stillecho)
5ive (COS/MES)

SALOON
DJ:INNER SCIENCE
AMETSUB (nothings66)
LIVE:
DAISUKE TANABE

MORE INFORMATION : UNIT 03 5459 8630 www.unit-tokyo.com
YOU MUST BE 20 AND OLDER WITH PHOTO ID

■MARK FARINA

Primitive Inc. 5th Anniversary

2011/12/17(sat)
22:00 open/start
adoor: ¥3,500- / with flyer: ¥3,000-

@eleven
web: https://go-to-eleven.com/

DJ:MARK FARINA (Mushroom Jazz/OM/from San Francisco)
HIROSHI WATANABE a.k.a. KAITO (Kompakt/Klik Records)
DJ YOKU (A Hundred Birds)
DJ ENDO (CONVERGE+/King Street Sounds)

Lounge DJ:MARK FARINA -Mushroom Jazz Set- (Mushroom Jazz/OM/from SanFrancisco)
CALM (Music Conception)
DJ KENSEI (Coffee & Cigarettes Band)
KZA (Force of Nature)
DJ SHIBATA (Thousand Finger/探心音/the oath)

Live: Paint: VIX
Food: KOYO
Host: Niiiyan & NAGOYA
Primitive Inc.
web: https://www.primitive-inc.com
twitter: https://twitter.com/primitive_inc

■NU:TONE + LOGISTICS
DRUM & BASS SESSIONS 2011
"HOSPITAL X'mas"

2011.12.17 (SAT) @ 代官山UNIT
feat. NU:TONE + LOGISTICS (NU:LOGIC)
with: ☆Taku Takahashi
TETSUJI TANAKA
DJ MIYU

vj/laser: SO IN THE HOUSE
saloon: "DOGGY"SACK, Eccy, DJ PRETTYBWOY, Endless,Rolling Maestro
open/start 23:30
adv. \3500 door \4000
info. 03.5459.8630 UNIT
https://www.dbs-tokyo.com

Thee oh sees, total control, doomsday student, the beets
@285 kent ave
Nov.17.2011


Thee Oh Sees
Carrion Crawler / Dream
In the Red Records

AmazoniTunes

 チケットはソールドアウトだし、最初はとくに乗り気でなかったというのに、午後10時ぐらいになると私は会場に向かっていた。会場に着くと、いちど入場して、そしてスタンプをもらった人までもが再入場できなくなっている。ドアの兄さんは、暴動が起こる寸前のようにみんなから文句の攻撃を浴びさせられていて、かなりかわいそうだった。いずれにしてもかなり大変な状態なのだろう。
 仕方なく、私は隣の会場のグラスランズでひと休みする。このふたつの会場は隣合わせで私はよく行ったり来たりしている。
 そこでのライヴを見いつつ15分ぐらいが経って、もういちどトライしようと外にでる。するとドア付近で怒っていたかたまりが、いち列にきちんと並んでオーガナイズされているで。少しずつ列は動いているようだ。罵声を浴びさせていたキッズのひとりは、入るときに「さっきは怒鳴ったりしてごめん」とお兄さんに謝っている。よく見ると、その日のオーガナイザーのトッドPが入場を規制している。さすがだなと思っていると、彼はウィンクしながら私をこっそり裏から入れてくれた。

 場内はサウナかと思うほどの熱気だった。何も見えないので、とりあえず頑張っていちばん前に行こうする。が、人が多すぎて動けない。
 すると場内をウロウロしているトッドPがいたので、彼の背中についてなんとか最前列まで行けた。そしてトータル・コントールの最後の演奏がが少し見れた。
 というか、この状態でひとつのバンドの演奏が保つのだろうかと思うぐらい場内は息苦しい。そして案の定、ジ・オー・シーズ(Thee Oh Sees)がはじまった瞬間には集団は大揺れに揺れ、スピーカーは倒れ、人が上から降って来る。危険な状態だ。私はなんとか壁際に移動する。それでも人がどんどん攻撃的にぶつかってくる。後方を見ても大変な数の人だ。ライトニング・ボルトの観客と同じようなタイプだが、もう少し若いし、圧倒的に男が多い。

 ジ・オー・シーズ(theeohsees.com)は、最近(5月ぐらい)新メンバーとしてインテリジェンスのラーズ・フィンバーグを迎え、5ピースになった。ニューアルバム『Carrion Crawler/ The Dream』も11月15日に〈In the Red〉から、リリースされたばかりだ。マーチ(物販)テーブルには、そのリリース以外にシルクスクリーンのツアー・ポスター($20)、ゲロをはいてる(?)ジ・オー・シーズのキャラのイエローとブラックTシャツ($15)、ライトに照らされたその先には、そのスマイル・キャラが浮かび上がっている。たしかすべてJPDのデザイン。ディテールは細かく、しかも可愛いので、思わず買ってしまう。

Photos by Eric Phipps for Impose Magazine
https://www.imposemagazine.com/photos/thee-oh-sees-at-285-kent

 ジ・オー・シーズの楽曲自体はそれほど攻撃的というわけではないのだが、どうしてキッズはこんなにエキサイトしているんだろう。トッドPは「何かあれば、すぐに音楽はストップする」とアナウンスしている。そのあいだにも暴れすぎているキッズを横目に、いまにも倒れそうな大型スピーカーを必死になって抑えているキッズがいる。ステージのJPDはあまりにもフロアがキチキチなので、「あがって来いよ」とキッズを煽っている。
 そしてステージはキッズで溢れ、これって逆ライトニング・ボルト? と思わず笑ってしまう。しかしたしかに、フロアの威圧感が少々マシになった。JPDはステージから「ビールないかな?」と言っている。ステージからバーまでは、人が多すぎてまず行き来できそうにない。
 いよいよスピーカーの音が出なくなった。しばらくその状態で演奏していると、手にビールを持ったトッドPがステージに颯爽と現れる。そして大急ぎでスピーカーの抜けたコードを探して、無事に音を戻す。フロアからは大声援だ。彼こそはインディー救世主。ジャンクヤード、クイーンズの端のダイブバー、工場スペース、冷蔵庫屋......どこでも普通にショーをオーガナイズしている。

 7~8曲目で私は、暑さと危険感で外に出た。人を掻き分けて外へ出るのに余裕で5分かかった。外ではまだ人が待っている。そしてまだ人が入ってきている。物販をもういちど見に行こうとしても、そのまわりで踊っているキッズ達がいて、テーブルにも近寄れない。どういうことだ!

 とにかく、ふたたび最前列には戻れない。隣のグラスランズに移動する。そこのスタッフたちとしばらくハングアウトしていると、トッドPが現れ、「キッズたちがナッツ(気が狂ってる)になってるの見たい?」と言う。
 私は彼のあとについていく。道を回ってこう行くとここに出るのねと、285 kent aveのステージの真裏に来た。たしかにキッズが大暴れの真っ最中だ。ハラハラと、気が気でなかっただろう彼の顔にもやっと笑顔が見えていた。
 ジ・オー・シーズのショーは何回も見ている。新しいとは思わないのだが、いつも見たくなる。彼らがニューヨークにいると聞くと、憑かれたようにショーにきている。今回何度も名前を出しているが、ライトニング・ボルトと同じように、何か大きな魅力がある。ちなみに彼らは同じ時期のRISD(ロード・アイランド・スクール・オブ・デザイン)出身。私は10年ほど前の同じ日に、偶然彼らに出会った。比べたくなくてもつい比べてしまう。この話は機会があればぜひ。

 翌日(nov.18)はマンハッタンのル・ポワソン・ルージュでのショーだ。そして、それを終えると彼らは北へ向かう。今回のツアーは(w/トータル・コントロール、)11月4の日オースティンのファン・ファン・ファン・フェストを皮ぎりに、サウスを東へ、イーストコーストを北へ、ミッドウエストを通り、西海岸に戻るという丸1ヶ月強のツアー。サンクスギビング・デーはさすがに休んだそうだが、その前日(シカゴ、ダブルショー)も次の日(ローレンス)も演奏している。ジ・オー・シーズはほとんどツアーが生活である。1年に3~4回はツアーをしている。それがジ・オー・シーズというバンドなのだ。

vol.19:キャスリン・ディ・マライス - ele-king

11/2(wed) Caithlin De Marrais @ Union Hall
W/yellow birds, Lindsay Sullivan

 ハロウィン・ウイークに積雪があったニューヨークでは、スカーフ、手袋が手放せなくなってきた。11月に入っても毎日のようにショーに出かけている。11月1日は〈ミュージック・ホール〉にSBTRKTを見に行ったらソールドアウトで入ることができず、隣の〈パブリック・アセンブリー〉でやっていた映画の上映会に行くとサイキック・イルズ、エンドレス・ブギーのショーをやっていた。
 サイキック・イルズ......何年やっていても、相変わらずドローンでサイケデリックで、ベースのリズはかわいくて......と印象は変わらない。エンドレス・ブギーはちょっと時代を間違えたかなと思けれど、かなり上手い。ロングヘアのおじさんたちがいまだにサイケデリック、ロックンロールを現役でやっている。さらにその晩のショーに一緒に行った友だち(アメリカ人男子、Cとしておこう)は〈ウエブスター・ホール〉にバトルスとにせんねんもんだいを見に行ったのだが、「日本の女の子のバンド、かなり良かった!」と興奮して話してくれた。今日もまた別の場所であるのでショーが終わったら行こうかと、話した。

 今日のショーは元キラメキ青春エモ・ポップ・バンド、レイナー・マリアの紅一点、キャスリン・ディ・マライス。場所は〈ユニオンホール〉。
 私がレイナー・マリアを見たのは1998~99年あたりだろうか、たぶんミネアポリスの学校かどこかの講堂だったと思う。誰かについて行ったらそこでバンドがプレイしていた。ウィスコンシン州のマディソン出身。マディソンと言えば、¥私のなかでは、〈ポリヴァイナル〉――レイナー・マリアをリリースしていたレコード・レーベル。現在はオブ・モントリオール、アソビ・セクス、オーウェンなどを出している――なのだが、マディソンといえばその頃、エモ・ロックがブームになっていて、ジョン・オブ・アークやペレ、サンディズ・ベストなどが出てきた都市だと記憶されている。
 その講堂でみたレイナー・マリアはとってもあどけない、学生バンドという印象だったが、キャスリン(ヴォーカル、ベース)の容姿淡麗、清潔感漂う雰囲気とカイル(ギター・ヴォーカル)のおちゃらけキャラ、どこまでもプレイヤーなステージ・パフォーマンスが見ていてとても楽しく、そのふたりを後ろであたたかく構えるビル(ドラム)という編成のこのバンドにとても高感度が湧いた。ショーのあと、ほとんど誰もいなかったので世間話をして、それがきっかけで仲良くなり、私がやっていた〈コンタクト・レコーズ〉のコンピレーションの参加してもらったこともあった。その後、彼らも私もブルックリンに引っ越した。ブルックリンといっても彼らが住んでいるのは、パークスロープ周辺(東京でいう吉祥寺、三鷹?)、私はウィリアムスバーグ(東京でいう下北沢?)なので偶然会うこともなかった。

 レイナー・マリアは2006年に終結し、メンバーはそれぞれ新しいバンドをはじめ、ドラムのビルは、2006あたりにプロサイクスというバンドをやっていて(マタドールからレコードがリリースされている)、私がよくいくマイティ・ロボット/シークレット・プロジェクト・ロボット(今月11月より正式にブシュウィックに引っ越した)周辺でよくプレイしていた。ビルとはそこで会うと、「以前、レイナー・マリアをやっていたよね」など話しをよくしていたが、キャスリンとカイルには会わなかった。聞くと、そのあいだに彼らは自分たちのレコード・レーベル、〈エンド・アップ・レコーズ〉を立ち上げ、自分たちや友だちのバンドを音源をリリースしている。さらに、キャスリンはママになり、ヨガの先生になっていた。

 レイナー・マリア解散以来、自分のなかでは過去のバンドになっていたし、他のバンドの気を取られて忘れていたので、今回またキャスリンを見るのは特別な気分だった。

 というのも、会場の〈ユニオン・ホール〉に来たのは、ニューヨークに10年住んでいるが実は初めてのことだ。パークスロープはウィリアムスバーグにいると、なかなか行かないエリアなのだ。だいたいツアー・バンドはパーク・スロープでショーをするとウィリアムスバーグ、もしくはブシュウィックでもう一本ショーをするし、シングルが多いウィリアムスバーグにくらべてカップルや家族が住む高級エリアなのだ。

 一歩会場にはいると、雰囲気がとてもファミリー的で、安全、優しい感じがする。ウィリアムバーグのように汚かったり、荒んでいたり、パンク色だったり、危険な要素がまったくない。入ると右側にバーがあり、そのうしろにはゆったりしたソファーとテーブルがカフェっぽく置いてある。なんならその後ろには、図書館のように本の棚がずらっと並んで、静かにコーヒーを飲みながら読書している人もいる。ベレー帽率高し......だ。えっと、ここライヴ会場ですよね? さらにバーにある飲み物はシックス・ポイントなどのファンシー系ビール($6~)やリカー系。ウィリアムスバーグやイーストヴィレッジなどのチープなバーに置いているような、カンのPBR($2~)はない。でもここのビールおいしい。Cはビールのあてにコーンドッグを注文していたけれど、納得できる。奥には、左にボッセ(Bocce)と言うゲームのレーンがふたつあって、みんな一生懸命プレイしている。ビリヤード、ボウリング、サッカーの中間ぐらいのゲーム(https://en.wikipedia.org/wiki/Bocce)。ここはこれで有名らしい。
 右にはバックヤードに続くドアがあり、寒くてみていないが、煙草も吸えるらしい。やっと地下の会場にたどり着いた。知らなかったら普通にバーとして使っていそうな場所だ。上が居心地良いので、油断していると見たいバンドを見逃してしまいそうだ(現にCは前のバンドを見逃していた。知り合いだったというのに......)。
 下は適度な水曜日の夜の空気が流れていた。混んではないが、適度な入りだ。キャスリンも友だちと談笑したり、うろうろしている。ドアにいたのが、かわいらしい知的な女の子だったのだが、Cが彼女が集めたお金(チケット代)を堂々と開けっ放しにしているのを見て、「ダメだよ、レジを開けっぱなしにしちゃ!」とあわてて注意していたのが面白かった。Cはよくフリーマーケットで物を売っているので、その辺にはとても敏感なのだ。女の子はきょとんとしていた。だってそこは安全なところなんだからね。
 今日のバンドは、ギターのジョシュ、ドラム(名前がわからない)とキャスリンの3人体制。リリース・パーティなので、ニュー・アルバムからの曲がほとんど(セットリスト参照)。11月8日に「マジックシティ」に続くソロ第二弾、「レッド・コーツ」が発売される。彼女いわく、全て自分で手作業で作ったらしい。 https://endup.org/artists/caithlindemarrais/

 彼女の声はとても深く、どこか悲しげで、訴えかける力、雰囲気がある。楽曲のせいかと思ったが、彼女が歌うとどの曲もそうなってしまうのかもしれない。レイナー・マリア時代から彼女の声は印象的だったが、子供を産んでか、声により深みがましたように思える。先生に向いているなとか(実際ヨガの先生らしいです)、悲しい経験がたくさんあったのかななど、雰囲気がどこから来ているのか......、考えを巡らせたが、結局これが彼女のキャラクターなのだろう。
 この日は彼女のお母さん出身でもあるニュージャージーから古い友だちが来ていたらしいが、"City Girl"を歌う前に、"シティ・ガール"と"ジャージー・ガール"を少し皮肉っていた所が面白かった。シティ(=ニューヨーク)とジャージー(=ニュージャージー)には、東京と大阪みたいな変な対立感覚があるのだ。

 2曲目の"Bird"にはヴィデオもあって、むかし何度みても映画みたいに思ったが、今日のショーも全体的に、スローモーションで映画を見ているようだった。3人がときどき顔を合わせて、にこっと笑って合図したり、グルーヴ感、言葉にできないつながりがあった。さらには共演のイエローバード(Cが見逃したバンドね)のサムとアニーがゲスト登場して、1曲を披露。決してきらびやかなショーではないし、テクニックを披露するわけでもない。自分の歌を忠実に表現するのみで、そしてそれだけでお客さんを惹き付けるのはすばらしいことだと思う。来ているお客さんは友だちばかりだったかもしれないけれど、彼女が好きでサポートしたいという気持ちが見えた。女性客が多かった。終わったあとには良い映画を見終わったような心地よい充実感があった。
 話しかると彼女もびっくり、「久しぶり!」と。相変わらず容姿端麗、美しい。誠実そうで一本気、そんな彼女の人間性にみんなが微笑んでいるのだろう。

■10/20(thu) CMJ 3日目

Tom Tom Magazine CMJ Fest @ woods
9:15 pm The Suzan
8:30 pm TEEN
7:45 pm Coasting
7:00 pm Hard Nips
6:15 pm Pearl And The Beard
5:30 pm Brute Heart (Minneapolis)
4:45 pm Satellite Sky(LA)
4:00 pm Baybee Teeth

 ......というわけで、CMJレポート第二弾はここからスタート。
『トム・トム・マガジン』ショーケース。女の子のドラマーというコンセプトで、定期的にショーも開催している(一号前はビヨンセにドラマーの特集だった)。主催がドラマー雑誌ということで、どのバンドもかなりレベルが高く(ドラマーはもちろん、バンドも)、主催者ミンディのバンドを見る目、CMJでは今回初めてのヴェニューでオフィシャル・ショーケースを開催してしまうという、その度胸が素晴らしい。
 彼女自身もテクニカルなドラマーだが、今回の共同主催者であるヴィヴィアン・ガールズのドラマー、フィオナもすごい。彼女のバンド、コースティングは2ピースでドラムとギター、技術があるだけあって見ていても安心感がある。
 女の子のドラマーというコンセプトなので、ジャンルやスタイルはさまざまだった。コーラス重視で歌を聞かせるグループ、ストリングスをいれたクラシカルなバンドなど、普段は見ることのないバンドも少なくない。全体的にローキーではあるが、面白いコンセプトのショーケースだと思う。
 ニューヨークで活躍する、日本人女の子バンド、ザ・スーザンとハードニップスも、このショーケースで一緒にプレイしたので、緊急特別企画、インタヴューをお届けしましょう。話してくれたのはドラマーのおふたり。NICO(スーザン)、エミ・ニップス(ハード・ニップス)です。


特別対談、ザ・スーザン×ハード・ニップス

どちらもニューヨークをベースにし音楽活動を行っている日本人のガールズバンドですが、何があなたたちをニューヨークに引き連れたのでしょうか。

NICO:ニューヨークに引き連れた......というほどの理由はなく、ただたんにブルックリンのレーベル〈Fool's Gold〉からのアルバムのリリースが決まったので、「んじゃニューヨーク行きますか」という感じで来ました。

エミ・ニップス:「ニューヨークとはやはり世界に通じるミュージシャンの集まるところで~」とかカッコイイこと言ってみたいですが、単純にアメリカのなか(世界中?)でいちばん好きなことができる都市だからです。東京のほうがより大きな都市だと思いますが、私にとっては東京の堅苦しいなかの便利さよりも、ニューヨークの「何でもアリ」の環境で柔軟にやりたいように生きる形が好きです。

最初にこちらに来た印象は? 最初にプレイしたヴェニューはどこですか? また、ショーに対して、どんな印象でしたか?

NICO:ニューヨークをメインに活動をはじめて、実はまだ1年も経っていません。でも7年前くらいからちょこちょこ海外活動はしていたので、最初にニューヨークでギグをしたのはたしか5~6年前の冬......。〈Pianos〉や旧〈CBGB〉、旧〈Knitting Factory〉などでやりました。お客さんは3人くらいしかいませんでした。その頃はヨーロッパの活動のほうを多くしていたので、ロンドンやパリ、ベルリンと比べてなんだかバンド文化が大人しいなあと感じたのを覚えています。その頃はUKロックが流行っていたからかな。

エミ・ニップス:私はアメリカ生まれなので、何度も遊びに来たことはあったのですが、移り住んだばかりのときはすべてが本当にキラキラした印象で、楽しくてしょうがなかったです。引っ越した後、初めて遊びに出た夜の小さなライヴハウスで、スマッシング・パンプキンスのジェイムス・イーハに会ったりして、これぞニューヨークでしょと思いました。ハード・ニップスで最初にプレーしたヴェニューは〈Death by Audio〉。私は以前にも他にもバンドをやっていたので、このヴェニューも初めてではなかったのですが、まだ結成して間もないニップスとよちよちドラマーの私はワン・セット切り抜けられるのか気が気じゃなかったです。初ライヴということで来てくれたたくさんの友だちに助けられて、とても楽しかったです。

バンドは何年活動していますか? 目標とするバンドは?

NICO:バンドは約8年だと思います。目標とするバンドはいません。型にはまらず自由にやっていきたいです。

エミ・ニップス:もうすぐ3年経ちます。目標はクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジ、目指せAC/DC!

今回の『トム・トム・マガジン』ショーケースですが、主催者のミンディとはどのように知り合ったにでしょうか?

NICO:今年の2月にあった『トム・トム・マガジン』のリリース・パーティに、友人のMNDRが出演することになっていたので、メンバーみんなで遊びに行こうとしました。でも、なんだかライヴがしたくなったので、どうせ遊びに行くならライヴさせてもらおうと思って、イヴェントの前夜にミンディーに直接「ライヴさせてください」とメールしました。どうせだめだろうと思ってたのですが、ミンディーから「いいよーやりなよー」的な乗り気なメールが返ってきて、結局当日ちゃっかりライヴさせてもらいました。それがミンディーとの出会いでした。

エミ・ニップス:ブルックリンで活動するもの同士の友だちです。『トム・トム・マガジン』は私もお手伝いをしていて、ボアダムズのヨシミさん、ブン・ブン・サテライツの福田洋子さん、MI-GUのあらきゆうこちゃん、元あふりらんぽのPIKA☆のインタヴュー記事を書かせてもらいました。

いままでどのくらい彼女のショーケースでプレイしていますか?

NICO:4~5回だと思います。

何か好きな点でなにが悪い点ですか? 今日のショーケースはいかがでしたか?

NICO:好きな点は、美しくかっこいい女たちがうじゃうじゃしているところ。悪い点は、美しくかっこいい女たちばかりで自分が霞んでしまうところ。今日のショーケースは、ザ・スーザンが最後にプレイさせていただいてうれしかったです。『トム・トム・マガジン』のショーケースのトリを務めたらもう何も怖いものありませんわ。

エミ・ニップス:ブルックリンでも、SXSWでも、ほぼ毎回のショーケースに参加させてもらっています。好きな点は、知らない素晴らしい女子ドラマーといっぱい知り合えること。悪い点は、「女子ドラマー」という枠によって、逆にレズビアン以外のストレートな女子に広まりにくいこと。今日のショーケースはいろんなたくさんの人が来てくれたことと、すべてのバンドがすごく上手いミュージシャンだったので、いままででいちばん良い『トム・トム・マガジン』のショーでした。

今回CMJでは他にどのショーケースでプレイしますか?

NICO:オンリー『トムトム』です!

エミ・ニップス:Moves Gallery というブルックリンデザイナーの服屋のギャラリー・スペースで、そこのファンキーな服を着てライヴします。

また今回CMJでぜひ見たいアーティストは誰ですか?

NICO:とくににありません。

エミ・ニップス:あらきゆうこさんがドラムを叩くチボマットが見たかったのですが、私たちのライヴと重なって行けませんでした。後は、ナッシュヴィルから来てる、Turbo Fruits。

ザ・スーザンにお聞きしますアメリカに来た最大の理由は? 日本での活動はどんな感じだったのでしょうか? 日本のレーベルはどこだったのでしょう? 彼らにアメリカで活動する理解はありましたか?

NICO:アメリカに来たいちばん理由は、レーベルが〈Fool's Gold〉だったからです。もしこれがイギリスやスウェーデンなどのレーベルだったらそこに行っていたと思います。でもニューヨークに来て良かった。ここには世界最大の成功をつかむチャンスがゴロゴロしてますからね。日本での活動は本当にアンダーグラウンドでした。日本では曽我部恵一さんのレーベル、〈Rose Records〉からCDは出していますが、とくに所属はしていません。どこにも所属せず、すべて自力でやってました。自力で海外ヴェニューとのコンタクトをとってツアーを組んでました。USでのリリースが決まってからは日本でも国内盤を出すにあたって〈Hostess〉にお世話になっていました。アルバムが出てからジャパン・ツアーをして、サイン会やインストア・ギグやレコード店まわりなどを初めてして、なんだかアイドルみたいな気分になりました。ま、ほんの一瞬でしたけど......。結局、バンドをはじめるときから海外で活動することが私たちの活動ベースだったので、私たちがニューヨークをベースに活動することに対してはとくに誰も気にしないというかなんというか......止められるようなことはいっさいありませんでした。

いまのレーベル、〈Fool's Gold〉とはどのように知り合ったのでしょう?

NICO:私たちのプロデューサーであるPeter Bjorn & JohnのBjornの紹介です。まだUSの音楽業界についてなにも知らない私たちを、いきなりめちゃHIP HOPなレーベルに投げ込んだんです。おかげで普通のバンドには経験できないようなことも経験できてると思います。

実際来て見て、日本にいるときより何か違うモノを得られていますか。だとしたらそれはなんでしょうか? 逆に日本でなければ得られなかったことは?

NICO:やはり海外で生活している誰もが感じることだと思いますが、日本にいるときとは比べ物にならないほど視野が広がりました。よって目標も大きくなりますし、やる気もでます。日本でなければえられなかったこと......? ストレスかな。ストレス大国日本ですわ。

ニューヨーク以外のアメリカにいったことがありますか? エピソードがあれば簡単に教えて下さい。

NICO:ツアーでちょこちょこ回りました。今年の2月にあったChromeoとのツアーでは3週間くらいアメリカ中を回りました。カナダにも行きました。Chromeoパイセンのレヴェルになると、ヴェニューの規模が2000人~3000人で、バックステージの豪華さがハンパなかったです。また、毎日2000人のお客さんと向き合うことで、ずいぶん度胸もつけさせてもらいました。

これから先、音楽業界はさらに厳しくなって行く感じです。それぞれ音楽が好きで、いまのことをやっていると思うのですが、最初に音楽にはまったきっかけ、またどのようにこのメンバーがあつまったのか教えてください。

NICO:ザ・スーザンの結成は、キーボードのRIEとヴォーカルのSaoriのデモ作りからはじまりました。彼女たちが自宅の和室で作ったデモ音源がそのままRose Records〉からリリースされ、必然的にライヴをしなくてはいけない状況に追い込まれ、急遽当時暇そうだった友人たちをかき集めてバンドを編成したのが初期ザ・スーザンです。私もドラムなんて触ったことも見たこともなかったのに、ただたんに「力があってリズム感があって暇そうだから」という理由で任命されました。初ライヴはベルリンでした。

エミ・ニップス:ニップスの場合は、みんなそれぞれ音楽は大好きですが、それ以上に一緒にいて楽しかったのがきっかけです。グーチ(b)とマリコ(g)とは、バーバラという洋服のデザイナーの友だちを通してお互いを知り合い、日本人同士「せっかくですので、ご飯でも」的なことから急速に仲良くなり、マリコがもうひとり面白いのがいるよと、ヨーコ(v) を連れてきて、何となくいつでも一緒にいるようになった。あまりにもしょっちゅう一緒にいるため、他の友だちにバンドでもやれば? と言われて、それは楽しそうだ! とはじめた。

一緒にいるときは、おもにどんな会話をしているのでしょうか?

NICO:もうお互い家族同然なので、とくに大した会話もしません。スーパーのお得情報交換や、1日にあったできごとをサラッと、あと1日に1回は絶対に全員で練習しています。

エミ・ニップス:1、男の話。2、美味しいものの話。3、新しい面白いことの話。

影響を受けたアーティストをそれぞれ教えてください。

NICO:マリリン・マンソン。

エミ・ニップス:Sebastian Paulson ブルックリン在住のドラマー。表現力豊かで見ていて惚れ惚れする。ブン・ブン・サテライツの福田洋子さん。私はテクノも好きなので、彼女のような永遠なるリズムを叩けることを夢見る。PIKA☆ 。いい音を伝えることを学ぶ。さらに、Liturgy のGreg Foxのメタルドラム・テクニック、Soft Circle のHisham Bharoochaのドラムに対する精神、Call of the Wild のAllison Busch のピュアな格好良さ。

曲作りについて。どのように曲や歌詞を作り上げていっていますか? 中心になる人はいますか。

NICO:曲作りはRIE、SAORIがやっています。

エミ・ニップス:曲によって変わりますが、大体は全員で作る感じです。Sebastian Paulson やその他の別格ミュージシャンの友だちが多いので、表現やトランジションなど大いに助けてもらいもします。

どのように楽器や歌を習っていったのでしょうか?

NICO:習わなくちゃいけないなあと思いつつ、7年たってしまいました。誰からも何も教わったことがなくて、いまでも自分のドラミングには自信がありません。ドラムの機材についても何も知らないし、自分のドラムセットも持ってません。

エミ・ニップス:これも、初めはさっき言ったミュージシャン友だちにいちから教わりました。そこからは練習するのみです。でも「音楽を演奏したい」という気持ちをサポートする、本当にすてきなミュージシャン友だちに恵まれていると思います。

この先はまだアメリカに滞在予定ですか?

NICO:しばらくは滞在予定です。

エミ・ニップス:はい

お互い日本人の女の子バンドですが、こちらで活躍するにあたり良い点,悪い点。お互いのバンドの批評をお願いします。

NICO:あまり女の子バンドととして扱ってもらってことが無いのでなんとも......。きっと可愛いガールズ・バンドは取り巻きのメンズたちが「あ、オレ持つよ」とかいって機材を運んでくれるんでしょうけど、私は毎回自力で全部運んでます。バスドラとか片手で持てます。あ、でも『トム・トム・マガジン』のような、日本にはあまりない感じの女性たちの独特なフィールドにちょこちょこ顔を出させてもらえるのはうれしいです。

エミ・ニップス:良い点は、やはり日本人の女の子4人のバンドというのは、白人4人などに比べても、それだけで面白いし、違う味を持っているので、それを存分に活躍させられるとより良いと思う。悪い点は、上手なバンドはたくさんいるので、バンドとしてのパフォーマンス力をどんどん上げていかないとそういったギミック部分しか評価されない。スーザンはハーレムに住んでるので、遠すぎ! と思います。若いロック・ミュージシャンの多くが住んでいるブルックリンは、毎日の生活のなかでミュージシャン同士の付き合いも多く、バーでやライヴに行く機会も自然と増えるので、その分バンドへの刺激が増すと思う。

さらに、こちらで活躍する女の子の日本人バンドで尊敬するバンドはいますか? よくつるんでいる仲の良いバンドは?

NICO:つるんだことはありませんが、HARD NIPSパイセン。

エミ・ニップス:こちら在住の「女の子の日本人バンド」は他に知らないです。あげるとしたら、昨日もCMJのライブを見たのですが、少年ナイフのライヴはつねにタイトで、人もたくさん呼べて、かっこいいです。あとはチボマットの羽鳥ミホさんは人としてもミュージシャンとしても素敵だと思うし、そのチボのライヴでドラムを叩いた、MI-GUのあらきゆうこちゃん(ヨーコ・オノ・プラスティック・オノ・バンドのドラマーでもある)のプロフェッショナル・ドラマーとしての生き方はドラマーの神のようです。仲良いバンドは、Cheeseburger とCall of the Wildと、Peelander-Z。

自分がかなり日本人だなと思う瞬間、またかなりアメリカナイズされてるなと思う瞬間。

NICO:毎日白いご飯を食べたくなるとき、あー日本人だねと思います。毎晩でっかいアイスクリームをボックスのまま抱えて食べているとき、アメリカナイズされたなと思います。

エミ・ニップス:日本人だと思うのは、ツアーなどに行ってもどうにも米が食いたいとき。と、日本の笑いが面白いとき。私はアメリカの生活のほうが長いので、通常はどちらかと言うとアメリカンだと思う。

ショーが入っていない普通の日の1日の流れを教えてください。

NICO:朝起きてバイトに行って、夜帰ってきて即練習。メールやネットのチェックなどもろもろの用事をすませてシャワー浴びてなんだかんだで3時くらいに寝ます。

エミ・ニップス:仕事してますよ! フリーランスでのウェブや翻訳の仕事のうえに、バンドのブッキングからオンラインのプロモ作業、ドラムの練習、等々を済ませて、夜はライヴか飲みへゴー。

これから先、具体的に2011年の終わりまでの予定を教えてください。

NICO:11月は、ギグが数本。いま、私たちはちょうど次のアルバムの制作をしているので、そのリハーサルやレコーディングもあります。12月もそんな感じ......だと思います。

エミ・ニップス:仕上がったばかりのニュー・アルバムを出してくれるレーベルを見つけるために、いろんな人に聴いてもらいので、ライヴの本数と人に会う機会を増やします。11月14日は、St. Vitus とライヴ、11月18日は少年ナイフとライヴ。年末か年明けにヨーロッパに行けるかもしれない? いや、行きたいぞという予定。

共演してみたいバンド。また乗ってみたいレーベルをそれぞれ教えてください。

NICO:TurboNegro。レーベル......よくわかりませんが、韓国のYG entやJYP、SM entに興味本位で入ってみたい☆

エミ・ニップス:バンドはCerebral Ballzy、Endless Boogie、Pampers、レーベルは、Adult Swim、True Panther、National Geographic。

最近見た感動したバンドは?

NICO:Hilly Eye、Amy from Titus Andronicusとは古い友人なのですが、彼女のギター・プレイはいつみても感動的。

エミ・ニップス:Com Truise。エレクトロ系だけど、生ドラマーが叩いてて上手いしセンスが良い!

お互いへのメッセージ。

NICO:エミパイセン、ディープなクラブ連れて行って下さい。あと何かドラムの機材でいらなくなったものあったらください。

エミ・ニップス:日本人だからいっしょに楽しめること、そうじゃなくても音楽を通していっしょに楽しめることの両方をこれからも分かち合って、ニューヨーク・ライフをより楽しくして行こうぜい!

言い忘れたこと。つけたしておきたいこと。

NICO:よく間違われますが、スーザンズではなくザ・スーザンです!

エミ・ニップス:ザ・スーザンが、初めて一緒にやったときよりずっと打ち解けてくれてウレシイ。ライヴもいい意味でほぐれてて、パワーアップしてる!!

どうもありがとうございました!!!

NICO of THE SUZAN thesuzan.com

EMI NIPS of HARD NIPS hardnipsbrooklyn.com [[SplitPage]]

■10/21(fri) CMJ 4日目

 ミッドタウンのオシャレホテル、エイスホテルで、シアトルのカレッジラジオkexpが、公開ライブをCMJの期間中やっているというので、どんな様子か見に行ってみる。
 ちなみにこれまでのラインナップは以下。
▼10/19(wed)
10:30 Zola Jesus
12:30 we are Augustine
2:30 Portugal , The Man
4:30 Clap Your Hands Say Yeah
▼10/20(thu)
10:30 Widowspeak
12:30 Givers
2:30 Dum Dum Girls
4:30 The Lonely Forest

見たいバンドが多いのに、見れていない。スポンサーはトヨタ。そして今日金曜日のラインナップは以下。

Kexp Seattle collage radio day party @ Ace hotel
10:30 Waters
12:30 EMA
2:30 Caveman
4:30 Atlas Sound

人はいるが、かなり普通のお客さんが多い(普段ここに来る人はヒップスターばかり)。ポスターを配っていたおじさんに聞くと、Cavemenがちょうど終わり、アトラス・サウンズがはじまる1時間半前とのこと。タイム・オーガナイズが出来てない!レコードマットとシルクスクリーンのビッグポスターだけをもらって退散。

Sub pop CMJ showcase @Bowery ballroom
12:00 am Dum Dum girls
11:00 pm Crocodiles
10:00 pm Royal Baths
9:00 pm popstrangers
polica

 夜はダム・ダム・ガールズを〈バワリー・ボール・ルーム〉に見に行く。ディ・ディの旦那のバンド、クロコダイルズが前なので、間に合うように10時ぐらいに到着。ダム・ダム・ガールズは、昨日はマーキュリー・ラウンジ、その前はスマート・ラウンジ、エイス・ホテルなど、CMJ期間内でもっともプレイしたバンドのNo.5には入る。今日のショーはソールド・アウトで、さらにアフターパーティが〈リット〉であるという。着くとロイヤル・バスというバンドがプレイしている。4ピースの〈Woodsist〉レーベルの若いバンドで、メランコリーなヴェルヴェット・アンダー・グラウンドという感じ。ギター2本(ツインボーカル)、ベース、ドラム編成。

 クロコダイルズは、「地元に帰って来て嬉しい」とMCしていたが、たしか、サンディエゴ出身? エクスペリメンタル・ノイズにブルージー・スワッガー、ちょっとシューゲイズよりでもある、オールド・ロックに新しい血を注入しようという姿勢があるが、キーボーディストとドラムが可愛い、かっこよい女の子という印象以外は、あまり記憶に残らなかった(すいません!)。
 ツインギターとベースの5人編成。映像アーティストが、白黒、カラーを織り交ぜ、ファンシーな照明を演出。中盤でこの日は、ギターのチャールスの誕生日だったらしく、バースデーケーキが登場。ブランドン(クロコダイルズのメイン・ガイで、ダム・ダム・ガールズのディ・ディの旦那)&ダムダム女子総出でハッピー・バースデー・ソングを合唱。ディ・ディは、登場ついでに(?)、そのままヴォーカル・ゲストで、クロコダイルズに1曲参加。

 今回、ダム・ダム・ガールズにはセット・アップをするローディー(2,3人)がいた。以前、半年ぐらい前に〈ブルワー・フォールズ〉というブルックリンの会場で見たときはいなかった(クロコダイルズは自分たちでしていた)。 セッティングに15分ぐらい要し、ダム・ダムは登場した。
 クロコダイルズのライヴは2階席から見ていて快適だったので、いちどステージ前に行ってから戻ろうとすると、すでに前にも後ろにも動けない状態になっていた。いちばん前で見ることになる。
 オープニングはニュー・アルバムの1曲目でもある"Always Looking"。毎日のツアーで鍛えられたのか、バンドのチームワークはかなりタイト。ディ・ディの歌は聞いているのがちょっとつらくなるほど感情がこもっている。古い曲、新しく曲を平等にミックスし、全部で15曲、プラス、アンコール1曲。ハイライトは"hold your hand ""waisted away""in my head"、ラストの"There is a light"あたりで、演奏中はとくにMCをしない。ディディが「私の旦那、 ブランドンへ」と前置きして歌った"in my head"では会場から声援が飛んでいた。個人的に好きな"caught in one"をやらなかったのが残念だが、あらためてディ・ディの歌唱力に脱帽、似た曲も多いが、それでも何だかんだ聞き入ってしまう。
 全体を通して、アルバム内容もあるが、何か辛そうな印象をうけた。演出なのか本当なのか。アンコールの"Coming Down"は、納得のエンディングだった。 彼女たちは翌日の22日はDCへ、そして23日はフィリーへ。24日のホーボーケンでひとまずUSツアーは終了で、11月3日からヨーロッパツアーがスタートする。

 今日ほかに行きたかったショーは......

Caithlin De marrais @ littlefield
元レイナーマリアのベーシストのソロ。
11月にもういちどショーがあるので、そちらに行くつもり。

Brooklyn Vegan showcase @ music hall of williamsburg
10:00 Braids
9:00 Active Child
11:00 Weekend
8:00 Pepper Rabbit
こちらも間に合わずだったが、明日のパーテーに参加予定。明日で最後!

■10/22(sat) CMJ 5日目 最終日

CMJ最終日は、昼からAAMと『ブルックリン・ヴィーガン』のパーティにでかける。

AAM day party @knitting factory
Vacationer
Casiokids
Memoryhouse
1,2,3
dom

ここについたのが、1時半ぐらい。バンドはまだで、セットアップ中だった。速足で次のヴェニューへむかう。

brooklyn vegan CMJ day party @ public assembly
2:30 Friends
2:30 Stepkids

 毎年この辺にはお世話になっているが、いつもスポンサーがPOPチップ、エナジーバー、リカー系(今回はスパイス・ラムだった)で、今回も昼間から、たくさんの人で賑わっていた。
 今回のCMJではここ、パブリック・アセンブリーにお世話になった。昼も夜もパーティ続きに加え、何と言ってもアクセスがよい。こうなったらこの辺のヴェニューを集めて、ここを本部にして、ミニチュアCMJでも開催するべきかも。
 バンドは、ステップキッズとフレンズを観る(フロントルーム,バックルーム)。

@ Move Brooklyn
7:00 Hard nips
6:00 Eola
5:00 Punks on mars
4:00 Guardian alien
3:00 Prince Rama

 その後、プリンス・ラマとガーディアン・エイリアンを見にMoves brooklyngへ。彼らは、過去にレポートして居る、ウィリアムスバーグ・ファッション・ウィークエンドでもショーをしていて、カラフルな色使い、斬新なデザインとコンセプトで注目を浴びている。キャラクター的にダウンタウン・アーティストである、ガーラン・ジーンズとかぶるところがあるが、どちらも現在を引っ張るカッティングエッジなアーティスト/デザイナーだと思う。

CSS, MEN, EMA @Webster hall

 そして、ハイライト(?)、アルファベット3文字組み合わせが面白かったので、これに行くことにラスト・ミニッツで決めた。
 10時頃つくと、何だかノリが違う......。イケイケ・パーティ・モードのクラウドで賑わってる? 何と、アーリー・ショーで、すでに終了していた(6時からはじまったらしい)。この場所は、私達が見たいバンドがプレイしているインディ会場と思いきや、有名なダンス・クラブでもあるのだ。週末の夜は、イケイケ・ヒップホップ、ギャング・パーティの定番となり、ギラギラしたボーイズ&ガールズで賑わっている。CMJ期間内でもこれは譲れなかったらしい。仕方が無いので、ブルックリンにとんぼ返り。パナシェ・パーティに乗り込む。昼間と同じ場所だけど......。

Panache booking & Bruise Cruise showcase @ public Assembly
(Front)
12:30 Shonen Knife
11:30 David Liebe Hart
10:30 White Fence

(Back)
12:00 am Vockah Redu
11:00 pm Turbo Fruits
10:00 pm Jacuzi Boys

 着いたら、変な海賊ハットをかぶったパフォーマーがプレイして居る。ステージで見たと思ったら、次の瞬間にはフォトブースでお客さんと記念撮影をしていた。もしかしてショーケースの単なる余興? そう言えば、ここは、パナシェ&ブルーズ・クルーズのショーケースだった。ブルーズ・クルーズ、彼らはバハマに向かう船のなかでショーを開催する海賊(輩)なのだ(ブッキングはいつもパナシェ)。次の航海は2月。寒中のニューヨークを抜け出して、バンドと一緒にビーチでマルガリータなど飲んだりして、遊び放題。何から何まですべてエンターテイン。彼らにすべて委ねればもう安心。ただ、このクルーズに参加すると帰って現実に戻れないので注意。
 そんなショーケースで、見たかったターボ・フルーツは見逃したが,少年ナイフがはじまった。なんと今年でバンド結成30周年なのだそう。それにしても相変わらず、なんてピュアで可愛いんでしょう。プレイしている曲も、新旧ミックスで、お客さんの心をわしづかみしている。
 今回のCMJでは女の子バンドを見た率が多く、思い出しても、ワイルド・フラッグ,エレノア・フレイドバーガー、ダム・ダム・ガールズ、ザ・スーザン、少年ナイフ、プリンス・ラマ......それぞれ個性もあって、つくづく女の子が台頭している時代なんだろう。
 そんなことを思いながら怒涛のCMJ期間が終了。カバンからはバッヂをピックアップしたところでもらったレッドブルが出てきた。家に帰ろう。

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