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interview with Buffalo Daughter

interview with Buffalo Daughter

5次元とTB303の“ニュー・ロック”

――バッファロー・ドーター、ロング・インタヴュー

野田 努    photos by Yano Betty   Jun 24,2010 UP

「"アシッド・トラックス"の影響を受けたロック・バンドってそういないかも」と思ってね。「"アシッド・トラックス"は私たちのなかで重要なんだよなー」と思ってね。

しつこいようですけど、クラウトロックを参照にしたとかないんですか?

山本:もう、それは染みついちゃってるよね。

コーネリアスは、欧米での評価が一様に「カンみたい」だとか「クラウトロック的な」とか......、なんですよ。

山本:コーネリアスは東京っぽいよね。日本ぽいというよりも東京。東京だから生まれた。ああいう風にいっぱい聴いて作るというスタイルは、やっぱ東京だから生まれたんだと思いますよ。ただ、小山田君はもう、ああいう風に情報をいっぱい詰め込んだやり方にはもう飽きていると思うけど。それもまた東京っぽいと思うんです。カンってどこですか?

ケルンですね。

山本:ケルンか......。やっぱ住んでいる場所と音楽はすごく関係ありますね。最近はよくそう思います。ボアダムスが西から出てきたのもわかるし。

吉永:あれは東京からは生まれない。

バッファロー・ドーターは東京ですよね?

山本:このふたりは東京ですね。

コーネリアス的なところもあると思うんですけど、バッファロー・ドーターのほうがパンキッシュかなと思うんですよね。

大野:コーネリアスは優秀なスタッフに囲まれているけど、アイデアを練るのは小山田くんひとりでしょ。私たちは3人だから。怠けていても違うアイデアが出てくるし、お互いに助け合える関係になっている。

吉永:3人だと、みんながみんな自分をぜんぶ出したらまとまらないでしょ。だから「あ、これ必要ないかな」って、いろいろ個人個人のなかで削ぎ落としていかなければならない。だからシンプルになるんですよ。

では、最後にアルバムのなかでそれぞれの推薦曲を1曲だけ選んでください。

大野:人によるな~。

このアルバムに興味を示すであろう音楽リスナーに対して。

吉永:それはやっぱ曲順だから。だから最初の(Gravity )曲じゃないの。

でも、最初の曲は印象違うじゃないですか。

吉永:そうかな。

歌っているし。

大野:歌っている曲は他にもあるけど。

吉永:いや、私は今回は初心に帰ろうと思ったの。「バッファロー・ドーターってどういうバンドだっけかな?」というところを思い返してみたの。パブリック・イメージもふくめ、「他のバンドとどこが違うんだろう?」って。そのときに、"アシッド・トラックス"が好きで、〈グランド・ロイヤル〉の初期の音源が好きで、さらにシルヴァー・アップルズ好きで、という最初の3つの影響を思い出したのね。「"アシッド・トラックス"の影響を受けたロック・バンドってそういないかも」と思ってね。「"アシッド・トラックス"は私たちのなかで重要なんだよなー」と思ってね。

いまでも?

吉永:いまでも。だからTB303はいまも使っている。だからアルバムの1曲目は303の音が入っている"Gravity"にしたんだよね。それがそう伝わっているかどうは別にして、私たちの気持ちとしてはそうだった。

"アシッド・トラックス"の何がそんなに衝撃だったんでしょうね。

山本:303は、大阪でライヴをやったときにたまたま寄った古びた楽器屋で超安値で買ったんですね。

それはすごくラッキーだよ!

山本:まさにデトロイトの人たちのように、見捨てられた状態だったものを買ったわけです。それも良かったし、実際、すごく革命的な機材だし、パンクだし。

ですよね。なるほど、とにかくシュガーさんの1曲は"グラヴィティ"というわけですね。

大野:私はじゃあ、5曲目、"A11 A10ne "にしようかな。

吉永:8曲目(Five Thousand Years For D.E.A.T.H. )はどうですか?

大野:8ね(笑)。それ、新しい展開だよね。

山本:8,けっこう好きだよ。

僕は2(All Power To The Imagination)と3(Two Two)が好きだけど、2と3はいまでの路線を踏襲している曲だよね。

吉永:8はいちばん新しいね。演歌だねこれは(笑)。

山本:演歌なんだ(笑)。

曲のタイトルはどういう意味なんですか?

吉永:"50億年後の死"。50億年後に太陽系が滅亡するというね。

まあ、演歌というよりもエレジーですね。

吉永:あ、それいいね。これからエレジーと呼ぼう。

山本:そうだね、エレジー。


バッファロー・ドーター、ライヴ情報!

7月29日(木) 新代田FEVER / 東京
8月1日(日) FUJI ROCK FESTIVAL'10 / 新潟県・苗場スキー場
8月3日(火) 渋谷CLUB QUATTRO / 東京
8月13日(金) RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 / 北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
BUFFALO DAUGHTER ~Japan Tour 2010~
11月15日(月) LIQUIDROOM / 東京
11月16日(火) 心斎橋 クラブクアトロ
11月17日(水) 名古屋 クラブクアトロ
  info. SMASH 03-3444-6751
http://www.smash-jpn.com/index.php
http://www.buffalodaughter.com/

文 : 野田 努(2010年6月24日)

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