「Low」と一致するもの

Andy Stott - ele-king

 緊急速報です。デムダイク・ステアと並ぶ〈モダン・ラヴ〉の看板アーティスト、10年代のテクノ~インダストリアルの潮流を決定づけた異才、アンディ・ストットが2年半ぶりに来日、一夜限りのライヴ・セットを披露することが決定しました。前回はデムダイク・ステアのマイルズ・ウィテカーとのユニットであるミリー&アンドレアとしての来日でしたので、ソロ名義としては3年半ぶりの来日となります(最新作『Too Many Voices』発表後としては初の来日)。今回はいったいどんなサウンドをぶちかましてくれるのか。ブリストルからは実験的ベース・ミュージックを展開する〈Livity Sound〉のアススが、日本からは Ultrafog と Romy Mats が参加。8月24日はUNITに集結しましょう。

イギリス・マンチェスターを拠点とする超優良レーベル〈Modern Love〉の看板アーティスト、Andy Stott の約2年半振りの来日公演が決定!

伝説の Basic Channel を源流とするミニマル~ダブ・テクノの可能性を拡張させながら、インダストリアル~ドローンの荒野を開拓する唯一無二の存在として、圧倒的なクオリティーとポテンシャルの高いベース・ミュージックでクラブ・ミュージックの枠を越えたファンを獲得している。2012年に発表された『Luxuary Problems』は Pitchfork、Resident Advisor、Fact Magazine、Spin などのレヴューで軒並み高得点を獲得、続く2014年作の『Faith In Strangers』も Resident Advisor の年間ベスト・アルバムのトップに選出されたのを筆頭に、Fact Magazine やミュージック・マガジンでも年間アルバムにチャートイン、世界中で新たなファンを増殖させた。2016年にリリースされた通算4作目となる『Too Many Voices』では、前作で展開されたゴシック~ニューウェイヴ・テイストを継承しながら洗練されたフューチャリスティックな鋭利なグライム・ビートで未開の新境地へと到達している。

常にその特異なサウンドスケイプとプロダクションを進化・深化させながらトレンドをアップデートする稀有なアーティスト、Andy Stott の最新ライヴ・セットをご堪能あれ!

更にイギリス・ブリストル出身でダブステップの興隆と共にシーンに登場、あの〈Livity Sound〉の中核として知られる Asusu がDJとして参戦。〈solitude solutions〉や〈angoisse〉などの新興レーベルからのリリースで知られる音楽家 Ultrafog のライヴ・セット、Asusu、Bartellow、Imre Kiss、S Olbricht などの新鋭を招聘してきたパーティー《解体新書》のレジデントDJである Romy Mats というドープな布陣でカッティング・エッジなエレクトリック・ミュージックを縦横無尽に網羅する一夜になることでしょう!

UNIT / root & branch presets UBIK
8.24 fri @ 代官山 UNIT
live: Andy Stott (Modern Love, UK), Ultrafog
djs: Asusu (Impasse / Livity Sound, UK), Romy Mats (解体新書 / N.O.S.) and More to be announced!!

Open / Start 23:30
¥3,000 (Advance) plus 1 Drink Charged @Door
Ticket Outlets (Now on Sale): PIA (123-868), LAWSON (70299), e+ (eplus.jp), diskunion CLUB MUSIC SHOP (渋谷, 新宿, 下北沢), diskunion 吉祥寺, TECHNIQUE, JET SET TOKYO, clubberia, RA Japan and UNIT
Information: 03-5459-8630 (UNIT)
www.unit-tokyo.com


■ Andy Stott (Modern Love, UK)

Basic Channel を源流とするミニマル~ダブ・テクノの無限の可能性を現在も拡張させ続けている超優良レーベル〈Modern Love〉を代表する最重要アーティストが Andy Stott である。〈Modern Love〉から2005年に「Ceramics」「Demon In The Attic EP」「Replace EP」の3作品をリリース。ハード・テクノをスクリューしたようなノイジーなドローン、ロウビート、圧倒的な音響感のエクスペリメンタル・ビーツは一躍シーンの寵児として注目された。2006年、ファースト・アルバム『Merciless』をリリース。2008年、これまでリリースされたEPをまとめたコンピレーション・アルバム『Unknown Exception』をリリース。2011年、12インチ2枚組『We Stay Together』『Passed Me By』の2作品をリリース、これら2作品をCDにまとめた『We Stay Together / Passed Me By』もリリース。これらの作品で展開されたオリジナリティーに溢れるアヴァンギャルドかつエクスペリメンタルなダブ・テクノ・サウンドは、数多の Basic Channel のフォロワーを明らかに凌駕する新しいサウンドの斬新さに溢れている。2012年、約1年振りとなるアルバム『Luxury Problems』をリリース。Pitchfork、Resident Advisor、FACT magazine、Rolling Stone、SPIN などレヴューでは軒並み高得点を獲得、現在最もポテンシャルの高いベース・ミュージックを奏でるアーティストとしてクラブ・ミュージックを越えたファンを獲得する事となった。2014年には Demdike Stare の Miles とのプロジェクト、Millie & Andrea 名義でアルバム『Drop The Vowels』をリリース、そして2年ぶりとなるアルバム『Faith In Strangers』を発表、この作品は Resident Advisor の年間アルバム・チャートで首位を獲得、Fact Magazine の年間アルバム・チャート4位、ミュージック・マガジン誌のテクノ/ハウス/ブレイクビーツ部門の年間ベスト・アルバム2位と世界各国で大きな注目を集め、幅広いリスナー層を増殖させ続けている。2016年、通算4作目となる『Too Many Voices』では、前作で展開されたゴシック~ニューウェイヴ・テイストを継承しながら洗練されたフューチャリスティックな鋭利なグライム・ビートで未開の新境地へと到達している。

■ Asusu (Impasse / Livity Sound)

本名、Craig Stennett。ダブステップの興隆とともにシーンに登場して以降、刺激に満ちたダンス・ミュージックの新たな在り方を提案し続けるプロデューサー。UKガラージ、ジャングル、ミニマル・テクノといった要素が混然一体となったカテゴリー不可能なサウンドを武器に、Peverelist と Kowton と共に〈Livity Sound〉の中心的存在として、2010年代のダンス・ミュージックに新たな地平を切り開いた。2011年に発表した「Velez」はスマッシュ・ヒットを記録。タメの効いたミニマルなジャングル・トラックがジャンルの垣根を超えて、多様なDJたちにプレイされることになった。2015年には自身のレーベル〈Impasse〉をスタート。第1弾として発表された「Serra」には、サウンドシステム映えのする強烈な重低音を備えたテクノ・トラックを収録。Asusu の音楽観を見事に体現してみせた。近年も〈Timedance〉や〈Dial〉といった尖ったレーベルにも楽曲を提供するなど、革新的なダンス・ミュージックの可能性を模索し続けている。2017年より東京を拠点に活動中。

■ Ultrafog

Kouhei Fukuzumi によるプロジェクト。
〈Solitude Solutions〉、〈Angoisse〉からカセットを発表。
今年1月に行ったNYCでのツアーでは DJ Python、Patricia、Bookworks などと共演、〈RVNG Intl.〉が運営する Commend でのライブも行った。
今年5月には Huerco S. の来日公演をサポート。

■ Romy Mats (解体新書 / N.O.S.)

1994年、東京生まれ。世界中のアンダーグラウンドから日本へと伝わるダンス・ミュージック/電子音楽を独自の視点で紹介するパーティー《解体新書》を主宰。2018年には東京のレーベル兼レイヴプラットフォーム〈N.O.S.〉の一員としても活動をしている。本名名義の Hiromi Matsubara(松原裕海)でフリーランスのライター/エディターとして活動し、2014年からは、国内では老舗のエレクトロニック・ミュージック・メディア『HigherFrequency』で編集長を務めている。ライターやジャーナリストとしてダンス・ミュージックに接している経験をDJとしてのトラック・セレクトにも活かし、伝統と革新、都市と楽園、調和と混沌などをテーマに、幅広い視野で文脈を超えたミックスに臨んでいる。

Miss Red - ele-king

 ダンスホールっていうのはじつに面白い。まずこの音楽は、置き去りにされた下層民による寄り戻しとして誕生した。それは意識高い系の音楽へのあてこすりのようにも見える。国際的な感性/知性に訴えることができたルーツ・レゲエと違って、80年代に登場したダンスホールはアンチエリートの庶民派だが文化的には保守的で、言うなれば引きこもり的なそれは、周知のように内向きな暴力やゲイ嫌悪を露わにしたことで国際舞台で厳しく叩かれたこともある。
 しかしながらそのスタイルは、どメジャーからアンダーグラウンド、ジェイミーXXからイキノックス、カナダから南アフリカまでと、いまもまったく幅広く愛されているし、進化もしている。その成分はR&BにもUKグライムにも注がれている。そして、こんなにも矛盾をはらみながらも途絶えることなく拡大しているのは、ひとつにはダンスホールの敷居が低さゆえだろう。

 ケヴィン・マーティンはダンスホールの側にいる。近年は主にザ・バグ名義による精力的な活動で知られるマーティンは、彼のもうひとつの主題であるダブの探求の成果をつい先日はBurialとの共作12インチ(Flame 1)によって発表したばかりで、あるいはまた彼のエクスペリメンタルな側面は、たとえば2年前のアース(ドローン/ドゥーム・メタルのバンド)との共作アルバムによって表現されている。そして、彼はいまミス・レッドとともにダンスホールに戻ってきた。リングに上がって、ファイティング・ポーズを取っている。
 ダンスホールは基本的には楽しみの音楽であり、アドレナリンの爆発であり、ユーモアが込められた音楽だ。さばさばしていて、活気があって、エネルギーの塊。ダンスホールにおいて重要なのはマイク一本握って自分をより格好良く見せることだが、モロッコ人とポーランド人の両親を持つイスラエルはテレ・アヴィヴ出身のミス・レッドは、ダンスホールの引きこもり的傾向にまずはパンチを一発、風穴を開けてこのエネルギーを外側へと放出する。
 そして彼女はアルバムを通じて“マネー”というものに何度もパンチをお見舞いする。セコンドには……もちろんケヴィン・マーティンが付いている。まわりくどい表現はない。センチメンタルなメッセージもない。あるのはダンスのリズム、リズムに乗ったシンプルな言葉。トラックは、それこそイキノックスとか、はたまたポルトガルの〈プリンシペ〉なんかとも共振している。

 ケヴィン・マーティンは、たとえばインガ・コープランドグルーパーのような素晴らしいアウトサイダーに声をかけながら、基本、ウォーリア・クイーンやフローダンのような現場で揉まれてきたMCのことを評価し続けている。彼がザ・バグ名義で何人もの強者MCたちと仕事をしていることはdiscogsを見ればわかる。ミス・レッドの『K.O.』は彼女にとってのファースト・アルバムであり、ケヴィン・マーティンのダンスホール愛がもたらした、その最新盤ということでもある。パンク・スピリッツもあるし、まったく見事な一撃。この勢いをもらって、ちょうどいま話題の恥知らずな政治家=杉田議員にも一発と。ちなみにミス・レッドは、いま人気急上昇の日本のBim One Productionとも仕事をしているし、また、今年話題になったサイレント・ポエツの最新作にもフィーチャーされている。

Okzharp & Ribane - ele-king

 ポール・トーマス・アンダーソン監督『ファントム・スレッド』(上映中)はなんともおそろしい映画で、これを最後に俳優業を引退して靴職人になるというダニエル・デイ=ルイスに三流職人の役をやらせただけでなく、三流の証として「他人の立てる音」に我慢できないという性格まで与えている(ダニエル・デイ=ルイスは何をやらされているのかわかっているのだろうか?)。他人といっても、それは妻であり、いわゆる生活音を敵視し、それはそのまま現代人が他人の立てる音を許容できない芸術家気取りのようなものになっているというカリカチュアへと跳ね上がっていく。この作品にスマホは出てこないけれど、スマホと一緒に持ち歩いている個人の空間がどのように他人の空間を侵食し、そのことが周囲に被害者意識を増大させていることか。このことが果てしなく誇張され、他人の領域に入ることの難しさ──それはまるでいまや芸術家同士の付き合いのようだとこの作品はからかい、ダニエル・デイ=ルイスもありふれたモラ夫にしか見えなくなってくる。これを見て自分のことだと思わない人の方が僕には恐ろしいし、ましてや男女の枠組みを描いた作品だと了解してしまう単純さにも呆れ返る。オーケーザープのデビュー・アルバムがどうして『近づいて・離れて(Closer Apart)』というタイトルになったかはわからないけれど、これが人と人との距離感を示すものであるとしたら、それこそ「Closer」と「Apart」を重要なキーワードとして使い分けたジョイ・ディヴィジョンの問題意識とも重ね合わせたくなるし、カーラ・ダル・フォーノなどインターネット時代にそれを試みているミュージシャンはやはりそれなりに注目を集めている時期ではある。“Why U in my Way”などという曲のタイトルはそうした邪推に拍車をかけてくれるというか。

 黒人が自分の顔に黒いインクを塗りたくるというクリス・サンダーズのヴィデオがインパクト大だった“Dear Ribane”(15)は当初、オーケーザープによるソロ名義の「Dumela 113 EP」としてリリースされたものの、ヴォーカルとダンスにフィーチャーされていたマンテ・リバンのイメージが強烈すぎたからか、2016年以降はオーケーザープ&リバン名義で「Tell Your Vision EP」へと続き、デビュー・アルバムもふたりの名義でリリースされることになった。ソウェト出身のマンテ・リバンは南アフリカを拠点とするファッション・モデルで、自身の体をキャンバスに見立てたデザイナー活動やダイ・アントワードのダンサーとして早くから注目を浴び、大胆なアフリカン・カラーをフィーチャーした彼女の衣装はそれこそグレース・ジョーンズやニッキー・ミナージュを思わせる。オーケーザープは元々、アフリカン・リズムとグライムを交錯させたLVから分かれたジェルヴァーズ・ゴードンによるソロ・プロジェクトで、アフリカン・ミュージックに対する興味はリバンと出会ったことで、より本格的になったと考えられる。音数が少ないのは元からで、どんなタイプのサウンドでもスネアがとにかく彼はいい。『クローサー・アパート』はそして、これまでのダンス・シングルに対してどちらかといえばチルアウト的なつくりとなり、冒頭から侘しい展開が続くなど前半はファティマ・アル・ケイディリのアフリカ・ヴァージョンといったものに。それはリバンが成長してジャズやクラシックを聴くようになり、“Maybe This” や“Fede”のように民衆を扇動するような歌詞から自称レディ・サイドと呼ぶ穏やかで幻想的なスタイルに改めたからだという(言葉遊びは前より巧みになっているとのことだけど、そこまではわからず)。中盤からはミドル・テンポが味を出しはじめ、ゴムやクンビアといったリズムがさりげなく入り混じる。“Dear Ribane”や“Teleported”に匹敵する曲がないのはちょっと残念だけど、それらに続編といえる“Dun”では陽気な側面も覗かせる。

 オーケーザープは早くに南アフリカを離れてしまったためにクワイトやゴムといった故郷のサウンドに少し距離を感じ、南アから離れようとしないマンテ・リバンは逆にシャンガーンやクワイトに揺るぎない誇りを持っているという。同じ土地に異なるパースペクティヴで突き刺さったふたりの持つずれがおそらくは南アという土地に向かいあう時に予期しない効果をサウンドに与えるのだろう。無理に離れるわけでもなく、あえて回帰的になるでもなく、ふたりの編み出すサウンドはいわゆるハイブリッドとも違った面白い着地点を見出したと思う。エンディングは意外にもインディー・バンド風のチルアウトだったりで、この先、どこに向かうかもわからない点も含めて期待はまだ続きそう。

食品まつり a.k.a Foodman - ele-king

 日本を代表するプロデューサーのひとりである食品まつりことフードマン。フットワークから影響を受けつつ、そこに留まらない数々の試みで多くのリスナーの支持を集めてきた彼が、なんとサン・アロウの主宰するレーベル〈Sun Ark〉と契約、9月21日にニュー・アルバム『ARU OTOKO NO DENSETSU』をリリースする。現在、“MIZU YOUKAN”と“SAUNA”の2曲が公開中。どちら素敵なトラックです。試聴はこちらから。

・世界中から注目を集めるトラックメイカー、食品まつり a.k.a foodman が9月にニューアルバムをリリース!
・新曲2曲をResident Advisorにて公開!

ダンス・ミュージックの定義を書き換える、他に類を見ない独自性溢れる音楽性で世界中から注目を集める名古屋出身トラックメイカー、食品まつり a.k.a foodman。国内での精力的な活動に留まらず、近年は全米・ヨーロッパツアーも成功させた彼が、最新アルバム『ARU OTOKO NO DENSETSU』を米レーベル〈Sun Ark〉から9月21日にLPおよびデジタル配信でリリースすることを発表した。

ドラムやベースを大胆に排除した楽曲も多く収録され、「ウワ音だけのダンス・ミュージック」をイメージして制作したという本作。シカゴのジューク/フットワークにインスピレーションを受けながら、既存のエレクトロニック・ミュージックの定石を覆し、誰も聞いたことのない音楽を生み出してきた姿勢はそのままに、今までよりエモーショナルでメロディックな表現を取り入れている。

さらにアルバムアナウンスに伴い、先行シングル第1弾となる「MIZU YOUKAN」と「SAUNA」が、Resident Advisor にて先行公開された。タイトル通り水菓子を思わせる涼しげなサウンドが夏にぴったりの「MIZU YOUKAN」と、無類のサウナ好きとしても知られる食品まつりのサウナ愛が情趣漂うメロディーから感じられる「SAUNA」の2曲を聴きながら、食品まつり a.k.a foodman によるこれまでの数多くのリリースの集大成とも言える本アルバムを心待ちにしたい。

■Resident Advisor でのプレミア公開記事はこちらから:
https://www.residentadvisor.net/news.aspx?id=42152

■各配信サービスにて新曲「MIZU YOUKAN」「SAUNA」配信&アルバム予約受付中!
アルバムDL購入には収録曲をイメージした本人手描きのドローイングによる全14ページにわたるブックレットPDF付き!
https://smarturl.it/2pq1mv

■リリース情報
アーティスト:食品まつり a.k.a foodman
タイトル:ARU OTOKO NO DENSETSU
リリース日:2018/9/21
※LP国内発売日未定

[トラックリスト]
01. KAKON
02. PERCUSSION
03. 337
04. AKARUI
05. FUE
06. BODY
07. MIZU YOUKAN
08. CLOCK feat. MACHINA
09. TATA
10. TABIJ2
11. SAUNA
12. MOZUKU feat. PILLOW PERSON

■バイオグラフィー

名古屋出身のトラックメイカー/絵描き。シカゴ発のダンス・ミュージック、ジューク/フットワークを独自に解釈した音楽でNYの〈Orange Milk〉よりデビュー。常識に囚われない独自性溢れる音楽性が注目を集め、七尾旅人、あっこゴリラなどとのコラボレーションのほか、Unsound、Boiler Room、Low End Theory出演、Diplo主宰の〈Mad Decent〉からのリリース、英国の人気ラジオ局NTSで番組を持つなど国内外で活躍。2016年に〈Orange Milk〉からリリースしたアルバム『Ez Minzoku』はPitchforkやFACT、日本のMUSIC MAGAZINE誌などで年間ベスト入りを果たした。2018年9月にニュー・アルバム『ARU OTOKO NO DENSETSU』をリリース予定。

Brandon Coleman - ele-king

 8月のソニックマニアをまえにし、俄然〈Brainfeeder〉が勢いづいております。ロス・フロム・フレンズ、ドリアン・コンセプトに続いて、ブランドン・コールマンが同レーベルと契約、9月14日に新作をリリースします。カマシ・ワシントンライアン・ポーターの作品でもおなじみの彼ですが、きたるリーダー作ではどんなサウンドを届けてくれるのか。先行公開された“Giant Feelings”を聴いて待っていましょう。

BRANDON COLEMAN
2018年型ファンク・オデッセイ!!!
LA新世代ジャズを牽引する鍵盤奏者が〈BRAINFEEDER〉と契約!
カマシ・ワシントンらLAジャズ集団WCGDメンバーも集結した
ブランドン・コールマン待望の最新アルバム
『Resistance』のリリースが決定!
リード・シングル「Giant Feelings」をMVと共に公開!

隠しディスクを含む3枚組CD(LPは5枚組)でリリースされたカマシ・ワシントンの超大作『Heaven & Earth』に続き、そのカマシ・ワシントン、サンダーキャットらと共にLA新世代ジャズ・シーンを牽引するメイン・プレイヤーにして、スティーヴィー・ワンダーやアース・ウィンド&ファイアといったレジェンドから、チャイルディッシュ・ガンビーノ、アリシア・キーズ、ベイビーフェイス、ケンドリック・ラマー、そしてもちろんフライング・ロータスまで、錚々たるアーティストに絶対不可欠なファンキー&グルーヴを注ぎ込む鍵盤奏者のブランドン・コールマンが、〈Brainfeeder〉と契約! カマシ・ワシントンやマイルス・モズレー、ライアン・ポーターらLAジャズ集団WCGD(ウェスト・コースト・ゲット・ダウン)のメンバーが集結した待望の最新アルバム『Resistance』を9月14日(金)に世界同時リリースする。アルバムの発表に合わせて、カマシ・ワシントンも参加したリード・シングル「Giant Feelings」がMVと共に公開された。本楽曲はもともと、カマシ、マイルス・モズレー、ロナルド・ブルーナー・ジュニア、サンダーキャットことスティーヴン・ブルーナーら、WCGDメンバーらとプレイすることを目的に書かれたという。

Brandon Coleman - Giant Feelings (feat. Patrice Quinn & Techdizzle)
https://www.youtube.com/watch?v=tgMHcBx_eKQ

本作『Resistance』では、パーラメント/ファンカデリックのジョージ・クリントンやザップから、ドクター・ドレー、DJクイック、デイム・ファンクにわたる、ファンク王朝の正統な後継作であると同時に、ブランドンにとってのヒーローたち、ハービー・ハンコック、ピーター・フランプトン、ロジャー・トラウトマンといった先駆者の自由と実験の精神を称え、ファンクの新時代の到来を高らかに告げる内容となっている。

カマシのバンド・メンバーでもあり、名作『The Epic』及び最新アルバム『Heaven & Earth』にも名を連ね、ほかにもフライング・ロータスの『You're Dead!』、ライアン・ポーターの『Spangle-Lang Lane』や『The Optimist』、クァンティック&ザ・ウェスタン・トランシエントの『A New Constellation』などLAジャズ周辺作品に参加する一方、ベイビーフェイス、アリシア・キーズなどR&B方面から、スタンリー・クラーク、マーカス・ミラー、ケニー・ギャレット、クリスチャン・マクブライド、ロイ・ハーグローヴら大物ジャズ・ミュージシャンに起用され、さらにスティーヴィー・ワンダー、アース・ウィンド&ファイアというレジェンダリーなアーティストとの共演も果たすなど、超一流のセッション・ミュージシャンとしての腕を磨いてきたブランドン。近年ではラッパー兼俳優のチャイルディッシュ・ガンビーノと共演し、グラミー賞授賞式のステージでバックを務めたことも話題を呼んだ。自身のソロ活動ではアルバム『Self Taught』を2013年にデシタル・リリース(2015年にCD化)している。

本作『Resistance』は、彼のマルチ・ミュージシャンぶりにさらに磨きをかけ、『Self Taught』での音楽性をより強固に、2018年の今にアップデート。主な録音メンバーには、カマシ・ワシントン(サックス)、ライアン・ポーター(トロンボーン)、ロバート・ミラー(ドラムス)、ミゲル・アトウッド・ファーガソン(ヴィオラ、ヴァイオリン)ほか、クリストファー・グレイ(トランペット)、ジーン・コイ(ドラムス)、オスカー・シートン(ドラムス)、ジェイムズ・アレン(パーカッション)、センミ・モウレイ・エルメーダウィ(ギター)らが参加。新たに新進女性ヴァイオリン奏者のイヴェット・ホルツヴァルトほか、コリー・メイソン(ドラムス)、ビリー・オドゥム(ギター)らセッション・ミュージシャンが脇を固め、カマシのバンドのリード・シンガーとして知られるパトリース・クイン、ゴスペルをルーツに持つネオ・ソウル系名シンガーのエンダンビほか、シーラ、ドミニック・シロー、トリシア・バッターニら多彩なヴォーカル陣が名を連ねている。

1980年代のブギー・ディスコ調のスタイルは、現代ならタキシードからデイム・ファンクなどに通じるもので、ジャズ以外の幅広い音楽ファンにもアピールする力を持っている。ハービー譲りのコズミックなメロウネス、スティーリー・ダン譲りのポップさも垣間見られる一方、LAの〈SOLARRecords〉、そしてPファンクやザップ、ロジャー・トラウトマンなどの流れも彷彿とさせる。ミディアム~スロー・ナンバーも秀逸だ。2017年を代表する名アルバムとなったサンダーキャットの『Drunk』と同じベクトルで、ジャズ、ファンク、ソウル、ブギー、AORなどのエッセンスをブレンドした現代のアーバン・ブラック・コンテンポラリー・サウンドが、ここに完成した。

ブランドン・コールマン待望の最新アルバム『Resistance』は9月14日(金)に世界同時リリース! 国内盤CDには、ボーナストラック“Dance with Me”が追加収録され、歌詞対訳と解説書、ステッカーが封入される。またiTunes Storeでアルバムを予約すると、公開された“Giant Feelings (feat. Patrice Quinn & Techdizzle)”がいち早くダウンロードできる。

label: BRAINFEEDER / BEAT RECORDS
artist: Brandon Coleman
title: Resistance

release date: 2018.09.14 FRI ON SALE

国内盤CD:BRC-573
ボーナストラック追加収録 / 解説書・歌詞対訳封入

[ご予約はこちら]
beatink.com: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9795
amazon: https://amzn.asia/2b5jAHm
Tower Records: https://bit.ly/2zLZQrl
HMV: https://bit.ly/2Lh9nuY

iTunes: https://apple.co/2NuAGPX
apple music: https://apple.co/2zQL8PD
Spotify: https://spoti.fi/2LsWI8t

[Tracklisting]
1. Live For Today
2. All Around The World
3. A Letter To My Buggers
4. Addiction (feat. Sheera)
5. Sexy
6. There’s No Turning Back
7. Resistance
8. Sundae (feat. N’Dambi)
9. Just Reach For The Stars
10. Love
11. Giant Feelings (feat. Patrice Quinn & Techdizzle)
12. Walk Free
13. Dance with Me (Bonus Track for Japan)

BRAINFEEDER XANNIVERSARY POP-UP SHOP
開催日程: 8/10 (金) - 8/12 (日)
場所: GALLERY X BY PARCO

フライング・ロータス主宰レーベル〈BRAINFEEDER〉の10周年を記念した日本初のポップアップ・ショップ開催決定!
8月10日~12日の三日間に渡って、渋谷スペイン坂のギャラリー X にて、日本初のポップアップ・ショップを開催! ここでしか手に入らない10周年記念グッズやレアな輸入グッ ズ、入手困難だった人気グッズの復刻、さらにアート作品の展示や〈BEAT RECOREDS〉のガレージセールなども同時開催! 初日にはDJイベントも!

詳細はこちら:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9778

SONICMANIAに〈BRAINFEEDER〉 ステージが登場!
今年設立10周年を迎えたフライング・ロータス主宰レーベル〈BRAINFEEDER〉。サマーソニックに引けを取らない強力な出演陣が大きな話題となっている今年のソニックマニアでは、フライン グ・ロータス、サンダーキャット、ジョージ・クリントン&パーラメント・ファンカデリックという最 高の布陣に加え、ドリアン・コンセプト、ジェームスズー、ロス・フロム・フレンズら、フライング・ ロータスが激推しする逸材が一挙集結!

SONICMANIA 2018
www.sonicmania.jp

Ben Khan - ele-king

 トム・ミシュジェイミー・アイザックにと、エレクトロニック・ソウルの新世代たちがつぎつぎに頭角を現している昨今。先日ご紹介したカラムもその新たな息吹のひとつですが、ここへ来てさらなるニュー・カマーの登場です。彼の名はベン・カーン。これまでいくつかのシングルをリリースし注目を集めてきたエレクトロニック・ファンクの新鋭が、この8月、ファースト・アルバムを発表します。プロデューサーはフラッド。同作収録曲のライヴ映像が公開されていますので、まずはそちらをチェックしておきましょう。

・近未来エレクトロニック・ファンク! UK新鋭プロデューサー、ベン・カーンがデビュー作から“a.t.w. (against the wall)”のライヴ映像を公開!
・日本盤は8月29日(水)に発売決定!

英ロンドンを拠点に活動するエレクトロニックR&Bプロデューサー、ベン・カーン。敏腕プロデューサー、フラッド(デペッシュ・モード、スマッシング・パンプキンズ他)を迎えて制作されたセルフ・タイトルのデビュー・アルバムより“a.t.w. (against the wall)”のライヴ映像が公開された。カーン自身とライティング・デザイナーのトバイアス・ライランダー(FKAツイッグス、ドレイク、バレンシアガ他)が本映像を手掛けている。暗闇の中飛び交う無数のレーザーが近未来的な世界を表現している。

新曲“a.t.w. (against the wall)”のライブ映像はこちら
https://youtu.be/1Fzr8nuBNxM

収録曲“Do It Right”のMVはこちら
https://youtu.be/1qfhFaA6dr8

収録曲“2000 Angels”のMVはこちら
https://youtu.be/Rt7TxeZNs9Q

さらに、デビュー・アルバムの日本盤が8月29日(水)に発売されることが決定した! ダウンロード・ボーナストラックに加えて、歌詞対訳とライナーノーツが封入予定。ライナーノーツにはカーンによる1言楽曲解説も記載されているので、ぜひ日本盤を手にとってほしい。


■リリース情報
アーティスト名:Ben Khan (ベン・カーン)
タイトル:Ben Khan (ベン・カーン)
発売日:2018年8月29日(水)
品番:HSE-6836
レーベル:Dirty Hit / Hostess
価格:2,100円+税

※初回仕様限定:ボーナストラック・ダウンロードコード付ステッカー封入(フォーマット:mp3 / 発売日から1年間有効)。ライナーノーツ、歌詞対訳(予定)

Amazon / Tower / HMV / iTunes

[トラックリスト]
01. 2000 angels
02. do it right
03. monsoon daydream
04. ruby
05. a.t.w (against the wall)
06. fool for you
07. the green
08. soul into the sun
09. our father
10. love faded
11. dntwanturluv...
12. merchant prince
13. ruby1strecording
14. waterfall
15. warriors rose

新曲“a.t.w (against the wall)”含む4曲配信開始&アルバム予約受付中!
リンク:smarturl.it/j4398l

■ショート・バイオ
英ロンドンを拠点に活動するエレクトロニックR&Bプロデューサー。2013年にファースト・シングル「Drive (Part 1)」を SoundCloud に公開。同年に発表したセカンド・シングル「Eden」が Pitchfork にて「Best New Track」を獲得し、早耳リスナーを中心に一挙に注目を集める。2014年に「1992 EP」、翌年には「1000 EP」を発表。2018年8月、待望のデビュー・アルバムをリリースする。

Amen Dunes - ele-king

 60年代後半のサイケ・ロックの名盤がアニマル・コレクティヴ『サング・トンズ』を通過して蘇ったような……と書けば、褒めすぎなのはわかっている。だが、〈セイクリッド・ボーンズ〉最後の秘宝といった佇まいだったエイメン・デューンズが、この通算5作めでこれまでにない注目と称賛を集めているのは紛れもない事実だ。はっきりとブレイクスルー作である。21世紀、サイケはインディの内側でインになったりアウトになったりを繰り返してきたが、このニューヨークのサイケデリック・フォーク・バンドはシド・バレットなどを引き合いに出されながら、どこか悠然と、のらりくらりと自分たちの酩酊を鳴らし続け、ますます逃避が難しく感じられるこの時代にこそインディのフロントラインに立った。僕は今年、このアルバムをもっとも多く聴いている。

 00年代のアニマル・コレクティヴのようなゆるいパーカッションの打音とヨレた歌があるが、ただし、『サング・トンズ』~『フィールズ』ほど音響化しているわけではない。よく聴けば奥のほうでノイズや細かな音の処理がされており、モダンな空間設計はあると言えばそうだが、本作を魅力的にしているのはクラシック・ロックの伝統の血筋を引いたソングライティングのたしかさである。これまでも光るものが確実にあったが、TVオン・ザ・レディオ、ビーチ・ハウス、ギャング・ギャング・ダンスなどの仕事で知られるプロデューサー、クリス・コーディの手腕が大きいのだろう、過去のローファイ作よりメリハリの効いた音づくりでメロディが立っている。ギターのアルペジオの柔らかく余韻たっぷりの響きもじつにいい。気持ちよく酔わせてくれる。アルバム冒頭の“Intro”を経て、実質的なオープニング・トラック“Blue Rose”で軽やかにコンガが聴こえてくれば、そこはすでに楽園である。ゆっくりと広がるユーフォリア。エイメン・デューンズは実質デイモン・マクマホンのプロジェクトだが、彼の歌と演奏は力が抜けつつもたしかに人間の体温を感じさせる。
 もうひとつ、『フリーダム』を特徴づけているのは反復だろう。時間が引き伸ばされるようにギターのアルペジオのリフとドラミングが繰り返されるが、それはクラウトロックのマシーナリーさではなく、あくまでオーガニックなものとしてある。シンプルなコード進行の循環と懸命な歌で聴かせる“Time”、ゆるい躁状態にあるようなラリったダンス・フィールが感じられる本作中もっとも軽快な“Calling Paul the Suffering”、存外に厚みのあるギター・サウンドを持った“Dracula”、よりモダンなアンビエントの音響が聴けるクロージング“L.A.”、どれも捨てがたいが、ベスト・トラックには眩いフォーク・ソング“Believe”を推したい。スロウなテンポでメロウなメロディを大事そうになぞる歌。上がりきらずに、しかし静かな盛り上がりを演出する抑揚の効いたリズム。ラスト1分におけるギターの情緒たっぷりの反復がいつまでも続けばいいのにと思う。

 その“Believe”は、マクマホンの母親が末期癌を患った経験から影響を受けてできた歌だそうだ。「あなたのためにしよう/ぼくは落ちこんでなんかない」。これはとてもパーソナルな心の動きがもとになった作品で、彼の震える声はそのまま彼の内面の機微である。前作の『ラヴ』に引き続いての『フリーダム』……と、この期に及んで愛に続いて自由とは、どれだけレイドバックしているんだと思うが、それは愛の夏とは違うもっと小さなものだ。アンノウン・モータル・オーケストラやフォキシジェンなどのいまどきのサイケ・ロック勢にはユーモアや皮肉を交えた知性が感じられるが、エイメン・デューンズはもっと率直に内省的だ。彼が歌う「フリーダム」ははっきりとした言葉にすらならない。「ナナナ、ナナナ、イー、イー、ナナナ、ナナナ、自由を手に、自由を」……。
 足元がフラつくフォーク・ソング“Miki Dora”で歌っているのは、5~60年代のカリフォルニアにおける伝説的なサーファーであるミキ・ドーラのことだという。ファッション・リーダーでカリスマ的な魅力を備えた彼は有名な波乗りとなったが、詐欺でのちに収監されている。アウトローのアイコンなのだという。マクマホンがニューヨークにいながら、なぜ西海岸の夏の海を憧憬せずにいられないのかはわからない。が、彼はここで欠点を持った人間のことを思い出しているのではないだろうか。この、ポップ・ミュージックに立派なステートメントがごった返す時代に。そして歌う……「波は行ってしまった」。ミキ・ドーラは、そして、刑務所のなかにいてもなお「終わらない夏」の象徴なのだと言うひともいたという。『フリーダム』のサイケデリック・フォークの温かさは、行ってしまった「愛の夏」ないしは「終わらない夏」の残響なのだろうか。それでもここに溢れ返る揺らぎと震えは、人間の欠点や弱さをも飲みこんでわたしたちを陶然とさせる。

Gaika - ele-king

 昨年の来日公演で強烈なパフォーマンスを見せてくれたガイカ、オルタナティヴなダンスホール・サウンドを聴かせる異才が、ソフィーと共同で作り上げた新曲“Immigrant Sons (Pesos & Gas)”のMVを公開しました。この曲は7月27日にデジタルで配信されるデビュー・アルバム『Basic Volume』収録曲で、同アルバムは9月28日にフィジカル盤もリリースされます。これは楽しみ。

ジャム・シティも参加したニューアルバム『Basic Volume』より、
ソフィーと共同プロデュースをした楽曲、
“Immigrant Sons (Pesos & Gas)”のミュージック・ビデオを公開!
また『Basic Volume』のフィジカル・リリースも9月28日(金)に決定!

代名詞であるゴシック・ダンスホールとインダストリアル・エレクトロニックの融合が一つの到達点に達した作品となっている、ガイカのデビュー・アルバム『Basic Volume』。その中から新たに“Immigrant Sons (Pesos & Gas)”のミュージック・ビデオが公開された。

MV「Immigrant Sons (Pesos & Gas)」
https://youtu.be/1zesioegOY0

今回公開された“Immigrant Sons (Pesos & Gas)”はガイカとソフィーが共同プロデュースを行っており、ガイカがガイカたる所以である、彼特有のエッジーなサウンドを保ちつつも新たにメロディアスな領域に彼自身を突入させた一曲となっている。
また、映像は先日公開された“Crown & Key”と同じ、Paco Ratertaによって製作されたビデオとなっており、撮影はフィリピンで行われた。
スモーク、廃墟、ギャング等々、荒廃した景色を映し出す中、集団の中でリーダーのように振る舞うガイカ本人が暴力的かつどこか神秘的な感じも漂わせる映像に、ガイカのキャリア史上一番ポップで感情を揺さぶるような楽曲が乗り、まさにガイカ・ワールド炸裂といった内容に仕上がっている。

また、待望のデビュー・アルバムとなる『BASIC VOLUME』は、7月27日(金)にデジタル配信で世界同時リリースが決まっていたが、9月28日(金)にフィジカルでもリリースされることが決まった。

label: Warp Records
artist: GAIKA
title: BASIC VOLUME

release date: 2018.09.28 Fri On Sale

[ご予約はこちら]
BEATINK: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=9780

digital release date: 2018.07.27 Fri
iTunes: https://apple.co/2xTIA2b
Apple Music: https://apple.co/2HtiXVy

[TRACKLISTING]
01. Basic Volume
02. Hackers & Jackers
03. Seven Churches For St Jude
04. Ruby
05. Born Thieves
06. 36 Oaths
07. Black Empire (Killmonger Riddim)
08. Grip
09. Clouds, Chemists And The Angel Gabriel
10. Immigrant Sons (Pesos & Gas)
11. Close To The Root
12. Yard
13. Crown & Key
14. Warlord Shoes
15. Spectacular Anthem

PSYCHEDELIC FLOATERS - ele-king

 不肖柴崎の監修により新たなリイシュー・シリーズがスタートします。その名も「PSYCHEDELIC FLOATERS(サイケデリック・フローターズ)」。

 「サイケデリック」というと、その語自体が伝統的なロック・ミュージック観と分かちがたく結びいている故に、1967年のサマー・オブ・ラヴ、ヒッピー、LSD、ティモシー・リアリー、サイケデリック・アート、ジェファーソン・エアプレイン、……という連想を反射的に起こさせるものだったし、そういった理解がいまだ一般的なものだろう。ドラッグ・カルチャーと変革の時代が生んだ徒花的存在として、その徒花性が故に「あの時代を彷彿とさせる」アイコニックなカルチャーとしてその後も生きながらえてきた。70年代にはアンダーグラウンドに潜伏しながらもオーセンティックなサイケデリック・ロックを演奏するバンド群は根強く存在していたし、80年代にはオルタナティヴ・ロックの胚珠として「ペイズリー・アンダーグラウンド」なるリヴァイヴァルも勃興し、90年代以降も特定のテイストとして都度アーティストたちに取り入れられる一要素として「サイケデリック」という意匠は生き長らえてきた。

 しかし、本来この「サイケデリック」には、そうした単線的な視点・史観のみでは捉えきれない複層的な空間が広がっている。幻夢的な酩酊感、あるいは静的覚醒感。そういった、サイケデリックから抽出される特有の質感を「浮遊感=フロートする感覚」として捉え直すことで、大きく視野が切り拓かれることになる。快楽性とテクスチャーにフォーカスして音楽を捉え直すという感覚は、90年代に、かつてのソウル観に対する概念として「フリー・ソウル」というタームが出現したときのそれに近しいと言えるかも知れない。そう、ドアーズやエレクトリック・プルーンズ、ブルー・チアー(も素晴らしいけど)ではなく、後期ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやカン、マニュエル・ゲッチング、ウェルドン・アーヴィン、ピーター・アイヴァース、ネッド・ドヒニー、ヨ・ラ・テンゴ、アンノウン・モータル・オーケストラフランク・オーシャン……。それらから共通して抽出されるタームこそを「サイケデリック・フローターズ」と呼びたい。

 そして、昨今のポスト・ヴェイパーウェイブ的趨勢の中、ニュー・エイジ、アンビエント、バレアリック、あるいはシティ・ポップやヨット・ロックが次々と注目・再発見されていく流れにあって、「サイケデリック・フローターズ」という切り口をそこに加えることで、いまこそ再び聴きたい(聴かれるべき)多くの隠れた名作が浮かび上がってくるのだった。これまで「サイケデリック」という文脈では一般的に語られることのなかった幅広いジャンルに存在する「無自覚なサイケデリック」とでも言うべき作品を発掘し、これまでのリイシュー・シリーズとは一線を画した視点で数々のタイトルを紹介していくつもりだ。

 では、今週7/18にリリースとなる第一弾の2作品を紹介しよう。

Jack Adkins / American Sunset

 米ウェストバージニア州出身のシンガー・ソングライターによる84年作の世界初CD化。
 少年期よりガレージ・ロック・バンドで演奏活動を始め、その後も全米サーキットで音楽活動を続けてきたジャック・アドキンス。80年代に入りマイアミに移住しその地の風景に心を打たれたことをきっかけに、北米各地の夕暮れ(Sunset)の風景を歌い綴ったアルバムを制作することにした。歌とギター、リンドラム、そしてシンセサイザー(ローランドジュピター8)を中心に、ほぼ全ての楽器を自身で演奏し録音されたこのレコードは、当時はごく少数のみプレスの超激レア作。
 まさに知る人ぞ知る存在だったこの盤の存在が知られるきっかけは、ダニー・マクレウィンとトム・コベニーというハードなディガーふたりによるユニット PSYCHEMAGIK が選曲を担当したヴァイナル・コンピレーション『PSYCHEMAGIK PRESENTS MAGIK SUNSET PART 1』(2015年)に、アルバム・タイトル曲が収録されたことだった。
 ジュピター8の独特の音色に80’s的風情を強く吹き込むリンドラムの響き、そしてジャック・アドキンス本人のマンダムな歌唱が融合した世界は、まるでルー・リードとアーサー・ラッセルが邂逅したかのような至高のニューエイジ・フォーク作となっている。キラキラと海を照らすオレンジ色の黄昏のような音楽に、バレアリックな哀切が掻きてられる。

Jack Adkins - American Sunset
Boink Records / Pヴァイン

Amazon Tower HMV


Chuck Senrick / Dreamin’

 米ミネソタ州出身のジャズ系シンガー・ソングライター、チャック・センリックによる唯一作(76年作)の世界初CD化。
 地元のバー・ピアニストとして演奏活動をおこなっていた彼が、愛する新妻との結婚生活を綴ろうと制作した作品で、自身のヴォーカルとフェンダー・ローズ、そしてKORG社製のリズムボックス「ドンカマチック」を伴い、友人宅のリヴィング・ルームでひっそりと録音されたものだ。マイケル・フランクスやケニー・ランキンといったヴォーカリストを思わせる切々としたクルーナー・ヴォイスに、透明感のあるローズの響き、そしてキッチュとも言えるドンカマのリズムが融合し、シンプルながらも不可思議な酩酊感を湛えた世界が(ささやかに)繰り広げられる。
 ヨット・ロックのブームを決定づけることになった米〈Numero〉からリリースされたコンピレーション『SEAFARING STRANGERS: PRIVATE YACHT』(2017年作)に、本作から“ドント・ビー・ソー・ナイス”が収録されたことでも一部ファンの注目を集めていた。そういったAOR再評価の最深部的作品としても実に味わい深いが、やはり注目すべきはその幸福な浮遊感に満ちたイノセントかつナイーヴな肌触りだろう。
 これぞまさしくアンコンシャス(無意識的)なサイケデリック・ミュージックの最良の例だと言えるだろう。

Chuck Senrick - Dreamin'
A Peach Production / Pヴァイン

Amazon Tower HMV


 「サイケデリック」についてあれやこれや考察するよりも、あるいは「いまっぽい」という視点ばかりに拘泥するよりも、何よりもまずはその浮揚するサウンドスケープに耳を委ねてみるのが良い。
皆さんのリスニング・ライフに少しの刺激と安らぎを与えてくれるであろう本シリーズ、今後も様々な知られざるレア作や埋もれた名作のリリースを予定していますので、是非ご愛顧のほど宜しくお願いします。

追記:
「サイケデリック・フローターズ」をより楽しんでいただけるように、Apple Music と Spotify 上にプレイリストを作成しました。是非併せてお楽しみください。

AppleMusic

Spotify

※配信曲有無の関係で、AppleMusic と Spotify で若干プレイリスト内容が異なります。

The Sea And Cake - ele-king

 あのザ・シー・アンド・ケイクが、『Runner』(2012)以来、6年ぶりの新作アルバム『Any Day』を発売した。相変わらずとても良い。手に入れてからというもの何度も繰り返し聴いている。リリースはお馴染みの〈スリル・ジョッキー〉だ(日本盤リリースは〈HEADZ〉)。
 初夏から夏にかけてのムードに合う爽やかなアルバムだが、むろん、それだけが繰り返し聴き込んでしまう理由ではない。彼らの音楽は「間」のアンサンブルが絶妙なのだ。このアンサンブルの独特さはなんだろう? と思いつつ、気が付けば20年以上もずっとアルバムを買い続けている。
 なぜだろう。いわゆる最小限のアンサンブルが風通しが良いからだろうか。だが、ザ・シー・アンド・ケイクは、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスという、ごく普通のロック・バンド編成にも関わらず、まったく普通ではない妙味がある。演奏とヴォーカルの関係性、ドラムとベースの関係性など、これまでのアルバムを聴き込んでいけば一目瞭然だ。こんなロック・バンドはほかにない。ポップであっても変わっている。変わっているけど変ではない。聴きやすく、ポップで、やさしくて、まろやか。一筋縄ではいかなくて、それでも音楽は親しみやすい。少し不思議な音楽。それがザ・シー・アンド・ケイクの印象だ。

 もちろん、サム・プレコップ、アーチャー・プルウィット、ジョン・マッケンタイア、エリック・クラリッジら希代の演奏家・音楽家らがメンバーなのだから、豊穣な音楽性を有していることは当然といえば当然である。じっさい、サム・プレコップのフローティングするようなヴォーカル、アーチャー・プルウィットの味わい深いギター、ジョン・マッケンタイアの複雑にして軽やかに弾むドラミング、エリック・クラリッジの個性的なベースというアンサンブルは「必然と魔法」のように、ザ・シー・アンド・ケイクの本質を形作っていた。
 だからこそ、前作以降、病で演奏活動ができなくなったエリック・クラリッジの脱退は、バンドにとって、ほとんど存続にかかわる事態だったのではないか。そう、本作は、エリック・クラリッジが不在のままサム・プレコップ、アーチャー・プルウィット、ジョン・マッケンタイアら3人によって制作されたアルバムなのである。
 彼らはエリック・クラリッジの代わりに新たなベーシストを入れることをしなかった。たしかに3曲め“Any Day”に、ザ・ジンクスや、ユーフォンで知られるニック・マクリがゲスト・ベーシストとして参加しているが、そのほかの曲はジョン・マッケンタイアがシンセ・ベースを演奏している。

 空白をほかの誰かですべて埋めるのではなく、空白は空白のままにしておくこと。彼らはエリック・クラリッジ脱退以降、そんな方法をとった。これは素晴らしい選択に思える。
 なぜか。その「間」を活かした方法論が、とてもザ・シー・アンド・ケイクらしいのだ。むろん、エリック・クラリッジのベースがなくなったことでバンドのアンサンブルは変わった。当然だ。しかしジョン・マッケンタイアのシンセ・ベースは、その空白を埋めようとはしていない。彼のベースを模倣するのではなく、あくまで空白を空白のままにしておくように、シンプルなベースラインを刻んでいる。
 これは新しいベースを全面的に導入するよりは、ザ・シー・アンド・ケイクがザ・シー・アンド・ケイクであるための重要な選択だったと思う。むろんベースという文字通りバンド・アンサンブルを支えていた存在を失った事実は途轍もなく大きい。だが彼らは「間」のアンサンブルのバンドなのだ。不在を不在のまま存在に変えること。

 喪失から継続へ。このアルバムは人生における喪失への哀しみと、しかしそれでも続いていくこの美しい世界への慈しみがある。全10曲、まるでアートワークに用いられたサム・プレコップの写真そのもののような作品だ。こうして新作が録音され、リリースに至ったことは、ひとつの「奇跡」にすら思える。人生の傍らで鳴り続ける音楽がここに。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291