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Home >  Interviews > G.RINA × Dam-Funk - ハートの宿る音を求めて。

G.RINA × Dam-Funk

G.RINA × Dam-Funk

ハートの宿る音を求めて。

──スペシャル対談:Gリナ × デイム・ファンク

   Photo:Rio Yamamoto (81BASTARDS)   Dec 21,2015 UP

自分のスタイルを追い求めて自分を信じて、こだわりから手を放さなかったんだ

DâM-FunK ”We Continue” from『Invite The Light』

RINA:数年前にJzBratでライヴをされていましたね、あれが日本で最初のライヴでしたか?

D:〈ストーンズ・スロウ〉のパーティだとしたら、そうだよ。

RINA:そのときわたしも観に行ったんですが、初めてあなたのライヴを観たとき、あなたのスタイルに新しさを感じました。そしてそれにとても勇気づけられたんです。そこから、わたしも自分が影響を受けたこういった音楽の要素を自分の作曲のなかに活かす方法をじっくり考えるようになったんです。

D:それはうれしいね。そしてそれはうまくいっていると思うよ。その調子でがんばって良い曲を作ってほしいね。

RINA:ありがとうございます。あなたはモダン・ファンクのシーンの開拓者として大きな存在で、同時にとてもユニークな存在でもあると思うんです。アメリカにはおそらく良いプレイヤーはたくさんいると思うんですが、そんななかで自分が他のプレイヤーたちと異なっていたのはどんな部分だと感じていますか?

D:俺は本当にやりたいことだけをやってきた。自分のスタイルを追い求めて自分を信じて、こだわりから手を放さなかったんだ。いろんなスタイルに手を出さずに、なんでも屋みたいにならないようにね。ひたすら自分に正直でいたことで、サヴァイヴしてこれたんだと思う。

RINA:普段はいろんな音楽を聴くんですよね。それでも自分で作るものはファンクにこだわってきた。

D:そう、なぜならこどもの頃からそういった音楽に助けられてきたからさ。プリンス、ジョージ・クリントン、エムトゥーメイ、チェンジ、スレイヴからルースエンズ……そういった音楽に助けられてきたし、良い思い出が沢山あるんだ。いろんな音楽がすきだけど、そのなかでもファンクは俺の血液みたいなものなんだよ。

RINA:わたしにとっても好きなアーティストたちばかりです。とくに影響を受けたといえるのは? プリンスですか?

D:そうだね、ただし1989年まで。それ以降はそうでもないね。サルソウル、プレリュード、影響を受けたレーベルもたくさんあるね。

RINA:では音楽に限らなければ?

D:人生に影響を与えているもの? 夕陽、うつくしい夕陽を眺めることだよ。

RINA:ロマンティックですね!

D:それ以外では年代ものの車で近所をドライヴすること、ファッションそしてインターネットだよ。

RINA:インターネットといえば、あなたのインスタグラムをフォローしていますが、ポジティヴなフレーズやメッセージを写真とあわせて発信していますね。ほぼ毎日されているので、どんな考えでそうしているのか聞いてみたかったんです。

D:そうだね、それはできるだけやりたいことなんだ。俺は他人にしてもらって良かったことを、自分もしていきたいと思ってる。スマートフォンを眺めてたくさんの情報に触れるとき、せっかくなら誰かをインスパイアするようなことばを、諦めるなっていうようなメッセージを発していきたい。

RINA:そういうことに対して強い信念があるのを感じます。

D:俺たちはただの人間だろう、自分が発するメッセージが誰かをひどく傷つけたり人生を壊してしまうことさえある、そんなことをするかわりに、ポジティヴな影響を与えたいんだ。そしてその良いエネルギーがきっとまた自分に返ってくる。もちろん俺だってパーフェクトじゃないし、馬鹿なこともするさ。だけどお互いに影響を与えあう時、良いエネルギーこそが必要とされてると俺は感じてるんだよ。

RINA:その通りですね、そしてそれはあなたの音楽の中にもあらわれていると思います。

D:ありがとう。そうだといいね。

RINA:最後に、短いことばで自分のことをあらわすとしたら?

D:ファンクスタだね。それと同時に良い人生を送りたいと思ってるひとりの人間さ。

RINA:今日はお話しできてよかったです、ありがとうございました。


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