Home > Interviews > interview with DJ Nobu - 素晴らしいですね。まあ、あれは病みつきになっちゃいますよね。日本も「クレイジー」な部分を無くさないように、ちょっとがんばりたいですけどね。
いや、あれはスキルのことを言っているのに、話がでかくなっちゃっただけで、オレは別にパソコン使ってても良いDJは良いと思っているし。オレもそのうちPCでDJやるかもしれないし。
■話を変えましょうか? 最近はiLLとのコラボレーションをやったけど、他に何かあった?
ノブ:アルツのリミックスをやりましたね。自分の曲の12インチが神戸の〈グラス・ワックス〉というレーベルから出ます。〈グラス・ワックス〉っていうのは、K・アレクシーとか出しているレーベルなんですけど。すごく良い感じでできました。もうすぐ出ると思いますよ。あれは聴いて欲しい。誰もやってないことやったつもりだから。
■おー。
ノブ:それが受けるかどうかは別として、挑戦したつもりです。
■それは注目だね。
ノブ:あと......なんだろう。また余計なことを言うと面倒くさくなるけど、ベルリンはみんなレコードでしたね(笑)。
■はははは、人から聞いたよ。例のPCの件だね。
ノブ:いや、あれはスキルのことを言っているのに、話がでかくなっちゃっただけで、オレは別にパソコン使ってても良いDJは良いと思っているし。オレもそのうちPCでDJやるかもしれないし。
■だからデリック・メイと同じことを言ってるだけでしょ。
ノブ:そうそう。ただね、オレが言いたいのは、パソコンでピッチ合わせをやっても良いと思うんですよ。楽だし。サージョンがPC使ってDJしていたんですけど、それは素晴らしかったし、ヘンリック・シュワルツやDJソデヤマも良いし。ただオレは......いまはレコードやCDでないと自分が思う緊張感が作れないからそうやっているだけで。
■でもベルリンって、いまどきヴァイナルなんだ?
ノブ:ホントにびっくりしましたね。〈ベルグハイン〉も〈パノラマ・バー〉も。
■ブースにちゃんとターンテーブルがどんとある感じ。
ノブ:そうっすね。でも実際......ヴァイナルは音が本当にいいっすよ(笑)。
■なんかね(笑)。
ノブ:あれは無くしちゃいけないと思うんですよ。
■そうだね。
ノブ:もちろん新しいことも受け入れるし、だけど、古くて良いものを守るってことも大切だと思うんですよ。そこのバランスは絶対に大事でしょ。
■CDJは使っているでしょ?
ノブ:使いますよ。でも、いまは7割がヴァイナル。自分なりにCDJを使いこなせるようになったらもっと使うかもしれないけど。
■データで良い音源もあるからね。
ノブ:そうなんですよ。オレも1年前からビートポートでちょこちょこ買ってますけど、良いのはありますからね。でもマスタリングなどして工夫しないと音が良くない。
■浅沼さんが最近やったダニエル・ベルのインタヴューで、彼が良いこと言ってたんだよね。90年代ですでにヴァイナルはカルトなものだったと。みんなCDに移行してたから、すでにヴァイナルは時代遅れだった。でも、それが逆に自分は特別な世界に関わっているという気持ちにさせたと。自分はこの文化の時代遅れのもので新しいものを生み出す側面が好きなんだと。
ノブ:そうっすね。ハーヴィーも最近のデジタル・カメラに喩えて良いこと言っていたよ。オートフォーカスのデジタル・カメラがいくら出回っても、プロは存在するって。そういうことをオレも言いたかったんですけど。でも、思い切り勘違いされて......。
■やっぱ影響力が大きいから(笑)。
ノブ:オレ、頭悪いからうまく文章書けないし。
■はははは。
ノブ:オレの戯言をそんなに気にする人がいるんだなって感じですよ(笑)。
文 : 野田 努(2010年5月31日)