ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Bekon - Get With The Times (review)
  2. Dave - Game Over (review)
  3. yahyel ──ヤイエルがセカンド・アルバムをリリース (news)
  4. 子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から - ブレイディみかこ (review)
  5. Lemzly Dale ──UKグライムの立役者が初の海外ツアーで来日 (news)
  6. New Order ──アナーキー・イン・ザ・ベルリン、80年代の西ベルリンを描いたニュー・オーダーの新PVに注目 (news)
  7. Moritz von Oswald & Ordo Sakhna - Moritz Von Oswald & Ordo Sakhna (review)
  8. interview with Kojoe 日本語ラップとブラック・ミュージックの狭間で (interviews)
  9. 『バンドやめようぜ!』リリース・パーティ決定! (news)
  10. interview with Marina Kodama 私が燻製してあげる (interviews)
  11. 坂本龍一 - ASYNC - REMODELS (review)
  12. Equiknoxx - Colón Man (review)
  13. 海賊放送はイギリスの音楽をどう変えたか - ──ピーター・バラカンとハンス・フェルスタッドが語る〈ラジオ・キャロライン〉 (news)
  14. KANDYTOWN - ──キャンディタウンがついにメジャー・デビュー (news)
  15. ele-king vol.21 ──特集:2017年ベスト・アルバム30/ベスト映画10 (news)
  16. interview with IO - KoolBoyの美学 (interviews)
  17. 嘘八百 - (review)
  18. ルイの9番目の人生 - (review)
  19. Nick Hakim - Green Twins (review)
  20. interview with Ian F. Martin アイデンティティの問題と、いまアイドルについて語らないこと (interviews)

Home >  Columns > R.I.P. Robert Ashley- ロバート・アシュリー(1930 - 2014)

Columns

R.I.P. Robert Ashley

R.I.P. Robert Ashley

ロバート・アシュリー(1930 - 2014)

野田努 Mar 07,2014 UP

 去る3月3日、現代音楽家であり、電子音楽の開拓者のひとり、ロバート・アシュリーが肝硬変のために他界した。
 1930年、ミシガン州アナーバーに生まれたロバート・アシュリーは、大学卒業後、ミシガン大学スピーチ研究所(音響心理学と文化的なスピーチ・パターン)に勤務しながら、1958年にゴードン・ムンマと電子音楽スタジオを共同創立。機材が市販される以前から、エレクトロニクスに作曲の可能性を見たふたりは、機材環境を自分たちの手で作りあげ、実験した。1969年にはサンフランシスコ・テープ・ミュージックセンターの責任者に就任、1970年代は現代音楽のためのミルズ・カレッジ・センターで教鞭をとっている。
 
 昨今、声を機械で変調することはごく普通におこなわれているが、ロバート・アシュリーは音声合成を試みた先駆者として知られている。無意識の言語と意識不明状態への関心を膨らませた彼が1979年に発表した『Autmatic Writing』は、もっとも有名な作品のひとつで、言葉と電子音が織りなす実に奇妙な音楽だ。無意識に呟かれる言葉、フランス語の朗読(トゥーレット障害に関する論文)、ムーグ・シンセサイザーの音、オルガン──これらのミックスは、極限的なフリースタイルだったと言えるかもしれない。リル・Bの催眠的ラップの青写真かもしれない。スティーヴ・ステイプルトン(ナース・ウィズ・ウーンド)がLSDを摂取してこの作品に感動した話は有名で、NHKコーヘイも大好きなアルバムとして『Autmatic Writing』を挙げているが、しかしロバート・アシュリーの実験が本当に再評価されるにはもう少し時間が必要なのだろう。合掌。(野田努)

COLUMNS